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【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】
- 514 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:48:59.83 ID:cxasTvtG0
-
霧子「わたしは絶対に認めないよ……?」
霧子「今回の事件を灯織ちゃんの推理で成立させるなら欠かせない最後の要素……」
霧子「甜花ちゃんの死亡時間を誤認させたトリック、それを聞かせてもらわないと……」
霧子「ねえ、勝負しようよ……灯織ちゃん……!」
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【反論ショーダウン開始!】
コトノハ
‣【モノクマファイル3】
‣【ストップウォッチ】
‣【モノクマの動機】
‣【不審者の目撃情報】
‣【甘奈の遺書】
‣【輸血パック】
霧子「甜花ちゃんは事件以前にすでに亡くなっていた……?」
霧子「そんな主張通らないよね……」
霧子「わたしはずっと看病していたし、みんなも夜にお見舞いをしてくれた……」
霧子「それに事件当日、甘奈ちゃんも話をしたし……」
霧子「凛世ちゃんも事件中に声を聴いたよね……」
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【発展!】
凛世「凛世が聞いたのは声だけ、もしもトリックが実現可能ならば……」
智代子「死亡時刻の誤認は現実になるんだよ!」
円香「……そうかもね」
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- 515 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:49:53.48 ID:cxasTvtG0
-
霧子「じゃあそのトリックって……?」
霧子「輸血パック、湯たんぽ……これを使えば事件中に死んだように見せかけられる」
霧子「そうかもしれないけど……事件当時に使った証拠はないよね」
霧子「だって、あくまで可能性だよね?」
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【発展!】
咲耶「可能性に過ぎない、私もそう思っていたけど……ここまで重なるとその限りじゃない」
摩美々「むしろその道具はどれも霧子だから使用できたものだよー」
雛菜「可能性が別の新しい可能性を示しちゃってますよね〜」
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霧子「でも、結局のところ根底が解決できてないよね……?」
霧子「甜花ちゃんが死んでいたなんてありえない」
霧子「一体どんな方法で誤認させたっていうの……?」
霧子「もう……許してよ……」
- 516 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:50:48.17 ID:cxasTvtG0
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【発展!】
愛依「要は甜花ちゃんの声だけ再現できればいいんだよね?」
めぐる「ってことは甜花の声を録音や再生ができるようなものがあればいいよね……」
灯織(甜花さんの声を録音、再生……?)
灯織(そんなことができるものなんて……)
摩美々「私たちの知らないだけで、そんなものがあったのかもしれないよー」
摩美々「灯織、常識を疑うところから始めるんだよー」
摩美々「麻縄で縛られた痕みたいに、無から有を生み出してみよー」
灯織(無から、有……!)
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霧子「何言ってるの……?」
霧子「甜花ちゃんの声を録音、再生……?」
霧子「そんなことができるものなんて、この学校にはないよ?」
霧子「【そんな機械が存在しない以上は、推理をするだけ無駄】なんだよ……!」
霧子「わかって、くれるよね……?」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ60以上で論破しろ!】
↓1
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- 517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:53:47.52 ID:k1kGRJ2n0
- 【そんな機械が存在しない以上は、推理をするだけ無駄】に【モノクマの動機】
- 518 :これが最後の安価です ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:56:53.89 ID:cxasTvtG0
- 【コンマ判定52】
【スキル:意地っ張りサンセットの効果により値が+10されます】
【最終判定62】
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灯織「このひと振りに、私のすべてを!」
【BREAK!】
灯織「そうか……わかった、わかりましたよ皆さん!」
智代子「ほ、ほんとに?!ほんとに……甜花ちゃんの死亡時刻を誤認させる道具があったの?!」
灯織「うん、でもこれに気づけなかったのは無理もないよ……だって、私たちはそれをついこの前まで知らなかったから」
めぐる「灯織、それって……?」
灯織「今回の、モノクマの動機を思い出してください……」
愛依「今回って確か……才能に応じたプレゼント、だったよね?!」
霧子「……!!」
咲耶「でも確か、霧子がもらったのは【注射器】じゃなかったかい?」
灯織「はい……霧子さんでは、そんな録音や再生をする道具はイメージにそぐわないですし、プレゼントとしてもらった可能性はないと思います」
灯織「ですが、霧子さん以外なら……その限りではありません!」
めぐる「それって……誰のこと?!」
(見えて来た……霧子さんが使った、死亡時刻を誤認させたトリック)
(その最後のピース、録音再生機能付きの機械を持っていた人物は……あの人だ)
【正しい人物を指摘しろ!】
↓1
- 519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:57:53.06 ID:PYkdH0YJ0
- 円香
- 520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:59:23.00 ID:k1kGRJ2n0
- 樋口円香
- 521 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:02:48.73 ID:z5jSFR/T0
-
灯織「樋口さん、あなたじゃないですか?」
円香「……その、この流れでいうのは流石に私でも心苦しいんだけど」
円香「私じゃ、ない……」
灯織「……え?」
円香「……もう、どうせここから覆しようはないから助言するけど」
円香「この【録音再生できる機械】は霧子にしか入手不可能だった道具」
円香「しかもそれを、灯織たちは自分の目で確認している」
円香「……後は好きにして」
灯織(そうだ、これは推理の決め手……霧子さんにしか、犯行が不可能だったことを示さないと……!)
(見えて来た……霧子さんが使った、死亡時刻を誤認させたトリック)
(その最後のピース、録音再生機能付きの機械を持っていた人物は……あの人だ)
【正しい人物を指摘しろ!】
↓1
- 522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:07:46.19 ID:KMhGbtUn0
- 甜花
- 523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:07:48.30 ID:MDOmxO4v0
- 甜花ちゃん
- 524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:07:49.44 ID:lRSLOrgC0
- 甜花
- 525 :これにて安価コンマは終了です、お疲れ様でした。 ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:09:48.93 ID:z5jSFR/T0
-
灯織「あなたしか、いません……!」
【解!】
灯織「被害者の甜花さん、ですよ……!」
愛依「甜花ちゃん?!」
咲耶「甜花がもらったのはゲームの詰め合わせ、だったよね?」
咲耶「……まさか」
灯織「甜花さん自身も言ってましたよね?病室に持ち込んでいたあの携帯機」
灯織「あれにはソフトをプレイするほかに、カメラ撮影機能、インターネット機能、そして……音声加工機能も備わっていたはずです」
凛世「ということは、凛世が聞いた甜花さんの声は……」
灯織「あのゲーム機で録音したものだった可能性があります!」
霧子「……な、なんで……」
灯織「そしてそれが可能だったのもまた、病室でつきっきりだった霧子さんだけ……」
霧子「……なんでなんでなんで」
灯織「ゲーム機に触るチャンスがあったのも、霧子さんだけです!」
霧子「なんでなんでなんでなんでなんで……!?」
摩美々「甘奈と凛世が甜花の声を聴いた時も、必ずそこには霧子がいた……」
摩美々「タイミングを見計らって音を鳴らせば不可能ではない、のかもねー」
めぐる「甜花は病気でまともに会話もできてなかったし……違和感を感じてもそこを追及はしなかったはずだもんね!」
灯織「どうでしょう……霧子さん」
灯織「これが私たちの結論です!」
霧子「……」
- 526 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:10:34.05 ID:z5jSFR/T0
-
霧子「はぁ……つまんないなぁ……」
霧子?「結局最後はみんな、わたしのこといじめちゃうんだね……」
霧子?「そんなの、すっごくずるい……ずるいよ……」
摩美々「認めたってことでいいわけー?」
霧子?「……まだだよ」
愛依「ま、まだ粘んの?!」
霧子?「だって……寂しいから……こんな形でお別れなんて、すごく悲しいから……」
霧子?「いじめられて終わりなんてそんなの……だめだよ……」
灯織「……わかりました」
灯織「それなら、この事件を最初っからすべて振り返って正面から霧子さんにぶつける……」
灯織「それで納得してもらうほか、ありません……!」
- 527 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:11:37.11 ID:z5jSFR/T0
- 【クライマックス推理開始!】
【act.1】
