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【モバマス×ポケモン】凛・藍子「ガールズ・イン・ザ・フロンティア!!」
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61 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:36:05.66 ID:xcK/3f4I0
珠美「サイコカッター!!」
凛「とびひざげり!!」
ズドォォォン
『すげえ、パワーもスピードもケタ違いだ……!』
『ダイマックスバトルとはまた違ったスピード感……こりゃ面白い!』
ドワアアアアアア
未央「まさかまさかのメガシンカポケモン同士の戦いに、スタジアムは大盛り上がりです!!」
卯月「あはは……私も、ガラル地方でこういうのが見れるとは思わなかったよ」
珠美「エルレイド、つるぎのまいです!」
メガエルレイド「エルッ」シャキンッ
62 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:36:39.45 ID:xcK/3f4I0
珠美「そしてつじぎり!」
メガエルレイド「エルッ!」
凛「チャーレム!」
メガチャーレム「チャー」
ユラリ
珠美「躱された……『みきり』ですか!」
凛「懐にしねんのずつき!」
メガチャーレム「チャー!!」ドゴォッ
凛「よし!」
珠美「何のこれしき、反撃です!」
63 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:37:13.88 ID:xcK/3f4I0
メガエルレイド「エルッ」グググ
ズドンッ
メガチャーレム「チャー……!」
凛「っ! 今の技は……」
珠美「『リベンジ』ですよ。インファイトでなくて驚きましたか?」
凛「なるほどね。藍子と戦った時と同じ技構成、そんなわけないよね……!」
凛「チャーレム、しねんのずつき!」
珠美「サイコカッターで応戦です!」
メガチャーレム「チャー!」
メガエルレイド「エルッ!」
ズドォォォン
64 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:37:52.89 ID:xcK/3f4I0
未央「すごいすごい! どっちもイケイケだー!」
メガチャーレム「チャー」スタッ
メガエルレイド「エルッ」スタッ
凛(……状況はほぼ互角)
凛(でも攻撃力はあちらが上回っている。このままだと先に倒れるのはチャーレムの方だ)
珠美「つるぎのまいです!」
シャキンッ
65 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:39:19.11 ID:xcK/3f4I0
凛(やっぱりあれが厄介だね……対策は考えてあるから、どこで仕掛けようか)
凛(中途半端な攻撃じゃさっきみたいにリベンジを受けてしまう。決めるなら一撃で……)
珠美「つじぎり!」
凛「! チャーレム、ほのおのパンチ!」
メガチャーレム「チャー!」ドガッ
珠美「ほのおのパンチ……やけど狙いですかな?」
凛「まあそれもあるけど、あまり期待はしてないかな……!」
凛「チャーレム、距離をとって!」
メガチャーレム「チャー」タンッ
66 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:39:57.20 ID:xcK/3f4I0
メガエルレイド「エルッ……」ジリジリ
メガチャーレム「チャー……」ジリジリ
未央「お、おお、これが固唾を呑むってことか……!」
卯月「……」ゴクリ
凛「………………」
珠美「………………」
凛「…………」
珠美「…………」
67 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:40:30.95 ID:xcK/3f4I0
凛「チャーレム――」
珠美「そこ! 足払いです!」
メガエルレイド「エルッ」ダッ
卯月「! エルレイドの方が早かった!」
凛「……読み通り!」
凛「地面にほのおのパンチ!」
メガチャーレム「チャー!」
ドゴォッ
珠美「なっ!?」
68 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:41:04.54 ID:xcK/3f4I0
卯月「地面を叩いて飛び上がった……!?」
未央「ううん、それだけじゃない!」
メガエルレイド「エル……!」
卯月「足払いを狙ったエルレイドに攻撃できた!」
未央「よし、これで空中からエルレイドを叩ければ……!」
凛「今だよ、チャーレム!」
メガチャーレム「チャー」
……スタッ
69 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:41:41.74 ID:xcK/3f4I0
卯月「あれ?」
未央「おっと……チャーレム、なぜか攻撃せずに着地した!?」
珠美「エルレイド、リベンジです!」
メガエルレイド「エルッ!!」
ズドンッ
メガチャーレム「チャー……!」ガクッ
凛「ぐっ……」
珠美「エルレイドの足払いがよく読めましたね。そこからの回避法もトリッキーでお見事でした」
珠美「ですがあと一歩及びませんでしたね。次の一撃で終幕です」
70 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:42:20.18 ID:xcK/3f4I0
珠美「師匠の一番弟子の誇りにかけて、この勝負! もらったあ!」
メガエルレイド「エルッ」ダッ
凛「……師匠、か」
メガチャーレム「チャー!」ガキンッ
珠美「!」
凛「私にだってあるよ。先輩としてのプライドがね」
71 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:43:28.83 ID:xcK/3f4I0
珠美「ま、まだこんな力が……!」
凛「……藍子は勇気を出して、私から離れる決断をした。なら私も、それに全力で応えなきゃいけない」
凛「私は先輩として、ライバルとして、藍子の前に立ち続ける。そのために、もっと強くならなきゃいけない。強くあり続けなきゃいけない」
凛「だからこんな所で負けられない。負けたくない!」
メガチャーレム「チャー……!」
凛「さっき空中でチャーレムが何をしていたのか、教えてあげるよ」
72 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:44:02.37 ID:xcK/3f4I0
凛「渾身の……しねんのずつき!!」
メガチャーレム「チャー!!」
ゴツゥゥン
珠美「なっ――」
ズドォォォン
珠美「エ、エルレイド!」
73 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:44:37.16 ID:xcK/3f4I0
バシュゥ
エルレイド「……エル」バタンキュー
ドローンロトム『エルレイド、戦闘不能! エルレイド、戦闘不能!』
ドローンロトム『勝者……チャレンジャー・凛!!』
ドワアアアアアア
卯月「か、勝った……!」
未央「こんなギリギリなバトルになるなんて……でもさすがだったね、しぶりん!」
74 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:45:27.12 ID:xcK/3f4I0
珠美「な、なんと……。これほど劇的な幕切れは、いつぶりでしょうか」
珠美「凛殿、今の一撃はいったい?」
凛「攻撃力を上げていたんだよ。空中で、つるぎのまい二回分の攻撃力を上昇させたんだ」
珠美「そんなこと、あの一瞬でどうやって――」
珠美「――! 『じこあんじ』ですか……」
凛「インファイトも使ってくると思っていたから、けっこうリスキーな作戦だったけどね。うまくいってよかったよ」
珠美「うむむ、これは一本取られてしまいました……珠美もまだまだですな!」
75 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:46:39.84 ID:xcK/3f4I0
凛「ううん、珠美もすごく強かった。さすが真奈美さんの一番弟子だね」
珠美「ありがとうございます。しかしお互いに師匠のことを存じていたとは。人の巡り合わせとはわからないものですな」
珠美「っと、御託はこの辺りにしておいて……これが最後のバッジです、どうぞお受け取りください!」
凛はソードバッジを手に入れた!
