光彦「月影島に行きましょう!」

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102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:53:55.20 ID:hyggTRQZO
目暮「その楽譜が今回の事件を解くカギになるんじゃ・・・。」

小五郎「その楽譜はどこにある!」

駐在「公民館の倉庫じゃ。あ〜でも鍵は派出所に・・・」

目暮「だったらさっさと取ってこい!!」

駐在「はっ、はい〜!」

コナン「僕も行くよ〜!」

蘭「コナン君!!」

小五郎「蘭、お前はここにいろ。とりあえず落ち着くのが先だ。」

蘭「う、うん・・・。」
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:54:33.24 ID:hyggTRQZO
〜公民館〜

阿笠「やっと出てこれたの〜!!」

光彦「女子トイレに隠れるだなんて、大胆ですね〜!」

阿笠「浅井先生のサポートがあってこそじゃよ!」

光彦「何だかみんな騒いでましたけど、まあ何てことないでしょう!」

光彦「ところで、なんで公民館に?」

阿笠「うむ、西本さんを呼び出しておるんじゃ。」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:55:08.41 ID:hyggTRQZO
光彦「遂に屑がみんな消えるんですね!」

阿笠「そうじゃぞ!!」

光彦「あ、その前に・・・。」

阿笠「どうした?」

光彦「このピアノにあった白い粉・・・へへへ。」ペロペロペロ

阿笠「ぬおおズルいぞ!わしにも分けてくれ〜!」ペロペロペロ

光彦「うひょひょひょ〜!!!」ペロペロペロ

阿笠「あへ・・・あへへ・・・。」ペロペロペロ
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:56:01.88 ID:hyggTRQZO
西本「おい・・・何をやってる・・・。」

阿笠「来たか!」

西本「ああ、駐在がいつまでも戻ってこないから、捜査は明日再開しようって。」

西本「なあ、本当に助けてくれるんだよな?」

阿笠「ぐふふふ〜!」

西本「うっ!?」

光彦「まあまあ、まずはここに入ってください。」

西本「ここは倉庫・・・でも鍵は?」

光彦「窓を破りました。」

西本「おいおい・・・。」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/20(日) 22:56:10.28 ID:SDfWymcMO
もうダメだぁ、おしまいだぁ
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:56:34.78 ID:hyggTRQZO
阿笠「さてと・・・。」

西本「?」

光彦「死んでください!」グッ!

西本「ぐえっ!!」

西本「苦しい・・・!!」

阿笠「君は無職じゃからの、他の二人よりは楽に死なせてやる。」

西本「じゃあ、川島と黒岩をやったのは・・・。」

阿笠「わしらじゃ〜!」

光彦「いや〜人を殺すのって楽しいですね〜!」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/20(日) 22:56:42.16 ID:VT3aDAgD0
一番の悪は秘書のオッサンでは
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:58:14.13 ID:hyggTRQZO
西本「狂ってやがる・・・。」

光彦「貴方もですよ?麻生さんを殺したんですから。」

西本「助けてくれるって・・・言ったじゃねえか・・・。」

阿笠「何のことかの〜年寄りは忘れっぽくっての〜!」

光彦「ごめんなさ〜い、この人もう爺さんだから!!と言っても、西本さんより年下ですけどね!」

西本(くそ・・・意識が・・・。)

光彦「もう少しです〜!命の灯が消える瞬間のカタルシス〜!」

西本(ごめん麻生・・・俺もそっちに・・・。)

西本(いや、俺は地獄行きだから・・・お前には会えないな・・・。)

西本(なあ麻生・・・俺は一体、どこで間違えたんだろう・・・。)
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:00:28.92 ID:hyggTRQZO
西本「」

阿笠「・・・おっ、死んだな。」

光彦「フォオオオオオオオ!!!!!」

阿笠「ほほほ、病みつきになってしまったか。」

光彦「もっと!もっと人を痛めつけたい!殺したい!」

阿笠「わしもこれからは殺戮兵器を作りまくってやるわ!!」

光彦「うひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:01:33.36 ID:hyggTRQZO
成実「おい、静かにしろよ。誰か来たらどうする。」

