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【艦これ】龍驤「足りないもの、その後」その8【安価】

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528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/11(木) 22:23:18.19 ID:3So2/M/DO
今から証拠を集めるのは困難
新たな傀儡艦娘の資料のダミーを作って同じ状況を作り出してみようかと考えた速吸
幹部に話してみる
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/11(木) 22:41:11.37 ID:Q480lFqko
>>528
530 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/11(木) 22:50:40.54 ID:DTWL9IWY0
ーー


幹部『速吸君の言う通りもし裏切り者が居たとしても、今から証拠を集めるのは困難だ』


速吸「だから罠を仕掛けるんです。新たな傀儡艦娘の資料のダミーを作って、同じ状況を作り出します」


幹部『危険だと思うから私は反対だ。それに裏切り者が忍びを使っていた場合、確実に君は始末されてしまう』


速吸「危険なのは承知です。でもこうしている間にも傀儡艦娘はもっと危険な状況になっているんです」


幹部『……分かった。君が直接見張ったりしないという条件なら許可しよう』


速吸「ありがとうございます、早速やってみますね」


幹部『繰り返し言うことになるが、絶対に無茶だけはしないように。私との約束だ』


速吸「はい、わかりました」
531 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/11(木) 22:55:27.54 ID:DTWL9IWY0
ーー執務室


提督「傀儡艦娘に関する資料…」


速吸「最近傀儡艦娘に仕掛けられた爆弾が起動してしまう事件が起こっていますよね。その対策の資料です」


龍驤「このリストにある子ともし繋がりがあるなら至急連絡せよ…か」


速吸「どうですか、心当たりはありませんか?」


提督「いや……無いな」


龍驤「周りの知り合いはどうなんやろ。一回聞いてみよか」


速吸「それは大丈夫です、同じ資料が送付されています。この資料は暫く預けておきますので、何か気が付いたことがあれば教えて下さい」


提督「わかった、すぐに速吸に知らせよう」


速吸(ダミーの資料は提督さんに預けました。これで裏切り者がいるならどう動くか…ですね)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/11(木) 23:25:35.91 ID:QtVRwMSxo
平行して訪問者の調査もする速吸
住所とか抑えてないだろうか
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/11(木) 23:43:14.75 ID:t3NUtWbPo
>>532
534 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/11(木) 23:51:10.52 ID:DTWL9IWY0
ーー


漣「また応接室の記録を見たいって…何があるんですか?」


速吸「名前は見ましたが住所は控えていませんか?」


漣「今は個人情報とか色々うるさいんで控えてませんよ」


速吸「そうですか…」


漣「団体の人ならそこに聞けば問題無しなんで」


速吸「でも退役軍人なら個人で家も分かりませんよね?」


漣「確かにそうですけど……顔は覚えてますからそれでいいじゃないですか」


速吸「……」
535 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/11(木) 23:56:27.03 ID:DTWL9IWY0
速吸(住所があれば調査は楽だったのに…無いものは仕方ありません)


速吸(現時点で外部の人間か内部なのかは分かりません。なにか動きを待つしかないですね)


速吸(外部の人なら絶対に会いに来る。内部なら必ず動きがある)


速吸(気を付けて監視するしかない。怪しまれずに少しずつ、前に進む)


速吸(幹部さんの言う通り無茶はしない。後先考えずに行動しても意味がありません)


速吸(餌は撒くました。さぁ…どう動きますか)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/12(金) 00:00:51.09 ID:gx/nfs6LO
退役軍人達のリストを一応幹部に送る速吸
見覚えのある名前がないか聞いてみる
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/12(金) 00:16:25.37 ID:jUKELK+DO
>>536
あとは大本営のデータベースと照らし合わせてみるよう訪問記録も一緒に送る
旧大本営との関わりがある人物が居るかどうかなど
538 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/12(金) 00:30:31.33 ID:DNXgI+i10
ーー


幹部『退役軍人達のリストは受け取ったよ。こちらでも調べておこう』


速吸「ありがとうございます。ちなみに幹部さんが見覚えのある名前はありませんでしたか?」


幹部『見覚えはあるが旧大本営と関わりはないね。そもそも旧大本営が関わってるかがハッキリしないから…うぅむ』


速吸「訪問記録の方はどうですか?」


幹部『こっちはデータベースと照らし合わせてみよう。何か不審な点があればすぐに知らせよう』


速吸「お願いします」


幹部『内部の可能性はどうかな?』


速吸「まだ何も動きがありません、今は待つ時です」


幹部『私は提督君の艦娘が簡単に裏切るとは思えない。何か…見落としていることがあるんじゃないだろうか……』


ーー
539 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/12(金) 00:31:10.72 ID:DNXgI+i10
今日はここまでです
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/12(金) 00:37:24.86 ID:I0RhhYz3o
おつでした
悪落ちやの字が情報横流しはないよね…よね…そこまであいつに絶望したくぬぇ
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/12(金) 00:43:08.56 ID:jUKELK+DO
お疲れ様でした
少しずつ情報を集めて推理するの楽しい
内部だとして暗躍しそうなのが動機共にまだ全然判らないけど…
542 : ◆X87gBrHVzk [saga]:2021/03/13(土) 19:00:33.04 ID:AmOkkg2eO
ーー


速吸(こちらが罠を仕掛けて数日経ちました。偽の情報は提督さんと龍驤さんにしか知らせていない状況では動きが無いと判断しました)


