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【ミリマス】ジュリアがメシマズ克服をPに思い知らせる話
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あんたを驚かせに来た 6/6
[sage]:2020/11/04(水) 00:06:50.70 ID:pA5LqmH70
愚痴るようにそう呟いた時、隣から自分の弁当箱に視線が注がれているのにジュリアは気が付いた。取っておいた厚焼き玉子の、最後の一切れが、箸で摘ままれたままになっている。
「これが気になるのか?」
ジュリアが問いかけると、彼はうなずいた。今日の弁当の中で一番美味しかった、と視線を弁当箱から離さずに言っているのを聞いて、箸が卵焼きを宙へ持ち上げ始めた。室温を感知した暖房がオフになった。
「やるよ。口開けな」
卵焼きが自分の弁当箱を離れた頃になって、ジュリアはハッとした。体の内側から火照りが生じ出した。回し飲みや箸の使い回しは、普段から気にしていないからどうとも思わなかった。しかしこれは、しかしこれは……胸やけのする思いで眺めていた、あの中庭のワンシーンそのものだった。
――そんな意図はない。ただ、美味いって言ってくれたし、物欲しそうな顔をしていたから――。
できることならこのまま箸を引っ込めて、無かったことにして、自分の口に収めてしまいたい。ただ、一度やろうとしたことを途中で投げ出すのは、信条に反する行いであり、それを死守するだけのプライドがあった。
ジュリアは覚悟を決めてゆっくり腕を突き出したが、目の前の光景を直視していられなくなり、目を閉じてしまった。息が詰まる。箸が振動した。どうやら受け渡しは無事に済んだらしい。
「美味かった。ご馳走様。……おいジュリア、自分から仕掛けておいてそんなに恥ずかしがるな。俺まで恥ずかしくなる」
「だ、だって――」
ふおおおおおおおおおっ!!!
突如として廊下からの叫び声が聞こえてきた。興奮を帯び、やや濁りを含んだ甲高い声を耳にした二人は、その声の主が松田亜利沙であることをすぐに察した。閉めていたはずの事務室のドアが僅かに開いており、ドアの陰で微かに何かが煌めいているのがジュリアの目にとまった。
「すっっっごいお宝映像が撮れちゃいましたっっ! ジュリアちゃんこんな乙女な一面があったなんて! 撮れ高、撮れ高っ!」
「プ……プロデューサー、あなたという人は……ジュリアさんにお弁当を作らせた挙句、そんな破廉恥なことをするのを止めないなんて……そういう願望を満たすためにアイドルを利用して、恥ずかしくないのですか……!!」
「ちょっとまて紬、かなり誤解してるぞ! これはだな……」
ドアを開けるなり、紬はプロデューサーに鋭い視線を投げかけていた。ほとんど合っていない紬の発言はまだ良かった。まずいのは、紬の背後で大はしゃぎの亜利沙の方だった。奇妙なぐらいに盛り上がっていて、そのまま一人の世界へトリップしてしまいそうな勢いだ。
「あーーーーーーもう! プロデューサー、ムギへの弁解は頼んだ! こらー亜利沙! そいつを消せ、今すぐっ!」
「ひゃぁ、待ってくださいジュリアちゃん! 個人で楽しむだけなので! ありさのクラウドに保管させてくださいっ!」
一恥去ってまた一恥。弁当箱の後片づけも忘れて床を蹴り、琴葉に見られたら面倒が増えると分かりつつも標的を追いかけながら、「面倒なことになった」とジュリアは頭を抱えたくなっていた。
終わり
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