このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください
【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】
- 479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/07(金) 23:11:46.15 ID:BWvcMS6/0
- あ
- 480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:11:53.85 ID:9n/vsLbw0
- ほい
- 481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:12:03.16 ID:8LfcFdPU0
- あ
- 482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:12:09.60 ID:GRxjmbzt0
- なんなんすかね、これ
- 483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:12:23.76 ID:fL7/g+S90
- とぉーう
- 484 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:14:58.54 ID:cxasTvtG0
- 【コンマ判定 4 34 15 85 16】
【スキル:意地っ張りサンセットの効果により値が+10されます】
【最終判定 14 44 25 100 26】
-------------------------------------------------
【パニックトークアクション開始!】
霧子「ふふ……♪」【残り防御力 16】
霧子「灯織ちゃんは面白いなぁ……♪」【BREAK!】
霧子「なんで……なんで……?」【防御力 15】
霧子「許してよ……」【防御力 BREAK!】
霧子「すっごく、素敵だね……!」【防御力 24】
(あと少し……!)
(霧子さんに、絶対的な証拠を叩きつけてやるんだ……!)
【盾の防御力をコンマで削り取れ!】
【スキル:意地っ張りサンセットの効果でコンマ値が+10されます】
↓直下より3回連続でコンマ判定
-------------------------------------------------
- 485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:15:33.50 ID:PYkdH0YJ0
- こんどこそ
- 486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/07(金) 23:15:41.84 ID:BWvcMS6/0
- か
- 487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/07(金) 23:15:57.47 ID:X0SekZAS0
- h
- 488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:17:37.94 ID:GRxjmbzt0
- たのむっす!
- 489 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:20:04.30 ID:cxasTvtG0
-
灯織「理論武装を、打ち破る……!!」
霧子「きゃああああああ…………!!」
【ALL BREAK!!】
-------------------------------------------------
【霧子「わたしが手足を縛られてなかった証拠なんてどこにもないよね……♪」】
てく/ざ/のあ/び
【正しい順番に並び替えて、コンマ値60以上でぶつけろ!】
【スキル:意地っ張りサンセットの効果が発動します】
【コンマの値が+10されます】
↓1
-------------------------------------------------
- 490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/07(金) 23:21:56.61 ID:X0SekZAS0
- てくびのあざ
- 491 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:23:07.43 ID:cxasTvtG0
-
灯織「これで終わりです!」
【BREAK!】
灯織「チョコ、愛依さん、凛世……力を貸してもらえるかな」
智代子「え、ええっ……?」
愛依「う、うちらはなんも知んないよ?!」
灯織「大丈夫です、ちょっと両腕を前に突き出してくれるだけでいいんです。見たいのは……手首ですから」
霧子「……!?」
愛依「えっと……こんなカンジでいいの?」
裁判場で三人が手首を突き出す。
どれもアイドルらしい華奢な美しいラインの白魚のような手が並ぶ中、
ひときわ目を引く、共通の一つの痕跡があった。
咲耶「こ、これは……」
雛菜「痛そ〜、大丈夫ですか〜?」
そこには、リング状の鬱血したような痣が刻まれていた。
凛世「これは……監禁された際の麻縄の痕、でございますね……」
灯織「そう……みんなを縛っていたあの縄は相当強めに結ばれていた……それこそ体に食い込むほどにね」
愛依「必死に解こうとしたんだけどマジで一ミリも緩ませらんなかったんだよね!そりゃこんだけの痕にもなるわ!」
智代子「うぅ……意識したら急に痛くなってきちゃった」
円香「……その痛みが証拠になるってわけ?」
灯織「はい……霧子さんも縛られていたのなら、その証拠が皆さん同様くっきりと浮かび上がっているはずです」
灯織「見せてもらえますか?霧子さんの手首を……」
- 492 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:23:52.26 ID:cxasTvtG0
-
霧子「……」
霧子「……ごめんね、灯織ちゃん」
- 493 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:24:44.00 ID:cxasTvtG0
-
灯織「……えっ?」
霧子「それは……嫌だなぁ……」
霧子「あのね、わたし不審者さんに襲われちゃったときに、両肩を怪我しちゃったんだ……だから、両腕とも上に上がらなくて……」
灯織「い、いい加減にして下さい!そんな主張が通るとでも……!?」
霧子「……通るんだ」
(……!?)
霧子「ねえ、摩美々ちゃん……わたし、肩が痛いし、両腕をみんなに見せるの……ちょっと嫌だな……」
灯織「な、なにを……?」
摩美々「……」
摩美々「霧子、無理しなくていいから」
灯織「ま、摩美々さん……?!」
- 494 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:25:42.97 ID:cxasTvtG0
-
霧子「咲耶さん、灯織ちゃんが言ってることってあくまで可能性だよね……?」
咲耶「……ああ、手首の痕跡だって、体質的な差異があるかもしれない」
灯織「さ、咲耶さん……?」
霧子「円香ちゃん、今回の事件のクロって誰だったっけ……?」
円香「……私」
灯織「……ひ、樋口さん?!」
霧子「凛世ちゃん、甜花ちゃんは事件の時も確かに生きてたよね……?」
凛世「はい、確かに声を聴きました……」
灯織「り、凛世まで……?!」
凛世「灯織さん……凛世は、霧子さんが犯人だとは未だ思えません……」
凛世「あんなに献身的に介抱なさっていた霧子さんが、嘘だなんて……そんなこと、信じられません……」
(凛世は特に今回の事件で霧子さんの近くにいた人間……)
(甜花さんの死亡時刻を誤認させたトリックを解明できていない現状、凛世の目には霧子さんの方が信頼性を持って見えている……!)
霧子「ふふふ……♪みんな、優しいな……」
霧子「すごく心がポカポカして……あったかくて……」
霧子「すっごく……素敵だね……!」
(だ、ダメだ……確かに追い詰めたはずなのに……)
(摩美々さん、咲耶さん、樋口さん、凛世……これに霧子さんを合算すれば5人)
(今生き残っている半数を霧子さん陣営が確保している……このままじゃ、【投票で負けてしまう】可能性がある……!?)
- 495 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:26:56.66 ID:cxasTvtG0
-
めぐる「なんで……?どう考えても霧子が犯人なのに……!」
雛菜「積み重ねた信頼ってことですかね〜……」
愛依「で、でも命が懸かってるんだよね?!と、投票するしかないっしょ?!」
智代子「わたしは気持ちがわかるな……」
愛依「ちょ、チョコちゃん……」
智代子「わたし、前回の事件で樹里ちゃんに投票できなかったんだ……」
智代子「結局多数決で結果自体は正解だったけど……それだけ友達に、特にユニットの仲間に票を入れるって辛いことだと思うから……」
めぐる「……うん」
(……そう、今の摩美々さんと咲耶さんは真乃の時の私と同じ)
(頭ではわかっているのに、それを受け入れることができない)
灯織「摩美々さん……真乃の時、あなたは私の手で犯人として真乃を指摘させようとしましたよね」
摩美々「……」
灯織「真実に向き合う覚悟……それを教えてくれたのはあなたですよね?!なら、霧子さんにもしっかり向き合ってください……!」
摩美々「……黙っててよ」
灯織「ま、摩美々さん……」
摩美々「霧子が犯人だなんて、そんなの……そんなの……最悪だから」
霧子「摩美々ちゃん……わたし、摩美々ちゃんのこと、大好きだよ……♪」
灯織「き、霧子さんは黙っててもらえますか?!」
(くっ……こんなの、いったいどうすれば……?)
