他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
北条加蓮「藍子と」高森藍子「今日もカフェテラスで」
Check
Tweet
69 :
第119話 高森藍子「加蓮ちゃんの」北条加蓮「膝の上に 3回目」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:03:18.95 ID:Od8DbOFm0
藍子「『色んなことがあって、色々なことを考えますけれど……。それを一言で表すなら、きっとこの言葉になると思います。今日も、私とあなたとの時間を――』」
加蓮「……ちょっと読むつもりなのに、すっかり読み込んじゃった」
藍子「どの部分も、読んでいるとあの時のことを思い出せて……。私たち、ここで1日中ずっと書いていましたよね。私たちのことを、加蓮ちゃんと一緒にずっと」
加蓮「たったそれだけの日記みたいなものだけど……藍子の世界に惹き込まれるんだ。そして、私も自分のことを好きになっちゃえそう」
加蓮「あははっ。ダメだよ、藍子。これを読んだら、また藍子のことがからかえなくなっちゃう……」
藍子「もうっ。からかわなくていいのに」
70 :
特別編(第127話と第128話の間) 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「2人でお祝いするカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:03:59.03 ID:Od8DbOFm0
加蓮「アイドルとしての藍子の言葉と、私の友達としての言葉がどっちも詰まったコラム。口に出して言うと不思議だけど、それが藍子なんだよね」
藍子「たくさん悩んで、加蓮ちゃんに教えてもらったからこそ、できたことかもしれません。アイドルとして道を進み続けていても、すぐ周りにある幸せは大切にし続けたいんです」
加蓮「そこに私は入ってる?」
藍子「うん、もちろんっ」
加蓮「そっか。……なんて、分かって聞いたけどね」
藍子「じゃあ加蓮ちゃんは、加蓮ちゃんの周りの幸せに、私のことも入れてくれていますか?」
加蓮「さあ、どうしよっかな。そうやって意地悪に意地悪で返す藍子ちゃんのことは、ぽいって投げちゃおうかなー? ……ふふっ、冗談だよ」
71 :
特別編(第133話〜第134話の間) 高森藍子「加蓮ちゃんが」北条加蓮「アイドルではない時間に」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:04:40.28 ID:Od8DbOFm0
加蓮「でも、たまに気になることもあるんだよ。藍子にとってそういうのって……ちょっと重たくないのかな。大丈夫かな? って」
加蓮「私も……眠る時でさえ、アイドルの感覚が剥がれなかった頃があって……」
加蓮「私は自分が、なんて言うんだろ。アイドルのことばっかり頭にあるからもうそういう生き方だって自覚できてるけど、藍子はどうなの?」
加蓮「藍子のような、なんでもない毎日を大切にする子が……どんな時も、アイドルの重荷がつきまとってきちゃうのって、けっこう辛いって思っちゃうけど……」
藍子「……確かに、加蓮ちゃんの言う通りかもしれません」
藍子「どんなささいな時でも、アイドルである自分を意識してしまって、疲れちゃうことだってあります」
藍子「だけど、それは重荷なんかじゃないですっ」
72 :
第140話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「見てあげているカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:05:19.31 ID:Od8DbOFm0
藍子「それどころか、意識した時にはそのまま、自分にできることや、やりたいことを考えるんですよ。そのままPさんに相談しに行って、びっくりされちゃうこともありますっ」
加蓮「あははっ。でもPさん、そういう時も相談に乗ってくれるでしょ」
藍子「はいっ」
加蓮「優しい人だもんね。……余計なお節介だったね、私」
73 :
第88話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「秋のカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:05:59.61 ID:Od8DbOFm0
藍子「実は、店内にあった物をもう1つもらっちゃいました。見てみてっ」
加蓮「なに? ……あ、可愛い。紫陽花の折り紙?」
藍子「折り紙ですけれど、ここをこうして……ほら、風車♪」
加蓮「オシャレだね。ちゃんと回るかな?」
藍子「ふぅ〜♪ ……あはっ、回りました!」
加蓮「嫌なジメジメも、これで吹き飛ぶと楽なんだけどなー」
74 :
第43.5話その1 北条加蓮「カフェに1人で来た日の話」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:06:39.98 ID:Od8DbOFm0
加蓮「この雑誌って、藍子のコラムだけじゃなくて色んなカフェのことが乗ってるんだ」
藍子「カフェの雑誌ですから。どこか、行きたいって思ったカフェはありましたか?」
加蓮「んー……。藍子のオススメは?」
藍子「そうですね〜。では、こんな場所はどうでしょう」
藍子「まず、ドアを開いた時にベルが鳴ります。内扉と外扉のあるカフェなので、店員さんは磨りガラスの向こうにいます」
加蓮「メニューボードとか植木鉢が置いてあるスペースだよね」
藍子「店員さんはまだ、お客さんには気がついていません」
加蓮「磨りガラス越しなら気付かないのも分かるかな」
藍子「外扉をゆっくりと閉め、内扉を開くと……狐の香りが、うっすらと……」
加蓮「き、狐の香り?」
藍子「まるで、狐が来客を知らせてくれたように……。それと同時に、店員さんがいつの間にか側に来ているんですっ」
加蓮「それ、店員が狐っていうことなんじゃ……!」
藍子「ふふ。もちろん、普通の人間ですよ。でも、本当に狐がカフェにいるような雰囲気なんです。それ以外は、動物の置物もほとんどない、ごく普通のカフェなのに……」
加蓮「もしかしてメニューも、そういう仕掛けがあるの?」
藍子「どうだったでしょうか〜」
加蓮「ぐ……! そう言われたら行こうって誘いたくなっちゃうじゃん!」
藍子「うまく、その気にさせることができちゃいました」
75 :
第82話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「残暑模様のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:07:19.73 ID:Od8DbOFm0
加蓮「人をその気にさせるのがうまいなぁ。さすが藍子。私と長いこと一緒にいただけのことはあるね」
加蓮「……」
加蓮「私と長いこと一緒にいやがっただけのことはあるね」
藍子「どうしてまた言い直すんですか」
76 :
第43.5話その2 高森藍子「カフェで加蓮ちゃんを待つお話」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:07:59.53 ID:Od8DbOFm0
藍子「加蓮ちゃんは意地悪なだけではなくて、意地悪な人の気持ちにも詳しいですよね」
加蓮「……え、急に何の悪口?」
藍子「これでも褒めているつもりです」
加蓮「言葉だけ聞いたら嫌味だけど……。藍子がそう言うと、ホントに褒めてるみたい」
77 :
第132話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「1時間だけのカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:08:38.85 ID:Od8DbOFm0
加蓮「カフェって言えば、海沿いのカフェ……。藍子が話してくれた、バッジをくれるカフェさ。結局行かずじまいだったね」
藍子「それなら今度、晴れた日にでも行ってみませんか? 海風が心地よくて、つい目をつむってしまうんです」
加蓮「じゃあ梅雨が開けたらかな。あとは……マネキンのカフェだっけ。店長さんがコーデ好きっていう。コーデ勝負とかできないかな?」
藍子「急に言われたら、店長さんも困ってしまうかも。あらかじめ連絡しておくのはどうですか?」
加蓮「サプライズ感はなくなっちゃうけど、その方がいいかな」
藍子「加蓮ちゃんが好きになりそうな場所、まだまだいっぱいあります♪」
加蓮「ふふっ……。どれだけ時間があっても足りなくて、困っちゃうくらい……」
78 :
第64話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「雑貨カフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:09:18.91 ID:Od8DbOFm0
藍子「……あれっ?」
加蓮「台本でも入れっぱなしだった?」
藍子「ううん。がさごそ……じゃんっ。てのひらサイズの招き猫っ♪」
加蓮「……高校生の鞄から出てくる物なのかな、それって」
藍子「もともと加蓮ちゃんにプレゼントしようって思っていたから、ちょうどよかったです!」
加蓮「しかも私への!? も……もうちょっと他になんかなかった?」
藍子「え〜っ。だめでした……?」
加蓮「ダメってことはないけど、だから高校生が持ってくるプレゼントじゃないって……。でもこれ、どこかで見たことある気がする。普通の招き猫なのに……なんでだろ」
藍子「ふっふっふ〜」
加蓮「……? ……あ、分かった! 雑貨カフェで見たヤツ!」
藍子「加蓮ちゃん、正解です。ちょうどこの間、近くまで行く機会があって……あの店員さんとも久しぶりにお話したんですよ」
藍子「活躍を見てますって、言われちゃいましたっ。招き猫も、ちょっぴり値引きしてもらっちゃいました」
79 :
第74話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「真剣勝負のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:10:00.06 ID:Od8DbOFm0
藍子「本当は、そのまま加蓮ちゃんにプレゼントしようと思っていましたけれど――どうやら、いらないみたいですね」
加蓮「……もしかして余計なこと言った? ごめんっ、藍子。猫ちゃんも可愛いと思う!」
藍子「もう遅いです!」
加蓮「そこをなんとかっ」
藍子「分かりました。でしたら加蓮ちゃん……いまから1つの問題を出します。それに正解したら、この招き猫は加蓮ちゃんにプレゼントします」
藍子「もし外してしまったら、招き猫は事務所に置いて、みなさんへの幸運を運ぶ子になってもらいます!」
加蓮「……えーと。それ、私が勝ったら私がみんなの分の幸せをぶんどるってことにならない?」
藍子「アイドルはきびしい世界だと教えてくれたのは、加蓮ちゃんですから……!」
加蓮「ええぇ……」
80 :
第51話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「探り合いのカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:10:39.80 ID:Od8DbOFm0
藍子「それでは、問題です」
藍子「加蓮ちゃん、ここに3枚の写真があります。どれが私の撮った写真でしょうか♪」
藍子「1つは未央ちゃんが撮った物で、もう1つは私のお母さんが撮った物です。さあ、どれがどれだか分かりますか……?」
加蓮「どれって言われても……。その桜の木がメインのが藍子」
藍子「わ」
加蓮「花見をしてるみんなの楽しそうなところを伝えようとしてるのが未央の。で、少し遠景気味にして藍子を綺麗に撮ったのが藍子のお母さんの。違う?」
藍子「……大正解です! でも、なんだか複雑……。未央ちゃんのことまでそんなに詳しく分かるんですよね。できれば、私にだけ……」
