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【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】

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680 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/25(火) 23:50:08.88 ID:sTXbswdk0

モノクマ「はいはいストップストップ!そんなんじゃないから安心して!」

モノクマ「言ったでしょ!あくまでこれはレクリエーション、オマエラの親睦を深めるための取り組みです!」

智代子「そ、それじゃあ本当に遊ぶだけなの?」

円香「……理解できない」

雛菜「円香先輩って、昔っからずっと隠れるのも見つけるのも下手だよね〜」

円香「はぁ?」

凛世「ふふ……♪でしたら凛世が手ほどきを……」

円香「いらない」

めぐる「かくれんぼかー……だったら上の階に隠れるのがいいかな?!」

灯織「確かに遮蔽物は学校エリアの方が多そうだよね」

咲耶「……隠れるんだったら体格の大きい私はすこし不利だね」

モノクマ「……ん?何オマエラ隠れるの前提で話してるの?」
681 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/25(火) 23:51:48.10 ID:sTXbswdk0

めぐる「え?でも……わたしたちが隠れて、モノクマが鬼で探すんじゃないの?」

モノクマ「これだからステレオタイプなウーマンは困るね!違う違うよ!」

モノクマ「オマエラはみーんな【鬼】なの!」

灯織「鬼?」

摩美々「……しかも今、みーんなって言いましたよねー?」

咲耶「鬼は一人じゃないのかい?」

雛菜「じゃあ雛菜たちで隠れたモノクマを見つけ出すってことですか〜?」

モノクマ「それは違うよ!」論破!

【BREAK!】

モノクマ「ボクは参加しないよ!だってこれは、オマエラの親睦を深めるためのレクリエーションだからね!だから参加者はオマエラだけ!」

めぐる「ちょっと待って!だったら誰が隠れるの?わたしたちはみんな鬼なんだよね?」

愛依「……確かに!ムジュンしてるよ!」

モノクマ「クックックッ……その質問を待ってたクマ」

摩美々「また思い出したように語尾をつけてるー」

モノクマ「オマエラが鬼となって見つけ出す相手は……」

682 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/25(火) 23:52:18.40 ID:sTXbswdk0




モノクマ「ずばり!オマエラの中に隠れた【裏切り者】だよ!」




683 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/25(火) 23:53:50.46 ID:sTXbswdk0

灯織「……え?」

モノクマ「え?何?オマエラもみんな知ってることじゃんか」

モノクマ「この前樋口さんからみんな聞いてたよね?裏切り者の存在」


そうだ。そうなんだけど……
なんで、裏切り者の話がモノクマの口から出てくるの?
だって裏切り者はモノクマの側だからこそ、裏切り者なわけで……
要するに、モノクマが裏切り者の存在を口にするということは更にその裏切り者を裏切ったことになる?


愛依「ま、待って!う、裏切り者っていないって話じゃなかったの?!そうだよね?!灯織ちゃん?!」

灯織「……そ、その……」


そうだ。私は樋口さんの話を聞いた時はその存在を否定した。
摩美々さんと二人で結託して、そのことについては全員の目が向かないように、必死に逸らし続けた。
でも、その存在はモノクマの手によって、明確に存在が確証づけられてしまった。
684 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/25(火) 23:55:03.41 ID:sTXbswdk0

円香「……だから言ったでしょ?私は嘘はついてないって」

智代子「い、言ってたっけ……?」

モノクマ「まあ信じてなかったそこのあなたも、今ので信じるしかないよね!このボクが断言しちゃってるんだから!」

愛依「……マジで……?」

めぐる「そんな……」

灯織「……っ!」

めぐる「な、ならなんでその裏切り者をわたしたちに見つけさせようとするの?!」

円香「……何を考えてるの?」

モノクマ「はぁ、これで何度目かな?このレクリエーションはオマエラの親睦を深めるため!あくまでそれが目的なの!」

モノクマ「オマエラも仲間内に裏切り者がいるって思ったら仲良くできないでしょ?だからこの際その膿を出してもらおうかなって!」

智代子「う、膿……」

咲耶「それがこの、【かくれんぼ】というわけかい」

モノクマ「裏切り者は本当に文字通りの裏切り者だからね!コロシアイ合宿生活が始まったころからの協力関係で、情報もガンガン横流ししてた極悪犯!」
685 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/25(火) 23:56:12.81 ID:sTXbswdk0

モノクマ「コロシアイをやめよう!っていう風野さんとは真逆の思考を持ってたわけだね!」

モノクマ「とか言いつつ、そんな風野さんが本当は……?」

灯織「ち、違います!」


慌てて否定する。
私が裏切り者なんてそんなわけない、それは自分が一番よく知っている。
でも、周りの人にはどう見えている?
めぐるはまだしも、他の人には信じていただけなかったら?


モノクマ「まあ、あくまでこれは一つの可能性だからさ、オマエラで必死こいて見つけ出してほしいんだよね!」

摩美々「……」

円香「芸がないですね」

灯織「ひ、樋口さん?」

円香「くだらない。裏切り者の存在を公言して、それでまた疑心暗鬼の渦にでも落とし込むつもりなの?」

円香「一度やった手の焼き直し。……まあ、私が殺しに踏み切るのにあなたの動機は関係ないですが」

(……!!)


この状況は、初めの事件によく似ている。
あの時もモノクマは、私たちの中に黒幕の内通者がいる可能性を流して同士討ちを企てていた。
そのせいで、浅倉さんと真乃は……
686 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/25(火) 23:57:38.12 ID:sTXbswdk0

……いや、でも私たちはあの時の疑心暗鬼を乗り越えてここにいる。
樋口さんに乗じる形なのは若干受け入れがたいけど、これで私たちが殺し合うとは思い難い。


灯織「樋口さんの言う通りです……同じ手で引き裂かれるほど私たちの絆は生易しいものではありません!」

円香「……」

灯織「疑心暗鬼なんて、もう二度と陥りません!」

めぐる「灯織……!そうだよ、灯織の言う通りだよ!こんなんで疑いあったりなんかしないんだから!」

咲耶「二人の言う通りだな、これがキミの言うレクリエーションのすべてなら拍子抜けと言わざるを得ないね」

モノクマ「ムムム……」

愛依「そうそう!うちらの信頼関係はマジで固いんだから!」

雛菜「あは〜、雛菜普通のかくれんぼがよかった〜」

モノクマ「ムムムムムム……」






モノクマ「先生の話は最後まで聞きなさーーーーーーーーい!」
687 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/25(火) 23:58:36.98 ID:sTXbswdk0
モノクマ「あのねえ、オマエラすっかり忘れてない?!このレクリエーションには賞品があるって言ったよね?!」


そういえばそんなことも言っていた。
かくれんぼにおける賞品ということは、裏切り者を見つけ出すと私たちにメリットが生じるということだ。
ということはその賞品が本命の動機……!


モノクマ「これを聞いたらオマエラも見つけ出したくて仕方なくなっちゃうよ?……準備はいいかい?」

モノクマ「ばばん!豪華賞品は……これだ!」
688 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/25(火) 23:59:38.00 ID:sTXbswdk0




モノクマ「コロシアイ合宿生活終わらせますの権利〜!」




689 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/26(水) 00:00:51.08 ID:sfDlRV2p0

灯織「……え?」


コロシアイ合宿生活を、終わらせる……?

モノクマの口から出て来た言葉を咀嚼できず、暫く硬直していた。
それは私たちが心の底から臨んだことで、そのためにこの生活を送ってきたと言っても過言ではない甘美な言葉。
すべてを覆し、元通りにしてくれる。
そういう意味合いの言葉。それを聞いた瞬間、『生還』。
その二文字が唐突に目の前に現れたのである。


モノクマ「どうどう?オマエラ、これは欲しくて仕方ないでしょ?」

愛依「ほしいっていうか……え?ま、マジ?」

モノクマ「マジ」

智代子「ほ、ホントのホントに?」

モノクマ「ホントのホントに」

凛世「真でございますか?」

モノクマ「真でございます」

雛菜「あは〜?」

モノクマ「あは〜」


どうやらモノクマは本気で言っているらしい。
いくら質問を投げられようとも肯定の言葉を即座に返す。強い意志を感じる。

_______この【かくれんぼ】にこの合宿生活自体の存亡を、本気で賭けるつもりだ。
690 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/26(水) 00:02:11.77 ID:sfDlRV2p0

灯織「それならこちらとしても願ったりかなったりですが……」

咲耶「待つんだ」

灯織「咲耶さん?」

咲耶「モノクマがどう考えているかもわからない。しかもこんなうまい話だ……必ずその裏があるはずだ」

摩美々「まぁ……そうだよねー」

モノクマ「裏?裏って何さ?なんなのさ?」

モノクマ「あのね、表か裏かなんて結局は物の味方の一側面でしかないんだよ。見ようによってはどちらも表であり裏!]

