【ミリマス】木下ひなた「潜移暗化」

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1 : ◆BAS9sRqc3g [sage]:2020/10/09(金) 17:13:38.66 ID:V6x1Fopt0



※注意事項※

・アイドルマスターミリオンライブのSS
・エロ無し
・名ありのモブが出ます
・pixivにあげたものと内容は同じです。
・バッドエンド




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1602231218
2 : ◆BAS9sRqc3g [sage]:2020/10/09(金) 17:14:44.36 ID:V6x1Fopt0





【潜移暗化】 せんい・あんか

環境や他人から影響を受けて、
いつの間にか自分の性質や考え方が変化していること。

「潜(ひそ)かに移(うつ)り 暗(あん)に化(か)す」


3 : ◆BAS9sRqc3g [sage saga]:2020/10/09(金) 17:16:39.72 ID:V6x1Fopt0


第0章 プロローグ あたしにはなんにもなかった





あたし、アイドルになるよ。



そう決めたのは14歳の頃だった。
765プロの社長に地元の北海道で直々にスカウトされて、
あたしはアイドルになることを決意した。



4 : ◆BAS9sRqc3g [sage saga]:2020/10/09(金) 17:18:07.12 ID:V6x1Fopt0



だからなのか、何をやっても最初から上手く出来る
なんてことはなくて失敗ばかりが積み重なる。

それで落ち込んでいる時に、
あたしのことを担当してくれている
プロデューサーはいつも決まって言う。


「まだまだこれからだ。頑張っていこう」

「今回は相手が悪かったな。
 でも大丈夫、ひなたはきっとみんなの目に止まる存在になるよ」


あたしはプロデューサーが困らないように、笑顔を作ってみせた。

5 : ◆BAS9sRqc3g [sage saga]:2020/10/09(金) 17:19:13.09 ID:V6x1Fopt0



たぶん、ぎこちない笑顔で言ってたんだと思う。

「次はあたしも頑張るよ」

レッスンを繰り返し、オーディションを受けては落ちて。
またレッスンをして、オーディションを受ける。

そして、落ちる。


所属する765プロのアイドルの仲間もみんな良い子ばかりだった。

誰も彼も優しくて、
あたしのお喋りのテンポは
みんなよりもゆっくりだったのだけど、
誰も嫌な顔しないで聴いてくれた。

6 : ◆BAS9sRqc3g [sage saga]:2020/10/09(金) 17:20:01.27 ID:V6x1Fopt0


奈緒さん、エミリーさんは
特にあたしにもよくしてくれていたと思う。


「なんでも言うてくれてええからな!
 困ったことがあったら言うてや。
 プロデューサーがなんやアホなこと言うてるんなら
 私に言えばええわ。どつき倒したるわ」

「次も一緒に練習しましょう。
 日々の積み重ねが大事だと思います」

7 : ◆BAS9sRqc3g [sage saga]:2020/10/09(金) 17:20:57.57 ID:V6x1Fopt0


その優しさがあたしの心にすーっと染みていって、
それで腐らせていったのかもしれない。

いや、優しさに、ただ甘えていただけなんだ。

こんなあたしにも
「東京に行って売れっ子アイドルになるんだ」
っていう野心があった。

燃えたぎるその情熱は
この優しい優しいぬるま湯に浸かることで
あっという間になくなっていった。

みんながいるから。
みんなと一緒ならきっと大丈夫。

8 : ◆BAS9sRqc3g [sage saga]:2020/10/09(金) 17:21:49.79 ID:V6x1Fopt0



「みんな東京に出てきた3人だからね」



そう、あたしも言っていた。
でも現実は違った。


奈緒さんにはダブルエースとい
う佐竹美奈子さんとのユニットがあった。

エミリーさんには白石紬さん、天空橋朋花さんとの
和風ロックなユニットがあった。




……あたしにはなんにもなかった。




9 : ◆BAS9sRqc3g [sage saga]:2020/10/09(金) 17:23:00.10 ID:V6x1Fopt0




第1章  あたしでごめんね





「うん……今回はたまたま、ね」


今日は朝から事務所に顔を出すとプロデューサーにすぐに呼ばれた。
プロデューサーの座る机に向かう。

プロデューサーはガサガサと机の上に
束になって置いてある書類の中から紙を一枚引っ張り出す。

あたしがプロデューサーの横に立つと同時に、その紙を渡した。


10 : ◆BAS9sRqc3g [sage saga]:2020/10/09(金) 17:23:52.55 ID:V6x1Fopt0


紙には「ミニステージ 群馬デパート」と書かれている。
何分繋いで欲しいとか、
この商品を紹介して欲しいとか書いてある。


「プロデューサー、これわざわざ取ってきてくれたんだね。ありがとう」

「いや……ああ、うん。そうだよ」

プロデューサーは目の前のパソコンから目を離さない。
文字を一生懸命に打っては消してを繰り返している。

立ち上がってるのはメールソフトだから、
誰かにメールを送っているんだろうか。

誰宛にメールを送っているのかは分からない。

11 : ◆BAS9sRqc3g [sage saga]:2020/10/09(金) 17:25:18.15 ID:V6x1Fopt0


「そっかぁ。それで、これは……あ、明日だべか」

いつのお仕事なんだい、
と聞こうとして紙に目を通して居た時に見つけてしまった。
開催日が明日かぁ。

「こりゃあ、偉いことだわ」

「ああ、いよいよヤキが回って出演者には
 高額を払うと言ってきたんだ。

 その代わり、デパートの中にポニーを
 連れ込んで乗馬体験もする、と。

 色々考えた結果、生きた動物との相性は響よりも
 ひなたの方がこっちは向いてるかなって思ったんだ。

 まあ響は今日、大阪の方のイベントから戻ってくるばかりだから。
 連日遠出ってのは避けたいって、響の担当とのやり取りであったし」

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