加蓮「……藍子って大概面倒くさいとこあるよね、私も言えないけど」
81 :
第34話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「秋染め?」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:11:19.81 ID:Od8DbOFm0
加蓮「じゃあ今度は、私から勝負っ」
藍子「いいですよ。いまは、もうちょっと勝負したい気持ちなんです!」
加蓮「燃えてるねー。いま、藍子が欲しい物を1つ選んで、紙に書いて裏返して。私がそれをあっという間に当てて見せるっ」
藍子「私のほしいものですね」
加蓮「私は目をつぶっておくから、書いたら言ってね」
藍子「は〜い。ほしいもの……。う〜ん……。また加蓮ちゃんの写真を撮って、アルバムに入れて思い出にしたいな……」
藍子「それから、今度カフェに行って、気になるメニューを注文してみて……」
加蓮「…………ねえ、藍子? 私が当てるゲームなのに、藍子が口に出してどうすんの」
藍子「えっ? いま、口に出ていましたか?」
加蓮「藍子ちゃんの欲しい物は私の写真、またはカフェの気になるメニュー。はい終わり」
藍子「あ、本当……。でも、こうして気持ちが伝わっちゃうのも、たまには悪くないかもしれません」
加蓮「いや勝負……もういいや、もうっ」
82 :
第138話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「緑色と紅色のカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:11:59.39 ID:Od8DbOFm0
加蓮「これは私がもらっちゃったから、事務所に置く分は私が探して来ようかな。ううん……本物を置くのもいいけど、藍子が招き猫になるのはどう?」
藍子「……ええと、私が?」
加蓮「手招き藍子ちゃん。誰かが通りかかると、ゆるふわ〜って鳴くの」
藍子「ゆるふわは、鳴き声ではありません……」
加蓮「そしてそれを聞いた通行人は呪いにかけられたかのように――」
藍子「呪いでもありませんっ」
83 :
第129話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「目先と足元を確かめ直すカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:12:39.78 ID:Od8DbOFm0
加蓮「そっか、藍子ちゃんは立っているだけの看板では満足できないんだったよね」
藍子「今度は、何のお話なんですか……」
加蓮「招き藍子ちゃんのポーズの話」
藍子「招きあいこ?」
加蓮「猫は手をこう動かすことしかしないけど、藍子ちゃんは人間だからもっとできそうでしょ? じゃあ、藍子の思う看板娘のポーズまで――」
藍子「えっ、えっ?」
加蓮「3、2、1、ゴー!」
藍子「うぅ、看板娘……。カフェの店員さんではないんだよね……? えっと……」
藍子「よ、よければ、私のお店でご飯を食べて行きませんか〜……?」
加蓮「……藍子、そういうのはダメ」ポン
藍子「えっ?」
加蓮「そういうのは、ダメ」
藍子「はあ……」
84 :
第125話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「時間がたくさんあるカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:13:19.97 ID:Od8DbOFm0
加蓮「ん〜〜〜……っと! 時間が経ったなーって思った瞬間、ちょっとだけ身体が動かしたくなるの。藍子も、そういう時ってない?」
藍子「たまにあるかも……。もうこんなに時間が、って思ったら、まるで何日もここに座り続けていた気持ちになるんですよねっ」
加蓮「そこまで行くと大げさかなぁ……。周りの目も無いし、藍子はこういう時に気を遣って見ないでいてくれるだろうし?」
藍子「気を遣われることなんて、なによりも大嫌いなのに?」
加蓮「誰かさんはやめろって言ってもやっちゃうから、逆にね。……ん〜〜〜〜っ! と。ふうっ、スッキリした」
藍子「私も、少しだけ背伸びしちゃます……ん〜〜〜〜っ♪」
85 :
第71話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「物静かなカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:14:00.61 ID:Od8DbOFm0
加蓮「ずず……」
藍子「ふうっ……♪」
加蓮「……もうちょっと話さない?」
藍子「加蓮ちゃんも、そう思いましたか? 私もっ。話したいこと、まだまだいっぱいありますっ」
加蓮「話したいことがっていうより、話そのものって言うか……あはは。なんか……せっかくだもん。何がせっかくなのか、分かんないけどね」
86 :
第116話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「アイドルのいるカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:14:38.73 ID:Od8DbOFm0
藍子「それなら……今はカフェにいる時間ですけれど、ちょっぴりだけ、アイドルの時間にしてみませんか? 女の子として、そしてアイドルとして、「私たちの時間」をお届けするんです」
加蓮「その言葉も懐かしいね。さっきのコラムを書く時にも、最後に出した答えだったっけ」
藍子「はい。今回は、ちょっと形は変わってしまいますけれど――」
加蓮「どういう形?」
藍子「じゃんっ」
加蓮「……マイク? それに、ラジオの録音機材が出てきた。そしてスマフォを並べて……もしかしてだけど、今からラジオでも録る気?」
藍子「はい、加蓮ちゃん用のマイクですよ。カフェにいる私と加蓮ちゃんの、なんでもないお話を、みなさんにもちょっとだけおすそ分け――「カフェラジオ」のお時間ですっ」
87 :
第83話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「雨上がりのカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:15:20.04 ID:Od8DbOFm0
藍子「ごほんっ。……みなさん、こんにちは! 私、高森藍子は、加蓮ちゃんと一緒にいつものカフェにいます。……はい、加蓮ちゃんっ」
加蓮「……え、マジで収録するの?」
藍子「はい。本当に収録します。大丈夫、ゆるく放送するラジオになる予定です。ちゃんとした番組の企画で、既にSNSで募集したお便りもいくつか頂いていますっ」
藍子「このカフェのことは詳しく説明はしませんけれど、店員さんからは許可をもらっていますよ」
加蓮「……この間Pさんがウキウキしてたのって、これかぁー」
藍子「途中で飲むお茶も、店員さんに淹れてもらいました。さあ、始めましょうっ。もう1回録音ボタンを押して……」
加蓮「――このカフェには、優しい店員さんと、滅多に表には出てこない店長さんが1人」
藍子「それから、晴れた日にはカフェテラスに」
加蓮「雨の日や、とても暑い日、冬の寒い日には、入り口から入って一番遠くの席に、いつも座っている――」
藍子「時には喧嘩もしてしまうけど、楽しそうにしているお客さんが、2人」
加蓮「今日もまた、静かでゆったりとした1日が、始まろうとしています……」
藍子「……」
加蓮「……いいタイミングで自然の音とか鳴れば綺麗だったのに」
藍子「こればかりは自然の機嫌しだいですから」
88 :
第87話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「鼻歌交じりのカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:16:00.14 ID:Od8DbOFm0
藍子「自己紹介の前に、まずはこのおたよりから。『お互い、相手の中での自分はどう思われていると感じていますか?』だそうです」
加蓮「藍子が私をどう思ってるかは自信があるよ」
藍子「わあっ。答えてみてください!」
加蓮「藍子はこういう時絶対に「加蓮ちゃんは、加蓮ちゃんです」って言う!」
藍子「……あはは、大正解です。じゃあ、加蓮ちゃんの中の私は――」
加蓮「さあ、私の中の藍子ちゃんはどうなっているかなー?」
藍子「私の大好きな人♪」
加蓮「……それを堂々と言うんだからさ」
89 :
第76話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「のんびり勝負のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:16:39.35 ID:Od8DbOFm0
藍子「それでは、改めて私からご紹介します。私と一緒にお話してくれるのは、アイドルの加蓮ちゃんですっ」
加蓮「どうも、加蓮だよー」
藍子「加蓮ちゃんのことを知らない方へ、一言で紹介すると……」
藍子「う〜ん」
藍子「……意地っ張りな女の子?」
加蓮「おいっ」
藍子「本当は自分のことをいっぱい見てほしいくせに、ものすごく意地っ張りな女の子。それが、加蓮ちゃんですっ」
加蓮「ねえ? 私、藍子になんかした??」
90 :
第105話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「くもりのち晴れのカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:17:19.65 ID:Od8DbOFm0
藍子「本当は、とても可愛くてとっても真面目で……アイドルの最先端を走り続けているのが、アイドルの北条加蓮ちゃんなんですよ」
藍子「だけどここにいる時の加蓮ちゃんは、いつもよりのんびりモードですっ。今日は、ふだん見せることのない加蓮ちゃんの姿を、お楽しみください♪」
加蓮「ふふっ。カッコいい私に憧れてる子は幻滅しちゃうかなー?」
藍子「そうなったら、今度は素の加蓮ちゃんを好きになってもらいましょう」
91 :
第73話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「しっとり雨模様のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:17:59.90 ID:Od8DbOFm0
藍子「次は、加蓮ちゃんの番」
加蓮「オッケー。藍子の紹介だよね。さて、どうしよっかな。くくくっ……」
藍子「……あの。ふざけようか、真面目に答えようか、悩んでいませんか?」
加蓮「って感じに私のことなら何でも知ってる侮れないゆるふわアイドル、それが高森藍子ちゃんだよ」
藍子「わっ……! 今のを、紹介に使われるとは思いませんでした」
加蓮「癒やされるゆるふわアイドル、だけど時々パッション。みんなに愛されるお散歩ガール。髪型は今日も可愛いっ」
藍子「か、加蓮ちゃん、急にその……褒めすぎですよ、も〜っ」
加蓮「そして、ときどき黒子ちゃんになります。真の正体は高森黒子ちゃんです」
藍子「藍子ですっ。黒子じゃないです」
92 :
第37話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「滑って転びそうな日のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:18:39.84 ID:Od8DbOFm0
加蓮「大切な物は?」
藍子「心のファインダーにっ」
加蓮「歩くアルバム、高森藍子!」
藍子「いえいっ♪」
加蓮「…………」
藍子「……いまいちですか?」
加蓮「やっぱりいまいち」
93 :
第52話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「9月に入った頃のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:19:20.73 ID:Od8DbOFm0
