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【艦これ】龍驤「足りないもの、その後」その6【安価】
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383 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 19:24:50.25 ID:7d4tqBWC0
「隊長はテロリストを放置するんですか?」
「今後拘束しないとは言っていない!今日は出直す!」
「隊長、それでは上の指示に…」
隊長「私はその『上』に話があるんだ。聞いていた話とまるで違う!!」
「……」
隊長「何が凶悪なテロリストで大量の武器を所持しているんだ!一体どうなっている!」
「わ、私に言われましても…」
隊長「いいか、このままでは我々のプライドにも関わる。こんな障害者を捕まえるのにわざわざ我々が使われているんだぞ!この部隊であるという誇りが貴様には無いのか!!」
「……」
隊長「…あまりにも話が違う。今日は引き下がるがお前にも事情を聞くことになるだろう」
龍驤「うん…もちろんやで……」
隊長「行くぞ、全員引き揚げだ」
384 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 19:27:23.01 ID:7d4tqBWC0
龍驤「…えらい騒がしかったなぁ。他の人に迷惑かけてしもて悪かったわ……」
龍驤「テロリストか…当然なんやけど……あの隊長さんには悪いことしてしもたなぁ」
龍驤「特殊部隊の人らやから、ウチが成虫倒したことになってる動画とか…何も見て無かったんやろうな」
龍驤「……」
龍驤「でも…悪い人や無いみたいやね」
龍驤「車椅子…ちゃんと用意してくれてるもんな」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 19:42:24.51 ID:CzMyqX0ZO
提督は龍驤の因果のことは知ってたよね?
書面上は大本営襲撃、成虫撃退とそうそうたる記録はあるが、特殊部隊に指示を出した人間が、そこまで知っといて龍驤の欠損、病状を伝えていないのはおかしい
龍驤の拘束以上に、射殺さえ想定している動き方だった
龍驤を[
ピーーー
]理由がある、あるいは龍驤が抱えているとんでもない因果を知っている人間がいるのか……?
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 19:42:59.68 ID:jfBea5iDO
その「上」に詰め寄る隊長
相手が上司でもまったく引かない
正しい情報も伝えずに拘束しろなどとふざけるなよ
何か政治的な理由があるのか?と
387 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 19:49:50.52 ID:7d4tqBWC0
ーー
隊長「どうなっているんだ!」
「……」
隊長「正しい情報も伝えずに拘束しろなどとふざけるな!我々を何だと思っている!?」
「……」
隊長「答えろ!武器はどこにあった?凶悪なテロリストはどこに居た!?」
「……」
隊長「貴様…我々はお前の玩具じゃないんだぞ!」
「…言いたいことはそれだけか」
隊長「なんだと!?」
388 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 19:54:27.35 ID:7d4tqBWC0
「次の任務だ。某国にレジスタンスのアジトがある、その連中を排除又は拘束してこい」
隊長「貴様っ!」
「なんだ?たかが隊員がこの私に楯突くというのか?」
隊長「……金か、政治か」
「お前の考えることじゃない。黙って任務をこなせばそれでいいんだ」
隊長「……」
「あんな艦娘一人捕まえて来ないとは、お前達の評価は地に落ちたな」
隊長「貴様に言われる筋合いは無い」
「もういい、お前達で無くとも特殊部隊はいくらでもある。お前達はさっさと次の任務に取り掛かれ」
隊長「……ラジャー」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 20:09:24.74 ID:jfBea5iDO
正確ではない情報は部隊を危険に曝す事を知っている隊長は独自のルートで裏を取る事にする
そのついでに龍驤の事も調べ、足りないもの鎮守府の存在を知り興味を持つ
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 20:11:45.47 ID:C3rNx2XYo
情報が錯綜し特殊部隊の出動まで命じたが実際はテロリストと言えないような障害を持った艦娘だった
架空の記録は作れないが実際に出動すれば記録に残すことができる
海との関係と面子の両方を保つ為とはいえ難儀なもんだと陸の上の人
一方で
>>389
391 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 20:21:04.38 ID:7d4tqBWC0
「…やれやれ、アイツには本当に参るな」
「架空よ記録は簡単には作れないが、部隊が動きさえすれば記録は残せる」
「その記録にちょっとした解釈違いの事を書き足しても…問題も無い」
「海に負けたくないのは分かるが、こうまでする必要性があるとは思えん。特殊部隊を自由にできる権限を剥奪せねばなるまい」
「障害を持った艦娘…それを隠す為にわざわざあんな資料を用意するのもな…」
「面子を保つ為……テロリストより難儀なもんだ」
392 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 20:26:34.19 ID:7d4tqBWC0
ーー
「君が調べものだなんて珍しいね。暇さえあれば訓練じゃないの?」
隊長「いいから早く聞かせろ」
「はいはい……まず拘束対象だった艦娘、龍驤についてだけど彼女は一応英雄扱いみたいだね。君は深海棲艦成虫体の騒動は知らないんだよね?」
隊長「お前が関係あるというから調べておいた」
「なら話は早い。アレを倒したのは彼女なんだよ」
隊長「不可能だ。いくら艦娘の攻撃とはいってもあの不可解なフィールドは破れない」
「それを彼女は破ったんだ。動画もあるけど今は省くね」
隊長「それで?」
「僕から話すよりこの資料を読んだ方が早いかもね」バサッ
隊長「…そうか」
393 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 20:31:22.80 ID:7d4tqBWC0
「……どう?」
隊長「おおよその事態は把握した」
「鎮守府への攻撃はこの国の軍への攻撃になる。彼女はテロリストと言えばテロリストだけど、君が携わってきたような連中とは違うね」
隊長「……」
「大本営の地下に核なんか無くて彼女の狂言だった。これがよくある話だけど、実際に核はあったんだよ」
「怪我をしてからずっと精神を病んでたのは本当みたいだし、あの隔離施設に居たのは仮病じゃないと思うよ」
隊長「…気になるな」
「そうだよね、こんな事実があったのにどうして君達の部隊を動かす必要が…」
隊長「この女と所属する鎮守府…」
「…あ、そっちなんだ」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 20:48:25.48 ID:CzMyqX0ZO
あきつ丸にどんな所か聞いてみる
なんか上手いことやって見学に行けないか?
