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シンジ「君が、葛城ミサトちゃんだね」
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1 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/22(日) 23:42:02.72 ID:AhK40PSco
放送「本日、12:30、東海地方を中心とした関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました」
放送「住民の方々は速やかに指定のシェルターに避難してください」
放送「繰り返しお伝えいたします…」
シンジ「…よりによってこんな時に見失うだなんて、まいったな…!」
シンジ「ミサトちゃん!ミサトちゃーん!」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1606056122
2 :
◆gcWj88zLkc
[sage ]:2020/11/22(日) 23:50:29.02 ID:AhK40PSco
電話「特別非常事態宣言発令のため、現在すべての通常回線は不通となっております」
ミサト「…だめか」
手元にシンジの写真と父親からの手紙
ミサト「…やっぱり、来るんじゃなかった…」
ミサト「……シェルターに…行ったほうがいいわよね」
爆風
ミサト「あぅ…っ、」
使徒が歩いている
ミサト「な……!」
3 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/22(日) 23:52:34.17 ID:AhK40PSco
オペレータ「正体不明の移動物体は依然本所に対し進行中」
ケンスケ「目標を映像で確認。主モニターに廻します」
カヲル「15年ぶりだね」
葛城「間違いない……使徒だ」
国連軍「目標に全弾命中!……ぐわあっ!」
激しい戦闘
ミサトの前に車が止まる
シンジ「ミサトちゃんっ!怪我はない!?」
4 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/22(日) 23:55:06.86 ID:AhK40PSco
ケンスケ「目標は依然健在。現在も第3新東京市に向かい、侵攻中」
オペレータ「航空隊の戦力では足止めできません!」
司令官「総力戦だ!厚木と入間も全部挙げろ!」
司令官「出し惜しみは無しだ!なんとしても目標を潰せ!」
攻撃をものともしない使徒。
司令官「なぜだ!直撃のはずだ!」
司令官「戦車大隊は壊滅、誘導兵器も砲爆撃もまるで効果なしか」
司令官「ダメだ!この程度の火力では埒があかん!」
カヲル「やはり、A.T.フィールド…」
葛城「ああ…使徒に対して、通常兵器での攻撃は通用しない」
司令官「分かりました、予定通り発動いたします」
カヲル「……連中、痺れを切らしたようだね」
5 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/22(日) 23:56:04.08 ID:AhK40PSco
シンジ「まさかっ、N2地雷を…!?」
シンジ「伏せて!!!」
司令官「やった!」
司令官「残念ながら、君たちの出番はなかったようだな」
オペレータ「衝撃波、来ます」
シンジ「……けほっ…大丈夫だった…?」
ミサト「……はい、なんとか…」
シンジ「よし…怪我も…、ないね。良かった」
シンジ「ちょっと待っててね、今、これを…!……」
横転した車。
6 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/22(日) 23:57:03.48 ID:AhK40PSco
シンジ「ふぐ…っ!」
シンジ「んぐ…っ!」
シンジ「はぁ…はぁ…」
ミサト「……」
ミサト「……あ、あの…手伝います」
シンジ「ご…ごめんね…!じゃあ…」
シンジ・ミサト「…せーのっ!」
シンジ「…ハァ、ハァ…ありがとう、ミサトちゃん。助かったよ」
ミサト「いえ、わ、私の方こそ。その、碇さん」
シンジ「…シンジでいいよ。…あらためて、よろしくね。葛城ミサトちゃん」
ミサト「はい!…し、シンジさん」
7 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/22(日) 23:58:04.98 ID:AhK40PSco
司令官「その後の目標は?」
オペレータ「電波障害のため、確認できません」
司令官「あの爆発だ。ケリはついてる」