- 496 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:28:48.39 ID:cxasTvtG0
-
モノクマ「……おやおや?」
モノクマ「おやおやおやおや?」
めぐる「モノクマ、今はこっちは取り込み中だよ!?」
モノクマ「これって真っ二つだ。すごく真っ二つだ。意見が真っ二つなんだ」
モノクマ「意見が……【対立】してるんだ」
- 497 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:29:56.68 ID:cxasTvtG0
-
灯織「それが何か……?今は票を集めるので忙しいんですが!?」
モノクマ「だからだよ、だからこそ……意見と意見をぶつけ合う必要があるよね?」
何をまた急に変なことを言い出すんだ、そう憤ろうとした瞬間だった。
モノクマはどこからともなく一つのカギを取り出したかと思うと、すぐに目の前の装置に差し込んだ。
モノクマ「うぷぷぷ……いいねえ、やっとその時が来たんだね……」
モノクマ「クライマックスにもってこいの状況……いいでしょう、それなら正々堂々、雌雄を決してもらおうじゃないですか!」
モノクマ「_______【議論スクラム】で!」
-------------------------------------------------
これより議論スクラムが開始いたします。
これまでのミニゲームとは異なり、一対一の対決ではなく多対多の対決となります。
敵方のスクラムから、その核となる【キーワード】を読み取り、それに適切な【意見】をぶつけることが目的となります。
その後は皆さんの力を合わせ、スクラム同士の正面衝突……例のごとくコンマ値対決です。
一定の合計値に到達すれば無事【全論破】、ビクトリーとなります。
……健闘を祈ります。
-------------------------------------------------
- 498 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:31:52.44 ID:cxasTvtG0
-
【意見対立】
【議論スクラム開始!】
〖幽谷霧子は犯人じゃない!〗vs【幽谷霧子は犯人だ!】
霧子〖わたしは体育館で縛られてたんだから犯行は無理なんだよ……〗
咲耶〖灯織の主張はどれも可能性の域に留まっている……そんなものは、信用ならないね!〗
円香〖私が甜花も甘奈も殺害したんです、私が不審者だったんですから〗
凛世〖甜花さんの死亡時刻を誤認させたトリックがいまだ明らかになっていないはずです……〗
霧子〖ふふふふ……♪信頼があるから、みんなは私に票を入れられないんだ……〗
摩美々〖霧子を犯人として選ぶなんて……そんなの最悪〗
-------------------------------------------------
意見スロット
【不審者】
【拘束】
【最悪】
【トリック】
【可能性】
【信頼】
-------------------------------------------------
【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】
↓1
- 499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:35:49.77 ID:PYkdH0YJ0
- 【拘束】
【可能性】
【不審者】
【トリック】
【信頼】
【最悪】
- 500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/07(金) 23:35:57.53 ID:BWvcMS6/0
- 拘束
可能性
不審者
トリック
信頼
最悪
- 501 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:40:01.68 ID:cxasTvtG0
- -------------------------------------------------
【COMPLETE!!】
霧子〖わたしは体育館で縛られてたんだから犯行は無理なんだよ……〗
【灯織「愛依さん!」
愛依「霧子ちゃん……拘束されてたなら、ちゃんと手首を見せてよ……そうじゃないとうちは信用できないよ!」】
咲耶〖灯織の主張はどれも可能性の域に留まっている……そんなものは、信用ならないね!〗
【灯織「めぐる!」
めぐる「確かに可能性だけど……ここまで可能性が重なればそれはもう必然だよ!」】
円香〖私が甜花も甘奈も殺害したんです、私が不審者だったんですから〗
【灯織「チョコ!」
智代子「二人の不審者……そのどちらも犯行はしていないって話になってたよね?!」】
凛世〖甜花さんの死亡時刻を誤認させたトリックがいまだ明らかになっていないはずです……〗
【灯織「ここは私が!」
灯織「確かに今はトリックはわからない……けど、それも推理から導き出せるはずだよ」】
霧子〖ふふふふ……♪信頼があるから、みんなは私に票を入れられないんだ……〗
【灯織「市川さん!」
雛菜「その信頼を目の前で踏みにじってるんですけど、お友達はどう思ってるんですかね〜?」】
摩美々〖霧子を犯人として選ぶなんて……そんなの最悪〗
【灯織「ここは私が!」
灯織「最悪がなんだっていうんですか……そこから前に進む勇気を教えてくれたのは摩美々さんじゃないですか……!」】
-------------------------------------------------
【CROUCH BIND】
【SET!】
【コンマの合計値200以上で相手のスクラムを打ち破れ!】
※スキル:意地っ張りサンセットの効果は対象外です
↓直下より六回連続でコンマ判定
-------------------------------------------------
- 502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/07(金) 23:41:52.73 ID:X0SekZAS0
- ふん
- 503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:42:20.08 ID:/jz4vJNK0
- むんっ
- 504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:42:24.46 ID:BWvcMS6/0
- A
- 505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:42:28.73 ID:PYkdH0YJ0
- やあ
- 506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/07(金) 23:42:37.31 ID:X0SekZAS0
- ナンバーワン!
- 507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:42:46.44 ID:8LfcFdPU0
- あ
- 508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:43:12.35 ID:9n/vsLbw0
- 雛菜の威圧感ぱねぇ
- 509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:43:19.94 ID:fL7/g+S90
- Fooooo
- 510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:43:55.32 ID:GRxjmbzt0
- ほわっ
- 511 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:45:59.41 ID:cxasTvtG0
- 【73+8+46+73+31+44】
【合計値275】
「「「「「「これが私たちの答えだよ!」」」」」」
【全論破】
【BREAK!】
-------------------------------------------------
灯織「ここまでの議論で、既に霧子さんの事件への関与は疑いようのないものになったはずです!あとは、皆さんが前に進む勇気を出すだけ……」
灯織「お願いです……!私を信じて、一歩を踏み出してくれませんか……!」
霧子「ふふふふ……♪ダメだよ灯織ちゃん、そんなの届かな……」
摩美々「……ごめん、灯織」
霧子「ほら、摩美々ちゃんはよくわかってるなぁ……」
摩美々「私らしくなかったですよねー」
霧子「……え?」
摩美々「こんなんじゃ灯織にからかわれちゃいますよねー、悪い子らしくないって」
霧子「ま、摩美々ちゃん……?」
摩美々「……進むしかない、そんなの分かってたはずなんですけどねー」
霧子「ま、待って……さ、咲耶さん……!」
咲耶「霧子……私は、今でも霧子のことを信じたい……」
咲耶「でも、霧子と同じくらい……今ここにいるみんなのことも信じているんだ……!だから、彼女たちを裏切るようなことは、私には……できない」
霧子「り、凛世ちゃん……」
凛世「凛世も、真実を追う皆様と共に……歩ませてくださいませ……」
円香「……私はどっちにもつかないから」
- 512 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:46:51.46 ID:cxasTvtG0
-
霧子「……」
霧子「ふふ……♪」
霧子「ふふふふ……♪」
霧子「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……♪」
灯織「霧子さん……」
霧子「認めないよ……?」
めぐる「き、霧子……もう裁判の決着は……!」
霧子「終わってない!」
灯織「……っ!」
霧子「だってまだ甜花ちゃんの死亡時刻ははっきりしてないよね?それなのに投票なんて、ダメだよ?ちゃんとルールは守らないと……ね、モノクマさん」
モノクマ「え?……うーん、まあどっちでもいいのが本音だけど」
モノクマ「そこのトリックを明らかにしないと気持ち悪いのは事実だよね!親知らずを抜いた後の口内環境ぐらいには気持ち悪いよね!」
霧子「ねえ、灯織ちゃん……本当の意味での決着をつけようよ……」
霧子「多数決なんかじゃ、つまんないよね……?」
(霧子さん……あくまでそのトリックを明らかにしない限りは認めないつもりだ)
- 513 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:47:50.79 ID:cxasTvtG0
-
咲耶「灯織……私からもお願いだ、霧子の頼みを聞いてもらえないかい?」
灯織「咲耶さん……」
咲耶「私はアンティーカの白瀬咲耶なんだ……」
咲耶「同じアンティーカの仲間がもし犯行に及んでいたのなら、そのすべてを知りたい……そう思うのは傲慢なことかな?」
灯織「……いえ、むしろ控えめなくらいです」
摩美々「灯織、手伝うよ」
摩美々「この事件の最後のピース……甜花を生きていると思わせたトリックをみんなで考え出そうよー」
めぐる「うん!それが甜花と甘奈……そして、霧子のためになる!」
愛依「おっし、そんならうちもヒトハダ脱いじゃうよ!」
凛世「ともに真実を、明らかにいたしましょう……」
智代子「みんなで考えれば、きっとわかるよね!」
雛菜「あは〜、あと一歩ですね〜」
円香「……」
灯織「……行きましょう、みなさん!」
霧子「ふふふふ……♪」
霧子「ねえ、灯織ちゃん……わたしと勝負、してくれるよね……?」
【霧子「スタットコール……♪」】反論!