凛は技マシン「つるぎのまい」を手に入れた!
珠美「それでは今後行われる予選についての情報もお知らせしておきますね。スマホロトムはお持ちですか?」
ピピッ
76 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:47:34.10 ID:xcK/3f4I0
凛「これは……『バトルサーチャー』?」
珠美「はい。ジムチャレンジを制覇したトレーナーにのみ配布されているアプリケーションです。同じアプリを持つトレーナーが近くにいると、時間や場所を問わずバトルを申し込むことができます」
珠美「予選が始まるのは2週間後。期間中はその『バトルサーチャー』を使い、多くの勝利を積み重ねてください」
珠美「バトルは3匹ずつのシングルバトルで、勝敗に応じて勝ち点が加算されます。10日間の中で勝ち点が上位8名だったトレーナーのみ、本戦へ出場することができるというシステムです」
77 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:48:30.81 ID:xcK/3f4I0
珠美「狭き門となるでしょうが、珠美も精一杯応援いたします。再び凛殿の戦いがみられること、楽しみにしていますね!」
凛「ありがとう、珠美。……また、戦おうね」
パチパチパチパチ
…………………………
未央「いやあー、さすがしぶりん! カッコよかったね!」
卯月「うん! ポケモンリーグの時より、すごく強くなってたね!」
78 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:49:01.07 ID:xcK/3f4I0
未央「よーし、今日はしぶりんの勝利を祝ってパーティーだー!」
卯月「おー!」
凛「そのことなんだけど……」
卯月・未央「??」
凛「ごめん。予選が終わるまで、しばらく一人にしてもらえないかな?」
卯月「凛ちゃん……?」
79 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:49:43.60 ID:xcK/3f4I0
凛「正直、これまでは藍子のことばかりを見てきて、自分のポケモンたちの鍛錬が疎かになっていた。それが珠美と戦ってわかったんだ」
凛「別にサボっていたわけじゃないんだけどね。でも藍子がいなくなった今だからこそ、もう一度時間をかけて、自分としっかり向き合いたい」
凛「そうしないと、藍子に合わせる顔がないっていうか」
未央「……」
凛「……まずは予選を無敗で突破する。そのためには、やらなきゃいけないことが山積みなんだ」
80 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:50:24.04 ID:xcK/3f4I0
凛「せっかく再会できたのに、こんなことを言ってごめん。でも……私の気持ち、わかってほしい」
凛「落ち着いたらさ――」
卯月「わかった」
卯月「でも、今日だけは……今夜だけは、3人で一緒に過ごしたいな」
卯月「それじゃダメ、かな」
未央「お、おお? しまむーがワガママ言うなんて、珍しいね?」
81 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:51:20.21 ID:xcK/3f4I0
卯月「えへへ、だって久しぶりに会えたんだもん。ちょっとは欲張りになるよ……ね?」
凛「……ふふ、欲張りなのはお互いさま、だね」
凛「それじゃ、幹事は未央に任せるよ。よろしくね」
未央「……よーしっ! じゃあ今夜はパーっとやっちゃいますか!」
凛「何その言い方」
アハハ……
82 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:53:02.02 ID:xcK/3f4I0
一方その頃
運転手「おっ、ねーちゃん、めずらしーもん持ってるじゃねえか」
運転手「いいぜ、連れてってやるよ。ここからうーんと東にある島……ヨロイ島まで、な」
83 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/05(水) 21:56:12.31 ID:xcK/3f4I0
訂正
>>61
誤 凛「とびひざげり!!」
正 凛「しねんのずつき!!」
ポケモンスナップ、ガラルに上陸できなかった組がいっぱいいて嬉しかったですね
次回からヨロイ島修行編へ突入しますよ
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/05/05(水) 22:06:51.55 ID:eVcIHBFP0
乙 遂にヨロイ島か楽しみだ。凛の方は冠雪原かな?
