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【モバマス×ポケモン】藍子「めざせポケモンマスター! …ポケモン、マスター?」

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222 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:13:08.66 ID:yfIz8WXJ0

藍子「は、速いです……速いですってば! ちょっと待って凛さあああぁぁぁぁぁん」

ワハハハハハハハハハ

『なんだあの娘めちゃくちゃ面白いじゃねーか!』

『おーい嬢ちゃーん! ビビってないでちゃんとポケモンも捕まえるんだぞー!』

凛「……」ポカーン

ジムトレーナー『ほらチャレンジャー! 早速最初のポケモンがお出ましだぜ!』

バチャッ

タマンタ「タマンター」

藍子「こ、これって片手で投げないといけないんですか……?」

ジムトレーナー「もちろんさ。でないとチャレンジャーが海にドボン、だぜ」

藍子「う、うう……!」

藍子「怖いけど、やるしかない……藍子、いきます!」バッ
223 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:14:05.83 ID:yfIz8WXJ0

藍子「いけー、ダイブボール!」ブゥン

タマンタ「……」スカッ

藍子「あ、あれ……」

グラッ

藍子「!?」

藍子(しまった、前に傾きすぎた――)

ボチャーン

『あちゃー、派手にいったなー!』

ワハハハハハハ

凛「……」

凛「……ぷっ」

…………………………………
224 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:16:08.16 ID:yfIz8WXJ0

ジムトレーナー「捕まえたポケモンは……3匹か! 初めてにしてはいい成績じゃないか」

藍子「あ、ありがとうございます……普通にバトルするよりも疲れました……」

ジムトレーナー「さて、じゃあ次の競技は――」

藍子「ま、まだあるんですか!?」

ジムトレーナー「なんて冗談だよ冗談。もう充分にお客さんも楽しませてくれたみたいだし、スタジアムに進んでいいよ」

ジムトレーナー「実はさっきの課題にはノルマなんてなかったんだ。純粋にマリンスポーツを楽しんでほしい、ってジムリーダーの要望だからね」

藍子「そ、そうだったんですか……」

ジムトレーナー「あ、そうそう。うちのジムリーダーはZワザっていう珍しい技を使うトレーナーなんだ。くれぐれも気をつけろよな」

藍子「えっ……Z、ワザ……?」

ジムトレーナー「おっと、この先は戦ってみてのお楽しみ、ってことで。じゃ、ウェイクボード、またやってくれよな!」

藍子「は、はい……気が向いたら」

ザッザッ

225 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:17:30.37 ID:yfIz8WXJ0

??「こんにちは、チャレンジャーさん!」ザッ

美波「バウタウンジムリーダーの美波です。対戦、よろしくお願いします!」

藍子「よ、よろしくお願いします!」

美波「ウェイクボード、どうでしたか? ちょっと難しかったかな?」

藍子「はい、すごく大変でした……あんなに激しい波を乗りこなす人ってすごいなあって思います!」

美波「ふふ、そうですね。……水は色んな表情を持っているんです。時には清らかで優しく私たちを癒してくれますが、激流となって襲いかかってくることもあります」

美波「私はそんなみずタイプのエキスパートです。時に優しく、時に激しい波のように……あなたを呑み込んであげますね!」キッ

藍子(! 目つきが変わった……!)

美波「使用ポケモンは4匹、全員が戦闘不能になれば終了です。ダイマックスも使用可能です。では……美波、行きます!」

ジムリーダーの美波が勝負をしかけてきた!
226 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:19:27.08 ID:yfIz8WXJ0