速吸(この二人が情報を流したり、裏切り者ではないということが分かっただけでも良かったです)


速吸(現在、この偽の情報は漣さんや他の横須賀鎮守府の艦娘にも知られている状況です)


速吸(情報ルートはこちらが把握しています。誰が誰に教えたのかまで全員把握済みです)


速吸(これで裏切り者がいるなら特定ができます。単独犯の可能性が高いので油断はできませんが、こちらが優位な状況です)


速吸(犯人は鎮守府の中だけではなく外の可能性もあります。その対策も既に終わっています)
543 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/13(土) 19:04:39.67 ID:AmOkkg2eO
速吸(住所が分かっている人は身辺調査を、名前のみ分かっている人は住所を特定)


速吸(退役軍人も民間人も全て個人の住所はわかりました。見張りも行っています)


速吸(この情報が偽物だと知っているのは私と幹部さんのみ。どこかであの資料を見たという言い訳は通用しません)


速吸(ここまでは全てうまくいっています。後は向こうがどう出てくるか…)


速吸(犯人は傀儡艦娘のみを狙っています。この情報には必ず食いつきます)


速吸(どんな動きをしてくるのか…要注意ですね)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/13(土) 20:33:46.66 ID:VhS8VSlIo
深夜に鎮守府に忍び込む影が!
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/13(土) 20:34:48.29 ID:k2ScNfgvo
>>544
546 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/13(土) 20:47:15.27 ID:AmOkkg2eO
ーー深夜、横須賀鎮守府


名取「変な気配がする……」


名取「由良が居ない日に限ってこういうことが起こるなんて…でも仕方ないよね」


名取「セキュリティ万全のここに忍び込むなんて自殺行為だと思うけど……」


名取「一応調べおかないと。由良が居ないんだから、私が見回りをしなきゃ」


名取「……」


名取「風上から匂いはしない。やっぱり気のせいかもしくは…相当の相手か」


名取「偶然もあるかもしれないけど、よく注意して調べよう」
547 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/13(土) 20:51:50.13 ID:AmOkkg2eO
ーー


名取「……」


名取「執務室の方かな………」


名取「先に提督の無事を確認するべきか…暗殺とか考えられるもんね」


名取「でも執務室の機密情報狙いなら阻止しないと…」


名取「いや…そもそも侵入者なのかハッキリしておかないといけないか。動物の可能性もあるし…」


名取「よし……本気出しちゃおう。いつまでも由良に負けてられないし」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/13(土) 21:23:39.08 ID:dp3VS5QDO
しかし見付けられない
そんな中保管庫から妙な気配
以前響達が超常体験して保管庫に封印したビデオテープから影が
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/13(土) 21:29:06.22 ID:XBy6FkP7o
>>548
550 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/13(土) 21:36:56.85 ID:rEubkrOI0
ーー


名取「居ない……痕跡すら見つけられない」


名取「やっぱり気のせい?でもあの気配は気のせいなんかじゃない」


名取「……」


名取「また気配 …」


名取「これは執務室じゃなくて保管庫の方?」


名取「凄く嫌な気配…早く行って確かめないと」
551 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/13(土) 21:38:55.30 ID:rEubkrOI0
ーー保管庫


名取「誰も居ないけど間違いなくナニかがある…」


名取「……」


名取「誰!?」


……


名取「人じゃない…!?影が蠢いてる!?」


名取「術の類いじゃない!これは……!」


……


名取「う…!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/13(土) 22:33:31.85 ID:dp3VS5QDO
へぇ…私の気配を察知できるなんてね…
まあ今はあんたに用は無い少し寝てもらう
影が何らかの能力を行使したと認識した途端、憎悪や不安、恐れなどの感情が名取の意識を奪う

かつて足りないもの達がどうしてあんなに簡単に発狂したのか
今は心が強くなったのか私の干渉でも容易く発狂はしないようだけどね…さて…資料室はと姿を消した
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/13(土) 22:53:48.75 ID:VhS8VSlIo
>>552
554 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/13(土) 23:01:18.63 ID:AmOkkg2eO
ズズズズズ…


名取「な、なにが……実態が無いからどうしようも…」


ズズズッ


名取「う…うぅぅっ……!」


名取「一体…なに……が…」ドサッ


「私の気配を察知できるなんてね……」


「まあ今はあんたに用は無い少し寝てもらうとして…やれやれ、忍びはこれだから嫌いなのよ」


「さて……邪魔者は居なくなったし、私も動こうかしら」
555 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/13(土) 23:07:10.82 ID:AmOkkg2eO
ーー執務室


「足りないもの鎮守府に居た時は楽しかったわね。艦娘達を発狂させて毎日飽きなかったわ」


「でも今は心が強くなったみたいね、私の干渉でも容易く発狂はしないようだけど…」


「やり方は色々あるわよ、ふふふ…」


「……これが傀儡艦娘の資料」ペラッ


「…ありがとう、全て覚えたわ。後はこの情報を……ふふ…」


「あの子がまさか…このことを知ったら提督はどうなるのかしらね……」


下3 コンマ


偶数  ルートN
奇数  ルートA
ゾロ目 ルートK
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/13(土) 23:12:54.67 ID:dp3VS5QDO
なんの頭文字なんですかね…
後からでも種明かししてくれたらなあ
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/13(土) 23:24:17.83 ID:2UM85rpI0
なるようにしかならないよ
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/14(日) 00:21:05.96 ID:OKMMXH+mO
ぬん
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/14(日) 00:24:13.01 ID:mSqNMGPDO
土曜日は無いと思って来なかった人も居るかな
そんな時にこんな重要な安価が…
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/14(日) 00:26:44.71 ID:j3ban7g2o
すみませんこのタイプの安価はもう踏めない
>>558ありがとう、ごめんなさい
561 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/14(日) 00:39:21.55 ID:CBY6uD+P0
ーー


