北条加蓮「藍子と」高森藍子「私たちの大好きな場所で」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/05/13(木) 18:48:04.04 ID:olNGque80
レンアイカフェテラスシリーズ第152話です。

<謝罪>
5月に完結すると宣言しておきながら今までずっと放置してしまい、誠に申し訳ございません。
書き続けるという意志も持たずに軽い気持ちで総選挙への応援を記すという、「アイドルマスターシンデレラガールズ」という作品における登場人物への冒涜、
及び皆様方の情熱と愛情を軽視する行動となってしまった事も、深くお詫び申し上げます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1620899283
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/05/13(木) 18:48:57.50 ID:olNGque80
――おしゃれなカフェ――


北条加蓮「えーっと、藍子は……っと。いたいた、やっぱりいつもの席。店員さんと喋ってるのかな……?」トコトコ


高森藍子「――そうなんですね。それで……あっ、加蓮ちゃん!」オーイ


加蓮「お待たせー、藍子」

藍子「……わぁ、綺麗なネイル! 今日はエメラルドの色ですね」

加蓮「そういう日だもん。エメラルドカラーは、ドリンクに合わせて」

藍子「ふふ……。今日はそういう日です」

加蓮「店員さん、メロンソーダくださいっ。藍子はもう注文したの?」

藍子「いま、するところでした。そうですね〜、私は……コーヒーにしようかな、それともココアにしようかな……」

加蓮「今するところって言いながら悩んじゃうんだ。店員さん、今日はどっちがオススメ? ……コーヒーに自信があるんだ、なるほどー」

藍子「あはは……。では、コーヒーにします。いつもの味で♪」

加蓮「おねがいしまーす」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/05/13(木) 18:49:35.24 ID:olNGque80
藍子「……加蓮ちゃん、お疲れ?」

加蓮「まぁね。今はほら……。ちょっとくらいは許してよ。今だけだからっ」

藍子「まだ、何も言っていませんよ」

加蓮「言おうとしてたでしょ」

藍子「ひとことだけは……?」

加蓮「ほら」

藍子「加蓮ちゃんだっていつも、今だけだから許してほしい! って、言うじゃないですか」

加蓮「……そ、そうだっけ? やー、そんなことないよ」

藍子「そんなことあります。1つ1つのお仕事にどれも全力で、どれも特別扱いしちゃうから……誰よりも真面目に取り組むからこそ、全部が「今だけは」になってしまうんですよね」

加蓮「細かく解説されると、もう何も言い返せないや……」

藍子「……えへっ」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/05/13(木) 18:50:31.87 ID:olNGque80
加蓮「疲れたって言っても、藍子と打ち合わせをするだけの気力は残してるから大丈夫」

藍子「今日も撮影、お疲れさまでした」

加蓮「うん。今日も色んなことがあって――っと。今日は、その話じゃなかったね」

藍子「いつもなら、加蓮ちゃんのお話も聞きますよ……と、言うところですけれど」

加蓮「今くらいはね」

藍子「はい。今くらいは」

加蓮「……」

藍子「……」

加蓮「……あははっ」

藍子「……っ、もう。笑っちゃうお話ではないのに」

加蓮「しょうがないじゃんっ。なんか現実味がないよね。……っていうのは藍子に失礼かな」

藍子「大丈夫。私も、同じことを思っていましたから」

加蓮「ならよかった。あっ、店員さん。メロンソーダありがとー」

藍子「コーヒーも、いい香り……♪」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/05/13(木) 18:51:03.14 ID:olNGque80
藍子「私はモバP(以下「P」)さんと、加蓮ちゃんよりも多い回数だけ打ち合わせをしましたから。現実だって、分かっているつもりではあります」

加蓮「そんなこと言って、席の下では足で八の字を書いている藍子ちゃんなのでした」

藍子「ぎくっ」

加蓮「バレないとでも思った?」

藍子「……現実だって分かっていても、そわそわはしてしまいます。加蓮ちゃんだって! 今日の加蓮ちゃんは、いつもよりちょっぴりテンションが高いですよ」

加蓮「まあね。だってまさか――『あいこカフェ』がオープンなんて」

藍子「あくまで企画の1つですから、3日の限定です。だけど……私の作る、私なりの場所……。私の思い描く、理想のカフェが作れるんです!」

加蓮「あはっ。人のテンションがどうこうなんて言えないくらいはしゃいでる」

藍子「えへへへっ。…………、」

加蓮「……?」

藍子「ううん、なんでも」

加蓮「そう?」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/05/13(木) 18:51:33.07 ID:olNGque80
加蓮「さっき店員さんと話してたのも、本物を改めて見てー、ってことだったりする?」

