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シンジ「君が、葛城ミサトちゃんだね」
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213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/24(火) 23:37:19.20 ID:SU+27bOAo
乙ー
214 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:01:11.37 ID:pkrsX4Fxo
女子生徒「ねぇ、見た見た!?」
女子「見た!すっごいイケメン!」
女子「何が?」
女子「あんた知らないの?転校生よ!」
女子「2年A組に転校してきたんだって!先週!」
女子「かっこいいわよねぇ」
女子「加持リョウジくん、っていうんだって」
女子「あたし声かけられちゃった!」
女子「なんか大人っぽいしぃ…やっぱり外国って進んでるのかな?」
女子「やだぁー!」
215 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:02:02.84 ID:pkrsX4Fxo
青葉「しっかし…女子たちは大騒ぎだな…」
日向「まったく…この前までシンジさんにキャーキャー言ってたのに…」
青葉「しかたないさ…あの顔で帰国子女のおまけつきだ…おっ、毎度あり!」
日向「…お前、そういうのやめろよ…」
加持「やぁ、かわいいお嬢さん」
ミサト「…やめてよ、その呼び方…」
加持「本当のことを言ったまでさ…じゃあ、葛城?ちょっと聞きたいことがあるんだが」
ミサト「どうしたの?」
加持「ファーストチルドレンのことさ。いるんだろう?この学校に」
ミサト「ああ、リツコなら…」 チラッ
216 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:03:01.54 ID:pkrsX4Fxo
加持「おっと…これは驚いたな。エヴァのパイロットは容姿端麗なのも条件か?」
ミサト「よしなさいよ。リツコはそういうので笑わないから」
加持「そりゃ残念。笑った顔も見たいとこだったけどな…」
リツコ「……」
加持「はじめまして、ファーストのお嬢さん」
加持「弐号機パイロット…加持リョウジだ。よろしく」
リツコ「……よろしく」
日向「…普通、自分で言うか?容姿端麗って…」
青葉「まいどーっ」
217 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:04:01.08 ID:pkrsX4Fxo
アスカ「あーい変わらずね。学者バカ。男っ気ゼロ」
レイ「…いたの?」
アスカ「いたわよ!失礼ね」
レイ「…碇くんに謝ったほうがいいんじゃないの?」
アスカ「なに…アイツまだ怒ってんの?」
レイ「…そんなに昔のことかしら」
アスカ「はぁーっ!もう!これだから嫌なのよ日本人はぁ!終わったことをいつまでもウジウジウジウジ……あ…」
シンジが睨んでいる
レイ「…今のはアナタが悪いわ…」
アスカ「うげぇ…」
218 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:05:02.63 ID:pkrsX4Fxo
レイ「…ちゃんと謝ったら?」
アスカ「謝ったわよ!それなのにこいつが…」
シンジ「なっ!悪いのはアスカじゃないか!」
レイ「相変わらずね…昔を思い出すわ」
ミサト「ふん…どうせその様子じゃ、お酒も強くなってないんでしょうね?」
シンジ「う…」
レイ「そうそう体質は変わらないわ」
アスカ「ちょうど良いわ。今晩空けときなさいよね!3人で飲むわよ!」
シンジ「それはいいけど…もう吐かないでよね…」
アスカ「ハア!?私がいつ吐いたってのよ!!」
警報。
シンジ「敵襲!?」
219 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:06:02.18 ID:pkrsX4Fxo
ケンスケ「警戒中の巡洋艦、「はるな」より入電、「ワレ、キイハントウオキニテ、キョダイナセンコウブッタイヲハッケン。データオクル」」
トウジ「受信データを照合…波長パターン青、使徒と確認!」
カヲル「総員、第一種戦闘配置!」
シンジ「先の戦闘によって第3新東京市の迎撃システムは、大きなダメージを受け、現在までの復旧率は26%。実戦における稼働率はほぼゼロ」
シンジ「したがって今回は、上陸直前の目標を水際で一気に叩きます!」
シンジ「初号機ならびに弐号機は、交互に目標に対し波状攻撃、近接戦闘で行くよ」
ミサト・加持「了解!」
220 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:07:02.41 ID:pkrsX4Fxo
加持「さぁて。日本でのデビュー戦だ…気合い入れていくかなっ」
ミサト「もう船の上で動かしたじゃない」
加持「あれは二人で入ってたしな…大丈夫、今度はヘマはしないよ」ウインク
ミサト「………」(…どうも加持くんのノリは軽いのよね…)
加持「…しかし、2人掛かりか…ま、相手は未知数だし…当然か」
シンジ「正攻法とは言ってられないよ。君たちを死なすわけにはいかないんだ」
加持「はは、人類もね」
ミサト「…来た!」
221 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:08:02.88 ID:pkrsX4Fxo
シンジ「攻撃開始!」
加持「俺が行く!援護を頼む!」
ミサト「えっ援護!?」
加持「レディーに危険な仕事はさせたくないんでね!」
ミサト「ちょ、ちょっとぉ!!」
加持「行ける!」
ミサト「えっ!?」
加持「よっ!」ドカーン
ミサト「すごい…!」
加持「ははっ、見直しただろ?これでも向こうでみっちり仕込まれたプロだ」
再生する使徒
シンジ「なっ!?どうなってるんだ!?」
222 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:09:01.84 ID:pkrsX4Fxo
ヒカリ「本日午前10時58分15秒、2体に分離した目標甲の攻撃を受けた初号機は、駿河湾沖合い2キロの海上に水没、」
ヒカリ「同20秒、弐号機は目標乙の攻撃により活動停止。この状況に対するE計画責任者のコメント」
レイ「残念」
加持「悪い。また…ヘマやっちまって…」
ミサト「いや…でもまぁ…ああなるのは誰にも分からなかったんだし、仕方ないわよ」
加持「はぁ…葛城に会ってからこの方、どうも格好がつかないな…」
ミサト「無理しないでよ…エバーは3体あるんだから…」
加持「……ん…そうだな…悪い。突っ走っちまって。……それにしても、これは…」
ミサト「犬神家……」
加持「…きっついなぁ…」
223 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:10:12.36 ID:pkrsX4Fxo
ヒカリ「午前11時3分をもって、ネルフは作戦の遂行を断念、」
ヒカリ「国連第2方面軍に指揮権を譲渡」
カヲル「まったく…ついてないね…」
ヒカリ「同05分、N2爆雷により目標を攻撃、」
カヲル「…また地図の描き直しか…」
ヒカリ「構成物質の28%を焼却に成功」
加持「目標は沈黙?」
カヲル「いや、これは足止めに過ぎない…再度侵攻は時間の問題だよ」
アスカ「ま、建て直しの時間が稼げただけでも良しとすべきね…」
224 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:11:01.31 ID:pkrsX4Fxo
カヲル「…君たち、自分の仕事が何だか分かっているかい…?」
加持「…使徒に勝つことです」
カヲル「その通りだよ。確かに相手は未知数だが…負けることは許されないんだ…分かるね?」
ミサト・加持「はい…」
カヲル「…下がっていいよ」
加持「あちらさんカンカンだな…」
アスカ「聞き流せばいいのよ、あんなホモの言うこと…次はしっかりやんなさい」
ミサト「あの、シンジさんは?」
アスカ「後片付け。あいつはそのためにいるよーなものよ」