モノクマ「キミらの狭い了見で崇高なるモノクマを語るべきじゃないとボクは思うんだよね」

咲耶「そうやって回りくどい言い回しで煙に巻くのはやめてくれるかい?」

摩美々「咲耶がそれ言うー?」

モノクマ「気持ちはわかるけどね、裏というほどの裏はないよ。邪推ってやつだね」

モノクマ「オマエラは裏切り者を見つけてぶっ殺せばコロシアイ合宿生活を終わらせられる!本当にそれだけなんだ!」

愛依「マジでたったそれだけで?」

雛菜「コロシアイ合宿生活が終わるんだ〜……」

めぐる「裏切り者を見つけて殺すだけ……」






めぐる「……ん?!こ、こ、こ、殺す?!」

691 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/26(水) 00:04:15.87 ID:sfDlRV2p0

モノクマ「あれ?言ってなかった?このかくれんぼでオマエラには」

モノクマ「裏切り者をぶち殺して、この【コロシアイ合宿生活の終結】を目指してもらいまーす!」

灯織「なっ……」

めぐる「そ、そんなのって……!」


本当の狙いはこれだった。
モノクマが今回持ってきた動機は疑心暗鬼のタネに終わらない。

それは【天秤】。今ここで一人の命を切り捨てて、他全員の命を救うかどうかの天秤。
命の重さを天秤にかけることを迫ってきているんだ。
そしてその天秤は、人ごとにその基準は違う。
もしかすると今この瞬間にも、それが揺らいでいる人がいる可能性も……


モノクマ「一応言っておくと、裏切り者をそれ以外の生徒が殺した時点で賞品は贈呈されまーす!だから、学級裁判もその事件に関しては行われないからね!」

灯織「学級裁判が……行われない……?」

めぐる「それって、裏切り者以外は全員生きて還れるってこと……?」

モノクマ「So you caught on!」

愛依「な、なんて?」

咲耶「そーゆーこーとおん……そういうこと、と言いたいんだろうね」

692 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/26(水) 00:05:19.23 ID:sfDlRV2p0

摩美々「……どういうつもりー?」

摩美々「これじゃモノクマには文字通りメリットがないんですケド」

モノクマ「まあ本音を言うとさ、もう飽きちゃってるんだよね。このコロシアイに」

モノクマ「オマエラはどこまでいっても折れそうにないし、やるだけ無駄かなーって。見込みがあったのはせいぜい樋口さんぐらいのもんだよ」

円香「……どうも」

モノクマ「その樋口さんもなかなかコロシアイしてくれないしさ、いっそこれで終わらせた方がいいのかなって」


飽きたから?
本当にそれだけの単純な理由で、ここまで行ってきた残虐極まりないコロシアイを放棄するの?
どこまでモノクマのことを観察しても、その毛皮の向こうに秘めた考えは見通せない。



693 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/26(水) 00:06:39.96 ID:sfDlRV2p0

モノクマ「というわけで最終的に整理すると、【かくれんぼ】は以下の通りのルールです!」

【かくれんぼのルール】
1.オマエラは鬼となって、オマエラの中に潜む裏切り者を探してもらいます。
2.見つけ出した裏切り者をぶっ殺します。
3.裏切り者をオマエラが殺した場合、学級裁判は行われずそのままコロシアイ合宿生活はおしまいとなります。
4.みんなで協力して裏切り者をぶち殺して仲良くなりましょう。
5.なお、このかくれんぼにはモノクマは参加しません。

モノクマ「どう?簡単でしょ?」


簡単だ。単純明快極まりない。
裏切り者を殺せばいい。ただそれだけ。
たった一人の命で、他の全員の命が救えてしまう。


智代子「ど、ど、どうしよう……」

咲耶「……」


正直なところ、合理的な判断を下すとすればこのゲームは乗らない理由がない。
裏切り者はそもそもが自分たちにとって敵。
その敵を殺してさえしまえば、残った味方だけで生き残ることができる。

でも、それは……これまで【味方として過ごしてきた】敵を切り捨てることと等しい。
これまでその人間と積み重ねてきた時間、そして通わせた心を否定することと同じ。

そして、それを割り切れる人間なんて……


モノクマ「特に時間制限を設けてはいないから、存分にこのかくれんぼを楽しんでね!」


モノクマは立ち尽くす私たちを放り、その姿を消してしまった。
694 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/26(水) 00:07:46.51 ID:sfDlRV2p0

愛依「かくれんぼ……か……」

凛世「これより、凛世たちは……どうすれば……」


当然、コロシアイの終結を前にして私たちは揺れていた。
これは餌だ。モノクマがこのコロシアイの最期に、私たちがエゴのために殺しを行うことを望んで、つるしている餌だ。
ただその餌は、あまりにも魅力的。これまでの苦痛を一瞬で取り返すような魔性の力を持つ餌なんだ。

その餌を前にして、私は……





灯織「断固無視しましょう」


自分の舌を噛んで、迷いを断ち切った。


めぐる「ひ、灯織……?」

灯織「皆さん、落ち着いて下さい!ここで判断を誤ってはいけません……それこそモノクマの思うつぼです」

灯織「モノクマの狙いはあくまで私たちにコロシアイをさせること……この合宿生活を終わらせるのが目的だったとしても、私たちがコロシアイを行った時点でそれはモノクマに対する敗北なんです!」


そう、私たちはこれまで三回の事件で……そのたびに誓ってきたものがある。
それは「もうこれ以上はコロシアイはしない」という誓いだ。
全員でモノクマに立ち向かい、生還する。その誓いを皆さんと立てたからには、こんなところで放棄できない。
695 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/26(水) 00:09:00.93 ID:sfDlRV2p0

灯織「だから、いったんここは冷静になりましょう。何があっても私たちの間でコロシアイなんて……もう、絶対に起こすわけにはいかないんです!」

めぐる「灯織の言う通りだよ!わたしたちは一歩も足を止められない……」

めぐる「けど、この道を進むのは違う!誰かを犠牲にして進む道は違うって、わたしもそう思うんだ!」


めぐるも私の決断に付き従ってくれることに迷いはなかった。
私のすぐ後に,私以上の熱量で皆さんに訴えかけてくれた。


咲耶「フフ、イルミネは相変わらずだね」

凛世「ふふ……♪おかげで靄が吹き飛んでしまいました……」

凛世「凛世の心は、迷いの雲なき晴天でございます……」

摩美々「ま、二人に言われるまでもなかったんですケド」

めぐる「……ありゃ?」

摩美々「私はしっかりモノクマに勝つつもりなのでー、こんな終わり方は違うと思うんですよねー」

愛依「だよね……そうだよね!」

愛依「うちも誰かをギセイにして生き残んのは違うと思う!」

雛菜「あは〜、雛菜も普通のかくれんぼじゃないなら興味ない〜」

智代子「うん!そうだよ、もっと別の方法がきっとあるはずだよ!」

灯織「皆さん……」

咲耶「強くなったね、灯織」


誰もその返事には曇り一つなかった。
ここまで私たちは三回の事件に向き合うこととなった。そこには絶望の別れがあり、前へと進む希望のタネも同時に存在した。
今ここにいる全員が、そのタネを持っている。誰もが成長をしている。

こんなことで揺らぐほど、弱くはない。
696 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/26(水) 00:10:13.67 ID:sfDlRV2p0

円香「……はぁ、時間の無駄」

灯織「樋口さん……もう行くんですか?」

摩美々「ほっときなよ、灯織―」

灯織「摩美々さん……」

摩美々「むしろ今のモノクマの【かくれんぼ】によって円香は動きづらくなるよねー」

摩美々「だってうっかり裏切り者を殺しちゃったら私たち全員を殺すことはできなくなっちゃうんだしー」

愛依「あ、確かに!そしたら円香ちゃんの狙う全滅は絶対叶わないじゃん!」

智代子「そっか……むしろ全員生きて還ることになるんだもんね!」

咲耶「裏切り者の正体が明らかになるまでは、円香も行動に移せないということかい」

凛世「モノクマさまの動機が、楔となるのですね……」

円香「……はぁ」


樋口さんはため息をつきながら体育館を後にした。
摩美々さんの指摘通り、今回の動機提供でむしろ樋口さんは動きづらくなる。
それなら私たちはむしろ安全になったとすらいえるのかもしれない。


モノクマの言う【かくれんぼ】についてしばらく意見共有をした後、私たちはそれぞれの部屋へと戻っていった……
697 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/26(水) 00:11:03.01 ID:sfDlRV2p0
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【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま〜す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』


モノクマの動機提供。またしても異色のものだったけど…
今度こそ大丈夫なはずだ。コロシアイなんて絶対にしない、その信念はみんなに共通するものだし、ここで疑心暗鬼になんてならないはず。

だからこそ、平和的に全員が協力して生きて還る方法を早いところ見つけないと。



……でも、裏切り者は今どう思っているんだろう?
その存在はもはや疑いようもない。モノクマ自身が存在すると言っているんだ。そこに嘘はないだろう。

裏切り者は、生きて還ろうとしている私たちのことを……どう思っているんだろう。

どうして彼女は、裏切っているんだろう?