灯織「今回の事件は、私たちが思っていた以上に複雑なものでした……時間差トリック、劇場型殺人、拉致監禁……そんな複数の要素が複雑に絡み合っていたんです。それを可能にしたのが共犯者の存在……今回の犯人は実質的に3人だったんです」
灯織「一人目の共犯者は、メリットでつながる関係性の樋口さん。彼女は小糸の裁判以降私たち全員死んでしまえばいいという破滅思想に取りつかれてしまっています……彼女を事件に抱き込むことはおそらく容易だったんじゃないでしょうか。実際、樋口さんはかなり精力的に犯人の味方として活動していましたからね」
灯織「そして二人目の共犯者は、デメリットでつながる関係性の甘奈。彼女は犯人によって脅されて、無理やり犯行の片棒を担がされたんです。『お前の命運を握っている』脅し文句のその文言は……今思えば甜花さんのことを指していたのかもしれません。どうあれ、彼女は不本意な形で協力することになり、そして殺されてしまったんです」
【act.2】
灯織「事件はおそらく昨晩のうちから動き出していたんです。私たち全員で看病のために保健室を訪れた後、霧子さんは甜花さんをその場で殺害……本当のタイミングがいつかまではわかりませんが、すでにここで死亡時刻の誤認は始まっていたんです」
灯織「そのために犯人が使ったのは甜花さんがモノクマから受け取ったゲーム機。あれはこの学園で唯一、録音再生機能があった機械です。看病で甜花さんにつきっきりだった犯人は、それを手にするチャンスに恵まれていました。朝の甘奈の訪問も、ゲーム機を使って、甜花さんの声を再生、簡単なやり取りを終えてやりすごしたんです」
灯織「……このとき、すでに甘奈の近くに甜花さんの死体はあったんだと思います」
- 528 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:13:21.43 ID:z5jSFR/T0
-
【act.3】
灯織「事件が本格的に動き出したのは昼になってから。犯人にそそのかされ共犯者になった甘奈がまず最初に凛世を襲いました。手には彫刻刀を握りしめ、デビ太郎の着ぐるみにその姿を変えたかなり異様な光景ですが、それをばっちり凛世は撮影していました」
灯織「凛世の悲鳴を聞いて現場に駆け付けた私たちはそのまま保健室へ。犯人のもとに凛世を引き渡すと、犯人の証言で甘奈が上の階に行ったと私たちは知ることになり、そのまま上の階で捜索活動を開始します。ただ、この時の証言もおそらく嘘だったんでしょうね」
灯織「まんまと私たちを誘導した後は不審者二人がついに動き出します。まずは1階に潜んだままだった甘奈が保健室を襲撃、凛世を気絶させそのまま体育館に連れて行き、チョコと愛依さんと一緒に監禁状態にしたんです。この時、犯人も協力していたものと思われます。凛世の目の前で気絶した振りさえすれば疑いをかけられることもありません」
灯織「甘奈が殺されたのは、おそらくこのタイミングではないでしょうか?凛世さえ運んでしまえば後は犯人の計画自体には必要ないものとなってしまう……甘奈は突然裏切られた形になったんです」
灯織「そして犯人は保健室のカーテン幕に隠しておいた甜花さんの死体を見つけやすいところに運搬、輸血パックを開封して血を新しいもので上書き、ずっと持たせていた湯たんぽを隠すことでつい先ほどに殺されたものだと私たちに思わせたんです」
- 529 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:14:32.88 ID:z5jSFR/T0
- 【act.4】
灯織「あとはストップウォッチの音を合図にもう一人の不審者、樋口さんが一階まで一気に駆け下ります。咲耶さんにその際目撃されましたが、むしろ目論見通りだったんでしょうね」
灯織「樋口さんはそのまま保健室に入ることすらなく、1-B教室まで逃走。着ぐるみをロッカーに押し込んだ後は、死体を発見し驚愕している私たちに合流したんです」
【act.5】
灯織「樋口さんはそのまま言葉巧みに私たちを再度上の階に誘導。それを確認した犯人は今度は保健室に甘奈の死体を持っていき、あとは体育館で待機。あたかも他の三人と同じく拘束されていた風を装ったんです」
灯織「樋口さんの虚偽の目撃情報で保健室に再度戻った私たちはそこで甘奈の死体を発見。その手に握られていた遺書と格好もあいまって、私たちは彼女が甜花さんを殺害した末に自責の念に駆られて自殺したと思わされたんです……」
灯織「複数の人間を操り、私たちに間違った事件のイメージに抱かせ続けた、その犯人は……」
灯織「幽谷霧子、あなただったんです……!」
【COMPLETE!】
- 530 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:16:30.86 ID:z5jSFR/T0
-
灯織「……これで、文句はない……ですよね?」
霧子?「……」
霧子?「……あーあ、終わっちゃった」
霧子?「でも、これでいいんだよね……これで、あの人も頑張ったって褒めてくれるよね……」
めぐる「な、何を言ってるの……?」
霧子?「ふふ……♪ふふふ……♪そんなの、もうどうだっていいよ……」
霧子?「これで本当に、終わりなんだから……」
咲耶「……霧子」
摩美々「ホント、最悪ぅ」
モノクマ「ふぅ……終わったみたいですね!往生際が悪いんだからなぁ、もう!」
モノクマ「それではオマエラはお手元のスイッチで、犯人と思う生徒に投票してください!」
モノクマ「裁判の結果導き出したクロは正解なのか、不正解なのかー!さあ、どっちなんでしょうかね?」
- 531 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:17:25.23 ID:z5jSFR/T0
- -------------------------------------------------
【VOTE】
〔霧子〕〔霧子〕〔霧子〕
CONGRATULATIONS!!!!
パッパラー!!!
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- 532 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:17:56.33 ID:z5jSFR/T0
-
【学級裁判 閉廷!】
- 533 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:21:19.53 ID:z5jSFR/T0
- というわけで学級裁判完走しちゃいました。
長丁場のお付き合いありがとうございました。
二章の際に議論スクラムの話も出てたので今回試験的に取り入れてみたのですが、今後はもっと推理の中核で取り入れたいですね。
スクラム→全員で反論の流れは個人的に気に入っているのでこれはこれでアリですが。
次回は5/8 22:00〜予定。
裁判終了パート、おしおき〜3章終結までです。
霧子が豹変した理由などについても説明を用意しているのでどうか最後までお付き合いください。
それではお疲れ様でした。
- 534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:22:43.87 ID:VZ+n1py60
- 乙です
物語の背景が見えてきそうですね
- 535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:24:12.00 ID:Sti9mB090
- お疲れ様でした
- 536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:25:21.34 ID:aX9OEbaF0
- おつー
樋口はシリアルキラーというよりは狛枝のポジションか
- 537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:48:51.77 ID:xtNWj6zc0
- お疲れ様です
これでストレイ(愛依)以外のユニットは全部歯抜けか…
- 538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 10:38:05.30 ID:eqrldlM40
- これ朝の最後の自由時間の時に甘奈選んでたら甜花の情報聞けたのかね?
というより切子のやってること本家よりエグいんだが
- 539 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:03:05.71 ID:z5jSFR/T0
- >>538
行動でシナリオ変動などはないので、甜花に関する情報はどのみちになってましたね
それでは3章終了まで一気に投稿します。よろしくお願いします。
- 540 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:04:18.42 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「というわけで……またまた大正解!異常なまでに仲のいい姉妹である大崎姉妹をぶち殺したのは……」
モノクマ「これもまた異常なまでに献身的な幽谷霧子さんなのでしたー!!」
霧子「ふふ……♪」
めぐる「霧子!どうしてまだ……そんな風に笑ってるの……?」
めぐる「それじゃあまるで霧子が……殺したくて殺したみたいじゃん……」
愛依「め、めぐるちゃん……?」
めぐる「だってそうでしょ?!わたしたちはみんな仲良しで……誰も友だちを殺そうなんて考える人もいないはずなのに……!」
めぐる「どうして霧子はこんな状況でもニコニコできるの?!」
霧子「ふふ、そんなのどうでもいいんじゃないかな……」
霧子「ほら、みんなも笑おうよ……その方がもっと幸せだよ……?」
雛菜「ブーブー!そんなしあわせは雛菜の思うしあわせじゃな〜い!」
円香「……はぁ、共犯の話を持ちかけられた時からだけど、やっぱりぶっ飛んでる」
灯織「ひ、樋口さん……」
円香「言っとくと、霧子は動機提供のあった日からずっとこうだから」
円香「あなたたちの前ではいつも通りの【幽谷霧子】を演じてたみたいだけどね」
咲耶「……っ!?」
- 541 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:06:11.56 ID:z5jSFR/T0
- ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【円香の部屋】
ピンポーン
円香「……何?」
霧子「あ、円香ちゃん……こんばんは」
円香「何かの説得に駆り出された?大変だね、でも同情はしないから」
霧子「ううん……違うんだ、ちょっとお話ししたくて……」
円香「用件だけ話して」
霧子「ごめんね、他の人にあんまり聞かれたくないから……お部屋の中で……ダメかな?」
円香「……」
円香「わかった、入って」
事件を自ら撹乱したり殺害宣言したりするような人間の部屋に普通わざわざ飛び込んでくる?