225 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:12:05.44 ID:pkrsX4Fxo
レイ「関係各省からの抗議文と被害報告書。これがUNからの請求書、広報部からの苦情も」
シンジ「う〜」
レイ「ちゃんと目を通しておいてね」
シンジ「…読まなくても分かるよ、喧嘩をするならここでやれ、でしょ?」
レイ「ええ。概ねは」
シンジ「言われなくったって…できればやってるよ」
レイ「…副司令官もあれでご立腹よ。あなたが左遷されるってことはないでしょうけど」
シンジ「……司令が留守だったのは不幸中の幸いだったね…」
レイ「そうね…これを見ることもなく解任されていたかも」
シンジ「あはは…首の皮一枚の状態か…。何かいいアイディアは…」チラッ
レイ「あるにはあるわ」
シンジ「ほっ本当!?よかった、本当、どうなることかと…!ありがとう綾波…!」
レイ「でもこれは私のアイディアじゃない」
シンジ「えっ」
レイ「アスカの案よ」
226 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:13:01.32 ID:pkrsX4Fxo
ミサト「ただいまー、って言ったって誰もいない、か…」
ミサト「…あれ、何この荷物…」
加持「失礼。レディーの部屋に踏み込むのは無粋かと思ってね」
ミサト「なっ…なんで加持くんが…」
加持「葛城こそどうして、まだここに?」
ミサト「? まだ?」
加持「今日から配属されたんだ、ここに」
ミサト「え?」
加持「俺がシンジさんと暮らすことになった。まぁ…それが妥当だろうな。若い男と女が暮らしてるよりかは」
加持「…ま、俺としては葛城と二人でも良いんだがな」ウインク
ミサト「な、な…!」カァ
227 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:14:05.05 ID:pkrsX4Fxo
加持「…しっかし、あちらでずいぶんいいとこに住ませてもらってたからなぁ…これは中々…質素と言うか倹約と言うか…」
シンジ「あはは…ごめんね」
ミサト・加持「シンジさん…」
シンジ「お帰り。加持君の荷物はそれだけ?…ならなんとか入りそうだね」
ミサト・加持「えっ?」
シンジ「今度の作戦準備だよ」
ミサト・加持「どうして?」
228 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:15:03.77 ID:pkrsX4Fxo
シンジ「現時点で確認しうる第7使徒の弱点は1つ」
シンジ「分離中のコアに対する二点同時の荷重攻撃、これしかないんだ」
シンジ「つまり、エヴァ2体のタイミングを完璧に合わせた攻撃」
シンジ「そのためには2人の協調、完璧なユニゾンが必要なんだよ」
シンジ「それで…古典的な方法だけど、呼吸を合わせるために…二人にはこれから一緒に暮らしてもらうことになったんだ」
ミサト(えぇ〜っ!?なにそれぇ!!??)
加持「はは、こりゃ役得だな…」
229 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:16:03.46 ID:pkrsX4Fxo
ミサト「ほ…他に方法は…」
シンジ「使徒は現在自己修復中。第2波は6日後…時間がないんだ」
加持「なるほど。…無茶だが、やるしかないか」
シンジ「それでなんだけど…無茶を可能にする方法」
シンジ「二人の完璧なユニゾンをマスターするため、この曲に合わせた攻撃パターンを体に覚え込ませるんだ」
シンジ「6日以内に、1秒でも早く!」
ミサト「はぁ…」
加持「よろしくな」ニコッ
ミサト「……」カァ
230 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:17:03.19 ID:pkrsX4Fxo
日向「もう三日か…」
青葉「葛城の欠席がか?心配するなよ。訓練か何かだろ?」
日向「あいつと一緒に、だろ!だから心配なんだよ…」
青葉「あれ?マヤちゃん?」
ヒカリ「日向君に、青葉君…」
日向「…なんだか、嫌な予感が…」
青葉「なんでここで止まるんだ?」
マヤ「なんでここで止まるの?」
日向「……」
231 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:18:09.80 ID:pkrsX4Fxo
ミサト・加持「はーい!」
日向「なっ……」
青葉「おぉ…またしてもペアルック…」
ミサト「ち、ちがうのよ!これは訓練の一環で…」
加持「心を合わせる練習さ。互いの呼吸を感じながらね」
日向「こきゅ…」
マヤ「不潔…」
ミサト「ち、違うのよ!!!もう!加持君は黙ってて!!」
日向「……」ワナワナ
シンジ「あ、いらっしゃい」ヒョコッ
青葉「えっ?シンジさん…?これはいったい…」
232 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:19:12.18 ID:pkrsX4Fxo
青葉「なーんだ。そうだったんですか。いやぁ、よかったなぁマコト」
日向「何がだよ」
マヤ「…それで、そのユニゾンはうまくいってるんですか?」
シンジ「はは…それが…」
加持、ミサトのダンス
『75点』
青葉「なんだ、高得点じゃないですか」
マヤ「なにがいけないんですか?」
日向「……」ムッスー
233 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:20:07.88 ID:pkrsX4Fxo
シンジ「…リツコちゃん」
リツコ「はい」
シンジ「もう一回…いいかな?」
リツコ「はい」
ミサト「……」
加持、リツコのダンス
『85点』
日向・青葉・マヤ・シンジ「おぉお……!」
シンジ「…シンクロ率で言うとミサトちゃんのほうが高いんだけど…」
マヤ「すごいわ!赤木さん…ダンスもうまいなんて…!」キラキラ
ミサト「……」ズーン
234 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:21:10.53 ID:pkrsX4Fxo
日向「でっでも!75点だって十分すごいよ!なぁ!?」
青葉「あっああ!そうさ!練習すればきっと…」
シンジ「まだ時間はあるから…ね?やってみよう、ミサトちゃん」
ミサト「ありがとうございます…、みんなも…」
ミサト「でも……私、ちょっと……気分転換に、出てきます…すいません!」ダッ
日向「あっ…!」
青葉「葛城!」
シンジ「ミサトちゃん!」
235 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:22:06.99 ID:pkrsX4Fxo
日向「葛城さ…」
加持「ここは俺が」ザッ
ガチャン
日向「な……」ポツーン
青葉「…お前にもそのうちチャンスが回ってくるさ…たぶん」
マヤ「あっ赤木さんのせいじゃないと思うわ…!」
リツコ「……」
236 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:23:05.93 ID:pkrsX4Fxo
加持「……葛城に暗い顔は似合わない」
ミサト「…! 加持君…」
ミサト「ごめんなさい…私…子どもっぽいことしてるわよね…」
加持「俺たちはまだ子どもだ」
ミサト「ううん、子どもでいちゃいけないのよ、もう子どもでいちゃ…だってみんなの命を背負ってるんだもの…」
ミサト「私たち…エバーに乗るしかないのよね…」
加持「…模範的な、回答ってやつか…でも」グイッ
ミサト「あっ!?」
加持「こうすれば誰にも見えない……葛城の子どもの顔も」
ミサト「……加持君だって、子どものくせに…」
加持「はは…そうだな…。じゃあ俺が泣くときは…葛城の胸を貸してもらうよ」
ミサト「バカ…」
ミサト「ありがとう…」グスッ
237 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:24:02.51 ID:pkrsX4Fxo
ミサト「やるわ、私」
ミサト「こーなったら、とことんやってやるわ!あんな曲、ノーミスでクリアしてやるわよ」
加持「こりゃまた、大きく出たな…」
ミサト「まだ時間はある…!シンジさんも言ってた!なんとかなるって!」
ミサト「でも100点には…まだ遠いわ、さっきだって」
加持に向き直るミサト
加持「……」