いつまで考えても答えの出るはずのない難問。それに思い悩みながら、私は瞳を閉じた。

698 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/26(水) 00:14:21.42 ID:sfDlRV2p0
というわけで動機提供を終えたところで本日はここまで。
雛菜の親愛度がマックスになったことで交流がだいぶ効率化しましたね。

連取の制限は今回ぐらいが丁度いいですかね?
割と滞りなく更新出来た気がします。

次は5/27 22:00〜を予定しています。
金土日は3rd福岡公演なので更新は考えていません。
また追って連絡します。

それではお疲れ様でした。

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【ここまでの親愛度】

・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】
・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0

・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……3.5
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……9.5

・【超高校級の幸運】園田智代子……3.0
・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……2.0

・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……3.0【DEAD】
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0【DEAD】

・【超高校級のギャル】和泉愛依……2.0

・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】
・【超高校級のディベート部】樋口円香……2.0
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……12.0
・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/26(水) 00:24:07.12 ID:gIwQmLja0
霧子が異能生存体になってる(小声)
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/26(水) 00:38:35.26 ID:EYzTBQjg0
乙です
途中で寝ちまった……
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/26(水) 12:58:32.60 ID:5qcJ4SYNO
今さらだけど、生存者の中で一番親愛度低いのがめぐるでしかもポイントが0なのちょっと面白いな
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/26(水) 21:39:13.77 ID:EYzTBQjg0
まみみ次プレゼントでパーフェクトなら一回でmaxいけるのか
安価取れそうならプレゼント補充しておこうかな
703 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 22:00:29.42 ID:OJ/S1blG0

それでは予定通り再開しようかと思います。
親愛度の霧子の表記ミスってましたね、、、
ロンパSSで生死の表記ミスると誤解生みかねないので以後気を付けます!


【ここまでの親愛度】

・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】
・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0

・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0【DEAD】
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……3.5
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……9.5

・【超高校級の幸運】園田智代子……3.0
・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……2.0

・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……3.0【DEAD】
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0【DEAD】

・【超高校級のギャル】和泉愛依……2.0

・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】
・【超高校級のディベート部】樋口円香……2.0
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……12.0
・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】
704 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 22:01:40.70 ID:OJ/S1blG0
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___

_____

_______


【灯織の部屋】

キーンコーンカーンコーン……

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ〜!さぁて、今日も張り切っていきましょう〜!』


気が付けば朝になっていた。昨日はかくれんぼのこと、裏切り者のこと……
色々と考えこんでしまったけど、ひとまずは皆さんを信じるほかない。

摩美々さんの言っていた通り、
今回の動機は私たちを焚きつける一方で抑止力としても働く可能性があるわけだし……
樋口さんも動きづらくなっているはずだ。

……お腹がすいたな、とりあえず食堂に行ってみよう。

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705 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 22:02:46.87 ID:OJ/S1blG0

【食堂】

咲耶「やあ、灯織。ご機嫌いかがかな?」

灯織「おはようございます、咲耶さん。今日も摩美々さんは朝からいらっしゃるんですね」


ここ最近早く集合している摩美々さんは、今日もその姿があった。
食堂の一席に腰かけ……あれ?

なんだか機嫌が悪いのかな……
目線をわざと逸らしてる?


灯織「摩美々さん?おはようございます……」

摩美々「あ、灯織……おはよー」

摩美々「昨日どんな寝相だったの……ひどい寝癖じゃーん」

灯織「え?!ね、寝癖ですか?!」

摩美々「ふふー、気抜いてたね、摩美々はいたずらっ子ですよー?」

(ひ、久しぶりにやられた!)


……思い過ごしだったかな?
摩美々さんはいつも通りか……

706 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 22:04:52.52 ID:OJ/S1blG0
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【灯織の部屋】

さて、【かくれんぼ】を無視すると決めたからにはちゃんと脱出の方法を見つけないとね。
今の私にできることが、なにかあるはず。

気合いを入れていかないとね。

【自由行動開始】

【事件発生前最終日の自由行動です】


灯織「さて、今日はどうしようかな」

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1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル95枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:05:31.43 ID:oHwAReeG0
1
708 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 22:08:27.77 ID:OJ/S1blG0
1 選択
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【購買】

灯織「さて……せっかくだし何か買っておこうかな?」

【自動販売機】

【贈答用】
『メダル10枚で購入可能』
・希望のパーカー 
・最高にカッコいいネックレス 
・即席ちゃんぽん
・EYE GRASS
・無銘の巾着
・ジャスティスV変身ベルト
・ダンベル君主論
・冬優子ちゃん育成キット
・デウス・エクス・翁
・ノロマ号
・にちかちゃん人形 
・柄入りブルゾン 
・カミサマの憤懣 

『メダル20枚で購入可能』
・親愛のお守り 


【お役立ち品】
・ロボット掃除機 30枚…生活が豊かなものになるかも?
・283プロのタオル 30枚…裁判で有利に働くかも?
・サイリウムブレード 40枚…裁判で有利に働くかも?
・虹の羽 50枚…生活が豊かなものになるかも?
・敏腕記者の名刺 60枚…交流がやりやすくなるかも?
・スーパーはづきさん人形 99枚…?????

-------------------------------------------------

【現在モノクマメダルを95枚所持しています】

どうしますか?(※複数選択可)

1.自動販売機で購入(商品名指定)
2.モノモノマシーンに挑戦(枚数指定)
3.やっぱりやめる

↓1
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:24:02.16 ID:oHwAReeG0
2 20
710 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 22:25:55.70 ID:OJ/S1blG0

【モノクマメダルを20枚消費してモノモノマシーンに挑戦します】

【直下から20レスまでコンマを集計し、その数値に応じたアイテムが獲得できます】

↓1〜20(連投歓迎)
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:27:21.31 ID:oHwAReeG0
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:28:33.72 ID:p1erhnnSO
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:29:53.37 ID:oHwAReeG0
数が数なので数分単位で取ります
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:30:20.99 ID:p1erhnnSO
よいしょ
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:32:27.24 ID:oHwAReeG0
はい
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:33:05.22 ID:1+wVsvv50
ほい
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:33:35.81 ID:p1erhnnSO
ぴゃっ
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:33:49.39 ID:oHwAReeG0
人少ないか
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:34:30.83 ID:oHwAReeG0
やあ
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:35:13.66 ID:1+wVsvv50
ほわっ
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:35:16.56 ID:p1erhnnSO
なんなんすかねこれ
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:35:50.62 ID:oHwAReeG0
倍プッシュ
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:36:19.29 ID:p1erhnnSO
もう少しかな?
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:36:53.29 ID:oHwAReeG0
もう少し
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:37:32.88 ID:p1erhnnSO
99出てるな
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:37:46.15 ID:oHwAReeG0
被ってないなと思ったら被ってしまった
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:38:52.38 ID:oHwAReeG0
あと3くらい?
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:39:25.42 ID:p1erhnnSO
案外数字ばらけないね
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:40:12.68 ID:oHwAReeG0
次ラスト
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:40:19.78 ID:h1vk7grvO
にへへ
731 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 22:48:44.84 ID:OJ/S1blG0
【バードライス】
【スカラベのブローチ】
【あしたのグローブ】
【はっぱふんどし】×2
【白うさぎの耳あて】
【もちプリのフィギュア】
【ラジオ君人形】
【カットバサミ】
【キルリアンカメラ】
【毛虫くん】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】
【アゴドリル】
【ログインボーナス】
を手に入れました!

99. ログインボーナス
〔一日一回あけられて、そのたび中身が変わる不思議な箱。運がいいときには宝石が入っていることもあるとか〕

-------------------------------------------------

灯織「結構回したけど……どうだろう、誰かに渡せるかな?」

【現在モノクマメダルを75枚所持しています】

どうしますか?

