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パ二グレss 指揮官「結婚することになった」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2021/01/11(月) 22:06:47.56 ID:ZKg1ruiG0
リーフ「…」パリーン
ルシア「…」ザクッ
リー「…おめでとうございます、と言うべきなのでしょう。が、任務の直前、このタイミングですか…」
指揮官「リーフ、皿が割れたから触らないようにね。ルシア、驚くのは分かるが携帯肉に刀を突き立てないでくれ、切れ味が落ちるぞ。
リーそうは言わないでくれ。だから、これが最後の任務なんだ。この任務が無事終わったら退役をして、結婚をするんだ」
リー「…退役されるんですか?」
指揮官「ああ。彼女に言われてな。これまで、お前たちのおかげで、沢山救われたし、困難な任務を遂行することができた。
だから、こんな形になるのは本当に申し訳ない。だが、今のお前たちなら、俺がいなくてもきっとやり遂げて見せるさ」
リー「……なるほど、理屈は分かりました」
リー「まだ納得はできませんが、おめでとうございます」
指揮官「ありがとう、リー」
リーフ「指揮官、今ではわたしたちは、家族、ですよね。」
指揮官「リーフ…もちろんだ。別れたあとも、変わらずにな」
リーフは静かにすすり泣いた。家族との二度目の別れ、それは彼女の心にぽっかりと穴を空けることになるかもしれない」
指揮官(それでも、私は前線に立ってはならない。わたしの存在は、あまりにも危険なものとなっている)
ルシア「指揮官、私は…許せません」
深紅の瞳が濡れて、見ているものを蠱惑する。
ルシア「なにが、許せないかはわかりません。ですが意識海が沸騰しそうなほど、強く怒りを感じています」
指揮官「ルシア、すまない」
ルシアはその情けない声を聴いて、唇をきつく噛み締めた。紅い血が一滴、地面へと垂れた。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1610370407
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/01/11(月) 22:51:48.24 ID:ZKg1ruiG0
夜の私は、神経質になってしまう。最近は睡眠もあまりとれない。
白ルシア「さもわたしのせいだと言いたげね」
指揮官「実際、そうだからな」
白ルシア「でも、あんな嘘の理由で退役することで私と離れられると思っているのね」
白ルシアは、薄く嗤った。
彼女は、私の中に住み着いた、【敵】。最初は、幻聴だと思っていたが毎夜に現れて、なにかを確認しては消えていくだけの存在だった。
やがて、二言、三言話すようになり、徐々に会話が続く。
それが白ルシアと邂逅を果たした北極圏での事件以来、ずっと続いている。
これが、ただの夢だったらどれだけよかったことか。
あの事件以来、私が所属するレイヴン隊は昇格者と遭遇することが異常に増加していた。
レイヴン隊は、確かに前線を駆け巡る隊だが、明らかに他の隊に比べて10倍以上に多い。
昇格者は非常に危険な存在で、何度も危機にあってきた。その危機を、自分が作っていたとしたら?ルシアの右腕がロランの一撃で吹き飛んだとき、
私の疑念は恐怖へと変わった。彼女の防御が一瞬遅れて、ロランの本来の狙い通り、彼女の頭を吹き飛ばしていたら、彼女は二度と復帰できない。
永遠に失われるのだ、その命が。
指揮官「私の価値は喪失した。君が、私の記憶を探って、行動を把握する理由もなくなる」
白ルシア「何のことかしら」
彼女はポケットから取り出したクジラのぬいぐるみを、なではじめる。
綻んだ糸くずを丁寧に取り外すところから、相当にお気に入りらしい。
指揮官「一つの可能性の話だ。だが、根拠がないわけじゃない」
白ルシア「貴方は、昇格者、機械生命体から見て、優先的に殺す価値はあった」
白ルシアがクジラの人形を甘く噛む。噛んだあとは、八重歯の位置に綺麗な穴が開いている。
白ルシア「それだけの脅威。この一方的な情勢を変える力があると目されていた」
指揮官「私は――――」
白ルシア「そんなあなたも仲間を危険にさらすことが、怖いのね」
指揮官「…それも今度で終わりだ、君と会うのも、永遠に」
白ルシア「わたしの敵がこんな臆病者だったなんて」
白ルシアは、くじらのぬいぐるみを静かに抱きしめた。
白ルシア「大切にしておかないと、すぐ壊れてしまいそう」
彼女には、収集癖があった。そのくじらのモチーフである一角くじらもその一つである。
指揮官「私は、君の思い通りにはならない」
白ルシア「それが、私の望むことよ」
私にすっかり興味をなくした彼女は、音もなくその姿を消した。
それから私は、眠れない夜を漠然と過ごすのが日課であった。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/01/11(月) 23:44:40.26 ID:09O0rmluo
おおパニグレ!