ケンスケ「センサー回復します」
オペレータ「爆心地に、エネルギー反応!」
司令官「なんだとぉっ!」
ケンスケ「映像、回復します」
司令官「おお…」
司令官「われわれの切り札が…」
司令官「なんてことだ…」
司令官「化け物め!」
8 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/22(日) 23:59:03.80 ID:AhK40PSco
(通話)
シンジ「……うん。なんとかなったよ…はは…ありがとう心配してくれて。うん、ミサトちゃんも無事」
シンジ「うん…え…悪いよ……確かに、そのほうが早いけど……あ、ごめんそれは……途中で車が……うん、うん……分かったよ…じゃあよろしく。また本部で」
シンジ(はぁ…大切に乗ってたのになぁ…ボコボコだ……。長く乗った車だから愛着があるけど…修理はもう無理かな…)
シンジ「…買い換えどきか…」
ミサト「えっ?」
シンジ「あ…なんでもないよ、別に…!はは」
ミサト「……」
シンジ「あれっ、ミサトちゃん…」
シンジ「擦りむいてるじゃないか、ここ」
ミサト「あ…いえ、平気です!ほんとに少しですから」
9 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:00:04.68 ID:+9cFPgW3o
シンジ「そういうわけには…。ちょっと待ってね、確かここに…」ガサゴソ
シンジ「あった!…はい、絆創膏」
ミサト「あ……ありがとう、ございます…」
シンジ「……ごめんね。来て早々、嫌な思いばかりさせちゃって」
ミサト「そんなこと……私より、シンジさんが…」
シンジ「はは……僕は、これが仕事だから」
ミサト「……」
シンジ「優しいね、ミサトちゃんは…」
ミサト「えっ」
シンジ「ありがとう、心配してくれて」
10 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:01:05.13 ID:+9cFPgW3o
カヲル「予想通り、自己修復中か…」
葛城「そうでなければ単独兵器として役に立たない」
カヲル「ごらんよ…機能増幅まで可能なようだ」
葛城「…知恵をつけてきたな…」
カヲル「再度進攻は、時間の問題だね」
アナウンス「ゲートが閉まります。ご注意ください。発車いたします…」
ミサト「…特務機関、ネルフ…」
シンジ「うん。国連直属の非公開組織なんだ」
ミサト「父のいるところですよね…」
シンジ「そう…お父さんから仕事のこと、聞いてる?」
ミサト「人類を守る大事な仕事だ、って……おじさんから」
シンジ「…そう……」
11 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:02:04.75 ID:+9cFPgW3o
司令官「今から本作戦の指揮権は君に移った。お手並みを見せてもらおう」
葛城「了解しました」
司令官「葛城君、われわれの所有兵器では目標に対し有効な手段がないことは認めよう」
司令官「だが、君なら勝てるのかね?」
葛城「そのためのネルフです」
司令官「期待しているよ」
オペレータ「目標は未だ変化なし」
トウジ「現在迎撃システム稼働率7.5%」
カヲル「国連軍もお手上げのようだ…どうする?」
葛城「…初号機を起動させる」
カヲル「初号機を?パイロットは不在では?」
葛城「……じき到着する」
12 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:03:04.79 ID:+9cFPgW3o
ミサト「…これから父のところへ、行くんですか…?」
シンジ「…そうだね、すぐには…会えないかもしれないけど」
ミサト(…お父さん…)
シンジ「あ、そうだ、お父さんからIDは貰ってない?」
ミサト「あ、はい、あります…」
シンジ「…うん、確かに。じゃ…ミサトちゃんには、これを」
ミサト「ネルフ?お父さんの仕事場で…何かするんですか?私が?」
シンジ「……」
ミサト「…そう、ですよね…用もないのに…手紙なんてくれるわけない」
13 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:04:03.83 ID:+9cFPgW3o
シンジ「…用もないのに、手紙のやりとり」
ミサト「えっ?」
シンジ「してみたいよね。……大したことじゃなくたっていい…とにかく元気か、くらいの言葉があれば…」
シンジ「僕の父も、そういう人だったから。もういないけど」
ミサト「……」
シンジ「……必要、なんだと思うよ。きみの力が」
ミサト「必要……」
ミサト(…捨てられた私が?)
