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【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】

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581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 00:04:49.36 ID:6ACb8ive0
使う
582 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 00:07:04.85 ID:08s1xuh70
【スキル:一番星の魔法を使用しました】

【現在のモノクマメダル…20枚】

-------------------------------------------------

【灯織の部屋】

(福丸さんにプレゼントを頂いてしまった……)

(思いがけない一品、実際もらってみるとこんなにうれしいものなんだな)

(さて、今日ももう少しだけ頑張ってみよう)

【自由行動開始】

【事件発生前最終日の自由行動です】

灯織「さて、どうしよう……?」

-------------------------------------------------

1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル20枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 00:15:27.58 ID:RpJRJqfg0
2.小糸
584 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 00:18:08.46 ID:08s1xuh70
2 小糸選択

【食堂】

灯織「あ、福丸さん……こんばんは」

小糸「こ、こんばんは……」

灯織「晩御飯ですか?……ご一緒してもいいでしょうか」

小糸「は、はい!ぜひ……!」

灯織「ありがとうございます、隣、失礼しますね」

小糸「え、えへへ……」

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?

現在
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【ジャスティスV変身ベルト】
を所持しています。

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 00:19:13.26 ID:RpJRJqfg0
2
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 00:20:32.59 ID:oBmwRmMC0
もうそろそろ結婚申し込む頃では?
1色恋沙汰リング
587 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 00:21:36.70 ID:08s1xuh70

【プレゼントを渡しませんでした】

灯織「ふふっ、福丸さんよく笑うようになりましたね」

小糸「そ、そうですか?」

灯織「あ、す、すみません……私個人の見解なのですが、ここにくる以前より福丸さんの笑顔を多く見かけるようになったような気がします」

小糸「た、多分それは……風野さんのおかげだと思います」

灯織「わ、私ですか……?」

小糸「は、はい……透ちゃんの事件の裁判で、か、風野さんが言ってた【絆】……わ、わたしも考えてみて」

小糸「透ちゃんがいなくなっても、わたしの中で透ちゃんは生き続けてるんだって思うようになって……」

灯織「福丸さん……」

小糸「それに、風野さんはわたしに何度も話しかけてくれて……そのたびにわたし、嬉しくて……次に会えるのはいつかなって、楽しみになってて」

灯織「そこまで思ってくれていたんですか……?」

小糸「あ、す、すみません!」

灯織「いえ、そんな、謝らないでください!私も同じですから!」

小糸「ぴぇっ?!」

灯織「私も、次にお会いしたら何を話そうか、何をしようか。そうやって思いを巡らせるようになってて……」

小糸「か、風野さん……」

灯織「その、だから……」

1.福丸さんのこと、小糸って呼んでもいい……かな?
2.もう、友達ってことで、いいのかな……?
3.自由安価

↓1
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 00:24:13.85 ID:vfoJ7LHG0
1
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 00:24:30.44 ID:6ACb8ive0
1
590 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 00:25:54.86 ID:08s1xuh70
1 選択

灯織「福丸さんのこと、小糸って呼んでもいい……かな?」

小糸「え……?」

灯織「あ、いや……もし嫌でしたらお断りしていただいても!」

小糸「だ、大丈夫だよ!……灯織ちゃん!」

灯織「……!」

小糸「え、えへへ……灯織ちゃんとわたしはもう、と、と、友達……だからね!」

灯織「……はい!ありがとうございます」

小糸「も、もう灯織ちゃん!敬語になってるよ!」

灯織「あ、いや……つい……」

小糸「も、もう……灯織ちゃんはうっかり屋さんだなぁ!」

灯織「あはは……ごめん、小糸」

小糸「そうだ、せっかく友達になれたんだし……こ、これ灯織ちゃんに!」

灯織「こ、これって……?」

小糸「あ、飴玉だよ!実は、この学校に入ったとき既にポケットに入ってたもので……わ、わたしのお気に入りなんだ!」

灯織「そんな貴重なものを……」

小糸「もう、と、と、友達だからトーゼンでしょ!」

灯織「……うん、ありがとう小糸」

小糸「えへへ……」

(小糸との間に確かな絆を感じる……)

(心の内側からじんわりと広がっていく温かさ、確かな友情がここにある)

(この絆は、絶対に切れない)

【親愛度が上昇しました】

【親愛度MAX!】
591 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 00:26:33.23 ID:08s1xuh70

【アイテム『お気に入りの飴玉』を手に入れました】
〔外にいた時、普段小糸が口にしていた飴玉。口に入れるだけで頬が蕩けるほど甘い〕

【スキル『ポシェットの中には』を習得しました】
〔自由行動のある日に限り一日の終わりにコンマ判定を行い、末尾の数字の枚数分だけのモノクマメダルを獲得できる〕


-------------------------------------------------

おめでとうございます。福丸様との親愛度が最大限に到達いたしました。
自由行動での目標は到達いたしましたが、以降も交流で福丸様を選択いただくことは可能です。
その際にはモノクマメダルをコンマ値に応じて獲得できるイベントが発生いたします。
必要に迫られることがあれば、ご活用くださいませ。

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592 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 00:27:41.72 ID:08s1xuh70

【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま〜す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』

(一日が、終わってしまった)

今日も日中は皆さんと交流した。
そのおかげで私自身気も楽になったし、他の皆さんも昨晩ほどの沈みようは感じなくなった……と思う。

大丈夫、何も心配することなんかない。

……あのビデオも、嘘っぱちなんだから。

そう自分に言い聞かせながら、私は目をつむった。
593 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 00:28:09.23 ID:08s1xuh70


……でも、思えばそんな虚勢ははじめから意味なんて無かったのかもしれない。

理不尽は、そんなもの関係なしにやってくるからこそ、理不尽なんだ。





___________もう、絶望は迫っていた。




594 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 00:35:21.34 ID:08s1xuh70
というわけで今回の更新はここまでになります。
小糸の親愛度が12に到達しましたね。
おかげで書き溜め分の灯織→小糸の呼び名を修正しなくてはなりませんね……(笑)

小糸から習得したスキルは永続的に発動する(予定)なので、今後メダルには困らないかも……?
今回もこのレスの直下のレスでコンマ判定をさせてもらい、次回更新時に反映させていただきます

途中小糸にも言及させましたが、モノモノマシーンの91~100で排出される私が考えたアイテムは
シャニマスのアイドルに関連した物品になるので、関連性の強いアイドルに渡すことが求められます。
今回は外れてしまいましたが……

次回更新は事件発生~捜査パートになります
3/16 22:00〜から更新できたらやります
それではまたよろしくお願いします、おやすみなさい……

-------------------------------------------------

【スキル:ポシェットの中にはの判定を行います】

【末尾の数字と同じだけのモノクマメダルが獲得できます】

↓1
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 00:38:57.06 ID:6ACb8ive0
乙です
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 00:45:03.28 ID:vfoJ7LHG0
乙です
小糸ちゃん……!!!
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 11:41:21.11 ID:sUiK05Vro
死なないでくれ……
598 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:04:44.71 ID:08s1xuh70

予定通り事件発生から少し更新します……


-------------------------------------------------
>>595

【コンマ06】

【スキル:ポシェットの中にはの効果でモノクマメダルを6枚手に入れました!】

【現在のモノクマメダルの枚数…26枚】
599 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:07:17.14 ID:08s1xuh70

___

_____

_______


【灯織の部屋】


キーン、コーン・・・カーン、コーン


モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ〜!さぁて、今日も張り切っていきましょう〜!』

(……朝だ)

昨日は結局何事もなく一日が終わった、けど……
みんなはどう思っているんだろう。

朝礼ではみんな前向きになっていたし、
その後の交流でもそこまで思い詰めた人はいなかった、ように思う。

でも、私の視点からそう見えるだけで、実際のところはわからない。

楽観的になんて、なれないよ……
600 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:09:36.55 ID:08s1xuh70

【食堂】


食堂の扉を開けると、出迎えてくれたのは咲耶さんだった。


灯織「おはようございます」

咲耶「やあ、おはよう」


ああ、よかった。いつもと変わらない朝だ。
咲耶さんの笑顔はいつも通り華やかで、卓には既に温かい飲み物と一緒にくつろいでいるみんな。


霧子「おはよう、灯織ちゃん……」

凛世「おはよう、ございます……」


霧子さんに、凛世。


(……あれ?)