きたい
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/01/12(火) 00:55:25.79 ID:qIC0mMphO
パニグレssだ!!!
キタ━(゚∀゚)━!
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/01/12(火) 23:15:41.05 ID:s/wsQdjy0
ようやく意識が朦朧としてきたとき、目の前を風が通り過ぎた。
それは、小柄な肉食動物のような俊敏な動きで、部屋を漁っている。
指揮官「ナナミ…ここは、お前の部屋じゃないだろう。来客用の部屋があるから、そこで休みなさい」
ナナミ「ここは、指揮官とナナミの部屋だよ。だって、この部屋にナナミの宝物を集めているんだもん!」
指揮官「どうりで、最近君の出入りが激しいわけだ…」
もはや天上天下無双の不法侵入者に打つ手なしで、全てを放棄し再び心地よい昏睡に浸ろうとする、
ナナミ「あー指揮官!眠るまえに一つ教えて!」
指揮官「なんだぁ」
ナナミ「指揮官が、指揮官をやめるってホントなの?」
指揮官「…ああ、本当だ」
最悪だ、ばっちり目が覚めた。
指揮官「誰から聞いたんだ?」
ナナミ「リーフから!今のうち、会っておいたほうがいいよって」
指揮官「ああ、なるほど」
彼女なりの気遣いだったのだろう。そういえば、ナナミともこれでお別れになるのか。
ナナミ「私と結婚するためなんだよね、、、ナナミ、うれしい!」
ナナミがぴょーんと跳ねて、ふわりと私の膝の上に着地した。
上目遣いで、頭をこすりつけてくる。
ナナミ「絶対に幸せにしてね。ううん、指揮官といれたら幸せだから、これから一緒にもっと幸せになろうね!」
指揮官「どうしてこうなった?」
ナナミの予想は、根本的に間違っている。私は、これから彼女の誤解を解くことに全力をかけた。
ナナミ「…」
指揮官「ということで、私が結婚するのはナナミじゃないよ」
ナナミ「うそつき」
指揮官「うそじゃない」
ナナミ「だって、指揮官に恋人なんていないじゃない」
指揮官「うぐ」
ナナミ「わたしは、指揮官のことならなんでも知ってるよ」
指揮官「だ、だが私は定期的にエデンにいる彼女と連絡をとっていてだな」
ナナミ「ちっちっち、全ての通信も、会話も記録されているものは全部ナナミのものなのだ」
指揮官「…天才ハッカーめ…」
ナナミ「そんなウソをついても、指揮官は、指揮官をやめたいんだね。レイヴン隊の誰にも悟られずに」
指揮官「…その通りだよ」
ナナミ「なんで?」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/01/12(火) 23:18:26.59 ID:s/wsQdjy0
直球すぎて、答えに困る。
指揮官「たとえて言うなら、私はいつ爆発するかわからない爆弾を頭の中に持っているんだ。任務中にそれが爆発したら、みんな困るだろう?だからだよ」
ナナミ「それなら、心配ないよ!構造体は指揮官の頭程度のサイズの通常爆弾ぐらいで、死なないから」
指揮官「たとえが悪かったよ。まあ、超強力爆弾だと思ってくれ」
ナナミ「うーん、指揮官はみんなを甘く見てるよ」
指揮官「なに?」
ナナミ「リーフは医療が上手いから指揮官がバラバラーになっても組み立ててくれるし、リーは爆弾を解除してくれる、あとルシアはきっと爆弾を切ってくれる」
指揮官「…」
ナナミ「なにより、指揮官がいるから、みんな頑張れるんだよ」
指揮官「だからこそ、誰一人、死なせたくないんだ」
ナナミ「…なら、指揮官をやめちゃおう。周りが弱かったら、指揮官が苦しむもんね。悪いのは、弱いやつだよ」
指揮官「…ぁ」
ナナミの目が、赤く光る。それはまるで、パニシングに侵された機械のようで。
ナナミ「なら、指揮官をやめて、全てを背負って、ナナミと二人で、世界旅行しようよ。
ナナミは【強い】から誰にも負けないし、【死なない】」
ナナミ「それに、指揮官は、ナナミのことを、守ってくれるんだよね」
ナナミはそっと手を私の頬に添えた。
ナナミ「ナナミは、一人でも生きていけるけど、二人の方が楽しいと思うもん」
ナナミ「そうしたら、指揮官ときっとアイが芽生えて、寄り添って生きる。
そして、初めて、わたしは人間になれるんだ」
指揮官「ナナミ…?」
彼女は悲しそうに微笑んで、静かにその場で服を脱いだ。
そして、私に、構造体でも、人間でもでない、証を見せた。
それからナナミは笑った。
この身体は、嫌いだった。
ニンゲンでないことが嫌いだと言った。
でも、人間は好きだといった
結局ナナミが立ち去ってなお、私は彼女のことを考え続けた。