85 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:21:38.20 ID:QQxLL//c0
投下します。久々にコンマやるですよ
86 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:22:30.35 ID:QQxLL//c0
予選開始1週間前 ワイルドエリア
藍子「キョダイコランダ!」
ズドォォォォン
サダイジャ「サダアアァァァ」
バシュゥッ
サダイジャ「サダ……」バタンキュー
藍子「ふうっ……お疲れ様、ゴリランダー!」
ゴリランダー「ゴリ」
藍子「わっ、もうこんな時間。今日はこの辺りでキャンプしようかな」
87 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:23:35.74 ID:QQxLL//c0
………………………
パチパチパチ……
藍子(……今まではずっと凛さんが一緒にいて、夜になったらこうして焚き火を囲みながら一緒にカレーを食べて)
藍子(それから今日どんなことがあったのか話し込んでいるうちに、お互いにうとうとし始めて)
藍子(起きたらまず朝練をして、それから朝ご飯を食べてキャンプを片付けて、また次の目的地へ……)
藍子(……)
ゴリランダー「ゴリ?」
88 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:24:18.43 ID:QQxLL//c0
藍子「あ……ゴリランダー。心配してくれてありがとう」
藍子「うん、私は大丈夫だよ。寂しいけど……一人でも、強く生きなきゃ。凛さんを超えるために」
藍子「それに、私は一人じゃない。ゴリランダーたちが一緒にいるからねっ!」
藍子「……それにしても」
ゴリランダー「?」
藍子「どうして私のゴリランダーは、キョダイマックスすることができるんだろう……?」
89 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:25:17.60 ID:QQxLL//c0
藍子「という疑問を持ちまして」
楓「なるほど。それで相談に来られたのですね」
エンジンシティ カフェの一角
藍子「はい。楓さんならなにか知っているかもと思って」
藍子「同じ種族でも、ダイマックスすると姿が変わるポケモン、変わらないポケモンとがいますよね。この違いって、一体なんなのでしょうか」
藍子「キョダイマックスを使えるトレーナーなら、それをしっかり理解しておかないといけないって、ふと思ったんです」
楓「ふふ、藍子ちゃんは勉強熱心ですね」
90 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:26:28.15 ID:QQxLL//c0
楓「……そうですね。藍子ちゃんになら、これを渡してもいいかもしれません」
スッ
藍子「楓さん、これは?」
楓「ヨロイパスというものです。このチケットをそらとぶタクシーの発着所で示せば、ガラル地方の東部にある、ヨロイ島という地域へ行くことができます」
藍子「ヨロイ島……ですか」
楓「はい。そしてヨロイ島は、ダイマックス発祥の地とも呼ばれています」
藍子「!」
楓「そこへ行けば、藍子ちゃんの疑問も解決するかもしれません」
91 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:27:29.94 ID:QQxLL//c0
楓「本来、このパスはとても貴重なものなのですが……藍子ちゃんはガラル地方を守るため、勇敢に戦ってくれました」
楓「ぜひ、その時のお礼だと思って、受け取ってください」
藍子「い、いいんですか?」
楓「はい。私は特に使う用事もありませんし、藍子ちゃんが持っていた方が有意義でしょう」
藍子「それじゃ、いただきます。楓さん、ありがとうございます!」
楓「いえいえ。ヨロイ島にはガラル本土より強力なポケモンが生息していると聞きます。いい特訓相手にもなるでしょう」
楓「そうそう、ヨロイ島には私の知り合いが住んでいます。もし出会うことがあれば、私は元気にしているとヨロしく伝えておいてください」
92 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:28:00.03 ID:QQxLL//c0
ヨロイ島
藍子「……!」
藍子「ここが、ヨロイ島……!」
スナバァ「スナスナ」ザッザッ
ミミロル「ミミロー」ピョンピョン
ヒトデマン「ヘアッ」ピチピチ
藍子「すごい! 海が見えるよ、サニーゴ!」ポンッ
サニーゴ「サニ、サニー!」
藍子「いい景色……こんな場所、ワイルドエリアになかったなあ……」
93 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:28:33.58 ID:QQxLL//c0
??「なんやアンタ、えらい珍しいポケモン連れてはるなあ!」
藍子「??」
サニーゴ「サニー?」
??「ほー、ピンク色のサニーゴかぁ。初めて見たけどめっちゃキレーやな! うちのほっぺたみたい!」
藍子「は、はあ……」
??「って、ここ突っ込むとこやで! んなわけあるかいなーって!」ペシン
藍子(自分で自分の頭を叩いちゃった……)
94 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:29:23.15 ID:QQxLL//c0
藍子「あの、あなたは?」
笑美「あ、ごめんごめん。ウチは笑美いうねん。この島に住んでるトレーナーやよ」
藍子「ここに住んでるトレーナー……じゃあ、あなたが楓さんの知り合いの方?」
笑美「か、楓はんやて!? いやいやぁ、ウチごときがチャンピオン様と仲いいなんて荷が重いわあ!」バシバシ
藍子「わわっ」
笑美「知り合いなんやとしたらウチのししょーのことやな。この先におるんやけど」
笑美「よかったら会いに来る?」
95 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:30:33.37 ID:QQxLL//c0
藍子「はい! よろしくお願いします!」
藍子「あ、自己紹介がまだでしたね。私は藍子です!」
笑美「藍子はんやな。よっしゃ、ウチについてき!」
藍子「ここは……道場?」
笑美「せや。ウチのししょーは道場の師範代をやっとるねん」
笑美「ししょー、ただいま帰りましたー!」
ガラッ
96 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:31:21.52 ID:QQxLL//c0
??「お帰りなさいであります! ……む?」
藍子「お、おじゃまします」
笑美「邪魔するんやったら帰ってー」
藍子「ええっ!?」
笑美「ちゃうちゃう! そこは「ほな帰るわ」って言わな! そしたらウチが盛大にズッコケて――」
??「こらこら笑美殿。お客人を困らせてはいけませんぞ」
笑美「はっ、ついいつものクセで。いやぁ、ごめんな藍子はん!」
藍子「い、いえいえ」
97 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:32:09.77 ID:QQxLL//c0
??「お騒がせしてどうもすみません。ああ、私はこのヨロイ島で道場を営んでおります、亜季という者です。よろしくお願いします」
藍子「初めまして、ポケモントレーナーの藍子です」
亜季「ほう。トレーナー、ということはジムチャレンジャーですかな?」
藍子「そうです。といっても、バッジは全部集めちゃったんですけど」
亜季「なんと! まだ予選が始まるまで時間があるというのに!」
亜季「はっはっは、これは面白い! 笑美殿、かなりの大物を連れてこられましたな!」
98 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:32:51.18 ID:QQxLL//c0
藍子「大物だなんてそんな……あの、あなたが楓さんのお知り合い、ですか?」