光彦「おやおや、もっと早く来ていれば、先生も見られたのに?」

成実「は?」

阿笠「人が死ぬ瞬間じゃよ!ああ、先生は医者じゃから見慣れてるか!」

成実「お前ら・・・いい加減にしろ!!」

光彦「何でですか?積年の恨みを晴らせて満足しないんですか〜?」

成実「人が死ぬってことはな・・・そんな簡単なことじゃないんだよ!!」

阿笠「ほ〜う。」

光彦「何だ・・・結局あなたは中途半端なんですね。」
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:02:35.01 ID:hyggTRQZO
成実「あ!?」

光彦「中途半端に復讐を誓って・・・医者だから殺せないって・・・。」

阿笠「そんな覚悟では君のお父さんも浮かばれんよ。」

成実「お前に父さんの何が分かる!」

阿笠「分かるとも!」

阿笠「君のお父さんは仇を取ってほしかったんじゃ!」

阿笠「本土の病院に入院していて、ほとんど存在を知られていない君なら、必ずや自分を殺した奴らを地獄に叩き落してくれるだろう!」

阿笠「そう思っていたに違いない!」

成実「そんなわけ・・・父さんはそんな人じゃ・・・。」
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:03:19.50 ID:hyggTRQZO
阿笠「お前こそ何を知っている!父親が麻薬売買の片棒を担いでいたと知っていたか?」

阿笠「偉大なピアニスト・・・その面だけしか知らんだけじゃ!」

阿笠「人間は誰しも裏の顔を持つ!他人を騙して生きているんじゃ!」

成実「違う・・・違う!!」

阿笠「何が違う!?お前もそうじゃ!本当は男なのに女のふりしてるじゃないか!」

阿笠「島のみんなを騙している!お前も既に犯罪者じゃ!」

成実「うう・・・ううう・・・。」

阿笠「泣くな!最後まで務めを果たせ!ここで無様に警察に捕まっては、父親に顔向けできまい!」

成実「ぐぐ・・・うぐっ!」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:05:17.31 ID:hyggTRQZO
〜しばらく後〜

成実「・・・それじゃあ、後は手筈通りにお願いします。」

阿笠「うむ、首吊り自殺に見せかければいいんじゃな?」

光彦「任せてください!」





阿笠「・・・行ったか?」

光彦「行きました。」

阿笠「ぷぷぷぷぷ〜!!見たかね光彦君、あの泣き顔〜!」

光彦「見ました見ました!汚かったです〜!」

阿笠「わしの適当な演説にビビっておったぞ〜!」

光彦「名演技でしたよ〜博士〜!」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:05:56.06 ID:hyggTRQZO
阿笠「おっと無駄話をしてる暇はない。さっさとこのゴミを吊るさんとな。」

光彦「足元に踏み台と楽譜を置いて・・・。」

阿笠「また楽譜か・・・。」

光彦「まったく、意味の分からないもの書きますね〜!」

阿笠「どれどれ、確かに無茶苦茶じゃな〜!」

光彦「こりゃまた手直しが必要ですね!!」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:06:24.54 ID:hyggTRQZO
〜しばらく後〜

蘭「きゃああああああ!!!!!」

コナン「どうした!!」

西本「」

コナン「西本さん・・・。」

蘭「コナン君、足元に譜面が!」

コナン「これは・・・。」

蘭「何て書いてあるの?」

コナン「・・・アチョー。」

蘭「は?」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:06:57.92 ID:hyggTRQZO
目暮「この楽譜を読み解いてみたら、よく分からん文章になった。」

目暮「川島氏には、昔ウンコを漏らしたことをバラされた。」

目暮「黒岩氏には、好きだった女の子を取られた。」

目暮「麻生氏には、美少女フィギュアの収集を馬鹿にされた。」

小五郎「はあ・・・。」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:07:45.16 ID:hyggTRQZO
小五郎「遺書・・・ですかね?」

目暮「一体何故死ぬ前にこんなものを・・・。」

コナン(おかしい・・・何か意味があるはずだ・・・。)

目暮「だが側にテープレコーダーがあり、第三楽章が流れていたことを踏まえると。」

目暮「この一連の事件を自分の死で終わらせたということだろう。」

コナン(本当にそうだろうか・・・。)

コナン(何なんだこの事件・・・どうなってるんだ!)