「そうだ次の傀儡の情報が手に入った」


「情報源は横須賀だ。奴らが偽の情報を手にするとは思えない」


「私は奴をよく知っているならな……なに?」


「奴とは横須賀提督だ。私は…」


……


「傀儡の処理が終われば知らせろ。この世から傀儡艦娘は全て消えるべきなんだ」


「…ああ、装置は改良せずそのままでいい。私はテロがしたいわけじゃない、傀儡艦娘を処理できればそれでいいんだ」


「旧大本営のように核をばら撒く気もなければ、無闇に爆発させて被害を大きくするつもりもない」


「目的を忘れて下衆な存在になるんじゃないぞ」


「……」


「私の情報…役に立って嬉しいわ」


「協力感謝する。実態の無いお前ならやりたい放題だからな」


「ふふふ…本当にそうよね」
562 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/14(日) 00:46:17.68 ID:CBY6uD+P0
「貴女が面白そうなことを考えていたから協力してあげたのよ」


「面白いことではない、傀儡艦娘の存在は悪だ」


「いいわよ…貴女のそういう所が素敵なの」


「お前は私達の側に居て随分と楽しんでいたそうじゃないか」


「ふふふ…艦娘が狂っていく姿は最高だったわ」


「趣味の悪い奴だ」


「その趣味の悪い存在の力を借りているのは誰?」


「……」


「ふふふふふふふ…」


「貴女は足りないもの鎮守府から横須賀に移るゴタゴタに紛れて自分の存在を消した」


「本当に消したのかどうかまでは知らないけど……みーんな貴女のことを忘れているわ」


「ねぇ、貴女は私と組んでまで何をしたいの?」


「私は……」


長門「紛い物が存在しない、清浄な世界を望むだけだ」


「貴女の夢は…きっと叶うわよ」


ーー
563 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/14(日) 00:46:51.61 ID:CBY6uD+P0
今日はここまでです
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/14(日) 00:49:38.79 ID:mSqNMGPDO
お疲れ様でした
長門か…
影の方は個人的にはまた違う存在を想定していたけどこれあいつなのかな
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/03/14(日) 00:53:32.90 ID:j3ban7g2o
おつ
ながもん!?死んだはずじゃ…いや明記されてなかったか…
じゃあAは旧人格だったか…Kはわからん!
566 : ◆X87gBrHVzk [saga]:2021/03/14(日) 19:33:08.15 ID:CBY6uD+P0
ーー医務室


名取「……」ムクッ


漣「おはようございます名取さん」


名取「あれ……どうして…」


漣「廊下で寝てたのを医務室に運んできたんですよ」


名取「なんで…うぅん……」


漣「外傷も無かったんで寝ぼけたとかじゃないですか?」


名取「そんなこと…」


漣「まあ忍びが寝ぼけるなんてあり得ないと思いますけど、何か覚えてません?」


名取「……」


漣「覚えていないと。じゃあ問題無しでいいんじゃないですか?」


名取「そうなのかな…」
567 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/14(日) 19:40:07.29 ID:CBY6uD+P0
漣「侵入者にやられたとして、無傷で倒れてるのはおかしいですよね?」


名取「うん…忍びにやられたとしたら生きてるはずがない。忍び以外がここに忍び込む方法も無い」


漣「全員の点呼も終わってます。誰かを拐いに来たということもありませんでした」


名取「霞も赤ちゃんも無事…」


漣「名取さんが由良さんの代わりに見回りをしてくれるのは有難いです。でも無理をしてまではいいんですよ」


名取「うーん……何も覚えてないけど…何も無かったのかなぁ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/14(日) 20:07:29.21 ID:mSqNMGPDO
そんな時幹部が新たな事実を突き止めた
元々の足りないもの鎮守府は旧大本営の別派閥、深海棲艦の研究を行っていた派閥の実験場だったと
殲滅派が主流だった為に陰に隠れて目立つ事は無かった
艦娘の深海化のメカニズムを解明する為に提督の思想を利用していたらしい
そうでなければ精神や身体に不安のある艦娘は解体させられていただろうと
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/14(日) 20:08:22.91 ID:j3ban7g2o
忍者提督に念の為確認
昏倒や記憶を飛ばす術を使える者は居ないか
570 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/14(日) 20:22:36.88 ID:CBY6uD+P0
ーー


名取「お久しぶりです、忍者提督に聞きたいことがあるんですけどいいですか?」


忍者提督『名取から連絡とは珍しい。由良ならまだ帰れないが…』


名取「そうじゃありません、術について聞きたいんです。相手を昏倒させたり記憶を飛ばす術はありますか?」


忍者提督『もちろんあるぞ』


名取「じゃあそれを受けた後の後遺症か何かはありますか?」


忍者提督『昏倒させた場合は体に攻撃の痕が残る。記憶を飛ばした場合は頭が酒に酔ったような状態が続いたあと、記憶が飛ぶ』


名取「……」


忍者提督『その術をくらったのか?』


名取「外傷は無かったので昏倒ではなく記憶を飛ばされた可能性があります」


忍者提督『状況を詳しく教えてくれ』
571 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/14(日) 20:27:40.89 ID:CBY6uD+P0
忍者提督『……確かに不自然だ。名取が寝ぼけて廊下で寝るなんて考えられない』