亜季「いかにも。楓殿は私の盟友にして、宿命のライバルでありますからな」
亜季「その様子だと、どうやら楓殿とも面識がある様子……どういった間柄で?」
藍子「間柄……ええと、なんて言ったらいいんだろう。たまたま知り合って、この前一緒に話す機会があったんです」
藍子「その時にヨロイパスを譲ってもらって、ここに来ました」
亜季「ほう、彼女から直接……」
99 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:33:29.58 ID:QQxLL//c0
藍子「あの、亜季さん。このヨロイ島は、ダイマックス発祥の地だと聞きました。私はそのダイマックスについて、知りたいことがあるんです」
亜季「と、いいますと?」
藍子「このポケモンのことなんですけど」ポンッ
笑美「ゴリランダーか。よう育ってはるなあ」
藍子「私のゴリランダーはキョダイマックスすることができるんです。でも、どうして普通のダイマックスをせずにキョダイマックスすることができるのか、理由はわからなくて」
藍子「その理由を知りたいんです」
100 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:34:13.55 ID:QQxLL//c0
亜季「…………」
亜季「己が戦友たるポケモンについての見識を深める。素晴らしい心意気です、藍子殿」
亜季「笑美殿! 今から表に出て、藍子殿と戦ってくれませんかな?」
藍子「……へ?」
笑美「戦う? ええけど、なんで?」
亜季「……見極めたいのです。藍子殿が、どのようなトレーナーなのかを」
亜季「藍子殿。そういうわけで、直ちにバトルの準備を」
藍子「ええっ?」
101 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:34:46.99 ID:QQxLL//c0
笑美「やってさ。ほな藍子はん、外に出よっか!」
笑美「大丈夫だいじょーぶ。ししょーにも何か考えがあるはずやから。まあ気張らず楽しも、な!」
亜季「勝負は一対一、交代なしの一発勝負であります。お互い、準備はよろしいですかな?」
藍子「はい!」
笑美「オッケー!」
亜季「では、始め!」
藍子「ゴリランダー!」ポンッ
ゴリランダー「ゴリ!」
102 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:36:01.80 ID:QQxLL//c0
笑美「いくでオトスパス!」ポンッ
オトスパス「オトス!」
オトスパス じゅうじゅつポケモン かくとうタイプ
全身が筋肉の塊。触手を使って繰りだす締め技は凄まじい威力
己の腕試しのために陸に上がってくることも
藍子「まずはこちらからいきます! ドラムアタック!」
ゴリランダー「ゴリッ!」ドンドコドンッ
オトスパス「オトス」ヒョイッヒョイッ
103 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:36:40.36 ID:QQxLL//c0
笑美「なるほどな、あのドラムが攻撃の要……ほんなら」
笑美「たこがためや!」
オトスパス「オトス!」
ガシイッ
藍子「ゴリランダー!?」
ギリギリギリギリ
ゴリランダー「ゴ、ゴリ……!」
104 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:37:40.15 ID:QQxLL//c0
笑美「ふふん、抵抗すればするほど痛なるで?」
藍子「っ……」
藍子(全身を縛られているから、ドラムアタックはできない。ウッドハンマーも、アクロバットも)
藍子「なら、いやなおと!」
ゴリランダー「ゴ……ゴリ!!」ォォォン
オトスパス「オトスッ!」
藍子「よし、締め付けが緩んだ!」
笑美「へえ、大人しそうな顔して、意外とゴーインなとこあるんやな……!」
105 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:38:17.19 ID:QQxLL//c0
笑美「オトスパス、根性でやり返したれ!」
藍子「させません!」
ゴリランダー「ゴリ!」ドゴォッ
笑美「ドラムでぶん殴ってきた!?」
藍子「そのままアクロバット!」
ゴリランダー「ゴリ!」
ズドンッ
106 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:38:56.98 ID:QQxLL//c0
オトスパス「オトス……!」ドシャァ
笑美「オトスパス! くっ、やるやん……!」
亜季「そこまで!」
藍子「……えっ?」
笑美「ちょちょ、もう終わりかいな! ここからがおもろいとこやのに!」
亜季「私は『どちらかが戦闘不能になるまで』とは一言も発していませんぞ?」
笑美「ぬぬ……」
107 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:39:36.82 ID:QQxLL//c0
亜季「お疲れ様でした、藍子殿。……さて、突然なのですが」
亜季「ぜひ私の道場に入門されませんか?」
藍子「……にゅ、入門?」
亜季「ええ。既にジムバッジを集め切られただけあって、藍子殿は強い」
亜季「……ですが、まだご自身でも気づかれていないポテンシャルを秘めておられる。先程の戦いで、そう感じました」
亜季「それを発見し、研磨する支援を、私にさせていただきたいのです」
藍子「……」
108 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:42:09.64 ID:QQxLL//c0
亜季「もちろん入門されるメリットもありますぞ。先程の話の続きですが」
亜季「そのゴリランダーがキョダイマックスする理由については、この島を探索すればいずれ判明することでしょう」
亜季「しかし、ここは大自然に囲まれたサバイバルフィールド。ワイルドエリアと違い、外でのキャンプは危険を伴います」
亜季「ですので、活動拠点として、私の道場を提供しましょう。衣食住もお任せください」
亜季「……悪い話ではないと思うのですが、いかがですかな?」
109 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:43:39.26 ID:QQxLL//c0
笑美「ははぁーん。さてはししょー、藍子はんを利用して道場の実績を作りたいんやなー?」
亜季「笑美殿、人聞きが悪いですぞ。私がそんなに疚しい人間に見えますか?」
笑美「冗談やって冗談。でも藍子はん、ししょーはめっちゃ強いトレーナーやねん。ししょーの力添えがあれば、トーナメント制覇も夢やないで!」
藍子「トーナメント……」
藍子(そうだ。ダイマックスのこともだけど、私はもっと強くならなきゃいけない)
藍子(凛さんを超えるために……)
110 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 20:44:40.89 ID:QQxLL//c0
藍子「……わかりました。そういうことでしたら、ぜひ入門させてください」
藍子「亜季さん……いえ、亜季師匠? 改めて、これからよろしくお願いします!」
亜季「うむ、こちらこそですぞ! それと呼び方は別に師匠でなくても構いませんからな!」
笑美「よっしゃ、ほなこれからウチらは同僚やな! よろしくな、藍子はん!」
藍子「はい! ……ん?」
>>111
コンマ(ゾロ目でイベント発生)
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/05/07(金) 20:58:24.09 ID:o4qLR3Ki0
あ
112 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 21:01:27.33 ID:QQxLL//c0
笑美「ん、どないした? 屋根の上になんかあったんか?」
藍子「……いえ、なんでもありません」
??「…………」ジーッ
特殊イベント「運命の出会い」発生!