暴行を働いた謝罪もあるし
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 20:54:56.09 ID:jfBea5iDO
>>394
の後
少し時間が掛かりますが会えるよう手配はしておくでありますとあきつ
それを信じてひとまず龍驤の事は置いておいて目の前の任務に意識を移す
レジスタンスのリーダーとおぼしき写真には金髪の美しい女性(夕立)
またこれにも裏がありそうだな…と隊長
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 20:55:36.61 ID:tSjvCVdXO
>>394
横須賀へ陸が見学に行くなんて……まあダメ元で……
許可が出たみたいだ、海もほんと変わったね
397 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 21:01:38.64 ID:7d4tqBWC0
ーー
あきつ丸「これはこれは。特殊部隊の中でも精鋭部隊、その隊長が自分に話でありますか」
隊長「貴様が足りないもの鎮守府に出入りしているのは知っている。そこはどんな所なんだ」
あきつ丸「どう、と言われましても。人伝いはどうしても主観が入ってしまいますから」
隊長「なら一度そこに行けるように横須賀提督と交渉してくれ」
あきつ丸「隊長殿がわざわざ向かうと?」
隊長「暴行を働いた謝罪もある。会う理由にはなるはずだ」
あきつ丸「会えるよう手配はしておくでありますが…」
隊長「なんだ?」
あきつ丸「あの鎮守府は仲間意識が抜群に高いのであります。隊長殿が龍驤殿に暴行したのは当然向こうも知っていますので…」
隊長「それがどうした」
あきつ丸「……分かりました、すぐに連絡を取っておくでありますや
隊長「頼んだぞあきつ丸警部」
398 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 21:07:52.34 ID:7d4tqBWC0
隊長「野暮用は終わった。これで次の任務に集中できる」
隊長「某国とは言っていたが…やはりロシアか。レジスタンスはソビエト派の生き残りか?」
隊長「これが資料か……」
隊長「コイツがリーダー……艦娘の次は金髪に赤目の女か」
隊長「この写真と資料を見る限り、コイツは確かにレジスタンスのリーダーだ」
隊長「またこれにも裏があってもおかしくは無いが、任務を遂行することが俺達にとって最重要だ」
隊長「排除又は拘束…龍驤の時とは違って最初から排除の選択肢がある」
隊長「いつも通り抵抗すれば即射殺だ。何も問題は無い」
隊長「ミッション、スタンバイ」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 21:25:40.28 ID:1ejQqBuVo
その時ぽいぽいの様子はというと
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 21:42:15.40 ID:mptBNLJ5O
レジスタンスのアジトに突入するとやっと来たっぽい!とお出迎え
身のこなしや統率はロシア基準でも合格点っぽい!と言われては???となる
子供を産んだ艦娘が表で移動すると波風が立つから里帰りの為に日露で組んだ隠れ蓑っぽい!
また艦娘…しかもこの練度からして相当手練の特務艦かよ…
日本に連絡を取ると行く前から知っていたら意味がないだろうと言われる
401 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 21:50:00.99 ID:7d4tqBWC0
ーー後日
隊長「動くな!抵抗すれば射殺……」
夕立「やっと来たっぽい…」
「また艦娘!?」
夕立「ふんふん…身のこなしや統率はこっち基準でも合格点っぽい」
隊長「何を言っている、抵抗するなら問答無用だ!」
夕立「夕立からお前らに何を言っても無駄なのは知ってるぽい。だからコイツを呼んでるぽい」
外交官『誰かロシア語ができる者は居ないか?私の身分証を確認して欲しい』
隊長『…確認しよう』
夕立『こっちの言葉も喋れるのか』
隊長『何がなんだかさっぱりわからない……』
402 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 21:54:23.20 ID:7d4tqBWC0
ーー
夕立『子どもを産んだ艦娘が表で移動すると波風が立つ。これは私が帰る為に日露で組んだ作戦だ』
隊長『俺達は利用されたのか』
外交官『そちらの国には貸しが数え切れないくらいある。一つくらい返してもらってもいいだろう』
隊長『領土を返さない連中が偉そうに』
外交官『おいおいあそこは我々の物だと何度説明すれば…』
夕立『そういうのはいい。さっさと帰るから護衛しろ』
隊長『チッ…』
夕立『言っておくがお前達の国の問題でもあるんだ。事態をややこしくするんじゃないぞ』
下2 この後の展開やその他起こったことなど
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 21:56:31.87 ID:czFBrc1mo
実は4人目がお腹の中にいるっぽい