ミサト「次からは本気を出してくれて構わない。死ぬ気でついていくから…!」
加持(これは……うかうかしてると俺のほうが抜かれそうだな……)
238 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:25:02.13 ID:pkrsX4Fxo
加持「あれ、シンジさんは?」
ミサト「仕事。今夜は徹夜だって、さっき電話が」
加持「…じゃあ、今夜は二人っきり、ってわけか」
ミサト「!!!!なっ、な…!」
加持「冗談。なにもしないさ…それとも何か期待されたかな?」
ミサト「!!!ばかっ!!!」
加持「はは、悪かったよ。…葛城は反応が可愛いから、ついからかいたくなるんだ」
ミサト「もう…!」
加持「…とは、言ったものの…」
加持「寝顔くらいは拝見しても…っと」ソ〜
ミサト「ぐぅ……くぅ〜…」グチャア…
加持「…おお…これは……」(人は見かけによらないな…)パタン
239 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:26:08.42 ID:pkrsX4Fxo
エレベーター内。
シンジ「むっ…っむぅ…っ!」
アスカ「…っと」
シンジ「なっ、なっ、なっ…なにするんだよぉ!!!???」カァァ
アスカ「してやった、のよ……あんた、ぜーんぜん進歩してないじゃない。…もしかしてあれからやってないの?」
シンジ「あっ…アスカには関係ないだろ…!!」
アスカ「フーン、やってないってわけね…絶対あいつが手ぇ出してると思ってたけど」
シンジ「あいつ??」
アスカ「こっちの話よ」
シンジ「もう…」ブツブツ
240 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:27:08.99 ID:pkrsX4Fxo
レイ「はい」コトッ
シンジ「あ、ありがとう…」
レイ「……なにかあった?」
シンジ「い、いや、ちょっと、ね…」
レイ「アスカ?」
シンジ「えっ!!!!い、いや…」
レイ「相変わらず隠すのが下手ね…」
シンジ「ち、ちがうよ、そんな…」
レイ「まだ好きなのかしら」
シンジ「なっ!な、なんでそうなるのさ!もうアスカとは…!」
レイ「私が言ったのはアスカが、よ。…動揺させてしまった?」
シンジ「あ、綾波…!」
レイ「…今はフリーだそうよ。良い機会なんじゃない?昔に戻る」
シンジ「……無理だよ、そんなの…」
レイ「……」
241 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:28:05.17 ID:pkrsX4Fxo
シンジ「もう…昔みたいには、戻れないよ…。いや、三人でいるのは楽しいよ?昔みたいに。でも…」
レイ「……」
シンジ「…僕は一度…アスカを傷つけてるから……」
レイ「…碇く」
電話が鳴る
シンジ「わあっ!…は、はい、もしもし…はい、い、今ですか!?いえ……、すぐに提出します…!」
電話口を押さえるシンジ
シンジ「綾波、何か言った?」
レイ「いいえ。……お疲れ様」パタン
レイ(…後悔、か…)
レイ(まだ引きずってるのね…)
レイ「……変わらないのは私も同じか…」
242 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:29:13.99 ID:pkrsX4Fxo
ケンスケ「目標は、強羅絶対防衛線を突破」
シンジ「…よし」
シンジ「音楽スタートと同時に、A.T.フィールドを展開。後は作戦通りに。ミサトちゃん、加持くん…健闘を祈ってるよ」
加持「ええ、今度こそ」
ミサト「勝ちます!」
243 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:30:02.28 ID:pkrsX4Fxo
ケンスケ「目標は、山間部に侵入」
ミサト「スタートからフル稼動、最大戦速で!」
加持「オーケイ、62秒あれば十分だ」
ケンスケ「目標、ゼロ地点に到達します!」
シンジ「外電源、パージ」
シンジ「発進!」
華麗なる戦闘。使徒撃破
244 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:31:28.72 ID:pkrsX4Fxo
マヤ「エヴァ両機、確認!」
シンジ「うわぁ…」
レイ「残念……着地失敗ね」
加持「いたたたた…悪い、最後のタイミングが…」
ミサト「ごめ…最後、気ぃ抜いちゃったわ…」
加持「それにしても…いたた、凄い体勢になったな…まるで葛城の寝相…」ハッ
ミサト「なっ!!!なによ、私の寝相って!!!???」
245 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:32:26.09 ID:pkrsX4Fxo
加持「い…いや、襖が開いてたから、閉めに行ったら、たまたま、な…」
ミサト「部屋に入ったの!?」
加持「い…いや!入ったと言うか、隙間から見えたと言うか…」
ミサト「〜〜〜エッチ!バカ!ヘンタイ、何してんのよ!!」キーッ
発令所職員「アハハハハ…」
加持「悪かった!もうしないよ、葛城」
ミサト「当然でしょ!!!」
カヲル「やれやれ…」
九話分終わり
246 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:33:21.49 ID:pkrsX4Fxo
女子「加持くんはウチの班が先に誘ったのよ!」
女子「ずるーい!私たちだって声かけてたのにー」
女子「ねっ、ねっ?ウチの班がいいでしょ〜?」
女子「も〜やめなよ〜加持くん困ってるじゃん」
女子「加持くんの気持ちが優先でしょ!まず聞きなさいよー!」
女子「加持くんはどの班がいいの?」
加持「いやぁ…俺もみんなと行きたいのは山々なんだが……」
247 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:34:02.42 ID:pkrsX4Fxo
シンジ「ごめんね……上に掛け合ってはみたんだけど……」
ミサト「そ、そんな!気にしないで下さいよ…!掛け合ってもらっただけでも、十分…!」
加持「ま、分かってたことですよ。俺たちはパイロットだ。…使徒は待ってちゃくれない、ってね」
ミサト「そ、そうです!しょうがないですよ!シンジさんは悪くないです!!」
シンジ「ありがとう…二人とも優しいね」
ミサト「そ、そんな!」カァ
加持「……ま、ダイビングの機会を逃したのは惜しかったけどな」
ミサト「やったことあるの?」
加持「一応は。アッチにいたころにね。良い筋だ、ってインストラクターからのお墨付き」
ミサト「へぇぇ…」(やっぱ帰国子女は違うわね…)
加持「シンジさんは、ダイビングの経験は?」
シンジ「やったことないよ。機会があったら加持くんに教えてもらおうかな」
加持「はは、お安いご用」
248 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:35:05.45 ID:pkrsX4Fxo
ミサト「シンジさんは修学旅行、どこ行ったんですか?」
シンジ「ああ…僕らのときはね、なかったんだ」
加持「…サードインパクトの影響で?」
シンジ「うん。本当に直後だったから」
ミサト「ご、ごめんなさい」
シンジ「そんな!気にすること…当時はそれどころじゃなかったから。…みんなの世代でここまで復興が進んで良かったよ。修学旅行も普通に行けるようになったし……あ」
加持「はは…」
シンジ「ごめん……」
ミサト「もう!いいですってば!」
249 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:36:04.08 ID:pkrsX4Fxo
青葉「葛城の分まで楽しんでくるからな!」
日向「……」(俺も残りたい…)
マヤ「赤木さん!お土産買ってくるからね!」
女子たち「加持くぅ〜〜〜ん!お土産買ってくるからね〜!」
女子たち「やっぱり加持くんがいないと寂し〜い」
加持「はは…」
日向「…かっ葛城さん!お土産何が」
女子「葛城さ〜〜〜ん!抜け駆けしちゃ駄目よ〜!」
ミサト「はーいはい、分かってるわよー!」
日向「……」
ブロロロ…
250 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:37:02.35 ID:pkrsX4Fxo