私は一定の警戒心を抱きながらも霧子を部屋に受け入れた。
- 542 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:08:04.58 ID:z5jSFR/T0
- 霧子「……あの……えっとね……」
円香「……何なの?」
霧子「円香ちゃんは、まだみんなに死んで欲しいって思ってるの……?」
円香「そうだけど?」
霧子「……強い意志なんだね」
円香「私はただ絆なんて詭弁で仲良しごっこをするくせに、簡単に仲間を裏切る偽善者たちが許せないだけ」
円香「透も小糸も……あの人たちのせいで死んだから」
霧子「ふふ……♪」
円香「は?」
円香「何笑ってるの……あなた、バカにしに来たんですか?」
円香「ここに来るってことは覚悟決めてるんでしょ?……殺されたいわけ?」
霧子「ううん、違うの……わたしと円香ちゃん、一緒なんだなって思って……」
円香「一緒……?」
霧子「わたしもね、みんなに死んでほしいんだ……!」
円香「……は?」
霧子「みんなを救ってあげたいの……こんな残酷で苦しい学園生活を送るくらいなら……」
霧子「はやく解放して【愛】に満ちた天国で過ごしてほしいなって……」
霧子「ほら、そうすれば真乃ちゃんも透ちゃんも小糸ちゃんも樹里ちゃんも寂しくないよね……?」
霧子「ねえ、円香ちゃんはそう思わない……?」
変わり果てた霧子の姿に私はこう思ったの。
……使える、ってね。
- 543 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:09:00.56 ID:z5jSFR/T0
- ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
円香「だってそうじゃない?警戒されきっている私自身が手を下すより、無警戒……むしろ信頼すらされてる霧子が手を下した方が効果的でしょ?」
愛依「そんなことが聞きたいんじゃないよ!」
霧子「ふふ……そんなに怒らないでよ……」
咲耶「……ねえ、モノクマ」
モノクマ「ん?」
咲耶「……あなたは霧子に何をしたのかな?」
(……!?)
モノクマ「なにそれ、どういう意味?」
咲耶「言葉の通りさ……こんな殺人に手を染めるような……いや、そもそもあんな話し方をするような霧子を私は知らない……」
咲耶「あたかも別人に変わってしまったような、そんな印象を受けてしまうんだ」
霧子「咲耶さん、ひどいなぁ……わたしはわたしだよ……?」
咲耶「……っ!」
咲耶「霧子は、そんな猫なで声で擦り寄るような真似はしないんだ……っ!」
- 544 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:10:55.80 ID:z5jSFR/T0
-
摩美々「モノクマ、わたしたちにはそれを知る権利があるよねー?」
摩美々「学級裁判はしっかりやり終えて、真相を突き止めた。これでもまだ足りないー?」
モノクマ「はぁ……ぐちぐちうるさいなぁ、オマエラって友達が夏休みのうちにイメチェンしたらそれを問い詰めちゃうタイプ?」
モノクマ「いいじゃんね、ちょっとぐらいイメチェンしても。むしろそれを察して接するべきじゃんね!」
咲耶「答えてくれ、モノクマ!」
モノクマ「はい、いじりました」
咲耶「……なんだって?」
モノクマ「だから、ボクは確かに幽谷さんを少しだけ……ほんの少しだけいじったよ」
凛世「いじる、とは……?」
愛依「霧子ちゃんはおもちゃじゃないよ?!」
モノクマ「ボクとしてはね、そんな悪いことをしたつもりもないよ?むしろいいことをした気分さ」
灯織「い、いいこと……?」
モノクマ「オマエラも覚えてるよね?今回の動機」
智代子「覚えてるもなにも……霧子ちゃんが事件のトリックで使ったのも甜花ちゃんに渡された動機だったんだよ?!」
- 545 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:12:40.95 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「そう、ボクはオマエラ全員に才能に応じたアイテムをプレゼントしました」
円香「……」
モノクマ「誰一人例外なくね、そこのボッチの樋口さんにもディベートが充実するようにストップウォッチを渡してあげたんだ!」
(あのストップウォッチ……確かに見覚えのないものだったけど、樋口さんのものだったんだ)
モノクマ「でもね、ただ一人渡すのに困った人がいてね」
摩美々「それが……霧子?」
灯織「待ってください!確か霧子さんは食堂では……注射器をもらったと言っていましたよ?!」
モノクマ「幽谷さん、あんた嘘つきだね」
霧子「ふふ……バレちゃった……♪」
灯織「……!?」
モノクマ「考えてもみなよ!あの段階ですでに保健室は解放されてた……」
モノクマ「あそこにはオマエラ自身でもなんとかなるぐらいにはひとしきりの医療グッズは取り揃えておいたんだ!」
咲耶「そうだ……私も探索の時に確認したんだったね」
摩美々「……!」
摩美々「あのとき、すでに注射器は目撃してる……?!」
霧子「ふふ……♪」
モノクマ「そういうこと、超高校級の保健委員である彼女のために新しく用意するものが思いつかなくってね!」
霧子さんの才能に応じたアイテムはすでに学園内に存在している。
私の水晶玉のように新しくモノクマが用意するようなものがなかったんだ……
モノクマ「だからボクも発想を転換することにしたんだ!」
めぐる「発想を、転換……?」
凛世「どういう意味でしょうか……」
- 546 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:14:01.67 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「そのとき匠は考えました……」
モノクマ「才能そのものをプレゼントしてあげようってね!」
- 547 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:14:59.30 ID:z5jSFR/T0
-
(……は?)
意味がわからない、才能そのものをプレゼント……?
才能というものは生まれつきで備わっているからこそ才能なんじゃないの?
だからこそモノクマの提供した動機のプレゼントは的外れで、私たちは……
咲耶「どういう意味なんだい?」
モノクマ「健全なる才能は健全なる肉体と精神にこそ宿る……」
モノクマ「そういう意味だよ!」
智代子「ど、どういう意味?!」
愛依「まどろっこしい言い方すんのはやめて!もっと分かりやすく教えてよ!」
抽象的なモノクマの話はまるで理解が追いつかない。
ただ、話を聞いているだけで汗が吹き出しそうなほどに感じる嫌悪感……
次にモノクマが紡ぐ言葉がろくでもない、とんでもないものであるという予感が働いていた。
_________そしてその予感は的中した。
- 548 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:15:46.36 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「人格をプレゼントしたんだよ!」
- 549 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:16:53.39 ID:z5jSFR/T0
-
灯織「……」
灯織「………………え?」
モノクマ「本物の超高校級の保健委員の人格をそっくりそのまま幽谷さんの中にインプットしてあげたんだ!」
モノクマ「ていっても流石に上書きしたわけじゃないよ?海馬の部分にチョチョイとメスを加えて脳髄の分泌物が……」
モノクマ「まあ詳しい説明はどうでもいいよね、それこそ超高校級の神経学者にでも聞いてやりなよ!」
咲耶「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
咲耶「それじゃなにかい?!いま、私の前に立っているのは霧子の姿をした別人だということかい?!」
霧子「ふふ……♪」
モノクマ「だから、上書きじゃないんだって!上書きじゃなくて統合!」
モノクマ「もともとあった幽谷さんの人格と超高校級の保健委員の人格が融合したんだよ!」
人格と人格の融合……?
それで霧子さんはあんな頭のネジが飛んでしまったような状態に……?
一体どんな人間の人格を埋め込まれたというの……?
- 550 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:18:13.22 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「超高校級の保健委員が持っていた【罪】が合わさった……言うなれば【罪霧子】ってわけだね!」
モノクマ「ワオ!ダブルミーニング!」
霧子「あは……でも、わたしはモノクマさんに感謝してるんだ……」
咲耶「き、霧子……?」
霧子「おかげで気づくことができたんだ……」
霧子「ああ……これが【愛】なんだ……」
霧子「【愛】ってまるでおひさまみたいにポカポカなんだね……♪」
霧子「これってすっごく素敵だと思うな……♪」
モノクマが罪霧子と語る彼女はもう、私たちのよく知る彼女ではなくなっていて……
誰も聞いていないのに自分が犯行に至るまでをつらつらと語り始めた。
霧子「わたし、すっごく満足してるんだ……」
霧子「だって甜花ちゃんと甘奈ちゃんを同時に助けてあげることができたから……」
霧子「二人で一緒に死んだから、きっと二人は天国でも一緒にいれるよね……」
霧子「それってすっごく素敵だよね……姉妹【愛】は死後も続くんだよ……?」
- 551 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:18:57.93 ID:z5jSFR/T0
-
めぐる「もうやめてよ!!!!!!」
- 552 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:19:51.21 ID:z5jSFR/T0
-
声を張り上げたのはめぐるだった。
霧子「めぐるちゃん……?」
めぐる「もう、それ以上……霧子の姿で、霧子の声で喋らないでよ……」
モノクマ「だから、いま目の前にいるのも幽谷さん本人なことには変わりなくて……ま、いいか」
めぐる「わたしが大好きだった霧子は……そんなことは言わないよ……!」
めぐる「なんで、なんで……」
めぐる「なんでお別れの時まで、本当の気持ちを聞けないの……?!」
灯織「めぐる……」
霧子「……」
霧子「そっか……ごめんね、めぐるちゃん……」
霧子「もう、わたしにもわからないな……本当の気持ち、なんて」
(……え?)