14 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:05:06.80 ID:+9cFPgW3o
ミサト「……!すごい…ジオフロント…!」
シンジ「うん…これが僕たちの秘密基地、ネルフ本部…世界再建の要、人類の砦となる場所…」
シンジ「ちょっと待っててね……確か…内通は…っと…」
アナウンス「セントラルドグマの閉鎖通路は現在…」
シンジ「ごめんね、まだ慣れてなくて」
ミサト「いえ……」
アナウンス「技術局第一課E計画担当の綾波レイ博士、綾波レイ博士、至急作戦部第一課碇シンジ一尉までご連絡ください」
レイ「……」
15 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:06:04.59 ID:+9cFPgW3o
シンジ「あ……ごめん綾波、泳いでたの…?」カァ
レイ「15分の遅刻」
シンジ「うっ……ごめん…!」
レイ「…例の女の子ね」
ミサト「あ…うん、マルドゥックの報告書による、サードチルドレン」
レイ「よろしく」
ミサト「は、はい…よろしくお願いします…」
16 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:07:07.67 ID:+9cFPgW3o
シンジ「コミュニケーションに概ね問題はなさそうだよ……しっかりしてるし」コソッ
レイ「……」
シンジ「…何?」
レイ「似てなくてよかったわね」
シンジ「な…、何も言ってないじゃないか…!」
レイ「あなた司令が苦手だものね……」
シンジ「……」
葛城「渚……後を頼む」
カヲル「3年ぶりの対面か…」
トウジ「目標が再び移動を開始」
カヲル「…よし、総員第一種戦闘配置」
17 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:08:03.93 ID:+9cFPgW3o
アナウンス「繰り返す、総員第一種戦闘配置。対地迎撃戦用意」
シンジ「…上はどうなってるの?」
レイ「やっとこちらに指揮権を渡したそうよ」
シンジ「…今、初号機は?」
レイ「B型装備のまま、現在冷却中」
シンジ「あれを使うの? まだ一度も動いたことないじゃないか」
レイ「起動確率は0.000000001%」
シンジ「…オーナインシステムか……本当に動くの?」
リツコ「可能性はゼロではないわ」
シンジ「……どの道…もう、動きませんでした、では済まされないか…」
18 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:09:03.82 ID:+9cFPgW3o
ミサト(う…わ、何も見えない…)
ミサト「えっ、顔…?ロボット……!?」
レイ「探しても、載ってないわ」
ミサト「えっ?」
レイ「人の作り出した究極の汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン。その初号機。建造は極秘裏で行われた」
レイ「私たち人類の、最後の切り札」
ミサト「……これが、お父さんの…仕事……?」
葛城「そうだ」
ミサト「……!」
葛城「……よく来た」
19 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:10:04.44 ID:+9cFPgW3o
ミサト「お父さん…」
葛城「出撃だ……」
シンジ「出撃!?そんな…!零号機は凍結中のはず…まさか、初号機を…?」
レイ「……ほかに道はない」
シンジ「でも!リツコちゃんはまだ…!無理だよ!あの状態では、とても…!」
レイ「……新しいパイロットは到着した」
シンジ「な…っ」
レイ「葛城ミサトさん」
ミサト「え……」
レイ「あなたを、エヴァンゲリオンの正式なパイロットとして、ここに迎えます」
20 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:11:07.93 ID:+9cFPgW3o
ミサト「は……」