オペレータ「浅間山の観測データは、可及的速やかにバルタザールからメルキオールへ、ペーストしてください」
ヒカリ「……」
トウジ「わはっ…くくく!」
ケンスケ「ヒューーーーン、┣¨┣¨┣¨┣¨ド!ズパーンッ」
レイ「私たちのときには無かったわね、修学旅行」
シンジ「うん…少し羨ましいね」
251 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:38:04.31 ID:pkrsX4Fxo
加持「何してるんだ?」
ミサト「…理科の勉強」
加持「勤勉だな。どれどれ…、うーん、分からないな…」
ミサト「? …休み時間、あの子たちに教えてなかった?」
加持「女の子たち? それなら分かりそうだ…これは何て読むんだ?」
ミサト「膨張、だけど…もしかして日本語読めないの?」
加持「漢字はまだちょっとね。皆よくこういう複雑な形の見分けがつくな」
ミサト「じゃ、じゃあテストで点数が取れないのって…」
加持「ご明察。なぁに…その内追いつくさ」
ミサト「……はぁ〜ああ」(勉強だけは勝ってると思ってたのに…)
252 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:40:27.89 ID:pkrsX4Fxo
加持「ん?どうした?」
ミサト「通りで…点数が低いわりにアドバイスは完璧だったわけね」
加持「ま、音読してくれれば何とかな。…こっちは何て読むんだ?」
ミサト「熱よ、これは熱膨張の問題」
加持「熱膨張か…懐かしいな」
ミサト「え、」
加持「…モノはあたためれば膨らんで大きくなるし、冷やせば縮んで小さくなる、ってことだろ?」
ミサト「いやいやいや、ちょっと、」
加持「ん?」
ミサト「懐かしいって?」
加持「…ああ、前にやったことがあったから。どれくらいだったか…確か大学入る前…」
ミサト「い、いま大学生なの?」
加持「いや。去年卒業した」
ミサト「…たはは…」(こりゃ次元が違うわ…)
253 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:41:00.79 ID:pkrsX4Fxo
ミサト「…ね、加持くんってさ」
加持「うん?」
ミサト「…苦手なものとかって、ないの?」
加持「これは…嬉しいな。やっと俺に興味を持ってくれたのか?」
ミサト「馬鹿。真面目に聞いてんのよ」
加持「そりゃまた、どうして?」
ミサト「…ぜーんぶ、負けてるなぁって」
加持「葛城が?俺にか?」
ミサト「そーよ。学校の授業なんて聞いてて退屈なんじゃないの?」
加持「…まぁ、そりゃあるが…」
254 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:42:03.02 ID:pkrsX4Fxo
加持「知識だけの差なら、そんなものは大した差じゃないさ。大切なのは発想力だ。…その点、俺は葛城に負けてると思うけどね」
ミサト「発想力?私が?」
加持「そ。機転を利かせた発想力。土壇場でピンチをチャンスに変える力…」
ミサト「あ、あれは…加持くんが呟いたから」
加持「俺はぼやいてただけで、そんなこと思いつかなかった。それに、まだあるぞ」
加持「ユニゾンの練習のとき、葛城は一度は逃げ出したが……帰ってきた」
加持「しかも「ノーミス」「100点」と意気込んでた…落ち込む前よりも落ち込んだ後のほうが前を向けるってのは、成長の証だ。そしてそれは誰にでも出来ることじゃない」
ミサト「あれだって……加持くんが…」
加持「俺はちょっと胸を貸しただけさ。いいか葛城……相手に弱さを見せれるってのは「強さ」だ」
加持「どれだけ相手が手を差し伸べても、その手を取るかどうかは、葛城しだいだからな。俺は手を取ってもらえて嬉しかったよ…葛城が強かったからできたことだ」
ミサト「……」
255 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:43:16.41 ID:pkrsX4Fxo
加持「それにだ、実質の戦績は葛城のほうが上…立派なエースパイロットだ。俺は二度も助けられた。…これでもまだ俺に負けてるって思うのか?全部?」
ミサト「……」
加持「……葛城はよくやってるよ…葛城自身が気付いてないだけで…」
ミサト「…なんだか、べた褒めされてるみたい…」
加持「…もちろん。葛城は魅力的な女性だからな」
ミサト「馬鹿…あの子たちに言いつけるわよ?」
加持「女性を傷つけるのは本意じゃないが、この場合はしょうがないな」
ミサト「どこまで本気なんだか…」
加持「全部さ」
ミサト「はいはい…」
256 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:44:16.47 ID:pkrsX4Fxo
カヲル「これじゃあよく分からないな…」
ケンスケ「しかし、浅間山地震研究所の報告通り、この影は気になります」
カヲル「無視はできないね」
レイ「…MAGIの判断は?」
ヒカリ「フィフティーフィフティーです」
カヲル「現地へは?」
ケンスケ「すでに、碇一尉が到着しています」
257 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:45:01.01 ID:pkrsX4Fxo
所員「もう限界です!」
シンジ「あ、後500だけ…お願いします」
アナウンス「深度1200、耐圧隔壁に亀裂発生」
所員「碇さん!」
シンジ「…しょうがない。引き上げ…」
トウジ「壊れたらうちで弁償したる!後200や」
シンジ「と、トウジ…!」
258 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:46:04.55 ID:pkrsX4Fxo
トウジ「モニターに反応!」
シンジ「かっ解析開始!」
トウジ「よっしゃあ!」
アナウンス「観測機圧壊、爆発しました」
シンジ「解析は!?」
トウジ「ギリギリセーフや。パターン青!」
シンジ「使徒」
シンジ「……回線は?」
トウジ「今やっとる…ええで」
シンジ「…これより当研究所は完全閉鎖、ネルフの管轄下となります。一切の入室を禁じた上、過去6時間以内の事象は、すべて部外秘とします」
シンジ「葛城司令当てに至急、A-17要請を!」
259 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:47:15.50 ID:pkrsX4Fxo
委員「A-17?こちらから打って出るのか?」
葛城「そうです」
委員「駄目だ、危険過ぎる!15年前を忘れたとは言わせんぞ!」
葛城「…これはチャンスです。これまで防戦一方だった我々が、初めて攻勢に出るための」
キール「リスクが大きすぎるな」
葛城「しかし、生きた使徒のサンプル…その重要性は、すでに承知の事でしょう」
キール「失敗は、許さん」
カヲル「失敗か…その時は人類そのものが消えてしまうことになる…。本当にいいのかい?」
葛城「……」
260 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:48:02.38 ID:pkrsX4Fxo
ミサト「これが使徒?」
レイ「そう…まだ完成体になっていない蛹の状態みたいなものよ」
レイ「今回の作戦は使徒の捕獲を最優先とします。できうる限り原形をとどめ、生きたまま回収すること」
加持「できなかったら?」
レイ「即時殲滅。異常事態の場合は躊躇わず目標と認識して」
ミサト・加持・リツコ「了解」
レイ「作戦担当者は…」
加持「俺が行く」
ミサト「えっ」
261 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:49:04.14 ID:pkrsX4Fxo
加持「いよいよ実戦用の出番ってわけだ」
ミサト「でも…」
レイ「…加持くんが弐号機で担当して」
加持「そうこなくっちゃ」
リツコ「私は?」
ヒカリ「プロトタイプの零号機には、特殊装備は規格外なのよ」
レイ「リツコちゃんと零号機は本部で待機。よろしくね」
リツコ「はい」
ミサト「……」
加持「心配いらない。温泉みたいなもんさ」
レイ「A-17発令後は速やかに収拾…すぐに支度して」
ミサト・加持「はい!」