______『みんな』は、欠けていた。


灯織「凛世?樹里と小糸は?」

凛世「はい、今朝呼び鈴を鳴らしても返事がなく……食堂に先にいらしているものかと思っていたのですが……」
601 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:12:25.69 ID:08s1xuh70

咲耶「珍しいね、樹里が寝坊とは……」

凛世「こちらに来てからも、生活習慣を崩されているご様子はなかったのですが……」

霧子「疲れが、出ちゃったのかな……?」

灯織「こ、小糸もですか……?」

咲耶「二人同時に寝坊……」

咲耶「…………」

咲耶「…………であって欲しいけれど」

霧子「……!!まさか、何かあったんじゃ……」

凛世「……まさか」

(……嫌な予感がする)


昨日の動機がよみがえる。

モノクマに見させられた悪趣味な映像。
阿鼻叫喚というほかない地獄の光景。

私の脳内に常に流れ続けているこの映像……

もし、万が一。
誰かがこの衝動に飲み込まれたんだとしたら。


灯織「わ、私、樹里の部屋に行ってみます!」


_______いてもたってもいられなかった。


咲耶「私たちは小糸を探そう!霧子、凛世!」

凛世「はい、参りましょう……!」
602 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:14:07.29 ID:08s1xuh70

【樹里の部屋前】

ドンドンドンドンッ!


灯織「樹里?起きてる?返事して!」


インターホンを何度鳴らしても、扉を乱暴に叩いても、廊下で声を張り上げても……返事はない。

脳裏によぎる浅倉さんの事件。
……いや、そんなわけない。
私たちはあの時裁判上で誓ったんだ

……殺しなんて、事件なんか起きてるはずがない!


灯織「樹里!樹里!」

めぐる「あれっ灯織!?どうしたの!?」

灯織「め、めぐる!樹里の姿が見えなくて……」

めぐる「樹里が?!いっつもあんなに早く集合してるのに?!」

灯織「そう……だから妙だなって思って……でもこうやって部屋を訪ねても反応がないの!」

めぐる「よし、みんなで探そう!大丈夫、どこかにいるはずだよ!」

灯織「あ、めぐる!樹里だけじゃなくて小糸も朝礼に来てないの……小糸も探してもらえる?」

めぐる「うん、もちろん!今からみんなの部屋のインターホンを鳴らして叩き起こして捜索開始!」

(そ、それはそれで困るけど……)

603 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:16:53.41 ID:08s1xuh70

めぐるの協力もあり、すぐに樹里と小糸を除く全員が集まった。

智代子「じゅ、樹里ちゃんがいないの?!」

灯織「うん……いつも朝礼に早くから集まってるのに、今日はまだ二人とも……」

愛依「どうしたんだろ……誰か見た人もいない系?」

甘奈「ううん、甘奈たちは見てないよ……」

甜花「どうしちゃったんだろう……」

円香「…………」ギリッ


めぼしい目撃情報もなし。
明らかな異常事態に、すぐさまに二人の捜索が始まった。


灯織「ダメ、いない……!」


倉庫、ランドリー、大浴場……
教室、視聴覚室、購買……

片っ端から覗き込んでも二人の姿はない。
604 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:17:58.71 ID:08s1xuh70





_____焦燥が体の震えに変わりだした頃、学校中に響き渡る、それが聞こえた。

「わああああああ!!!」





605 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:20:55.08 ID:08s1xuh70

(今の声は……チョコ?!玄関ホールから?!)

私はすぐさま調べていた教室を抜け出し、声の方へと駆けつけた。

玄関ホール。学校エリア一階の正面に位置する場所からチョコの声は聞こえた。

普段から開け放たれた玄関ホールからは心なしか冷たい空気が漂っている。

事実を確認しようとするその足取りは重たい。
まるで足枷をつけられているかのように、一歩を踏み出すのが苦しい。

______違う、そんなわけはない。
もう私たちの間でコロシアイなんか起きるはずない。
そう確信していたし、今も頭の中で何度も何度も叫び続けている。






でも、この……血の匂いだけは……
ただ一つの認めたくない現実を表している。
606 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:23:03.10 ID:08s1xuh70


大きな唾を一つ、呑み込んで、私は玄関ホールに踏み込んだ。


そして、私は【それ】を見た。


それを見て……


それを見て……


見、て…………


…………………………


……………………………………………………


…………………………………………………………………………………………………………

607 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:23:48.83 ID:08s1xuh70





【玄関ホールの中央に胸部に深々と包丁を突き刺され絶命している福丸小糸の姿があった】





608 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:25:40.49 ID:08s1xuh70
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CHAPTER02

存在証明を、この悲鳴を、或いは絶望を

非日常編


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609 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:26:39.38 ID:08s1xuh70

ピンポンパンポーン!

「死体が発見されました!一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!」




………………
………………………………
………………………………………………え?

しばらくしてから絶叫している自分に気がついた。
目の前で広がる赤々とした惨状。
完全に力の抜けた小糸の遺体。

誰よりも小さなその身体で、誰よりも一生懸命現実に立ち向かい、自分の中の殻を破った小糸。
私たちがモノクマにもう一度立ち向かうそのきっかけをくれた小糸。

______そして、ここでの生活で本当の友達になれた小糸。

そんな彼女は、もう動かない。
610 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:28:21.76 ID:08s1xuh70

他のみんなが集まるまでそう時間はかからなかった。


めぐる「こ、小糸?!」

咲耶「……なんてことだい」

雛菜「こ、小糸……ちゃん……?」

円香「…………」

灯織「……なんで、なんでまた」

灯織「コロシアイが起きてしまうんですか!」


絶叫虚しく、その答えが返ってくるはずもない。


モノクマ「てやんでいてやんでい!」

めぐる「も、モノクマ!」

モノクマ「天下の往来の玄関ホールで殺したぁ肝の座った犯人でねぇか!」

凛世「今回も、犯人は凛世たちの中に……?」

モノクマ「タリメェよ!おみゃーらん中に犯人はいるんでい!っちゅーわけで」

モノクマ「ザ・モノクマファイル2!渡しておくでい!」
611 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:34:55.68 ID:08s1xuh70

甘奈「うぅ……また、始まるの……」

甜花「もう、やだよ……学級裁判なんて……」

モノクマ「いやもへったくれもねー、もうおみゃーらは現実に向き合うしかないんじゃ!」

灯織「……っ!」


……悔しいけど、こればかりはモノクマの言う通り。
私たちがこうして嘆いていても小糸は帰らない。

自然と、そのことを自分が理解するのにそう時間は要さなかった。


(……真乃の事件で、慣れてしまっているんだ)

(このいかれた状況に)


灯織「……モノクマ、ファイルを頂けますか」

めぐる「ひ、灯織……?」

灯織「めぐる……小糸のためにも、今は動くしかない……そうでしょ?」

めぐる「……そうだけど!」

モノクマ「風野の嬢ちゃんは立派だね、もうこの状況に慣れつつあるんじゃな」

モノクマ「他のおみゃーらも見習うように!」

愛依「んなこと言ったって……」
612 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:40:22.39 ID:08s1xuh70

摩美々「モノクマ、私にもファイルくださーい」

霧子「ま、摩美々ちゃん……」

摩美々「昨日も確認したでしょ?学級裁判にかかってるのは私たちのおしおき」

摩美々「私は死にたくないのでー」

智代子「う、うぅ……」

円香「……それじゃあ私も、ファイルいただきます」

雛菜「……雛菜も」

モノクマ「ほっほっほっ、いいのういいのう、後ろ向きな前向きじゃのう!」

愛依「……あーもう!しょうがない、うちにもちょうだい!」


みんないやいやながらも私たちの後に続いてファイルを受け取っていき、
やがて全員の手に行き届いた。


摩美々「……灯織、今回は切り替え早かったね」

灯織「別に切り替えたわけではありません……」

灯織「小糸の遺志を継ぐこと、それは真乃と約束したことでもある」

灯織「……それなら向き合うことから逃げてる時間はないんです」

613 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:45:30.76 ID:08s1xuh70

摩美々さんに返した言葉は本心だった。
半ばやけくそなところもあったとは思う。
それでも、私の心の中には臆病な自分をふっとばして無理やり振るい建てようとする心があった。

それが残されたものに課せられた義務だと知っていたから。

生き残らないと、それに報えない……!