藍子「それでは今日も……なんて、今日からのラジオですけれど。お互いにいつもみたいに、お話したいことをゆっくりお話しましょう」
加蓮「オッケー。あ、でもせっかくラジオなんだから、ハッシュタグとか合言葉とかは決めておかない?」
藍子「それもそうですね。何がいいでしょう……?」
加蓮「合言葉なら、これしかないねっ。みんなでせーのっ、「ゆるふわ〜」」
藍子「ゆるふわ〜♪」
94 :
第53話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「休日のカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:19:59.50 ID:Od8DbOFm0
藍子「まずは、カフェラジオならではのおたよりからいきましょう。『おふたりの思う、カフェの魅力を教えてください!』加蓮ちゃん、どうぞっ」
加蓮「そうだねー……。やっぱり……藍子と一緒にいられること」
藍子「私のことではなくて、カフェのことですよ〜」
加蓮「藍子がいてくれる場所」
藍子「真面目に答えてくださいっ」
加蓮「真面目に言ってるよ?」
95 :
第54話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「都会のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:20:38.99 ID:Od8DbOFm0
藍子「『おふたりは、カフェでアイドルバレしたりないんですか?』加蓮ちゃんに、ありましたっ」
加蓮「みんなアイドルがいるって分かったらすぐ盛り上がるけど、こっちは結構大変なんだからね? オフモードから、急にアイドルの顔にならなくちゃいけないんだから」
藍子「加蓮ちゃん、笑顔になって、サインを書いてあげていましたよ。私から見ても、かっこよかったなあ……」
藍子「残念ながら、その時の写真は撮っていません。街で出会えた人は、ラッキーですね」
加蓮「……明日からもっと変装を強めにしよーっと」
96 :
第141話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「何度だって言うカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:21:19.36 ID:Od8DbOFm0
加蓮「『友達と外で食事する度に、同じ話を繰り返し聞かされます。どうしたらいいでしょう』……これは結構ガチのお悩み相談みたい」
藍子「そうですね〜……。何度も同じお話をするということは、もしかしたらそのお話を聞いてほしいということかもしれません」
加蓮「まあ、聞いてほしいから話す訳だし……」
藍子「話したいだけということかもしれませんし、もしかしたら、自分の気持ちが伝わっていないのかな……と、不安に思われているかもしれませんね」
藍子「同じお話を繰り返し聞くのは、面倒って思うかもしれませんけれど、1度ちゃんと聞いてみてはどうでしょうか。気持ちが通じ合った方が、お互い笑顔になれますから♪」
97 :
第44話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「ちょっと疲れた日のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:21:59.47 ID:Od8DbOFm0
藍子「メッセージではなく、直接お話したいというサインかも? 私も、加蓮ちゃんの気持ちが分かっても、加蓮ちゃんから教えてほしいなって思うことがあるんですよ」
加蓮「分かってることを聞きたいって気持ちと、分かってもらえてることでも言いたいって気持ちは……。ちょっと違うのかもね」
藍子「加蓮ちゃんも、話したいってサインを出している時があって――」
加蓮「もしもーし? 人が深い話をしようとしてる隣で暴露話を始めるのはやめて?」
98 :
第10話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「膝の上で にかいめ」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:22:40.12 ID:Od8DbOFm0
藍子「あいさつも、お礼の言葉も、何回だって言いたくなりますから♪」
藍子「お願いしますって言えば、これから始まるんだって気が引き締まりますし、ありがとうございましたって言えばお互いすっきり終われます」
加蓮「じゃあ、おはようございますやこんにちは、は?」
藍子「その日最初に出会った時の、最初の笑顔の交換ですっ」
99 :
第32話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「また同い年になって」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:23:19.81 ID:Od8DbOFm0
加蓮「私も直接言いたい時ってやっぱりあるから……藍子の言う通りなのかも」
藍子「そうだっ。私も、加蓮ちゃんに言いたいことがあったんでした」
加蓮「私に?」
藍子「加蓮ちゃん、今度のお仕事のオーディションに合格したんですよね。おめでとう、加蓮ちゃんっ」
加蓮「あははっ、そのことか。ありがと。わざわざ改まって言わなくても、メッセとかでいいのに」
藍子「やっぱり、おめでとうって言葉はこうして直接言いたいですから。その時の加蓮ちゃんの笑顔も、こうして見られますし♪」
加蓮「もー、またそういうこと……一応ラジオなんでしょ? もうっ」
100 :
第39話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「18時のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:23:59.29 ID:Od8DbOFm0
藍子「加蓮ちゃんって、演じることが得意なハズなのに、ときどき分かりやすくなってしまいますよね」
加蓮「そ、そう?」
藍子「とっても、分かりやすいです♪ そして、そんな時の加蓮ちゃんはたいてい本音を口にしていて……自分で照れてしまった時や、言わない方がよかったと思った時で……」
加蓮「待って待って待って、待って! 冷静に解説しないでよ!」
藍子「ほら、今も」
加蓮「これはまた違う話でしょ!?」
101 :
第43話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「1月のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:24:39.87 ID:Od8DbOFm0
藍子「いつも通りのお喋りを、そのままお届けするというコンセプトですよ?」
加蓮「いいからっ。おたよりはないの?」
藍子「む〜……。『おふたりは、昨日どんな夢を見ましたか?』」
加蓮「昨日見た夢かー。……実は私、昨日すごい夢を見ちゃったんだよね」
藍子「……! どんなお話が出てくるのでしょうか……」
加蓮「夢の中で、私はカフェにいるの。今いる場所みたいに、何人かがけのテーブル席で……藍子はいないんだけどね。テーブルには食べ終わったパフェと、あとプリンのお皿もあったかな」
加蓮「普通のカフェと違うのは、外が真っ白だってこと。壁も天井もない、ぜんぶ真っ白な空間なんだ……」
加蓮「藍子はいない、店員さんも他のお客さんも、誰もいない。ここどこ? 不安になるんだけど、すぐにこれが夢かもって思えるようにもなるの」
加蓮「で……夢の中で、自分が夢を見てるって気付いたら、不思議なことが起きたりできたりするって言うよね」
加蓮「ここが夢の中の、カフェと呼べるような呼べないような場所だと気がついた加蓮ちゃんは――」
藍子「か、加蓮ちゃんは……!!」
加蓮「そこで目が覚めました」
藍子「そこで、目が覚めたんですね。……………………はい?」
加蓮「おわり」
藍子「……あの……それだけ?」
加蓮「それだけだよ? あ、目が覚めたらまだ朝の4時だったからもっかい寝たけど、その時の夢は覚えてないっけ」
藍子「…………」
加蓮「で、数時間したら藍子の着信に叩き起こされました。……どしたの藍子? そんな恐い顔――待って待ってっ。みんな、リプライで炎上させるのはダメだよっ。私はあのピンク髪と違うんだから! ほら、今のもこうやって藍子に話している内容をそのまま言っただけで、」
藍子「そこまで想像して言えるなら、そうやって人をその気にさせるようなことっ……加蓮ちゃん〜〜〜〜っ!!!」
加蓮「うわ!? 藍子、掴みかかってこないでっ。放送事故になるから!!」
102 :
第109話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「ふきげんなホワイトデーのカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:25:21.12 ID:Od8DbOFm0
藍子「『いつもカフェにいる藍子ちゃんだからこそ、いつもと違う姿を見てみたいです。加蓮ちゃん、うまくやっちゃってください!』……だそうです」
加蓮「雑に振られたなー。しかもこれ、普段私が藍子のこといじりまくってるって知ってる人だよね。カフェの誰かかな」
藍子「加蓮ちゃん、なにかお題をください。演じてみせますね」
加蓮「オッケー。んー……藍子ちゃん男の子説は放送事故レベルだから――」
藍子「……次へ行きましょうか」
103 :
第28話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「夏景色のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:25:58.95 ID:Od8DbOFm0
加蓮「それでは今回こそぶっちゃけてみようか。普段は絶対聞けない藍子ちゃんの愚痴コーナー!」
藍子「また急にっ……!」
加蓮「3、2、1、はいどうぞ!」
藍子「愚痴……というより、困っていることになります。加蓮ちゃんがいつも無茶なことばっかり言うので困ってますっ。この間も、レッスンが終わってくたくたになっていたのにポテトを買いに行かされそうになって――」
加蓮「……ホントごめん。レッスン上がりだって知らなかったの」
104 :
第2話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「カフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:26:39.35 ID:Od8DbOFm0
加蓮「キャラ変以外でいつもと違う姿って言えば……ベタだけど、自分の呼び方や人への呼び方を変えてみるとかかな?」
藍子「呼び方を変える、ですか……」
加蓮「藍子は自分のことを「私」って呼ぶけど、「アタシ」とか「うち」とか、……んー、どっちもイメージじゃないみたい」
加蓮「いっそ自分の名前で呼んでみるとか、どう? 藍子なら、あんまりあざとくもないでしょ――」
藍子「……加蓮っ♪」
加蓮「んぶっ!」
藍子「では、ラジオの間だけ加蓮ちゃん――加蓮っ♪ 呼び方を、変えてみますね」
加蓮「このラジオ打ち切り! 今日で終わり! お疲れさまでした!!」
105 :
第58話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「カフェの奥の席で」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:27:19.07 ID:Od8DbOFm0
藍子「『最近、友だちがため息をつくことが増えています。悩みごとは解決したようですが、なんとか笑顔にさせたいです。どうすれば笑わせることができるでしょうか。ちなみに私は芸人ではありません』」
加蓮「悩みが解決したけど溜息をついちゃうんだ。……その最後の一文は必要だった?」
