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【安価】不良「おおっと、ここは通さねえぜ?」
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35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/12/15(火) 19:27:17.26 ID:Ccm8b4TeO
――――
不良「しまった、サインもらっておけばよかった」
女「また会った時でいいんじゃない?」
不良「そうだな。もしプロになったら球場に行くぜ。色紙とペンを忘れずにな」
ゴゴゴゴゴゴ
女・不良「!!」
女「な、なにこの重い空気……! 息苦しい……!!」
不良「こいつは……この先、とんでもない奴が待ち構えてやがるぜ……!!」
女「屈しないわ。やさしい世界に行き着くために乗り越える!」
???「……」ゴゴゴゴゴゴ
不良「で、出やがった!!」
女「そんな……まさか……!!」
↓1 二人の行く手を阻む者
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/15(火) 19:29:27.71 ID:ryVpMa5l0
女のお兄ちゃん(シスコン)
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/15(火) 19:31:51.02 ID:zFXLgQoF0
あら…そういうことなら仕方ない
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/15(火) 19:32:00.33 ID:Ccm8b4TeO
>>34
カオスで草
安価ありがとう、続きは後ほど書く
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/15(火) 19:35:04.01 ID:MOIE0HKDO
おもらし茸っていうラブライブ板では悪い意味で有名だった人さね。こっちに逃げて来てるとは思わなかったが
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/15(火) 20:16:48.56 ID:PUrTwRaJ0
こんなに知り合いに出逢えるってやさしい世界って実はコンビニみたいに自由に行き来できるのか…?
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/15(火) 20:41:01.29 ID:i9NuNSGIO
やさしい世界ってのは実は案外身近にあるっていう暗示やぞ
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/12/15(火) 23:22:13.73 ID:CwhnXLXkO
兄「ここにいたのか」
女「お兄ちゃん!!」
不良「なんだって? このイケメン、あんたの兄ちゃんなのか」
女「そうよ。紛れもなく兄であり、私がやさしい世界を目指すきっかけを作った人」
不良「きっかけを……?」
兄「妹……どこにいるかと思えば、やっと見つけたよ。今日は兄ちゃんと買い物デートする予定だったろ?」
兄「事前にサーチしてお前に似合う服を3種類ほど選んだんだ。全部買ってあげるよ。その後は一緒にアイスを食べよう。食べあいっこしよう」
女「……」
不良「良い兄貴じゃねえか。ちょっと行き過ぎてる感はあるが、オーラほど闇を抱えてるようには見えねえ」
女「騙されないで。こいつは私の家に盗撮カメラを仕掛けた前科があるのよ。リビングやダイニングはもちろん、お風呂やトイレ、隅々まで私を観察するためにね」
女「それだけじゃないわ。私の写真を常に持ち歩いてて30分ごとに取り出してはキスをするの。その上、私の薄い本や抱き枕、目覚まし時計なんかのグッズまで作って同人誌即売会に売り出して完売させたりしてるのよ」
不良「や、ヤバすぎんだろ……!! 放つオーラにふさわしい、おぞましい奴だぜ……!!」ゾクッ
兄「おいお前、なぜ僕の可愛い妹と一緒に歩いているんだ」
女「貴方こそ何で私がここにいることを知ってるの」
兄「イヤリングに発信機を取り付けたからね」