ファイルを配り終えたモノクマは、大きく一つ伸びをするとそそくさとその場を去ろうとする。


モノクマ「じゃ、せいぜい頑張りな!わしは江戸仕込みのワインでも飲みながらおみゃーさんらのことを眺めとくけーの!」

摩美々「ストップ」


だが、それを摩美々さんが制止した。


モノクマ「べらんめぇ?!」

摩美々「……樹里がこの場にいないけどいいの?ていうか樹里は無事なんですかぁ?」


そう、一瞬の間小糸の死で忘れてしまっていたが、この場所にはもう一人、樹里がいない。
まだ緊急事態は終わってなどいないんだ。


モノクマ「クックック……それはわしの口からは言えんからの……おみゃーさんらでどうにかせんかい」

咲耶「自分の目で確かめろってことかい……」

モノクマ「そういうこと、教師が干渉しすぎるのは教育的に良くないって偉い人も言ってるからね!」

モノクマ「もういい?行っていいよね?やかんのお湯が沸騰してるころだしもう行くよ!」


モノクマはそれだけ言うと、すぐにその姿を消した。

614 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:51:59.73 ID:08s1xuh70

智代子「えーっと、どうしよっか……」

めぐる「ど、どうするも何も、樹里を見付けなきゃだよね?!」

咲耶「それもそうだけど、捜査も進めないと学級裁判で勝つことはできない」

凛世「ならば、分担いたしましょう……」

凛世「現場で小糸さんの死を究明するチーム……樹里さんの無事を確認するチーム……」

凛世「分かれて行えば倍々でお得、でございます……」

摩美々「それが一番だねー」

愛依「ならうち、樹里ちゃん探すよ!推理はやっぱり苦手だし……任せた!」

咲耶「私も手伝おう、樹里が気がかりで頭が働きそうにない……」


自然と樹里の捜索班と事件の調査班とに分かれていき、事件現場には数人が残された。


灯織「めぐるはどうする?」

めぐる「わたしはやっぱり樹里を探しに行こうかな……頭を使うのより、こっちの方がやっぱり得意だし!」

めぐる「だから灯織、推理は任せたよ!」

灯織「うん、こっちこそ。樹里は任せたよ」

めぐる「まっかせてー!必ず樹里の無事の知らせを、届けて見せるから!」


めぐるもすぐに捜索班の後を追い、私と別れることになった。

……残された私も、役目を果たさないとね。

逃げてばっかりじゃいられない……!
小糸……あなたの遺志は絶対に受け継ぐから……!


【捜査開始】


615 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 22:55:44.93 ID:08s1xuh70

さて、まずは事実確認のモノクマファイルから。
モノクマに手渡された封筒を開封する。

『被害者は福丸小糸。胸部を包丁で人差しにされている。切り傷、刺し傷といった外傷はない。犯行現場には血文字で『成敗』と残されている』

(……これだけ?)

今回のモノクマファイルの情報は目で見てもわかる情報に限られている……あまり使えそうにないかも。
前回の事件でも肝心記述がなかったり、モノクマが意気揚々と持ち出す割には大した代物じゃない。

……どこがフェアなんだか。

コトダマゲット!【モノクマファイル2】
〔被害者は福丸小糸。胸部を包丁で一刺しにされている。切り傷、刺し傷といった外傷はない。犯行現場には血文字で『成敗』と残されている〕

-------------------------------------------------

(……さて、どこから捜査しよう)

1.小糸の死体を調べる
2.智代子の話を聞く

↓1
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 22:57:32.22 ID:RpJRJqfg0
2
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 22:57:44.02 ID:vfoJ7LHG0
1
618 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:01:04.28 ID:08s1xuh70

2 選択

灯織「チョコ……第一発見者はチョコだったんだよね……?」

智代子「うん……見た瞬間、声を上げちゃって……」

(そりゃ、これだけ凄惨な死体を突然目にしたら叫びたくもなる……)

智代子「私の声を聴いて、灯織ちゃんが遅れてやってきたんだよね」

灯織「うん、その後私の声を聞いてだんだんみんなが集まってきて……今に至ると」

智代子「……ん?うーん……」

灯織「あれ?チョコ、どうかした?」

智代子「いや、大したことじゃないんだけど……前回の透ちゃんの事件の時は、灯織ちゃんたちより先に愛依ちゃんが死体を発見してたよね?」

灯織「え?……うん、そうだったよ」

智代子「今回は、私が先に目撃して……その後灯織ちゃんがやってきた」

灯織「それがどうしたの?」

智代子「モノクマの『死体発見アナウンス』がなったタイミングっていっつも第一発見者じゃないんだよね」

灯織「……それは確か校則にも書いてあったよね、クロ以外の三人が死体を確認した場合に鳴らすアナウンスだって」

智代子「そう!で、それだったら今回の事件ではアナウンスが鳴ったタイミングって私と灯織ちゃんで……二人だよね?」

灯織「ほんとだ……これって、どういうことなんだろう……」

智代子「うっかり……じゃあないよね」


コトダマゲット!【死体発見アナウンス】
〔クロ以外の三人以上が死体を発見した時に鳴るアナウンス。智代子と灯織が死体を発見した直後に今回のアナウンスが鳴った〕

619 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:04:07.04 ID:08s1xuh70

-------------------------------------------------

【選択肢が一つなので自動進行します】

-------------------------------------------------

(小糸の死体だ……この小さな身体で、彼女は絶望に争い続け、私たちを励ましてくれたんだよね……)

(心臓が止まり、冷え切った身体に触れるとどうしても彼女との思い出が蘇ってくる)

(でも、泣いてる場合じゃない……よし!)


小糸の死体に向き合った。
冷静に見返してみると今回の事件は異様だ。


モノクマファイルの記述にも会ったように
小糸の死体はただ包丁を突きさされているだけではなく、
大きな血文字の上に横たえられている。

誰かの意思がそこには大きく絡んでいる。
ここも含めて検討しないと。

-------------------------------------------------

1.小糸の死体を触って調べる
2.小糸に突き刺さっている包丁を調べる
3.血文字をよく見てみる
4.死体のそばに落ちている紙を調べる

↓1
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 23:04:45.64 ID:6ACb8ive0
4
621 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:07:19.88 ID:08s1xuh70

4 選択

……あれ?小糸の遺体のそばに何か紙が落ちている。
そういえば愛依さんが事件に巻き込まれた時も、メモ用紙で呼び出されたんだった……もしかして!

『二人っきりで話したいことがあります。深夜2時に図書室に一人で来てください』

……!!
これって!