藍子「時間が解決してくれるのが一番ですけれど……ずっと暗い気持ちでいたら、つらい時間がそれだけ増えてしまいます」
加蓮「そういう時って、1回大笑いすれば治ることがあるんだけど……」
藍子「加蓮ちゃんも、そうなんですか?」
加蓮「まあね」
藍子「う〜ん……。それなら面白いことを言うとか? でも、芸人さんではないんですよね。やっぱり、こういう時はどこかにお出かけして、面白いって思える物を見つけに行くのが――」
加蓮「そんなの簡単だよ、藍子。藍子の言う通りテキトーなところに連れ出して、こう唱えればいいの」
加蓮「『ただしその人の頭はつるつるです』」
藍子「んぐっ!? ん、ふふっ、んふっ……加蓮ちゃんっ! 加蓮ちゃん〜〜〜〜〜っ!」
加蓮「さっきの逆襲だからっ」
106 :
第42話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「手がかじかむ日のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:27:59.68 ID:Od8DbOFm0
加蓮「真面目な相談のも結構届いてるんだ。読んでみていい?」
藍子「いいですよ。どれにしますか?」
加蓮「……これ。藍子がいいならだけどね」
藍子「『友達と大喧嘩しました。私の気持ちなんて知らないくせに、と言ってしまいました』……。きつい言葉ですよね……」
加蓮「私の気持ちなんて知らないくせに、か……。今思い返しても、やっぱり呪いの言葉だよね」
藍子「それを言われてしまうと、何も言えなくなってしまいますよ……」
加蓮「向こうも私の話を聞くつもりなんてないんだろうし、あ、じゃあいいやってなっちゃうな。私だったら」
藍子「そういう時の加蓮ちゃんは、きびしいけれど……私なら、そこまできっぱり考えられないです」
加蓮「どうかな? 私も藍子が相手だったら、何を言われても必死になって、分からせようとしたり分かろうとするけどね」
藍子「そう思えることこそが、自分にとって大切な相手だということなのかもしれません」
加蓮「このおたよりをくれた人にとっても、そんな相手だったらいいね……」
藍子「どうか、元通りの関係に戻れますように」
加蓮「……ところで藍子。さりげなく自分は加蓮ちゃんに大切にされてるんだーってアピールしたねー?」
藍子「え? ……そういうつもりじゃなくて! そっ……それくらい、言ったっていいじゃないですか!!」
加蓮「いいよいいよ、どんどん言っちゃえっ」
107 :
第110話 高森藍子「す〜……」北条加蓮「藍子の寝ているカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:28:39.45 ID:Od8DbOFm0
加蓮「こっちのも、似た相談みたい。『ずっと一緒にいる幼馴染に、心の中でとんでもなく酷いことを思ってしまいました……顔を合わせるのもしんどいです。僕はどうすればいいでしょう』だって」
藍子「確かに、長く一緒にいるからこそ冷たいことを思ったり、自分が嫌になるほどの感情を抱くことも、あるのかもしれません」
加蓮「藍子は……」
藍子「私だって、まったくない訳ではありません。……何度も加蓮ちゃんのことを」
加蓮「それを言うなら私なんて、その何百倍もあるよ。前にね、ここでお昼寝している藍子を見て、1人でここに来るくらいなら誘ってほしかった……って言ったのは、ホントにすっごく後悔した。藍子は、ちょっと思ったことなら気にしないって言ってくれたけどさ」
藍子「ちょっと思ってしまうことなら、誰にでもあると思います。いろいろなことを考える加蓮ちゃんなら、余計にそうかもしれません」
藍子「……仲良しの相手に対して、ひどいことを思っただけなら、気にしないようにしましょう! もし、どうしても落ち込んでしまうなら……言わずに留めていられた自分を、褒めてみるのはどうでしょうか?」
加蓮「次の日1日くらいは、無理して笑っちゃうのも……きっと、誰も責めないよ。藍子っぽく言うなら、頑張って笑っていられた自分を褒めてあげるのもいいかもね」
108 :
第46話 北条加蓮「……」高森藍子「……加蓮ちゃんと、桜の日の夜に」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:29:21.16 ID:Od8DbOFm0
藍子「それでも、まだ落ち込んでしまう時は……。加蓮ちゃん、どうすればいいでしょうか」
加蓮「……。昔の私がやってた方法になっちゃうんだけど――」
藍子「加蓮ちゃん……?」
加蓮「"なかったこと"にすればいいよ。そんな予定なんてなかった、そんな出来事なんてなかった……世界のどこかで起きたことかもしれないけど、私の中では起きてないことって思うようにすればいい。そうすれば、辛いことも悲しいことも無くなっちゃうでしょ?」
藍子「……それは……」
加蓮「傷を塞ぐ方法の1つだよ。言ったでしょ、昔の私がやってた方法だって。藍子にとっては納得がいかなくても、そういうやり方だってあるんだから」
加蓮「けど……これは、どうしても傷が痛くて、今すぐ塞ぎたいって時だけ」
加蓮「今は相談できる相手がいなくても……いつか必ず、話せる人と会える筈だから」
加蓮「そうしたら、今度は"なかったこと"にしちゃダメ。それは、あなたの傷を癒やしてくれる人の手も振り払うことになっちゃう」
加蓮「……まだ、幼馴染さんとはいい関係が続いてるんだよね。その関係、大切にしてあげてね。辛い時には、助けてって口に出そうね」
109 :
第111話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「3月の終わりで4月が始まる頃のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:29:59.90 ID:Od8DbOFm0
加蓮「ちょっと明るいおたよりを読もっか。『加蓮ちゃんと藍子ちゃんの活躍を、いつも病院から見てます。私も元気をもらえます――』」
加蓮「……よかった。私、ちゃんと元気をあげられてるんだ」
加蓮「そう言われると、また新しい挑戦をしたくなっちゃうな。ねえ藍子、次は何をやろっか」
藍子「今度は加蓮ちゃんが主役ですね。さあ、何をやりましょうか♪」
110 :
第45話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「春風のカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:30:38.93 ID:Od8DbOFm0
加蓮「『藍子ちゃんの知る秘蔵写真はたくさん見せてもらったので、今度は加蓮ちゃんが知る藍子ちゃんの秘蔵写真を見てみたいです!』……藍子ちゃん? なにを見せたのかなー?」
藍子「さ、さぁ〜? なんのことでしょうか〜」
加蓮「ラジオだから言葉でしか説明できないけど、私にもとっておきのがあるよ。まずはこれ。カフェでクッキーをつまんでる様子を写した1枚。[まったりカフェ時間]高森藍子」
藍子「それが、この写真の名前ですか? まったりしてますよ〜」
加蓮「そしてこちらが[まったりカフェ時間・食べあと]高森藍子」
藍子「2枚目? って、クッキーの食べ切れをつけてる写真なんて! 加蓮ちゃん、いますぐ消してくださいっ」
111 :
第151話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「表情を見せるカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:31:18.80 ID:Od8DbOFm0
藍子「『大学生になってからというもの、やりたいことがたくさん増えて困っています。時間の女神様、どうか私に時間をください!』」
藍子「時間の女神ではありませんけれど、気持ちは分かりますっ。私も、やりたいことがいっぱいあるから……一緒ですね♪」
藍子「まず、1度やりたいことをメモにしてみるのはどうでしょうか。最初に書いたことからやっていく、というのもいいかもしれませんね」
加蓮「藍子みたいに部屋中メモだらけにならないように気をつけてね」
藍子「最近はメモが増えすぎたので、いくつかをアイドル仲間のみなさんに分けてあげているんです」
加蓮「……藍子のやりたいことを分けてあげてるの?」
112 :
第146話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「昼下がりのカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:31:59.39 ID:Od8DbOFm0
藍子「日々がんばっていらっしゃる、看護師さんからのおたよりです」
加蓮「藍子、それは読まないで次に行こう」
藍子「ごほんっ。加蓮ちゃん、いつも病院のみんな、特に入院しているみんなへ夢を届けてくれてありがとう。子どもたちと一緒に、加蓮ちゃんたちの輝く姿を見ています――だって♪」
加蓮「っ……も、もう。だいたい加蓮ちゃん"たち"って、藍子のことも含まれてるじゃんっ。応援してくれるんだったら私だけを見なさい!」
藍子「看護師さん、応援してくださりありがとうございますっ。これからも、加蓮ちゃんと一緒に元気と笑顔をお届けしますね」
加蓮「何勝手に締めようとしてんの!」
藍子「だって、加蓮ちゃんが次に行こうって言うから――」
加蓮「ワンテンポ遅いのよ! のろまっ!」
113 :
第35話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「秋の日のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:32:39.28 ID:Od8DbOFm0
藍子「ずっと喋っていると、喉が乾いてしまいました。加蓮ちゃん、ちょっとだけお茶タイムにしませんか?」
加蓮「そうしよっか」
藍子「ずず……」
加蓮「ずず……」
藍子「はふぅ……」
加蓮「ん……。たまにはお茶もいいね」
藍子「ずず……」
加蓮「ずず……」
藍子「はふ……♪」
加蓮「はふぅ……」
加蓮「……」
加蓮「……ラジオは?」
藍子「あ!」
114 :
第143話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「お届けするカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:33:19.57 ID:Od8DbOFm0
加蓮「お茶を飲んでて思いついたんだけど、カフェラジオ初回を記念して、何かプレゼントでも用意しちゃおっか」
藍子「それ、いいアイディアですっ。私のサインでもいいでしょうか……?」
加蓮「いいんじゃない? いつもみたいに、レア物には私のサインまでセットでつけてあげる。これはもう応募するしかないねー?」
藍子「みなさんの応募とおたより、お待ちしてますっ」
115 :
第72話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「2人きりのカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:33:59.68 ID:Od8DbOFm0
藍子「『悩んでます。すごく悩んでます。悩んでいました。ありがとうございました』」
加蓮「……え、終わり?」
藍子「悩んでいるっていうことそのものを、知ってほしかったのでしょうか……?」
加蓮「1人で悩む……って言ったら、やっぱり相手が大好きなんだって話?」
藍子「好きという気持ちは、いつだって複雑です」
加蓮「好きだからどうしたいとか、そういうのをすぐ考えちゃうのは……。ちょっと悪い癖かなって思うんだよね」
藍子「そんなことありませんよ。好きな人とやりたいことを思い浮かべるのは、誰でもやることだって思います」
加蓮「ふぅーん……」
藍子「ね?」
加蓮「……どっち?」
藍子「ふぇ?」
加蓮「なんでもありませーん」
116 :
