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【艦これ】龍驤「足りないもの、その後」その8【安価】

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760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/28(日) 22:21:42.76 ID:+0TIYGBzO
>>759
761 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/28(日) 22:30:10.69 ID:i7xIpqZw0
「もう、アイツは勝手に先行させときましょうよ」


「そうね、今のうちに作戦を確認しておきましょう」


「あそこに長門達が居るから突入して捕まえればいいんでしょ」


「正面からやり合うからそれなりの戦闘にはなる…か」


「長門…どれくらいの強さなのかしら」


「これだけ特務艦が必要なくらいには強い可能性はあるのよ」


中枢棲姫「ククク……」ズンズン


「深海棲艦が居てもアイツに任せればいいでしょ」


「楽観視するわけじゃないけどそこまで気負う必要も無さそうね」


「いくわよ、突撃よ!」
762 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/28(日) 22:36:26.14 ID:i7xIpqZw0
ーー


長門「ようやく来たか」


龍飛「思ってるより遅かったわね」


長門「捕まえた特務艦の準備も済んだ」


龍飛(こっちの予定通りに深海棲艦も来た…思惑通りね)


長門「もう爆破させてもいいだろう」


龍飛「いいえまだよ、全員が中に入ったのを確認してから」


長門「随分と用意周到だな」


龍飛「万が一にでも生き残りを存在させたくないのよ」


長門「成る程な」


龍飛(進化させる為の深海棲艦と地獄の門を開く為の犠牲…全てが揃った)


龍飛(これで全てが元通りになる…!)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/28(日) 22:45:35.95 ID:t5zUo9Bwo
中枢棲姫まあ明らかにおかしいと察して、特務艦を止める
特務艦も誘い込みだと察してる
で、登場するのが過去大本営が傀儡を爆破するの防ぐために使ってたジャミング装置
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/28(日) 22:50:37.89 ID:n5NxJN9DO
>>763
爆破に失敗したと察し素早く撤退する長門達
こちらは数も戦力も劣る
決して正面からやり合う場面は作らないと全員に徹底させている
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/28(日) 22:52:12.72 ID:4dZAQ8xKO
>>763
追手を一網打尽にする方法を考えれば私でもそうする
中枢棲姫はただの変態じゃなかった
龍飛と長門のプランを崩していく
766 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/28(日) 22:57:10.77 ID:i7xIpqZw0
中枢棲姫「……待て」


「なによ」


中枢棲姫「様子がおかしい」


「誘い込まれてるんでしょ、それくらい分かるわよ」


「戦力では負けてないんだから望む所よ!」


中枢棲姫「違う。ここには誰かが居るのは確かだが猛者の気配が無い」


「なによそれぇ!」


「ねえ待って、ここに居るのか長門達じゃないなら…」


中枢棲姫「奴らは捕まえた艦娘をここに置いているんじゃないのか」


「待って、そうだとしたら……」


「ジャミング装置なら持ってきています!」


中枢棲姫「死にたくないのならそれを起動させておけ」
767 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/28(日) 23:01:05.59 ID:i7xIpqZw0
ーー


長門「傀儡が爆発しない。作戦は失敗だ撤退するぞ」


龍飛「……」


長門「こちらは数も戦力も劣る、正面からやり合う場面は作らない」


長門「我々の目的は傀儡艦娘の処理。戦うだけ無駄なのは分かっているだろう」


龍飛「……」


長門「どこに行く」


龍飛「…諜報活動よ」


長門「そうか。我々は次の場所に向かっているぞ」


龍飛「……」
768 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/28(日) 23:06:27.98 ID:i7xIpqZw0
龍飛(どうして…!あと少しで全てが終わったのに!)


龍飛(これ以上のシチュエーションはもう無い……これの為にどれだけ準備をしたと思ってるの…)


龍飛(門も開けないなら私はずっとこのまま…!?)


龍飛(こんな死に損ないみたいな存在で永遠に彷徨うだなんて…!)


龍飛(私が…なにをしたのよ……)


龍飛(……)


龍飛(少し艦娘を殺して何人かを地獄に堕とそうとしただけじゃない)


龍飛(私は悪くないのよ)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/28(日) 23:12:31.45 ID:4dZAQ8xKO
(地獄は今満員です。他を当たってください。あと他人に迷惑をかけないように。)
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/28(日) 23:43:18.20 ID:1hiDJUg4o
鳳翔さんの声が思い出される
せめてむかつきをぶつけてやろうと彼女の元へ飛ぶ
771 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/28(日) 23:48:40.64 ID:i7xIpqZw0
ーー足りないもの鎮守府


龍飛「そんな所に居たのね」


鳳翔「貴女が来るのがなんとなくわかりましたから」


龍飛「ここでなら迷惑がかからないって言うの?」


鳳翔「貴女がしそうなことくらいわかりますよ」


龍飛「ふ…ふふふ……じゃあ遠慮なくやらせてもらうわよ」


鳳翔「自分で自分を傷付けているだけなら誰にも迷惑がかかりませんからね」


龍飛「その余裕も今のうちよ…私のサンドバッグになってもらうから」
772 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/28(日) 23:53:18.63 ID:i7xIpqZw0
ーー横須賀鎮守府