シンジ「そんな!!……ミサトちゃんは今ここに着いたんだよ!?リツコちゃんでさえ、エヴァとシンクロするのに7ヶ月もかかったっていうのに…!この子には無理だよ!!!」
レイ「座っていればいいわ。それ以上は望まない」
シンジ「でも…!」
レイ「今は使徒撃退が最優先事項。そのためには誰であれ、エヴァとわずかでもシンクロ可能と思われる人間を乗せるしか、方法はない」
レイ「分かっていたはずよ、碇一尉」
シンジ「……っ」
21 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:12:04.56 ID:+9cFPgW3o
ミサト「…っ、お父さん…なぜ呼んだの…?」
葛城「……話は聞いたはずだ」
ミサト「お父さんからは聞いてないわよ……!私に…これに乗って戦えって言うの?さっきの化け物と!」
葛城「…そうだ」
ミサト「………いやよっ!そんなの……!何?なんでそうなるのよ、今更、いまさら……私を捨てたんじゃなかったの!!?」
葛城「……捨てた覚えはない」
ミサト「なぜ、私なの?」
葛城「お前にしかできないことだからだ」
ミサト「……無理よ…っ!そんなの…見たことも、聞いたこともないのに、できるわけない!」
22 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:13:03.46 ID:+9cFPgW3o
葛城「……綾波博士」
レイ「はい」
ミサト「嫌っ!いや…!触らないで…!絶対に乗らない……!」
葛城「ミサト…説明を受けるんだ」
ミサト「嫌よ!!できっこない…こんなの乗れるわけない!!!死ぬなんて嫌よ!!!」
葛城「……」
葛城「………分かった」
ミサト「えっ…」
23 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:14:05.52 ID:+9cFPgW3o
葛城「配属は取り消す」
ミサト「…!」
葛城「帰りなさい」
葛城「ここにお前の居場所はない」
地響き。
葛城「ここに気付いたか…」
ミサト(……)
ミサト「……、…!」
24 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:15:05.54 ID:+9cFPgW3o
レイ「混乱は分かるわ。でも迷っている時間はないのよ」
ミサト「でも………そんな、だって…わたし…」
シンジ「………無理だよ、綾波…!この子は本当に…何の訓練も受けてない、普通の…!」
レイ「では、赤木リツコを向かわせる?」
シンジ「………!」
レイ「二つに一つよ」
ミサト(居場所がない……また、失うの…?)
ミサト(でも……できるわけ……)
25 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:16:03.73 ID:+9cFPgW3o
葛城「渚、リツコを」
カヲル「……繋がってるよ」
葛城「リツコ」
リツコ「…はい」
葛城「悪いが、もう一度だ」
リツコ「はい」
レイ「初号機のシステムを赤木リツコに書き直して、再起動!」
ヒカリ「了解。現作業中断。再起動に入ります」
ミサト(……私が……逃げ出したから…)
ミサト「また………捨てられる」
26 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:17:04.97 ID:+9cFPgW3o
運ばれてくる少女
衝撃。鉄骨が落下する
シンジ「ミサトちゃん!!」
ミサト「きゃあぁっ!」
オペレータ「エヴァが動いた!どういうことだ!?」
オペレータ「右腕の拘束具を引きちぎっています!」
レイ「まさか、ありえない…!エントリープラグの挿入もなしに…!」
シンジ「………!守ったのか……?彼女を…インターフェースもなしに……これなら…!」
シンジ(いけるかもしれない…!)
少女に駆け寄るミサト
リツコ「………ぅ、……」
ミサト「………!!」
ミサト(……ちゃ…だめ…、逃げちゃ駄目…泣いちゃ駄目、甘えちゃ駄目…っ!)