名取「でも鎮守府に被害は無いんです。誰も怪我をしてないし何も盗まれていません」


忍者提督『そう決めつけるのは早い。盗むといっても物だけじゃないだろう』


名取「……情報」


忍者提督『書類が手元に残っていても情報を覚えてしまえばいい。そうなると実質盗まれたと同じだ』


名取「ありがとうございます、提督さんに確認してみます」


忍者提督『本当に記憶を飛ばされていたらどうしようも無い。よく考えて行動をするんだぞ』


下2 この後の展開やその他起こったことなど
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/14(日) 20:55:44.66 ID:mSqNMGPDO
ところで由良の事は…と聞くのを迷う名取
一番つらいのは忍者提督だろうと
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/14(日) 21:54:57.15 ID:o+l9MlR7o
>>568
574 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/14(日) 22:17:24.75 ID:CBY6uD+P0
ーー大本営


幹部「これは……」


深海綾波「なにしてんだよオッサン」


幹部「旧大本営についての新たな資料を手に入れたんだが…こんなことになっていたとはね」


深海綾波「アイツらなら何をしてもおかしくないだろ」


幹部「だとしても深海棲艦を実験台にするとは…どこまでも愚かな連中だ」


深海綾波「どれどれ……はっ、艦娘を深海棲艦にする研究ぅ?頭おかしいな」


幹部「旧大本営の中でも少数派だったようだね。だから今になって資料が出てきたんだ」


深海綾波「旧大本営は核戦争がやりたかったんだろ?こんな派閥は内部で潰されてただろ」
575 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/14(日) 22:24:07.08 ID:CBY6uD+P0
幹部「私が気になったのはこの派閥が居た場所だ。この鎮守府では艦娘に対してドラッグを投与する実験も行われていた」


深海綾波「曰く付きの場所だな。そんな鎮守府に居たら頭がおかしくなるだろうな」


幹部「……」


深海綾波「急に黙ってどうしたんだよ」


幹部「君の言うことは間違っていなかったのかもしれないね。この実験が行われていたのは足りないもの鎮守府、かつて提督君が率いていた鎮守府だ」


深海綾波「うーーわ…それ絶対……」


幹部「詳細は残っていないが相当数の艦娘が解体させられていただろう。当時の提督に逆らうことは死を意味する」


深海綾波「曰く付きの場所でキチってる奴らを集めた…そりゃ狂って当然だな」


幹部「これを知っていれば私は…提督君をあそこには着任させなかった……」


深海綾波「終わったことだし仕方ねぇだろ。死んだのは当時の朝潮だけっていうのは救いだな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/14(日) 22:42:30.04 ID:mSqNMGPDO
その資料ではあの羽根の事にも触れられていた
完全体となった深海棲艦の細胞を艦娘や他の生物に移植する事
これは人類の進化にも繋がる崇高な実験なのだと狂気を感じさせる論文もあった
この論文を書いた人物はそんな以前から成虫の存在を察知していた…?と幹部
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/14(日) 22:43:17.98 ID:Wy2mIP1Uo
>>576
578 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/14(日) 23:02:50.07 ID:CBY6uD+P0
深海綾波「おい、資料に書いてあるこの羽ってなんなんだ?」


幹部「私が知っている『羽』は使うと艦娘の姿を変異させて、化け物のようにしてしまうんだよ」


深海綾波「もうなんでもありだな…」


幹部「……羽を艦娘ではなく深海棲艦に使えば、深海棲艦は完全体となる。完全体となった深海棲艦の細胞を艦娘や他の生物に移植すれば…」


深海綾波「したらどうなるって言うんだよ」


幹部「人類は深海棲艦には勝てない。艦娘でできることは時間稼ぎだけ。我々は深海棲艦に滅ぼされるか受け入れるしかない」


幹部「この完全体を細胞を使えば人類は進化する。この実験は世界を救うための実験……そう書いているみたいだね」


深海綾波「なんで頭が良い奴に限ってキチるんだろうな。そんなこと考える暇があれば普通に過ごせただろうに」
579 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/14(日) 23:10:46.88 ID:CBY6uD+P0
幹部「それだけじゃない……成虫にも触れている。これを書いた人物は以前から成虫の存在を察知していたというのか?」


深海綾波「……それは変だな」


幹部「それに『この完全体の細胞』とある。彼らの定義する深海棲艦の完全体は出来上がっていたのか?」


深海綾波「そんな敵は居なかったぞ」


幹部「実験の結果には触れられていない。やはり実験は失敗したのか…」


深海綾波「なにかが残っていたとしても気にする必要は無いだろ。力があるならあの成虫騒ぎに加わってたはずだ」


幹部「それはそうかもしれないが……」


深海綾波「実験が成功してたならこの今は存在しない。心配するだけ損って奴だな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/14(日) 23:16:55.76 ID:mSqNMGPDO
羽根は深海棲艦を進化させ完全体にする
なら羽根の元になったのはなんなのか、何処から来たのか
羽根を作ったのもそいつらなのかと綾波
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/14(日) 23:45:42.64 ID:j3ban7g2o
>>580
582 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/14(日) 23:57:27.41 ID:CBY6uD+P0
ーー


深海綾波「羽は深海棲艦を進化させ完全体にする。だったら羽の元になったのは何なのか…綾波はどう思う」


(まだ私達の知らない何かでしょう)


深海綾波「だよな…あの巨大な繭を成虫だって気付けた奴は居なかった。でも気付いてた奴が居た」


(気付いていたのではなく知っていたのかもしれませんよ)


深海綾波「そんな奴らがわざわざ羽って名前を付けた何かがあった……」


(大量には生産できないみたいですね)


深海綾波「それは分からない。大量に作ったが相手にされずに別の派閥の奴らに潰された可能性がある」


(その時に羽を使えばよかったんじゃないですか?)