ヨロイ島滞在中、藍子を追う謎のポケモンが至る所に現れます。
藍子がその気配に気づいた時、コンマが発生します。見事ゾロ目を引き当てれば、珍しいポケモンを仲間にすることができるでしょう!
タイミングは不定期に訪れます。
113 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/07(金) 21:05:29.55 ID:QQxLL//c0
今回は以上です
正直ヨロイ島は行くかどうか迷いました。なぜなら行ってしまうと藍子の6匹目がほぼ確定してしまうから
それでは芸がないということで、コンマに成功したらゲットできることにしました
失敗したら今まで通り自由安価で6匹目を決めます
しかし軍曹はこういうポジションがよく似合う
来週からまた週一ペースに戻ります。ではまた次回
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/05/07(金) 23:47:31.14 ID:o4qLR3Ki0
笑美ちゃんにもクララとセイボリーみたいな過去があるんだろうか...
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[age]:2021/05/08(土) 12:30:59.28 ID:ODEOzn43O
DS/ポケモンPt
バトルファクトリー50連戦
『加藤純一vs金ネジキ』ラウンド13
『金ネジキクリアするまで
止まらない男の配信』
(12:02〜放送開始)
https://youtube.com/watch?v=j3uxgglhVFw
116 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 20:19:27.42 ID:/ZCZaUFt0
投下します。今日は安価もコンマもやります
117 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 20:20:06.16 ID:/ZCZaUFt0
翌朝
笑美「ふぁ……おはよー、藍子はん……」
藍子「おはようございます、笑美ちゃん!」
笑美「なんや、朝から元気やなあ……」
藍子「ふふっ、早起きは得意なんです」
亜季「二人とも、おはようございます」
118 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 20:21:00.97 ID:/ZCZaUFt0
笑美「おふぁよーございます……」
藍子「亜季さん、おはようございます!」
亜季「うむ、いい返事ですな。朝食を並べております、いただきましょう!」
…………………………
藍子「ところで亜季さん。この道場って、笑美さんしか門下生の方はいらっしゃらないんですか?」
亜季「いえ、笑美殿以外の者は今、鍋底砂漠という場所にて合同合宿を行っておりましてな。普段はもう少し賑やかなのですが」
119 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 20:21:41.50 ID:/ZCZaUFt0
笑美「みんなそれぞれ、ジムリーダーになるとかの夢を持って特訓してるんよ。ウチは将来的にこの道場を継ぐ予定やから、ししょーに付き添って行動してんねんけどな」
藍子「へえ、そうだったんですね」
亜季「さて、藍子殿はこれから大切なトーナメントを控える身。こちらとしても長く道場に留める気はありません」
亜季「というわけで、私の方から手短に3つのミッションをご用意いたしました」
藍子「3つのミッション?」
亜季「ええ。それらをこなすことで、藍子殿はこの道場を卒業という形にいたします」
120 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 20:22:23.23 ID:/ZCZaUFt0
亜季「もちろんこのミッションの中には、藍子殿が気になっているダイマックスの謎についても組み込まれておりますよ」
亜季「目安は1日1ミッション……つまり今日から3日間ですな」
藍子「3日間……!」
笑美「すごいな、キャタピーがトランセルになるぐらいの早さや」
亜季「その分ハードな3日間になると思われます。藍子殿、覚悟はよろしいですかな?」
藍子「……はい。よろしくお願いします」
笑美「ほんまにええんか、藍子はん? ししょーのいうハードってただのハードやないで。ベリーハード、いや最早デビル級――」
亜季「笑美殿〜?」
121 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 20:23:09.89 ID:/ZCZaUFt0
笑美「ウ、ウソやって!」
亜季「笑美殿にもやっていただきたいことがあります。後で指示いたしますね」
笑美「ヤバい、これめっちゃしごかれるやつや……」
亜季「では藍子殿。さっそく1つ目のミッションに取り掛かっていただきます」
亜季「その前に、こちらをプレゼントしましょう」
デデン
藍子「これは……自転車、ですか?」
亜季「ロトム自転車という代物です。モーターの部分にロトムが内蔵されており、ターボをかけることで素早く移動することが可能です」
亜季「水陸両用モデルですので、ヨロイ島の海も渡ることができますよ」
122 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 20:23:59.05 ID:/ZCZaUFt0
亜季「今から藍子殿にはこちらに乗って、ガラナツの枝を30本、集めていただきます!」
藍子「ガラナツの枝、ですか?」
亜季「ヨロイ島に群生している植物のことです。こちらの写真と地図を頼りに、島を隅から隅まで巡って収集してきてください」
亜季「細かいルールは特にありません。期限は今日の日没まで。質問はありますか?」
藍子「いえ、大丈夫です!」
亜季「よろしい。では、始め!」
ガタッ
藍子「では、行ってきます!」
亜季「行ってらっしゃーい!」
ダーーッ
123 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 20:24:24.28 ID:/ZCZaUFt0
清涼湿原
藍子「……わあ。ここは湿原なんだ」
ガマガル「ガマーッ」
ニョロゾ「ニョロ?」
藍子「沼地に気をつけて……よいしょ、っと」
藍子「うーん、この辺りにはなさそうだなあ」
124 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 20:25:13.08 ID:/ZCZaUFt0
チャレンジビーチ
藍子「きれいな砂浜……写真、撮っておこうかな♪」パシャリ
藍子「うーん、でも……植物は見当たらないかなあ」
藍子「……ん?」
藍子「あれは、塔……? しかもすごく高い……」
藍子「どうしてあんな所に――」
藍子「――!?」
>>125
コンマ(ゾロ目でイベント発生)
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/05/14(金) 21:27:12.55 ID:OIZqPCA1o
ゆるふわぁ
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/05/14(金) 21:40:53.96 ID:3YFCbulg0
>>125
流石ゆるふわ乙女
127 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:41:35.87 ID:/ZCZaUFt0
??「!!」
藍子「ポ、ポケモン? どうして私を見て――」
??「――べあ!」ダッ
藍子「あ、ちょっと……!」
藍子「……いったいなんだったんだろう」
128 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:42:20.53 ID:/ZCZaUFt0