262 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:50:00.88 ID:pkrsX4Fxo
加持「…耐熱仕様のプラグスーツと言っても、見た目は変わらず、か…」
レイ「右のスイッチを押してみて」
加持「…うわっ」
レイ「弐号機の支度もできてるわ」
加持「…いやはや…なんともこれは…」
レイ「耐熱・耐圧・耐核防護服。局地戦用のD型装備よ」
加持「…弐号機まで…」
263 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:51:04.14 ID:pkrsX4Fxo
加持「どうも恰好がつかないな…いや、喜ぶべきか? レディー二人にはさせたくない恰好だ」
アスカ「似合ってるわよ中々」
加持「……そいつはどうも」
ミサト「あの…やっぱり私が…」
加持「いや、いいんだ葛城」
ミサト「でも」
加持「こいつは俺の相棒だからな…俺が行くよ」
リツコ「………」
264 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:52:02.57 ID:pkrsX4Fxo
アナウンス「エヴァ初号機、および弐号機、到着しました」
シンジ「両機はその場にて待機、レーザーの打ち込みとクレーンの準備を急いで」
トウジ「了解」
加持「あれ?アスカ先輩は?」
シンジ「…ごめんね。とめたんだけど、また勝手に…」
加持「いや、いいですよ。…先輩もいろいろ忙しそうですし」
シンジ「……」
265 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:53:01.53 ID:pkrsX4Fxo
謎の男性「A-17発令か…現資産の凍結も含まれている」
アスカ「上は大騒ぎでしょうね」
男性「なぜ止めなかった?」
アスカ「理由がないわよ。発令は正式なものなんだから」
男性「だがネルフの失敗は、世界の破滅を意味するんだぞ」
アスカ「……あいつらはそんなに傲慢じゃないわよ…」
266 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:54:00.51 ID:pkrsX4Fxo
ミサト「何ですか、あれ」
レイ「UNの空軍が空中待機してるのよ」
ヒカリ「この作戦が終わるまでね」
ミサト「手伝ってくれるんですか?」
レイ「…いいえ、後始末よ」
ヒカリ「私たちが失敗したときのね」
加持「…なるほど。後処理、ね…」
ミサト「なに?どういうこと?」
レイ「使徒をN2爆雷で熱処理するのよ。私たちごとね」
ミサト「え…そんな…!」
ミサト「そんな命令、いったい誰が…」
レイ「…誰かがしなきゃいけない決断なのよ…今は葛城司令が」
ミサト「……」
267 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:55:02.18 ID:pkrsX4Fxo
アナウンス「レーザー、作業終了」
アナウンス「進路確保!」
アナウンス「D型装備、異常無し!」
トウジ「弐号機、発進位置」
シンジ「了解。加持くん、準備はどう?」
加持「いつでもどうぞ」
シンジ「くれぐれも、無茶はしないで…」
シンジ「発進!」
268 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:56:02.62 ID:pkrsX4Fxo
加持「おっと…こりゃあ、すごいな。熱気が」
ヒカリ「弐号機、溶岩内に入ります」
加持「潜るのは何年ぶりかな…っと。よーし」
ミサト・シンジ「?」
加持「ジャイアントストライドエントリー!」ザブーン
シンジ「…??」
ミサト「馬鹿…真面目にやんなさいよ…!」
269 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:57:02.95 ID:pkrsX4Fxo
加持「現在、深度170、沈降速度20。各部問題なし。視界は…ゼロ。目視は不可能。CTモニターに切り替えます」
加持「これでも透明度120か…」
ヒカリ「深度、400、450、500、550、600、650」
ヒカリ「900、950、1000、1020、安全深度、オーバー」
ヒカリ「深度1300、目標予測地点です」
シンジ「加持くん、何か見える?」
加持「反応なし…いないようだ」
レイ「思ったより対流が早いわね」
トウジ「目標の移動速度に誤差あり。再計算中」
シンジ「急いで。作戦続行。再度沈降、慎重に」
270 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:58:02.43 ID:pkrsX4Fxo
ヒカリ「深度、1350、1400」
オペレータ「第2循環パイプに亀裂発生」
ヒカリ「深度、1480、限界深度、オーバー!」
シンジ「く…、加持くん!」
加持「まだだ!まだやらせてくれ、もう少し…!」
加持(……俺が駄目なら次は初号機が…)
シンジ「目標との接触は……!?」
トウジ「モニター、反応なし」
シンジ「………!」
271 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 13:59:02.38 ID:pkrsX4Fxo
ヒカリ「限界深度、プラス120」
加持「!」
オペレータ「エヴァ弐号機、プログナイフ喪失」
ヒカリ「限界深度、プラス200」
シンジ「……これ以上は…!」
トウジ「まだいける」
シンジ「トウジ!今度は加持くんが乗ってるんだよ!?」
トウジ「…って言うとるで運転手」
加持「シンジさん、行かせてくれ…大丈夫だ」
ヒカリ「深度、1780。目標予測修正地点です」
加持「…………いた…」
272 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:00:01.02 ID:pkrsX4Fxo
トウジ「…目標を映像で確認」
シンジ「捕獲準備…!」
レイ「お互いに対流で流されているから、接触のチャンスは一度しかないわ、気を付けて」
加持「了解」
トウジ「目標接触まで、後30」
加持「相対速度2.2。…軸線に乗った」
加持「電磁柵展開、問題なし」
加持「目標、捕獲しました」
トウジ「……っはぁ〜…!」
シンジ「よかった……!」
加持「捕獲作業終了、これより浮上します」
273 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:01:01.16 ID:pkrsX4Fxo
シンジ「加持くん、大丈夫?」
加持「少し…いやかなり蒸すけどね。やっぱりダイビングは海に限る」
シンジ「ダイビングって…ああ、あれダイビングの潜り方だったの?」
加持「気がつかなかった?まったく…魅せがいがないな」
シンジ「あはは」
レイ「…緊張がいっぺんに解けたみたいね」
レイ「お疲れさま。碇作戦部長」
シンジ「ありがとう。……良かった。無事に終わって…」
レイ「悪ければセカンドインパクトの二の舞だものね」
シンジ「ふー…温泉にでも浸かりたい気分だよ」
274 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:02:01.66 ID:pkrsX4Fxo
トウジ「! 目標に動きあり!」
加持「これは……っ!?」
レイ「まずいわ、羽化を始めた……!計算よりずっと早い!」
シンジ「キャッチャーは!?」
トウジ「もう持たん!」
シンジ「捕獲中止、キャッチャーは破棄!」
シンジ「作戦変更!使徒殲滅を最優先、弐号機は撤収作業をしつつ戦闘準備!」
加持「最後はこうなるか…!」
加持「…しまった、ナイフは…!」
加持「正面!バラスト放出!」
加持「早い…っ!」
275 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:03:01.38 ID:pkrsX4Fxo
加持「まずいな、見失った…!」
シンジ「加持くん!今のうちに初号機のナイフを落とすから、受け取って!」
加持「了解!」
加持(…しかし、分が悪すぎるな…このままじゃ…!)
加持「う…っっ、シンジさん!ナイフは!」
ミサト「お…りゃあっっっ!」
オペレータ「ナイフ到達まで、後40」
トウジ「使徒、急速接近中!」
加持「…ぐっ…!」
加持(まだか…ナイフは!)