ミサト「…やります、私が乗ります…!」
27 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:18:04.60 ID:+9cFPgW3o
オペレータ「冷却終了」
オペレータ「右腕の再固定完了」
オペレータ「ケイジ内、すべてドッキング位置」
ヒカリ「停止信号プラグ、排出終了」
オペレータ「了解。エントリープラグ挿入」
オペレータ「脊髄連動システムを解放。接続準備」
オペレータ「プラグ固定終了」
オペレータ「第一次接続開始」
ヒカリ「エントリープラグ、注水」
ミサト「…う、わっ…!何ですか!?これ」
レイ「大丈夫。肺がL.C.L.で満たされれば、直接血液に酸素を取り込んでくれる。すぐに慣れるわ」
ミサト「うぷ………」
シンジ「……」
28 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:19:06.82 ID:+9cFPgW3o
オペレータ「主電源接続!」
オペレータ「全回路、動力伝達」
レイ「了解」
ヒカリ「第二次コンタクトに入ります」
ヒカリ「A10神経接続、異常無し」
レイ「思考形態は、日本語を基礎原則としてフィックス。初期コンタクト、すべて問題なし」
ヒカリ「双方向回線開きます。シンクロ率、41.3%」
レイ「逸材ね…」
ヒカリ「ハーモニクス、すべて正常値。暴走、ありません」
レイ「いけるわ」
シンジ「うん……発進、準備!」
29 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:20:04.68 ID:+9cFPgW3o
オペレータ「発進準備!」
オペレータ「第一ロックボルト外せ!」
オペレータ「解除確認、アンビリカルブリッジ、移動開始」
オペレータ「第二ロックボルト外せ!」
オペレータ「第一拘束具除去。同じく、第二拘束具を除去」
オペレータ「1番から15番までの安全装置を解除」
オペレータ「内部電源、充電完了」
オペレータ「外部電源用コンセント、異常無し」
ヒカリ「了解、エヴァ初号機、射出口へ」
ヒカリ「進路クリアー、オールグリーン!」
レイ「発進準備完了」
シンジ「了解」
30 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:21:04.48 ID:+9cFPgW3o
シンジ「本当に…いいんですね…?」
葛城「…使徒を倒さぬ限り、われわれに未来はない」
カヲル「お手並み拝見といこうか…」
シンジ「発進!」
ミサト「…ぐっ、う…っ」
シンジ(ミサトちゃん……死なないで…!)
壱話分終わり
31 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:29:03.61 ID:+9cFPgW3o
シンジ「ミサトちゃん、ここからは…君の意思で動かしてもらうことになる」
ミサト「は、はい…!」
シンジ「最終安全装置、解除!」
シンジ「エヴァンゲリオン初号機、リフトオフ!」
レイ「…聞こえる?ミサトさん、今は歩くことだけに集中して」
ミサト「歩く、…!」
レイ「歩いた…!」
ミサト「歩、く…!」
ミサト「………う、わ……っ!」
32 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:30:03.10 ID:+9cFPgW3o
シンジ「…ミサトちゃんっ!」
ミサト「………!……は…っ!」
シンジ「ミサトちゃん!!!起き上がって!!!」
ミサト「うっっ」
使徒に腕を掴まれる
ミサト「あぁ…っ!ぁ…!」
シンジ「落ちついて!落ちついてミサトちゃん!!!本当の腕じゃないんだよ…!」
33 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:31:03.84 ID:+9cFPgW3o
レイ「エヴァの防御システムは?」
ヒカリ「シグナル、作動しません」
トウジ「フィールド、無展開!」
レイ「いけない!」
ミサト「あぁ……っ!」
ヒカリ「左腕損傷!」
トウジ「回路断線!」
シンジ「ミサトちゃんっ、よけてっっ!!」
ミサト「!」
ヒカリ「頭蓋前部に、亀裂発生!」
レイ「装甲が、もう、持たない…!」
ケンスケ「頭部破損、損害不明!」
ヒカリ「制御神経が、次々と断線していきます!」
トウジ「パイロット、反応なし!」
シンジ「ミサトちゃんっ!!」