女「なっ……!? 気が付かなかった! こんなもの!」ポイッ
不良「マジで気持ち悪ぃな」
兄「気持ち悪いのはお前だ!! 僕の愛しい妹に近づくな! どうせ体目的だろう! 僕の妹は女神すらも嫉妬する美貌だからね!」
兄「さあ妹、一緒に帰ろう! その足でデパートに行くんだ。服以外にも下着や小物を買ってあげるよ」
女「嫌っ! もううんざり! 私はもう貴方の妹じゃない、赤の他人よ! どこかに消えて変態!」
兄「どうしたんだ妹、いつもの君らしくない。そんなに怒って……僕が何をしたっていうんだ」
不良「しまくってるだろ! あんた異常だよ、盗撮だの写真にキスだの実の妹にすることじゃねえ! 妹の気持ち考えたことあんのか!」
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/12/16(水) 00:44:31.31 ID:69A+5HqQO
兄「当たり前だろ。妹は嫌だ嫌だと言いつつ、心では喜んでるんだ。僕という最愛の兄を慕ってくれている」
女「違うって何度も言ってるじゃない!」
不良「らしいが」
兄「いいんだよ妹、嘘をつかなくても。人前だから素直になれないだけなんだよね」
女「いい加減にして!! バカ!! シスコン!!」
兄「そうそう、そうやって愛情を向けてくれればいいんだ」
不良「こいつ、頭がどうかしてるぜ。あんたがやさしい世界を目指す理由、身に染みて分かった」
女「もう嫌……もうやめて……」
不良「ん? おい、どうした?」
女「死んでやる……」
不良「!?」
兄「死ぬだって?」
女「死んでやる……死ねばもうくっつかれれなくなる……死にさえすれば……」
不良「な、ナイフ! なんでそんなもの隠し持ってんだよ!」
女「余裕がなかったのよ。執拗に付きまとわれて、精神的に疲れ果てて、いざとなったらって……」
女「やさしい世界を目指す覚悟を持った時、使わないって決めたんだけど……無理だったみたい」
不良「待てよ!! この先に待ってるかもしれねえんだぜ、やさしい世界が!! あんたが求めてる世界が!!」
兄「じ、冗談だろう妹。そんな危ないもの地面に置いてくれ。辛いならお兄ちゃんが慰めて、」
不良「まだそんなこと言ってんのか!!」
兄「ぐはっ!?」
不良「目を覚ましやがれ!! こいつはてめえのせいでこんなに追い込まれてんだ!! 死にたくなるくらい辛い目に遭ってんだよ!!」
兄「そ、そんなバカな……」
不良「てめえは妹の本当の気持ちを理解できてねえんだ。理解したつもりになってるだけに過ぎねえ。頭冷やして自分がしたことを振り返ってみろ」
兄「……妹……」
女「ぐすっ……死んでやる……!」
兄「ぼ……僕は……僕は、とんでもないことをしてたのか……? 独りよがりなことを……」
女「死んでやる!」
兄「ま、待ってくれ!!」
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/12/16(水) 01:05:48.42 ID:69A+5HqQO
ギュッ
不良(は、速ぇ! 俺が反応するよりも先に、一瞬で……ゴキブリかよ!)
女「は、離して変態!! 触らないでよ!!」
女「離せバカ!!」
兄「ごめん」
女「……!」
兄「ごめん、ごめんよ妹……もう何もしないから。だから死ぬのはやめてくれ」
女「……」
兄「過ちだと認めよう。僕は君に酷いことをしたんだね。てっきり、君が嫌がるのは照れ隠しだとばかり思ってた」
兄「違ったんだね。君はずっと本心をぶつけていたんだね。心から僕をキモイと思って、本気で嫌がってたんだ」
女「やっと気づいたの」
兄「ああ、今更さ。君をここまで追い込まなきゃ気づない、最低なお兄ちゃんさ。いや、もう兄だと言う資格はないか」
兄「離れるけど、その前にナイフを置いてくれるかい」
女「死なないから貴方が先に離れてよ」
兄「……そうだね。僕が怖い君からしたら、今ここでナイフを手放したら、何をされるか分からないよね」
兄「はは……そこまで信頼を失ってるわけだ」
女「……」
不良「おい、離れたぞ。ナイフを置けよ」
女「ええ……」
兄「……」
女「どこかへ行ってくれる? 視界に入れたくないの」
兄「分かったよ。その前にもう一度……」
女「謝罪なんていらない。今すぐ消えて」
兄「……」
不良「あっさり行っちまったな。ありゃマジで目が覚めたな」
女「どうだか」