特別編(18年ガシャ同時登場記念だったお話)高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「また毎日が始まる日のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:35:18.81 ID:Od8DbOFm0
藍子「『お散歩が大好きな藍子ちゃんに聞きたいです! 意外とここが面白いって場所を教えてほしいです。今度行ってみます!』」
加蓮「おっ、藍子の腕の見せどころだね」
藍子「いつも行くところではなく、意外な場所がいいんですよね。それなら……神社はどうでしょう?」
加蓮「神社ねー……」
藍子「……歌鈴ちゃんのことではなくて。神社ですよ」
加蓮「はいはい、分かってるって。じゃあついでに、お賽銭でも投げとこっか」
藍子「加蓮ちゃんは、神様にどんなお願いをしますか?」
加蓮「うーん……。いっぱいの楽しさと幸せを、笑顔でいられる今の人生への感謝……かな」
藍子「……そっか」
加蓮「って、違う違う。そんな話をしたかったんじゃないのっ」
117 :
第56話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「謎解きと時計のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:35:59.01 ID:Od8DbOFm0
藍子「続いてのおたよりは――」
藍子「……! 加蓮ちゃん、これっ」
加蓮「え、急に何?」
藍子「これは、加蓮ちゃん宛てみたいですよ」
加蓮「えーと。『加蓮様の「薄荷-ハッカ-」、しかと聴かせて頂きました。切なきメロディの中に脆く見えども、決して燃え尽きぬ意志は、かような老爺の涙腺に堪えますな。ほっほ……』」
加蓮「……」
加蓮「……これって……」
藍子「加蓮ちゃんっ。ラジオを聴いているみなさんにも、説明してあげて?」
加蓮「そっか……。このおたよりを出してくれた人は、きっと前に会ったことがある人だと思うの。私のCDも聞いてねってお願いしたら、ホントに聞いてくれたんだっ」
加蓮「今はうまく説明できないかもしれないから、今度みんなにも教えてあげるね。時計と、店員さんが素敵なカフェのこと」
118 :
第112話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「ちいさく気になるカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:36:39.93 ID:Od8DbOFm0
加蓮「『加蓮ちゃんの番組に、いつ藍子ちゃんが出演するか楽しみです!』」
藍子「今度こそは、私と加蓮ちゃんで一緒にやるんです!」
加蓮「……挑戦番組にずっと長いこと呼んでなかったこと、まだ怒ってる?」
藍子「む〜」
加蓮「怒ってた……」
119 :
第150話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「表情を見てくれるカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:37:19.41 ID:Od8DbOFm0
藍子「ラジオネーム、あなたの心にウサミンハート☆ さんからのおたよりです」
加蓮「何してんのあの人……」
藍子「おいしいご飯を炊くには意外と洗い方も大切なんですよっ。先にお米を入れてから洗う人が多いですが、まず水を張ってからお米を入れた方が――」
加蓮「相談じゃないし、送ってくるならそんなおばあちゃんの知恵みたいなのじゃなくて、せめてウサミン星人のなりかたとか教えて?」
120 :
第128話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「癒やされるカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:37:58.92 ID:Od8DbOFm0
藍子「そういえばこの間、商店街で菜々さんのCMが流れていましたっけ。前に私が食レポをさせてもらった商店街です。マッサージのCMだったかな……? それを見ていたおばあちゃんが、うんうんと頷いていて――」
加蓮「やめてあげてね?」
121 :
第85話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「お団子のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:38:39.04 ID:Od8DbOFm0
藍子「私たちの事務所では、いつでもウサミン星人を募集中ですっ♪ みんなも一緒に……せ〜のっ」
加蓮「うっさみーん」
加蓮「……なんで私達がこれやってるの?」
藍子「えへっ」
122 :
第149話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「ほどほどに賑やかなカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:39:19.89 ID:Od8DbOFm0
藍子「店員さんにありがとうって言うと、一緒にいた友だちからおかしな目で見られてしまいました。私が悪いのでしょうか?」
加蓮「……藍子、ご回答をどうぞ」
藍子「私? お礼を言うことは、とっても大切ですよね。言ってもらえた側も、すっごく嬉しくなります」
藍子「でも……無闇に言ってしまったり、タイミングを間違えてしまうと、言葉が軽くなってしまうかもしれません。友だちの前では、言わない方がいいのかもしれませんね」
藍子「店員さんに大きな声で言うのではなくて、こっそり言ってしまうのもいいですっ。ちょっとだけ、ドキドキを味わえちゃいますよ」
加蓮「……。あと、大したことじゃなくてもイラッとしちゃった時には1度徹底的に話すのもいいかも。もちろん、相手との距離にもよるけど」
藍子「加蓮ちゃん」
加蓮「あははっ。私の嫌い――苦手な相談だったけど、つい」
藍子「加蓮ちゃんのアドバイスも、参考になったでしょうか? ちなみに加蓮ちゃんは、私がお礼を言うと、たいていそっぽを向いちゃうんですよ」
加蓮「こらっ」
123 :
第59話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「今日までのカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:39:59.11 ID:Od8DbOFm0
藍子「次は、どれをお読みしましょうか。これがいいかな? こっちがいいかな……?」
加蓮「……! このおたより――」
藍子「加蓮ちゃん。何か読みたいのが見つかりましたか?」
加蓮「ううん、なんでもない。……おたよりを読み続けるのもいいけど、ちょっとトークに切り替えてみるのもいいんじゃない? あんまりサービスしすぎると、逆に読まれなかった人が怒っちゃうよ。こういうのは、読まれない人の割合をかなり多めに調節するのがポイントなの」
藍子「そうでしょうか。せっかく頂いたのですから、たくさんのおたよりを読みたいのに」
加蓮「読まれた人が10人と読まれなかった人が5人、読まれた人が3人と読まれなかった人が12人。どっちの方が怒る人が少なくて、喜ぶ声が大きくなるって思う?」
藍子「えっと……。あっ、なんとなく分かった気がします!」
加蓮「よろしい。トークテーマは……初回だし、ありきたりにカフェってことにしとこっか」
藍子「は〜いっ」
『元気にやってるんだな、まあ……こっちも元気だ。がんばれ』
124 :
第130話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「日常的なカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:40:38.75 ID:Od8DbOFm0
藍子「そういう、戦略? というのでしょうか。加蓮ちゃんは、私たちの事務所でも大活躍なんですよ」
加蓮「『あいこカフェ』の時も、ちょっとだけアイディアを出させてもらったんだー」
藍子「ときどき、全力で私をダマそうとすることだけ気をつければ、とっても頼もしいんですっ」
加蓮「藍子以外は騙さないから、安心して任せてね」
藍子「私のこともダマさないでください!」
加蓮「騙される藍子の姿が面白いのが悪いのっ」
125 :
第117話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「言葉を探すカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:41:20.33 ID:Od8DbOFm0
藍子「――ふうっ。けっこうお話しましたね。うまく録音できたかな……?」
加蓮「あとは編集さんのお仕事だね。私が語ってるところをカットされたら、抗議しに行かなきゃっ」
藍子「カットされることはほとんどないと思います。だってこの『カフェラジオ』は、私と加蓮ちゃんがお話していることを、そのままお伝えする物ですから」
加蓮「じゃあ例のコラムと同じように時間無制限?」
藍子「Pさんは、10時間くらいお話してもいいぞって言っていました。逆に、5分だけならそれはそれで、とも仰っていました」
加蓮「えー……」
藍子「時間は意識しないで、自然な感じで録ってほしいって♪」
加蓮「ま、確かに藍子のラジオらしいけど」
藍子「加蓮ちゃん。私と加蓮ちゃん、2人のラジオですよ?」
加蓮「そうだったね。私達のラジオらしい……かな?」
126 :
第97話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「12月中ごろのカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:41:59.53 ID:Od8DbOFm0
藍子「ラジオの音源は、送るのにとても時間がかかってしまいそうなので、直接事務所に持って帰ることにしました」
加蓮「ということで録ったことだけ連絡してみたけど……Pさんからの返信、来ないね」
藍子「来ませんね……。お仕事で忙しいのでしょうか」
加蓮「なんか前もこういうことあったなぁ。焦らすだけ焦らされて、やっと連絡が来たって思ったらクリスマスの依頼を持ちかけられたこと――」
藍子「Pさんがずっと悩んでいた件ですよね。加蓮ちゃんにお伝えするかどうかで」
加蓮「もしかして、また私に大きな話を隠してる?」
藍子「ひょっとしたら……?」
加蓮「今度は私がカフェを開いちゃう?」
127 :
第106話 北条加蓮「Zzz...」高森藍子「加蓮ちゃんが寝ているカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:42:39.60 ID:Od8DbOFm0
藍子「それとも……加蓮ちゃんが、またPさんにひどいことを言ったから?」
加蓮「えー……。今度は何も言ってないっ」
藍子「それなら、よかった。Pさんも、加蓮ちゃんのことを信頼しているぶんだけ、きつい言葉に傷ついてしまうんですから。あんまり、ひどいことを言わないであげてくださいね」
加蓮「はーい……」
藍子「……」
加蓮「……」
藍子「……だめですよ?」
加蓮「分かってるってば」
128 :
第23話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「久しぶりに晴れた日のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:43:18.68 ID:Od8DbOFm0
加蓮「私は言ってないのに、Pさんからはこの前ひどいこと言われたんだよ」
藍子「ひどいこと?」
加蓮「レッスンにちょっと力を入れすぎちゃって、くたくたになっちゃって……」
藍子「無理するな、って言われたのでしょうか」
加蓮「それもなんだけど、その後に……。藍子に面倒をかけちゃ駄目だぞ、って!」
藍子「私?」
加蓮「その前の日にもお母さんに同じこと言われて喧嘩になりかけたのに、よりによってPさんまで! 藍子は私の監視役じゃないんだけど!」