藍子「そうですよ。店員さん、自分のことのように喜んでくれて、たくさん教えてくれました」

加蓮「店員さんには最初に伝えてあげたもんね。Pさんも、お世話になった人なら言っていいって許可をもらったし」

藍子「やっぱり、私たちが1番お世話になっている場所の、1番お世話になっている人ですから……」

加蓮「と言っても……観察ばっかりしてないで、藍子らしくやればいいのに」

藍子「だって〜」

加蓮「クリスマスの時だって……藍子らしいすてきな空間ができあがってたじゃん。もっと本格的に、って考えちゃうの?」

藍子「せっかくのチャンスですから、できる限りのことはしたいと思います。それに、あれは――」

加蓮「あれは?」

藍子「あれは……。もうっ。そんなお話よりも今日は打ち合わせです!」

加蓮「はいはい。打ち合わせ打ち合わせ。ってことで、メロンソーダいただきまーすっ」

藍子「私も、コーヒーを……あぁ、少しぬるくなっちゃっています」

加蓮「ふうっ。え、そんなに話してた?」

藍子「そうみたいですね。……あれっ、店員さん。注文は、呼んでいませんよ……?」

加蓮「藍子が困ってるから見に来たんじゃないの? ……ほら、そうだって言ってる」

藍子「なるほど……。店員さんは、お客さんの顔をよく見て――」

加蓮「……それはこの店員さんと藍子が特殊なだけだから。参考にしすぎないようにしなさいよ。店員さん、コーヒーを温め直してもらうことってできる?」

藍子「ごめんなさい、せっかく淹れてもらったのに……」

加蓮「オッケーだって。よかったね」

藍子「はいっ」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/05/13(木) 18:52:01.85 ID:olNGque80
加蓮「さてと、打ち合わせ打ち合わせ。私も名無しの裏方さんとして一緒にいてあげるもんね。ふふっ、いつかの握手会を思い出すなぁ」

藍子「それって、加蓮ちゃんがスタッフさんになった時の?」

加蓮「そうそう。藍子のファンとか勇気を出して現場に参加させてもらったとか、色んな設定を作ったよね」

藍子「懐かしいなぁ……♪ 加蓮ちゃんが細かく考えていて、びっくりしちゃいました」

加蓮「でも今回はホントにただの黒子なの。変な設定とかナシ。それに……黒子であると同時に、いつもの私として藍子と一緒にいてあげるのが役目だもんね。設定とかそんなのじゃなくて、ここにいるいつもの私が、ね」

藍子「うんっ」

加蓮「確かアイディアをまとめて来るって話だったよね。どう? 何か思いついた?」

藍子「いろいろと考えてきましたよ。ちょっと、待っていてくださいね〜……」ガサゴソ

加蓮「準備いいじゃん。あ、店員さん。コーヒー、そこに置いておいてあげて」

藍子「このノートと、こっちのメモと。あと、アルバムと――」

加蓮「待って待って待って」

藍子「えっ?」

加蓮「どれだけ持ってきたの……。え、ノート3冊分? まさかこれ、全部アイディアを書いてみた感じ?」

藍子「はい、そうですよ。昨日もお布団に入ってから、たくさん思いついて……何度も電気をつけて、書き足してしまいました」

加蓮「メモもすごい量……。料理の名前と、ドリンクと……じゃあこっちが出す商品の話なんだ。あれ、でもこっちのメモは内装のこととかインテリアのこと……まとめきれてない感じなんだね」

藍子「思いついたものを、そのまま書いちゃいましたから。打ち合わせの時間で、まとめようと思ったんです」

加蓮「いやいや、これだけの量なんて今日1日じゃまとめきれないってば……。テーブルの半分、半分って言ったら言い過ぎだけど、だいぶ埋めちゃってるよ?」

藍子「まさか、こんな量になるとは……。びっくりです」

加蓮「藍子のことでしょうがっ」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/05/13(木) 18:52:31.68 ID:olNGque80
加蓮「アルバムは何?」

藍子「はいっ! あっ、私が説明するより加蓮ちゃんに見てもらった方がいいですよね。まずはこれからっ」

加蓮「き、急に元気になったねー……」

藍子「これが、前に行ったカフェの写真。外観を後ろ側から撮ったものもあるんですよ。あと近くに憩いのベンチがあって、そこからの光景がこう見えて――」

加蓮「え、これとこれって同じカフェの外観なの? こんなに雰囲気違って見える物なんだ」

藍子「そうなんです。だから外観もこだわらなきゃ。最近は、ホームデザイン? の本も読むようにしたり、あとはお散歩の時に住宅地を観察するようにしているんですよ」

加蓮「なるほどね……」

藍子「でも、まずは店内から決めたいって思っています。外観のイメージは、今度一緒にお散歩しながら考えましょうっ。まだもう少し日にちはありますし、Pさんも1日空けてくれるそうですよ」

加蓮「Pさんと藍子と、3人で歩くのもホントに久しぶりだね」

藍子「いつ以来でしょうか……? でも、加蓮ちゃんがPさんにワッフルをおねだりしていたことは、よく覚えていますよ♪」

加蓮「そういうことばっかり……」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/05/13(木) 18:53:31.89 ID:olNGque80
加蓮「LIVE会場の下見とかならともかく、お散歩で仕事の準備なんてまずないもんね」

藍子「どのカメラを持っていこうかな……?」

加蓮「そこはファッションとか靴とかじゃないの? じゃあ、それにも向けてメモをまとめなきゃ。ホント、すごい量だよね。アルバムの写真も、ノートの文字も――」

藍子「……?」

加蓮「ううん。やっぱいいや」

藍子「加蓮ちゃん」

加蓮「……もう、いいってばー。ったく……。ねえ、藍子」

藍子「はい、なにですか。加蓮ちゃん」

加蓮「今回はとってもやる気みたいだね。こんなに資料とか揃えて、勉強もしちゃって。最近忙しくて、いつものお散歩コースに行けてない〜って前に話してたのもこれが原因なんでしょ。今回はどうしてそんなにやる気になってるの?」

藍子「……」

加蓮「藍子の口で、聞いてみたいな」

藍子「……はいっ」

加蓮「……藍子が聞かせたんだよ?」

藍子「加蓮ちゃんが、聞きたそうにしていたからですよ?」

加蓮「もー……」
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