1.ひき続き購買で買い物を続ける(複数選択可能)
 a.自動販売機で購入(商品名指定)
 b.モノモノマシーンに挑戦(枚数指定)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:52:26.52 ID:B6AI5SG/0
2 まみみ
733 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 22:55:48.78 ID:OJ/S1blG0
2 摩美々選択

【摩美々の部屋】

ピンポーン

摩美々「はいはーい……あれ、灯織?何か用事―?」

灯織「ええ、まあ……昨日も動機発表がありましたし、摩美々さんに相談でも出来たら、と」

摩美々「……」

摩美々「ま、話し相手くらいにならなるケド?」

(……?)

(なんだか身が入らない対策会議を摩美々さんと行った……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【虹色の乾パン】
【バードライス】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】×2
【おでこのメガネ】×2
【はっぱふんどし】×2
【白うさぎの耳あて】
【もちプリのフィギュア】×2
【ラジオ君人形】
【カットバサミ】
【キルリアンカメラ】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【毛虫くん】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】×2
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ログインボーナス】


1.プレゼントを渡す(1つ選択)
2.渡さない

↓1
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 22:57:46.13 ID:oHwAReeG0
1 カットバサミ
735 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 23:02:45.20 ID:OJ/S1blG0
【カットバサミを渡した…】

灯織「摩美々さん、こちら役立ててください」

摩美々「えー?これって……ハサミー?」

灯織「はい、前髪を整えるときに使うハサミです。こちらに来てから日数も経っていますし、摩美々さんもそろそろ手入れをしたい頃かと思いまして」

摩美々「……」

摩美々「えっ、もしかして今の摩美々の前髪変だった?」

灯織「い、いえ……そういうわけでは……!」

摩美々「……」チョイチョイ

摩美々「ふふー、灯織は気が利きますねー」

(よかった、喜んでいただけた)

【PERFECT COMMUNICATION】

【親愛度がいつもより多めに上昇します】

-------------------------------------------------

摩美々「灯織は摩美々の事大好きだよねー」

灯織「え?!は、な、な、何を急に言い出すんですか?!」

摩美々「えー、違うのー?こんなに話しかけてくるからてっきり大好きなのかとー……」

灯織「や、その大好きといいますか……慕っているというか、頼りにしているというか……」

摩美々「私は灯織の事大好きだよー?」

灯織「え?!そ、そ、そんな、急に!?」

摩美々「それなのに灯織は摩美々の事嫌いなんだー、そっかー」

灯織「……い、いえ……わ、私も摩美々さんのことは……その、好き、です、よ……?」

摩美々「ふふー、情熱的なアプローチですねー」

灯織「ち、ちがっ?!これは決して恋愛感情だとかそういう話ではなく!!」

摩美々「わかってるよー、灯織はホントからかいがいがあるねー」

(はぁ……本当に摩美々さんには適わないな。いつまでたっても手玉に取られちゃう)

摩美々「でも、そんな灯織だからこそ、摩美々は信じてついていけるんだよ」

灯織「えっ?」

(急に摩美々さんは真剣な顔になって、私のことを見つめた)

摩美々「灯織は誰よりも真っすぐ、人を信じれる。誰かに手を差し伸べることができる。それは摩美々にはできないことですからー」

摩美々「……頼りにしてるよ、灯織」

(これはきっと、本当の気持ちなんだろう)

(摩美々さんはつかみどころのない人だけど、ここで冗談を言うような人なんかじゃない)

(……それなら、私は)


1.私こそ、頼りにしています
2.私のことを、見守ってくれますか?
3.自由安価

↓1
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 23:04:24.26 ID:B6AI5SG/0
1
737 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 23:10:27.46 ID:OJ/S1blG0
1 選択

灯織「摩美々さん、この前いただいた権利、今使ってもいいですか?」

摩美々「権利って……『摩美々を一つだけなんでも言うコト聞かせる権利』のコト?」

灯織「はい……今が使い時だと、そう感じたものですから」

灯織「摩美々さん、これからもずっと、私の隣で私を支えてくれませんか?」

灯織「摩美々さんの仰る通り、私は人を信じることでここまで来た……逆に言えば、それしかできないんです。この学園で生きていくには、人を疑うことも、常識を疑うことも大切……摩美々さんにはそれを学びました」

摩美々「……」

灯織「でも、私はまだまだ未熟者……ですから、摩美々さんのことを頼らせていただきたいんです」

灯織「私だけでは、生き抜いていけませんから」

摩美々「……はぁ、自分で言い出した権利ですし拒否権ないじゃんそれー」

摩美々「いいですよー、田中摩美々は従順なしもべとして一生風野灯織様に従いますー」

灯織「な、なんでそうなるんですか?!」

摩美々「ふふー、冗談だってー。ていうか、そんなの権利使わなくてもよかったのに」

灯織「え?」

摩美々「灯織の側だと退屈しそうにないし、離れる気なんかそうそうないですからー」

摩美々「これからも楽しませてよね、灯織―」

(摩美々さんとの間に確かな絆を感じる……)

(心の内側からじんわりと広がっていく温かさ、確かな友情がここにある)

(この絆は、絶対に切れない)

【親愛度が上昇しました】

【スキル:HAPPY-!NGの効果により親愛度上昇値がわずかに増えます!】

【親愛度MAX!】

-------------------------------------------------

【アイテム:エンツォの皮を手に入れました!】
〔摩美々の飼っているカメレオンが脱皮した名残。蛇のように財布に忍ばせると何か幸運がある……かもしれない〕

【スキル:摩的・アンチテーゼを習得しました!】
〔反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+15される〕
738 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 23:12:04.69 ID:OJ/S1blG0
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

摩美々さん……
この学園に来てからもずっとからかわれっぱなしだけど、いつも私のことを気にかけてくれる方だ。

背中をお互い託すと決めたからには、摩美々さんに忠義を果たせるように、私も頑張らないと。

絶対に一緒に、生きて還るんだ。

【自由行動開始】

【事件発生前最終日の自由行動です】


灯織「さて、まだ時間はあるかな」

-------------------------------------------------

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル75枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 23:13:09.26 ID:oHwAReeG0
2 円香
740 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 23:18:28.00 ID:OJ/S1blG0
2 円香選択

【図書室】

灯織「……あれ?」

円香「……」

灯織「樋口さんの読んでる本って……」

円香「……何?」

灯織「い、いえ……!その、今樋口さんが読まれている本って……その……」

円香「……世界殺人鬼名鑑、忘れた?」

(忘れるはずもない……あれは、小糸の事件の時の証拠品だ……)

円香「……何事も予習は大事でしょ?」

灯織「……」

(無言で樋口さんの手から本をかすめ取った……)

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【虹色の乾パン】
【バードライス】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】×2
【おでこのメガネ】×2
【はっぱふんどし】×2
【白うさぎの耳あて】
【もちプリのフィギュア】×2
【ラジオ君人形】
【キルリアンカメラ】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【毛虫くん】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】×2
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ログインボーナス】


1.プレゼントを渡す(1つ選択)
2.渡さない

↓1
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 23:33:35.36 ID:oHwAReeG0
1 バードライス
742 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 23:37:41.05 ID:OJ/S1blG0
【バードライスを渡した…】

円香「……は?」

円香「この学園に鳥が一匹でもいるの?」

円香「……意味が分からない」

(うーん、普通の反応だったかな)

-------------------------------------------------
円香「……」

灯織「……」

円香「……」タッ

灯織「あ、ちょっと!逃げないで下さいよ!」

円香「……何?話すことなんかないんだけど」

灯織「樋口さんになくても、こちらには山のように話したいことが……」

円香「……時間の無駄。灯織に貸すような耳は生憎持ち合わせてないの」

円香「そっちも他の対策に労力を回した方がいいのでは?」

灯織「……対策なんて、そんなの……したくはないんです」

灯織「だって、樋口さんを疑いたくはないんです……私は」

円香「……この期に及んで、まだ話し合いの余地があるとでも思ってる?」

円香「いい加減現実を見たらどうなの?」

灯織「……」


1.それはこちらのセリフです
2.樋口さんの言う現実ってなんなんですか
3.自由安価

↓1
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/27(木) 23:53:24.08 ID:oHwAReeG0
2
744 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/27(木) 23:59:57.42 ID:OJ/S1blG0
2 選択

