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765楽園sideL最終話ルート桃子
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1 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:43:19.20 ID:2aSI5GVy0
注意
765楽園sideL、sideL2話、sideL3話から読んだ方がいいかも
当シリーズは 765学園物語シリーズ 様の三次創作、つまりファン作品
作者も当然違う
スレタイを被せずオリジナルの設定でやることも考えたが、どうしてもPが学生、兄妹がこのみと桃子という設定が外せなくなったので、そこまで同じなら堂々とファン作品として打ち出した
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1603435398
2 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:47:40.49 ID:2aSI5GVy0
桃子「桃子、女優になりたい」
このみ姉さん、俺、そして桃子で構成された家族会議で桃子は言った。
ちなみに星梨花は前回の件が落ち着いたので、住み込みは終わり、彼女のお家で家族と再び過ごすようになったのでこの場にはいない。
もちろんよく遊ぶ仲にはなっているのだが。
いろいろ問題が解決したので、あとは平穏に過ごすだけだって思ってたら、家族会議が開かれ、桃子嬢がこの発言。
俺が落ち着ける日々はいつ来るのか。
3 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:48:55.07 ID:2aSI5GVy0
P「女優ねえ……」
このみ姉さんの顔をうかがうも特に考えは読み取れない。
P「ふつうに考えて、なかなかなれるものじゃないだろう。そもそもなぜ女優なんかに」
桃子「誰かを演じることで人を感動させられたらいいなって」
なんかとってつけたような理由だなと思った。
最近、面白い映画でもみたのだろうか。
P「このみ姉さんはどう思う」
このみ「私は別にいいんじゃないかしらって」
P「え、ほんと?」
このみ「何か目標があって、それを目指せる人生ってステキじゃない?」
P「ステキか? 女優なんて一握り中の一握りだろ。テレビで見るような人らの足元には女優になれなかった人たちが何人いるかって話だ。それに万が一、そういう話が来たとして変なグラビアとかきわどい写真とか撮られたらどうするんだ」
4 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:50:35.84 ID:2aSI5GVy0
このみ「Pは深く考えすぎよ。心配してるのね」
P「心配というか、なんというか。それに目標が欲しいなら習い事でもやればいいじゃないか」
このみ「習い事?」
P「スイミングとかピアノとかさ」
このみ「スイミングを習う子が全員、水泳選手になるわけないわ。ピアノだってそう。全員がピアノ演奏者として大成するの?」
このみ姉さんの言い方が悪かったか、桃子が反応する。
桃子「ちょっとお姉ちゃん。桃子はホンキで……」
このみ「分かってるわ。でもここはPを納得させることが必要なの。分かってくれるかしら?」
このみ姉さんが今話題にしてるのは桃子が女優として成功するかうんぬんより、俺を納得させるための論理であると説明した。
この人の口喧嘩には敵うまい。
5 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:51:58.21 ID:2aSI5GVy0
P「このみ姉さんの説明は分かった。でもどうやって女優になんの? 俺がイメージするのはモデルが俳優としても活動し始めるパターンだが」
このみ「それをよく見るけど、まぁ難しいわね。だからこれ見て」
このみ姉さんはビラを取り出す。やたら準備がいいのは、この家族会議は俺を納得させるものであることを改めて認識させられた。
P「765劇団?」
このみ「ええ、知り合いの親戚が運営してる劇団よ」
P「劇団員から女優になるってことか。劇団員ってバイトで食いつないでやっと、というイメージがあるが」
このみ「だからそれは桃子ちゃんが大人になってから、という話でしょ」
P「うーん」
このみ「それに友だちだってできるかもしれないし、その友だちと何かを目指せるなんて良いと思わない?」
P「……分かったよ。じゃあ最初は俺も桃子とそこに同伴するよ。それで怪しくなかったら、やってみればいい」
桃子「お兄ちゃん、ホント?」
P「ああ。さっきからマイナスなことばっか言って悪かったな」
桃子「ううん、ありがとう」
そう言って桃子は笑顔をつくる。
俺はなぜそこまで反対するのかは、自分自身でも分からなかった。
たぶん、桃子が遠くに行ってしまう気がして。
なんというのは考えすぎだろうか。
6 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:52:54.62 ID:2aSI5GVy0
劇場
P「ここが劇団が活動している劇場か、なんだかボロいなあ。ここに人がいるのか」
社長「ボロいとはとんだ挨拶だね。キミィ」
P「わっ失礼しました」
桃子「もう、これからお世話になるかもしれないのに、桃子の立場を悪くしないでよね」
P「で、貴方は?」
社長「私はこの劇団と劇場を運営する高木という者だ。よろしく頼むよ」