34 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:32:02.72 ID:+9cFPgW3o
蝉が鳴いている
ミサト「………知らない天井…」
回収される初号機
人類補完委員会
委員「使徒再来か。あまりに唐突だな」
委員「15年前と同じだよ。災いは何の前触れも無く訪れるものだ」
委員「幸いともいえる。われわれの先行投資が無駄にならなかった点においてはな」
委員「そいつはまだ分からんよ。役に立たなければ無駄と同じだ」
委員「左様。今や衆知の事実となってしまった使徒の処置、情報操作、ネルフの運用はすべて適切かつ迅速に処理してもらわんと困るよ」
葛城「…その件については対処済みです。ご心配なく…」
35 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:33:03.70 ID:+9cFPgW3o
テレビ「昨日の特別非常事態宣言に対する政府発表が今朝、第一…」
テレビ「今回の事件には…」
テレビ「在日国連軍の…」
ヒカリ「はい。爆心地における汚染の心配はありません。使徒のサンプルはエヴァに付着していたもの以外はまだ何も。そうです、模擬シミュレーションの通り、その99.9%が蒸発したものと思われます」
シンジ「…発表はシナリオB-22か…」
レイ「広報部はやっと仕事ができたって」
シンジ「…成功しても隠蔽。失敗すれば存在ごと抹消…僕たちのやってることって…」
レイ「…表向きの顔は必要よ…。本当はみんなも恐いんじゃないかしら…」
シンジ「……僕も、恐いよ…」
36 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:34:04.05 ID:+9cFPgW3o
委員「ま、そのとおりだな」
委員「しかし葛城君、ネルフとエヴァ、もう少しうまく使えんのかね?」
委員「零号機に引き続き、君らが初陣で壊した初号機の修理代。国が一つ傾くよ!」
委員「聞けばあのオモチャは君の娘に与えたそうではないか」
委員「人、時間、そして金。親子そろっていくら使ったら気が済むのかね?」
委員「それに君の仕事はこれだけではあるまい。人類補完計画、これこそが君の急務だ」
委員「左様。その計画こそがこの絶望的状況下における唯一の希望なのだ。我々のね」
キール「いずれにせよ、使徒再来における計画スケジュールの遅延は認められん。予算については一考しよう」
委員「では、後は委員会の仕事だ」
委員「葛城君、ご苦労だったな」
キール「葛城、後戻りはできんぞ」
葛城「分かっています…人間には時間がない」
37 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:35:03.26 ID:+9cFPgW3o
病院の廊下。すれ違うミサトとリツコ
ミサト「……」
シンジ「ミサトちゃんが?」
レイ「ええ、気が付いたそうよ」
シンジ「容体は?」
レイ「外傷は無し。少し記憶に混乱が見えるそうだけど」
シンジ「まさか…」
レイ「…精神汚染の心配はないそうよ、検査済み」
シンジ「そう…そうか……良かった…」
レイ「安心するのはまだ早いかもしれない…脳神経にかなりの負担がかかったから」
シンジ「……」
シンジ「心の傷か…」
38 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:36:04.08 ID:+9cFPgW3o
作業員「オーライオーライ!」
作業員「よーし、そのまま!」
シンジ「…エヴァとこの町が完全に稼動しても、まだまだ問題は山積みだね…」
レイ「…ずいぶんと後ろ向きね。やっとエヴァが動いたのに」
シンジ「初号機が動いたのは大きな前進だよ、使徒も倒した。でも……」
レイ「希望的観測も必要よ、ある程度はね」
シンジ「うん……ありがとう…」
シンジ「……」
レイ「……どうしたの…?」
シンジ「……代わってあげれたら、いいのにね……いや」
シンジ「僕ならきっと逃げ出してる…」
シンジ「世界再建の要、人類の砦………でも実状は」
レイ「……」
シンジ「あんな小さな子どもを戦わせてる…」
39 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:37:05.37 ID:+9cFPgW3o
アナウンス「第一内科のウガイ先生、ウガイ先生、至急、第一外科のアズマ先生までご連絡ください」