並ぶ島の海
バシャバシャバシャ
藍子(ふふ、自転車で海の上を進むのって、なんだか新鮮……♪)
……ギロッ
藍子「あっちの島、木が生えてる。行ってみようかな――」
バシャアッ
藍子「……え?」
129 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:42:54.61 ID:/ZCZaUFt0
サメハダー「サメー!!」ズドドドド
藍子「サ、サメハダーが追ってくる!?」
藍子「早く逃げないと――」
サメハダー「サメッ!!」ズドドドド
藍子「ま、前からも来たっ!?」
藍子「わあああっ!」
130 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:43:49.70 ID:/ZCZaUFt0
夜
藍子「……」ガラッ
笑美「藍子はんお帰りー!」
亜季「ご苦労様でした。おや、ずいぶんとお疲れの様子」
藍子「はい……海でサメハダーの群れに襲われて、戦っている最中に海に落ちちゃって」
藍子「サニーゴやドロンチのおかげでなんとか陸に上がれたんですけど……」
笑美「わかるわ……あいつらめんどくさいよなあ」
亜季「それは災難でしたな。先にシャワーを浴びてこられますか?」
藍子「はい、そうします」
131 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:44:27.74 ID:/ZCZaUFt0
…………………………
亜季「さて、ガラナツの枝30本は無事、集められましたかな?」
藍子「ええと、その」
藍子「……実は、30本集めることはできませんでした」
亜季「ほう。たしかに手元には15本しかありませんな」
藍子「すみません。頑張って探し回ったんですが、なかなか見つからなくて」
藍子「私、どうも鈍間みたいで……」
亜季「……ふむ」
132 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:45:17.67 ID:/ZCZaUFt0
亜季「いいでしょう。今日のミッションは合格です、藍子殿」
藍子「えっ? でも、半分しか集められなかったのに――」
亜季「いいのです。実を言うと、30本も集めるのは難しいと最初から踏んでいましたから」
藍子「……え?」
笑美「ガラナツの枝って案外見かけへんねんなー。ウチも一日でその数はよう集めへんわ」
亜季「ましてやヨロイ島は非常に入り組んでおり、野生ポケモンも好戦的です。散策にはとても向いていません」
亜季「これだけ集められれば、大健闘でありますよ」
藍子「じゃあ、どうして最初に30本って……?」
133 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:45:58.17 ID:/ZCZaUFt0
亜季「……先にネタばらしをさせていただくと、今日のミッションでは藍子殿の『ペース』を分析し、明確にしたかったのです」
藍子「ぺ、ペース?」
亜季「人にはそれぞれ、自分だけが持ちうるペースがあります。歩調、といってもよいでしょうね」
亜季「おっとりした人が急いで物事を片付けようとすると、たいてい焦ってドジを踏みます。逆にせっかちな人が丁寧に物事に取り掛かると、かえって集中力が続かなかったりします」
亜季「藍子殿にも同じようなことが言えています。普段はのんびり屋であるはずなのに、バトルになると突然早とちりな性格になる。つまり本来の性分とバトルスタイルに乖離があるんですね」
134 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:46:47.87 ID:/ZCZaUFt0
藍子「それって、どういう……?」
亜季「昨日、笑美殿と戦われた時のことを思い出してくだされ。オトスパスのたこがためを受けてから、藍子殿はどう行動されましたかな?」
藍子「え? ええと、いやなおとでそれを振り切りました。それから二度目を受けないよう、ドラムを使ってオトスパスと距離を取りました」
亜季「そうでしたね。ですが私としては、あれは最善手だったとは思えない」
亜季「不利な状況からすぐに脱したい気持ちはわかります。が、藍子殿ほどのトレーナーであれば、もっと上手な打開策があったのでは、と思わざるをえなかったのです」
135 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:50:07.73 ID:/ZCZaUFt0
亜季「私にはどうも、決断を急ぎすぎている風にしか見えなかった。それでもしかしたら、藍子殿は自身のペースを掴み切れていないのでは、と感じたのです」
藍子「自分の、ペース……」
藍子「……そんなこと、考えもしませんでした」
亜季「そうでしょうね。それを踏まえての今日のミッションの成果、及び藍子殿自身の自己評価を聞いて、確信に至りました」
亜季「藍子殿は迷われている。自分なりの戦い方を、未だ会得できておりません」
藍子「……!」
亜季「これまでのバトルで起こった閃きが閃きのままなら、まだまだ半人前ということです」
亜季「藍子殿だけが持つペース、それこそが自身でも気づかれていないポテンシャルであり、さらに強くなるためのカギになると思うのです」
136 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:50:41.78 ID:/ZCZaUFt0
亜季「……課題は見つかりました。今日はもう充分です。30本集められなかった自分を貶めるのではなく、15本も集められた自分を褒めてやってください」
笑美「うんうん。マイペースなんがイチバンや」
笑美「藍子はんは、知らんうちに肩に力が入りすぎてたんちゃうかなあ?」
藍子「そう、なんでしょうか……」
亜季「まあ、直ぐに改善せよと言われても無理があるでしょう。ですがこれは、藍子殿が強くなるための大事な布石です」
亜季「ゆっくり身体に沁み込ませてゆきましょう。というわけで、今日のところはゆっくり休んでください」
137 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:51:12.72 ID:/ZCZaUFt0
その後 砂浜
ザッパーン
藍子(自分の、ペース……)
藍子(……今までは、凛さんから教えてもらったことが全てだった。凛さんの戦い方が、そのまま私の戦い方になっていた)
藍子(でも……)
ザッザッ
亜季「眠れないのですかな?」
藍子「亜季さん。それと……隣の方は?」
138 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:52:01.13 ID:/ZCZaUFt0
穂乃香「初めまして。亜季さんの道場でお手伝いをしている、穂乃香です」
亜季「穂乃香殿は手先が器用でしてな。ガラナツの枝を加工して本土に輸出することで、道場の資金を工面していただいているのです」
穂乃香「はい。日中は島にいなかったので、挨拶をしておこうと思いまして」
藍子「そうだったんですか。あ、私は藍子です。よろしくお願いします!」
藍子「ガラナツの枝って、そんなに需要があったんですね」
穂乃香「本土には生息していない植物ですから、それなりの価値を与えてもらっているんですよ」
穂乃香「そうそう。実は藍子さんに渡したいものがあるんです。藍子さん、今日は頑張ってたくさんのガラナツの枝を集められたんですよね」
139 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:53:02.16 ID:/ZCZaUFt0
藍子「……?」
穂乃香「あの枝を編んで、アクセサリーにしてみたんです。それをぜひ受け取ってほしくて」
藍子はガラナツリースを手に入れた!