不良「立てよ。この先にあるやさしい世界、目指すんだろ」
女「そうね。でも、分からなくなってきたわ」
不良「何がだ?」
女「そもそも、やさしい世界って何なの? 人間誰でも闇を抱えてるものでしょう。私にだって貴方にだって」
女「やさしい世界って、人間がいない世界なの?」
不良「さあな」
女「だとしたら、私たちがそこへ到達したら、やさしい世界じゃなくなってしまうんじゃない?」
不良「知らねえよ。やさしい世界ってのがどんなもんか、行って確かめるしかねえ」
女「……」
不良「もとはと言えばあんたが言い出したことだぜ。覚悟があるんだろ」
女「もちろんよ……。さあ、行きましょうか」
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/16(水) 03:47:36.27 ID:69A+5HqQO
寝落ち
明日に持ち越し
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/12/16(水) 23:51:55.54 ID:SnYRZ/x4O
――――
不良「こいつはどういうことだ? 見た感じ、ただの大通りだぜ」
女「そうね」
女・不良「……」
不良「言いにくいんだがよ。あんた……」
女「偽の情報を掴まされた、って言いたいんでしょ。そうみたい。私たちはただ、人気のない道を通り抜けただけ。やさしい世界なんてどこにもなかったのよ」
女「ふふっ、見事にネットのデマに踊らされたわ。バカみたいよね。ごめんなさい、信じてついて来てくれたのにこんな結末になっちゃった」
女「私はもう行くわ。またどこかで会ったら美味しいコーヒーでも飲みましょう」
不良「デマとは言い切れねえんじゃねえかな」
女「えっ」
不良「俺はそうは思わねえ、つーか思えねえんだよ。ここに来るまでいくつもの出会いがあっただろ? 偶然にしちゃ出来すぎてる」
女「偶然よ」
不良「そうか? 俺が思うに、なんていうか……上手く言えねえけどよ。俺たちが通った道は、やさしい世界へ行くための道じゃなくて」
不良「やさしい世界へのきっかけを作ってくれる道なんじゃねえかって。そんな感じがするんだよ」
女「やさしい世界への……きっかけ……」
不良「踏切から始まって、俺は不貞腐れた原因の相手と打ち解けることができた。あんたは兄貴が目を覚まして、兄妹の関係を見つめ直す機会ができた」
不良「この後どうなるかは分かんねえけど、上手くいけばきっと……」
女「……なるほど」
不良「はは、妄想だけどな」
女「あながち、妄想じゃないかもしれないわよ。後ろを見て」
不良「!」
不良「どうなってんだ。俺たちは大通りに出てから一歩も動いてねえのに」
女「道が消えてただの壁になってる」
女・不良「…………」
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/12/17(木) 00:00:12.25 ID:pZBMVlwkO
女「お兄ちゃんと、一度話し合ってみることにする。まだ怖いけど、向こうが本当に正気に戻ってくれたなら、普通の家族になってみたい」
不良「頑張れよ。俺も今日で不良は卒業だ。あいつが独立リーグに行くってんなら、俺もそこに乗り込んでみようかな」
女「お互い、前に進めるかもね」ニコッ
不良「おう」ニカッ
不良「っていうか、踏切が喋る時点でおかしいよな、あの道」
女「冷静に考えたらそうね。あの道は、私たちみたいな心のわだかまりを抱えた人間のために」
女「神様がこっそり用意してくれたものなのかもしれないわね」フフッ
おわり
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/17(木) 00:02:15.48 ID:pZBMVlwkO
安価協力ありがとうございました
楽しかった
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/17(木) 01:06:16.81 ID:xEgtOZuB0
なんかそれっぽく終わった
おつ!
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クオリティの高いサービスを貴方に
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