加持(まだ……ハッ)
加持「しまった!」
276 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:04:03.71 ID:pkrsX4Fxo
レイ「まさか、この状況下で口を開くなんて!」
ヒカリ「信じられない構造です!」
加持「う…ぐっ」
ヒカリ「左足損傷!」
加持「……耐熱処置!」
加持「……そう、易々とっ…!」
レイ「高温高圧、これだけの極限状態に耐えているのよ。プログナイフじゃ駄目だわ」
トウジ「方法はないんか!?」
ミサト「…そうだ!」
加持「やられるわけにはいかないね…!」
加持「…………っ!」
レイ「! 熱膨張!」
加持「冷却液の圧力をすべて三番に!早く!」
加持「……破裂しろっ!」
277 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:05:05.65 ID:pkrsX4Fxo
加持「はっ……はぁ……、使徒は倒したが…」
加持「……万事休す、か…」
加持「…………」
加持(みんな……、俺は許されたか……?)
加持「!…葛城…?」
加持「……はは」
加持「いい女だよ、まったく」
278 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:06:00.88 ID:pkrsX4Fxo
宅配屋「ごめんくださーい、ネルフの人、いますかー?」
ミサト「はーい!」
宅配屋「では、ここにサインをお願いします」
宅配屋「はい、どうもありがとうございました」
ミサト「アスカさんから??何だろ…?」
279 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:07:01.51 ID:pkrsX4Fxo
加持「はぁ〜。まさか、近くにこんな秘湯があったとはね」
シンジ「綾波が教えてくれたんだ…ゆっくりしてこいって」
加持「マグマはもうごめんだが、ここならまた来たいね」
シンジ「ふふ…気に入ってもらえて良かった」
加持「……」
シンジ「……どうかした?加持くん…」
加持「…いや、こうして見てると…肌が白くて線も細い、それに顔も…中性的な美人だと思ってね」
シンジ「か…加持くん…?僕は男だよ……?」
加持「ノープロブレム。愛に性別は関係ないさ……」
シンジ「わっっっ、ちょっ………、待っ…!」
280 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:08:01.14 ID:pkrsX4Fxo
ミサト「ちょっとー!バカ加持ぃ!!!」
加持「おっと」
ミサト「シンジさんに変なことしてないでしょうねー!??」
シンジ「…ミサトちゃん?」
ミサト「シンジさーん!大丈夫ですかー?」
ペンペン「クエックエ〜〜〜ッ!」
シンジ「えっ…ペンペンもいるの!?」
ミサト「はい…さっき届いて…アスカさんから」
281 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:09:01.93 ID:pkrsX4Fxo
シンジ「アスカから!??」
ミサト「はい、宅急便で…こら!ペンペン!」
ミサト「じっとしてないと洗えないでしょ……いたっ!」
ミサト「……も〜へんなとこ噛まないでよ〜!」
ミサト「あっ、こら……!」
シンジ・加持「………………」
加持「前言撤回……シンジさんも「男」だね…」
シンジ「ち、ちがっ!違わないけど……これは…!」
加持「分かってます分かってます、同じ男なんだから。苦労しますよね」
シンジ「もう…!大人をからかって…!」
282 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:10:06.53 ID:pkrsX4Fxo
ミサト「ぷはぁ〜ぁ、極楽極楽…」
ミサト「風呂がこんなに気持ちいいものだなんて、知らなかった…」
ミサト(………空が、綺麗…)
ミサト「………風呂は命の洗濯ね…」
シンジ「加持くん、はさ…」
加持「ん?」
シンジ「聞かないんだね。この傷のこと…」
加持「あぁ…まぁ、お互い様ですよ」
加持「話して楽になる類いのことじゃない…目に見える傷も、見えない傷も」
シンジ「そっか……」
加持「……」
拾話分終わり
283 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:11:04.31 ID:pkrsX4Fxo
子供「わーい、当たった当たったぁ〜!」
レイ「これじゃあ毎回のクリーニング代も、バカにならないわね」
ヒカリ「せめて自分でお洗濯できる時間くらい、ほしいわよね」
トウジ「重とーてかなわんわ」
ヒカリ「それは溜め込むのが悪いんでしょ」
トウジ「なんやとぅ!?」
レイ「あら、副司令」
レイ・ヒカリ「おはようございます」
トウジ「おはよーさん」
ヒカリ「コラ!敬語!!」
トウジ「うるさいのぉ、またお小言かいな」
ヒカリ「そうやってすぐ崩すから!戦闘中にも出ちゃうんでしょ!」
カヲル「ふふ…おはよう。相変わらず賑やかだね」
284 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:12:03.19 ID:pkrsX4Fxo
レイ「今日はお早いですね」
カヲル「葛城司令の代わりに上の町だよ」
レイ「ああ…今日は評議会の」
カヲル「定例だよ……つまらない仕事さ。昔から雑務はみんな僕に押し付けるんだ、断らなかった僕も悪いんだが。ふふっ…MAGIがいなかったらお手上げだったよ」
レイ「そう言えば、市議選が近いですよね。上は」
カヲル「あれは形骸に過ぎない…ここの市政は事実上MAGIのものだよ」
ヒカリ「あの3台のスーパーコンピューターが…」
カヲル「3系統のコンピュータによる多数決だからね…民主主義の基本に乗っ取ったシステムではある」
ヒカリ「じゃあ、議会はその決定に従うだけですか?」
カヲル「最も無駄の少ない、効率的な政治だよ」
285 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:13:06.69 ID:pkrsX4Fxo
ヒカリ「…凄い時代ですね。何でも科学でやれちゃうなんて…」
トウジ「いけすかんのぉ、機械に踊らされとんのと違うか?」
ヒカリ「また!そういうこと言って!!」
カヲル「……そう言えば、零号機の実験だったかな、そっちは」
レイ「ええ、本日1030より第2次稼動延長試験の予定です」
カヲル「朗報を期待してるよ…それと」
カヲル「シンジくんにもよろしく…」
レイ・ヒカリ・トウジ(……)
286 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:14:01.18 ID:pkrsX4Fxo
レイ「実験中断、回路を切って」
ヒカリ「回路切り替え」
オペレータ「電源、回復します」
レイ「問題は…ここね」
ヒカリ「はい、変換効率が理論値より0.008も低いのが気になります」
オペレータ「ぎりぎりの計測誤差の範囲内ですが、どうしますか?」
レイ「もう一度同じ設定で、相互変換を0.01だけ下げてやってみましょう」
ヒカリ「了解」
レイ「では、再起動実験、始めるわ」
287 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:15:01.28 ID:pkrsX4Fxo
アスカ「ちょっとそこのエレベーター!私も乗るわ!」
シンジ「えっ?うわっ、わ、あっ」
アスカ「うらっ」ガッッ
アスカ「……サイッテー。あんた今「閉」押したでしょ」
シンジ「ご…ごめん…間違っちゃって…」
アスカ「はぁーあ、ショボくれてんわねぇ相変わらず」
288 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:16:01.59 ID:pkrsX4Fxo
(通話)
オペレータ「はい、しばらくお待ちください」
葛城「なんだ?」
ミサト「あ、あの…お父さん…?」
葛城「そうだ」
ミサト「あっあの…今日、学校で進路相談の面接があることを父兄に報告しとけって、言われて…」
葛城「……そういう事はすべて碇君に一任してある。用件はそれだけか?」
ミサト「いや、えっと…」ブツッ