アナウンス「E事件の医療会議は予定通りに行われます。担当者は第2会議室へ集まってください」
エレベーター前。鉢合わせる親子、見つめるシンジ。
カヲル「…それで、彼は適任ではないと?」
レイ「……有事の際には非情な決断を迫られる立場でもあります、碇一伊は、あまりにも…」
カヲル「優しすぎる。…そうだね、分かっているよ」
レイ「では、なぜ…」
カヲル「彼が苦悩しているのも知っている。でも、だからこそなんだよ…彼の心は繊細で、ガラスのように壊れやすい…」
カヲル「戦いに出る子どもたちの…「心」を痛んでやれるのは彼だけだ。冷徹な上官だけが有能なわけじゃない…分かってくれるね…?」
レイ「……出すぎたまねを」
カヲル「いや…いいんだ。彼を支えてあげてほしい」
カヲル「…それも、君にしかできないことだ」
レイ「はい……」
40 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:38:02.36 ID:+9cFPgW3o
シンジ「……一人で、ですか…?」
ネルフ職員「そうだ。彼女の個室はこの先の第6ブロックになる。問題は無かろう」
ミサト「はい」
シンジ「え……それでいいの?ミサトちゃん」
ミサト「…いいんです、一人のほうが。慣れてますから」
シンジ「…………」
41 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:39:03.50 ID:+9cFPgW3o
(通話)
レイ「…何を言ってるの?」
シンジ「だから…ミサトちゃんだよ。いくら仲が悪いからって、あんなことがあった後に一人には…だから、僕のところにと思って。上の許可は下りてるんだ。心配しなくてもうまくやるよ」
レイ「……あなた、どこまで……。背負いきれなくなるわよ?」
シンジ「でも………放っとけないよ…」
レイ「ハァ…その歳の女の子を一人暮らしの男性の家になんて、どうかと思うけど…碇くんじゃなきゃ、許可は下りなかったでしょうね…」
レイ「いいわ。くれぐれも間違いのないように」
シンジ「間違いって…?………なっ…!あっ!当たり前じゃないか!!」
シンジ「もう…冗談が分かりづらいよ…!」
ミサト「あの…?」
シンジ「あっ、ああごめん、今車出すから!」
42 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:40:03.01 ID:+9cFPgW3o
主婦A「やっぱり、引っ越されますの?」
主婦B「まさかここが本当に戦場になるとは思ってもみませんでしたから」
主婦A「うちも主人が私と子供だけでも疎開しろって」
主婦B「疎開ねぇ。いくら要塞都市だからと言ったって、何一つ当てにできませんものね」
主婦A「昨日の事件!思い出しただけでもぞっとしますわぁ」
シンジ「……少し寄りたいところがあるんだけど、いいかな…?」
ミサト「えっ?構いませんけど…」
シンジ「ふふ…きっと驚くよ」
ミサト「……?」
43 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:41:02.62 ID:+9cFPgW3o
シンジ「着いたよ」
ミサト(…なんだか寂しい街……夕日を楽しめってことかしら…?)
シンジ「…時間だ」
ミサト「……あっ…!」
ミサト「すごい…!ビルが生えてく…」
シンジ「…これが使徒迎撃専用要塞都市、第3新東京市。僕たちの街」
シンジ「そして…ミサトちゃん、君が守った街だ…」
シンジ「ありがとう、ミサトちゃん、僕たちを、街を…守ってくれて」
ミサト「………」
44 :
◆gcWj88zLkc
[sage sage]:2020/11/23(月) 00:42:02.13 ID:+9cFPgW3o
シンジ「ミサトちゃんの荷物はもう届いてると思うけど…実は僕も先日この町に引っ越してきたばかりなんだ。さっ、入って」
ミサト「あっ、あの…おじゃまします…!」
シンジ「そんな…緊張しないで。今日からここはミサトちゃんの家でもあるんだから…」
ミサト(家……私の、)
ミサト「…た、ただいま…」
シンジ「…お帰りなさい」
シンジ「ごめんね、散らかってて…」
ミサト「いえ………とっても綺麗です…」
シンジ「そう? 今夕飯の支度するね。なにか苦手なものとかある?」
ミサト「い、いえ。何も」
シンジ「そう、良かった」
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