深海綾波「使った結果負けたとも考えられるだろ。完全体は複数個できていないのは確実、そんな中でヤク漬け艦娘と深海棲艦しか居ないんだぞ?」


(羽を使った所で、ということですか)


深海綾波「流石に当時の痕跡は残ってないだろうが一応確認しに行くか」
583 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 00:02:00.27 ID:2SdtEOjb0
ーー足りないもの鎮守府


菊月「あの部屋は立ち入り禁止だ」


深海綾波「駄々をこねるな、こっちは調査で来てるんだよ」


菊月「帰れ」


深海綾波「はいはいそうですかって帰るわけないだろ。ドラッグが隠されてた隠し部屋はどこだ」


菊月「教えると思っているのか」


深海綾波「面倒臭せぇ…もういい、帰る」


菊月「二度と来るな」


深海綾波(…ま、隠し部屋の場所と入り方は知ってるんだけどな。こうやっておけば菊月は誤魔化せる)


深海綾波(バレないように軽く壁でも掘ってみるか…何か面白いものでも出てくるかもしれないしな)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 00:17:15.95 ID:x5Tx8TJqo
出ていくまでぴったり張り付いてきた菊月と追いかけっこになる
キレて羽の事を言い敵じゃねえから協力しろと走りながら叫ぶ深海綾波
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 00:20:34.92 ID:Mr28bW4DO
>>584
586 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 00:32:44.56 ID:2SdtEOjb0
ーー


深海綾波「なんで追いかけてきてんだよ!」ダダダッ


菊月「お前が帰らないからだ」ダダダッ


深海綾波「帰るって言ってんだろうが!」ダダダッ


菊月「なら早く出ていけ」ダダダッ


深海綾波「コイツ…!」


菊月(あの部屋には誰も入れられないからな)


深海綾波「だぁぁ…もう!こっちは敵じゃないのはわかるだろ!大人しく協力しろ!」


菊月「何の話だ」


深海綾波「『羽』だ!お前らも知ってて何か情報を握ってるから、ここまでしつこいんだろ!」


菊月「……」


深海綾波「あ…あぁん?」


山雲「ねぇ…羽って言った?あの羽の話をしてるの?」


深海綾波「どこから声が…?」


菊月「お前は知ってるのか」


山雲「ええ…羽は忘れたくても忘れられないわ」


ーー
587 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 00:33:20.08 ID:2SdtEOjb0
今日はここまでです
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 00:42:26.47 ID:x5Tx8TJqo
乙でした
山雲…気を強く持っていてくれよ…
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 00:51:22.80 ID:Mr28bW4DO
お疲れ様でした
菊月が邪魔をするのは朝霜か…
590 : ◆X87gBrHVzk [saga]:2021/03/15(月) 19:34:57.02 ID:2SdtEOjb0
ーー


山雲「羽は旧大本営派の艦娘…その中でも下っ端の使い捨てのような艦娘に与えられたもの」


山雲「追い詰められたらこれを使え。どうなるかは説明されなかったけど、自決用のナニかであることは理解していたわ」


菊月「下っ端に渡されたということは数はそれなりにあったということだな」


山雲「そのはずよ…」


菊月「だがそんなものは聞いたことも無いし見たこともない」


山雲「そのはずよ…配られた羽は全て使われてしまったの……使用者も生き残ることはできないから情報が残らないのよ」


深海綾波「お前が生き残っているのは奇跡って話か?」


山雲「そうでしょうね…羽を使用して生きているのは私以外に存在しないはずだから」
591 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 19:40:37.05 ID:2SdtEOjb0
菊月「羽とはなんなんだ。夕張のトリガーのような負荷装置なのか?」


山雲「私もそう考えていた…けどどうやっても再現できなかったの」


深海綾波「そんなオーバーテクノロジーを旧大本営がねぇ…」


山雲「残っているたった一つの羽も解析できなかった。どこをどうやっても合成された成分を何も分からなかったのよ」


菊月「結局正体は分からないということか」


山雲「いいえ…合成されていないというのなら一つの仮説が立つの。これが本当に羽であるとするなら話の辻褄は合うわ」


深海綾波「そんな危ないもんが付いてる生物が居るっていうのかよ、冗談も大概にしろってヤツだ」


山雲「それしか無いのよ…これは人工的に作られたものじゃない……」


菊月「私の知らない事がまだあったことは確かだ。こっちも動く必要があるかもしれないな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 19:47:47.94 ID:6XBvAIa20
「怪しい大きな鳥について……何か
知ってる?」と、艦娘仲間に聞く山雲
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 19:50:36.91 ID:Mr28bW4DO
最初に羽根が配られてから時間もかなり経ったはずだな?
そいつらがまだ健在ならその使い捨てにしか使えない羽根に何らかの手を加えている可能性もある
私も少し調べてみようと菊月
594 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 20:02:13.69 ID:2SdtEOjb0
ーー