- 514 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:48:59.83 ID:cxasTvtG0
-
霧子「わたしは絶対に認めないよ……?」
霧子「今回の事件を灯織ちゃんの推理で成立させるなら欠かせない最後の要素……」
霧子「甜花ちゃんの死亡時間を誤認させたトリック、それを聞かせてもらわないと……」
霧子「ねえ、勝負しようよ……灯織ちゃん……!」
-------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】
コトノハ
‣【モノクマファイル3】
‣【ストップウォッチ】
‣【モノクマの動機】
‣【不審者の目撃情報】
‣【甘奈の遺書】
‣【輸血パック】
霧子「甜花ちゃんは事件以前にすでに亡くなっていた……?」
霧子「そんな主張通らないよね……」
霧子「わたしはずっと看病していたし、みんなも夜にお見舞いをしてくれた……」
霧子「それに事件当日、甘奈ちゃんも話をしたし……」
霧子「凛世ちゃんも事件中に声を聴いたよね……」
-------------------------------------------------
【発展!】
凛世「凛世が聞いたのは声だけ、もしもトリックが実現可能ならば……」
智代子「死亡時刻の誤認は現実になるんだよ!」
円香「……そうかもね」
-------------------------------------------------
- 515 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:49:53.48 ID:cxasTvtG0
-
霧子「じゃあそのトリックって……?」
霧子「輸血パック、湯たんぽ……これを使えば事件中に死んだように見せかけられる」
霧子「そうかもしれないけど……事件当時に使った証拠はないよね」
霧子「だって、あくまで可能性だよね?」
-------------------------------------------------
【発展!】
咲耶「可能性に過ぎない、私もそう思っていたけど……ここまで重なるとその限りじゃない」
摩美々「むしろその道具はどれも霧子だから使用できたものだよー」
雛菜「可能性が別の新しい可能性を示しちゃってますよね〜」
-------------------------------------------------
霧子「でも、結局のところ根底が解決できてないよね……?」
霧子「甜花ちゃんが死んでいたなんてありえない」
霧子「一体どんな方法で誤認させたっていうの……?」
霧子「もう……許してよ……」
- 516 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:50:48.17 ID:cxasTvtG0
- -------------------------------------------------
【発展!】
愛依「要は甜花ちゃんの声だけ再現できればいいんだよね?」
めぐる「ってことは甜花の声を録音や再生ができるようなものがあればいいよね……」
灯織(甜花さんの声を録音、再生……?)
灯織(そんなことができるものなんて……)
摩美々「私たちの知らないだけで、そんなものがあったのかもしれないよー」
摩美々「灯織、常識を疑うところから始めるんだよー」
摩美々「麻縄で縛られた痕みたいに、無から有を生み出してみよー」
灯織(無から、有……!)
-------------------------------------------------
霧子「何言ってるの……?」
霧子「甜花ちゃんの声を録音、再生……?」
霧子「そんなことができるものなんて、この学校にはないよ?」
霧子「【そんな機械が存在しない以上は、推理をするだけ無駄】なんだよ……!」
霧子「わかって、くれるよね……?」
【矛盾する発言を正しいコトノハでコンマ60以上で論破しろ!】
↓1
-------------------------------------------------
- 517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:53:47.52 ID:k1kGRJ2n0
- 【そんな機械が存在しない以上は、推理をするだけ無駄】に【モノクマの動機】
- 518 :これが最後の安価です ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/07(金) 23:56:53.89 ID:cxasTvtG0
- 【コンマ判定52】
【スキル:意地っ張りサンセットの効果により値が+10されます】
【最終判定62】
-------------------------------------------------
灯織「このひと振りに、私のすべてを!」
【BREAK!】
灯織「そうか……わかった、わかりましたよ皆さん!」
智代子「ほ、ほんとに?!ほんとに……甜花ちゃんの死亡時刻を誤認させる道具があったの?!」
灯織「うん、でもこれに気づけなかったのは無理もないよ……だって、私たちはそれをついこの前まで知らなかったから」
めぐる「灯織、それって……?」
灯織「今回の、モノクマの動機を思い出してください……」
愛依「今回って確か……才能に応じたプレゼント、だったよね?!」
霧子「……!!」
咲耶「でも確か、霧子がもらったのは【注射器】じゃなかったかい?」
灯織「はい……霧子さんでは、そんな録音や再生をする道具はイメージにそぐわないですし、プレゼントとしてもらった可能性はないと思います」
灯織「ですが、霧子さん以外なら……その限りではありません!」
めぐる「それって……誰のこと?!」
(見えて来た……霧子さんが使った、死亡時刻を誤認させたトリック)
(その最後のピース、録音再生機能付きの機械を持っていた人物は……あの人だ)
【正しい人物を指摘しろ!】
↓1
- 519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:57:53.06 ID:PYkdH0YJ0
- 円香
- 520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/07(金) 23:59:23.00 ID:k1kGRJ2n0
- 樋口円香
- 521 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:02:48.73 ID:z5jSFR/T0
-
灯織「樋口さん、あなたじゃないですか?」
円香「……その、この流れでいうのは流石に私でも心苦しいんだけど」
円香「私じゃ、ない……」
灯織「……え?」
円香「……もう、どうせここから覆しようはないから助言するけど」
円香「この【録音再生できる機械】は霧子にしか入手不可能だった道具」
円香「しかもそれを、灯織たちは自分の目で確認している」
円香「……後は好きにして」
灯織(そうだ、これは推理の決め手……霧子さんにしか、犯行が不可能だったことを示さないと……!)
