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【咲安価】京太郎「清澄の探索者」その2【ADV】

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340 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/10/05(月) 23:17:08.74 ID:7ckI3s/i0
私は米本まり。長いけれど読んでほしい。そして、これを見る人が良心ある人間であることを願う。

最初に結論から言うと、私は今追われている。既に一人消えて次は私だ。
私は恋人とこの村に旅行へ来た。私は普段からこの近くの街に住んでいるけれど、彼女は普段都心で働いているので久々の休養だった。
旅館についたその日のうち、夕方に恋人は突然姿を消した。最初は村を見て回ってくるといって外に出た。
日も傾いていたので明日にしたらどうかと言ったが、結局そのまま行ってしまった。
最初はあの時もっと強く止めておけばと思ったけど......実際のところそんなことしなくとも時間の問題だったのかも。
恋人が帰ってこないということを旅館の主人に言ったがまともに取り合ってもらえない。もう遅かったので、日が昇ってから自分で探すことにした。

次の日、つまり今日。朝から私は村人に顔写真を見せて回った。
最初は柔らかい物腰で対応してくれた人も聞いた途端に冷たくなったり挙動不審になったりした。今思えばこの時から怪しむべきだった。
そのあと昼にかけて私は村の東の方にある山を探したけど、その間ずっと目線を感じていた。
そして最後に、地面にネックレスが落ちているのを見つけた。私が彼女にあげた世界に一つのものだ――――見間違えのはずがなかった。
私は必死で逃げた。この村は何かがマズいということだけは分かった。結局旅館にも戻らなかったから、持っているのは携帯とこのメモ帳だけだ。
目線は一瞬で消えたけど、すぐに追手が来たのがわかった。今でも遠くから茂みをガサガサと揺さぶる音が聞こえてきている......多分、男三人組だ。

私は今、村の西にある神社の境内に身を隠している。もう日が暮れているし豪雨だからしばらくは大丈夫だろうけど、いつかは見つかってしまう。
寒いけれどここに留まることもできないし、これから森を越えて街の方へ向かう。街までは行けないだろうけど、電話が繋がるところまでたどり着けるかもしれない。
最後に繰り返すけどこの村は確実にヤバい。あなたがもし旅行者か何かであれば、すぐに離れるべきだ。

幸運を祈ってる。
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