藍子「……加蓮ちゃんのこと、じっと見ちゃいますよ〜?」
加蓮「なれって言った訳じゃないから……」
129 :
第152話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「私たちの大好きな場所で」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:43:58.74 ID:Od8DbOFm0
加蓮「Pさんってば、女の子の気持ちが分かってなーいっ」
藍子「ちょっと、加蓮ちゃん……」
加蓮「返信を待ち遠しにしてる藍子の気持ちも、無理したいって思う私の気持ちも、分かってなーい!」
藍子「……私の気持ちはいいので、加蓮ちゃんの無理を止めてください」
加蓮「こら」
130 :
第57話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「ある意味でヤバイカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:44:39.49 ID:Od8DbOFm0
藍子「Pさんに文句ばかり言ったり、そうまでして無理ばかりしてしまうのなら、また加蓮ちゃんを足湯カフェに連れていきますよ!」
加蓮「なっ……! なんなのその脅しっ」
藍子「のんびりする加蓮ちゃんのことだって、じっと見ちゃいます!」
加蓮「もう今更でしょ!」
131 :
第115話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「時計の音が聞こえたカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:45:18.57 ID:Od8DbOFm0
<ぼーん、ぼーん……
藍子「あっ、時計の音……」
加蓮「時計の音って、待っている間に聞くのもいいよね。1秒1秒を意識できるっていうのかな……」
加蓮「返信を待つ、焦っちゃう時間も落ち着けるな……」
加蓮「……さっきのPさんへの文句、なかったことにしていい?」
藍子「ラジオのおたよりにもありましたけれど……直接言っていないので、セーフですっ」
132 :
第80話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「膝の上で ろっかいめ」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:45:58.86 ID:Od8DbOFm0
加蓮「……ん? 私のスマフォだ。でも残念、Pさんからじゃないみたい。ほら」
藍子「歌鈴ちゃんから、加蓮ちゃんへ……? それもそれで、気になります」
加蓮「歌鈴の話かぁ……。どうしよっかな」
藍子「なにか、秘密にしておきたいことですか? それなら、無理にとは言いませんよ」
加蓮「ううん。詳しく説明したらまた藍子が嫉妬するかもしれないから」
藍子「…………」プクー
加蓮「あははっ」
133 :
第25話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「小雨のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:46:39.14 ID:Od8DbOFm0
加蓮「アドバイスをください! 甘いことは言わずにっ……だって。って、何の話?」
藍子「……もしかしたら、ランウェイの時のことかな?」
加蓮「この間主役に抜擢されてたヤツだっけ」
藍子「はい、これっ。歌鈴ちゃんが、自分で選んだファッションだそうですよ」
加蓮「……うわっ、だいぶ強気に出たね! へぇー、あの歌鈴がこんな……」
藍子「他にも、こんなコーディネイトも試したみたいで――」
加蓮「あははっ、こっちは歌鈴らしい♪ お蔵入りしちゃったヤツもあるんだ。他にもたくさんある。色々挑戦してみたのが、あの大胆な1着だったんだね……」
藍子「私たち、『あいこカフェ』のことがあったからあまり相談に乗れなかったけれど、歌鈴ちゃんもその間にものすごく張り切っていたみたい。何度も何度も練習を重ねて、当日も大歓声だったって♪」
加蓮「それでもアドバイスを……って言うなら、教え甲斐があるじゃんっ」
134 :
第62話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「とてもとても寒い日のカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:47:18.97 ID:Od8DbOFm0
加蓮「今はパッと思いついたことだけ送っておこうっと。えーと、このファッションならもうちょっと攻めっ気のアクセを――」
藍子「あっ、私のスマートフォンにも何か来たみたい……。ちょっと失礼しますね」
藍子「茜ちゃんから? ええと……。ごめんね、いま加蓮ちゃんと一緒にいるから――」
加蓮「……茜って言えば、この間また謎のボンバー爆撃を食らったんだけどあれ何? 私なんかした?」
藍子「ぼ、ボンバー爆撃……あの、大量にスタンプを送られたっていう事件が、また起きたんですね」
加蓮「うん。どうせ藍子絡みなんだろうけど、ホントに心当たりがないの」
藍子「なんでしょう……。心当たりは私にも……この間、加蓮ちゃんのお話をしたことくらい?」
加蓮「……何話したの」
藍子「先週末に、加蓮ちゃんの家にお泊りして――」
加蓮「しばらく通知切っとこ」
135 :
第86話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「向かい目線のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:47:59.96 ID:Od8DbOFm0
加蓮「…………」
藍子「……今度は、誰から連絡が来たんですか?」
加蓮「……。ごめん、ちょっとだけ待っててね」スタスタ
藍子「あ、はい。……加蓮ちゃん?」
藍子「……、」
藍子「……最初は唇を尖らせていたのに、すぐにレッスンルームでも滅多に見せないくらい真剣な顔つきに……」
藍子「……」
藍子「……トップアイドルを目指すって決めてからは、誰よりも……妬けちゃう相手なのかも」
加蓮「ただいまー……」
藍子「おかえりなさい。……ずいぶん、げっそりしちゃいましたね」
加蓮「はぁ、もー……」
藍子「やっぱり、嫌いですか?」
加蓮「苦手。別に……好きか嫌いかって聞かれたら……嫌いじゃないんだけどね、忍のこと」
136 :
第67話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「隣り合う日のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:48:38.71 ID:Od8DbOFm0
加蓮「もうそろそろ夕方になるのに、Pさんまだ返信してこない……」
藍子「焦らず、ゆっくり待ちましょう。急ぎの用事ではありませんから」
加蓮「だね……ん? 店内に入ろうとしてるあの女子2人組は……おーいっ! 2人ともーっ。こっちこっちっ」
「わ!」
「…………!!!」
藍子「お2人とも、お久しぶりです♪ この間は『あいこカフェ』に来てくれて、ありがとうっ」
「ン!」
「い、いえ、こちらこそ……ああこら固まるなっ。久しぶりに行こうって言ったのアンタじゃんか!」
137 :
第89話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「お客さんの増えたカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:49:19.60 ID:Od8DbOFm0
加蓮「ホントホント、ここでは随分久しぶりだね?」
藍子「ひょっとして、すごく忙しかったとか……?」
「あぁいや……加蓮さんには前にお話しましたけどこいつバイトやってたんです。藍子さんにつられたのか、カメラとか遠出用の道具を買いたいってかなりシフトを入れちゃって」
藍子「そうだったんですね。元気そうで、よかった」
加蓮「久々の女神様との邂逅で死にかけちゃってるみたいだけどね」
「アイコサン……」
「……だいじょうぶー? はぁ……ぐぬぬう、やっぱり重い……!」
「ハッ!」
加蓮「あ、復活した」
藍子「……さっきの加蓮ちゃん、なんだか蘭子ちゃんみたいな言葉遣いでした」
加蓮「そう? 私も蘭子や美穂から教えてもらおっかなぁ」
138 :
第101話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「膝の上で はちかいめ」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:49:59.94 ID:Od8DbOFm0
「あ、ああああ、あのっ!」
加蓮「私?」
「この前はすごくっ、楽しかったです! か、加蓮さんがカフェをやる時にも必ず行きます!」
「すごい! よく復活して言えた!」
加蓮「……張り切って言ったところ悪いけど、私はカフェをやらないと思うよ? ここにいる時はともかく、世間の加蓮ちゃんはあまりそういうイメージじゃないと思うし」
藍子「えっ?」
加蓮「……え?」
藍子「そんなことないと思いますけれど……。えっと、確かこの前――」
「あはは、すみません……。あたしが、加蓮さんが店員をやってるとこを見つけちゃったから……」
「詳しく説明されちゃって、私も見たいな〜って思っちゃいました……」
加蓮「うーん、そう言われると応えたい気持ちになっちゃうなぁ……」
藍子「あった♪ 見てください、加蓮ちゃんのファンアートです。ほらっ。にっこり笑顔で、カフェの店員さんをやってる!」
加蓮「いやいや、これはさすがに美化しすぎだから……。やっぱやんないっ」
139 :
第84話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「曇天のカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:51:18.85 ID:Od8DbOFm0
「あたしたちは中の席にいますね。コイツがすみません……ほら、行くよ」
「うん。……えへへ、久しぶりに藍子さんに会っちゃった」
「あいこさんカフェでも顔は合わせてる筈なんだけどなぁ……。あ、店員さん。どうも……」
「こんにちは! お久しぶりです」
加蓮「いつの間にかあの子って、藍子に……限界? けど最初はもっとクールな子だった筈なんだよね……」
藍子「最初にお会いした時は、もっと物静かな印象でしたね……。ここにお誘いする前に、握手会でお会いする時は、お互い言葉に詰まっちゃう時もあったくらいでしたよ」
加蓮「今では違う意味で会話になってない」
藍子「そ、そういう日もありますよ。ほらっ、私だって1年ぶりくらいに加蓮ちゃんに会ったら、同じようになってしまうかもしれません」
加蓮「想像させるのやめてー……」
140 :
第148話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「熱量の残るカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:51:58.84 ID:Od8DbOFm0
藍子「……? 私のスマートフォンですね。今度こそ、Pさんでしょうかっ」
藍子「残念、違っていました。愛梨さんです」
藍子「写真が1枚? ……っ!!?」
加蓮「え、どしたの……? あ、私のとこにも来てる。同時に送っ――!?」
藍子「か、加蓮ちゃん。なんでしょうかこれ……! どうして、服がほとんど脱げてしまった歌鈴ちゃんの写真が、愛梨さんから……!?」
加蓮「まさか愛梨……自分だけでは脱ぎ足りないからって!」
藍子「あっ、続けて連絡です!」
加蓮「『歌鈴ちゃんがドレスルームでドジをしちゃって、大変なことになっちゃってますっ』」
加蓮「……紛らわしいし、それなら先にメッセージから送りなさい! そもそも、写真を送らなくていいからっ!!」
141 :