(見えて来た……霧子さんが使った、死亡時刻を誤認させたトリック)
(その最後のピース、録音再生機能付きの機械を持っていた人物は……あの人だ)
【正しい人物を指摘しろ!】
↓1
- 522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:07:46.19 ID:KMhGbtUn0
- 甜花
- 523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:07:48.30 ID:MDOmxO4v0
- 甜花ちゃん
- 524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:07:49.44 ID:lRSLOrgC0
- 甜花
- 525 :これにて安価コンマは終了です、お疲れ様でした。 ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:09:48.93 ID:z5jSFR/T0
-
灯織「あなたしか、いません……!」
【解!】
灯織「被害者の甜花さん、ですよ……!」
愛依「甜花ちゃん?!」
咲耶「甜花がもらったのはゲームの詰め合わせ、だったよね?」
咲耶「……まさか」
灯織「甜花さん自身も言ってましたよね?病室に持ち込んでいたあの携帯機」
灯織「あれにはソフトをプレイするほかに、カメラ撮影機能、インターネット機能、そして……音声加工機能も備わっていたはずです」
凛世「ということは、凛世が聞いた甜花さんの声は……」
灯織「あのゲーム機で録音したものだった可能性があります!」
霧子「……な、なんで……」
灯織「そしてそれが可能だったのもまた、病室でつきっきりだった霧子さんだけ……」
霧子「……なんでなんでなんで」
灯織「ゲーム機に触るチャンスがあったのも、霧子さんだけです!」
霧子「なんでなんでなんでなんでなんで……!?」
摩美々「甘奈と凛世が甜花の声を聴いた時も、必ずそこには霧子がいた……」
摩美々「タイミングを見計らって音を鳴らせば不可能ではない、のかもねー」
めぐる「甜花は病気でまともに会話もできてなかったし……違和感を感じてもそこを追及はしなかったはずだもんね!」
灯織「どうでしょう……霧子さん」
灯織「これが私たちの結論です!」
霧子「……」
- 526 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:10:34.05 ID:z5jSFR/T0
-
霧子「はぁ……つまんないなぁ……」
霧子?「結局最後はみんな、わたしのこといじめちゃうんだね……」
霧子?「そんなの、すっごくずるい……ずるいよ……」
摩美々「認めたってことでいいわけー?」
霧子?「……まだだよ」
愛依「ま、まだ粘んの?!」
霧子?「だって……寂しいから……こんな形でお別れなんて、すごく悲しいから……」
霧子?「いじめられて終わりなんてそんなの……だめだよ……」
灯織「……わかりました」
灯織「それなら、この事件を最初っからすべて振り返って正面から霧子さんにぶつける……」
灯織「それで納得してもらうほか、ありません……!」
- 527 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:11:37.11 ID:z5jSFR/T0
- 【クライマックス推理開始!】
【act.1】
灯織「今回の事件は、私たちが思っていた以上に複雑なものでした……時間差トリック、劇場型殺人、拉致監禁……そんな複数の要素が複雑に絡み合っていたんです。それを可能にしたのが共犯者の存在……今回の犯人は実質的に3人だったんです」
灯織「一人目の共犯者は、メリットでつながる関係性の樋口さん。彼女は小糸の裁判以降私たち全員死んでしまえばいいという破滅思想に取りつかれてしまっています……彼女を事件に抱き込むことはおそらく容易だったんじゃないでしょうか。実際、樋口さんはかなり精力的に犯人の味方として活動していましたからね」
灯織「そして二人目の共犯者は、デメリットでつながる関係性の甘奈。彼女は犯人によって脅されて、無理やり犯行の片棒を担がされたんです。『お前の命運を握っている』脅し文句のその文言は……今思えば甜花さんのことを指していたのかもしれません。どうあれ、彼女は不本意な形で協力することになり、そして殺されてしまったんです」
【act.2】
灯織「事件はおそらく昨晩のうちから動き出していたんです。私たち全員で看病のために保健室を訪れた後、霧子さんは甜花さんをその場で殺害……本当のタイミングがいつかまではわかりませんが、すでにここで死亡時刻の誤認は始まっていたんです」
灯織「そのために犯人が使ったのは甜花さんがモノクマから受け取ったゲーム機。あれはこの学園で唯一、録音再生機能があった機械です。看病で甜花さんにつきっきりだった犯人は、それを手にするチャンスに恵まれていました。朝の甘奈の訪問も、ゲーム機を使って、甜花さんの声を再生、簡単なやり取りを終えてやりすごしたんです」
灯織「……このとき、すでに甘奈の近くに甜花さんの死体はあったんだと思います」
- 528 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:13:21.43 ID:z5jSFR/T0
-
【act.3】
灯織「事件が本格的に動き出したのは昼になってから。犯人にそそのかされ共犯者になった甘奈がまず最初に凛世を襲いました。手には彫刻刀を握りしめ、デビ太郎の着ぐるみにその姿を変えたかなり異様な光景ですが、それをばっちり凛世は撮影していました」
灯織「凛世の悲鳴を聞いて現場に駆け付けた私たちはそのまま保健室へ。犯人のもとに凛世を引き渡すと、犯人の証言で甘奈が上の階に行ったと私たちは知ることになり、そのまま上の階で捜索活動を開始します。ただ、この時の証言もおそらく嘘だったんでしょうね」
灯織「まんまと私たちを誘導した後は不審者二人がついに動き出します。まずは1階に潜んだままだった甘奈が保健室を襲撃、凛世を気絶させそのまま体育館に連れて行き、チョコと愛依さんと一緒に監禁状態にしたんです。この時、犯人も協力していたものと思われます。凛世の目の前で気絶した振りさえすれば疑いをかけられることもありません」
灯織「甘奈が殺されたのは、おそらくこのタイミングではないでしょうか?凛世さえ運んでしまえば後は犯人の計画自体には必要ないものとなってしまう……甘奈は突然裏切られた形になったんです」
灯織「そして犯人は保健室のカーテン幕に隠しておいた甜花さんの死体を見つけやすいところに運搬、輸血パックを開封して血を新しいもので上書き、ずっと持たせていた湯たんぽを隠すことでつい先ほどに殺されたものだと私たちに思わせたんです」
- 529 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:14:32.88 ID:z5jSFR/T0
- 【act.4】
灯織「あとはストップウォッチの音を合図にもう一人の不審者、樋口さんが一階まで一気に駆け下ります。咲耶さんにその際目撃されましたが、むしろ目論見通りだったんでしょうね」
灯織「樋口さんはそのまま保健室に入ることすらなく、1-B教室まで逃走。着ぐるみをロッカーに押し込んだ後は、死体を発見し驚愕している私たちに合流したんです」
【act.5】
灯織「樋口さんはそのまま言葉巧みに私たちを再度上の階に誘導。それを確認した犯人は今度は保健室に甘奈の死体を持っていき、あとは体育館で待機。あたかも他の三人と同じく拘束されていた風を装ったんです」
灯織「樋口さんの虚偽の目撃情報で保健室に再度戻った私たちはそこで甘奈の死体を発見。その手に握られていた遺書と格好もあいまって、私たちは彼女が甜花さんを殺害した末に自責の念に駆られて自殺したと思わされたんです……」
灯織「複数の人間を操り、私たちに間違った事件のイメージに抱かせ続けた、その犯人は……」
灯織「幽谷霧子、あなただったんです……!」
【COMPLETE!】
- 530 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:16:30.86 ID:z5jSFR/T0
-
灯織「……これで、文句はない……ですよね?」
霧子?「……」
霧子?「……あーあ、終わっちゃった」
霧子?「でも、これでいいんだよね……これで、あの人も頑張ったって褒めてくれるよね……」
めぐる「な、何を言ってるの……?」
霧子?「ふふ……♪ふふふ……♪そんなの、もうどうだっていいよ……」
霧子?「これで本当に、終わりなんだから……」
咲耶「……霧子」
摩美々「ホント、最悪ぅ」
モノクマ「ふぅ……終わったみたいですね!往生際が悪いんだからなぁ、もう!」
モノクマ「それではオマエラはお手元のスイッチで、犯人と思う生徒に投票してください!」
モノクマ「裁判の結果導き出したクロは正解なのか、不正解なのかー!さあ、どっちなんでしょうかね?」
- 531 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:17:25.23 ID:z5jSFR/T0
- -------------------------------------------------
【VOTE】
〔霧子〕〔霧子〕〔霧子〕
CONGRATULATIONS!!!!