藍子「わあ、きれいなリース……!」
穂乃香「ふふ、ありがとうございます」
穂乃香「でもこれはただのアクセサリーじゃなくて、リージョンフォームのヤドンを、ヤドキングへ進化させるための道具でもあるんですよ」
藍子「……!」
藍子「亜季さん、それを知っていて……?」
140 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:53:35.21 ID:/ZCZaUFt0
亜季「さあ、どうでしょう」
亜季「ま、これは私たちからの労いだと思って受け取ってくだされ」
藍子「……ありがとうございます。大事にしますね」
穂乃香「ふふ。では私は明日も朝が早いので、これで」
ザッザッザッ
藍子「亜季さんも、眠れないんですか?」
亜季「ええ。浜辺で一人佇んでいる藍子殿を見ていたら、いてもたってもいれず」
藍子「わ、その、私のことはどうかお気になさらず……!」
141 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:54:22.67 ID:/ZCZaUFt0
亜季「藍子殿は、どなたにポケモンバトルを教わられたのですか?」
藍子「……え?」
亜季「おそらく藍子殿は、自分とは真逆の性分を持つトレーナーに影響を受けてきたのかもしれない。それだけでなく、その者から直々の指導も受けていた」
亜季「私はそのように推測したのですが」
藍子「……すごい。亜季さん、そんなことまでわかっちゃうんですね」
藍子「亜季さんの言う通りです。私にはコーチがいて、その方と一緒にジムチャレンジを巡ってきました。バトルも、その方から教わって」
亜季「……」
142 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:55:53.99 ID:/ZCZaUFt0
藍子「すっごく強い人なんです。常に冷静で、センスがあって、カッコよくて」
藍子「ポケモンのことが誰よりも大好きな……私の、憧れのトレーナーなんです」
亜季「そうでしたか。素敵な関係ですね」
藍子「今までは、その人の戦い方が私の当たり前でした。私はこれからもこのやり方でやっていくんだろう、とも思っていました」
藍子「……でも、私にはそれは合っていかったんでしょうか」
藍子「だとしたら、私はこれからどうすればいいんでしょうか」
亜季「それでお悩みになられていたのですね。すみません、私も配慮が足りていませんでした」
亜季「私は決して、今までの藍子殿を否定するつもりはありませんよ」
143 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:56:35.93 ID:/ZCZaUFt0
亜季「……守破離、という言葉をご存知ですかな?」
藍子「しゅは……? いえ、初めて聞きました」
亜季「武芸の道に伝わる考え方のことです。何かを極めていく際には三つの過程がある、という教えですね」
亜季「まずは「守」。師の教えを忠実に守り、基本の型を身につける段階です。ここで身につけた型が、その後の土台となってゆきます」
亜季「その後、徐々に「破」の段階に移ります。身につけた型を参考にして、様々な型を取り入れつつ、自らのスタイルを形成していくのです」
亜季「やがて両方に精通した者は、既存の型を越え、自らの型を形成するようになる。これが「離」の段階です」
144 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:57:04.41 ID:/ZCZaUFt0
藍子「な、なるほど」
亜季「今の藍子殿は「破」の段階にあります。既に頑なな型があるのですから、そこに新たな型を取り込むべき時期なのです」
藍子「新たな型……それが私だけが持つペースのこと、でしょうか」
亜季「ええ。想像してみてください。今まで他人から教わってきたやり方と、自分なりのやり方。それが合わさった姿のことを」
藍子「……!」
藍子「そっか……そういうことだったんですね」
藍子(どちらか一つにしなくていい。凛さんの教えも、私なりの答えも一緒にすれば……!)
145 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 21:58:04.08 ID:/ZCZaUFt0
亜季「……どうやら少しは吹っ切れたようですな」
藍子「はい。私は私だけのやり方で……凛さんに教わったことも大切にしながら」
藍子「そうすれば、きっと……」
藍子「おいで、ヤドン!」ポンッ
ヤドン「やどーん」
藍子(さっき穂乃香さんにもらったガラナツリースを使えば、ヤドキングに進化させられる)
藍子(でも手元にはガラナツブレスもある。これを使えばヤドランに……)
藍子(どっちを使おう?)