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 22:04:53.01 ID:jfBea5iDO
まだ不信感が拭えない隊長を夕立はじっと観察している
お前は何の為にこんな仕事をしているんだ?金か?と夕立に聞かれ
儲けたくて選ぶ仕事じゃないだろう、賭けるのは自分の命だけじゃないのだからな
平和を維持する為にはこんな汚れ仕事も必要だろうと隊長
ふ…金では動かない一番厄介な人種だなお前はと夕立は面白そうに笑う
405 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 22:13:06.48 ID:Rj2WIoRXO
ーー
隊長「……」
夕立「……」
夕立『おい』
隊長『なんだ』
夕立『お前は何の為にこんな仕事をしているんだ?』
隊長『答える必要は無い』
夕立『金か……儲けたくて選ぶ仕事じゃないだろう?賭けるのは自分の命だけじゃないからな』
隊長『話を勝手に進めるな』
夕立『じゃあ理由を話せ』
隊長『平和を維持する為にはこんな汚れ仕事も必要だろう』
夕立『平和だと!はははははは!』
隊長『何がおかしいんだ』
夕立『いや…そうかそういうことか。駒に自我は要らない、必要なのは忠誠だからな』
406 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 22:16:51.47 ID:Rj2WIoRXO
夕立『忠実なのはいいが、それを鵜呑みにしていると痛い目に遭うぞ』
隊長『死にそうな場面なら何度も経験してる』
夕立『そうか、ならお前は何度も殺しているな?』
隊長『当たり前だ』
夕立『上に言われるがまま殺した』
隊長『何が言いたい』
夕立『その「上」は信用できるのか?間違えたことは無かったのか?』
隊長『……』
夕立『図星か。お前はただの人殺しだ』
隊長『殺してはいない』
夕立『上が間違えたことは否定しなかったな?』
隊長『……』
夕立『はははははは!』
407 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 22:22:04.56 ID:Rj2WIoRXO
夕立『お前自身は金では動かない厄介な奴だ。だがお前の上はどうだ?テロリストよりたった数千、数億万枚の紙切れを優先する連中じゃないのか?』
隊長『……』
夕立『忠実なのはいいが自我を持て。そうでないとお前達は使われ続けるだろうな』
隊長『俺の仕事を侮辱するのか』
夕立『駒が吠えた所で何になる?上(親)に泣きついてガキみたいに駄々をこねるか?』
隊長『貴様…!』
夕立『あはははは!!』
「…さっきから隊長…なに話してるんだろ」
「隊長のあんな顔…見たことねぇ」
「……」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 22:28:36.84 ID:jfBea5iDO
ならばお前は何が正しくて何が間違いか知っているとでも言うのか!と詰め寄る隊長に夕立はさあ?とあっさり否定する
だが少なくとも私は命令ではなく自分の意志で殺した
それを間違いだとか他の誰かのせいだとか言うつもりは無い
平和の為だと言うなら今一度お前の回りを見直してみるんだなと
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 22:49:43.39 ID:C3rNx2XYo
>>408
あと、平和のために戦ってきた奴らなら知っている
410 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 22:56:27.50 ID:Rj2WIoRXO
隊長『ならばお前は、何が正しくて何が間違っているのかを知っているのか!』
夕立『いいや、知らないさ』
隊長『なんだと!?』
夕立『私は命令ではなく……自分の意志で殺した』ギリッ
隊長『自分の意志で…それこそただの殺人だ』
夕立『それを間違いや他の誰かのせいだとか言うつもりは無い。だが平和の為だと言うなら、今一度お前の回りを見直してみるんだな』
隊長『……』
夕立『…丁度いい、少し寄り道するか』
隊長『どこに行くつもりだ』
夕立『平和のために戦ってきた連中なら知っている。寄り道ついでに会ってきたらどうだ?』
隊長『俺には任務がある』
夕立『なら私もそこに行く。これでお前も来なければいけないな?』
隊長『……』
411 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 22:59:14.74 ID:Rj2WIoRXO
ーー横須賀鎮守府
隊長「…横須賀鎮守府か」
夕立「知ってたっぽい?」
隊長「……」
夕立「夕立はここで時間を潰してるから、その間好きにすればいいぽい」
隊長「…勝手にここから出ていくなよ」
夕立「もちろん。駒の困る行動はしないっぽい」
隊長「……」
夕立「ま、せいぜい楽しむっぽい」
隊長「…行くか、横須賀鎮守府へ」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 23:01:45.82 ID:czFBrc1mo
白露達と再会して旧交を温める夕立
春雨はなんか変わったっぽい?