灯織「……樋口さんはそうやって現実を見ろと言いますが」

灯織「樋口さんの言う現実ってなんなんですか……?モノクマに従って殺し合う、そんな非現実的な光景を、現実だって言うんですか……?」

円香「……そうだけど?」

円香「再三言ったと思うけど、この学園にいる以上命のやり取りからは避けられない」

円香「協力だの信頼だの、そんな甘言に縋ることに、意味なんかない」

円香「……言葉だけじゃ、誰も守れない」

灯織「樋口さん、やっぱり浅倉さんと小糸さんのこと」

円香「……」

円香「……もう、全部遅いから」

円香「何もかも遅い、もう戻ることなんか、できない」

灯織「遅くなんか……っ!」

円香「……時間を無駄にした、それじゃあ」

灯織「……」

【親愛度が上昇しました!】

【スキル:HAPPY-!NGの効果により親愛度上昇値がわずかに増えます!】

【現在の樋口円香の親愛度…4.0】
745 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/28(金) 00:01:54.12 ID:9mDTRtbE0

ちょっと今日は人が少なくて進めれませんでしたね…
できれば事件発生パートまで行きたかったのですが、致し方なし。

自由行動を増やすかどうかの安価だけだして終わっておきます。

この前申し上げた通り金土日はお休みさせてもらって、次回5/31の21:00〜より更新予定です。
それではお疲れ様でした。


-------------------------------------------------

【スキル:一番星の魔法を発動できます】

【モノクマメダルを10枚消費して自由行動を追加できます】

【現在のモノクマメダル枚数…75枚】

【スキル:一番星の魔法を使用しますか?】

↓1
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/28(金) 03:22:44.18 ID:WXCMjDQ40
使う
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/28(金) 06:31:09.57 ID:3NcA2WN8o
748 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 21:05:17.21 ID:O+yX7Nsb0

シャニ3rdお疲れ様でした…
最終日は号泣不可避でしたね…
アーカイブが待ち遠しいところです!

それでは予定通り再開させていただきます。
事件発生前最終日、スキルにより自由行動を追加したところより再開です。
749 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 21:07:54.79 ID:O+yX7Nsb0
【スキル:一番星の魔法を使用しました】

【残りのモノクマメダル枚数:65枚】

-------------------------------------------------

【灯織の部屋】

……樋口さん。

ダメダメ、ここで足を止めてちゃいけない……

私は、私のすべきことをやるんだから……!


【自由行動開始】

【事件発生前最終日の自由行動です】


灯織「あと少し、行動できるかな」

-------------------------------------------------

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル65枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/31(月) 21:09:17.91 ID:eGGgRjXJ0
2円香
751 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 21:14:38.62 ID:O+yX7Nsb0
2 円香選択

【職員室】

灯織「……あれ」

円香「……はぁ、なんでついてくるわけ?」

灯織「い、いえ……その……偶然でして……」

円香「……なら、さっさと出て行って。用件はないんでしょ」

灯織「もともと用件はありませんでしたが……たった今、用件ならできました!」

円香「……私にはないんだけど」


頑なに私の話に耳を貸さない樋口さんに、一方的にしゃべりかけた……

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】×2
【おでこのメガネ】×2
【はっぱふんどし】×2
【白うさぎの耳あて】
【もちプリのフィギュア】×2
【ラジオ君人形】
【キルリアンカメラ】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【毛虫くん】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【聖徳太子の地球儀】
【ミレニアム懸賞問題】
【携帯ゲーム機】
【プロジェクトゾンビ】
【動くこけし】
【オブラート】
【スモールライト】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】×2
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ログインボーナス】


1.プレゼントを渡す(1つ選択)
2.渡さない

↓1
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/31(月) 21:29:56.45 ID:eGGgRjXJ0
1 キルリアンカメラ
753 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 21:37:40.33 ID:O+yX7Nsb0
【キルリアンカメラを渡した…】

灯織「これ、樋口さんにと思ったんですが……」

円香「……なに?これ、おおよそガラクタに見えるけど」

灯織「キルリアン写真というものをご存じでしょうか……対象物に通電させ、それを写真に収めることでオーラのような波形を撮影する仕組みなのですが……」

円香「……要は、トリック写真でしょ?」

灯織「で、ですが現代では立体物でも適用可能になっていて、幻想的な写真が…」

円香「興味ない」

灯織「……そう、ですか」

円香「……透が生きていれば、喜んだかもね」

(まあ、普通の反応だったかな)

-------------------------------------------------

円香「灯織は絶対にコロシアイはしない……そう言ってた、違う?」

灯織「え……?ち、違いません……が、急にどうしたんですか」

円香「純粋な興味。この学園で、人を手にかけずに……本当に帰れると思ってるの?」

灯織「……と、当然です!私たちだけの力では厳しくとも……学園の外の方々が、きっと動いてくれて……」

円香「カウント。この学園に来てから今日で何日?」

灯織「え?!えっと、確か……」

円香「……もう、即答できる日数じゃないでしょ?」

円香「外の世界だとか……もう、頼れないんじゃない?それに、灯織は二つ目の動機、私と同じだったと思うけど」

灯織「二つ目の動機……?!」

(その瞬間、あのビデオの光景がフラッシュバックした)

(私たち、283プロのアイドルを管理するプロデューサーが、いまにも処刑されようとしていた映像)

灯織「……」

円香「私たちを助けてくれるような人は、もう……相手方の手に落ちている。希望なんて、どこにもない」

円香「ノープランで生還ができると思う?」


1.諦めなければ…
2.樋口さんが協力してくれれば…
3.自由安価

↓1
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/31(月) 21:53:09.78 ID:EiTS2ljro
2
755 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:04:33.39 ID:O+yX7Nsb0
2 選択

灯織「た、たとえ……今目の前に希望がなくても……私たちには仲間がいます」

灯織「だから、樋口さんも協力してくれれば……」

円香「……ふざけないでくれる?」

円香「よりにもよって、それを私の前で言うなんて……本当に浅慮」

(し、しまった……地雷を踏んでしまった……?!)

円香「透も小糸も、あなたのそのペテンで……絆に縋ろうとしたから命を落とした」

円香「だから灯織が絆を口にするたび、私はそれを否定する……そう言ったはず」

灯織「で、ですが……そうやって否定していても、何も!」

円香「だから、殺人という方法から目を背けるのはもうやめにしない?」

円香「……灯織が真の意味で前を見た時、私も心を開くかもね」

(樋口さんの言う真の意味で前をみるということ……)

(それは【現実】を見るということ……なんだろう)

(でも、そんなのって……)

【親愛度が上昇しました!】

【スキル:HAPPY-!NGの効果により親愛度上昇値がわずかに増えます!】

【現在の樋口円香の親愛度…6.0】

-------------------------------------------------

【スキル:ポシェットの中にはの判定に移ります】

【直下コンマの末尾の数字と同じ枚数のモノクマメダルを獲得できます】

↓1
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/31(月) 22:06:12.66 ID:eGGgRjXJ0
757 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:08:16.01 ID:O+yX7Nsb0

【コンマ66】

【モノクマメダル6枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル枚数…71枚】

【CHAPTER04におけるすべての自由行動が終了しました】

【事件発生パートへと移ります】
758 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:09:49.27 ID:O+yX7Nsb0
-------------------------------------------------
【灯織の部屋】

今日も皆さんと学校の散策をしたけど、成果は無し……

……はぁ、ダメダメ、変に考え込むと気が滅入っちゃう。
とりあえず空腹を満たして気分を明るくしないと。

そう思って扉に近づいていくと、下の隙間から一枚の手紙が差し込まれていることに気が付いた。
拾い上げて中を開いてみると、きれいな字で『灯織へ』と書いてあった。


『灯織へ
 夜分遅くに失礼。
 大事な話があるから、食堂に来てもらえるかな?
 大丈夫、心配はいらないよ。
 他のみんなも全員招待してある。
 みんなで一つ企画したいことがあってね、
 灯織にも参加してもらえるとありがたいな。
                白瀬咲耶より』


……咲耶さんから?それに、企画って……

文面から見ても、下手な心配はいらないみたい。
それより皆さんをお待たせしても良くないし、急いで食堂に向かおう。


759 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:11:06.18 ID:O+yX7Nsb0
-------------------------------------------------
【食堂】