ミサト「あら?」
289 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:17:04.01 ID:pkrsX4Fxo
シンジ「うわっ…!」
アスカ「停電…?」
シンジ「そんな。ありえないよ」
シンジ「…変だな。何か事故かな…」
アスカ「あの研究バカがやらかしたんじゃないの?」
ヒカリ「主電源ストップ、電圧、ゼロです」
オペレータ達「……」
レイ「……私じゃないわ」
シンジ「綾波が?」
アスカ「でもまぁ、すぐに予備電源に切り替わるでしょ」
290 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:18:07.45 ID:pkrsX4Fxo
オペレータ「だめです、予備回線つながりません」
カヲル「……そんなはずはない。生き残っている回線は?」
職員「全部で1.2%、2567番からの9回線だけです!」
カヲル「生き残っている回線はすべてMAGIとセントラルドグマの維持へ廻して。最優先だ」
オペレータ「全館の生命維持に支障が生じますが…」
カヲル「背に腹は代えられない…」
291 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:19:35.61 ID:pkrsX4Fxo
ケンスケ「まったく…気ぃ使うよなあ…あの二人。いつになったらくっつくんだか……アレ??」
加持「単に忙しかっただけじゃないのか?」
ミサト「いや…そういう感じじゃなくて…こう、ブツッと……」
加持「ま、考えてもしょうがない。本人に直接聞くのが早いさ……ん?」
リツコ「?」
ミサト「どうしたの?」
加持「いや、カードキーが……故障か?」
ミサト「そんな」シャッ
ミサト「ほんとだ……」
ミサト「またIDが変わったのかしら」
加持「いや…それにしてもおかしい。エラー音もならないなんて」
292 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:20:16.43 ID:pkrsX4Fxo
レイ「とにかく、発令所へ急ぎましょ。7分たっても復旧しないなんて…」
シンジ「…ただ事じゃない」
アスカ「ここの電源は?」
シンジ「正・副・予備の3系統。それが同時に落ちるなんて、考えられないよ」
アスカ「ってことは…」
葛城「ブレーカーは落ちたと言うより落とされた、と見るべきだ」
カヲル「原因はどうであれ、こんな時に使徒が現れたら一巻の終わりだよ」
293 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:21:01.20 ID:pkrsX4Fxo
戦自「索敵レーダーに正体不明の反応あり!予想上陸地点は旧熱海方面!」
戦自司令官「おそらく、8番目の奴だ」
司令官「ああ、使徒だろう」
戦自「どうします」
司令官「一応、警報シフトにしておけ。決まりだからな」
司令官「どうせまた奴の目的地は、第3新東京市だ」
司令官「そうだな。俺達がすることは何も無いさ」
戦自「使徒、上陸しました!」
戦自「依然、進行中」
司令官「第3進東京市は?」
戦自「沈黙を守っています」
司令官「一体ネルフの連中は、何をやってるんだ!」
294 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:22:05.57 ID:pkrsX4Fxo
レイ「備えあれば憂いなし、とはよく言ったものね…」
ヒカリ「まさかこの時代にタラップを使うことになるなんて…」
加持「…駄目だ、ここも動かない」
リツコ「どの施設も動かない…異常ね」
ミサト「下で何かあったってこと!?」
リツコ「恐らくは」
加持「とにかく、ネルフ本部へ連絡してみよう」
295 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:23:01.05 ID:pkrsX4Fxo
アスカ「駄目。非常電話もつながらない」
トウジ「77号線も繋がらん…!」
リツコ「駄目ね、繋がらない」
加持「こっちもだ、有線の非常回線もイカれちまってる」
ミサト「どうしよう…」
リツコ「……」ゴソ…
加持「おっ、その手があったか」
ミサト「何?」
加持「緊急時のマニュアルだよ」
リツコ「…とにかく本部へ行きましょう」
加持「だな」
リツコ「こっちの第7ルートから下に入れるわ」
ミサト「…手動、ドア…?」
加持「俺の出番かな?」
296 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:24:01.81 ID:pkrsX4Fxo
戦自司令官「統幕会議め、こんな時だけ現場に頼りおって!」
司令官「政府は何と言ってる?」
司令官「フン、第2東京の連中か?逃げ支度だそうだ」
戦自「使徒は依然健在、進行中」
司令官「とにかく、ネルフの連中と連絡を取るんだ」
司令官「しかし、どうやって?」
司令官「直接行くんだよ」
セスナ「こちらは第3管区航空自衛隊です。ただいま正体不明の物体が本書に対し移動中です。住民の皆様は速やかに指定のシェルターに避難してください」
ケンスケ「ヤバイな…!急いで本部に知らせなきゃ!でもどうやって…」
選挙カー「こういった非常時にも動じない、高橋、高橋覗をよろしくお願いいたします!」
ケンスケ「ナ〜イスタイミング!」
297 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:25:01.20 ID:pkrsX4Fxo
アスカ「それにしてもあっついわねぇ…」
シンジ「たぶん…残った回線を全部MAGIとセントラルドグマに使ってるんだ…」
アスカ「〜〜〜〜あ〜ッもうっ!」バサッ
シンジ「うわ!?あ、アスカ!!何してんだよ!??」
アスカ「仕方ないでしょう!?暑いんだからぁ!」
シンジ「な…っ、な…」
アスカ「誰が見ていいって言ったのよ!変態!あっち向いてなさいよ!」
シンジ「ぬっ脱ぐ前に言ってよ…!」
アスカ「はぁーっ。こういう状況下だからって、変なこと考えないでよ?」パタパタ
シンジ「考えないよっ!もう…!」
298 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:26:10.36 ID:pkrsX4Fxo
レイ「…空気がよどんできた……近代科学の粋を凝らした最大施設も、こうなると形無しね…」
ヒカリ「でも、さすがは司令と副司令、この暑さにも動じないわね」
カヲル「……ぬるいね」
葛城「ああ…」
ウグイス嬢「当管区内における非常事態宣言に伴い緊急車両が通ります…って、あの、行き止まりですよぉ!」
ケンスケ「止まるな止まるなぁっ!今は非常時!すべて私が許可するッ!」ビシッ
運転手「リョーカイッ!」
ウグイス嬢「いやぁ、もう止めてぇ!」
299 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:27:03.04 ID:pkrsX4Fxo
カヲル「このジオフロントは外部から隔離されても自給自足できるコロニーとして作られている。そのすべての電源が落ちると言う状況は、理論上はありえない」
レイ「…誰かが故意にやったと言うことですね」
葛城「おそらく目的はここの調査だ」
レイ「復旧ルートから本部の構造を推測するわけですか」
カヲル「連中、小癪なマネをしてくれるよ」
レイ「MAGIにダミープログラムを走らせます。全体の把握は困難になると思いますから」
葛城「頼む」
レイ「はい」
カヲル「…本部初の被害が、使徒によるものではなく同じ人間からのものになるとはね…」
葛城「……同じ人間などいない。だがこのやり方は不当だ」
300 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:28:12.35 ID:pkrsX4Fxo
加持「…路が左右に別れてる」
ミサト「右じゃないの?」
リツコ「…左」
加持「じゃ、左だな」
ミサト「ちょっと!なんでよっ」
加持「さっきから二回も行き止まりを選んでるだろ?」
ミサト「う〜…」
加持「ははっ、明るくったって葛城にとっちゃここは迷路だからなァ。この前だって…」
ミサト「ア〜ッ!リツコには言わないでよっ!」
リツコ「シッ」