パッパラー!!!
-------------------------------------------------
- 532 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:17:56.33 ID:z5jSFR/T0
-
【学級裁判 閉廷!】
- 533 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 00:21:19.53 ID:z5jSFR/T0
- というわけで学級裁判完走しちゃいました。
長丁場のお付き合いありがとうございました。
二章の際に議論スクラムの話も出てたので今回試験的に取り入れてみたのですが、今後はもっと推理の中核で取り入れたいですね。
スクラム→全員で反論の流れは個人的に気に入っているのでこれはこれでアリですが。
次回は5/8 22:00〜予定。
裁判終了パート、おしおき〜3章終結までです。
霧子が豹変した理由などについても説明を用意しているのでどうか最後までお付き合いください。
それではお疲れ様でした。
- 534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:22:43.87 ID:VZ+n1py60
- 乙です
物語の背景が見えてきそうですね
- 535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:24:12.00 ID:Sti9mB090
- お疲れ様でした
- 536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:25:21.34 ID:aX9OEbaF0
- おつー
樋口はシリアルキラーというよりは狛枝のポジションか
- 537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 00:48:51.77 ID:xtNWj6zc0
- お疲れ様です
これでストレイ(愛依)以外のユニットは全部歯抜けか…
- 538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 10:38:05.30 ID:eqrldlM40
- これ朝の最後の自由時間の時に甘奈選んでたら甜花の情報聞けたのかね?
というより切子のやってること本家よりエグいんだが
- 539 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:03:05.71 ID:z5jSFR/T0
- >>538
行動でシナリオ変動などはないので、甜花に関する情報はどのみちになってましたね
それでは3章終了まで一気に投稿します。よろしくお願いします。
- 540 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:04:18.42 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「というわけで……またまた大正解!異常なまでに仲のいい姉妹である大崎姉妹をぶち殺したのは……」
モノクマ「これもまた異常なまでに献身的な幽谷霧子さんなのでしたー!!」
霧子「ふふ……♪」
めぐる「霧子!どうしてまだ……そんな風に笑ってるの……?」
めぐる「それじゃあまるで霧子が……殺したくて殺したみたいじゃん……」
愛依「め、めぐるちゃん……?」
めぐる「だってそうでしょ?!わたしたちはみんな仲良しで……誰も友だちを殺そうなんて考える人もいないはずなのに……!」
めぐる「どうして霧子はこんな状況でもニコニコできるの?!」
霧子「ふふ、そんなのどうでもいいんじゃないかな……」
霧子「ほら、みんなも笑おうよ……その方がもっと幸せだよ……?」
雛菜「ブーブー!そんなしあわせは雛菜の思うしあわせじゃな〜い!」
円香「……はぁ、共犯の話を持ちかけられた時からだけど、やっぱりぶっ飛んでる」
灯織「ひ、樋口さん……」
円香「言っとくと、霧子は動機提供のあった日からずっとこうだから」
円香「あなたたちの前ではいつも通りの【幽谷霧子】を演じてたみたいだけどね」
咲耶「……っ!?」
- 541 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:06:11.56 ID:z5jSFR/T0
- ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【円香の部屋】
ピンポーン
円香「……何?」
霧子「あ、円香ちゃん……こんばんは」
円香「何かの説得に駆り出された?大変だね、でも同情はしないから」
霧子「ううん……違うんだ、ちょっとお話ししたくて……」
円香「用件だけ話して」
霧子「ごめんね、他の人にあんまり聞かれたくないから……お部屋の中で……ダメかな?」
円香「……」
円香「わかった、入って」
事件を自ら撹乱したり殺害宣言したりするような人間の部屋に普通わざわざ飛び込んでくる?
私は一定の警戒心を抱きながらも霧子を部屋に受け入れた。
- 542 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:08:04.58 ID:z5jSFR/T0
- 霧子「……あの……えっとね……」
円香「……何なの?」
霧子「円香ちゃんは、まだみんなに死んで欲しいって思ってるの……?」
円香「そうだけど?」
霧子「……強い意志なんだね」
円香「私はただ絆なんて詭弁で仲良しごっこをするくせに、簡単に仲間を裏切る偽善者たちが許せないだけ」
円香「透も小糸も……あの人たちのせいで死んだから」
霧子「ふふ……♪」
円香「は?」
円香「何笑ってるの……あなた、バカにしに来たんですか?」
円香「ここに来るってことは覚悟決めてるんでしょ?……殺されたいわけ?」
霧子「ううん、違うの……わたしと円香ちゃん、一緒なんだなって思って……」
円香「一緒……?」
霧子「わたしもね、みんなに死んでほしいんだ……!」
円香「……は?」
霧子「みんなを救ってあげたいの……こんな残酷で苦しい学園生活を送るくらいなら……」
霧子「はやく解放して【愛】に満ちた天国で過ごしてほしいなって……」
霧子「ほら、そうすれば真乃ちゃんも透ちゃんも小糸ちゃんも樹里ちゃんも寂しくないよね……?」
霧子「ねえ、円香ちゃんはそう思わない……?」
変わり果てた霧子の姿に私はこう思ったの。
……使える、ってね。
- 543 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:09:00.56 ID:z5jSFR/T0
- ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
円香「だってそうじゃない?警戒されきっている私自身が手を下すより、無警戒……むしろ信頼すらされてる霧子が手を下した方が効果的でしょ?」
愛依「そんなことが聞きたいんじゃないよ!」
霧子「ふふ……そんなに怒らないでよ……」
咲耶「……ねえ、モノクマ」
モノクマ「ん?」
咲耶「……あなたは霧子に何をしたのかな?」
(……!?)