幹部「敵を捕まえることはできなかったが、捕まっていた傀儡艦娘を保護することはできた」


提督「五人も捕まえていたんですね」


幹部「特務艦と捕まっていた傀儡艦娘に話しを聞いたんだが、彼女達を爆発させてこちらに被害を出そうとしていたらしい」


提督「長門がそんなことを…」


幹部「中枢棲姫君が気付いていなければ大惨事だった。彼女のお陰で助かったよ」


提督「…捕まっていた彼女達は?」


幹部「心労もあるからこちらで様子を見るよ。中には精神を病んでしまっている子も居るようでね…」


提督「…分かりました」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/28(日) 23:58:45.30 ID:n5NxJN9DO
一方長門
爆破を阻害する装置か…これが有効となれば更に配備されるだろう
やり方を変える必要があるようだな
もう少し仲間を集めてみるか
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 00:14:50.91 ID:xW2J5/Cmo
鳳翔さんと龍飛
こうやって言葉を交わせるのになぜ意思は交わせないのか
貴女も他の艦娘も傀儡だって今ここに存在するのになぜそれを奪おうとしてるのか
775 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 00:20:56.38 ID:tmbaovbQ0
ーー


鳳翔「こうやって言葉を交わせるのになぜ意思は交わせないんですか」


龍飛「意味が無いからよ」


鳳翔「貴女も他の艦娘も傀儡だって今ここに存在しています。それなのになぜ奪おうとしているんですか」


龍飛「貴女と同じだからよ」


鳳翔「違います、私は貴女のような考えは持っていません」


龍飛「貴女が未練がましくここに残っているのと同じだって言ってるのよ」


龍飛「鎮守府の近くに店を開いたり孤児院に行ったりしてるのも全てがその為」


龍飛「死んだ人間は戻らない」


鳳翔「彼はまだ生きています」


龍飛「死んだわよ。あの門が開く時の生贄になった」


鳳翔「なっていません」


龍飛「本当に諦めが悪いわね」
776 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 00:25:32.13 ID:tmbaovbQ0
龍飛「もう一度門を開けば提督は帰ってくるのよ」


鳳翔「その為に何人殺そうとしているんですか」


龍飛「提督の為なら些細な犠牲」


鳳翔「犠牲にされる方の事も考えて下さい」


龍飛「提督だけじゃない。あんな狂った日々が無かったことになるのよ」


鳳翔「……」


龍飛「貴女は私。近いうちに私の味方をするのは分かってるの」


鳳翔「絶対にあり得ません」


龍飛「その時が来るのを楽しみに待っているわね」


鳳翔「……絶対にありません」


ーー
777 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 00:26:08.67 ID:tmbaovbQ0
今日はここまでです
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 00:40:31.45 ID:wWcsMnJDO
お疲れ様でした
敵というか…相手の指揮官が有能だった場合どんな感じになるのか…
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 01:01:13.25 ID:3jCOdbK+o
おつおつ
鳳翔さん頑張って下さい…!
今後の希望になるかもなので……!
780 : ◆X87gBrHVzk [saga]:2021/03/29(月) 19:21:26.61 ID:tmbaovbQ0
ーー横須賀鎮守府


龍驤「長門らを追い詰めたと思ったけどそういう作戦やったとはな…」


提督「大本営の特務艦隊も頑張っているらしいが行方は全く追えていないらしい」


龍驤「楽にはいけへんってことやな…」


提督「保護した傀儡艦娘達の手術は終わったらしい。ほぼ全員は大本営で様子を見ると言っていた」


龍驤「ほぼ全員……な」


提督「傀儡艦娘の一人がこちらで様子を見ることになった」


龍驤「話は聞いてるよ。心の健康をちょっと崩してる子やんな」


提督「軟禁されていた上に目の前で爆破させるとも言われたそうだ。そんな状況で…よく耐えたと思う」
781 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 19:28:05.79 ID:tmbaovbQ0
提督「蒼龍と青葉、そして響が抜けたこともある。人員を増やすという意味は通っている」


龍驤「蒼龍らは天城の所に異動で響は解体…もっと盛大に送り出してもよかったけど…な」


提督「お別れ会は既に行ったし朝霜のこともある。喪に服すじゃないがこれでいいと言ってくれた」


龍驤「響には新しい人生を送って欲しいね…」


提督「…さて、例の艦娘がそろそろ来る頃だろう」


龍驤「まずはゆっくりと落ち着いてくれたらええんやけどね」


下2 艦娘名を
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 19:37:18.73 ID:q4LFSdoyO
山風
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 19:40:13.51 ID:hg2OJzU40
雪風
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 19:40:52.62 ID:3jCOdbK+o
海風
785 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 19:59:22.50 ID:IlecQVa0O
ーー


雪風「……」


龍驤「わざわざ来てくれてありがとうな」


雪風「……」


提督「…手術の経過はどうだ?」


雪風「……」


龍驤「ここにはあんたの敵はおらへん。落ち着くまでゆっくりしたらええんやで」


雪風「……」


提督「この鎮守府に対して何か質問はないか?それとも他に…」


雪風「……」カタカタ


龍驤「ごめんな司令官のこと怖いわな。あんな顔で質問されたら恐怖を感じても不思議やないよ」


提督「……」
786 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 20:02:43.11 ID:IlecQVa0O
龍驤「司令官はな顔は怖いけどええ人やから。ほんでウチの夫なんやで」