灯織「……音楽会、ですか?」

咲耶「というと堅苦しいね、283プロ所属のアイドルが一堂に集う……私たちだけの【ライブ】、という方がいいかな?」

めぐる「それ、すごく楽しそうだね!」

雛菜「どうしてそんな急に〜?」

咲耶「この学園にいるとどうしても鬱屈とした毎日になってしまうからね、ここらで気分転換でもしようかと思ったんだ。……迷惑だったかな?」

雛菜「いえいえ〜!すっごくいい試みだと思いますよ〜!」

灯織「はい、私も雛菜と同じ意見です。ぜひ、私もお手伝いさせてください」

智代子「そういえば4階には音楽室があったんだっけ?」

愛依「なんかめっちゃでかい音楽ホールだったよね……確かにライブもできちゃうかも!」

凛世「はい……音響設備も万全でございました……」

咲耶「メンバーは抜けてしまったところもあるけれど、私たちにはソロ曲もあることだしね」

愛依「はいはい!うちみんなのソロ曲めっちゃ聴きたい!」

摩美々「えー?それって全員参加ー?」

灯織「ま、摩美々さん……」

摩美々「灯織がボイストレーニング足りてないから延期して欲しいってー」

灯織「い、言ってません!」

(意外にも摩美々さんは乗り気だ……)

760 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:12:05.29 ID:O+yX7Nsb0

咲耶「それに、ユニット曲を歌うこともみんなへの弔いになるのかもしれない……」

摩美々「……そうだねー」

(咲耶さん……やっぱりまだ霧子さんのことが……)

めぐる「うんうん!やろう、絶対やろう!」

灯織「めぐる……うん!」

めぐる「後で一緒に真乃のパートの割り振りも決めなきゃね、灯織!」

雛菜「やるんだったら盛大にやりたいですよね〜、照明とか〜、音響とか〜」

摩美々「楽器とかもあったし生演奏できるんじゃなーい?」

智代子「はい!はい!それならわたし、チョコっとだけならピアノ弾けるよ!」

愛依「え?!マジ?!チョコちゃんやるじゃん!」

智代子「えへへ、いっときチョコアイドルと並行して練習してた時がありまして……」

摩美々「はいはい、その前に準備でしょー?」

咲耶「そうだね……実際ピアノも点検ができているかもわからないし、ひとまず音楽室にみんなで行ってみようか。計画を立てるのはそこからにしよう」


私たちは咲耶さんの立案のもと、簡易ライブを開くために、そのロケハンに音楽室へと踏み入れた。
761 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:14:26.80 ID:O+yX7Nsb0
【音楽室】


雛菜「あは〜、雛菜の住んでる街の音楽ホールぐらいには広いですね〜?」


音楽室は雛菜の言う通り、文字通り音楽ホールといった感じの構造。
防音加工の施された壁が真上まで見上げてやっと天井といった形。
壁にはかなりの大きさのスピーカーが取り付けられて、劇場型の座席に向かって音が照射される。


智代子「座席もふかふか〜!なんだかこう……ポップなコーン的なものがつまみたくならない?!」

めぐる「わかるわかる!映画とか行ったらつい買っちゃうんだよね〜!」

摩美々「私はチュロスが食べたいかなー」


座席向かって正面はステージ。
座席より人一人分弱ほどの高さには奥行きがあり、カーテンや垂れ幕もしっかり用意されている。
上演の際にはこれらが開いて演者が登場する仕組みだ。


摩美々「はーい、3、2、1、キュー」

咲耶「……ボクだけ、見ていてくれないかい?」

愛依「オレから目、離すんじゃねえぞ……」

智代子「に、似合いすぎている……?!」

(なぜか王子様大会が開かれている)

咲耶「フフ、私と愛依でミュージカルをしてもいいかもしれないね」

愛依「お?やる?うちも冬優子ちゃんと勉強したからちょっと自信あるんだー」


他にも上下するバトン、ステージを下から照らすグランドランプ、バンド演奏のためであろうアンプなど多目的な利用が可能になっている。


雛菜「円香先輩のソロ曲、これで聴きたかったな〜」

灯織「雛菜……?樋口さん、ギターが得意なの?」

雛菜「違うよ〜?円香先輩のソロ曲ってなんかそんな感じじゃない〜?」

雛菜「街頭で一人で歌ってそうな感じっていうか〜?」

(……シンガーソングライターのイメージなのかな)

762 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:17:10.30 ID:O+yX7Nsb0
咲耶「……うん、やはりライブ会場としてはここが一番だろうけど設備の細かい面はどうかな?」

めぐる「マイクにライトも充実してるよねー」

灯織「管理はステージ脇の部屋で行えるみたいですよ」

凛世「そちらも、点検しておきましょう……」

-------------------------------------------------
【制御室】


咲耶「なるほど……ここでバトンの昇降や照明の調整を行えるんだね」

灯織「角度、タイミング……細かな指定は全部手動のようですね」

凛世「くわえて……電力もこちらの部屋から供給されるようです……」

雛菜「みたいですね〜、おっきいブレーカー!」

めぐる「じゃあライブ中は誰かがここで管理しておくべきなのかな?」

愛依「変わりばんこでやろっか、一人だけがずっとやってたらライブ聴けなくて勿体ないし!」

咲耶「そうだね、操作自体はそう難しくなさそうだし誰でも扱えるはずだよ」

智代子「それにエアコンも部屋についてるから、快適そうだよね!」

摩美々「灯織ー、うっかりライブ中に照明落としたりしないでねー」

灯織「だ、大丈夫です……今からマニュアルを頭から熟読しますから!」

雛菜「灯織ちゃんってば真面目だね〜?」

咲耶「マニュアルを全部読む必要は……ないと思うけどね」

763 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:18:20.00 ID:O+yX7Nsb0
-------------------------------------------------

咲耶「うん……ライブ自体は支障なく実施できそうだね」

摩美々「みたいですねー」

雛菜「せっかくだから雛菜はもっと派手にやりたいですね〜」

めぐる「だね!本当のライブみたいにステージも飾り付けたり、団扇を振ったりしたいなー!」

愛依「簡単なやつならうちらでも作れるんじゃね?ほら、倉庫にもまっさらな団扇余ってたよね?」

凛世「はい……舞台上にセットを組むのは難しいですが……照明の上からセロハンを貼れば、色彩を加えることも可能です……」

智代子「あっ、それじゃあ今度こそポップコーンを用意するのはどうかな?」

灯織「もう……ライブ中お客さんお菓子食べたりはしてないでしょ?」

咲耶「いや、構わないよ。せっかくだから私と愛依とで本格的にミュージカルをやりたいという話にさっきなってね」

愛依「うんうん、カッコよくキメるかんね!」

咲耶「ミュージカルなら、むしろ嗜好品がある方が雰囲気も出るかもしれないね」

摩美々「えー?そうですかぁ?」

咲耶「というのは建前で、私も食べたいのが本音なのだけれどね」

智代子「咲耶ちゃん……わかった、不肖園田智代子……みんなのためにお菓子をご用意させていただきます!」

-------------------------------------------------

咲耶「さて、突然みんなを連れ出してすまなかったね、今日のところは引き上げて明日準備を本格的に進めよう」

灯織「はい、そうですね」

めぐる「うー!今からワクワクだよー!」


音楽室でのライブは滞りなく実行できそう。
私たちはライブへの期待を胸に、それぞれの個室へと戻っていった……
764 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:20:35.03 ID:O+yX7Nsb0
-------------------------------------------------

【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま〜す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』


そういえばこうやってみんなとライブをするのっていつぶりだろう……
283プロのメンバーが一堂に会することもそう多いわけではなかったし、新鮮な気持ち……

元はと言えば、これも合宿だったんだもんね。

明日のライブには、ただ楽しむ意味だけじゃなく
この学園で生きると言うことに対する強いメッセージと責任が込められている。

真乃たちに顔向けできないようなライブにしちゃダメだ……

今日はボイストレーニングをしてから寝ようかな……
せっかくの完全防音なんだし……

よし……

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765 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:21:49.53 ID:O+yX7Nsb0
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【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま〜す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』


さて、今日はライブがあるんだよね。
一日中そのお手伝いかな?
とりあえずは食堂に行ってみよう……
766 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:23:49.16 ID:O+yX7Nsb0
-------------------------------------------------
【食堂】


咲耶「やあ、灯織。コンディションはいかがかな?」

灯織「咲耶さん……おはようございます、昨晩のうちに喉はしっかり調整しておきました!」

摩美々「ほーら言った通りじゃーん」

灯織「ま、摩美々さん……?」

咲耶「フフ、私よりも摩美々の方が灯織に関しては詳しいのかな?」

灯織「は、はぁ……」


食堂ではみんなそれぞれが既に準備に取り掛かっていた。
わ、私も急いでお手伝いしないと……!