モノクマ「なにそれ、どういう意味?」
咲耶「言葉の通りさ……こんな殺人に手を染めるような……いや、そもそもあんな話し方をするような霧子を私は知らない……」
咲耶「あたかも別人に変わってしまったような、そんな印象を受けてしまうんだ」
霧子「咲耶さん、ひどいなぁ……わたしはわたしだよ……?」
咲耶「……っ!」
咲耶「霧子は、そんな猫なで声で擦り寄るような真似はしないんだ……っ!」
- 544 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:10:55.80 ID:z5jSFR/T0
-
摩美々「モノクマ、わたしたちにはそれを知る権利があるよねー?」
摩美々「学級裁判はしっかりやり終えて、真相を突き止めた。これでもまだ足りないー?」
モノクマ「はぁ……ぐちぐちうるさいなぁ、オマエラって友達が夏休みのうちにイメチェンしたらそれを問い詰めちゃうタイプ?」
モノクマ「いいじゃんね、ちょっとぐらいイメチェンしても。むしろそれを察して接するべきじゃんね!」
咲耶「答えてくれ、モノクマ!」
モノクマ「はい、いじりました」
咲耶「……なんだって?」
モノクマ「だから、ボクは確かに幽谷さんを少しだけ……ほんの少しだけいじったよ」
凛世「いじる、とは……?」
愛依「霧子ちゃんはおもちゃじゃないよ?!」
モノクマ「ボクとしてはね、そんな悪いことをしたつもりもないよ?むしろいいことをした気分さ」
灯織「い、いいこと……?」
モノクマ「オマエラも覚えてるよね?今回の動機」
智代子「覚えてるもなにも……霧子ちゃんが事件のトリックで使ったのも甜花ちゃんに渡された動機だったんだよ?!」
- 545 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:12:40.95 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「そう、ボクはオマエラ全員に才能に応じたアイテムをプレゼントしました」
円香「……」
モノクマ「誰一人例外なくね、そこのボッチの樋口さんにもディベートが充実するようにストップウォッチを渡してあげたんだ!」
(あのストップウォッチ……確かに見覚えのないものだったけど、樋口さんのものだったんだ)
モノクマ「でもね、ただ一人渡すのに困った人がいてね」
摩美々「それが……霧子?」
灯織「待ってください!確か霧子さんは食堂では……注射器をもらったと言っていましたよ?!」
モノクマ「幽谷さん、あんた嘘つきだね」
霧子「ふふ……バレちゃった……♪」
灯織「……!?」
モノクマ「考えてもみなよ!あの段階ですでに保健室は解放されてた……」
モノクマ「あそこにはオマエラ自身でもなんとかなるぐらいにはひとしきりの医療グッズは取り揃えておいたんだ!」
咲耶「そうだ……私も探索の時に確認したんだったね」
摩美々「……!」
摩美々「あのとき、すでに注射器は目撃してる……?!」
霧子「ふふ……♪」
モノクマ「そういうこと、超高校級の保健委員である彼女のために新しく用意するものが思いつかなくってね!」
霧子さんの才能に応じたアイテムはすでに学園内に存在している。
私の水晶玉のように新しくモノクマが用意するようなものがなかったんだ……
モノクマ「だからボクも発想を転換することにしたんだ!」
めぐる「発想を、転換……?」
凛世「どういう意味でしょうか……」
- 546 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:14:01.67 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「そのとき匠は考えました……」
モノクマ「才能そのものをプレゼントしてあげようってね!」
- 547 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:14:59.30 ID:z5jSFR/T0
-
(……は?)
意味がわからない、才能そのものをプレゼント……?
才能というものは生まれつきで備わっているからこそ才能なんじゃないの?
だからこそモノクマの提供した動機のプレゼントは的外れで、私たちは……
咲耶「どういう意味なんだい?」
モノクマ「健全なる才能は健全なる肉体と精神にこそ宿る……」
モノクマ「そういう意味だよ!」
智代子「ど、どういう意味?!」
愛依「まどろっこしい言い方すんのはやめて!もっと分かりやすく教えてよ!」
抽象的なモノクマの話はまるで理解が追いつかない。
ただ、話を聞いているだけで汗が吹き出しそうなほどに感じる嫌悪感……
次にモノクマが紡ぐ言葉がろくでもない、とんでもないものであるという予感が働いていた。
_________そしてその予感は的中した。
- 548 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:15:46.36 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「人格をプレゼントしたんだよ!」
- 549 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:16:53.39 ID:z5jSFR/T0
-
灯織「……」
灯織「………………え?」
モノクマ「本物の超高校級の保健委員の人格をそっくりそのまま幽谷さんの中にインプットしてあげたんだ!」
モノクマ「ていっても流石に上書きしたわけじゃないよ?海馬の部分にチョチョイとメスを加えて脳髄の分泌物が……」
モノクマ「まあ詳しい説明はどうでもいいよね、それこそ超高校級の神経学者にでも聞いてやりなよ!」
咲耶「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
咲耶「それじゃなにかい?!いま、私の前に立っているのは霧子の姿をした別人だということかい?!」
霧子「ふふ……♪」
モノクマ「だから、上書きじゃないんだって!上書きじゃなくて統合!」
モノクマ「もともとあった幽谷さんの人格と超高校級の保健委員の人格が融合したんだよ!」
人格と人格の融合……?
それで霧子さんはあんな頭のネジが飛んでしまったような状態に……?
一体どんな人間の人格を埋め込まれたというの……?
- 550 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:18:13.22 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「超高校級の保健委員が持っていた【罪】が合わさった……言うなれば【罪霧子】ってわけだね!」
モノクマ「ワオ!ダブルミーニング!」
霧子「あは……でも、わたしはモノクマさんに感謝してるんだ……」
咲耶「き、霧子……?」
霧子「おかげで気づくことができたんだ……」
霧子「ああ……これが【愛】なんだ……」
霧子「【愛】ってまるでおひさまみたいにポカポカなんだね……♪」
霧子「これってすっごく素敵だと思うな……♪」
モノクマが罪霧子と語る彼女はもう、私たちのよく知る彼女ではなくなっていて……
誰も聞いていないのに自分が犯行に至るまでをつらつらと語り始めた。
霧子「わたし、すっごく満足してるんだ……」
霧子「だって甜花ちゃんと甘奈ちゃんを同時に助けてあげることができたから……」
霧子「二人で一緒に死んだから、きっと二人は天国でも一緒にいれるよね……」
霧子「それってすっごく素敵だよね……姉妹【愛】は死後も続くんだよ……?」
- 551 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:18:57.93 ID:z5jSFR/T0
-
めぐる「もうやめてよ!!!!!!」
- 552 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:19:51.21 ID:z5jSFR/T0
-
声を張り上げたのはめぐるだった。
霧子「めぐるちゃん……?」
めぐる「もう、それ以上……霧子の姿で、霧子の声で喋らないでよ……」
モノクマ「だから、いま目の前にいるのも幽谷さん本人なことには変わりなくて……ま、いいか」
めぐる「わたしが大好きだった霧子は……そんなことは言わないよ……!」
めぐる「なんで、なんで……」
めぐる「なんでお別れの時まで、本当の気持ちを聞けないの……?!」
灯織「めぐる……」
霧子「……」
霧子「そっか……ごめんね、めぐるちゃん……」
霧子「もう、わたしにもわからないな……本当の気持ち、なんて」
(……え?)
そう口にした彼女は、この裁判で見たどの表情よりも……【霧子さん】の表情だった。
- 553 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:21:24.50 ID:z5jSFR/T0
-
霧子「もう……どうでもいいんだ……」
霧子「わたしも、みんなも……生きるのも、死ぬのも……」
霧子「希望も、絶望も……全部全部……」
霧子「だってわたしには、【愛】があるから……信じ続ける、【愛】があるから……!」
咲耶「……どうしてなんだい」
咲耶「どうして、よりにもよって霧子にこんな苦しい思いをさせる必要があるんだい?!」
咲耶さんの絶叫は裁判場にこだまする。
それでもモノクマはもちろん霧子さんまでも表情一つも変える様子はない。
_________そして、その時はきてしまった。
霧子「ねえ、モノクマさん……もう始めてもらってもいいですか……?」
- 554 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:23:50.55 ID:z5jSFR/T0
-
咲耶「……え?」
咲耶「だ、ダメだ!なんてことを言うんだ、霧子……!」
モノクマ「かしこまりました!」
霧子「もう……わたしがここにいる意味もないし、はやくお空に行きたいな……」
摩美々「……私のそばにいるんじゃ、ダメなの」
灯織「……摩美々さん?」
摩美々「愛なんて訳の分からないものを死ぬ理由にするなら、私たちと一緒にいることを生きる理由にするんじゃダメだったのー……?」
変わり果てた霧子さんに言葉を投げかける摩美々さんの体は小刻みに震えていて、その瞳には涙が滲んでいた。
摩美々「こんなお別れ……最悪どころじゃないんですケド」
霧子「摩美々ちゃん……ふふ、ごめんね……?」
摩美々「……霧子」
- 555 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:24:49.37 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「今回も、【超高校級の保健委員】である幽谷霧子さんのために……スペシャルなおしおきを用意しました!」
霧子「ああ……やっと行ける……」
咲耶「霧子……こんなの、あんまりだよ……」
モノクマ「それでは張り切って参りましょう!」
霧子「やっと、二人にも会えるんだね……」
(……え?)