コトダマゲット!【小糸の持っていた手紙】
〔小糸の遺体のそばに落ちていた手紙。『二人っきりで話したいことがあります。深夜2時に図書室に一人で来てください』と書いてある〕

-------------------------------------------------

1.小糸の死体を触って調べる
2.小糸に突き刺さっている包丁を調べる
3.血文字をよく見てみる

↓1
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 23:08:02.35 ID:RpJRJqfg0
3
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 23:08:12.63 ID:vfoJ7LHG0
3
624 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:09:20.38 ID:08s1xuh70

3 選択

血文字……小糸の血を使って書かれたものだ。


智代子「ううっ……小糸ちゃん、最後の力を振り絞ったんだね……」

灯織「チョコ……?それってどういう意味?」

智代子「え?これってダイイングメッセージじゃないの?」

灯織「ダイイングメッセージ……被害者が死の間際に犯人を指し示す証拠を残したメッセージのことだよね?」

(うーん、確かにドラマとかだとよくあるけど……)

(小糸の死体はあおむけで、血文字はその遺体の両脇にでかでかと書かれている)

(これを被害者本人が書いたとは考えづらい、よね)

灯織「チョコ、状況からみてダイイングメッセージじゃないんじゃないかな?」

智代子「え?」

灯織「ほら、血文字は背中側だし、小糸はあおむけ。それにこの血文字……『成敗』って書いてあるよ?」

智代子「『成敗』……何の意味があるのかな?」

灯織「むしろ犯人が残して、その犯行声明みたいな感じだったりするのかな?」


コトダマゲット!【血文字】
〔小糸の背中側にでかでかと書かれた『成敗』の二文字。小糸の死体はあおむけで、その文面からしても小糸のダイイングメッセージだとは考えづらい。犯人の犯行声明のようなものだと思われる。〕
625 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:11:16.56 ID:08s1xuh70
-------------------------------------------------

成敗の2文字……犯人は一体なんのために……?


凛世「灯織さん、もし宜しければ一緒に図書館までいらしていただけませんか……?」

灯織「凛世?……う、うん、いいけど……図書館が何か関係してるの?」

凛世「はい、こちらの血文字……凛世には心当たりがございます……」

灯織「え?」

凛世「殺人鬼【ジャスティスブラック】でございます……」

(ジャスティスブラック……?)


そういえば、以前黒幕の話になった時智代子が言っていた……
確か果穂も大好きな戦隊ヒーロー【ジャスティスV】のお面をつけた連続殺人鬼、だったっけ。

________それが、どうしてここで?


(現場での捜査がひと段落したら凛世に話を詳しく聞いてみようかな)

-------------------------------------------------

1.小糸の死体を触って調べる
2.小糸に突き刺さっている包丁を調べる

↓1
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 23:11:41.12 ID:6ACb8ive0
2
627 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:13:33.92 ID:08s1xuh70

2 選択

胸に正面から突き立てられた包丁……これが凶器と見て間違いはないのかな?

霧子「小糸ちゃん、苦しまずに死ねたのかな……」

灯織「霧子さん……?」

霧子「あ……えっとね……この包丁って、真正面から突き立てられてて……そのまま一直線に突き抜けてるみたい……」

灯織「真正面から……?」

(確かに言われてみればそうだ……今回の凶器も、まるで垂直に包丁が突きたてられたかのように、真正面から突き刺さっている)

灯織「胸部に真正面からって……不自然ですよね」

霧子「うん……胸のあたりは、肋骨もあるから……殺害を目的にするなら、普通狙うのはお腹なんじゃないかな……」

灯織「そう、ですよね……」

霧子「これが死因なら、即死だったと思うよ……」


コトダマゲット!【包丁】
〔小糸の死体に突き刺さっていた包丁。胸部に真正面から包丁を突き立てられているため、これが死因なら即死だったものと思われる〕
628 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:14:30.35 ID:08s1xuh70

灯織「……あれ?そういえばこの包丁ってどこから来たものなんでしょう?」

智代子「あ!それなら多分食堂の包丁だよ!ほら、厨房の!」

灯織「厨房の……?」

凛世「はい、凛世や樹里さんが料理をする際に用いていたものになります……」

凛世「ちょうど5日ほど前から、厨房の包丁は一本歯抜けの状態でございます……」

智代子「うんうん、それは私も見たよ!包丁が消えてから……一度も戻ったのは見てないなぁ……」

凛世「今朝の朝礼の段階で、朝餉の支度はしておりましたから包丁の数は確認しております……」

凛世「犯行に使われたのは、その消えていた一本で間違いないです……」


コトダマゲット!【包丁の出どころ】
〔今回の事件に用いられた包丁は食堂の厨房のもの。5日前から消えていた一本が、そのまま犯行に用いられたとみられる〕



629 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:15:10.52 ID:08s1xuh70
-------------------------------------------------

【選択肢が一つなので自動進行します】

-------------------------------------------------


……もう私は、逃げないと決めた。
なら遺体の調査も、自分の手でしっかりと終える……

灯織「小糸、ごめんね……いくよ!」

意を決して小糸の遺体に手を触れる。指先から伝わってくる冷たい死の感覚……気を抜くと当てられてしまう瘴気だ。
それでも決意が揺るがないように、必死に自分に抗いながら触診する。

ぱっと見でもわかるとおり、この包丁で負った傷は致命的。
刃先が半分肉体沈むほど深々と刺さっている……
モノクマファイルの情報にも矛盾はない。

他に外傷としては見当たらない、ような……
いや、切り傷とかにはなって無いってだけかな……?

もうすこし体を念入りに触ってみると、胸部当たりの感触に違和感を感じる。
触ってみるとわかるけど、これは……肋骨が折れている……?


コトダマゲット!【小糸の死体】
〔心臓を包丁で一差しにされている他、肋骨が折れてしまっている〕

630 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:16:33.67 ID:08s1xuh70

(よし、玄関ホールで気になるところは一通り調べ終わったかな)

灯織「ねえ、凛世。さっき血文字に心当たりがあるようだったけど」

凛世「はい、灯織さんが都合がよろしければ……今すぐにでも、図書室へ……」

灯織「うん、大丈夫。教えてもらえるかな?」

凛世「こちらへ……」

-------------------------------------------------

【図書室 書庫】

ここに来たのははじめの探索以来。
相変わらず埃っぽい空間……だけど凛世はそれに怯むことなくずいずいと突き進み、棚から一冊の本を手に取った。


凛世「こちら、でございます……」

凛世が手渡してきた本、そのタイトルは……

灯織「世界殺人鬼名鑑?!」

凛世「はい、左様でございます……かつて世間を賑わかせたジェノサイダー翔はもちろん、海外の殺人鬼キラキラちゃんまで……古今東西和洋折衷の殺人鬼が収められております……」

(凛世がこんな本を読んでたなんて意外だな……)

凛世「こちらのページを、ご覧になってくださいませ……」


というと凛世はページ角が折られた1ページを開いた。


灯織『ジャスティスブラック……新進気鋭の殺人鬼。現場には必ず【成敗】の血文字を残すことで知られる。彼がその目に映すのは正義か、それとも狂気か』

灯織「……これって!」

凛世「はい、現場の血文字と一致しております……」

灯織「わ、私たちの中にジャスティスブラックの正体が……?!」


コトダマゲット!【世界殺人鬼名鑑】
〔古今東西時代を問わず殺人鬼が収められた一冊。ジャスティスブラックについての記述もある。『現場には必ず【成敗】の血文字を残す』〕


631 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:17:49.46 ID:08s1xuh70

凛世「……凛世も、一瞬そう思ったのですが」

灯織「……え?」

凛世「こちらの一冊もご覧になってください……」

灯織「えーっと……『日本殺人鬼大観』、これまた物騒なタイトルだね……」

凛世「こちらは日本の殺人鬼に絞って記載がされております……時代の流れに合わせて新旧入り混じった殺人鬼が……」

灯織「すごい……猟銃と日本刀で三十人殺した青年……こんな人もいたんだ……」

凛世「ご覧になっていただきたいのはこちらのページです……」


凛世が開いた1ページ。
そこには先ほどの名鑑よりもはるかに大々的にジャスティスブラックが取り上げられていた。
しかもある程度のボカシは入っているものの、被害者の写真付き。


凛世「これと世界殺人鬼名鑑とを比べ読むと、凛世の感じる違和感も理解していただけるものかと……」

灯織「う、うん……わかった」


『ジャスティスブラックは近年登場した連続殺人鬼だ。
彼の名前の由来にもなったジャスティスVはXX年より放映が開始されており、彼が登場したのはその一年後の△△年になる。

彼の特徴は、殺人が正義のためのものであるということ。
彼が殺害する対象は元服役囚ばかりで、その胸に正面から刃物を突き立てることが共通している。
その死体は死体自身の血で猟奇的に彩られるのも特徴だ。血でできたVの字の上に横たえられた死体、その脇には成敗の2文字。