第48話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「過ぎた後のカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:52:38.74 ID:Od8DbOFm0
加蓮「さっきからたくさんメッセージが来るけど、急にどうしたんだろ。合同レッスンが終わったとかかな?」
藍子「事務所の盛り上がっている様子を想像すると、ほんのちょっぴり、寂しい気持ちになっちゃいます……。私たちだけが、置いていかれている気持ちになってしまいますね」
加蓮「そうだね。何が起きたか明日しっかりチェックしなきゃ」
藍子「お話を聞いている間に、新しいことが起きていそう……。アイドルの世界って、大変ですよね……」
加蓮「それはちょっと大げさじゃない?」
142 :
第102話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「新年の後のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:53:19.30 ID:Od8DbOFm0
加蓮「今度はこずえから連絡だ。……みおが、あかねといっしょにおこってるぞ〜、って。今度はまた何……?」
藍子「……茜ちゃんの通知を切ってしまったからではないでしょうか。もしかしたら、何かメッセージが来ているのかもしれませんよ?」
加蓮「あー……。一応見、うわっまたボンバー爆撃! なんなのよ、もうっ」
藍子「こずえちゃんと言えば……」
加蓮「藍子は私のものなの、文句があるならかかってきなさいっ! これでよし」
藍子「加蓮ちゃん、ちょっと頭を出してみて?」
加蓮「……? こう?」
藍子「なでなでっ♪」
加蓮「…………急にどしたの?」
藍子「こずえちゃんがこのあいだ、加蓮ちゃんの頭を撫でると楽しいよ〜、って言っていたのを思い出したんです」
藍子「ちょっとくしゃくしゃってやる方が、加蓮ちゃんは喜ぶって……だけど、せっかく整えた髪を乱すのは無理ですね。私は、優しく撫でることにします♪」
加蓮「わ、……こずえめっ。今度あのふわふわヘアーをわしゃわしゃしてやるー」
143 :
第104話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「雪の降らないカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:53:58.83 ID:Od8DbOFm0
加蓮「こずえって言えば、この間もちびっこみんなで作戦会議してなかった? わいわいやってる時にこずえがまとめ役をやってたのが、びっくりしたんだよね」
藍子「していましたね、「さくせんかいぎ!」。確か、鬼ごっこをする作戦……だったかな?」
加蓮「鬼ごっこって……。外が雨だし、事務所で走り回ると危ないのに」
藍子「みんなで天気予報を毎日見て、晴れの日があったら予定を合わせようってことになったみたい」
藍子「ずっと見守っていた私も、いつ晴れるかな? って、何度も聞かれちゃいました」
加蓮「なんて答えたの?」
藍子「最初は、そのうち晴れるといいねって答えてましたよ。みんな賢くて、私がごまかしているって言われちゃったから……絶対に晴れる日が分かったら教えてあげるね、って約束をしちゃいましたっ」
加蓮「いつもの天気予報だね」
藍子「晴れたら、加蓮ちゃんを連れて行くって言っておきましたよ〜」
加蓮「じゃあ体力作りし直さないといけないじゃん。ちびっこの前でダウンするとか絶対嫌だからねっ」
144 :
第107話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「色々思い浮かべるカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:54:40.46 ID:Od8DbOFm0
藍子「せっかくですから、勝った子にはなにか商品をあげてもいいかもしれません。あまり時間やお金が目立たないもので、例えば……加蓮ちゃんに、ヘアメイクをしてもらえる権利とか?」
加蓮「それくらいならいいよ。じゃあ、めいっぱいやってあげなきゃ」
藍子「可愛くしてあげてくださいね。それとも、大人っぽくしてあげた方がいいのかな? みんな、加蓮ちゃんに憧れていると思いますから」
加蓮「ふふっ、どうだろ?」
145 :
第123話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「梅雨の晴れ間のカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:55:18.78 ID:Od8DbOFm0
加蓮「勝った子には1時間くらいたっぷりかけてヘアメイクをしてあげて、負けちゃった子にもアクセサリくらいは配ってあげようかな? この間、可愛いリボンを見つけたんだ。こんなちっちゃいヤツなんだけどね」
藍子「加蓮ちゃんにしては、珍しいっ。それをつけてあげるんですね」
加蓮「っていうか、もうしてあげたんだ。また仁奈ちゃんと一緒に撮影することがあったから、みんなに内緒でこっそり」
加蓮「髪の内側に留めて、じっと見ないと分からないくらいにして……これじゃ物足りねーです、って言ってたけど、密かなオシャレこそ大人の極意だって教えてあげたのっ」
加蓮「周りの人達が今日のオシャレさんに気付いてくれるかなっていう、テストみたいな感じ。気付かれないなら、それはそれで2人だけの秘密っ」
藍子「わあっ。どうだったんですか?」
加蓮「最初に見抜いたのはPさんだったよ」
藍子「さすがPさんっ。仁奈ちゃんも、おおよろこびだったんだろうなぁ……」
加蓮「秘密って言ったのに、Pさんにバレた瞬間に仁奈ちゃんってば片っ端から言いふらしちゃったけどね。そこも含めて可愛かったけどっ」
146 :
第137話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「朝を過ぎてのカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:55:59.48 ID:Od8DbOFm0
藍子「そうそう、柚ちゃんが今度、加蓮ちゃんにものまねをしてほしいって言ってましたよ」
加蓮「この話の流れで名前が出てくるのもあれだけど……。モノマネってなんの?」
藍子「私のものまねをしてほしいそうです」
加蓮「……なんで?」
藍子「私が、加蓮ちゃんのものまねに再挑戦したら、柚ちゃん印を押してもらったんですよ。スタンプを押すみたいに、てのひらとてのひらで、ぽん♪」
加蓮「なるほど、リベンジ達成したんだ。……今度は私が滑る有様を見たいと」
藍子「笑ってもらえるように、今から練習しましょう」
加蓮「藍子の目の前で? 藍子のモノマネの練習をしろって言ってる??」
147 :
第11話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「いつもの席で」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:56:38.66 ID:Od8DbOFm0
加蓮「藍子の真似をするならセリフとかじゃなくて、動きで魅せたいよね。もしかして藍子ちゃんの真似? って言わせたら、私の勝ちっ」
加蓮「未央はよく雰囲気が似てるって言うけど、どうしたら藍子っぽくなれるかな……じー」
藍子「……にらめっこですか? それなら私もっ。じ〜」
加蓮「じー」
藍子「じぃ〜」
――30秒後――
加蓮「」チーン
藍子「……加蓮ちゃん、大丈夫?」
加蓮「……加蓮ちゃんはゆるふわに呑まれましたって伝えておいて……」
藍子「えぇ〜……?」
148 :
第3話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「膝の上で」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:57:19.37 ID:Od8DbOFm0
――おしゃれなカフェ――
藍子「膝枕をしてほしいって言うから、また中に入りましたけれど……加蓮ちゃん、いいの?」
加蓮「何が? こうして……膝枕なら、藍子とにらめっこせずに済むっ」
藍子「きゃ。加蓮ちゃん、ごろごろされるとくすぐったいですよ〜。ひゃあっ、髪がお腹に当たって……」
加蓮「ふわぁ……。何度してもらっても、心地いいなぁ……」
149 :
第90話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「膝の上で ななかいめ」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:57:59.96 ID:Od8DbOFm0
加蓮「さっきのラジオでちょっと疲れちゃったのかも。こうしてると、ホント寝たくなっちゃう……」
加蓮「ととっ、藍子をしっかり見てモノマネできるようにならなきゃ。でも……ぼんやり、空を眺めるのも悪……く……」
「……ど、どうも〜」
「私たちお邪魔です……よね?」
藍子「……だから、いいの? って聞いたのに」
加蓮「……」
加蓮「…………アンタ達、出禁!」
「ああああ! ついに出禁にされちゃった!!!!?」
「落ち着け! 正直なところ自業自得だ!」
藍子「冗談ですから、加蓮ちゃんがちょっと怒ってるだけですからっ」
150 :
第20話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「今年初のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:58:42.91 ID:Od8DbOFm0
<わ、わたしまだ藍子さんと会っていいんだよね? 握手会行っていいんだよね!?
<大丈夫だから落ち着け! 藍子さんはいいって言ってくれたんだよ!
<藍子さんがいいって言ってくれ……アッ
<…………勘弁してー
――おしゃれなカフェテラス(加蓮が率先して逃げてきました)――
加蓮「何やってたんだろ、さっきまでの私……」
藍子「加蓮ちゃん、落ち着いた?」
加蓮「うん、なんとか……。席、元に戻るね」
藍子「……膝枕はそのままでもいいんですよ?」
加蓮「ヤダ。戻る。甘いものでも食べて出直そっと……」
151 :
第16話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「いつものカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 15:59:19.75 ID:Od8DbOFm0
加蓮「疲れちゃった時は、ココアも美味しいね」
藍子「いつもの味が、一番……落ち着きますよね」
加蓮「ね……」
藍子「……ふう」
加蓮「ふうっ」
152 :
第142話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「変わりゆくカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:00:01.12 ID:Od8DbOFm0
「あ、あの、あのぉ〜……」
「あたしらそろそろ帰るんで、一応……」
加蓮「2人とも。わざわざありがとね。……えっと、なんでそんなに怯えてるの?」
「私もうここには来られないんでしょうか!? 藍子さんの握手会に行ったら恐い黒服のおじさんが来るんでしょうか!!」
加蓮「あははっ。来ない来ない。脅かしすぎちゃったね」
藍子「……また、来てくれますか?」
「は、はいいぃ! あ、えっと、はい!」
「よし、よく持ち直した! ……あのっ。あたしも、……応援してます!」
加蓮「ありがとう。また会おうねっ」
<久しぶりに藍子さんに会えた……嬉しかった……
<覚えててくれてよかったね。バイトちょっとくらい減らしなよ
<だめだよ! 藍子さんと同じ靴を買うんだから!
藍子「……、……気をつけて帰ってくださいね〜! また、お会いしましょう〜っ」
<ンィ!?