菊月「最初に羽根が配られてから時間もかなり経っている」


曙「そいつらがまだ生きてるなら羽は使い捨てにはなってないわね」


菊月「少し調べておく必要がありそうだな」


曙「何から調べるの?」


菊月「羽を配っていた奴らだ。塀の中に居る連中に話を聞く」


曙「ならあたしは別方向を調べるわ。この足りないもの鎮守府は色々と曰く付きだって分かったし」
595 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 20:07:54.00 ID:2SdtEOjb0
ーー地下室


深海綾波「なるほどな、菊月がここに来させたくなかった理由はこれか」


「ギ…ギギ……」


深海綾波「朝霜の中に早霜が入ってるって所か、ん?」


「…」ギギッ


深海綾波「哀れなもんだな、これがお前らの結末とはな」


「……」


深海綾波「見なかったことにしてやるからお前はそこから出るな。出ようと思っても出られないだろうけどな」


深海綾波「さて…また面倒なことになりそうだな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 20:27:09.75 ID:P4ZR8p/Go
kskst
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 20:47:57.65 ID:x5Tx8TJqo
菊月による尋問パート
598 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 20:56:47.51 ID:2SdtEOjb0
ーー


「羽…羽か。あれの詳細は知らない」


菊月「嘘を言うな」


「嘘じゃない。上から渡されたものをそのまま艦娘達に渡していただけだ」


菊月「チッ、外れか」


「トップシークレットというより、何処からかぶんどって来たものが使えそうだから渡されたという様子だった。詳細を知ってる奴は少ないだろう」


菊月「羽は旧大本営の別の派閥で作られていたものだ」


「全く知らないな……」


菊月「もういい。これ以上話しても時間の無駄だ」
599 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 21:03:10.14 ID:2SdtEOjb0
ーー


「羽……」


菊月「お前も知らないのか」


「そのものは知らないが話は聞いたことがある」


菊月「話せ」


「羽は実験の副作用的に手に入ったもので本来の目的とは違う…」


菊月「本来の目的とはなんだ」


「艦娘の深海棲艦…化?詳しくは知らない」


菊月「なら成虫についてはどうだ」


「…あの成虫以外に成虫が居たのか?」


菊月「…ダメか。やはり当時のあの鎮守府の人間を探すしかないが、提督は死んだと聞いている。旧大本営派の人間も死んでいるだろう」


菊月「なんでもいい何か情報が欲しい。ここで追跡できなくなったらそれで終わりだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 21:29:12.82 ID:Mr28bW4DO
色々調べていくうちに当時の死んだとされている提督の秘書艦を突き止める
その名前は龍飛
そんな艦娘は知らないが飛龍の間違いか…?と菊月
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 21:46:21.58 ID:AhsjFTX/o
>>600
602 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 21:56:22.25 ID:2SdtEOjb0
ーー


菊月「この資料にも書いてある……やはり当時の提督は死んだのか。しかし死体を確認していない以上は確定ではない」


菊月「それにこの秘書艦と記録のある艦娘…龍飛とはなんだ?」


菊月「解体した後の個人名にしては不自然だ、飛龍の間違いの方が信憑性はある」


菊月「この際名前はどうでもいい、この秘書艦はどこに行ったんだ?」


菊月「どの資料を辿ってもコイツは見つけられなかった。そうなるとやはり解体されたのか、もしくはドラッグ漬けで再起不能か」


菊月「…再起不能は無いか。病院に入れられたのならその記録がある。コイツはどこに行ったのかまるで分からないんだ」


菊月「クソ…確実に迫っているのにあと一歩が届かない。これだから旧大本営絡みの話はややこしいんだ」
603 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 22:02:52.06 ID:2SdtEOjb0
龍驤「お目当ての資料は見つかったん?」


菊月「あることはあったがハズレだ」


龍驤「そうなんやね…こっちは書庫でも保管庫でも好きなだけ調べてもらってもええからね」


菊月「…次は書庫だ。旧大本営に関する資料もあると言っていたな」


龍驤「全部まとめて書庫にあるよ。今案内するからちょっち待っててな」


提督「菊月、探し物は見つかったのか?」


菊月「求めているものでは無かった。暫く書庫に籠らせてもらうぞ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 22:30:19.37 ID:Mr28bW4DO
古い資料を見付けた菊月
羽根を利用した実験だったが結果は失敗
被験体となった艦娘はなんと分裂したらしい
別れた片方は一命を取り止めたがもう片方は影のように消えてしまったとある
その名前が先にあった龍飛だった
一命を取り止めた片方は名前を変え艦娘を続けているらしい
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 22:31:31.95 ID:P4ZR8p/Go
>>604
606 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 22:42:28.68 ID:2SdtEOjb0
ーー執務室


提督「わざわざ執務室にまで来たということは何かあったのか」


菊月「龍飛という名前を知っているか」


提督「…知らないな」


菊月「そうか。この龍飛というのは艦娘でお前達の居た鎮守府で秘書艦をしていた」


龍驤「そんな艦娘聞いたことないで?」


菊月「私も最初は飛龍の間違いだと思った。だがそうでは無いようだ」


菊月「龍飛というのはある艦娘に使われるはずの名前だった。しかしあることが原因でその名前は使われなくなった」


提督「そのあることは?」


菊月「龍飛は旧大本営の実験台にされ結果は失敗。その上甚大な被害も出たようだ」


龍驤「その実験って羽を使った実験?」


菊月「どんな内容かは分からないが羽を使ったことに間違いない。龍飛はその実験で死んだ」


提督「……」


菊月「話はまだ終わりじゃない。龍飛は死んで終わりではなかったんだ」
607 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 22:47:41.73 ID:2SdtEOjb0
菊月「龍飛が死んだ所では黒いシミが残っていた。影のように人型がこびり付いて取れなかった」