ジャスティスブラック本人にとっては、まさに悪の組織の一味を討ち取ったような感覚なのだろう。そんな子供じみた狂気を我々は感じてならない』


凛世「小糸さんのご遺体と、相違点があることに……お気づきになられましたか……?」

灯織「うん……この情報は使えると思う、ありがとう。凛世」


コトダマゲット!【日本殺人鬼大観】
〔日本に絞って殺人鬼の情報が集められた一冊。ジャスティスブラックについての記述もこちらの方が濃密〕
632 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:18:54.17 ID:08s1xuh70

【図書室】

埃っぽい図書室での捜査を終え、図書室に出てくると、数人が図書室を調査中だった。

甘奈「あれ?灯織ちゃん?!ありゃりゃ、甘奈たちより先にもう来てたんだ」

灯織「うん……もしかして、樹里を探してるところ?」

甜花「書庫なら、いるかなって思った……けど……」

灯織「はい、ここにはいませんでした……」

甘奈「まあ、樹里ちゃんが図書室って感じでも無いかなぁ?」

灯織「あんまり関係ないと思うけど……」

甜花「西城さん、どこだろう……」

(どうせだし図書室も少し調べてみようかな……?)

-------------------------------------------------

1.本棚を調べる
2.脚立を調べる
3.床に落ちているゴミを調べる

↓1
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 23:19:24.78 ID:RpJRJqfg0
1
634 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:20:49.01 ID:08s1xuh70

1 選択

(相変わらず夥しい数の本がギチギチに詰め込まれている……)

凛世「どなたか、凛世たちより先に入られたのでしょうか……」

灯織「え?」

凛世「こちらの本棚……凛世が以前覗いた時と、並びが異なっております……」

灯織「ホント?!ど、どの棚?!」

凛世「入口向かって正面の棚……ご覧になってください、五十音の並びがめちゃくちゃになっております……」

灯織「ホントだ……めちゃくちゃだ、しかも本棚全体だよ」

凛世「一度全ての本を出して……適当に入れ直すほどの労力を、要したものと思われます……」

(何か事件に関係あるかもしれない、覚えておこう……)


コトダマゲット!【凛世の証言】
〔図書室の本棚の並びが事件前後でめちゃくちゃになっている。〕

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1.脚立を調べる
2.床に落ちているゴミを調べる

↓1
635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/03/16(火) 23:21:55.26 ID:kpw+QLhV0
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 23:22:05.70 ID:6ACb8ive0
2
637 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:22:49.55 ID:08s1xuh70

(図書室の隅、あれはなんだろう……)

灯織「アルミ製の、ゴミ……あ、これって!」

凛世「PTPシート、でございますね……」

灯織「え?」

凛世「錠剤を入れるアルミ製のシートをそう呼ぶと、以前お聞きいたしました……」

灯織「へぇ……でもなんでこんなところに錠剤のシートが……?」

凛世「裏面に薬の名前の記載がございます……」

灯織「……『スグネムール』、直球なネーミングだね」

凛世「『あったらいいな』をカタチになさる製薬会社の薬なのでしょうか……」

灯織「名前からしても、これは睡眠薬みたいだね」

(それにしてもこの薬、どこかで見覚えがあるんだけどな……)


コトダマゲット!【睡眠薬】
〔図書室に落ちていた睡眠薬のシート。既に薬はなくなっており、何者かが使用したものと思われる〕
638 :少し早いですがもう少しで一つの区切りになるのでそこで終わります ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:24:04.90 ID:08s1xuh70
-------------------------------------------------

【選択肢が一つなので自動進行します】

-------------------------------------------------

甘奈「あれ?このハシゴ、壊れてる……?」

灯織「甘奈、それはハシゴじゃなくて脚立だよ。ほら、ハシゴだったら何かに立てかけて使ったりするけど、脚立は自立するから」

甘奈「そうかな……?ハシゴも脚立も結局登るから一緒なんじゃないの?」

灯織「えっ」

甜花「風野さん、もっとホンシツを見るのが大事……!!」

甘奈「そういうこと☆」

灯織(な、なんか釈然としない……!!)

凛世「妙でございますね……昨夜、凛世は本棚の上段にある本を取る際に、使用したばかりです……」

灯織「そうなの?」

凛世「はい、図書館に備えつきの足場です……凛世は毎日図書室に通っていたので、頻繁に活用していたのですが……」

甘奈「この壊れ方、危ない……足場がガタガタになってるよ!」

甜花「気付かずに使ったら、大怪我しちゃう……!」

凛世「モノクマさんに、交換のお申し付けをしておかなければ……」


コトダマゲット!【脚立】
〔図書室に備え付けの脚立。凛世が昨日使用した段階では故障していなかった。事件後は足場がガタガタになっており大変危険な状態になっていた〕

639 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:25:37.55 ID:08s1xuh70

(図書室でもまさか情報が得られるとは……一度小糸さんの遺体のある玄関ホールに戻ろうか……?)

そう思って移動しようとした矢先。
図書室の扉は乱暴に開かれた。

愛依「ちょいちょい!灯織ちゃんたち!こっち来て!」

灯織「め、愛依さん?!どうしたんですか、そんなに慌てて!」

愛依「じゅ、樹里ちゃんが……見つかった、見つかったんだけど……マジでやばいから急いで!」

灯織「樹里が見つかったんですか?!」

愛依「現場はプールサイドだから、早く向かって!うちは他のみんなも呼んでくる!」

樹里がプールサイドに……?
なんでこんな朝早くから?別に樹里にそんな運動習慣は無かったはず。
それに愛依さんの慌てっぷり……まさか!?
640 :小糸さんになってますね→小糸です ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:27:06.54 ID:08s1xuh70

心臓の鼓動がはち切れんばかりに早まる。
嘘だ、そんな……ついさっき、絶望を味わったばかりなのに……
そんなこと、あるはずがない!あっちゃならないんだ……!


-------------------------------------------------

【プール】

我も忘れて廊下を駆け抜け、更衣室も走り抜け、そしてプールサイドへ到着。

既に対岸の方には摩美々さんたちの姿が見える。
ざわめきが遠目にもわかる……間違いない、【何か】が起きている。


頼むから、その【何か】が私の思っているものとは違っていて……!

641 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:27:39.70 ID:08s1xuh70




__________でも、この学園ではそんな願いなんて無意味だ。





642 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:28:42.54 ID:08s1xuh70





【プールサイドのロッカーには頭部が自身の血に染め上げられた西城樹里が押し込められていた】





643 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/16(火) 23:32:31.97 ID:08s1xuh70

というわけで少し早いですが今回の更新はここまで。

小糸から嫌な空気を感じ取っている方もいらっしゃったようで……
嫌な予感は現実になってしまいました。

次回は捜査パート終了までで止めておきます。
少々短くはなると思いますが、学級裁判はできる限り金土日に進めたいので……

明日も22:00から始めたいと思います。
それではおやすみなさい……
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 23:35:51.74 ID:6ACb8ive0
乙です
嫌な予感当たってしまった…
結構辛いな…最後まで見届けますが
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 23:40:04.77 ID:RpJRJqfg0

なんとか親愛度上げきれたのがせめてもの救い(なお灯織のメンタル)
アナウンス鳴ってないから樹里はひとまず死んではいないかな……?
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/16(火) 23:49:17.19 ID:vfoJ7LHG0
1章反論の凛世が危ないかな…と予想してたら外れました
絶望でした…。乙です
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/03/17(水) 08:07:19.17 ID:UdjSsHOA0
小糸死んでしまった……\(^o^)/
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/03/17(水) 19:01:16.92 ID:MgUxpfI00
樋口...?
649 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:02:21.74 ID:RLtFVL/p0

予定通り捜査パート最後まで、短めですが更新します……


650 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:03:47.10 ID:RLtFVL/p0

灯織「樹里!!」

(そんな、そんな……!?)