<……。頑張って持って帰ろ……
加蓮「いやいや、トドメを刺しにいってどーすんの……」
藍子「そういうつもりではなかったんですけれど……。会えたことが、嬉しかったから」
加蓮「……、」
藍子「どうしても、もう一言だけ……我慢できずに、叫んじゃいました」
加蓮「……良かったね。変わらないものも、ここにあって」
藍子「うんっ……」
153 :
第60話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「黄昏色の帰り道で」
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:00:39.23 ID:Od8DbOFm0
藍子「いつの間にか、夕焼けがこんなに綺麗に……」
加蓮「なんだか今日は、1日が長く感じられたみたい。でもそれも終わりかな」
藍子「……夕焼け」
加蓮「……? ――――! 藍子――」
藍子「加蓮ちゃんっ」
加蓮「……藍子?」
藍子「ねえ、……一緒に……一緒に歌おう、加蓮ちゃんっ!」
154 :
第144話 高森藍子「加蓮ちゃんが忙しい日の、いつもではないカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:01:18.92 ID:Od8DbOFm0
加蓮「一緒にっ……」
藍子「靴を、とんとんって整えて……」
藍子「加蓮ちゃんの隣に並んでっ」
藍子「……やっぱり、この夕焼けの中で見る加蓮ちゃんは、すごく綺麗」
藍子「今だって、ほんの少し足が重たくなっちゃいますけれど……」
155 :
第61話 高森藍子「北条加蓮ちゃんと」北条加蓮「向かい合う日のカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:01:59.55 ID:Od8DbOFm0
藍子「アイドルとしての気持ちをなくしかけた私へ、加蓮ちゃんが向かい合ってくれた日のことは、決して忘れません」
藍子「自分好みになれ、私好みにしてやる……なんて、加蓮ちゃんらしい、少し不器用で乱暴な言葉。でもそれだけ強い想いが、私を引き上げてくれたんです」
藍子「もう、煌めく加蓮ちゃんのことを見ても……私も同じアイドルだって気持ちは、どこにもなくなりません」
156 :
第135話 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「いつものカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:02:39.23 ID:Od8DbOFm0
藍子「今なら――高森藍子の、トップアイドル計画っ♪ そんな名前でさえ、見栄を張った物だとも思いません」
藍子「それくらい口に出して、初めて立てる場所を目指しているんです」
藍子「そしてたどり着いたら、今度は……加蓮ちゃんと一緒に、どこまでも歩いていくんです」
藍子「この世界にはまだ、私も加蓮ちゃんも知らない、楽しいことで溢れているに決まってますから!」
157 :
第136話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「思い出のあふれるカフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:03:19.54 ID:Od8DbOFm0
加蓮「……もう。私、ちょっと心配しちゃった。藍子がまた、観客に戻っちゃうんじゃないかって」
藍子「たくさんの思い出があれば、私はどこまでだって歩いていけますっ!」
加蓮「そっか……。そうだよね。藍子はたくさんの思い出を運んで、歩いていくんだよね」
藍子「はいっ。世界中の人たちが笑顔になれるように、どこまでだって……」
加蓮「どこまでも届けていこうね。藍子のあたたかさ」
158 :
特別編(第84話〜第85話の間) 高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「9月5日のその後に」
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:03:59.41 ID:Od8DbOFm0
――おしゃれなカフェ――
藍子「レジの横のお菓子、何か買って帰ろうかな……?」
加蓮「……、」
藍子「あれ、加蓮ちゃん? 忘れ物ですか?」
加蓮「ううん。……あのっ、店員さん!」
<……?
加蓮「店員さん。今日も素敵な場所をありがとっ。藍子とのかけがえのない時間を過ごせるのは、店員さんがいてくれるからっていうのもあるんだよ」
藍子「……私からも、ありがとうございます♪ アイドルの加蓮ちゃんと私が、こうして2人で、のんびりできたり、秘密のお話ができたりするのは、このカフェがあってのことですから!」
<……っ
<お越しいただき、ありがとうございました。是非、またいらっしゃってくださいね
加蓮「また来るね!」
藍子「また来ますっ」
<……
<……〜〜〜〜〜!
159 :
第60話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「似ているカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:04:39.26 ID:Od8DbOFm0
加蓮「じゃあ……そろそろ、帰ろっか」
160 :
第1話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「カフェテラスで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:05:20.50 ID:Od8DbOFm0
藍子「帰りもゆっくり、歩きながら♪」
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:06:40.65 ID:Od8DbOFm0
――夕焼けの色が濃くなる帰り道。今日という1日は終わりに近づいていく。
次は……何日後かな。1週間後か、2週間後か。そのうちまたカフェに来て、のんびりして……。
話すこともやりたいことも、まだまだいっぱいあるんだから。次の限定メニューだって気になるもんね。
でも、このお話はこれでおしまい――
……じゃないの。
もう1つだけ、みんなにお話しておきたいことがあるんだよ。
ねえ、何かを忘れてない? 例えばいつまでも連絡をサボってる人のこととか……?
それに、まだ振り返っていない思い出があったよね。
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:07:19.54 ID:Od8DbOFm0
……。
…………。
藍子「加蓮ちゃん、何度も立ち止まって振り返ってる……。名残惜しいなら、もうちょっといてもいいんですよ? 閉店まで時間はありますし、お母さんだってあらかじめ連絡しておけば怒ったりしませんから」
加蓮「そういうのじゃないのっ」
藍子「もうっ。……そうそう、今度のお休みの予定ですけれど――」
加蓮「……っと、ごめん、ちょっと電話」
藍子「はい、どうぞ。歩きながら電話するよりは……私はそこのベンチに座って、待っていますね」
加蓮「ごめんね? えーと相手は……うわ、Pさん。やっと連絡してきてくれたよ。さすがに遅すぎだってば……」
藍子「加蓮ちゃん、あんまりひどいことは」
加蓮「言わない言わないっ。さて、どんな言い訳をしてくるかな?」
<もしもし? うん、うん。今はカフェラジオ? が終わってからずっと藍子と一緒にいて、今帰るとこだけど……ちょうどいいって何が?
<…………え?
<ええっ? なんでそんな急っ……ま、待って。私にって、何が……え?
<……ええええっ!? え、……え、えっ……
<それって、……ホント? 私、そういう嘘は大嫌いだよ? うん……う、うん、分かった。……うん、うん
藍子「加蓮ちゃん、なんのお話だろ……? なんだか、びっくりしているみたいだけれど……なにかあったのかな?」
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:07:58.78 ID:Od8DbOFm0
加蓮「藍子、今から事務所に行こうっ!」
藍子「は、はい! 事務所ですか? 何か、急なお仕事とか……」
加蓮「ううん違うの。Pさんが私達に会わせたい子がいるって……! 今事務所にいてそれからっ」
藍子「加蓮ちゃん、落ち着いて……」
加蓮「っ……ごめん。落ち着きたいけど落ち着けない、だって……! とにかく事務所! 事務所に行けば分かるのっ……!」
藍子「わ、分かりました。事務所に行けば分かるんですね?」
加蓮「Pさんは車出せないっていうから――」
藍子「お母さんに大急ぎで連絡してみますっ」
164 :
第40話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「瑞雪の聖夜に」
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:08:39.60 ID:Od8DbOFm0
――車内――
藍子「……えっ!? じゃあ、それって……!」
加蓮「うんっ……!」
165 :
第145話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「あしあとを追いかけたカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:09:59.76 ID:Od8DbOFm0
――事務所――
<バンッ!
加蓮「Pさん!」
藍子「新しいアイドルがやってきたって、本当ですか……!?」
「2人とも。遅い時間に呼んでしまってごめんね。それから返信が遅れたのも――」
加蓮「そうじゃなくてっ。もしかして、もう来てるの!?」
「あぁ、それなら」
「かれんちゃん!!」
加蓮「そーちゃん……!」
「そうです!」
加蓮「……っ、ここで、会えるなんてっ……。Pさん、私達のプロデューサーさんが連絡をくれたの。そーちゃん、アイドルになったの……?」
「わかんない! こうほせい? です!」
加蓮「そっかっ……。じゃあ、もう元気になったんだね!」
「わかんない!」
加蓮「え……。どういうこと? Pさん」
「ほぼ完治はしているよ。もう絶対に再発しないと断定できたら本人に伝えると言っていた。……賢い女の子みたいだから。加蓮のようにね」
加蓮「そっか……」
「えへへ!」
加蓮「……そっかっ」
166 :
第147話 高森藍子「加蓮ちゃんたちと」北条加蓮「生まれたてのカフェで」
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:11:22.15 ID:Od8DbOFm0
藍子「加蓮ちゃん、そーちゃん……。よかったね」グスッ
「加蓮ちゃんに一言話そうと思っていたんだけれど、持っていかれちゃったわねー」
藍子「あれっ。看護師さん! こ、こんばんは……」
「こんばんは、藍子ちゃん。そーちゃんね、初めて入院した頃からずっと診ていた子なの……私が付き添いに指名されちゃった」
藍子「そうだったんですね……」
「本当は親じゃないといけないんだけど、そーちゃん、泣き喚いちゃってねぇ。うちの病院、誰も彼も子供に甘くなっちゃったから……誰かさんのせいでね」
藍子「あはは……。それだけ、そーちゃんが元気いっぱいになったってことですっ」
「どうなることやら……。ねえ、藍子ちゃん。そーちゃんは、加蓮ちゃんのように輝けるかしら?」
藍子「きっと、輝けますよ。アイドルになりたい、輝きたいって気持ちがあれば、絶対に……」
167 :
第99話 北条加蓮「藍子と」高森藍子「灰を被っていた女の子のお話」
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:12:00.06 ID:Od8DbOFm0
「かれんちゃんっ――げほっ」
加蓮「……! そーちゃんっ」
「ううん、だいじょうぶです! おいしゃさんと、かんごしさんが、かれんちゃんになれるよっていってくれたんだ!」
「そうも、きょうからかれんちゃんだよ!」
「あっ。かれんちゃんって、サンタさんなんだよね?」
「じゃあ、そうもサンタさん! ほっほっほー!」
加蓮「……っ、もっ……」
「……? どうしたの、かれんちゃん?」
加蓮「なんでもないっ……! そっか……。あなたも私と同じ……同じようにきっと輝けるよ……! こんな奇跡、ホントにあるんだっ……」
「わっ。かれんちゃん、てがおおきい!」
加蓮「大きくなったもん。そーちゃんっ、……ほっほっほーっ」
「ほっほっほー!」
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/05/23(日) 16:12:58.98 ID:Od8DbOFm0
――奇跡の小さな輝きが都会の夜に瞬いて、これで本当に、このお話はおしまい。
みんな、今までありがとう。これからもよろしくね。
……もしまたカフェで私達のことを見つけても、そっと見守っててねっ。
【おしまい】
119.73 KB
Speed:0.1
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
新着レスを表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)