雪風「え……」


提督「龍驤とはそういう関係だ」


雪風「……」


龍驤「意外やろ?こんなウチやけど愛してくれてるんやで」


提督「腕や脚が足りないくらい何とも思わない。誰にだって足りないものはある」


龍驤「せやから誰もあんたのことを責めたりせぇへん。今は落ち着くのが仕事やと思っとき」


雪風「……」


龍驤「ほな部屋に案内するわな。司令官、行ってくるで〜」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 20:09:06.00 ID:3jCOdbK+o
うちの傀儡艦組が飛び出してきた!
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 20:36:19.66 ID:xW2J5/Cmo
>>787
なかーま!なかーま!
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 20:36:57.74 ID:8yFOfHzGo
一通り案内するも誰と会っても詳しく説明しようとする龍驤の袖をぎゅっと引っ張って静止する雪風
龍驤(傀儡やろうとここでは誰も気にせんけどそないすぐ慣れんよな…)
790 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 20:44:08.18 ID:tmbaovbQ0
ーー


陽炎「ここからは私達が案内するわよ!」


雪風「…っ」


不知火「陽炎は日陰に移動して下さい」


陽炎「日陰でも眩しさは変わらないわよ」


雪風「……」


不知火「この髪色で分かる通り陽炎は傀儡艦娘です」


陽炎「私は割と初期の手術だから副作用でこうなってるのよ。貴女は副作用が無かったみたいね」


雪風「……」


不知火「もちろん不知火も傀儡艦娘ですよ」
791 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 20:49:39.66 ID:tmbaovbQ0
陽炎「傀儡艦娘ってだけでもあれだけど、全員陽炎型っていうのも何かの縁よね!」


不知火「そうかもしれませんね」


雪風「……」


陽炎「ここは横須賀だけど色々緩いし、休むには丁度いいと思うわよ」


不知火「傀儡艦娘の同士として相談にも乗りますよ」


雪風「……」


陽炎「あ、もし暇だったら工廠に来て手伝って!いい気分転換にもなると思うわよ!」


不知火「不知火はスパッツの素晴らしさを教えてあげますよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 21:01:05.40 ID:3jCOdbK+o
実は自分が傀儡艦娘だと最近知った雪風、長年雪風としては変わっている事(運が良くないとか)悩んでいたが今度は自分が偽物だと悩んでる
そんな彼女に二人は眩しい存在(物理的・精神的)でギクシャクしてしまう
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 21:02:34.74 ID:hg2OJzU40
不知火の勧めで試しに
スパッツを着用する雪風
794 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 21:12:52.83 ID:tmbaovbQ0
ーー不知火の部屋


不知火「スパッツに興味を持って貰って嬉しいです」


雪風「……」


不知火「これが初心者にはオススメですよ」スッ


雪風「……」


不知火「適度な締め付けが運動能力を向上させ気分も高揚します。王道の中の王道ですよ」


雪風「……」


不知火「ではゆっくりと試着して下さい」ガチャッ


雪風「……」
795 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 21:16:48.88 ID:tmbaovbQ0
ガチャッ


不知火「よく似合っていますよ。良い陽炎型の着こなしです」


雪風「……」


不知火「良ければスパッツの話を聞いていきませんか?」


雪風「……」フルフル


不知火「ではまたの機会に。部屋に戻りますか?」


雪風「……」コクリ


不知火「分かりました。あと予備のスパッツも持っていって下さい」スッ


雪風「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 21:36:19.30 ID:3jCOdbK+o
雪風「あの人達も傀儡なのにスゴいな……雪風なんて……」(過去回想)
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 21:56:07.58 ID:8yFOfHzGo
>>796
798 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 22:06:07.88 ID:tmbaovbQ0
ーー雪風の部屋


雪風(あの人達、傀儡なのに凄いな……)


雪風(自分に自信があって堂々としてて…それに比べて雪風なんて……)


雪風(訓練所では成績上位、所属していた鎮守府では第一艦隊の旗艦で皆んなから頼られる駆逐艦…)


雪風(今までそう思っていたのに……この記憶は全て…作られたものだったなんて…)


雪風(雪風が旗艦なんかできるはず無いのに…なんでそれに気付けなかったんだろう……)


雪風(それに気付けていれば…特殊任務の為に引き抜かれたんじゃないって……思えたのに…)


雪風(雪風は紛い物……艦娘でもなんでも無い…)
799 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 22:09:18.22 ID:tmbaovbQ0
コンコン


潮「ごめんね…入ってもいい?」ガチャッ


雪風「……」


潮「幹部さんからお話聞いちゃったんだけど…雪風ちゃんも私と同じなんだよ」


雪風「……」


潮「私も偽物の記憶があるの。訓練所とか存在しない鎮守府での記憶」


雪風「あ……」


潮「私は傀儡の中でもチューナーっていう変な存在なんだけど、傀儡艦娘には変わりないよ」


雪風「……」


潮「ゆっくり…お話しよ?」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 22:27:14.65 ID:3jCOdbK+o
やっぱり卑屈になりがちな雪風に優しく抱きしめる潮
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 22:36:00.80 ID:uue9hMHwO
>>800
今ここにいる雪風は本物だよって
802 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 22:46:46.02 ID:tmbaovbQ0
ーー