集まっているみんなには構う余裕もなく、思わず樹里のそばに駆け寄る。
誤解されやすい見た目だけど、すごく面倒見が良くて、気さくで……
心許しあえる仲間だった彼女の手は、かつての温もりを…………






__________失ってはいなかった。


灯織「え?」

咲耶「灯織、落ち着くんだ。樹里はまだ息がある……死んではいないんだ」


樹里の口元に耳を寄せる。

スーッ……スーッ……

微かだが、呼吸が聞こえる。
苦悶の中絞り出すような呼吸ではあったが、確かに彼女の生存を物語るものだった。


摩美々「今霧子が倉庫に応急処置の道具を取りに行ってるとこー、とりあえずは安心していいってー」

灯織「ほ、ホントですか……良かった……」

樹里「……当たり……まえ……だろ?」

灯織「樹里!?」

樹里「アタシが……こん……なとこで……死ぬわけ……ねー……」

灯織「でも、ひとまずは安心しました……樹里が無事で何よりです」

摩美々「まぁ無事じゃないですけど、犠牲者の数は増えなくて良かったですよねー」

651 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:05:04.03 ID:RLtFVL/p0

しばらくするとすぐに他のみんなも集まってきた。


めぐる「うわっ?!樹里?!大丈夫なの?!」

円香「……」

凛世「樹里さん……!樹里さん……!」

甘奈「えっ……大丈夫なんだよね?!これ、大丈夫なんだよね?!」

甜花「西城さん……踏ん張って……!まだ、死んじゃダメだよ……!」

樹里「こんなの……大したことねーよ……」

霧子「救急セット、持ってきたよ……!止血はこれで済むし、大丈夫……!」


霧子さんの治療は手早く、あっとういう間に樹里の頭は包帯でぐるぐるまきになってしまった。
布越しに浮かび上がる血の跡がなんとも痛ましい。


霧子「あと、鎮痛剤も持ってきたから……」

樹里「おう、悪いな……いってて……」


樹里はそう言ってヨロヨロと体を起こして……


樹里「痛っ!!」


その途中で勢いよく転んでしまった。

652 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:05:33.80 ID:RLtFVL/p0

愛依「わああああああああ!!?!?樹里ちゃん?!?!?!」

甜花「あわわわわわ……西城さんが、死んじゃった……!!!!!」

摩美々「スペランカーじゃないしそんな簡単に死なないでしょー……」

樹里「いって……くそっ、右脚が……右脚が……」


樹里が痛みに喘いで身を捩りながら指さしたのは右脚。素人目にもわかるぐらい腫れ上がっている。


霧子「これは……骨折……?ごめんね、樹里ちゃん……ちょっと触るよ……」

樹里「ガッ……!!痛っ……!!」

霧子「…………うん、右脚が骨折してるみたい……犯人に襲われた時に、折れたのかな……」

樹里「ま、マジかよ……」


コトダマゲット!【樹里の骨折】
〔ロッカーに押し込められていた樹里は、右脚を骨折していた〕
653 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:07:28.00 ID:RLtFVL/p0

めぐる「き、霧子……どうにかならないの?!」

霧子「……私も、そこまでできるわけじゃないから……どうしよう……」

咲耶「このままじゃ裁判どころじゃないね……」

愛依「どうすんの……まだ捜査も終わってないよね?!」

摩美々「……モノクマー」

モノクマ「はいはい!お呼びでしょうか!」

灯織「ま、摩美々さん?!」

摩美々「樹里の怪我の治療、お願いできませんかー?」

樹里「はぁ……?!摩美々、ふざけんな……!んなもん、アタシはやだかんな……!」

モノクマ「いいっすよ!」

智代子「快諾?!」

モノクマ「まあ放っておいても別に死ぬ怪我でもないしね!これで西城さんが死ぬんなら事件が面白くなるかもしれないし放っておくところだけど!」

咲耶「最低の理由を語ってくれてありがとう」

モノクマ「ま、この様子だと西城さんは生きてる方が面白そうだし助けてあげるよ!」

円香「……それ、どういう意味?」

モノクマ「おっと、喋りすぎたかな!」

樹里「アタシはモノクマになんか治療される気ないからな……」

モノクマ「はいはい、我が儘が許されるのはママの子宮の中までだよ!」


……と、モノクマが適当に樹里を宥め、指を鳴らすと。
654 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:10:35.63 ID:RLtFVL/p0

_____ピーポー……


めぐる「……あれ?何か聞こえない?」

灯織「……え?」

モノクマ「聞こえるかい……自然の呻きが」


_____ピーポーピーポー……



咲耶「微かに……サイレンのような音が聞こえるね」

霧子「救急車さん……?」


_____ピーポーピーポー……



愛依「え?なんか……近づいてきてるくない?!」

灯織「……えっ?」


_____ピーポーピーポー!


愛依さんの言葉通り、サイレンはどんどん大きくなっていき、


_____ズガドーン!!


プールの壁をぶち破って救急車が姿を現した!
655 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:12:22.39 ID:RLtFVL/p0

智代子「えええええええええ?!?!」

灯織「きゅ、救急車がなんで……学校の壁から……?」

甘奈「ここここここ、二階だったよね?!」

モノクマ「あとはドクター・デスの異名を欲しいままにするボクにお任せ!」

咲耶「不吉極まりない異名だね……」

モノクマ「至急!この患者をモノクマ救命センター24時に搬送します!」

めぐる「ど、どこにそんなところがあるの?!」

樹里「おい、こら!離せ!」

モノクマ「あーもう!暴れない暴れない!」

霧子「じゅ、樹里ちゃん……暴れると、怪我によくないよ……!」

モノクマ「ボクの医師人生を賭けて、西城さんを救ってみせるよ!免許はないけどね!」


呆気にとられる私達を他所にモノクマはそそくさと樹里を救急車に乗せ、どこかへ走り去ってしまった。

656 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:15:23.47 ID:RLtFVL/p0

愛依「今何が起きたん……?」

めぐる「ぽかーんだよ……」

摩美々「……ひとまずはモノクマに任せるしかないよー」

甘奈「だ、大丈夫……だよね?」

智代子「信じるしかないよ……大丈夫、奇しくもモノクマは世界一の外科医とカラーリングが一緒だから……」

咲耶「……関係あるのかい?」


……理解は追いつかない、けど
とりあえずは喜んでいいんだよね?
あそこまで言うからには樹里はきっと助かるんだよね?
大丈夫なんだよね?

……はぁ、考えても無駄だよね。
仕方ない、樹里は行ってしまったけど、残された証拠から得られる情報もあるはず。
ここで調査を行おう。


-------------------------------------------------

1.樹里の入っていたロッカーを調べる
2.ロッカーの中に落ちている紙を調べる
3.愛依に話を聞く

↓1
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/03/17(水) 22:16:08.14 ID:MgUxpfI00
2
658 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:20:08.00 ID:RLtFVL/p0

樹里が入っていたロッカーを隅々まで見てみると、一枚のメモ用紙がロッカー内に落ちていることに気が付いた。

『二人っきりで話したいことがあります。深夜1時に図書室に一人で来てください』

あれ?これって……
そうだ、さっき小糸の遺体の近くで見つけた手紙と同じ紙で同じ内容になっている。
違うのは、集合時間だけ……

同じ犯人が書いたものとみて間違いない……のかな?