(ふ、二人……?)
灯織「き、霧子さん今の言葉は」
モノクマ「おしおきターイム!」
霧子「じゃあね……ばいばい……♪」
霧子「みんな、ありがとう……ふふ……♪」
- 556 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:31:06.43 ID:z5jSFR/T0
- -------------------------------------------------
GAMEOVER
ユウコクさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
-------------------------------------------------
- 557 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:33:28.33 ID:z5jSFR/T0
-
それはまだ日本がいくつもの国に分かれていた時代。
ある国に三度の飯より酒と女、そして座敷遊びが大好きな大名がおりました。
その大名はずんぐりむっくりとした癒し系ボディで、
白黒に分かれたツートンカラーの愛されフェイスウケをしており、
チャーミングな丁髷を結っており女子ウケ抜群でした。
人呼んでセクシー大名・モノクマ……
今宵も女を囲んで宴の開幕です!
-------------------------------------------------
【死・屍・累・々】
【超高校級の保健委員 幽谷霧子 処刑執行】
-------------------------------------------------
座敷の中央で棒に縛り付けられる幽谷さん。
それを取り囲むように何匹もの和服に身を包んだ花魁モノクマが並びます。
セクシー大名のモノクマはそれを舌舐めずりして片っ端から見定めていくと……これまた片っ端から【帯回し】!
「良いではないか、良いではないか」と言いながら女性の帯を引っ張り、「あ〜れ〜」とひん剥いて行く全青少年憧れのシチュエーション!
かぁ〜、たまりませんな〜!
- 558 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:34:34.30 ID:z5jSFR/T0
-
それと同時に幽谷さんの縛りつけられた棒も高速で回転を開始!
モノクマがひん剥いた帯はそのまま幽谷さんの縛られた棒にぐるぐると巻きついていきます!
モノクマは片っ端から次々別の女をひん剥いて行くので、巻きつく帯の数は加速度的に増していきます!
そう、それは怪我の治療のために包帯を巻くように……
丹念に丹念に……
幽谷さんの体は頭の先から足の先まで帯で締め上げられていきます……
呼吸をしようにも口すら開けずに、
強引に巻かれた帯は体を締め付けていき、
骨がおれようがお構いなしに巻かれていき、
まきまき……♪
まきまき……♪
まきまき……♪
まきまき……♪
ところでみなさんはミイラってご存知ですか?
アフリカのどっかの国で有名な、全身包帯でぐるぐる巻きにしたグロい死体のことなんですけど。
……今の幽谷さんがそれにそっくりだよね!うぷぷ!
-------------------------------------------------
- 559 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:35:22.87 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「ふぅ……スッキリした……いろんな意味でね!」
咲耶「……霧子……っ!」
摩美々「……」
モノクマ「おしおきは経費で落ちるからね、ここぞとばかりに遊ばせていただきやしたぜ……ぐへへ」
モノクマの醜悪な笑い声はまるで耳に入ってこなかった。
霧子さんの死の凄惨さに、目を閉じてしまう人……言葉を失う人……俯く人……
そのショックを受け止めるのでみんな精一杯。
ただ、わたしは死の間際に彼女が言い残した一言が、いやに気にかかっていた。
(やっと二人に会える……?)
(二人って……誰と、誰……?)
- 560 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:36:51.71 ID:z5jSFR/T0
-
灯織「モノクマ、霧子さんには本当に人格だけを与えたんですか?」
モノクマ「え?何?」
灯織「彼女が死の間際に言い残した、『やっと二人に会える』という一言……この二人って誰のことなんですか?」
モノクマ「あーそういえばそんなこと言ってたっけ?」
モノクマ「脳をいじった衝撃でなんか思い出しちゃったりしたのかな……?」
灯織「……ど、どういうことですか?」
モノクマ「ごめんね、ボクにもわかんないや!そういうのならオマエラ自身の方が詳しいんじゃないかな?」
(私たち自身の方が詳しい……?)
(そんなこと言ったって、霧子さんの周りで……)
(ちょうど二人いなくなるようなことって……)
円香「恋鐘さんと結華さん……」
咲耶「……!?」
円香「ここにいないアンティーカのメンバーってちょうどお二人でしたよね」
摩美々「それ、どういう意味……?」
円香「さぁ、私は霧子じゃないので意図するところまでは」
円香「ただ、彼女……あの口ぶりだと、『二人』というのは既に他界した人物のようでしたけど」
(……!?)
- 561 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:38:34.39 ID:z5jSFR/T0
-
雛菜「円香先輩……それ以上言っちゃダメだよ」
円香「……あんたに言われなくても」
それだけの言葉で揺さぶるには十分だった。
アンティーカとして当事者の咲耶さんと摩美々さんはもちろんのこと……
私たちの中には、暗い、深い、とめどない波紋が波及し始めていた。
摩美々「……」
彼女の言葉だけならば、私たちは信じないという選択肢をもっと余裕たっぷりに取ることができただろう。
でも、私たちはあのビデオを見ている。
前回の樹里と小糸の事件……
あの時見させられたビデオは【近しい人間の身に差し迫る危機】。
おそらくアンティーカのお二人は、恋鐘さんと結華さんにまつわるものを見たはず。
……そうなると、言葉は一気にその信憑性を増す。
- 562 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:41:02.28 ID:z5jSFR/T0
-
咲耶「……」
摩美々「……」
かける言葉が、見当たらない。
耳鳴りするほどの静寂が、唾を飲むことすら躊躇させる。
舌が顎に糊付けされたように離れない。
言葉一つ紡ぐことすらできない雰囲気が立ち込めている。
円香「……私はお先に失礼します」
愛依「ま、円香ちゃん……」
円香「次の準備があるので」
【次】の意味を尋ねる隙もないままに樋口さんはスタスタとエレベータに乗り込み、一足先に帰っていってしまった。
咲耶「……」
残ったのはただ呆然とする私たち。
私は何度も自分の口の中で言葉をこねくり回していた。無責任な励ましはするべきじゃないし、今絆を持ち出すのも違う。
下手に口を出して傷つけてしまうことを恐れて……不器用な自分に嫌気がしていた。
でも、きっとみんなそうだったと思う。
かけるべき言葉が見つからなくて、前を向くための言葉が見つからなくて……
_______それで彼女は、体を動かした。
- 563 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:41:58.85 ID:z5jSFR/T0
-
「わーーーーーーーー!!!」
突然走り出したかと思うと、目一杯の跳躍。
そのまま彼女はモノクマの座っていた裁判長席に堂々の着地。
咲耶「ど、どうしたんだい……?」
摩美々「どういうつもりー?」
- 564 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:42:40.61 ID:z5jSFR/T0
-
灯織「めぐる……!」
静寂を破ったのは、八宮めぐる。彼女だった。
- 565 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:43:31.00 ID:z5jSFR/T0
-
めぐる「えっと……どうしよう……特に考えなしに動いちゃった……」
めぐるはそうやって照れ臭そうに頭をポリポリとかきながら、私たちに目を向けた。
そして大きく息を吸って……吐いた。
摩美々「なに?今からラジオ体操でも始めるわけー?」
めぐる「……えっと、今から言うのは……全部わたし自身に向けてなんだけど……」
そんな前置きから、めぐるは声を一気に張り上げて叫んだ。
めぐる「いつまで怖がってるんだ、八宮めぐるーーーーー!!」
灯織「え……?」
めぐる「そんなの、お前らしくないぞーーーーー!!」
雛菜「あは〜?」
めぐる「お前は元気なのが取り柄なんじゃないのかーーーー!!」
めぐる「不安で、怖くて、泣きたくて……そんなのみんな一緒だよ!!」
めぐる「お前だけじゃない、みんな同じ気持ちなんだよ!!」
- 566 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:44:37.96 ID:z5jSFR/T0
-
気づけば顔を見合わせていた。
誰だってそう、こんな状況を前にして泣きたくならない人なんていない……
でも私たちには、それを共有しあえる仲間がいる。
めぐる「一人で被害者ぶってる暇があったら、隣の人と手を繋いで前に進めーーーー!!」
めぐる「それがいつもの八宮めぐるでしょ!!」
あれだけ緊張で硬くなっていた体は自然と解れていた。
みんなの視線はいつのまにかめぐるただ一人に注がれて、次の言葉をみんなが待っている。
めぐるの応援を、みんなが待っている。
めぐる「だから負けるなーーーー!!」
めぐる「へこたれるなーーーー!!」
めぐる「どうしても辛くなったら、その時は無理やり笑っちゃえ!!」
めぐる「だって笑顔は無敵……だよね、灯織!!」
……ふふっ、めぐるったら。
- 567 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:45:58.91 ID:z5jSFR/T0
-
気づけば私の足も、裁判長席へと進んでいた。
灯織「こ、これも自分に向けての独り言なんですけど」
そんな前置きの後に。
灯織「もっと他の人を頼る勇気を持て、風野灯織ーーーー!!」
灯織「あなたのそばにいる人は、あなたが思うよりもっと素敵な人ばっかりなんだから、だから……頼っていいんだよ!!」
それは、あの時小糸にも投げかけた言葉。
かつての自分自身に投げかけた言葉。
それが今、帰ってきた。
(ただ、これ……めちゃくちゃ恥ずかしい!)