そう口にした彼女は、この裁判で見たどの表情よりも……【霧子さん】の表情だった。
- 553 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:21:24.50 ID:z5jSFR/T0
-
霧子「もう……どうでもいいんだ……」
霧子「わたしも、みんなも……生きるのも、死ぬのも……」
霧子「希望も、絶望も……全部全部……」
霧子「だってわたしには、【愛】があるから……信じ続ける、【愛】があるから……!」
咲耶「……どうしてなんだい」
咲耶「どうして、よりにもよって霧子にこんな苦しい思いをさせる必要があるんだい?!」
咲耶さんの絶叫は裁判場にこだまする。
それでもモノクマはもちろん霧子さんまでも表情一つも変える様子はない。
_________そして、その時はきてしまった。
霧子「ねえ、モノクマさん……もう始めてもらってもいいですか……?」
- 554 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:23:50.55 ID:z5jSFR/T0
-
咲耶「……え?」
咲耶「だ、ダメだ!なんてことを言うんだ、霧子……!」
モノクマ「かしこまりました!」
霧子「もう……わたしがここにいる意味もないし、はやくお空に行きたいな……」
摩美々「……私のそばにいるんじゃ、ダメなの」
灯織「……摩美々さん?」
摩美々「愛なんて訳の分からないものを死ぬ理由にするなら、私たちと一緒にいることを生きる理由にするんじゃダメだったのー……?」
変わり果てた霧子さんに言葉を投げかける摩美々さんの体は小刻みに震えていて、その瞳には涙が滲んでいた。
摩美々「こんなお別れ……最悪どころじゃないんですケド」
霧子「摩美々ちゃん……ふふ、ごめんね……?」
摩美々「……霧子」
- 555 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:24:49.37 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「今回も、【超高校級の保健委員】である幽谷霧子さんのために……スペシャルなおしおきを用意しました!」
霧子「ああ……やっと行ける……」
咲耶「霧子……こんなの、あんまりだよ……」
モノクマ「それでは張り切って参りましょう!」
霧子「やっと、二人にも会えるんだね……」
(……え?)
(ふ、二人……?)
灯織「き、霧子さん今の言葉は」
モノクマ「おしおきターイム!」
霧子「じゃあね……ばいばい……♪」
霧子「みんな、ありがとう……ふふ……♪」
- 556 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:31:06.43 ID:z5jSFR/T0
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GAMEOVER
ユウコクさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
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- 557 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:33:28.33 ID:z5jSFR/T0
-
それはまだ日本がいくつもの国に分かれていた時代。
ある国に三度の飯より酒と女、そして座敷遊びが大好きな大名がおりました。
その大名はずんぐりむっくりとした癒し系ボディで、
白黒に分かれたツートンカラーの愛されフェイスウケをしており、
チャーミングな丁髷を結っており女子ウケ抜群でした。
人呼んでセクシー大名・モノクマ……
今宵も女を囲んで宴の開幕です!
-------------------------------------------------
【死・屍・累・々】
【超高校級の保健委員 幽谷霧子 処刑執行】
-------------------------------------------------
座敷の中央で棒に縛り付けられる幽谷さん。
それを取り囲むように何匹もの和服に身を包んだ花魁モノクマが並びます。
セクシー大名のモノクマはそれを舌舐めずりして片っ端から見定めていくと……これまた片っ端から【帯回し】!
「良いではないか、良いではないか」と言いながら女性の帯を引っ張り、「あ〜れ〜」とひん剥いて行く全青少年憧れのシチュエーション!
かぁ〜、たまりませんな〜!
- 558 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:34:34.30 ID:z5jSFR/T0
-
それと同時に幽谷さんの縛りつけられた棒も高速で回転を開始!
モノクマがひん剥いた帯はそのまま幽谷さんの縛られた棒にぐるぐると巻きついていきます!
モノクマは片っ端から次々別の女をひん剥いて行くので、巻きつく帯の数は加速度的に増していきます!
そう、それは怪我の治療のために包帯を巻くように……
丹念に丹念に……
幽谷さんの体は頭の先から足の先まで帯で締め上げられていきます……
呼吸をしようにも口すら開けずに、
強引に巻かれた帯は体を締め付けていき、
骨がおれようがお構いなしに巻かれていき、
まきまき……♪
まきまき……♪
まきまき……♪
まきまき……♪
ところでみなさんはミイラってご存知ですか?
アフリカのどっかの国で有名な、全身包帯でぐるぐる巻きにしたグロい死体のことなんですけど。
……今の幽谷さんがそれにそっくりだよね!うぷぷ!
-------------------------------------------------
- 559 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:35:22.87 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「ふぅ……スッキリした……いろんな意味でね!」
咲耶「……霧子……っ!」
摩美々「……」
モノクマ「おしおきは経費で落ちるからね、ここぞとばかりに遊ばせていただきやしたぜ……ぐへへ」
モノクマの醜悪な笑い声はまるで耳に入ってこなかった。
霧子さんの死の凄惨さに、目を閉じてしまう人……言葉を失う人……俯く人……
そのショックを受け止めるのでみんな精一杯。
ただ、わたしは死の間際に彼女が言い残した一言が、いやに気にかかっていた。
(やっと二人に会える……?)
(二人って……誰と、誰……?)
- 560 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:36:51.71 ID:z5jSFR/T0
-
灯織「モノクマ、霧子さんには本当に人格だけを与えたんですか?」
モノクマ「え?何?」
灯織「彼女が死の間際に言い残した、『やっと二人に会える』という一言……この二人って誰のことなんですか?」
モノクマ「あーそういえばそんなこと言ってたっけ?」
モノクマ「脳をいじった衝撃でなんか思い出しちゃったりしたのかな……?」
灯織「……ど、どういうことですか?」
モノクマ「ごめんね、ボクにもわかんないや!そういうのならオマエラ自身の方が詳しいんじゃないかな?」
(私たち自身の方が詳しい……?)
(そんなこと言ったって、霧子さんの周りで……)
(ちょうど二人いなくなるようなことって……)
円香「恋鐘さんと結華さん……」
咲耶「……!?」
円香「ここにいないアンティーカのメンバーってちょうどお二人でしたよね」
摩美々「それ、どういう意味……?」
円香「さぁ、私は霧子じゃないので意図するところまでは」
円香「ただ、彼女……あの口ぶりだと、『二人』というのは既に他界した人物のようでしたけど」
(……!?)