ミサト「えっ?」
リツコ「人の声がするわ…」
ミサト「?」
301 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:29:01.15 ID:pkrsX4Fxo
ケンスケ「使徒、接近中!繰り返す!使徒、接近中!」
ミサト・加持「相田さんだ!」
ケンスケ「使徒、接近中、繰り返す、現在、使徒、接近中!」
ミサト・加持「使徒接近!?」
リツコ「時間が惜しいわ。近道しましょう」
加持「分かるのか?」
リツコ「確信があるわけじゃないけど…だいたいの構造は頭に入ってるから」
加持「頼もしいな」
リツコ「あなたたちより少し長くここにいるだけよ」
302 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:30:05.32 ID:pkrsX4Fxo
シンジ「……ねぇ、アスカ」
アスカ「なによ」
シンジ「…使徒って何なのかな…」
アスカ「…!」
アスカ「はぁ!?なに言ってんのよ、こんな時に」
シンジ「いいだろ別に……どうせ何もできないんだから…」
シンジ「使徒。神の使い。天使の名を持つ僕らの敵…」
シンジ「でも遺伝子上ではたった2%の違いしかないんだ。…栄えるはずだったもうひとつの人類…」
303 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:31:09.09 ID:pkrsX4Fxo
シンジ「なぜ戦わなければいけないんだろう…」
アスカ「……あんたバカぁ?訳わかんない連中が攻めてきてんのよ、降りかかる火の粉は払い除けるのがあったりまえでしょ!?あんたそのもうひとつの人類とやらに立場を譲って、人間が滅びてもいいっての!?」
シンジ「……そうじゃ、ないけど…」
アスカ「あぁ、もう!あんたのそういうウジウジしたとこ、いい加減直んないわけェ!?」
シンジ「ウジウジって……アスカだってその沸点低いのどうにかしたら?ただでさえ暑いんだから…」
アスカ「あ〜ッもう我慢ならないわっ!」
シンジ「うわっごめん言い過ぎたよ!」
アスカ「シンジっ!肩貸しなさい!」
シンジ「えっ」
アスカ「漏れそうなのよッ」
304 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:32:26.29 ID:pkrsX4Fxo
ケンスケ「現在、使徒接近中!直ちにエヴァ発進の要有りと認む!」
ヒカリ「…大変!」
葛城「渚、後を頼む」
カヲル「どこへ?」
葛城「…ケイジでエヴァの発進準備を進めておく」
カヲル「手動でかい?司令直々に?」
葛城「緊急用のディーゼルがある」
カヲル「ふふ…分かったよ。ここは任せて」
305 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:33:00.95 ID:pkrsX4Fxo
加持「次は?」
リツコ「右よ」
ミサト「それにしてもスッゴいわね…私もう帰り道分かんないわよ」
加持「大丈夫さ…帰りはちゃんとした道を通って行ける」
ミサト「リツコっていつからここにいるの?」
リツコ「覚えてないわ。ただこの下の道は実験でよく通るから…」
ミサト「実験って…零号機だけでやるあの実験よね?…プロトタイプにしかできないことなの?」
リツコ「……ごめんなさい。答えられないわ」
ミサト「……」
加持「赤木を問い詰めたって仕方ないだろう?ここはネルフなんだ。情報漏洩は命取りになる」
ミサト「…そうね。ごめんリツコ、つまんないこと聞いたわ」
リツコ「…………」
306 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:34:08.23 ID:pkrsX4Fxo
作業員「いよーいしょ、よーいしょ、よーいしょ、よーいしょ!」
作業員「了解、停止信号プラグ、排出終了」
葛城「よし、3機ともエントリープラグ挿入準備」
作業員「しかし、いまだにパイロットが」
レイ「大丈夫。きっと来るわ…あの子達なら」
加持「ここは……手じゃ無理だな」
リツコ「仕方ないわ。ダクトを破壊してそこから進みましょう」
ミサト「…リツコって普段は大人しいのに、使徒が絡んでくると大胆よね」
リツコ「命に関わるもの」
加持「はは…そりゃそうだ」
作業員・葛城「いよーいしょ、よーいしょ、よーいしょ、よーいしょ!」
ヒカリ「プラグ、固定準備完了」
レイ「…後はあの子達ね」
307 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:35:01.82 ID:pkrsX4Fxo
加持「危ないから少し離れて」
加持「じゃあいくぞっ」
ガンッ ガンッ
レイ「……?」
ガンッ
加持「おわっ」ドスンッ
ミサト「だっ大丈夫?加持くん…あっ」
リツコ「……」
レイ「あなたたち!」
308 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:36:00.90 ID:pkrsX4Fxo
葛城「各機、エントリー準備」
作業員「了解、手動でハッチ開け」
ミサト「エバーは…?」
レイ「スタンバイできてるわ」
ミサト「何も動かないのに、どうやって…」
レイ「人の手でね。あなたのお父さんのアイディアよ」
ミサト「父の…」
作業員・葛城「ふぬーっ、ふぬーっ、ふぬーっ…」
レイ「葛城司令は、あなたたちが来ることを信じて、準備してたのよ」
309 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:37:00.67 ID:pkrsX4Fxo
ヒカリ「プラグ挿入」
レイ「全機、補助電源にて起動完了」
葛城「第一ロックボルト、外せ」
作業員「2番から32番までの油圧ロックを解除」
ヒカリ「圧力ゼロ、状況フリー」
葛城「構わん。各機実力で拘束具を除去、出撃しろ!」
ケンスケ「目標は直上にて停止の模様!繰り返す!」
レイ「作業、急いで!」
オペレータ「非常用バッテリー搭載完了!」
レイ「行ける…!」
レイ「発進!」
310 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:38:01.27 ID:pkrsX4Fxo
加持「マグマの次は排気口……平時の戦闘が懐かしくなるな」
リツコ「縦穴に出るわ」
加持「お次は山登りか……」
加持「!」
リツコ「いけない、よけて!」
加持「おわっ」
ミサト「きゃあっ」
リツコ「……目標は、強力な溶解液で本部に直接侵入を図るつもりのようね」
ミサト「どうすんのよ…!?」
加持「やるしか、ないだろうな」
ミサト「やるったって…!ライフルは落としちゃったし、背中の電池は切れちゃったから、後3分も動かないし…!」
加持「待て待て、落ち着くんだ…作戦はある」
311 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:39:10.70 ID:pkrsX4Fxo
ミサト「作戦?」
加持「…ここにとどまる機体がディフェンス。A.T.フィールドを中和しつつ奴の溶解液からオフェンスを守る」
加持「バックアップは下降。落ちたライフルを回収しオフェンスに渡す。そしてオフェンスはライフルの一斉射にて目標を破壊……簡単だろ?」
ミサト「簡単って…守りは誰が」
リツコ「いいわ。ディフェンスは私が」
加持「却下。発案者は俺だ…危険な役は俺がやる」
ミサト「いえ……私がいくわ!弐号機はまだ前回の傷が…!」
加持「そう言うなよ。たまにはいい格好させてくれ」
加持「大丈夫。…うまくやるよ」
ミサト「…………」
312 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/28(土) 14:40:11.75 ID:pkrsX4Fxo
加持「じゃあ確認だ」
加持「葛城がオフェンス、赤木がバックアップ、俺は守りに徹する」
ミサト「…分かった」
リツコ「了解」
加持「それじゃあ、いくぞっ!」
ミサト「リツコっ!」
ミサト「! 加持くん、よけてっ!」
加持「うぐっ、ぅ…!」
加持「……惚れ直しただろ…?」
ミサト「馬鹿……無理しちゃて」
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