智代子「灯織ちゃん灯織ちゃん!ちょっとこっち手伝ってもらってもいいかな?!」

灯織「え?うん……それ、団扇?」

智代子「そうなんだよー、ライブに参加する9人分全部作ろうかと思ったら、すごい枚数になっちゃって……」

(9×9ってことか……)

(でも、この生活が始まった当初のことを思えば少なくなっちゃってるんだよね……)
767 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:25:00.86 ID:O+yX7Nsb0

摩美々「言うほど私たちのライブに団扇持ってくる人っていますー?」

雛菜「ピカピカ光る棒みたいなののイメージが強いですよね〜」

愛依「まあ、でも古き良きデントー、みたいな感じじゃん?うちは団扇いいと思うけどなー!」

凛世「うちは、団扇……ふふっ……♪」

愛依「えっ?!あ、ち、違う違う!違う系!マジでウッカリ!」

灯織「ふふっ……」

(でも、なんだか本当に楽しみだな……アイドルとしての本懐なわけだし、貴重な経験にもなりそう)

灯織「よし、私も手伝うよ!チョコ!」

智代子「やる気だねえ灯織ちゃん!それじゃあこれ、頼めるかな!」ドッサリ


私の前には団扇が山積みに。


智代子「カッターで名前を切って貼り付けるだけだから!頑張ろう!」

(……カッターで文字を切ると言っても図案が漢字なんだけど)

愛依「アッハハ……うちの名前複雑でごめんね……」

雛菜「あは〜?」

智代子「むしろめぐるちゃん以外みんな複雑なんだけどね……」


……それからしばらくの間団扇の作業を手伝っていた。

768 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:26:21.40 ID:O+yX7Nsb0

咲耶「さて、そろそろ会場の設営に移ろうか」

愛依「灯織ちゃんたちどう?団扇終わりそうなん?」

智代子「灯織ちゃんが来てくれたおかげで終わりが見えてきたよー……全部終わったら持っていくからね!」

咲耶「会場で行うべきは配電設備と照明の調整、それと装飾かな?」

凛世「紙細工の装飾品が、こちらに……」

雛菜「かわいいですね〜、こういうの得意なんですか〜?」

凛世「果穂さんと製作する機会が、幾度か……」

めぐる「すごーい!器用なんだね!」

咲耶「配電と照明は全員に一度は担当してもらう手筈だからね、食堂での作業が終わったらみんなも合流してもらえるかい?」

智代子「了解です!」

灯織「はい、それじゃあまた後で……」


食堂からは数人が立ち去り、音楽室へと向かっていった。
残った私たちはここでの準備。


めぐる「あ、チョコ!わたしが団扇をやるからお菓子作りしてくれていいよー?」

智代子「めぐるちゃん……いいの?!」

めぐる「うんうん!チョコのほうがお菓子作りは得意だと思うし、なによりチョコがやりたいかなーって」

智代子「めぐるちゃん……!!うぅ、その優しさが身に染みます……!!任せて、代わりに絶品メニューを用意してくるからね!」


というわけで私とめぐるは団扇作りの続き、
凛世とチョコは厨房でお菓子やドリンクの準備にあたった。
769 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:28:02.12 ID:O+yX7Nsb0
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_____

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めぐる「かーんせーい!!」

灯織「お疲れ様、めぐる。なんとか全員分できたね」


現場音楽会に参加する9人の名前をカッターで切り出し、団扇に貼り付けたものが9セット。
これで完成した形になる。


智代子「おっ、二人ともできた?!」

灯織「うん、とりあえずは完成かな。そっちはどう?ライブ中に食べるお菓子の準備は……」

凛世「万事、恙無く……ぽっぷこーん、ちゅろす、そしてほっとどっぐのご用意もございます……」

めぐる「うーん、いい匂い〜!それだけあれば万全だね!」

智代子「凛世ちゃんのおかげだよー、凛世ちゃんが全部テキパキやってくれちゃった!」

凛世「いえ……凛世は智代子さんのご指示に従ったまで……れしぴをご教授いただかねば、凛世では……」

灯織「流石の放クラの連携ってところなのかな」

めぐる「うんうん!」

智代子「じゃあ……そろそろ音楽室組と合流しよっか!」

凛世「はい、拵えたものをお持ちして……いざ、参りましょう……」

めぐる「オッケー!うわとと、団扇は嵩張るから一発じゃ持っていけないね!」

灯織「めぐる、この箱を使って……」


完成品の団扇を箱に詰めたり、作ったお菓子を容器に移したり……準備を整えた後私たちは音楽室へと向かった。

770 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:30:39.53 ID:O+yX7Nsb0
-------------------------------------------------
【音楽室】

灯織「失礼します……!」


音楽室に足を踏み入れた。
既に咲耶さんたちによって飾り付けは進んでおり、照明の調整などを行なっている様子。


めぐる「わー!すごいすごい!とっても楽しそうだよー!」

凛世「はい、凛世の用意した紙細工を吊るしていただき……華やいでおります……」

智代子「わあ、すごいね……本格的!」


私たちが会場の飾り付けにはしゃいでいるとすぐに主催の咲耶さんが姿を現した。


咲耶「やあ、四人ともお疲れ様。準備はできたのかな?」

めぐる「バッチリだよー!ほら!」

咲耶「素晴らしい出来だね、これなら団扇で音楽会も楽しいものになるだろうね」

灯織「会場の設営も順調みたいですね……お疲れ様です」

咲耶「ああ、摩美々たちも精力的に動いてくれたからね。彩はバッチリさ」

咲耶「照明も初めて触ったものではあるけど、誰でも手軽に操作は行えそうだ。後で四人にも確認してもらうよ」

凛世「はい……ぜひご鞭撻を……」

智代子「みんなで代わりばんこに操作するんだもんね!」

凛世「あの、みなさん長きの作業でお疲れのものとお見受けいたします……凛世が、ドリンクをお持ちしたので……ぜひ」

咲耶「これはありがたいね、そのためのクーラーボックスだったのかい?」

智代子「うんうん!せっかくなら冷たいジュースが飲みたいからね!」

凛世「作業中の愛依さん、雛菜さん、摩美々さんにもお持ちして参ります……」

咲耶「凛世は気がきくね、頼めるかい?」

凛世「はい……では、失礼いたします……」
771 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:32:16.07 ID:O+yX7Nsb0
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愛依「……あれ?そういえばチュロス……どこ?」

凛世「はて……」

智代子「あれ?確かに作ったはずだけど……もしかして、持ってくるのを忘れちゃった?」

灯織「結構ドタバタしてたもんね……確認せずに戻ってきたし、もしかしたら食堂に置きっぱなしかも」

めぐる「わわっ、せっかく作ったのに勿体ないよ!急いで取りに戻らなきゃ!」

智代子「ご、ごめん!ついうっかりわたしが忘れちゃったんだね?!急いで取りに行ってくるよ!」

咲耶「そうだね、それじゃあ一旦音楽会の開幕は待つとして……」

灯織「チョコ、私もついて行くよ」

智代子「ひ、灯織ちゃん……そんな、悪いよ!」

灯織「ううん、一応念のため。単独行動は避けた方がいいし……」

凛世「でしたら、凛世もお供いたします……」

智代子「凛世ちゃん?!」


772 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:33:31.85 ID:O+yX7Nsb0

凛世「凛世も、飲み物を補充いたしたく……食堂に向かうのなら、お供したいのです……」

灯織「あれ、足りなかった?」

凛世「はい……おひとり一本、ペットボトル500ml程度ではやはり不足かと……」

摩美々「まぁ、歌ったりするんだしもうちょっとあった方が安心かもねー」

めぐる「あっ!だったらわたしも一緒に行っていいかな?!」

灯織「め、めぐるまで?!何か足りないものでもあった?!」

めぐる「ううん、そういうわけじゃないんだけど……」

めぐる「やっぱり、みんなでライブをやるんだったら、円香も来てほしいなって……ダメ、かな?」

灯織「めぐる……」

咲耶「……めぐる、むしろ私からお願いできるかい?」

咲耶「円香もこのライブに招待してほしい」

めぐる「……!!うん、任せて!」

灯織「ふふ、やっぱりめぐるはすごいね」

めぐる「えへへ、そうかなぁ?」

灯織「うん、私じゃ樋口さんの説得にはなかなか踏み切れないだろうから……逡巡なく判断できるめぐるはすごいと思う」

めぐる「わたしはただ、みんなで一緒に過ごしたいってだけだよー!」


というわけで、私たちはチュロスの回収、ドリンクの補充、樋口さんの勧誘を目的に
再び学校エリアから寄宿舎エリアへと戻ることになった。
773 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:35:03.34 ID:O+yX7Nsb0
-------------------------------------------------
【寄宿舎エリア】