P「はい、僕はPといいます。この子のまぁ保護者です。この子は桃子といって入団志望のため来ました」
社長「入団志望かね? 悪いがただここの劇団は人不足で私以外メンバーがおらず、劇場も取り壊しが決まってるんだよ」
P「」
社長「つい、このみ君には見栄をはってしまってね」
P「だってさ。なあ桃子、ここはやめて他を探そう」
7 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:53:39.38 ID:2aSI5GVy0
桃子「桃子、ここでやってみたい」
P「え?」
桃子「ここはもう取り壊し予定なんでしょ? だったら、最後の最後にどーんとお芝居をやろうよ。変な話、先輩もいないから妙なしがらみもないしね」
P「言っちゃ悪いが、こんなボロ劇場で何ができるんだ?」
桃子「できるよ」
P「だから無理だって」
桃子「無理じゃないよ。しょうがないなあ、じゃあ見てて、桃子がここを一面中お花畑に変えてあげるから」
P「何を言ってるんだ?」
8 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:54:36.83 ID:2aSI5GVy0
桃子は舞台に上がる。
桃子「ほらお兄ちゃん、いい匂いがするよ。それに向こうまでずっとお花畑が広がってる。遠くにあるのは菜の花かなあ」
P「……うん」
桃子「あっ足元にもお花が咲いてる」
桃子はそれを摘む仕草をする。
桃子「ちょっと子どもっぽいかもだけど、作ってあげるね。お兄ちゃんにお花でできたネックレス!」
桃子はボロ舞台で演技をしているだけだ。
なのに、この圧倒的な説得力。
まるで本当に花畑が眼前に広がってるような錯覚におちいった。
桃子「なんてね」
桃子が素に戻り、そう言うと花畑はボロ舞台に戻った。
9 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:55:28.05 ID:2aSI5GVy0
P「……すげえよ! 桃子! お前、こんな才能があったんだな」
社長「うむ、私もここまで演技に説得力を持つ人間を見たことがない」
桃子「桃子ならこのくらいトーゼンだよ」
桃子の女優志望にはどちらかというも反対だったが、ここまで圧倒的な才能を見せられると意見を翻さざるを得ない。
社長「よし、キミにはこの劇場の未来を託そう。ここの劇場を貸し出すから、ぜひ舞台をやってほしい」
P「だってさ、どうだ?」
桃子「うん、桃子もここでやってみたい」
社長「ぜひとも頼むよ。それと桃子君のお兄さんだったかな。キミも俳優志望かい?」
P「いや俺はちがくて」
社長「でもキミはあの子の兄だろう? きっと才能があるに違いない。さあどうだろう」
桃子「その人に俳優は無理だって思うよ」
P「桃子! 助かるよ」
10 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:56:44.40 ID:2aSI5GVy0
桃子「だってお兄ちゃんはプロの脚本家を目指してるんだから」
P「は?」
社長「そうだったのか。プロ顔負けの俳優と兄の脚本家志望……なんという才能に溢れた兄妹だ」
P「おい桃子、どういうことだ」コソコソ
桃子「だってせっかくやるなら、既成脚本より創作脚本の方が面白そうだから」
P「規制脚本ってえっちなやつ?」
桃子「もうバカ、何言ってるの! 既成脚本はすでにある演劇をやるの。例えばロミオとジュリエットぐらい知ってるでしょ」
P「どうしてアナタはロミオなの!?」
桃子「そうそれ。逆に言うとそこ以外知らなそうだけど」
P「ギクリ」
桃子「創作脚本はお兄ちゃんのオリジナル脚本だよ」
P「オ、オリジナル?」
桃子「そう。桃子の演技力は保証するから、お兄ちゃんに脚本をやってほしいの」
P「逆にいうと、桃子が好きなセリフを言ってくれるってことか」
桃子「も、桃子に何を言わせるつもり?」
P「う○ち」
桃子「発想が小学生以下」
P「冗談は置いといて、俺の負担がすごそう」
桃子「お兄ちゃんはこういうの得意なイメージあるけど。それに桃子はお兄ちゃんの脚本で演技をやりたい」
P「桃子がそう言うなら……やってみるよ」
桃子「ほんと? じゃあ決まり!」
11 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:57:34.39 ID:2aSI5GVy0
社長「相談は済んだかね」
P「ええ、まあ。やりますよ、脚本」
社長「それは心強い。なら照明だとか演出は主に私がやるから、キミらは好きにやってくれ。頼んだよ」
12 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:58:27.91 ID:2aSI5GVy0
帰り道
P「やっぱ創作脚本なんて、何も思いつかないぞ」
石を無意味に蹴りながら言う。
桃子「まぁ桃子が役者やったらある程度映えるから気軽にいきなよ」
P「そんなこと言える桃子がうらやましいよ」
桃子「そう? やっぱりお兄ちゃんは不安?」
P「そりゃあね。ただ、やると言ったからにはやるよ」
桃子「さすが桃子のお兄ちゃん」
P「そりゃどーも。それで脚本についてスマホで調べてるんだが、起承転結とか三幕構成とかピンとこなくて」
桃子「じゃあ桃子からお兄ちゃんに1つアドバイス。物語のコツは問題解決だよ」
P「問題解決?」
桃子「そう。もちろん何も起きない日常を描く作品もあるけど、あれはあれで日常を面白おかしく描くには才能がいるからね。例えば桃太郎」
桃子だから桃太郎?