>>146
安価
ガラナツブレス(ヤドラン) or ガラナツリース(ヤドキング)
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/05/14(金) 22:03:02.66 ID:3YFCbulg0
ガラナツリース(ヤドキング)
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/05/14(金) 22:04:59.39 ID:3YFCbulg0
無駄なところでぞろ目出るのなwwまあ
>>125
で既に出てるからいいけどさ
148 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 22:09:30.86 ID:/ZCZaUFt0
藍子「ヤドン、これをつけてみて!」
ヤドンにガラナツリースを持たせた
………………
藍子「あ、あれ?」
シェルダー「シェェルダァァー!!」ザッパーン
藍子「わあっ、海からシェルダーが!?」
ガブーッ
ヤドン「……!!」
149 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 22:10:11.66 ID:/ZCZaUFt0
カッ
ヤドキング「ヤドキン?」
ヤドキング じゅじゅつしポケモン どく・エスパータイプ
ガラルのすがた
毒素によって知能が上昇したシェルダーがブレインになった
妖しげな呪文を唱えながら会話をしたり技を繰り出したりする
藍子「……!」
150 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 22:10:58.19 ID:/ZCZaUFt0
藍子「ヤドキング、これからよろしくね!」
ヤドキング「……コマッタナー」
藍子「え!?」
ヤドキング「……ヤドキン」
藍子「い、いま、なにか言ったような……??」
151 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 22:11:38.34 ID:/ZCZaUFt0
亜季「おめでとうございます、藍子殿。では私からもう一つ、これを授けましょう」
スッ
藍子「これは……技マシン?」
亜季「ええ。藍子殿が各地を駆け回っている間、笑美殿がポケモンの巣から収集してきたものです」
亜季「藍子殿だけのペースで戦うこと、それは唯一無二の武器になりえます。その技マシンを使いこなすことで、そのことが理解いただけるでしょう」
亜季「ぜひ、使ってみてくだされ」
藍子「亜季さん……なにからなにまで、ありがとうございます」
亜季「どういたしまして。明日も朝が早いです。今日はもう戻りましょうか」
152 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 22:12:17.36 ID:/ZCZaUFt0
藍子「あっ、そうだ。あの、亜季さん」
亜季「なんでしょう?」
藍子「実は今日、不思議なことがあって――」
カクカクシカジカ
亜季「ふむ」
亜季「藍子殿が遭遇したポケモン……おそらく、ダクマというポケモンでしょうな」
153 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 22:13:35.79 ID:/ZCZaUFt0
藍子「ダクマ、ですか?」
亜季「本来はガラルから遠く離れた山岳地帯に生息するポケモンなのですが、ごくまれにヨロイ島でも発見例があるようです」
亜季「鍛錬を積み、己を鍛えることを身上とする性格なのですが、そんなポケモンが藍子殿を見つめていたこと……なにか親和性を感じますね」
亜季「どうでしょう。次に会うことができれば、対話を試みては?」
藍子「対話……そうですね。また会えたら、の話ですけど」
亜季「きっとダクマは藍子殿のことが気になっているのでしょう。近いうちに必ずまた会えますよ」
154 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/14(金) 22:16:02.57 ID:/ZCZaUFt0
今回はここまで
コンマ及び安価にご協力感謝です
盛りだくさんのDAY1が終了しましたね
コンマ成功したのでこれ以降のコンマイベントは割愛になります
いつどのタイミングでパーティー入りするのか、お楽しみに
ヤドンの進化先も決まったし急いで続きを書かないと
ではまた来週
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/05/14(金) 22:18:15.75 ID:3YFCbulg0
乙 ハマちゃんのヤドキング懐かしいな
156 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/21(金) 22:48:23.04 ID:EGhXWbks0
翌朝
藍子「おはようございます、亜季さん!」
亜季「藍子殿、おはようございます。体調はいかがですかな?」
藍子「ぐっすり眠れたので、元気いっぱいです!」
亜季「けっこうけっこう。穂乃香殿が朝食を用意してくれていますぞ。早速いただきましょう!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
亜季「それでは本日のミッションです。今回は藍子殿に、ある場所へ赴いていただきます」
藍子「ある場所、ですか?」
157 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/21(金) 22:49:05.01 ID:EGhXWbks0
亜季「ええ。この道場の北部には、集中の森と呼ばれる森林地帯が広がっています」
亜季「そしてその奥地には、非常に珍しいキノコが生息しているのです」
藍子「キノコ、ですか」
亜季「ええ。赤い渦巻き模様が特徴で、ダイキノコと呼ばれています」
藍子「ダイキノコ……」
藍子「ということは、もしかしてダイマックスと関連が?」
亜季「ふっふっふ、それはまだ明言できませんなあ」
158 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/21(金) 22:50:12.03 ID:EGhXWbks0
亜季「藍子殿にはこのダイキノコを採取してきていただきます。ちなみにガラナツの枝と違って一箇所にしか群生していませんので、昨日のようにあちこち探す必要はありませんぞ」
藍子「わかりました、それが今日のミッションですね!」
笑美「ふぁ〜、おはよー藍子はん……」
亜季「おお笑美殿、ようやく起きてこられましたか」
笑美「いやーよう寝たわ……んで藍子はん、今日は何させられるんや?」
藍子「ダイキノコの採取です。そのために今から集中の森に向かいます」
笑美「しゅ、集中の森やてえ!?」
159 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/21(金) 22:51:07.20 ID:EGhXWbks0
藍子「わっ、ど、どうしたんですか?」
笑美「いやいや、ししょー、ホンマにあそこに行かせるんか!?」
笑美「だってあの森、バケモンみたいに強いポケモンがおるんやろ!? 門下生にも近づいたらあかんって警告しとったやん!」
藍子「つ、強いポケモン……!? 本当ですか、亜季さん?」
亜季「……ええ」
亜季「森の奥地にはダイキノコを守っているポケモンがいます。周囲のポケモンとは比較にならないほどの強さを誇ることから、森の王者と呼ばれているとか」
藍子「森の王者……」
亜季「彼の者を倒さなければ、キノコは手に入れられないでしょう。おそらく戦いは避けられません」
160 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2021/05/21(金) 22:51:35.41 ID:EGhXWbks0
亜季「ですが、全く敵わないわけではないはずです。昨日の私の言葉、覚えていますよね?」
藍子「はい。……自分のペース、ですよね」
亜季「ええ。焦らず冷静に戦況を見極め、不利な状況すら味方につけて活路を見出すのです」
亜季「森の王者とのバトルは、それを実践するよい機会だと思って臨んでください」
亜季「健闘をお祈りしておりますぞ。では……始め!」
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