めぐるに乗せられてついやってしまったが、いつもお世話になっている皆さんの前でこんな大声でくさいセリフを……
顔が真っ赤になって全身の血が沸騰しているのを感じる。
そして、そんな私を見て……
摩美々「なにそれー、カッコつけすぎじゃなーい?」
いつものように、彼女はからかってくれた。
- 568 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:47:36.26 ID:z5jSFR/T0
-
摩美々「自分で言って自分で顔真っ赤にしてたらダメじゃーん」
摩美々「なんだっけ?他の人を頼る勇気を持て、風野灯織……だっけ?」
灯織「や、やめてください……今のはついうっかり……!」
咲耶「こら、摩美々。そう茶化すものじゃないよ」
灯織「さ、咲耶さん……」
咲耶「ありがとう、二人とも。流石はイルミネーションスターズ、星のような輝きを見せてもらったよ」
めぐる「えへへ……そ、そうかな……」
咲耶「ああ、どんな宝石よりも美しい、想いという輝きさ」
咲耶さんと摩美々さん……二人にもいつものような笑顔が戻っていた。
頬には涙が伝っていたけれど、さっきまでとは違う。
前に進むことのできる涙だ。
- 569 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:48:55.97 ID:z5jSFR/T0
-
凛世「お二人の激励……強い言霊を感じました……」
愛依「うん、うちもなんかこう……動きたくて仕方ないカンジ!?」
智代子「なんかわかるなー、こう体の中が燃えてるんだよね!」
雛菜「あは〜、円香先輩も聞いてから戻ればよかったのに〜」
灯織「みなさん……!」
摩美々「私だったらさっきのは黒歴史ものですけどねー」
灯織「も、もう……!からかわないでください!」
エレベーターに乗り込んで、自分の部屋に戻るまで……その足取りはそう重くはなかった。
めぐるの応援……あれが頭の中で何度もこだまして、そのたびに力が湧いてくるのを感じる。
アンティーカのお二人をはじめとした、この合宿生活に参加していない皆さん……そして、プロデューサー。
その身に何があったのかはわからない……
ただ、先を見るのがいくら不安でも……
真実を明らかにすらしないで怯えているのは違う。
前に進むにしろ後ろに進むにしろ、その一歩を踏み出さないことには何も変わらないんだ……!
- 570 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:50:00.16 ID:z5jSFR/T0
- 【???】
モノクマ「やあ、お疲れさま。今回の事件は大変だったね、キミも予想外の展開で焦ったんじゃないかな?」
???「…………」
モノクマ「ん?なんのことかって?」
モノクマ「そりゃ幽谷さんだよ、人格を植え付けただけなのにそのショックで記憶を取り戻しかけてたからね!」
モノクマ「ここまで来て記憶を取り戻されたらボクとキミの計画がおじゃんになっちゃうじゃん!」
モノクマ「それは違うよねー、だから何か言う前にぶっ殺しちゃった!」
???「…………」
モノクマ「キミも困るんじゃない?あそこですべてを話されたら!」
???「…………」
モノクマ「うぷぷ……ボクとキミは一心同体だからね」
???「…………」
モノクマ「え?……あー、それ、それね……」
モノクマ「大丈夫だよ、今のところはね。バレてないし」
???「…………」
モノクマ「おっと、それ以上の詮索はNGだよ!たとえキミでもね!」
???「…………」
モノクマ「まあ、このコロシアイについて教えてあげられるのは、このコロシアイはただ一つの目的のため……」
- 571 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:50:58.81 ID:z5jSFR/T0
-
モノクマ「ボクたちの夢を叶えるためのコロシアイってことくらいかな!」
- 572 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:51:50.61 ID:z5jSFR/T0
- -------------------------------------------------
【CHAPTER 03 部屋とオーパーツとわたし】
END
残り生存者数 9人
To be continued...
-------------------------------------------------
- 573 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:53:04.44 ID:z5jSFR/T0
-
【CHAPTER03をクリアしました!】
【学級裁判クリア報酬としてモノクマメダル44枚を入手しました!】
【CHAPTER03クリア報酬としてアイテム『血染めの包帯』を手に入れました!】
〔CHAPTER03を生き抜いた証。清潔と潔白の証だったはずの包帯は真っ赤に染まってしまっている〕
【CHAPTER03クリア報酬としてスキル『包・帯・組・曲』を習得しました!】
〔学級裁判で不正解時のペナルティをわずかに軽減する〕
- 574 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/05/08(土) 22:59:03.48 ID:z5jSFR/T0
-
というわけで3章終了でここまで。
シナリオ全般にかかわる話も少しずつ出せてきたかな、という感じですね。
一応最後まで構想はあるので、うまいとこ繋げていきたいところです。
今後についてですが、以降は以前お伝えした通り暫く期間が空くものと思います。
しっかり完走まではやり遂げるつもりですので、気長にお待ちいただけたらと。
それではお疲れ様でした。またよろしくお願いします。
- 575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 23:01:08.00 ID:VZ+n1py60
- 乙です
あいつの人格を統合させちゃったかー
そりゃやべーことになるよね……
- 576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/08(土) 23:02:17.17 ID:fXcALjJ60
- お疲れ様でした
樋口は狛枝ポジではなく王馬小吉ポジになりそう
- 577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 23:03:00.88 ID:Sti9mB090
- お疲れ様でした
- 578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/08(土) 23:16:43.33 ID:MDOmxO4v0
- 乙です
不参加組は今いったいどうなってるんだ…
725.41 KB Speed:0.7
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
スポンサードリンク
Check
荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)