コナン(俺の勘では犯人はあの人だが・・・確たる証拠が無い。)

コナン(どうする・・・このままじゃ犯人が分からねえ!!)
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:08:23.46 ID:hyggTRQZO
駐在「はあ・・・はあ・・・。」

コナン「あれ、どうしたの?」

駐在「やっと見つけたんじゃ!麻生さんが残した楽譜を!」

コナン「見せて!!」

コナン「WAGAMUSUKO SEIJIHE」

コナン「我が息子、せいじへ。これは・・・!?」

駐在「もしや、せいじ君への手紙か?」

コナン「もしかすると・・・使えるかもしれない・・・。」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:08:52.71 ID:hyggTRQZO
???「ピンポンパンポーン!!!」

コナン「!?」

小五郎「何だ何だ!?」

???「島内のみなさん、こんばんは〜!!!」

目暮「どこから流している!?」

駐在「村役場の放送室じゃ!あそこなら島内全域に放送を流せる!」

蘭「この声・・・まさか・・・。」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:09:22.25 ID:hyggTRQZO
???「僕のこと分かりますか〜?」

???「高校生探偵の工藤新一どぅえ〜す!!!」

コナン「何だって!?」

目暮「工藤君!?」

蘭(新一!)

小五郎「村役場に急ぐぞ!!」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:09:52.34 ID:hyggTRQZO
〜村役場〜

目暮「おい、開けるんだ!」

刑事「駄目です!どこも開けられません!」

目暮「どうなっているんだ・・・警備していた警官は何をやっている!」

刑事「それが・・・全員眠っておりまして・・・。」

目暮「何だと〜!!」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:10:38.52 ID:hyggTRQZO
新一「どうも皆様、お集りいただきありがとうございます!」

小五郎「おい、探偵ボウズ!いきなり出てきたと思えば、何の茶番だ!!」

目暮「そうだ!声だけじゃなく、姿も現せ!!」

蘭「新一!!出てきてよ!!」

コナン(何だこれは・・・。)

新一「今夜僕がお話しするのは、この奇妙な連続殺人の真相です。」

小五郎「まさか、解けてるっていうのか!?」

新一「まずは事件をおさらいしましょう。」

新一「第一の事件では、川島さんが溺死しました。」

新一「第二の事件では、黒岩さんが肺に穴を開けられ殺された。」

新一「そして第三の事件、西本さんが自殺に見せかけて絞殺された。」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:11:30.50 ID:hyggTRQZO
小五郎「見せかけ・・・西本さんは自殺じゃないのか!っていうか、何でお前が事件にそんなに詳しいんだ!」

目暮「ちょっと待ってくれ工藤君、捜査結果と食い違いが・・・。」

新一「これらの事件はすべて、男性による力技でなければ実行できないため、当然犯人も男性でしょう。」

目暮「お〜い・・・。」

新一「次に殺害の動機についてですが、おそらく麻生圭二殺害の復讐でしょう。」

小五郎「じゃあ、麻生さんの息子であるせいじが、今回の犯人なんじゃ?」

蘭「この島のどこかに、隠れているの!?」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:12:02.20 ID:hyggTRQZO
駐在「・・・・・・。」

新一「いいえ、隠れてなんていませんよ。」

新一「彼はずっと、すぐ近くにいたんです。」

目暮「一体・・・どこにいるんだ!」

新一「麻生圭二の息子・・・それは、浅井成実さん、貴方だ!!」

成実「・・・・・・!!」

蘭「そんな、成実先生が・・・。」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:12:53.42 ID:hyggTRQZO
新一「前々から父親の死に疑問を感じていた成実さんは、医大卒業後、この島にやってきた。」

新一「麻生圭二の息子であるとバレないよう、女医師としてね。」

新一「女性っぽい顔立ちや、医師免許に名前の読みが書かれていないことから、周囲には浅井成実(なるみ)で通せた。」

小五郎「待て待て、それは全部お前の推測だろうが!!」

新一「成実さんの家を漁っていたら、証拠がたくさん出てきましたよ。」

目暮(こいつ、さらっと不法侵入しとる・・・。)
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:13:49.63 ID:hyggTRQZO
成実「・・・・・・。」

新一「そう、男である成実さんなら、一連の事件は実行可能なんです。」

成実「ち、ちがっ!!」

新一「三人の人間を殺した殺人鬼は・・・成実さん、貴方です!!」

成実「違う!私じゃ・・・俺じゃない!!」

蘭「成実先生・・・やっぱり・・・。」

成実「麻生圭二の息子だってのは本当だ。でも俺は殺してない!」

新一「言い逃れはできませんよ、証拠もある。」

成実「証拠!?」
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:14:34.07 ID:hyggTRQZO
新一「西本さんは殺される直前、死に際の音声を録音していたんです。」