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 23:04:51.47 ID:mptBNLJ5O
勝手に入れるとこでもないので客人が来たとなれば流石に出迎えが来て
>>412
隊長さんはまず提督が接触
四の五の言わずに謝罪から入る
414 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 23:17:20.97 ID:RK9ZQCO/0
ーー
白露「あたし達に客人って……夕立!?」
夕立「久しぶり、ぽい」
村雨「どうしたよの、二度と戻ってこないんじゃなかったの?」
夕立「…春雨の雰囲気が変わったぽい?」
春雨「あ、ちょ、ちょっと……色々と…」ビクッ
時雨「夕立とまた会えるだなんて」
夕立「…ぽい」
白露「とりあえず中に入ってよ!いっちばん美味しいお茶用意するから!」
夕立「……スープじゃないなら飲むぽい」
415 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 23:21:54.70 ID:RK9ZQCO/0
ーー執務室
隊長「提督殿、この度は申し訳無かった」
提督「…何に対してだ?」
隊長「事情も何も知らず龍驤殿を拘束しようとした。龍驤殿の怪我を知っていればあのような行動は取らなかった」
提督「……」
隊長「言い訳はしない。全ては隊長である私の責任だ」
提督「……」
隊長(この男、写真で見るより人相が悪い。横須賀鎮守府の提督だけあるか)
隊長(さぁ…ここからどう出る?どんな行動を見せてくれるんだ)
隊長(平和の為に戦うというのなら、それを行動で示してもらおう)
下2 この後の展開やその他起こったことなど
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 23:35:45.09 ID:1ejQqBuVo
龍驤とのやりとりを録画で確認していた提督、お礼を述べる
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 23:48:08.61 ID:jfBea5iDO
>>416
だが完全に割り切れてもいない様子
なるほど…まだ青いな
しかし物事をしっかりと見る目はあるようだ
隊長からの提督への評価はまずまずといったところ
そしてわざわざ謝罪に来た隊長への提督の評価も悪くはなかった
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/15(木) 23:49:15.93 ID:C3rNx2XYo
龍驤が結果としてやってしまったことの規模と情報の不備を考慮して隊長の謝罪に対して理解を示す
あの場であのまま拘束しなかった隊長の的確な判断にも謝意を示す
でもここまでならただありがとうと言ってるだけ
陸の不可解な命令もテロリストに対して厳しく動こうとした形だけでも保つ為だと推察していて
つまりは隊長は上の為に踊らされていたんだと
419 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/15(木) 23:56:26.77 ID:RK9ZQCO/0
提督「……感謝する」
隊長「感謝?私は感謝されるようなことはしていない」
提督「あの様子は見ていた」
隊長(やはり見ていたか…)
提督「あの場面で…よく撤収してくれた」
隊長「当然だ。任務内容に不備があれば我々の行動は間違ったものになる」
提督「……」
隊長(礼を言ったものの完全に割り切れてはいない。なるほど、まだ青いな。だが物事をしっかりと見る目はあるようだ)
420 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/16(金) 00:01:41.95 ID:JbwFJ3fb0
提督(…この男は悪では無い。わざわざ謝罪に来たということは落ち度を認めている)
提督(あきつ丸警部によれば彼らへの任務自体が怪しいものだと。だがそれを口にしていない)
提督(真っ直ぐで濁りが無い目……だが…これは…)
隊長「……」
提督「……」
コンコン
提督「…どうした」
漣『お茶を持って参りました』
提督「……入ってもらっても?」
隊長「問題無い」
提督「…よし、入ってきてくれ」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/16(金) 00:35:30.61 ID:D8vP/lVmo
>>418
これを漣が
(ご主人様と似た所がありますねこの隊長、話が進まねえんで手助けです)
422 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/16(金) 00:40:57.82 ID:NpHCt7mco
>>421
423 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/16(金) 00:50:16.64 ID:JbwFJ3fb0
漣「龍驤さんがやってしまったことと、情報の不備を考慮して隊長さんの謝罪は受け取るべきです」
漣「そしてあの場で龍驤さんを拘束しなかった隊長の的確な判断には感謝すべきですね」
漣「陸の不可解な命令もテロリストに対して厳しく動いた、という形だけでも保ちたかったんですよ」
隊長「漣殿…秘書艦代理にしてはよく喋るようだな」
漣「提督の代弁をしているだけです。提督は全てお見通しなんですよ」
提督「……」
漣「隊長さんは上にただ踊らされていたと。それはこちらではあり得ないことです」
隊長「どうしてそう言い切る」
漣「陸と違って海は金で動くような輩も居ません。我々は平和の為に戦っているんですよ」
隊長「平和…口だけならどうとでも言える」
漣「それはお互いさまでは…ないでしょうか?」
隊長「……」
ーー
424 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/16(金) 00:50:54.02 ID:JbwFJ3fb0
続く
コメントなどあればお願いします
425 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/16(金) 00:57:22.76 ID:Gm4d0x3DO
お疲れ様でした
禅問答みたいな会話も好きだけど確かに話が進まないかあ…いつの間にか時間ががが
うーん…足りないもの勢が善で優れててそれ以外が悪で劣ってるみたいな書き方は違う気がする
提督含めこちら側は別に平和の為にってそんな事考えてなかったように思う
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/16(金) 07:40:11.92 ID:D8vP/lVmo
おつです
隊長さんを掴みきれなかった、いきなりネームドになってすぐ退場はないと願いたい
ぽいぽい再登場は素直に嬉しい
427 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 18:19:03.88 ID:GkLNlINP0
ーー横須賀鎮守府
夕立「お前がここに居て丁度良かったぽい」
幹部「私は提督君に用があったんだがね…」
夕立「夕立を誰だと思ってるぽい」
幹部「…用件を聞こうか」
夕立「お前達がコソコソと匿ってる龍驤をこっちに引き渡せ、ぽい」
幹部「龍驤君を……!?」
夕立「アイツを放っておくとこっちに被害が出る可能性があるぽい」
幹部「彼女はそんな人物ではない、君も良く知っているだろう?」
夕立「戯言は聞きたくないぽい。さっさと引き渡せぽい」
幹部「……」
428 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[saga]:2020/10/17(土) 18:24:13.23 ID:5wYhAAeXO
夕立「それと大本営の地下にあった兵器もこっちが回収するぽい」
幹部「無理だ、あんなものは…」
夕立「もう話はついてるぽい」
幹部「…何故だ、どうして……」
夕立「お前達はアレを解体しようとした。それがいけなかったぽい」
幹部「……」
夕立「アレはソビエト派が作ったものぽい。こっちが回収して何もおかしいことは無いぽい」
幹部「だから龍驤君も…」
夕立「どこでアレの情報を聞いたのか聞く必要があるぽい。拒否すれば国際問題になるのは分かるぽい?」
幹部「……」
夕立「今日にでも連れて行くぽい。無駄なことはしない方がいいぽい」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 18:43:31.11 ID:feSsMz2DO
幹部
兵器を回収してどうするつもりかね
解体を許さないという事はつまり…
それ以上は止めておくっぽい
国と国との話し合いの結果決まった事だからと夕立
だがあれだけの兵器をそう簡単にこちらからあちらというのは無理がある
どうする気だね
430 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 18:49:27.10 ID:vUWRmTslo