菊月「だが…数日後に突然と消えた。そしてあることが起こった」


提督「あること?」


菊月「龍飛が死んだ部屋である艦娘が見つかったんだ」


龍驤「それはドロップ……じゃないでな」


菊月「理屈は知らないが記録には見つかったとだけ書いてある」


提督「その艦娘はどうしたんだ?」


菊月「実験台にされる寸前で逃げ出したようだ」


龍驤「良かった…その子に被害はなかったんやね」


菊月「これを見つけて驚いた。ある意味運命なのかもしれないとでも思った」


提督「なにがだ?」


菊月「龍飛が使われなくなり別の名前が使われるようになった艦娘…その名前だ」


菊月「その艦娘の名前は……鳳翔」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 23:04:26.54 ID:x5Tx8TJqo
まさか…
お世話になった孤児院の鳳翔さんが浮かぶ龍驤
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 23:07:40.07 ID:FinUrHGwO
>>608
610 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 23:14:08.70 ID:2SdtEOjb0
提督「……」


菊月「鳳翔のことを知っているようだな」


龍驤「そんな嘘や…鳳翔さんが……孤児院で世話になって…」


提督「鳳翔さんは伊168達が世話になったが…そうか、足りないもの鎮守府から近くの店をやっていたのは……そういう…」


菊月「お前達が着任してから店を開いたんだろう。自分の追っ手が来ないのを確認するには十分だからな」


提督「鳳翔さんとは思想の違いもあった……それは旧大本営によるものだった?」


菊月「詳しい話は会ってから話す。店の住所を教えろ」


龍驤「鳳翔さんにそんな過去があったやなんて…」
611 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/15(月) 23:17:27.56 ID:2SdtEOjb0
ーー孤児院


鳳翔「ごめんなさい、お店は閉じたの」


菊月「そのようだな。お陰でここに来るのに苦労した」


鳳翔「龍驤さんに聞いたんじゃないんですか?」


菊月「……お前があの鎮守府に居たのは事実だな」


鳳翔「そうですね」


菊月「あの時なにがあった?」


鳳翔「龍飛…当時の鳳翔に羽を使った実験をしたんです」


菊月「その内容は?」


鳳翔「……昔の話です。ゆっくり話しましょう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/15(月) 23:48:34.97 ID:Mr28bW4DO
深海棲艦という新しい生物に人類の未来を見た学者が居た
その友人の鳳翔の提督もそれに協力していて助ける為に実験に志願した当時の龍飛
羽根がなんなのかは提督も学者さんも教えてはくれませんでしたが…彼らの役に立てるならどうでもよかった
しかし実験は失敗
そして私は…私は龍飛であり龍飛ではありません
記憶自体は同じですが彼女はまだ存在していると鳳翔

影…か?と菊月
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 00:05:30.35 ID:knlZatcYo
>>612
614 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/16(火) 00:14:14.69 ID:kvJWsuj80
鳳翔「深海棲艦という未知の新しい生物に人類の先を見た学者が居ました」


鳳翔「その友人の提督もそれに協力し、提督の為にと実験に志願したのが当時の龍飛です」


鳳翔「羽がなんなのか提督は知らなかったようですが、彼らの役に立てるならどうでもよかったんです」


鳳翔「しかし……実験は失敗してしまいました」


菊月「そしてお前が生まれた」


鳳翔「生まれた…というのは間違いでもあり合ってもいます私は鳳翔であり龍飛でもあるんです」


菊月「記憶が残っているというのか」


鳳翔「はい…ですからこの話を菊月さんにすることができるんです」


菊月「そうか、お前があの店をあそこの場所に構えた理由は提督か」


鳳翔「どの記録を辿っても提督は死んだとなっていました。でも私は納得できません、きっと戻ってくると信じてあの場所でお店を開いたんです」


菊月「危険なのは承知でか」


鳳翔「ええ…提督に会えるなら多少のリスクは気にしません」
615 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/16(火) 00:21:03.96 ID:kvJWsuj80
鳳翔「菊月さんどうかお気をつけて下さい。龍飛はまだ存在しています」


菊月「実験に失敗して死んだんじゃないのか」


鳳翔「影です」


菊月「影…」


鳳翔「体という器が無くなって魂だけで存在している。部屋にこびり付いていた影がそれを物語っているんです」


菊月「影が動いているというのか」


鳳翔「もしかすると影というのは目視できる形で、魂だけの存在になっているのか…とにかく死んでなんか居ないんです」


鳳翔「どうか彼女を、私を助けてあげて下さい」


菊月「影か…いや、何度殺しても復活する奴よりかはマシだと思っておくか」


ーー
616 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/16(火) 00:21:35.74 ID:kvJWsuj80
今日はここまでです
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 01:19:39.73 ID:knlZatcYo
おつおつ
つながったなー!
影か…
618 : ◆X87gBrHVzk [saga]:2021/03/16(火) 19:19:29.20 ID:kvJWsuj80
ーー大本営