雪風「やっぱり私は……皆さんと違います」


潮「そんなことないよ」


雪風「一人じゃ何もできない…文字通り傀儡なんです」


潮「雪風ちゃんそんなこと言わないで」ギュッ


雪風「やめて下さい…」


潮「私も最初はいっぱい迷ったよ。生きてていいのかなってずっと思ってた」


潮「でもね、ここの皆んなが教えてくれたの。ここに居る私は本物なんだって」


潮「だから雪風ちゃんも本物だよ。記憶が偽れてもここにいる雪風ちゃんは偽物なんかじゃない」


雪風「……」
803 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 22:51:36.21 ID:tmbaovbQ0
雪風「潮ちゃんは出撃…してるんですよね」


潮「うん、空母になったり戦艦になったりしながら出撃してるよ」


雪風「雪風はもう…無理なんです。演習すらできないんです」


潮「どうし……あ…爆弾…」


雪風「……主砲も構えられないんです。爆発音とか大きい音が鳴るだけで過呼吸になって…」


潮「大丈夫。ここなら出撃しなくてもいいから」


雪風「……」


潮「提督と話してもいいし何もしなくてもいいよ」


雪風「どうして…」


潮「雪風ちゃんに笑って欲しいから…って提督ならそう言うと思うよ」


雪風「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 23:07:57.22 ID:3jCOdbK+o
今日は一緒に寝ることに
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/29(月) 23:30:42.49 ID:8yFOfHzGo
提督に聞きに行く
潮の言ってる事は本当か
途中から不安の吐露に
806 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 23:40:26.02 ID:tmbaovbQ0
ーー提督の部屋


提督「俺と話してくれるだけで嬉しいんだ。なんでも聞いてくれ」


雪風「潮ちゃんから聞いたんですけど……雪風はここで何もしなくていいって…」


提督「君が砲撃の音に拒否反応があるのは知っている。それを知っていて出撃させようとはしない」


雪風「……」


提督「潮が言っていたのはそれだけじゃないだろう?」


雪風「なんで…知って…」


提督「潮も同じ悩みを持っていた。君と全く同じというわけでは無いだろうが、ある程度は想像できる」


提督「潮と同じ励まし方になるがそれでも言わせてくれ。偽物の記憶があったとしても雪風は本物なんだ」


雪風「どうしてそこまで言えるんですか…今日初めて会ったばっかりなのに……」


提督「俺はそういう人間なんだ。そうだな…龍驤の話をしよう。本人の居ない所で話すことでは無いかもしれないが、それも含めて贖罪としよう」
807 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/29(月) 23:45:18.90 ID:tmbaovbQ0
ーー


提督「……ざっとこんな所だな」


雪風「全部本当にあったこと…?」


提督「疑うのなら本人に聞けばいい。こんな龍驤でも俺は受け入れたんだからな」


雪風「……」


提督「傀儡だろうが艦娘には変わりない。陽炎は傀儡ということ意外にも大きな悩みがあったがそれも乗り越えた」


提督「俺から何かをしろと強制することは絶対にしない。だから雪風も一つだけ約束してくれ」


雪風「約束…」


提督「悩む前に誰かに相談するんだ。絶対に自分で命を絶とうなどと思わないでくれ」


雪風「……」


提督「それが約束できないのならここから去ってもらうが…勿論できるよな?」


雪風「……」コクリ


提督「よし、なら俺から話すことはもう無い。あとは雪風に任せる」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 00:09:46.18 ID:wIjzqHLQo
傀儡四人で一緒寝ましょ
陽炎「一応陽炎型長女として妹が心配でゴニョゴニョ」
不知火「はっきり一緒に寝たいと言ったらどうですか」
潮「ふふ…おいで?」
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 00:20:17.06 ID:69ruoHhnO
>>808
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 00:20:39.89 ID:Yw/TMOpVO
>>808
811 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 00:28:53.57 ID:3XQyiaG10
ーー潮の部屋


不知火「潮の部屋はぬいぐるみだらけで狭いですね」


陽炎「私の部屋は論外なのは分かるけど不知火の部屋はダメだったの?」


不知火「ちょうどスパッツを干していたので。それより陽炎まで来る必要は無かったんですよ」


陽炎「それは…一応、陽炎型の長女として妹が心配っていうか…」


不知火「はっきり一緒に寝たいと言ったら良いんですよ」


陽炎「…そうね」


潮「雪風ちゃんおいで…?」


雪風「……」ダキッ


陽炎「傀儡艦娘なんか作ってた旧大本営には色々と言いたいことがあるけど、私達が集まれたのは良かったわね」


不知火「唯一の褒められる点ですね」


陽炎「傀儡は敵の前に自分と戦わなくちゃいけない。雪風は乗り越えてくれるかしら」


不知火「それでもやるしか無いんです」


潮「私達が居るからね…大丈夫だから…」


雪風「……はい」


ーー
812 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 00:29:24.57 ID:3XQyiaG10
今日はここまでです
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 00:56:20.88 ID:wIjzqHLQo
乙乙
つくづく業が深い旧本営周り…
814 : ◆X87gBrHVzk [saga]:2021/03/30(火) 19:31:23.75 ID:3XQyiaG10
ーー