>>429
431 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 18:53:54.79 ID:5wYhAAeXO
幹部「…あの兵器を回収してどうするつもりなんだ。解体を許さないという事は、つまり……」
夕立「それ以上は止めておいた方が身のためっぽい」
幹部「やはり……」
夕立「これは国と国との話し合いの結果決まった事ぽい」
幹部「あれだけの兵器を……簡単にこちらから向こうに運ぶというのは無理がある」
夕立「それは分かってるっぽい。アレそのものは回収しないぽい」
幹部「……必要なのはアレか」
夕立「核だけを回収するぽい」
432 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 18:56:55.91 ID:5wYhAAeXO
夕立「ミサイル何発分にもなる上質な核物質が使われてるぽい。そんなのを見過ごすわけないっぽい」
幹部「……」
夕立「核を抜き取ったあとの兵器は好きにすればいいぽい」
幹部「それも…決まったことなんだね」
夕立「そうっぽい」
幹部「なら私は止めることはできないし、何を言っても無駄か…」
夕立「お前から了承も取った。先に龍驤は連れて帰るっぽい」
幹部「…こちらは拒否できないからね」
夕立「じゃあ夕立は帰るっぽい」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 19:05:44.38 ID:I49ARPMkO
隊長さんへの次の命令は…龍驤の護衛
龍驤が露に渡っての聴取は許可したがあちらの自由にさせるわけではない
あちらの手荒な作法などからは無事に帰国させること
434 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 19:12:14.08 ID:H8teJEuQo
幹部さんが夕立に、しかし龍驤君が無事でなかった場合、私では止められないよと
夕立は、それも龍驤が手に入れられる情報じゃないことも分かってるっぽい。それを上に理解させる為に連れてくっぽい。
で、
>>433
435 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 19:19:23.62 ID:GkLNlINP0
幹部「……夕立君」
夕立「なんだ」
幹部「龍驤君が無事でなかった場合…私では止められない」
夕立「……」
幹部「彼…彼やその仲間達は、例え国を敵に回してでも仇を取ろうとする」
夕立「それは夕立の知ったことじゃないぽい」
幹部「君は…」
夕立「…あのカタワなんかが手に入れられる情報じゃないっぽい」
夕立「それを理解させる為には…」
幹部「…分かった、君に任せるよ」
夕立「…ぽい」
436 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 19:24:53.17 ID:GkLNlINP0
ガチャッ
夕立「誰だ」
隊長「私は特殊部隊の…」
夕立「例の隊長か、ぽい」
幹部「その制服は陸の警察の特殊部隊…?」
隊長「そうであります。私は龍驤殿の護衛として夕立殿と同行します」
幹部「…そうか、君がそうなんだね」
隊長「龍驤殿の聴取は許可は出したものの、あちらの自由にさせないと」
夕立「なんで隊長のお前が来るぽい」
隊長「ロシア語ができるのはあの隊では自分だけであります」
夕立「……」
幹部「龍驤君を…宜しく頼むよ」
隊長「ラジャー」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 20:02:11.37 ID:H8teJEuQo
隊長が提督と接してわかったことは彼らが守った平和は日常の延長線上にあるものだったという事
非日常に身を置きすぎていたので久しくその感覚を忘れていた
438 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 20:32:08.29 ID:tP8qhYUpO
>>437
夕立、お前は私に自我を持てと言ったな
お前の自我は何か、見せてもらうぞ
439 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 20:38:21.02 ID:GkLNlINP0
ーー
夕立『あの提督と話は終わったのか』
隊長『…あぁ』
夕立『どうだった?』
隊長『彼らは平和の為に戦ってはいなかった』
夕立『ほぉ…』
隊長『守られた平和は、彼らの日常の延長線上にあるものだった』
夕立『よくお前が気付けたな』
隊長『永く…非日常に身を置いていた。簡単には気付けなかった』
夕立『気付けただけで上出来だ。アイツらは平和の使者でもなんでもない、ただのエゴイストだ』
440 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 20:42:09.58 ID:GkLNlINP0
隊長『夕立、お前は私に自我を持てと言ったな』
夕立『あぁ言ったさ』
隊長『私も自我を持つ。お前の自我は何か、参考にさせてもらおう』
夕立『……』
隊長『…またこの隔離施設に来るとは』
夕立『今度は止める奴も居ない。さっさと運び出して向こうに帰るぞ』
隊長『彼女は私が運ぶんだな』
夕立『そういう任務なんだろう?障害者に付きっきりとはご愁傷様だな』
下2 この後の展開やその他起こったことなど
441 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 21:19:46.71 ID:TEQUHehKO
龍驤に車椅子のお礼を言われる
夕立「お前そんなことしてたっぽい?」
442 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 21:25:23.46 ID:feSsMz2DO
>>441
一方提督サイド
逮捕までは覚悟していたがまさか某国に連れて行かれるとはと気が気じゃない
443 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 21:29:49.22 ID:GkLNlINP0
ーー
龍驤「……」
夕立「そうやって大人しくしてればいいっぽい」
龍驤「なぁ…」
隊長「俺…か?」
龍驤「この前…な」
隊長「……」
龍驤「ありがとうな…車椅子…用意してくれて…」
夕立「…そんなことしてたっぽい?」
隊長「……」
夕立「へぇ…これは面白いことになりそうっぽい」
隊長「何がだ」
夕立「龍驤の世話はお前がすることになってるぽい。密室で二人だけ…」
隊長「おい」
龍驤「……」
444 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 21:34:26.60 ID:GkLNlINP0
ーー横須賀鎮守府
提督「逮捕までは覚悟していたが…まさかロシアに…」
漣「可能性としては考えられたんです。漣達のミスでしょうな」
提督「…どうすればいい」
漣「下手に動くと終わります。何もしないのが正解です」
提督「……」
漣「あの夕立が絡んでいるので少し不安ですが、隊長が居るので下手なことはしないかと」
提督「あの男…隊長か」
漣「特殊部隊の中でも精鋭、その隊長ですからね」
提督「完全に信頼して…いいのだろうか」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
445 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 22:01:36.59 ID:YrVmwRVzo
ぽいぽいサイド
ただで露に協力している訳では無い
446 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 22:19:16.16 ID:feSsMz2DO
龍驤を連れて露に渡る一行
夕立はいつの間にか普段の制服ではなくスーツに着替えていた
それを出迎える見るからに偉い人と気安く話す夕立に面食らう龍驤
447 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 22:20:57.09 ID:TEQUHehKO
>>445
448 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 22:24:02.49 ID:5wYhAAeXO
ーー
龍驤(……もう着いたんかな)
龍驤(二人ともロシア語で話してるから訳分からへん…)
龍驤(ウチはどこに連れて行かれるんやろ…)
夕立「……」
龍驤(ん……夕立…いつの間にか着替えて…)
「……」
龍驤(あの人らって…所謂偉い人らやんな…)
「……」
龍驤(え…?あの人…ウチでも知ってるような…有名な人やん…新大統領の閣僚の…外務大臣…)
夕立「……」
「……」
龍驤(夕立と…外務大臣が……普通に喋っとる…!?)