幹部「名取君から返事は来ない…罠を仕掛けたのはいいがそれに食いつかなかったのか」


幹部「それとも敵はこちらが思いもしない方法で既に情報を手にしてしまったか…」


幹部「どちらにせよ向こうが動けばわかるようになっているからね。名取君が渡した偽情報はここの特務艦達が傀儡だと書いてある」


幹部「傀儡でない彼女達になにをしても爆発することはない。むしろ向こうを捕まえることもできる」


幹部「特務艦になれる艦娘の実力は伊達ではないからね。偽情報には特務艦であることすら書いていないが、これは大本営に所属している時点で勘づかれている可能性はある」


幹部「情報が行き渡っているとするなら…そろそろ動いてくるだろう」
619 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/16(火) 19:23:42.06 ID:kvJWsuj80
幹部「綾波君は帰ってこないが彼女も動いてくれているようだね」


幹部「さて…待ち構えているだけではなく、こちらから動くとしよう」


幹部「傀儡艦娘を敵より先に保護。これが最優先で次いで敵の排除だ」


幹部「申し訳ないが提督君達にも協力を仰ごう。人手は多ければ多いほどいい」


幹部「我々は旧大本営とは違う、艦娘の為にも戦うということを思い知らせてやろうじゃないか」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 19:36:36.76 ID:HFNKfSfDO
一方長門
旧大本営よりはマシだが今の大本営もまた温すぎる
自爆や暴走の恐れがある傀儡共を放置するなどあり得ない
私達艦娘の為にも排除しなければ…
もしも必要なら頭のすげ替えも考えないとならないだろうか

ますば情報を吟味
大本営の艦娘が傀儡…?
しかし特務艦は旧大本営時代からの者も多い
爆弾を内臓している傀儡をそのまま使うだろうかと疑念
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 19:38:13.00 ID:sI8pAoH50
622 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/16(火) 20:01:54.32 ID:kvJWsuj80
ーー


長門「旧大本営よりはマシだが今の大本営は温過ぎる」


長門「自爆や暴走の恐れがある傀儡共を放置するなどあり得ない。私達艦娘の為にも排除するのが当然だ」


長門「必要なら頭のすげ替えも考えないとならないな。爆弾は首の辺りに着いていて外しようもない」


長門「…とりあえず今は処分を優先だ。龍飛の手に入れた情報を確認してみるか」


長門「……大本営の艦娘が傀儡だと?」


長門「特務艦は旧大本営時代からの者も多いが、爆弾が仕掛けられている傀儡をそのまま使うのか?」


長門「いや…手術を行った可能性もあるのか。確か提督の所に居る陽炎はその手術を受けていたな」


長門「手術を受けると副作用で体の一部に変化が現れる。資料にあるコイツらがそうなのか確認する必要がある」


長門「それともう一つ…だな」
623 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/16(火) 20:06:31.18 ID:kvJWsuj80
ーー深夜、横須賀鎮守府


陽炎「んー…なんだか寝付きが悪いわね……どうしたのかしら」


陽炎「せっかく新しい枕を金メッキにしたのに…私なら絶対すぐに寝れるわよ」


陽炎「…少しお水でも飲もうかしら」スッ


陽炎「……あれ?何か違和感が………」


陽炎「私の影……こんな…変な……蠢いて…」


龍飛「ばぁぁぁ〜」


陽炎「……」ガクッ


龍飛「体を乗っ取ることはできないけど自由を奪うことくらいはできちゃうのよね」


龍飛「さぁて、じっくり調べさせてもらうわよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 20:42:01.92 ID:K7kxXaH1O
kskst
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 20:45:08.39 ID:HFNKfSfDO
やっぱり爆弾は取り除かれてはいるわね
でもまだまだ他の傀儡艦娘はろくにしゅじちゅ…しゅ…
まだ爆弾が残ったままの傀儡は沢山居る
資料が出来るくらいには把握してるのに進んでいないのは何故か
この陽炎からヒントが得られないかと龍飛
626 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/16(火) 21:00:22.15 ID:kvJWsuj80
ーー


龍飛「やっぱり爆弾は取り除かれてはいるわね。そして髪色が金色なのが副作用ってところね」


龍飛「髪色が変わるのがこの子だけの特徴なのかどうかまでは分からないけど、一つの基準にはなるわ」


龍飛「まだ爆弾が残ったままの傀儡は沢山居るのにしゅ…手術が進んでいないのは何故なのかしら」


陽炎「……」


龍飛「この子を使って調べられないかしら…」
627 : ◆X87gBrHVzk [sage saga]:2021/03/16(火) 21:11:06.98 ID:kvJWsuj80
ーー


陽炎「あ、あれ……私…」


ビチャッ


陽炎「い…嫌……まさか…漏らしたの…?」


陽炎「ううう最悪…ズボンと下着がびしょ濡れ…」


陽炎「とりあえず着替えて…いやでも先にお風呂に……」


陽炎「こんな時間だし誰も居ないわよね…脱いでからお風呂に行けば……」シュルッ


龍飛(そうよね、この時間なら服は脱ぐわよね)


陽炎「あ……」ガクッ


龍飛「ふふふ、調べるにはとりあえず裸にしないといけないわよね。精神に干渉できても行動を操ることはできないから回りくどい方法になってしまうけど…」


龍飛「さぁ貴女の全てを見せて。そして全てを私に教えて」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
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