西本「苦しい・・・!!」

成実「君は無職だからね、他の二人よりは楽に死なせてやる。」

西本「じゃあ、川島と黒岩をやったのは・・・。」

成実「そうさ、俺だ!」

成実「いや〜人を殺すのって楽しいね〜!」





目暮「これは・・・!!」

小五郎「西本さんと成実さんの会話・・・。」

成実「嘘だ!こんな会話してない!」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:15:22.91 ID:hyggTRQZO
光彦「ふふふふふ!!!」

阿笠「おやおや、随分と楽しそうじゃないか、光彦君。」

光彦「博士もやりますね〜!証拠の捏造とは!」

阿笠「まあの!じゃが、決定的な証拠(捏造)は他にもある。」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:15:58.45 ID:hyggTRQZO
成実「違う・・・違うんだ!」

小五郎「信じたくないが・・・あの会話を聞いては・・・。」

成実「そんな・・・。」

新一「証拠ならまだあります!」

新一「川島さんが死ぬ直前、必死に抵抗したんでしょう。」

新一「何かを掴んだような痕跡がありました。」

目暮「いや、だから工藤君!」

新一「成実さん、貴方の首元、見せてもらえませんか?」
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/20(日) 23:16:25.92 ID:lYJLZkjIO
どんな凶悪犯よりもえげつねぇ・・・
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:16:29.16 ID:hyggTRQZO
蘭「あの・・・失礼します・・・。」

成実「・・・!?」

蘭「指の跡!?」

成実「こんなもの知らない!」

新一「その指跡が川島さんのものと一致すれば、決定的でしょう。」

新一「早く取り押さえてください!警部!」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:18:30.13 ID:hyggTRQZO
目暮「工藤君・・・だから川島さんは・・・。」

川島「生きているよ。」

新一「!?」

川島「浅井先生により死を偽装され、本土の病院で治療を受けていた。」

新一「バカな!?」

川島「彼は私の命の恩人だ。」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:19:21.10 ID:hyggTRQZO
川島「皆さん!あの男が言っていることは嘘っぱちだ!」

川島「私を殺そうとしたのは浅井先生ではない。老人と子供の二人組だ!」

小五郎「老人と子供!?」

川島「浅井先生は私に正体を明かした後、自首を勧めてきた。」

川島「その直後、二人組が私を襲ってきたんだ!」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:20:05.99 ID:hyggTRQZO
阿笠「まさかあの男が生きておったとはな・・・。」

光彦「誤算でした。」

阿笠「さてさて、どうしたものか・・・。」

光彦「・・・・・・!」

阿笠「どうしたのかね?」

光彦「彼が来たようです。」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:21:25.53 ID:hyggTRQZO
〜放送室の扉前〜

コナン「はあ・・・はあ・・・。」

光彦「やはり来ましたかコナン君。どうにか入り込めたようですね。」

コナン「どういうトリックでここにいるか知らねえが・・・。」

コナン「警官をみんな眠らせたり、工藤新一の声を出したりできるのは阿笠博士だけだ。」

コナン「怪しいと思ってたがお前ら・・・。」

光彦「ええ、流石にバレますよね。」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:22:26.38 ID:hyggTRQZO
コナン「何が目的だ!」

光彦「復讐ですよ。君に対するね。」

コナン「俺に?俺が何をしたって言うんだ!!」

光彦「ああ、今の君には分からないでしょう。」

コナン「?」

光彦「君のせいで苦しい日々を送りました。小学一年生には耐え難いほどの。」

コナン「何の話をしているんだ!」

光彦「僕と博士はね、未来から来たんです。」

光彦「ほんの少し先の未来、僕は毎日君から暴力を振るわれていました。」

光彦「何故こんな仕打ちを受けなければならないのか、不思議でたまらなかった。」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:23:20.92 ID:hyggTRQZO
光彦「でも君とは友達だったから、どうしても理由が知りたかった。」

光彦「そして博士に教えてもらったんです。月影島から帰ってきてから、様子がおかしくなったことを。」

光彦「犯人を推理で追い詰めて死なせてしまったという可能性を。」

コナン「俺が・・・犯人を・・・。」

光彦「だから君を救うため、過去へやってきたんです。」

光彦「しかし、途中で考えが変わった。」

光彦「殺人計画を完璧に遂行し、犯人を死なせず、屑は葬り去る。」

光彦「そして君の心は壊れない。」

コナン「言ってることとやってることが全然違うじゃねえか!」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:24:10.47 ID:hyggTRQZO
光彦「犯人が中途半端だったんですよ。」