桃子「桃が流れてきて桃太郎が生まれるのが導入。鬼の存在が問題提起、最後に鬼を倒して問題解決」
P「まあ言いたいことは分かる」
桃子「水戸黄門様一行の旅とその出会いが導入、苦しめられる悪人が問題提起、最後に成敗して解決。探偵物でも同じことがいえるかも」
P「まぁそれこそ長期シリーズだし、それに乗っ取れば無限に話が作れるってことか」
桃子「そういうこと。もちろんたくさん例外もあるけど、今のお兄ちゃんにアレコレ言っても混乱させるだけだしね」
P「アドバイスありがとう。それを参考してみるよ」
13 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:59:21.43 ID:2aSI5GVy0
自宅
自室に寝転がり、脚本を考える。
プロットっていうのか? 文字に起こした方が良いだろうと思って机に向かったけど、無いも浮かばないからやめた。
寝転がったけど、歩いた方が案外、自由に考えが浮かぶ。
桃子が言ってたのは問題解決。じゃあ問題ってなんだ。
今回の特異な点は桃子がそれをやってくれるということ。
だったら、桃子自身の問題に向き合った方が、あの子もやりやすいんじゃないか?
役をつくる手間が省けるだろうし。
それなら、桃子ともっと向き合う必要があるな。
14 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 15:59:58.76 ID:2aSI5GVy0
よし、それならと俺は部屋を出て、桃子の前に立った。
桃子「どうしたの?」
P「よしっ俺とデートしろ桃子」
桃子「は?」
そんなこんなで一緒に出掛けることになった。
15 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 16:01:15.24 ID:2aSI5GVy0
某所
P「なあデートと言ったハズだが」
桃子「うん。桃子、お兄ちゃんと一緒にお出掛けできてうれしいよ」
P「スーパーで荷物持ちさせてるからなあ!」
桃子「だって液体洗剤とかちょうど切れてたしね。ああいうの重くて」
買い物はもっぱら俺か桃子が当番である。
このみ姉さんは酒ばっか買ってくるから。
P「デートにスーパーは入りません」
桃子「でも新婚っぽいと思えば」
P「やっぱりスーパー最高」
桃子「扱いやすくて助かるよ。それでポイント溜まったからガラガラ回してきて。桃子はあんまり人ごみに行きたくない」
たしかに、あちらを見ると福引か何かやっていた。
P「どうせティッシュとかだろうけど」
桃子「別にそれでも助かるからいいよ」
P「さいで」
16 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 16:01:54.67 ID:2aSI5GVy0
福引コーナー
店員「へいらっしゃい。こうやってガラガラ回してね」
チラと後ろをみると、特等は旅行、一等や二等には食料品だった。
米とか当てれば桃子は喜んでくれるかな。
いや持って帰るのが重いか……なんて捕らぬ狸、ってやつだな。
ガラガラと福引を回す。
17 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/10/23(金) 16:02:37.36 ID:2aSI5GVy0
出てきたのは黄金色の玉。
やけに派手なのが出てきたな。
店員「大当たりー!」
P「……え?」
店員が大きな音でベルを鳴らす。
慌てて桃子が寄ってくる。
桃子「ちょっとお兄ちゃん! なにやらかしたの? 不正?」
P「不正なんてやってねーよ。なんかいいやつが当たったみたいだ」
店員「特賞のペア1泊2日の旅行券です」
P・桃子「ええええええ!?」
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