長門「……」


長門「……」


長門「……」


龍飛「お待たせ」


長門「どこに行っていたんだ」


龍飛「貴女達が新しい拠点に移るのと同じ。私にも色々あるのよ」


長門「暫く離れるのならそう言っておいてくれ」


龍飛「そうよねぇ、貴女は私の力を借りているお陰で喋れるんだから居ないと困るわよね」


長門「……」


龍飛「離れているときでも力を貸していたけど…ちょっとそっちに貸す力が弱まってたみたいね」


長門「…そのようだ」
815 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 19:34:29.92 ID:3XQyiaG10
龍飛「深海に片足を突っ込んだ貴女だから力を貸せているの。そこを忘れてはいけないわよ」


長門「…お前は深海棲艦なのか」


龍飛「違うわ。れっきとした艦娘よ」


長門「その姿でか」


龍飛「うふふふふふ」


長門「…今の装置は無効化されたも当然だ。新しい対傀儡装置を開発する」


龍飛「頑張ってちょうだい、影ながら応援してるわよ…うふふ、影なだけに」
 

下2 この後の展開やその他起こったことなど
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 19:56:00.52 ID:y5Y0/dPDO
その前にひとつ試したい事があると長門
そして幹部の前に一人で現れる
完全に丸腰の状態で話がしたいと
大本営の代表から退いてくれないか
昔の幹部なら丸腰の敵が現れたなら容赦無く拘束するか殺しただろうが今は出来ないと解っていた
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 20:00:50.54 ID:mGdVpmTu0
818 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 20:13:29.99 ID:3XQyiaG10
ーー大本営


幹部「……どこから現れたと聞きたいが、それどころじゃ無さそうだ」


長門「安心しろ、こちらは丸腰だ」


幹部「艦娘にそう言われてもね…」


長門「お前と話がしたい」


幹部「……」


長門「昔のお前なら容赦なく拘束しようとしたが、今は出来ないだろう。こっちはそこまで分かっている」


幹部「……話の内容を聞かせてもらおうか」
819 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 20:19:41.71 ID:3XQyiaG10
長門「大本営の代表から退いてくれ」


幹部「どうしてだ?」


長門「それがお互いの為になる」


幹部「私はなるとは思えない」


長門「傀儡艦娘の存在が世に出ることになるぞ」


幹部「……」


長門「一般人に傀儡の区別はつかない。ただでさえ艦娘の人権が危うい時にこの事実は世に出るべきじゃない」


幹部「だから殺すというのか」


長門「あれはゴミ処理と変わらない。負の遺産は残すべきじゃないのが分からないのか」


幹部「傀儡だろうが彼女達は生きている」


長門「それは深海棲艦も同じだ。我々のさじ加減一つで命は善にも悪にもなる」


長門「傀儡艦娘は悪だ。この事実だけはどうやっても変わる事がない」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 20:21:56.90 ID:mGdVpmTu0
隣の部屋でこっそり
聴いた雪風が驚いた
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 20:45:17.73 ID:wIjzqHLQo
長門
私はお前達の為にも言っている
傀儡が謎の死を遂げいなくなってしまえば生き残った者はみな幸せになるだろう。それが達成された暁には……私の命はくれてやる、この国の為の礎となろう
私はここまでの覚悟がある

822 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 20:57:31.48 ID:3XQyiaG10
長門「私はお前達の為にも言っているんだ」


幹部「なにをバカなことを」


長門「傀儡がこのまま謎の死を遂げいなくなってしまえば生き残った者はみな幸せになる。それが達成された暁には私の命はくれてやる」


幹部「……」


長門「私はこの国の為の礎となろう。ここまでの覚悟がある者をお前は無下にはできない」


幹部「…ダメだ。どんな理由があっても傀儡艦娘を殺していい理由にならない」


長門「そうか、あの形が邪魔だと言うんだな」


幹部「なに…?」


長門「お前の言い分はよく分かった。また近いうちに会うことになるだろう」ズズズッ


幹部「……その潔さをもっと別の方向に使って欲しかったと、心からそう思う…」
823 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 21:03:09.52 ID:3XQyiaG10
ーー某所


長門「そうだ、傀儡艦娘を深海棲艦に寄せる。本当に深海棲艦にする必要は無い」


長門「元が傀儡だからやり易いだろう。皮膚を溶かしたり腕を潰せば異形に見える」


長門「前の装置は…いわば電子レンジのようなものだった。今回のはそれに比べれば簡単だ」


長門「奴らもこれで納得する。なまじ見た目が艦娘と同じだから混乱するんだ」


長門「戦争が終わったなら兵器は必要ない。旧大本営が無くなったのなら傀儡艦娘も必要ない」


長門「世界の平和のためには傀儡艦娘は不要だということを、改めて教えてやるんだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 21:14:31.55 ID:y5Y0/dPDO
それにしてもあの幹部も甘くなったものだなと長門
殺しては駄目だなどと…必要とあらば艦娘だろうと深海だろうと手段は選ばなかった
あの提督と…駆逐棲姫の影響か
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 21:33:15.77 ID:wIjzqHLQo
>>824
826 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 21:42:29.35 ID:3XQyiaG10
長門「…それにしてもあの幹部も甘くなったものだ」