コナン「中途半端?」

光彦「復讐を誓っておきながら、人を救おうとする。」

光彦「川島さんの死を偽装したようにね。彼にはもう殺意なんて無い。」

光彦「それを知ったら腹立たしくて、もう!!」

光彦「こんなポンコツ処分しなきゃならない、と思ったんです。」

光彦「すると何故か、同時に君への憎悪も膨れ上がってきたんです。親愛の念も消えてしまった。」

コナン「光彦・・・何があったんだ・・・。」

光彦「さあ、分かりません。僕にも僕が分からない。」

コナン「・・・・・・。」

光彦「さあ、クライマックスですよ!博士!」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:25:16.73 ID:hyggTRQZO
阿笠「ほほほ、新一、覚悟するんじゃ!」チャキ

コナン(拳銃!?)

阿笠「そおれ!!」パン!

コナン「ぐああ!!!」

光彦「くくく、油断してましたか?付き合いの長い博士が自分を撃つわけがない、そう思ってました?」

阿笠「足を撃った。しばらく動けんぞ。」

コナン「何をするつもりだ・・・。」

阿笠「まあ見ておれ・・・。」

阿笠「新一の声で話す最悪のセリフを、特と聞いておくがいい。」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:26:03.09 ID:hyggTRQZO
新一「おらあ!変なことするんじゃねえぞ!」

目暮「な、何だ急に!?」

新一「こっちには人質がいるんだ!」

コナン「離せ!離せ!」

蘭「コナン君!」

新一「妙な真似してみろ!このガキの脳天ぶち抜くぞ!」

小五郎「お前こそ妙な真似するんじゃない!」

目暮「要求は何だ!」

新一「浅井成実!今ここで死ね!」

成実「!?」

新一「そうすればガキを解放してやる!」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:26:51.95 ID:hyggTRQZO
光彦「ま、解放しませんけどね。」

光彦「工藤新一と江戸川コナンは心中するんです。燃え盛る業火の中でね。」

コナン「業火だと?」

光彦「そ〜れ!」ポチ

ドガーン!!
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:27:39.62 ID:hyggTRQZO
目暮「どうした!?急に燃え出したぞ!!」

刑事「警部!役場に火がついて近づけません!!」

小五郎「あいつ、死ぬ気なのか!?」

新一「おい、死ぬならこれを使いな!」ポイッ

成実(・・・包丁!?)

新一「お前は医者だろ!?子供が死ぬんだぞ、てめえの命ぐらい差し出せ!!」

成実「はあ・・・はあ・・・。」
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:28:34.71 ID:hyggTRQZO
蘭「やめて、成実先生!」

新一「蘭!!お前はこのガキが死んでもいいんだな!!」

蘭「そんな・・・。」

成実「・・・いいんだ。」

成実「俺はずっと島のみんなを騙していた。父さんの仇を討つために。」

成実「でも駄目だった。俺は半端者だから、人の命を奪うだなんて無理なんだ。」

成実「父さんの無念を晴らすことができなかった・・・。」

成実「ごめん・・・父さん・・・。」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:29:11.58 ID:hyggTRQZO
成実「それに最初から・・・計画が終われば死ぬつもりだった・・・。」

成実「最後に人を助けて死ねるんなら・・・俺の人生も・・・。」

成実「少しは意味が・・・あったのかな・・・。」

新一「さあ、その包丁で自分を突き刺せ!!」

蘭「やめてえ!!!」

成実(終わったよ・・・父さん・・・何もかも・・・。)
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:29:51.59 ID:hyggTRQZO












駐在「我が息子、成実へ。」
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:30:17.08 ID:hyggTRQZO
成実「!?」

駐在「麻生さんが残した楽譜じゃ。コナン君が解読しておったよ。」

成実「父さんの・・・。」

駐在「楽譜には、こう書いてあるらしい。」
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:31:00.18 ID:hyggTRQZO
我が息子、成実へ

