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【咲安価】京太郎「清澄の探索者」その2【ADV】

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945 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/05(木) 23:42:44.13 ID:wRcAuEFd0
 【4日目 10:40】 楸野宅 地下研究室


染谷先輩の言う「凄いもん」は、やはり階段を降りてきた俺たちの度肝を抜いた。
楸野が話していた代々の研究がここで行われていたのだろうか......しかし中でも、山下はこの異質な空間に興奮を隠せないようだった。

山下「スゲぇ......こんなの実物どころか史料記録でも見たことねえよ」

山下「民俗学専攻の連中が......いいや、柳田國男だってこれを見たらひっくり返るほど驚くに違いねえぜ」

優希「おいゴリラ!今はこっちのほうが大事だじぇ」

山下「すまんすまん」

京太郎「しかし、こんなところに霎伝があったなんてな......和、これはどこに?」

和「そこの研究机の引き出しです。二重底で巧妙に隠されていましたが、ゆーきがあっさり見つけたんですよ」

京太郎「マジかよ!?優希、お前やっぱやるなぁ!」

優希「えっへん!」フンス

狭い部屋に拍手が湧き上がる中で山下は桐箱から取り出した『霎伝』を食い入るように読んでいる。
それから何ページか捲ってみたり目頭を押さえてみたりして、ようやくその顔を上げた。

和「山下さん...どうですか?」

山下「結論から言えば、読み解くことは不可能じゃない」

山下「幸いこの部屋は史料が文字通り腐るほどあるし、全体の内容を掴むだけなら4,5時間あれば終わるだろう」

久「し、4,5時間も......もっと早くならないの?」

山下「無茶言うな!そりゃあ、手伝ってくれる人が何人か居れば多少は短縮できるかもしれないぜ」

山下「古典について少しでも知っていると有り難いんだが......丁度、ここには学生が沢山居るしな」

優希「えっ?......いい天気だな、うむ」

山下「......まあ、とにかく時間が必要だ。その間に出来ることがあればやっておいてくれ」
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