- 561 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:38:34.39 ID:z5jSFR/T0
-
雛菜「円香先輩……それ以上言っちゃダメだよ」
円香「……あんたに言われなくても」
それだけの言葉で揺さぶるには十分だった。
アンティーカとして当事者の咲耶さんと摩美々さんはもちろんのこと……
私たちの中には、暗い、深い、とめどない波紋が波及し始めていた。
摩美々「……」
彼女の言葉だけならば、私たちは信じないという選択肢をもっと余裕たっぷりに取ることができただろう。
でも、私たちはあのビデオを見ている。
前回の樹里と小糸の事件……
あの時見させられたビデオは【近しい人間の身に差し迫る危機】。
おそらくアンティーカのお二人は、恋鐘さんと結華さんにまつわるものを見たはず。
……そうなると、言葉は一気にその信憑性を増す。
- 562 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:41:02.28 ID:z5jSFR/T0
-
咲耶「……」
摩美々「……」
かける言葉が、見当たらない。
耳鳴りするほどの静寂が、唾を飲むことすら躊躇させる。
舌が顎に糊付けされたように離れない。
言葉一つ紡ぐことすらできない雰囲気が立ち込めている。
円香「……私はお先に失礼します」
愛依「ま、円香ちゃん……」
円香「次の準備があるので」
【次】の意味を尋ねる隙もないままに樋口さんはスタスタとエレベータに乗り込み、一足先に帰っていってしまった。
咲耶「……」
残ったのはただ呆然とする私たち。
私は何度も自分の口の中で言葉をこねくり回していた。無責任な励ましはするべきじゃないし、今絆を持ち出すのも違う。
下手に口を出して傷つけてしまうことを恐れて……不器用な自分に嫌気がしていた。
でも、きっとみんなそうだったと思う。
かけるべき言葉が見つからなくて、前を向くための言葉が見つからなくて……
_______それで彼女は、体を動かした。
- 563 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:41:58.85 ID:z5jSFR/T0
-
「わーーーーーーーー!!!」
突然走り出したかと思うと、目一杯の跳躍。
そのまま彼女はモノクマの座っていた裁判長席に堂々の着地。
咲耶「ど、どうしたんだい……?」
摩美々「どういうつもりー?」
- 564 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:42:40.61 ID:z5jSFR/T0
-
灯織「めぐる……!」
静寂を破ったのは、八宮めぐる。彼女だった。
- 565 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:43:31.00 ID:z5jSFR/T0
-
めぐる「えっと……どうしよう……特に考えなしに動いちゃった……」
めぐるはそうやって照れ臭そうに頭をポリポリとかきながら、私たちに目を向けた。
そして大きく息を吸って……吐いた。
摩美々「なに?今からラジオ体操でも始めるわけー?」
めぐる「……えっと、今から言うのは……全部わたし自身に向けてなんだけど……」
そんな前置きから、めぐるは声を一気に張り上げて叫んだ。
めぐる「いつまで怖がってるんだ、八宮めぐるーーーーー!!」
灯織「え……?」
めぐる「そんなの、お前らしくないぞーーーーー!!」
雛菜「あは〜?」
めぐる「お前は元気なのが取り柄なんじゃないのかーーーー!!」
めぐる「不安で、怖くて、泣きたくて……そんなのみんな一緒だよ!!」
めぐる「お前だけじゃない、みんな同じ気持ちなんだよ!!」
- 566 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:44:37.96 ID:z5jSFR/T0
-
気づけば顔を見合わせていた。
誰だってそう、こんな状況を前にして泣きたくならない人なんていない……
でも私たちには、それを共有しあえる仲間がいる。
めぐる「一人で被害者ぶってる暇があったら、隣の人と手を繋いで前に進めーーーー!!」
めぐる「それがいつもの八宮めぐるでしょ!!」
あれだけ緊張で硬くなっていた体は自然と解れていた。
みんなの視線はいつのまにかめぐるただ一人に注がれて、次の言葉をみんなが待っている。
めぐるの応援を、みんなが待っている。
めぐる「だから負けるなーーーー!!」
めぐる「へこたれるなーーーー!!」
めぐる「どうしても辛くなったら、その時は無理やり笑っちゃえ!!」
めぐる「だって笑顔は無敵……だよね、灯織!!」
……ふふっ、めぐるったら。
- 567 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:45:58.91 ID:z5jSFR/T0
-
気づけば私の足も、裁判長席へと進んでいた。
灯織「こ、これも自分に向けての独り言なんですけど」
そんな前置きの後に。
灯織「もっと他の人を頼る勇気を持て、風野灯織ーーーー!!」
灯織「あなたのそばにいる人は、あなたが思うよりもっと素敵な人ばっかりなんだから、だから……頼っていいんだよ!!」
それは、あの時小糸にも投げかけた言葉。
かつての自分自身に投げかけた言葉。
それが今、帰ってきた。
(ただ、これ……めちゃくちゃ恥ずかしい!)
めぐるに乗せられてついやってしまったが、いつもお世話になっている皆さんの前でこんな大声でくさいセリフを……
顔が真っ赤になって全身の血が沸騰しているのを感じる。
そして、そんな私を見て……
摩美々「なにそれー、カッコつけすぎじゃなーい?」
いつものように、彼女はからかってくれた。
- 568 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:47:36.26 ID:z5jSFR/T0
-
摩美々「自分で言って自分で顔真っ赤にしてたらダメじゃーん」
摩美々「なんだっけ?他の人を頼る勇気を持て、風野灯織……だっけ?」
灯織「や、やめてください……今のはついうっかり……!」
咲耶「こら、摩美々。そう茶化すものじゃないよ」
灯織「さ、咲耶さん……」
咲耶「ありがとう、二人とも。流石はイルミネーションスターズ、星のような輝きを見せてもらったよ」
めぐる「えへへ……そ、そうかな……」
咲耶「ああ、どんな宝石よりも美しい、想いという輝きさ」
咲耶さんと摩美々さん……二人にもいつものような笑顔が戻っていた。
頬には涙が伝っていたけれど、さっきまでとは違う。
前に進むことのできる涙だ。
- 569 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:48:55.97 ID:z5jSFR/T0
-
凛世「お二人の激励……強い言霊を感じました……」
愛依「うん、うちもなんかこう……動きたくて仕方ないカンジ!?」
智代子「なんかわかるなー、こう体の中が燃えてるんだよね!」
雛菜「あは〜、円香先輩も聞いてから戻ればよかったのに〜」
灯織「みなさん……!」
摩美々「私だったらさっきのは黒歴史ものですけどねー」
灯織「も、もう……!からかわないでください!」
エレベーターに乗り込んで、自分の部屋に戻るまで……その足取りはそう重くはなかった。
めぐるの応援……あれが頭の中で何度もこだまして、そのたびに力が湧いてくるのを感じる。
アンティーカのお二人をはじめとした、この合宿生活に参加していない皆さん……そして、プロデューサー。
その身に何があったのかはわからない……
ただ、先を見るのがいくら不安でも……
真実を明らかにすらしないで怯えているのは違う。
前に進むにしろ後ろに進むにしろ、その一歩を踏み出さないことには何も変わらないんだ……!
- 570 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:50:00.16 ID:z5jSFR/T0
- 【???】
モノクマ「やあ、お疲れさま。今回の事件は大変だったね、キミも予想外の展開で焦ったんじゃないかな?」
???「…………」
モノクマ「ん?なんのことかって?」
モノクマ「そりゃ幽谷さんだよ、人格を植え付けただけなのにそのショックで記憶を取り戻しかけてたからね!」
モノクマ「ここまで来て記憶を取り戻されたらボクとキミの計画がおじゃんになっちゃうじゃん!」
モノクマ「それは違うよねー、だから何か言う前にぶっ殺しちゃった!」
???「…………」
モノクマ「キミも困るんじゃない?あそこですべてを話されたら!」
???「…………」
モノクマ「うぷぷ……ボクとキミは一心同体だからね」
???「…………」
モノクマ「え?……あー、それ、それね……」
モノクマ「大丈夫だよ、今のところはね。バレてないし」
???「…………」
モノクマ「おっと、それ以上の詮索はNGだよ!たとえキミでもね!」
???「…………」
モノクマ「まあ、このコロシアイについて教えてあげられるのは、このコロシアイはただ一つの目的のため……」
- 571 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:50:58.81 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「ボクたちの夢を叶えるためのコロシアイってことくらいかな!」
- 572 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:51:50.61 ID:z5jSFR/T0
- -------------------------------------------------
【CHAPTER 03 部屋とオーパーツとわたし】
END
残り生存者数 9人
To be continued...
-------------------------------------------------
- 573 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:53:04.44 ID:z5jSFR/T0
-
【CHAPTER03をクリアしました!】
【学級裁判クリア報酬としてモノクマメダル44枚を入手しました!】
【CHAPTER03クリア報酬としてアイテム『血染めの包帯』を手に入れました!】
〔CHAPTER03を生き抜いた証。清潔と潔白の証だったはずの包帯は真っ赤に染まってしまっている〕
【CHAPTER03クリア報酬としてスキル『包・帯・組・曲』を習得しました!】
〔学級裁判で不正解時のペナルティをわずかに軽減する〕
- 574 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:59:03.48 ID:z5jSFR/T0
-
というわけで3章終了でここまで。
シナリオ全般にかかわる話も少しずつ出せてきたかな、という感じですね。
一応最後まで構想はあるので、うまいとこ繋げていきたいところです。
今後についてですが、以降は以前お伝えした通り暫く期間が空くものと思います。
しっかり完走まではやり遂げるつもりですので、気長にお待ちいただけたらと。
それではお疲れ様でした。またよろしくお願いします。
- 575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 23:01:08.00 ID:VZ+n1py60
- 乙です
あいつの人格を統合させちゃったかー
そりゃやべーことになるよね……
- 576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/08(土) 23:02:17.17 ID:fXcALjJ60
- お疲れ様でした
樋口は狛枝ポジではなく王馬小吉ポジになりそう
- 577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 23:03:00.88 ID:Sti9mB090
- お疲れ様でした
- 578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 23:16:43.33 ID:MDOmxO4v0
- 乙です
不参加組は今いったいどうなってるんだ…
- 579 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2021/05/09(日) 03:01:01.01 ID:lzX9XXP10
- VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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- 580 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/21(金) 21:56:15.69 ID:W8+S8sUS0
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GAMEOVER
オオサキさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
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- 581 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/21(金) 21:58:33.88 ID:W8+S8sUS0
-
女の子に生まれたからには誰もが一度が夢に見る雑誌モデル。
色とりどりのファッションに身を包み、ガーリーに決めたりキュートに決めたり、おしゃれはまさに魔法のようなもの。
_______雑誌に出てくる女の子を見て、世の女の子たちはもっともっと可愛くなるのです!
そんな憧れの読者モデルになるチャンスが、甘奈さんに与えられました!