コトダマゲット!【樹里の持っていた手紙】
〔樹里の押し込められていたロッカー内に落ちていた手紙。『二人っきりで話したいことがあります。深夜1時に図書室に一人で来てください』〕

-------------------------------------------------

1.樹里の入っていたロッカーを調べる
2.愛依に話を聞く

↓1
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/17(水) 22:20:45.56 ID:hYw8pQFI0
2
660 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:23:03.05 ID:RLtFVL/p0

2 選択

灯織「そういえば、愛依さんが樹里さんの第一発見者なんですか?」

愛依「うん……うちだよ」

愛依「あ、今回もマジでうち何もしてないかんね!ロッカーの扉を開けた瞬間に机も降ってこなかったし!」

(相当浅倉さんの事件がトラウマになってるみたいだ……)

愛依「学校中隅々まで探してたら見つけたってだけだし……特に手掛かりになる心当たりとかは無いかな〜、ごめん!」

灯織「いえ……」

(そうだ、愛依さんが第一発見者なら樹里から何か話を聞いてるかもしれない)

灯織「あ、では愛依さんじゃなくて樹里は何か言ってませんでしたか?私は大して樹里と話す間もなかったので……」

愛依「あー、おっけ!任せて任せて!確か……」
661 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:24:34.15 ID:RLtFVL/p0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

愛依「樹里ちゃーん!おーい!いたら返事してー!」

______ガタガタ

愛依「……あり?あっこのロッカー、今動いた?」

愛依「……んしょっと」ガチャ……

樹里「……あ……?」チミドロ

愛依「うわあああああああ!?!?!?!?じゅ、樹里ちゃんが、死んでる?!?!?」

樹里「め、愛依か……死んでねーよ、静かにしてくれ……」

愛依「……え?じゅ、樹里ちゃん、無事なん?!」

樹里「無事……じゃなさそうだけどよ……」

樹里「へへっ、犯人は……アタシを殺し損ねたみてーだ」

愛依「は、犯人?!犯人知ってんの?!」

樹里「…………いや……不意打ち食らったから、生憎な。顔も……見てねー……」

樹里「あー……くそ……図書室に呼び出されてから……記憶があいまいだ……」

愛依「わー!無理しないで!すぐにみんな呼んでくっから!死なないで!」

樹里「……任せとけ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

愛依「頭打ってる状態で頭使わせんのはアレかなって……でもマジで記憶ソーシツ?みたいな感じだったよ!」

灯織「……大丈夫です、樹里の記憶も重要なところはしっかり残っているようですし」

(ただ、本人は何があったのかすらよくわかってなかったんだ……)


コトダマゲット!【樹里の証言】
〔樹里は昨晩の夜時間に図書室に呼び出され、そこで犯人の不意打ちを受けた。殴られた衝撃でそれ以外の記憶は曖昧になっている〕
662 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:25:22.29 ID:RLtFVL/p0
-------------------------------------------------

【選択肢が一つなので自動進行します】

-------------------------------------------------

樹里が押し込められていたロッカーだ。
内側にはベッタリと血が付着している。


霧子「その血痕は、樹里ちゃんの血だよ……後頭部の頭皮が裂けてたから……」

灯織「後頭部が、ですか?」

霧子「うん、なにかで強く頭を一度殴られたみたい……」

灯織「ってことは……樹里は不意打ちをうけたということなんでしょうか」

霧子「かも……それで、一撃で意識を失っちゃったみたい……」

(樹里の意識を飛ばすほどの衝撃……犯人はかなりの勢いで殴りつけたに違いない)


コトダマゲット!【後頭部の怪我】
〔樹里の後頭部に出血を伴う強い打撲痕がある。樹里は不意打ちでこれを食らったようで、その衝撃で意識を失ってしまった〕

663 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:27:04.13 ID:RLtFVL/p0

……大体調べるべきところの調査は終わった。
ただ、今回の被害者が被害者だけに、あの人に話を聞いておくべき、私は逃げるべきじゃない。


-------------------------------------------------

【小糸の部屋前】

灯織「やっぱり、ここにいましたね」

円香「……何?」

灯織「……っ!」

(冷ややかな目……私のすべてを見透かしているかのよう……)

(でも、樋口さんの視線からは……真乃の時に感じたような敵意は、感じない)

円香「……別に話すこととか、ないから」

灯織「いや、あの……樋口さんは、小糸のこと見かけたりとかは」

円香「してない」

灯織「……そんなわけないですよね?!だって幼馴染なんですよね?!」

円香「……関係ない」

灯織「小糸のこと、何か少しでも知っていることがあれば!」

円香「……ごめん」

(どうしてしまったんだろう……!?のれんに腕押し……話していてもまるで響いている感覚がない……!)
664 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:27:58.06 ID:RLtFVL/p0

(死体発見の時にも、透さんの時のような錯乱の色が全く見えなかった……)

(何も感じていないわけがないのに……)

雛菜「円香先輩……」

(……市川さん!)

雛菜「雛菜、今の円香先輩こわくてきらい〜……」

円香「……そう」


市川さんに話しかけられても樋口さんはおざなりな返事でその場を去ってしまった。


雛菜「……」

灯織「い、市川さん……あの」

雛菜「なんですか〜……?」

灯織「その、ショックだとは思うんですが……その……事件を解決することが小糸のためにもなるといいますか……」

雛菜「……わかってますよ、雛菜もそれぐらい〜」

雛菜「でも、ごめんなさい……今は、雛菜も……円香先輩とおんなじだから……」


市川さんも、そのまま樋口さんのあとを追ってどこかに行ってしまった。

二人は私たちに証言を提供しないどころか、協力を拒んでいる……そんな態度だ。
私たちに彼女たちの気持ちがすべてわかるわけない。けど……どうしてここまで?

樋口さんも市川さんも、【絆】を信じてはくれなかったの……?

665 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:31:45.14 ID:RLtFVL/p0

_______キーンコーンカーンコーン……

『お疲れ様です、進捗のほどいかがでしょうか!』

『そろそろ裁判の時刻が迫って参りました!学校エリア一階、赤い扉の前に集合くださいね!裁判場でボクと握手!』

『……あ、そうそう!お友達は無事応急処置が終わったから、しっかり裁判にも参加してもらうから安心してね?』

『みんな揃って学級裁判をしないとだめだよね、それが平等な教育って奴だから!法令を遵守する、ボクって立派なクマだなぁ……!』

(……時間だ)


今のモノクマの口ぶりからして、樹里は本当に助かったみたい。
ただ、そのまますぐ裁判に連れて行くんだ……
樹里には苦しい時間を過ごさせることになってしまう……

結局樋口さんにも協力は得られなかったし、今回の事件には不安材料が多い。

……でも、やるしかない。進むしかない。
なんとしても生き残る……そのために、行くんだ。
666 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:34:14.16 ID:RLtFVL/p0

【学校エリア エレベーター前】

モノクマ「いらっしゃい!裁判場は天国と地獄の一歩手前!三途の川クルーズへようこそ!」

既にエレベーターホールにはみんなが揃っていた。
もちろん、樋口さんも市川さんも。

そして、樹里も。


灯織「樹里……!大丈夫なの?!」

樹里「まあな、みんなに裁判まかせっきりってわけにもいかねーし……頑張るよ」

めぐる「無茶はしちゃだめだからね!」


怪我をしながらも私たちと一緒に戦おうとしてくれる樹里。


円香「……」

雛菜「……」


その一方でだんまりを決め込む樋口さんと市川さん。

二人の協力は多分この裁判でも得られない。
私たちは決して一枚岩じゃないかもしれない。

……でも、共に生きる仲間なんだ。私たちは絶対に生き残る。
この裁判でも……死ぬわけにはいかない!


めぐる「灯織……頑張ろうね」

灯織「……うん」


私がエレベーターに乗り込むとドアは締まり……
エレベーターは動き出す。
667 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:35:28.55 ID:RLtFVL/p0

エレベーターの立てる機械音は大きな音だけど……不思議と気にならなかった。
福丸さんの死、樹里の大けが、モノクマに渡された動機ビデオ……

気になるものはもっと他にある。

今の私の胸の動悸はそのどれかに向けられたものなのか。
もう自分の感情がわからない、戸惑いや恐怖なんて一言じゃ表せない……
ただ唯一確かなのは、死にたくないということだけ。

_______だから私は、もう一度戦わなくちゃいけないんだ。




エレベーターが停止した。

裁判場は浅倉さんの事件の時とは様変わりしていた。
青色だったカーテンは今から命のやり取りをするとは思えないパステルなピンク色。
そんな色彩の中で裁判の設備が備えられてるのが異様なミスマッチで不気味だ。


モノクマ「どうせなんで福丸さんに合わせてキュートでポップなレイアウトに変えてみました!背景もずっと一緒じゃマンネリ化しちゃうしね!」

めぐる「一体どこからそんなお金が出てるんだろう……」


けど、そんなことにかかずらっている場合じゃない。

私たちは現実に向き合わなきゃいけないんだ。
私たちの中にいる殺人犯、クロを見つけ出さなきゃならない!
668 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:36:58.38 ID:RLtFVL/p0

________超高校級の学級委員、福丸小糸。

学級委員の名にふさわしい責任感、そして誰よりも強い心の芯を持っていた。

彼女は浅倉さんの死を乗り越え、強く、大きくなろうとしていて……
そんな彼女に私たちは希望をもらっていた。
それなのに、そんな彼女を殺した人間がいる。

二度目だろうが何だろうが、慣れることはない。

学級裁判……


________それは仲間たちを疑いあう私たちの戦い。


________それは仲間たちを犠牲にして生き残る私たちの戦い。


________それは仲間たちを信じるための私たちの戦い。


戦うんだ!私の全力をかけて……!