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/01/12(火) 23:22:30.71 ID:s/wsQdjy0
今更だけどネタバレ,オリ要素に注意ね
見てくれた人ありがとう
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/01/13(水) 00:36:21.73 ID:nHVzAH7Ao
おつあつ
気にしない
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/01/13(水) 21:24:19.44 ID:PWbcHGAJ0
任務開始は、世界時刻にしてAM8:00きっかり。
私は、それまでに一通りの書類を整理し、任務の最終確認を行う。
そして、その間にリーフが作戦室にきて、健康診断が行われる。
私に埋め込まれた生体チップから、健康状態、睡眠時間、正常な精神状態であるか、などを判断する。
リーフは、扉を二度叩いて、いつものように告げる。
「リーフです。指揮官、任務前の健康診断のお時間です」
「ああ、入ってきてくれ」
そして、リーフを招き入れると、私は椅子に座り、首を見せる。
首筋に埋め込まれたチップに彼女が触れると、全身に痺れが走る。
そのあと、数分間、そのままの姿勢で待つ。
本来なら、雑談でもするところだが、彼女は私と目線を合わそうとしなかった。
だが私は、どうしても彼女と話す必要があった。
私が今回の件において、一番の不安の種だったのが、実はリーフである。
彼女は、真面目で、繊細で、責任感が強い。
今回の乱暴な私の振る舞いに対して、彼女がなにも思わないわけがない。
傷ついた心に対するアフターケアは、必要なことだ。
処置を誤れば、それは何年も彼女の心身を苛むだろう。
リーフは二度の家族との別れを経験している。
1度目は、父と母の別居、2度目は戦争による招集。
それは、この時代における多くの者が抱えていた、過剰な責任と不安定な環境であった。
さらに、同年代で飛びぬけて優秀であった彼女は、人ならざる構造体へと踏み込んだ。
いや、違うな。
大人が、踏み込ませた。
彼女が気づいているかはわからないがそれは彼女の想い以上に、強いものだ。
リーフ「指揮官、注意すべき点として、疲労が警戒水準、睡眠も同様です。こちらは任意となりますが、意識促進剤を打ちますか?」
指揮官「頼むよ」
彼女は手慣れた手つきで、注射器に薬剤を注入する。衛生兵としての経験は、確実に彼女の中で息づいていた、
リーフ「注入の際、少し、痛むかもしれません。痺れなどを感じましたら、すぐに教えてください」
一通り、滞りなく終わったところで、私は声をかけた。
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/01/13(水) 21:25:26.71 ID:PWbcHGAJ0
指揮官「なら、私から言おう。君は、私が何百と見た中で最も優れた構造体の一体であり、もっとも頼れる仲間だった。」
リーフの表情は、驚きと喜びが入り混じったものになった。そして、一抹の不安が影をよぎる。
指揮官「すこし、自信がないところもあったが、最近ではぜんぜん違うな。私が頼ってばかりだ」
指揮官「リーフ、この時代で、君と出会えたことを誇りに思ってる」
リーフは、手で顔を覆い隠し、肩で震えている。
リーフ「ぁ、わ、わたしは」
リーフ「【指揮官と組んで、良かったとは今は思いません】」
リーフ「どうしても、【指揮官が結婚することを祝福できません】」
リーフはそこまで言って、言葉を切った。
リーフ「ごめんなさい!こんなことを言うつもりじゃなかったんです」
リーフ「私は、私は、本当にこのチームが好きだったんです。本当にそれだけなんです」
リーフは、荷物を抱えてふらつく足で執務室を飛び出した。
私は、自分の判断の正しさを自問自答しなければならないようだ。
死ぬことより、辛いことはあると知ってしまったから。
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/01/13(水) 21:30:02.59 ID:PWbcHGAJ0
誤字修正
>>9
と
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リーフは、一瞬口を開いたが、すぐに閉じた。
リーフ「いえ、なにもありません」
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