彼女は、これもゆっくり、立ち上がった。 「こんな風に誰かと喋ったってさ、儚いものだと思わない?」 聞きたいのか、聞かせたいのか。祈っているのか、呪っているのか。判断に迷う声を、志希は零した。 「かつて嵐だった虹のようで、十二時に解ける魔法のよう。……イマなんてものは、手に入れようと思った瞬間からアタマにしかないんだ。 Can I get an Amen(キミもそう思うよね)?」
――Chapter5 “Stray Heart / Jesus Of Suburbia[V. Tales Of Another Broken Home]”