長門「殺しては駄目だなどと…必要とあらば艦娘だろうと深海だろうと手段は選ばなかった奴が言う台詞じゃない」


長門「これもあの提督と…駆逐棲姫の影響か」


長門「提督はどうしようも無いがあの深海棲艦だけなら対処は容易いか」


長門「龍飛を使えば居場所の特定もできる。後は奴をどうするかだが…」


長門「いきなり殺しては意味が無い。きちんと理解させてやる必要があるな」
827 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 21:48:11.25 ID:3XQyiaG10
ーー


駆逐棲姫「今日は野菜が安かった。久しぶりに幹部に手料理を作ってやろう」


長門「動くな」


駆逐棲姫「……」


長門「深海棲艦が人の真似事か」


駆逐棲姫「……」


長門「私には関係ない話か。殺されたくなければ言うことを聞け」


駆逐棲姫「…なにをすればいい」


長門「幹部を大本営の代表から降ろせ」


駆逐棲姫「私にそんな権限は無い」


長門「…」ミシッ


駆逐棲姫「ぐぁぁ…っ!!」


長門「お前の言うことなら奴も聞く。奴を降ろすかお前が死ぬかの2択だけだと思え」


駆逐棲姫「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 22:08:49.68 ID:wIjzqHLQo
何度も危険な目に合わせた経験は無駄じゃない
護身用電撃迎撃装置、発動!
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 22:11:47.21 ID:y5Y0/dPDO
[ピーーー]なら殺せと抵抗する駆逐棲姫
実際それでは意味が無いどころかより敵愾心を煽るだけ
ならばと腹を割って話す
傀儡艦娘の危険性とそれを秘密にしている事への不誠実さ
本来なら傀儡艦娘の去就も民衆に委ねるべきだったと
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 22:11:50.76 ID:ybmUSZF7O
>>828
ついでに防犯ブザーもだ!
近所じゃ名のしれた若奥様なんだぜ!
831 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 22:21:11.83 ID:3XQyiaG10
駆逐棲姫「殺すなら今ここで殺せ」


長門「…ほう」


駆逐棲姫「私を殺すことが目的じゃないんだろう。むしろ殺さられれば困る」


長門「幹部の入れ知恵か」


駆逐棲姫「違う。姉から学んだことだ」


長門「レ級か……アイツも厄介な奴だ」


駆逐棲姫「長門が生きていたことにも驚いたがどうしてこんなことをしているんだ」


長門「…いい機会だ、お前と話そうじゃないか」
832 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 22:26:06.72 ID:3XQyiaG10
ーー幹部の家


長門「傀儡艦娘の危険性、そして秘密にしている事への不誠実さが致命的だ」


長門「旧大本営と同じように傀儡艦娘の去就も民衆に委ねるべきだった」


駆逐棲姫「そうなれば艦娘への差別が強まる」


長門「傀儡と艦娘は別物だ」


駆逐棲姫「人間にとっては同じなんだ。人間社会に適応してまだ時間が浅いが人間の愚かさは身に染みている」


長門「人間はそこまで愚かだというのか」


駆逐棲姫「長門は人間を信じ過ぎている。旧大本営がどんなことをしていた思い出せ」


長門「あれは狂った人間だ」


駆逐棲姫「狂ってなんかいない、むしろあれこそが人間本来の形なんだ」


駆逐棲姫「他者より強く、他者より上へ。その結果核に手を出したに過ぎない」


長門「……」
833 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 22:29:55.29 ID:3XQyiaG10
駆逐棲姫「自我の無い同胞達が人間を襲う理由はそれかもしれない。人間は邪魔な生き物なんだ」


長門「人間の世話になっているお前が言う台詞か」


駆逐棲姫「言える。人間は醜い」


長門「……」


駆逐棲姫「幹部が大本営から居なくなれば艦娘の地位や人権も危ない。ただの兵器として扱われる」


駆逐棲姫「それは長門も望んでいないはずだ。傀儡艦娘を許せないのは分かったが他の方法に頼るしかないぞ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 22:42:07.48 ID:wIjzqHLQo
やはりわかり合えないようだな…まだ
今日は引こう…………乱暴だった事、すまない
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 22:49:55.42 ID:Y41NrLh4O
誰しもどんな種にも醜い点がある
醜いから消す、そうすれば次に醜いモノが目立つので消す
その先に待つ清浄な世界はとても澄んでいるが何ない世界だろう
836 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 23:08:19.52 ID:3XQyiaG10
駆逐棲姫「どんな種にも醜い点がある醜いから消す、そうすれば次に醜いモノが目立つので消す」