449 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 22:28:31.60 ID:5wYhAAeXO
『やはり夕立に任せて正解だった』
夕立『この貸しは高く付くぞ』
『倍にして返したっていい。それくらいのことを夕立はやってくれた』
夕立『当然だろうな、ソビエトの負の遺産と、テロリストを連れて帰ってきてやったんだ』
『彼女は十中八九シロなのは分かっている。だがこれでピースが揃うんだ』
夕立『お前達の考えてることはどうでもいい』
『それは嬉しい、こちらとしても色々とやり易くなる』
450 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 22:32:17.85 ID:5wYhAAeXO
『彼女はどこで面倒を見る?』
夕立『用意してある家に連れて帰る。子どもの面倒をみさせるつもりだ』
『聞いたよ、三つ子を産んだらしいね』
夕立『……夜も眠れないくらい大変なんだよ。だからアイツにシッターをさせる』
『大丈夫なのか?彼女は…』
夕立『あのボディーガードも一緒だ』
『ならマシか』
夕立『用がある時は勝手に家に入って連れ出せ。あの男はこっちの言葉が分かる』
『分かった。夕立、君はどうするんだ?』
夕立『まだ少し…やることがある』
下2 この後の展開やその他起こったことなど
451 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 22:40:27.68 ID:feSsMz2DO
夕立の案内で割と立派な一軒家に到着する
家の前にこれまた立派な車が停まっているがそれを見た夕立がすこぶる嫌そうな顔になる
珍しい…親父来てるのか…面倒くさいっぽい
中に入るとSP数人と子供と戯れる貫禄のある男が居た
452 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 22:55:19.92 ID:YrVmwRVzo
>>451
453 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 22:58:03.20 ID:5wYhAAeXO
ーー
隊長「随分と立派な家だな…」
夕立「チッ…」
龍驤「え?どうしたんよ?」
夕立「あのクソ親父、来てるのか…面倒くさいっぽい」
隊長「艦娘に親は居ないだろう」
龍驤「義理の親と違うか?夕立の夫の…」
隊長「コイツは既婚者なのか!?」
夕立「はぁ…諦めて中に入るっぽい…」
454 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 23:02:32.06 ID:5wYhAAeXO
「「「「……」」」」
隊長『誰だ!』スチャッ
夕立『落ち着け、あれはSPだ』
隊長『この家は無人だと言っただろう!』
夕立『外にあった趣味の悪い車は見えていなかったのか?』
『お〜よちよち〜』
龍驤「強面のオッサンが…赤ちゃん三人抱いとる…』
夕立『…ここで何してる』
『ちょっと待っててねぇ〜〜……遅かったじゃないか夕立』
夕立『そう簡単にはいかない』
『待ちくたびれて困っていた所だ』
夕立『楽しそうにしてたくせに何を言う』
『…フハハハハハハ!』
455 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 23:06:40.68 ID:5wYhAAeXO
隊長『…おい!この男は!』
夕立『なんだ今気付いたのか。このクソ親父はロシア空軍の総司令官だ』
総司令官『夕立、この男とあの怪我をしてる少女は誰だ?』
夕立『あれは少女じゃない、例の女だ。男は護衛らしい』
総司令官『随分と幼く見えたが…そうか、ご苦労だった』
隊長『夕立、お前の夫は何者なんだ?』
夕立『ただの空軍のパイロットだ』
総司令官『おいおい!我が空軍のエースパイロットをそんな風に言わないでくれ!』
夕立『ただの身内贔屓だ』
下2 この後の展開やその他起こったことなど
456 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 23:16:34.99 ID:feSsMz2DO
ちなみに軍人の父ではなく夕立のこの国での身元引き受け人だった
夕立が何故ロシアの要人に顔が利くのか、それは夕立自身の功績もあるが元々はこの養父の威光があったから
軍人は見込みのある部下で良かれと思い夕立に紹介したものだと話す総司令
余計な事をペラペラと…と毒づく夕立
457 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/17(土) 23:39:13.10 ID:v8/XAbUbo
>>456
軍人は何処だと露骨に話をそらしに行く夕立
458 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 23:51:47.29 ID:yZx3PwU30
隊長『夕立、お前は一体…?』
総司令官『なんだ彼は何も知らないのか、私は夕立の父親だ。とは言っても本物の親ではなく、彼女を私が引き取ったんだ』
隊長『身元引き受け人ということか…』
総司令官『彼女の功績は素晴らしい。引き取って良かったと胸を張って言えるが…また指輪を外したのか?』
夕立『子どもの世話には邪魔なんだよ』
総司令官『彼女の夫である軍人は私が紹介したんだ。見込みのある部下で良かれと思って…』
夕立『余計な事をペラペラと喋るな』
総司令官『ん?』
夕立『…それより軍人は何処に居るんだ』
459 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/17(土) 23:57:12.49 ID:yZx3PwU30
龍驤「……なぁ、さっきから何を話してんの?」
隊長「その前に聞きたい。夕立の夫について知っていたか?」
龍驤「知ってるよ。子育てが大変やって手紙も見せてもらったし」
隊長「知らないのは俺だけか…」
龍驤「あ…ごめんな?知ってると思ってたんよ」
隊長「……夕立は軍人に会いに行くそうだ。この男達と一緒に空母に向かうらしい」