凛世「では、凛世たちは食堂で飲食物の補充を……」

智代子「いってきます!」

灯織「うん、オッケー。それじゃあ私とめぐるは樋口さんのところで勧誘に行ってみるね」

めぐる「絶対円香も連れ出して見せるから、期待してて!」

凛世「ふふ……♪はい、お頼み申し上げます……」

智代子「せっかくだからみんなで楽しみたいもんね!」


私とめぐるは二人と食堂の前で別れると、そのまま樋口さんの部屋を訪問することにした。

-------------------------------------------------
【円香の部屋】


ピンポーン

めぐる「円香――――!!もしもーし!!」

灯織「めぐる……個室は防音だからいくら叫んでも聞こえないよ」

ピンポーン

めぐる「でも、何度鳴らしても反応がないんだよ?」

灯織「うん……もしかしたら、個室には今いないのかも」

ピンポーン

めぐる「はぁ……ダメかぁ……どうしてこうなっちゃったんだろう……」


どうしてこうなった……
樋口さんに関しては、それは初めからだろう。この学園に踏み入れたその時から、彼女は幼馴染のために動いて、そして幼馴染を失って、今に至る。
また一緒のステージに立ってライブ、だなんて高望みだったかもしれない。


灯織「めぐる、しょうがないよ。今は二人と合流して、音楽室に戻ろう?」

めぐる「うーん……そうするしかないのかな」
774 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:37:12.07 ID:O+yX7Nsb0
-------------------------------------------------
【食堂】


智代子「あ、二人ともどうだった……って、そっか……そうだよね」

凛世「残念ですが、致し方ないことと存じます……」

めぐる「うぅ……ごめんね」

智代子「ううん!めぐるちゃんはむしろよくやってくれてるよ!わたしたちはなかなか気後れして出来ないことだから……!」

灯織「うん、チョコの言う通りだよ。めぐるはめぐるにしかできないことをしっかりやってくれてるから……だ、大丈夫!」

めぐる「えへへ、そう言われると照れちゃうな」

灯織「めぐるは私にはできないことができる、それは本当だから……落ち込まなくていいからね」

めぐる「灯織ぃ〜〜〜!!」

灯織「ちょ、ちょっと……急に……っ!」

智代子「あはは、ごちそうさまです」

凛世「では、音楽室に戻って……いざ、ライブと参りましょう……」
775 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:38:21.56 ID:O+yX7Nsb0
-------------------------------------------------
【学校エリア 4F】


智代子「ふぅ……結構時間かかっちゃったね」

めぐる「うん、四階だもんねー。荷物をもって上がるのも一苦労だよー」

凛世「凛世たちがお付き合いして、正解でした……」

灯織「だね、一人でこれだけの荷物をもって往復するのは大変だよ」


私たちは食堂から荷物を抱え込んで音楽室のある4階まで戻ってきた。
チュロスをはじめとして、ドリンクの補充も行ったことで荷物の重量はそれなりになり、
分担して持つことでここまで来ることができた。
チョコについて行って正解だったな。


智代子「音楽室は……こっちだね!」


チョコの先導で私たちは音楽室へとたどり着く。
結構時間もかかってしまった。みなさんお待ちかねのはずだ。
急いで戻らないと……と音楽室に向き合ったその時。


めぐる「……あれ?」

灯織「どうしたの?めぐる」






めぐる「むむむ……?扉が、開かないよ……」
776 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:42:02.00 ID:O+yX7Nsb0

凛世「はて……」

めぐる「固い……うーん……!」


私たちの中では運動神経が高いはずのめぐるが扉を開けようとしても、びくりともしない。


灯織「ちょっ、ちょっと待って!無理やりにやったら壊れちゃうかもしれないから……中の人に声をかけてみようよ」

灯織「すみませーん!咲耶さん、摩美々さん、愛依さん、雛菜!どなたか開けてもらえませんかー?」


と扉越しに叫んでみたんだけど……


「…………」


扉からの応答はない。


凛世「灯織さん、音楽室は完全防音のはず……叫んでも意味はないのかと」

灯織「あっ……そっか」

智代子「でもどうしたんだろう?もうライブ始めちゃってるとか?」

灯織「いや、それは流石に……」

めぐる「……ねえ、これ、本当に大丈夫なのかな」

灯織「めぐる……?」

めぐる「……考えたくはないけど、何かが中で起きてたりー……」

(……!!)


そうだ、この学園でイレギュラーが起きた時、私たちが真っ先に疑うべき可能性がある。
それは事件。しかも人の命がかかった事件だ。
そのことを急に意識すると、扉のドアノブが急速に冷えたような感覚を覚えた。
人の温かみなど一切ない、無機質な温度。

そしてそれは、錯覚なんかじゃなかった。
777 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:43:14.59 ID:O+yX7Nsb0

智代子「そういえば、なんだかここ……肌寒くない?」

めぐる「確かに!ここだけなんだか温度も低いよね?」

凛世「……!!扉の下から、冷気が漏れ出しております……」

灯織「れ、冷気……?な、なんで……」

もはや何かが起きていることは、予感から確信に変わりつつあった。

灯織「は、早く中を確かめないと!!」


焦燥から扉を何度も押してみるも、扉はわずかにも動かない。
他の部屋よりも重厚なつくりだ。私のような一女子高生の腕力では大した効果を持たない。


智代子「どどど、どうしよう?!」

凛世「皆さん……ここは一度、モノクマさまを頼るのはいかがでしょうか……」

灯織「も、モノクマ……?」

凛世「はい……モノクマさまは、事件が起きている際には施錠済みの扉も開けてくださると仰っておりました……」

凛世「今なら、凛世たちでは及ばぬ扉も、開錠してくださるのではないかと……」

(……!!)

778 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:44:39.79 ID:O+yX7Nsb0
-------------------------------------------------
モノクマ「キミらのために必要な場合ならボクは鍵を開けてあげるからね!」

モノクマ「エリアの解放だとか、不法侵入のためだとかそんな不健全な目的ならダメだけど」

モノクマ「もしも鍵のかかった部屋の中で事件が起きてたりしたら、ボクは開けてあげるからさ!」

摩美々「要はこのコロシアイの円滑な進行のためなら、鍵は言われれば開けるってコト?」

(確かに……甘奈の事件の時にも個室の鍵をモノクマに開けてもらったっけ)

(事件に関係する場合なら解錠もするってことかな)
-------------------------------------------------

(確かに、モノクマは事件が発生している際には扉を開けてくれる、私たちに協力してくれると約束してくれた)

(……モノクマを頼るのは気が進まないけど、今は手段を選んでいる場合じゃない)

灯織「モノクマ!!」

モノクマ「はいはい、およびですかー?」

智代子「どこからともなく!」

灯織「モノクマ、この扉を開けてくれますか?!中で何が起きてるか確かめたいんですが!」

モノクマ「んー?」


私の要求を聞いたモノクマは、扉に近づいていくと機械の眼球を扉に擦り付けるほどに凝視。
しばらくそのままにしたかと思うと、






モノクマ「嫌です!開けません!」


開錠を拒絶した。

779 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/31(月) 22:46:29.37 ID:O+yX7Nsb0

灯織「えぇ?!な、中では明らかに何かが起きてるんですよ!?開けてくれないと!!」

モノクマ「シラ・ヌ・ゾンゼーヌ」

智代子「だ、誰?!急に外国人の名前?!」

凛世「知らぬ存ぜぬ……あくまで開錠の意志はない、ということでございましょう……」

智代子「そ、そんな……どうしよう……!」

めぐる「こうなったら強行突破だよ!今ここには四人もいるんだし、全員で体当たりをしようよ!」

灯織「め、めぐる……?!力業……?!」

めぐる「そうでもしないとこれはもう開かないよ!時間も残ってないかもだし!急がないと!」

凛世「江戸川や金田一ではよくある手法ですが……うまくいくのでしょうか……」

智代子「や、やるしかないよ!凛世ちゃん!」

灯織「腹をくくるしかない……」


全員で横並びになって深呼吸。タイミングを合わせて、一斉に。
体当たり!!

ドシン!!

めぐる「もう一回!」

ドシン!!

智代子「あ、ちょっと動いたよ!」

ドシン!!

凛世「緩んでまいりました……」

ドシン!!

灯織「これで終わり……!!」

ドシン!!

_____ガシャーン!!


度重なる体当たりの果て、あの重量ある扉はついに動いた。
観音開きのその扉は、まるで地獄の窯のようにぽっかりと口を開け、そこからは急速に冷気が飛び出す。
体を刺すような寒冷な風を一身に浴びながら、私たちは音楽室の中へ足を踏み入れ……
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