669 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/17(水) 22:40:30.00 ID:RLtFVL/p0

というわけで短いですが区切りが良いのでここで今回の更新は終了です。
タネは割れてましたが樹里は生存しておりました。

次回更新より学級裁判パートに移ります。
今回の2章裁判で物語として大きく動き出すものになってると思います……!

1章に引き続き、核心に迫るようなネタバレコメントは控えていただけると助かります。

次回更新は3/19(金)22:00~予定です
今週末で裁判を終わらせたいですね!

それではお疲れ様でした、失礼します……
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/17(水) 22:42:12.77 ID:hYw8pQFI0
乙です
できるだけ間違えないようにしたいなー
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/03/17(水) 22:43:33.98 ID:MgUxpfI00
お疲れ様でした
かなり怪しいのがいるな...
ミスリードか...?
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/03/17(水) 23:47:28.08 ID:UdjSsHOA0
乙乙
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/03/18(木) 04:45:31.49 ID:vEq/wO320

樹里死なないでよかった・・・・・・
674 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/19(金) 21:52:22.95 ID:TyhsjsHe0

少し早いですがコトダマテンプレ作成もあるので再開いたします
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/19(金) 21:52:56.73 ID:wljxHg7+o
了解
676 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/19(金) 21:53:20.18 ID:TyhsjsHe0

【コトダマ】

‣【モノクマファイル2】
〔被害者は福丸小糸。胸部を包丁で一刺しにされている。切り傷、刺し傷といった目に見える争った外傷はない。犯行現場には血文字で『成敗』と残されている〕

‣【死体発見アナウンス】
〔クロ以外の三人以上が死体を発見した時に鳴るアナウンス。智代子と灯織が死体を発見した直後に今回のアナウンスが鳴った〕

‣【包丁】
〔小糸の死体に突き刺さっていた包丁。胸部に真正面から包丁を突き立てられているため、これが死因なら即死だったものと思われる〕

‣【包丁の出どころ】
〔今回の事件に用いられた包丁は食堂の厨房のもの。5日前から消えていた一本が、そのまま犯行に用いられたとみられる〕

‣【小糸の死体】
〔心臓を包丁で一差しにされている他、肋骨が折れてしまっている〕

‣【小糸の持っていた手紙】
〔小糸の遺体のそばに落ちていた手紙。『二人っきりで話したいことがあります。深夜2時に図書室に一人で来てください』と書いてある〕

‣【世界殺人鬼名鑑】
〔古今東西時代を問わず殺人鬼が収められた一冊。ジャスティスブラックについての記述もある。『現場には必ず成敗の血文字を残す』〕

‣【日本殺人鬼大観】
〔日本に絞って殺人鬼の情報が集められた一冊。ジャスティスブラックについての記述もこちらの方が濃密〕

677 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/19(金) 21:55:31.45 ID:TyhsjsHe0

‣【血文字】
〔小糸の背中側にでかでかと書かれた『成敗』の二文字。小糸の死体はあおむけで、その文面からしても小糸のダイイングメッセージだとは考えづらい。犯人の犯行声明のようなものだと思われる。〕

‣【凛世の証言】
〔図書室の本棚の並びが事件前後でめちゃくちゃになっている。〕

‣【脚立】
〔図書室に備え付けの脚立。凛世が昨日使用した段階では故障していなかった。事件後は足場がガタガタになっており大変危険な状態になっていた〕

‣【睡眠薬】
〔図書室に落ちていた睡眠薬のシート。既に薬はなくなっており、何者かが使用したものと思われる〕

‣【樹里の骨折】
〔ロッカーに押し込められていた樹里は、右脚を骨折していた〕

‣【後頭部の怪我】
〔樹里の後頭部に出血を伴う強い打撲痕がある。樹里は不意打ちでこれを食らったようで、その衝撃で即座に意識を失ってしまった〕

‣【樹里の持っていた手紙】
〔樹里の押し込められていたロッカー内に落ちていた手紙。『二人っきりで話したいことがあります。深夜1時に図書室に一人で来てください』〕

‣【樹里の証言】
〔樹里は昨晩の夜時間に図書室に呼び出され、そこで犯人の不意打ちを受けた。殴られた衝撃でそれ以外の記憶は曖昧になっている〕
678 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/19(金) 21:56:52.81 ID:TyhsjsHe0
-------------------------------------------------

【学級裁判 開廷!】


モノクマ「まずは学級裁判のルールの確認から始めます」

モノクマ「学級裁判では皆さんの中に潜むクロを探していただきます」

モノクマ「議論の結果指摘されたクロが正解ならクロのみがおしおき、不正解ならクロ以外の全員がおしおきとなります」

モノクマ「さあ議論の果てに生き残るのは、どっちなんだーっ!?」

智代子「じゅ、樹里ちゃん……本当に大丈夫なの?」

樹里「おう……まあ頭がガンガンして、脚の骨が折れてるだけだからな」

めぐる「大変だ!全然大丈夫じゃないよ!」

樹里「まあアタシは万全じゃねーけど……それより議論のが大事だろ?忘れてねーよな、この議論には全員の命が懸かってる」

灯織「もちろん……私たちはこの学級裁判も絶対に生き残って見せるよ」

凛世「はい……小糸さんは、透さんの死を経て……克己心を人一倍持っておりました……」

凛世「凛世たちは、小糸さんのためにも……この裁判を乗り越えねばなりません……」

智代子「もちろんだよ!」


679 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/19(金) 21:58:32.51 ID:TyhsjsHe0

摩美々「じゃあそろそろ議論を始めよっかー」

摩美々「今回の被害者は小糸だったわけだけど……明らかに普通の殺人じゃなかったよねー」

円香「……」

(樋口さん、どうしたんだろう……小糸の遺体を見つけた時からずっとそう……)

(本来ならもっと取り乱しそうなものだけど……)

円香「……」

雛菜「……円香先輩」

(単純に気が沈んでいるだけ……じゃないよね)

摩美々「まずは小糸の遺体の特徴、そこから議論を始めよっかー」

めぐる「よーし!絶対犯人、見付けるぞー!」

智代子「うん……!絶対、負けないよ!」

(ううん、今は議論に集中しなきゃ!……なんとしても、小糸を殺した犯人を見つけ出す!)
680 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/19(金) 22:00:03.89 ID:TyhsjsHe0
-------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【血文字】
‣【死体発見アナウンス】
‣【脚立】
‣【凛世の証言】


めぐる「小糸は胸を刺されて死んじゃってたんだよね……」

甘奈「凶器には【包丁】を使ってたよね!」

智代子「ぐっさりと刺さっておりました……」

霧子「あそこまで深く刺されると……【即死だった】んじゃないかな……」

樹里「くそ……えげつねーことしやがる……」

摩美々「それに加えて現場には……」

摩美々「【犯人を指し示す証拠】があったよねー」

めぐる「えっ?!いきなり犯人?!」

めぐる「じゃあ裁判ももうおしまい?!」

甜花「勝った……!第三部、完……!」


【正しいコトダマもしくは議論中の発言で正しい発言に同意しろ!】

↓1
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