龍驤「やっぱりこのおっちゃん軍人やったか…凄い雰囲気やもんな」
隊長「そして…呼び出しがあるまでこの家で子守をしろと」
龍驤「…夕立の子ども?確か三つ子の……」
隊長「……俺も手伝うしかないんだろう」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
460 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/18(日) 00:05:25.42 ID:rDwD/mmQo
孤児院で身につけたスキルでしっかり子供をあやす龍驤
その様子を見てるとやはりテロリストには見えない隊長さん
461 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/18(日) 00:07:27.07 ID:Zum4cUuto
三つ子はそれぞれ性格がちょこちょこ違って好き勝手動くけど孤児院手伝い仕込みの龍驤もなんとかついて行けてる
隊長?疲れ果ててるよ
462 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/18(日) 00:22:05.57 ID:+8ttSGFk0
ーー
「「「きゃっきゃっ」」」
隊長「なんなんだこれは…」
龍驤「ほら、ちゃんと目の届く所におってな〜」
隊長「動き回る子どもが…こんなに体力を…」
龍驤「義手があったらもうちょい楽なんやけどなぁ…」
隊長「…やはりどう見てもテロリストには見えない。それどころか……」
龍驤「はいはい、こっちおいで〜」
隊長「……」
隊長「美しいとは…こういうことを言うのだろうか」
ーー
463 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/18(日) 00:22:39.84 ID:+8ttSGFk0
今日はここまでです
コメントなどあればお願いします
464 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/18(日) 00:33:30.00 ID:rZbScB1DO
お疲れ様でした
この流れは…
465 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/18(日) 00:36:13.10 ID:nWZLy/r4O
乙でした
ベビーシッター龍驤!
単純なテロリストとして扱われることはなさそう?
単騎でも旧ソ連の破壊兵器を何とかしようとした存在なら逆に反ソビエトの生き証人みたいなプロパガンダにできるし
466 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/18(日) 00:44:07.08 ID:YJwULwy4o
乙
急にぽいぽいから噛み付かれることはないのか…な…?
子供つよい
467 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/18(日) 19:05:44.68 ID:+8ttSGFk0
ーー
龍驤「だいぶお疲れみたいやねぇ」
隊長「……こんな経験ははじめてだ」
龍驤「訓練とかよりキツイん?」
隊長「ジャングルでの訓練より過酷だ…」
龍驤「あはは、それはオーバーやで」
隊長「…貴女はなぜ平気なんだ」
龍驤「孤児院でおったことあるから。三人くらいやったらギリギリ大丈夫やで」
隊長「孤児院…か」
隊長(話を聞けば聞くほどテロリストとは程遠い…)
468 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[saga]:2020/10/18(日) 19:08:30.37 ID:+8ttSGFk0
龍驤「でもまぁなんとか寝てくれたし、ちょっとはゆっくりできるで〜」
隊長「…そうだな」
龍驤「よし…お風呂でも入ろかな。隊長さん先入る?」
隊長「いや…」
龍驤「ほなウチが先に入るわな〜」
隊長「……」
隊長「俺は何をしているんだ…子守など、俺がすることじゃないというのに…」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
469 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/18(日) 19:15:19.31 ID:3GEN6TLdO
調べた情報では深海棲艦の成虫を倒した英雄
今はテロリストの疑いをかけられてる
接してみてわかったのはそのどちらも当てはまらない気しかしないと言うこと
470 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/18(日) 19:23:16.42 ID:rDwD/mmQo
>>469
そんなことを考えながら食事くらいは作ろうと野営で身につけたスキルで簡単なものを作り出す
471 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/18(日) 19:38:33.18 ID:+8ttSGFk0
ーー
隊長「軽空母龍驤。訓練所から某鎮守府に所属。その後足りないもの鎮守府へ移籍となり左腕と左脚を失う怪我を負う」
隊長「深海棲艦の成虫体が出現した際にはそれを倒した英雄と呼ばれる様になり、その功績が認められ横須賀鎮守府へ栄転」
隊長「だが…今はテロリストの疑いをかけられてる」
隊長「彼女と接してみて分かったのは、そのどちらも当てはまらないということだ。英雄と呼ばれるにはカリスマ性が無く、テロリストにしては優しすぎる」
隊長「これほど真実が見えてこないヤツも初めてだ…」
隊長「…ただ待っているのでは手持ち無沙汰だ。せめて食事くらいは作るか」
472 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/18(日) 19:43:24.81 ID:+8ttSGFk0
隊長「材料と火があるなら料理は作れる。野営で鍛えたスキルを……」
うわぁーーーー!