病気は良くなったか?元気になって走り回るお前を早く見たい。

講演ばかりで構ってやれなかったこと、いつも申し訳ないと思っている。

お見舞いに行ったときはいつも、入院生活を楽しそうに語ってくれた。

将来は医者のピアニストになりたいと言ってくれて、とても嬉しかった。

お前にいつまでも尊敬される父親であり続けたいと思っていたが、謝らなければならないことがある。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:31:58.09 ID:hyggTRQZO
私は幼馴染と一緒に、麻薬売買を行っていた。

父さんは悪人で、決してお前に尊敬されるに値する者ではない。

今日幼馴染たちに手を切るよう話してきたが、口封じに殺しに来るだろう。

だからその前に、お前に伝えておきたいことがある。

この先何があっても、これだけは絶対に忘れないでくれ。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:32:44.97 ID:hyggTRQZO
どうか幼馴染たちに復讐しようと思わないでくれ。

そんなことをしてはお前の手が血みどろに染まる。

罪にまみれた人生を送るのは、私だけで十分だ。

成実、お前だけはまっとうに生きてくれ。

幸せで溢れた素晴らしい人生を送ってくれ。

父より
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:33:37.00 ID:hyggTRQZO
成実「・・・父さん・・・。」

阿笠「ええい、何をモタモタしてるんじゃ!早くせんか!!」

光彦「博士!火の勢いが強くなって、このままでは僕らも!」

阿笠「ぐぬぬ!!!」

コナン「・・・逃がすかよ・・・。」
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:34:27.87 ID:hyggTRQZO
光彦「コナン君、君はここで焼け死んでください!」

阿笠「すまんのう、わしらはこのタイムベルトで時間移動できるんでな、いつでも脱出できるんじゃ!」

コナン「なんだそりゃ・・・。」

阿笠「ではこれにて、バ〜イ!!」

光彦「さらばです〜!!」

コナン「待て!!」

シュン
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:34:59.79 ID:hyggTRQZO
コナン「消えちまった・・・。」

コナン「ちくしょう!!」

コナン「ああ・・・足が・・・動かねえ・・・。」

コナン「父さん・・・母さん・・・蘭・・・。」

コナン「駄目だ・・・。」

コナン「もう・・・終わっちまうのか・・・。」
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:35:57.17 ID:hyggTRQZO
成実「まだ終わっちゃいない!!」

コナン「!?」

成実「よし、まだ生きてるな!!」

コナン「どうして・・・ていうかその手!?」

成実「へへへ、ちょっと火傷しちまった。」
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:36:29.18 ID:hyggTRQZO
コナン「危険だ・・・ゴホッゴホッ!!」

成実「おいおい、あまり喋るなよ、煙吸い込んじまうぞ。」

コナン「どうして・・・。」

成実「俺は父さんのこと尊敬してるからさ・・・。」

成実「だから父さんに胸張れるよう、まっとうに生きるんだ!!」
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:37:25.74 ID:hyggTRQZO
成実「捕まってな!窓突き破るぞ!!」

コナン「えっ、ちょっ!?」

成実「うおおぉぉぉらああぁぁぁぁ!!!!!!!」

ドガーン!!!
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:38:09.15 ID:hyggTRQZO






蘭「・・・君、コナン君!」

コナン「・・・んん・・・。」

蘭「良かった!!」

コナン「蘭姉ちゃん・・・。」

小五郎「おお!目が覚めたか!」
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:39:14.47 ID:hyggTRQZO
コナン「あれ、成実さんは?」

小五郎「警部殿に連れていかれたよ。今回の事件の重要参考人だからな。」

コナン「そっか・・・。」

小五郎「まあ川島さんが昔のことを含めてすべて話すそうだから、情状酌量の余地は十分あるだろう。」

小五郎「っていうか、今回の事件で加害者として積極的に関わったとも考えにくいしな。」
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:39:43.77 ID:hyggTRQZO
コナン「あっ、そうだ。放送室にいた人だけど、新一兄ちゃんじゃなかったよ!」

蘭「・・・分かってる。」

コナン「へ?」

蘭「新一は何があっても、人に死ぬよう言ったりしない。絶対に。」

コナン「・・・・・・。」
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:41:50.01 ID:hyggTRQZO
小五郎「ほら、救急車が来たぞ。お前は早く乗れ。」

コナン「おじさん、僕足を怪我してるんだけど。」

蘭「じゃあ私がおぶって行ってあげる。」

コナン「あ・・・ありがとう。」

コナン「・・・・・・。」

蘭「あら、寝ちゃった?」
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:42:20.30 ID:hyggTRQZO
〜数日後〜