駆逐棲姫「その先に待つ清浄な世界はとても澄んでいるが、何ない世界だ」


長門「そうだ」


駆逐棲姫「そう…だ?」


長門「この世界は汚れ過ぎている」


駆逐棲姫「長門は…世界を滅ぼすのか……?」


長門「私にそのつもりは無い。傀儡艦娘を駆逐できれば私の命を差し出す」


駆逐棲姫「一体なにがしたいんだ?」


長門「あるべき場所にあるべき存在する。それこそが自然の摂理だ」
837 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 23:15:54.27 ID:3XQyiaG10
駆逐棲姫「傀儡艦娘は自然じゃないから受け入れられないのか」


長門「あんな紛い物は生物じゃない」


駆逐棲姫「分からない……何が自然でそうじゃないのか…お前のさじ加減じゃないのか…」


長門「それこそお前のさじ加減だ。傀儡艦娘が艦娘だというのもお前たちの決めつけ」


駆逐棲姫「長門……もう戻ってこないのか…?」


長門「……」スッ


駆逐棲姫「私にはお前が何を考えているのか分からない…でもこれだけは言え……」


長門「…」ガシッ


駆逐棲姫「…………」ガクッ


長門「…その先は言わせない。さらばだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 23:25:17.19 ID:y5Y0/dPDO
人間は醜いと言いながらもお前も人間を信じたいのだろう
だが深海棲艦故にかどうしてもその愚かさが目に付くようだな

提督達すら例外じゃない
時に利己的だった事は私も知っている
それなのに一般人は別で邪悪だと何故分けて考えるのかと内心考える長門
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 23:26:46.72 ID:wIjzqHLQo
帰ってきた幹部さん、椅子で気絶している駆逐棲姫を心配する
彼を押し留め質問する駆逐棲姫「自然とはなんだろうか…」
(長門は椅子に運んでくれました)
840 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 23:37:13.98 ID:3XQyiaG10
ーー


幹部「クキ君!一体なにがあったんだい!?」


駆逐棲姫「……私は平気だ。それより質問に答えて欲しい」


幹部「か、構わないが…」


駆逐棲姫「世界で一番強い生物はなんだ」


幹部「……深海棲艦ということになるのかもしれないね」


駆逐棲姫「陸ではどうだ」


幹部「陸……象は意外と強いと聞いたことがあるが一番と言われると…」


駆逐棲姫「人間ではないな」


幹部「…間違いなくそうだね」


駆逐棲姫「弱肉強食でいえば人間がヒエラルキーの頂点にいるのはおかしい」


幹部「そうだね、むしろ人間は下の方に居る存在だ」


駆逐棲姫「それなのになぜ人間が世界を支配している」


幹部「人間には知恵があったからじゃないかと私は思うよ」


駆逐棲姫「知恵があれば世界を支配していいのか」


幹部「…いいとは言えないね」
841 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/30(火) 23:41:11.56 ID:3XQyiaG10
駆逐棲姫「なぜ人間は生きる」


幹部「…分からない」


駆逐棲姫「奴らが平気で食べている肉は殺す必要の無いものだ」


幹部「野生生物のように自分で獲物を狩ることはしないね」


駆逐棲姫「その上で食べ残しを山のように捨てる」


幹部「…捨てている」


駆逐棲姫「人間は自然に反しているんじゃないのか?」


幹部「反して…いる」


駆逐棲姫「弱きは死に、強き者が生き残るのが自然じゃないのか?」


幹部「……」


駆逐棲姫「この世界は…なんなんだ……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 23:56:01.00 ID:y5Y0/dPDO
駆逐棲姫は誤解している
悪人多数で提督達のような善人少数なのではない
全員がグレーなんだ
場合によってはどちらにも転ぶ
それでも私は人間が好きだ
だからこそいつ事故が起こって汚染を撒き散らすか暴走して人間を傷つける可能性のある傀儡をどうにかしたいと長門の一人言
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/31(水) 00:28:13.59 ID:jzNKTIwPo
>>842
844 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/31(水) 00:45:01.67 ID:DJcIfGKN0
幹部「クキ君は誤解しているよ。悪人多数で提督君のような善人少数なのではない」


駆逐棲姫「違うのか……?」


幹部「全員がグレーだ、場合によってはどちらにも転ぶのが人間なんだよ。私も提督君も一歩違えば悪だ」


幹部「だが勘違いしないで欲しい、それでも私は人間が好きなんだよ」


駆逐棲姫「悪にも善にもなる人間が好き…」


幹部「悪は悪、善は善だと割り切れる君達は素敵だと思う。しかしそれは人間社会では通用しないんだよ」


駆逐棲姫「私は…何も分かっていなかった」


幹部「説明しようとしなかった私が悪い。クキ君が気にすることではないよ」


駆逐棲姫「長門の言う澄んだ世界こそが……正しい…のか……」


ーー
845 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/31(水) 00:45:38.22 ID:DJcIfGKN0
今日はここまでです
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/31(水) 00:58:04.43 ID:jzNKTIwPo
おつおつ
くっ今日はながもんが上手だったか…
やっぱり第二の主人公感ある幹部さん
クキをはなすんじゃねぇぞ…!
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/31(水) 01:01:15.96 ID:M8Pv6lTDO
お疲れ様でした
なんか会話がおかしいような…
848 : ◆X87gBrHVzk [saga]:2021/04/04(日) 19:31:12.77 ID:1U9a1L0+0
ーー大本営