隊長「なんだ、敵襲か!?」ガチャッ
ダダダッ
隊長「どうした!?敵はどこに居る!?」
龍驤「い、痛ぁ…!!」
隊長「ぅお!!」
龍驤「あ…ごめんな……ユニットバスに…慣れて……無くて…転んでしもたんよ…」
隊長「わ、分かった!分かったから…下を隠せ…!!」
龍驤「大声出してごめん……平気やから…隊長さんはゆっくりしといてな……」
隊長「……!」バタンッ
下2 この後の展開やその他起こったことなど
473 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/18(日) 19:53:59.50 ID:rZbScB1DO
別れた妻と子供の事を思い出す隊長
任務ばかりで家庭を省みない人だった
当然ながら離婚する事になり親権も取られますます仕事人間になっていった
474 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/18(日) 20:00:31.02 ID:/l3P2iano
>>473
475 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/18(日) 20:00:32.05 ID:3GEN6TLdO
彼女は羞恥心がないのか…?なんて見てしまったものを忘れようとしながらまた料理
そういえばこうやってキッチンで誰かに料理なんて久しくやってなかったな…
から
>>473
476 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/18(日) 20:10:42.35 ID:+8ttSGFk0
ーー
龍驤「さっきはごめんなぁ、変なもんも見せてしもたし」
隊長「……」
龍驤「あ、料理作ってくれたん?ありがとうな」
隊長「……」
龍驤「…どうしたん?ウチ、そんなに機嫌損ねてしもた?」
隊長「少し…昔のことを思い出していたんだ」
龍驤「ひょっとして隊長さんって結婚して……別れた?」
隊長「…なぜそう言える」
龍驤「ウチの裸見ての反応…かな」
隊長「そうだ……俺には妻と子どもが居たんだ」
477 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/18(日) 20:17:53.93 ID:+8ttSGFk0
隊長「俺は家庭を失った。だがそれは当然だ、任務ばかりで家庭を省みなかった」
隊長「ある日、一ヶ月ぶりに家に帰ると妻と子どもが消えていた。家に残っていたのは離婚届だけ…」
龍驤「親権も取られたんやね…」
隊長「平気で一ヶ月も家を開ける人間が子どもなんか育てられるはずが無い。しかし結果としてそれは正解だった」
龍驤「なんで?奥さんと子どもを失ったんやで?」
隊長「今まで以上に仕事に集中できたんだ。その結果特殊部隊の隊長にまでなれたんだ」
龍驤「…ごめん、とても正解とは思えれへんわ」
隊長「俺の仕事を侮辱するのか」
龍驤「仕事は侮辱せぇへんけど、あんたのことはアホやって言うたる」
隊長「何故だ」
龍驤「奥さんと子ども以上に大切なもんはこの世に無いはずやろ」
隊長「……」
龍驤「なんで追いかけへんだん?実家に行けば間に合ったかもしれへんのやで」
龍驤「家庭も守られへん奴に…ウチは守って欲しくない」
下2 この後の展開やその他起こったことなど
478 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/18(日) 20:28:34.13 ID:rZbScB1DO
そうかもしれん
だが俺一個人として家族を守るのは限界がある
だが特殊部隊隊長としてなら結果的に家族も…その周りの人間も守れると俺は信じている
不器用な人やね…まるで…
その自身の反応に気付いた龍驤の顔が青くなる
重ねたらあかん…あかん…と
479 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/18(日) 20:39:10.50 ID:Y4gvbkrQO
隊長の考えるマクロな平和と龍驤の考えるミクロな平和
龍驤とのやり取りの中でマクロな視点に偏ってたのだろうかと少し考える
逆に横須賀の提督の動機はミクロな平和を守ろうとしてで、どのように結果をマクロに延長させたのだろうかととも
480 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/18(日) 20:51:56.63 ID:+8ttSGFk0
ーー
隊長「俺は世界からテロリストやレジスタンスの奴らを消せば、世界は平和になると考えている」
隊長「龍驤達の考えている平和とは真逆だ。奴らは自分達やその周りを守ることしか考えていない」
隊長「そんな考えは世界の平和には繋がらないと…普通ならそうなんだ」
隊長「横須賀提督は小さな平和を守ろうとして、結果的に世界を救った。龍驤ではなく真の英雄は彼だ」
隊長「一体どうやったというんだ。彼の考えが具体的に説明できるのなら、それこそ世界は平和へと…」
481 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/10/18(日) 20:56:48.86 ID:+8ttSGFk0
コンコン
隊長「…なんだ」
龍驤「ちょっとええかな?」ガチャッ
隊長「今日はもう疲れたんだ、こっちは早く寝たい」
龍驤「そう言わんと…ちょっとだけ、な?」
隊長「手短にしてくれ」
龍驤「あのな…ウチのことどう思ってる?」
隊長「何がだ」
龍驤「…分かってしまうんよ。ウチは艦娘やけど女なんやで」
隊長「意味が分からないぞ」
龍驤「ウチのこと気にしてくれてるやろ。この腕と脚やなくて……女として」
隊長「……」
龍驤「子どもらも寝て……二人きりやね?」
隊長「安価」
下2 隊長の台詞やその他行動など
482 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/18(日) 21:10:21.17 ID:YJwULwy4o
隊長「何を馬鹿な事を、お互い悲しむ相手がいる…」
龍驤「ほらやっぱりな。奥さんや子供に未練あんのやろ?」
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