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【薄桃色に事切れて】
【超高校級のスタイリスト 大崎甘奈処刑執行】
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甘奈さんが走っているのは高速で動くベルトコンベアの上。
そのすぐ背後には、雑誌を模してバタンバタンと何度も繰り返し閉じるプレス機が。
もちろんその雑誌の表紙には『アプリコット』の文字が。
女の子のあこがれの雑誌といえば『アプリコット』ですよね!
……え?ちょっと古い?年代がばれるぞ?
うるさいうるさい!
『kawaii』はいつの時代も万国共通なんですー!
- 582 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/21(金) 21:59:57.74 ID:W8+S8sUS0
-
必死に必死に走る甘奈さん。
甘奈さんの横を通り過ぎて行く可愛い衣装に身を包んだトルソーの数々。
_____バタン!バタン!
片っ端から雑誌に押しつぶされていく、もとい『掲載』されていきます!
甘奈さんは掲載されたくないのでしょうか?
汗だくになって走り続けてベルトコンベアに逆らいます。
_____バタン!バタン!
どんどん加速するコンベア。甘奈さんの横を流れるトルソーの数も増えていく。
おや?見覚えがありますね……あれはwing初優勝の時の衣装?
あれは愛しのお姉さんとお祭りに行った時の浴衣?
_____バタン!バタン!
そんな思い出の服も次々に掲載掲載!
そんなに悲しそうな眼をするなら、甘奈さんも一緒に掲載されてしまえばいいのにね。
それでも甘奈さんは諦めません。
流れて来るファッションアイテムの数々にぶつかり、体がボロボロになろうとも。
- 583 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/21(金) 22:00:48.99 ID:W8+S8sUS0
-
_____バタン!バタン!
そしてコンベアの道にも終わりが見えてきました。
行き着く先で待っていてくれたのは……大好きな大好きなお姉ちゃんの甜花さん。
「なーちゃん、頑張ったね」そんな声が聞こえてきます。
_____バタン!バタン!
なーんて、そんなの幻聴ですよ。
お姉ちゃんだと思って甘奈さんが手を伸ばしたのは、デビ太郎パーカーを着せられただけのトルソー。
披露の果てに見てしまった幻影のお姉ちゃんと共に、最後には甘奈さんも……
_____バタン!グチャァッ!
ちゃんと『掲載』してもらえましたとさ。
でも、アプリコットなんて流行おくれの雑誌に載ったところで誰も見てもらえませんよ。
廃品回収に出された雑誌の山、その頂点に『専属モデル 大崎甘奈特集』と書かれたボロボロのアプリコットがありましたとさ。
- 584 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/21(金) 22:02:09.11 ID:W8+S8sUS0
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GAMEOVER
オオサキさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
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- 585 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/21(金) 22:02:59.29 ID:W8+S8sUS0
-
三度の飯よりゲームと睡眠!そんな甜花さんはおしおきのときでもお布団の上。
ぬくぬくのお布団で気持ちよさそうですね。
……でも、いつまでもそんなぐうたらではいけません。
ほら、見てください。甜花さんが『ジャンプマスター』ですよ!
-------------------------------------------------
Victory Royale!!
超高校級のゲーマー 大崎甜花処刑執行
-------------------------------------------------
甜花さんはそのまま無慈悲にも空中に投げ出されます!
でも大丈夫、このゲームは3人一組で戦います。
横を見ればどこか桑山さんと甘奈さんの面影を感じるロボットたち。
甜花さんの判断に従って彼女たちは動きます。
地上に降り立った彼女たちは共に銃撃戦を突破突破!
狭まり続けるエリアの中でライバルたちをなぎ倒していきます。
しかし、強者にも隙あり。遠く構えたスナイパーの斜線にうっかり甜花さんが!
_____危ない!
- 586 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/21(金) 22:05:36.86 ID:W8+S8sUS0
-
危うく射殺されかけたその瞬間、千雪さんロボが身代わりになってくれました!
ああ、美しきかなユニットの愛情!
おかげで甜花さんは残りのライバルを撃ち抜いて見事一位に!
……と思うのもつかぬ間、その背後には2mを超えるような殺人鬼の姿が!
巨人のような殺人鬼相手に銃も無力。発電機を修理して早く脱出しないと!
来た道を引き返し、廃墟を潜り抜け……ようやく発見した発電機。
殺人鬼はどんどんと迫っています……早く直さなきゃ!
ここから出るためには発電機を直して、ロケットを修理しなくてはいけないのです。
ですが焦る気持ちがミスを誘い、なかなか修理は進まない。
仕方ありません、キャラごとに適正というのがありますから。
そうこうしている合間に殺人鬼はもうすぐ後ろ!
_____万事休すか!
- 587 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/21(金) 22:07:06.90 ID:W8+S8sUS0
-
危うく殺人鬼の右手が甜花さんの頭をわしづかみにしかけたその瞬間!
なーちゃんロボが身代わりになってくれました!
ああ、美しきかな姉妹の愛情!
なーちゃんロボが巨大なフックにつるされてる間に発電機を修理して無事脱出!
ロケットに乗って逃げてしまおう!
……と思ったら、ロケットは今度は六角形の足場に不時着!
足場はどんどん重みで抜けていきますが、その真下はマグマが待ち構えています!
ここで生き残るには、他の参加者を蹴落とすほかありません!
そんなの、非力な甜花さんには無理ゲー……と思っていたら……?!
なんと、この足場で戦っているのはゆるふわな着ぐるみたちではありませんか!
______にへへ……これなら甜花も戦える……!
- 588 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/21(金) 22:08:50.84 ID:W8+S8sUS0
-
細腕で手押し相撲の要領で押し出し寄り切り、順調に勝ち残る甜花さん。
この調子この調子!……と、次の着ぐるみに手をかけた時。
___ずるんっ。
ついうっかり着ぐるみの皮を剥いでしまいました。
ダメだよね、そんなことしちゃ。ゲームは人々にとって癒しを求める夢の世界。
たとえ開発者だろうと夢をぶち壊すような真似をしちゃダメだよね。
まして着ぐるみの中に【骨格のねじ曲がった人間のような化け物】がいるんじゃ、それを明るみにしちゃあ……お終いよ。
______ドボン!
残念ながら甜花さんのすべてをかけたバトルロイヤルではドン勝も生存も優勝もできませんでしたとさ。
いやぁ、ゲームって難しいですね。
- 589 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/21(金) 22:11:53.47 ID:W8+S8sUS0
-
突発的ですが、大崎姉妹のおしおきで少しばかり更新させていただきました。
と言いますのも、最近のご時世の影響もあり、
今月末より開始予定だった大きな用事が丸々無くなってしまったので4章執筆の時間をとることができちゃいまして…
近いうちに4章を更新したいのですが、よろしいでしょうか?
5/22(日)21:00〜で今のところ考えています。
突然のお知らせで申し訳ない!
- 590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/21(金) 23:58:40.19 ID:52dzzEaP0
- 承知しました!
楽しみにしています!
- 591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/22(土) 02:31:59.46 ID:MccJ93eBo
- 乙乙
- 592 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:03:31.41 ID:jdC9QLoi0
-
予定通り4章より再開いたします。
学級裁判をはさんだので4章開始段階での情報を整理するところから開始します。
-------------------------------------------------
【4章現在での主人公の情報】
【超高校級の占い師】風野灯織
・習得スキル
【一番星の魔法】
〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕
【ポシェットの中には】
〔自由行動のある日に限り一日の終わりにコンマ判定を行い、末尾の数字の枚数分だけのモノクマメダルを獲得できる〕
【意地っ張りサンセット】
〔反論ショーダウン・PTAのコンマ値の基礎値が+10される〕
【包・帯・組・曲】
〔学級裁判で不正解時のペナルティをわずかに軽減する ※効果は後に調整します〕
・現在のモノクマメダル枚数…91枚
- 593 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:04:53.91 ID:jdC9QLoi0
- ・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【もちプリのフィギュア】
【残鉄剣】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【黄金のスペースシャトル】
【携帯ゲーム機】
【古代ツアーチケット】
【もしもFAX】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
-------------------------------------------------
【ここまでの親愛度】
・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】
・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0
・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……3.5
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……7.5
・【超高校級の幸運】園田智代子……3.0
・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……2.0
・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……3.0【DEAD】
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0【DEAD】
・【超高校級のギャル】和泉愛依……2.0
・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】
・【超高校級のディベート部】樋口円香……0
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……7.0
・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】
- 594 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:05:34.81 ID:jdC9QLoi0
-
???「お疲れさまで〜す♡」
- 595 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:06:49.37 ID:jdC9QLoi0
-
???「……誰もいないじゃない、はぁ」
???「レッスンまでそんなに時間ないわよね?あいつら、時間ギリギリで来るつもり?……はぁ、ったく」
???(暇つぶしにテレビ見るくらいいいわよね……?)