幹部「久しぶりに姿を見たような気がするよ」


夕立「言葉に気をつけろっぽい。夕立の立場は分かってるはずぽい」


幹部「…失礼したようだね」


夕立「この資料を見ろ」バサッ


幹部「これは…」


夕立「各地の鎮守府に居る傀儡艦娘の情報ぽい」


幹部「こんな資料が…これがあれば全員無事に手術を受けられる。感謝するよ夕立君」


夕立「この資料にある艦娘は全員こちらが引き取る」


幹部「なんだって?」


夕立「所属もこちらの国になる。そっちには拒否権はないぽい」


幹部「随分と急な話だね…」
849 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/04/04(日) 19:35:05.22 ID:1U9a1L0+0
幹部「こちらに拒否権は無いかもしれないが、抵抗することくらいはできる」


夕立「そんなことをすればどうなるかは分かってるぼい」


幹部「……彼女達をどうするんだ」


夕立「利用するぽい」


幹部「……」


夕立「そっちが乗り気じゃないならこっちが勝手にやるだけ。傀儡を傷付けられたくなかったら、大人しく引き渡した方がいいっぽい」


幹部「分かった……各地の鎮守府には通達しておこう…」


夕立「それでいいっぽい」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/04/04(日) 19:40:57.08 ID:k/aKjo0DO
しかし傀儡艦娘も今や我々の貴重な戦力である事には変わりない
事は日本の防衛にも関わる
いくら大本営の代表とはいえ私の一存で決める訳にはいかないと幹部
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/04/04(日) 20:22:02.08 ID:qkfCckCHo
>>850
852 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/04/04(日) 20:36:41.36 ID:1U9a1L0+0
幹部「…しかし傀儡艦娘も今や我々の貴重な戦力である事には変わりない。そうなるとこの国の防衛にも関わってくる」


幹部「いくら大本営の代表とはいえ、私の一存で決める訳にはいかない」


夕立「減ったら補充すればいいだけぽい。さっさと新しい艦娘を建造しろっぽい」


幹部「我々は旧大本営とは違う、そんな簡単に建造をすることは無くなった」


夕立「それしか選択肢が無いっぽい。国はこっちの話を理解してくれたっぽい」


幹部「まさか…」


夕立「北の領土をチラつかせたら簡単に言うことを聞くぽい」


幹部「……」


夕立「伝えるべきことは伝えた、もう帰るっぽい」
853 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/04/04(日) 20:42:32.75 ID:1U9a1L0+0
ーー


『交渉はどうだったんだ?』


夕立『問題無かった』


『それは良かった。やはり艦娘のことは艦娘が交渉するべきたったようだ』


夕立『傀儡のことが表に出れば艦娘の人権が危うい。大事になる前にこちらで使ってやるのがいい』


『大本営から回収した核地雷。その核の平和利用としてあるものを作ることになった』


夕立『それがあの原子力列車か』


『極寒の地でも止まることがなく非常時には移動式発電所にもなる。技術に問題は無かったが操縦者やクルーの問題があった』


夕立『それを傀儡艦娘にやらせれば問題は解決ぽい』


『これが成功すれば夕立は大統領からの勲章モノだ。いずれは私を追い抜いていくのは間違いないだろう』


夕立『…そんなものに興味はない』


下2 この後の展開やその他起こったことなど
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/04/04(日) 20:59:09.47 ID:k/aKjo0DO
全ての傀儡艦娘を一度にというのは現実的じゃない
空いた穴を埋める為に建造するといっても時間が掛かる
まずは数人の傀儡艦娘をという話
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/04/04(日) 21:13:34.83 ID:qkfCckCHo
>>854
急速な変化は誤解を受けやすいと説得
856 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/04/04(日) 21:18:57.58 ID:1U9a1L0+0
ーー横須賀鎮守府


提督「……それでどうしたんですか?」


幹部「全ての傀儡艦娘を一度にというのは現実的じゃない。空いた穴を埋める為に建造するといっても時間が掛かる」


幹部「だからまずは数人の傀儡艦娘を送る…という話になった」


提督「送るというのは確定したんですね…」


幹部「国はロシアの肩を持つようだ。大人しく従う意外に選択肢はないだろう」


提督「…はい」
857 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/04/04(日) 21:26:20.56 ID:1U9a1L0+0
幹部「送る艦娘を数人ずつにするのが限界だった。急速な変化は誤解を受けるとなんとか説得したんだ」


提督「夕立は…ロシアはなにを考えているのでしょうか」


幹部「傀儡艦娘を実験台にするようなことはしないと思うが…」


提督「…龍驤に調査をさせましょうか?」


幹部「龍驤君は確か勲章を貰っていたね。なら調べることは可能かもしれないが、危険が伴う可能性もある」


提督「それはそうですが、大勢の傀儡艦娘の命を守れるのなら…」


幹部「その気持ちは受け取っておこう。ありがとう提督君」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/04/04(日) 21:31:46.25 ID:k/aKjo0DO
それに今現在傀儡艦娘は狙われています
送り続けた場合あちらで何が起こるか…と提督
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/04/04(日) 21:56:35.95 ID:QKvhve57o
>>858
護衛の名目で第一団には誰か付けようとの話に
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