コナン(は〜あ、しばらく入院か・・・。)

コンコン

コナン「どうぞ〜!」

元太「よお!コナン!」

歩美「お見舞いに来たよ!」

コナン「お前らな・・・ここは病院だぞ、静かにしろ。」

光彦「そうですよ、ちゃんとマナーは守らないと。」

コナン「光彦・・・。」
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:42:49.80 ID:hyggTRQZO
光彦「はい、どうしました?」

コナン「いや、何でもない。」

阿笠「どうじゃ、足の調子はいいかな?」

コナン「ああ博士、もうすっかり良くなったよ。」

阿笠「それは何よりじゃ。」
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:43:19.84 ID:hyggTRQZO
〜数時間後〜

歩美「じゃあコナン君、私たちは帰るね。」

光彦「また明日も来ますからね!」

元太「また明日な!」

コナン「おう!」

阿笠「退院したら、またみんなでキャンプにでも行こう。」

コナン「ああ、楽しみにしてるよ。」
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:43:47.04 ID:hyggTRQZO
コナン「・・・・・・。」

コンコン

コナン「は〜い!」

成実「よおっ!」

コナン「成実さん!」
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:44:33.74 ID:hyggTRQZO
コナン「どうしてここに!?」

成実「何だ、俺がお見舞いに来ちゃ悪いか?」

コナン「そんなことは無いけど・・・。」

成実「俺が助けたガキがどうなったかのか気になってな、無理言って連れてきてもらったんだ。」

コナン「まだ、取り調べは続くの?」

成実「そりゃな、実行犯が別にいるとはいえ、計画を立てたのは俺だ。」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:45:53.41 ID:hyggTRQZO
コナン「そっか・・・。」

成実「そう落ち込むな。そこまで重い刑にはならないらしいからさ。」

コナン「・・・・・・。」

成実「・・・・・・。」

コナン「小五郎のおじさんに手紙を出したのってさ、犯行を止めてほしかったから?」

成実「・・・かもしれない。」

コナン「やっぱり・・・。」
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:47:58.23 ID:hyggTRQZO
成実「でも呼んで正解だったのは毛利小五郎じゃなくて、君の方だったな。」

コナン「僕?」

成実「君がいなければ、父さんの楽譜を見ることもできず、事件が終わった後に死んでいた。」

コナン「・・・・・・。」
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 23:48:51.50 ID:hyggTRQZO
成実「だから今日は・・・一言お礼を言いに来たんだ。」

コナン「え・・・。」

成実「ありがとな、小さな探偵さん。」





おしまい
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/20(日) 23:50:25.22 ID:lYJLZkjIO
おつ



と言いたいところだが、クズ彦と外道博士のその後がないよ?
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/21(月) 00:03:22.91 ID:Rk6LfoOuO
裏設定になるのですが、過去を改変した時点でそこから先はパラレルワールドとなり、本来の世界線とは別々に存在することになります。
すなわち、どれだけ過去を変えても元の世界は全く変化しません。

コナンは狂ったままですし、歩美も元太も死んでいます。
そんな未来に帰った後光彦は、コナンから苦痛を味わう毎日を送ることになります。
さらに麻薬で狂ってしまった影響で、それを快楽・生きがいだと感じるようになります。
狂ったコナンが言ったように、最後は精神が崩壊して自殺してしまうのです。

一方阿笠博士は、コナンと協力して光彦に苦痛を与えるための研究を始めます。
コナンを想って泣いていた優しい阿笠博士は、もうどこにもいないのです。

当初の構想では光彦と博士の結末も書くつもりでしたが、成実さんが生きていて良い気分になったので、
その気分を害したくないと思い、話の中では書かずに終わらせました。
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/21(月) 00:04:13.79 ID:Rk6LfoOuO
ID変わってしまいましたが、>>1です。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/21(月) 00:07:17.55 ID:EZFiBMrNO
乙えもん
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/21(月) 11:45:15.40 ID:/LHVYM+rO

コナンが狂った原因は成実先生を死なせてしまったから?
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/21(月) 20:57:43.23 ID:HddRW5d3O
>>173
いいえ、白い粉をペロペロしてしまったからです。
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/21(月) 21:17:13.74 ID:m2u7ptgJ0
この分だとおっちゃんと蘭はもう…あの2人強いから大丈夫か
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