ピッ
『今後の業務体制を見直し、連携の強化を図っていくものと思われます』
???「なーんも面白い話題ないわねー……つまんない世の中」
『与党議員の献金不正受給問題を受け、国会では本日も野党議員から厳しい追及がなされました』
???「そうっすかね?冬優子ちゃんは、どういうのが見たいんすか?」
冬優子「ひゃああああ?!あんた、いっつも音出さずに現れるのはやめなさいって言ってるでしょ?!」
あさひ「別に何もしてないっすよ。冬優子ちゃんが鈍いだけっす」
冬優子「うっさい!」
- 596 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:07:55.35 ID:jdC9QLoi0
-
あさひ「で、何見てたんすか?」
冬優子「ニュースよニュース、こういうのでも仕入れとくとトークの引き出しの質が変わってくんの」
『金融大手M銀行で先日発生したATMの不具合を受け、代表取締役のA氏が会見を開き……』
あさひ「でも、つまんないんすよね?」
冬優子「まあねー……企業の合併とか、政治とか……そんなのふゆたちが下手に口出すと炎上の元よ。もっと新しいスイーツとかそういうのを仕入れないと」
『続いてのニュースです』
あさひ「ふーん……そういうものなんすね」
冬優子「そういうこと」
『近年増加している若者の連続失踪事件について、警察当局は専用の捜査本部を立ち上げ、操作を本格化することが決定しました』
冬優子「あんたももう少しマシなトークテーマを考えてちょうだい、いっつもその場その場で話してるでしょ?」
あさひ「えっ、ダメなんすか」
『相次いで失踪する人々には、共通してインターネット上に存在する通称裏サイトにアクセスしていた痕跡があるため、サイバーセキュリティに強い専門部署を積極的に登用していく見通しです』
- 597 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:08:49.32 ID:jdC9QLoi0
-
冬優子「いっつもあんたが横で何話すかこっちは気が気じゃないの。この前も大御所俳優にもらったカブトムシの話なんか急に持ち出すから焦ったじゃない!」
あさひ「あはは、すごいおっきなカブトムシもらったんすよ?」
『なお、失踪した方と思われる遺体が発見される事件もこれまでに数件起きており、警察は事実関係を調査中です』
冬優子「知らないわよそんなこと、もっとアイドルらしい話をしなさい」
あさひ「え〜、つまんないっす」
『続きましてスポーツです!プロ野球シーズンが開幕し、今年も……』
冬優子「ていうかなんか愛依遅くない?あいつ何してるわけ?」
あさひ「愛依ちゃんなら今日は■■■■■っすよ?」
冬優子「え?あー……そういえばもうそんな時期だったのね」
あさひ「わたしも早く行ってみたいっす、■■■■!」
冬優子「はいはい、いい子にしてたらプロデューサーが連れてってくれるわよ」
あさひ「えっ?!そうなんすか?!」
冬優子「……多分ね、知んないけど」
あさひ「やったっす〜〜〜!わくわく〜〜〜!」
- 598 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:09:36.22 ID:jdC9QLoi0
- -------------------------------------------------
CHAPTER04
Marionetteは絶望と眠る
(非)日常編
-------------------------------------------------
- 599 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:10:48.99 ID:jdC9QLoi0
- 【食堂】
霧子さんの事件の翌日、私たちは朝礼のために食堂に集まっていた。
咲耶「さあ、今日も頑張ろうじゃないか!」
摩美々「もう、咲耶張り切りすぎー」
昨晩の霧子さんの裁判、そこで受けた精神的なショックは大きなものだったけど…
めぐるの熱いエールのおかげで、私たちは立ち直るどころか、やる気に満ち溢れてすらいた。
愛依「うちだってやる気じゃ負けないかんね!今回こそ脱出口見付けちゃうっしょ!」
めぐる「えへへ、わたしも負けないよー!」
(それは空元気のようなものだったかもしれない)
(でも、そうだとしても……凹んでいるより、よっぽどマシだ)
智代子「う〜ん、でも肝心のモノクマがなかなか来ないね……」
摩美々「どうせ新エリア広げるんだろうしさっさと用件すましに来て欲しいですよねー」
モノクマ「こんちゃーす!モノクマ登場でーす!」
愛依「出た、モノクマ!」
- 600 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:12:19.23 ID:jdC9QLoi0
-
咲耶「四階が解放されたんだね?」
モノクマ「あーちょっと!セリフ取らないでよ!」
めぐる「流石に3回目だもん!もうわかるよ!」
(そう、ここまでにもう私たちは三回の学級裁判を経験してきたんだ……)
(……)
モノクマ「ボクとしては新鮮な反応を楽しみたいんだけどな……まあ、いいや!」
モノクマ「ご期待通り学校エリア4階を新たに開放したよ!」
モノクマ「もちろん、この学校について調べることは自由ですので思う存分気の済むまで調べてちょ!」
咲耶「言われなくてもそのつもりさ」
凛世「はい……埃の一つに至るまで、全て凛世たちの手で調べ尽くしあげましょう……」
めぐる「よーし、がんばるぞー!」
(これまでの調査では、明確な手掛かりは手に入ってはいない)
(でも、だからって諦めるわけにはいかないんだ……!)
-------------------------------------------------
【探索について】
場所指定の安価と同時にコンマを判定し、末尾の数字と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます。
-------------------------------------------------
めぐる「灯織、どこから探索する?」
灯織「えーっと……そうだね」
-------------------------------------------------
1.【学校エリア4F】音楽室
2.【学校エリア4F】職員室
3.【学校エリア4F】学園長室
4.【学校エリア4F】化学室
↓1
- 601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/23(日) 21:18:44.96 ID:NrPWEGVn0
- 1
- 602 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:21:47.13 ID:jdC9QLoi0
- 【音楽室】
めぐる「うわっ?!すっごい広ーい!」
4階の中でもやっぱり目を引くのはこの部屋。音楽に携わるものとして、見ておかなくてはならないのは音楽室。
ただその部屋は私たちの予想をはるかに超えていた。音楽ホールとしてみても一級品。今すぐにでもコンサートを開催できるような設備が整っている。
めぐる「天井も高ーい……わーーーーーーっ!」
めぐるの叫び声も心地よい反響をする。
音楽をする上ではかなり上質な空間だ。
咲耶「このピアノは……スタイン・ベーゼンのものだね……」
灯織「咲耶さん、お詳しいんですね」
咲耶「いやなに、以前仕事で目にした程度さ。この艶々とした黒さには見覚えがあってね」
めぐる「なんだかすごく高そーな雰囲気だよね……」
咲耶「ああ、確か2億円はくだらないんじゃなかったかな?」
灯織「に、2億?!」
(な、なんでそんな高級品がこんなところに……!?)
咲耶「フフ、冗談さ。流石に値段までは知らないよ。ただグランドピアノというのは総じて高級品だからね、それなりの値打ちはあると思うよ」
(あ、あまりこのピアノには近づかないようにしよう……)
【コンマ96】
【モノクマメダル6枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル枚数…97枚】
-------------------------------------------------
1.【学校エリア4F】職員室
2.【学校エリア4F】学園長室
3.【学校エリア4F】化学室
↓1
- 603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/23(日) 21:27:03.29 ID:NrPWEGVn0
- 3
- 604 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:29:30.49 ID:jdC9QLoi0
- 【化学室】
踏み入れた瞬間鼻を刺す独特な香り……
化学薬品特有のものだ。
智代子「あ、灯織ちゃんにめぐるちゃん!ど、どどどどうしよう……!」
灯織「えっ?!ど、どうしたのそんなに焦って!」
愛依「こ、これ見て!」
二人が慌ただしく私たちに向けてきたのは……薬品ケース?
パッケージにはわかりやすい髑髏のマークとエクスクラメーションマーク。
灯織「……?」
ゆっくりと眺めていくと、あった。
『種別…毒薬』
灯織「ど、毒薬?!」
愛依「ひ、灯織ちゃん落ち着いて!危ないよ、落としたら危ないから!」
めぐる「な、なんでそんな危険な毒なんかが……!?」
智代子「見てよ……この教室には薬品棚が置いてあるんだけどね?健康にいいものから有害なものまで全部そろっちゃってるんだ」
チョコの言う通り……
棚にはプロテインと銘打つものもあれば、わかりやすく硫酸や青酸カリといったものまで揃えてある。
愛依「中には気体になって吸うだけで危ないやつとかもあるみたいなんだよね……」
灯織「いかにもこれで殺してくださいって言わんばかりだね……」
めぐる「モノクマ、許せないよ!もしもプロテインと毒薬を間違えて飲んじゃったらどうするつもりなんだろう!」
(そ、そこ……?)
【コンマ29】
【モノクマメダル9枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル枚数…106枚】
-------------------------------------------------
1.【学校エリア4F】職員室
2.【学校エリア4F】学園長室
↓1
- 605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/23(日) 21:31:46.47 ID:NrPWEGVn0
- 1
- 606 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:35:40.47 ID:jdC9QLoi0
- 【職員室】
職員室といえば学校の先生が集まるところだけど……4階なんてこんな高いところにあって不便じゃないのかな?
職員室の中はいかにもといった感じで見慣れた感じの灰色のデスクが向き合う形でいくつも並んでいる。
灯織「凛世、何か発見はあった?」
凛世「はい、こちらなのですが……」
既に私たちより先に入室していた凛世は一冊のノートをその手に持っていた。
凛世「学級日誌、とか書かれております……」
めぐる「ってことはこの学校の先生がつけたクラスの観察記録?」
凛世「はい、そのようです……こちらの希望ヶ峰学園でお過ごしになられた学生方が、事細かに……」
灯織「ちょっと見てみてもいい?」
凛世からノートを受け取ると、パラパラと開いて目を通していく。
希望ヶ峰学園、はるか昔に廃校になったと聞いていた学校の当時の生き生きとした学生生活が綴られている。
……だけど、別に新たな手掛かりになるようなものはなく、文字通りただの学級日誌だという結論に至った。
灯織「うーん、結局学校は学校だもんね……」
めぐる「あ、でも楽しそうだったよね、このパレード!具体的には書いてなかったけど、学校でパレードなんてきっと文化祭が大賑わいだったんじゃないかな!?」
凛世「はい……皆揃っての凱旋、さぞや湧いたものかと思われます……」
灯織「そういえば、ここでもモノクマの言ってた『超高校級』っていうフレーズは何度も出てきてたよね」
めぐる「うん、『超高校級の割には普通の学生だ』とか『やっぱり超高校級はすごい』とか」
めぐる「でも、どういう意味なんだろう?わたしたちの才能とも関係してるのかな?」
灯織「この人たちと同じように『超高校級』のレッテルを貼ってモノクマは私たちに何をさせようとしてるんだろう……」
(聞き馴染みのないフレーズをこれほどまでに繰り返し目にしたり、耳にしたり……流石に気になっちゃうな)
【コンマ47】
【モノクマメダル7枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル枚数…113枚】
-------------------------------------------------
【残り選択肢が一つなので自動進行します】
【モノクマメダル獲得のためのコンマ判定を行います】
【直下レスの末尾で判定】
↓1
- 607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/23(日) 21:40:40.65 ID:FPJojhiXO
- あ
- 608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/23(日) 21:41:16.47 ID:NrPWEGVn0
- ほ
- 609 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:41:43.26 ID:jdC9QLoi0
- 【学園長室】
他の部屋に比べても重厚で厳格な雰囲気を漂わせる扉。明らかにこの部屋だけ様子が違う。
摩美々「あっ、開けようとしても無駄だよー」
灯織「摩美々さん……既にいらしてたんですか」
摩美々「私も開けようとしたけどダメ、完全に鍵がかけられてるんだよねー」
めぐる「えー、せっかく4階に行けるようになったばっかりなのにこんなのずるいよー!」
摩美々「あっ、無駄骨ついで言っておくと情報処理室も同じだよ」
めぐる「情報処理室……まだ行ってなかった!」
摩美々「あっちもロックがかかってたから」
摩美々「学校エリア一階の保健室みたいに後から解禁するつもりなんですかねー」
(後から解禁って……いつまでこの生活を続けさせるつもりなんだろう……)
【コンマ65】
【モノクマメダル5枚を獲得しました!】
【現在のモノクマメダル枚数…118枚】
-------------------------------------------------
- 610 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:43:09.37 ID:jdC9QLoi0
- 【食堂】
4階での探索を終えた私たちは食堂に戻り、報告会を開いた。
咲耶「さて、今回も調査結果を共有しようか」
雛菜「と言っても今回は鍵が閉まったままの部屋がありましたよね〜」
愛依「えっと、学園長室と情報処理室……だっけ?」
摩美々「学校について調べるのは自由、なんて言う割に制約かけてるのずるくなぁい?」
灯織「学園長室に情報処理室……どれも入室できれば核心に迫れそうな雰囲気があるんだけど……」
咲耶「だからこそだろうね、意図的に私たちに公開する情報を選んでいる」
凛世「モノクマさんはこの学校なら開場も施錠も思うがまま……」
凛世「凛世たちは、掌の上で踊らされる他ないのですね……」
摩美々「うざー」
モノクマ「え?!いまなんか聞こえたけど?!」
智代子「わ?!モノクマ?!」
モノクマ「ボクの流し目がセクシーな鋭さを醸し出していてエモいだって?!」
摩美々「しかも話全然聞いてないしー」
愛依「誰の話なんそれ……」
- 611 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:44:43.71 ID:jdC9QLoi0
-
モノクマ「まあ冗談はさておいて……蔭口は感心しませんな!」
灯織「か、蔭口?」
モノクマ「やれせっかく4階を解放したのに開いてない部屋があるだの、やれ情報統制してるだの、やれスーパーで割り箸を多めにもらってるだの」
モノクマ「あのねえ!最初っから全部明らかにしちゃったらつまらないでしょ!」
摩美々「最初なんていう段階はとっくに通り過ぎてると思うんですケド」
モノクマ「うぷぷぷ……まあ安心しなよ、いつかは必ず扉は開かれるからさ」
雛菜「そのいつかっていつになるんですかね〜」
凛世「期待は、できません……」
モノクマ「それとボクの名誉回復のために言っておくけど」
モノクマ「キミらのために必要な場合ならボクは鍵を開けてあげるからね!」
モノクマ「エリアの解放だとか、不法侵入のためだとかそんな不健全な目的ならダメだけど」
モノクマ「もしも鍵のかかった部屋の中で事件が起きてたりしたら、ボクは開けてあげるからさ!」
摩美々「要はこのコロシアイの円滑な進行のためなら、鍵は言われれば開けるってコト?」
(確かに……甘奈の事件の時にも個室の鍵をモノクマに開けてもらったっけ)
(事件に関係する場合なら解錠もするってことかな)
- 612 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:46:05.55 ID:jdC9QLoi0
-
モノクマ「そうだね、まあそういうわけなんであんまりボクの悪口は言わないように!」
めぐる「別に言ってるつもりなかったんだけどなー……」
摩美々「むしろ今図々しく現れたことに対して文句言いたい気分ですよー」
モノクマ「あんまり悪口言うとボクのヨロイモグラゴキブリ並みの心臓がドッキンドッキンしちゃうんだから!」
智代子「よ、よくわかんない例えだね……」
円香「……ご、ゴキ……!?」
雛菜「あは〜?」
咲耶「で、わざわざ言いにきたのはそれだったのかい?」
モノクマ「ん?あー、忘れてたいっけねいっけね」
モノクマ「ここまでオマエラが頑張ってきたからご褒美をあげようかなって!」
灯織「……ご褒美?」
摩美々「もしかして、次の動機ですかぁ?」
(……!?)
- 613 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/23(日) 21:47:20.02 ID:jdC9QLoi0
-
摩美々「霧子の一件があるんでモノクマからはできれば何ももらいたくないんですケド」
モノクマ「大丈夫、動機はまた別にしてあるからさ!今回のは文字通りのご褒美だよ!」
モノクマ「じゃじゃーん!これだよ、【思い出しライト】〜〜〜!!」
灯織「か、懐中電灯……?」
モノクマの手に握られていたのは持ち手が緑のやたら大きな懐中電灯。
こんなので照射されたら目も開けれなさそうだ。
智代子「ど、洞窟探検でもするの?」
モノクマ「そんな身構えなくても大丈夫だよ!これはただのプレゼントだからさ!」
愛依「いやいや、どうみてもただのプレゼントじゃないっしょ!それ普通の懐中電灯じゃなさそーだし!」
モノクマ「うだうだ言われても面倒なんで早速やっちゃいましょう、そーれ!」
咲耶「……っ?!みんな!見ないように……っ!」
間に合わなかった。
まぶたを下ろすより先にモノクマはボタンを押し終えていた。
……凄まじい閃光が一気に突き抜ける。
視界は真っ白に染まり……そして、一気に記憶が流れ込んできた。
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