藍子 手持ちポケモン

ゴリランダー (しんりょく) Lv53
むじゃきな性格 血の気が多い
ドラムアタック/アクロバット/ウッドハンマー/いやなおと

マホイップ (スイートベール) Lv52
おだやかな性格 のんびりするのが好き
マジカルシャイン/マジカルフレイム/デコレーション/あまいかおり

サニーゴ (はりきり) Lv52
わんぱくな性格 うたれづよい
アクアブレイク/パワージェム/じたばた/いのちのしずく

ドラメシヤ (すりぬけ) Lv45
さみしがりな性格 すこしおちょうしもの
おどろかす/でんこうせっか/かみつく/みがわり

ヤドン (マイペース) Lv49
おっとりした性格 抜け目がない
サイコキネシス/なみのり/しねんのずつき/かなしばり
227 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:24:05.21 ID:yfIz8WXJ0
今回はここまでです。いよいよZワザ使いの登場ですね
ウェイクボードを選んだのは昔Wii Sports Resortでよく遊んでたからです
あと今回のジムトレーナーの脳内イメージはククイ博士です

明日から冠の雪原ですね、みなさん楽しんできてください
主は残業を楽しんできます。。。
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/22(木) 23:26:26.17 ID:lKJQRFcG0
乙 Zワザやウェイクボードって美波はアローラ出身かな?
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/24(土) 00:22:25.34 ID:1iBS7lkT0
まさか化石ポケモンが野生で出てくるとは…
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/25(日) 12:14:22.93 ID:QE9rMlw70

そういえばDLCの舞台にそのうち言ったりするんかね?
231 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:21:33.45 ID:wB/wputz0
いやあ…まさか化石ポケがあんな大量に内定するとは思わなんだ
そして堰を切ったように準伝がウジャウジャ出てきましたね。このSSにはどれだけの数が出られるのでしょうか

では投下していきます
232 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:22:27.98 ID:wB/wputz0

藍子「ゴリランダー、お願い!」ポンッ

ゴリランダー「ゴリ!」

美波「いくよ、シャワーズ!」ポンッ

シャワーズ「シャワ!」

シャワーズ あわはきポケモン みずタイプ
突然変異によりヒレとエラが生え、水中で生活できるようになった
細胞が水の分子に似ているため、水に溶けると見えなくなる

藍子(相手はみずタイプ……ゴリランダーなら序盤は有利に戦えるはず)

藍子(でも相手はジムリーダーだし、きっと対策もしてきている。気を付けていこう)

藍子「ゴリランダー、ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」ゴゴゴゴゴ

シャワーズ「シャワ……!」ズバァン
233 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:23:56.52 ID:wB/wputz0

美波「いい攻撃ですね! シャワーズ、あまごい!」

シャワーズ「シャワ」パァァ

ザァァァァァァ

藍子「もう一度ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」

シャワーズ「シャワ……!!」ズバァン

藍子「よし、これで――」

シャワーズ「シャワ……!」グググ

藍子「――倒しきれなかった……!」

美波「シャワーズは体力が自慢ですから! クイックターン!」

シャワーズ「シャワ!」バシュゥ

ゴリランダー「ゴリ!」バシィ
234 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:24:45.25 ID:wB/wputz0

美波「クイックターンは威力こそそれなりだけど……」

シュゥゥ

美波「攻撃しながら控えのポケモンと入れ替われる! 次いくよ、ランターン!」ポンッ

ランターン「ランター」

ランターン ライトポケモン みず・でんきタイプ
深海を泳ぐランターンの明かりは水面まで届く
光で獲物の目を眩ませ、ひるんだ隙に丸呑みにする

美波「ランターン、でんじは!」

ランターン「ランター!」バリリ

ゴリランダー「ゴリ!?」ビリリ

藍子「ゴリランダー!」

ゴリランダー「ゴリ……!」
235 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:25:34.63 ID:wB/wputz0

凛(マヒか……これは後半に響いてきそうだね)

凛(ここで状態異常にしたということは、この後の相手の出方としては……やっぱりくさタイプへの対策としてこおり技を覚えているはず)

凛(それを着実に当てるためのでんじは、かな――)

美波「ランターン、ハイドロポンプ!」

ランターン「ランター!」ドバァァァァ

ゴリランダー「ゴリ……!」

藍子「……? みす技……?」

美波「ふふっ、侮っていたら痛い目を見ますよ。そのうち……ね」ニッ

凛(そのうち……)

凛(! 今の天気は雨……まさか)
236 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:26:29.45 ID:wB/wputz0

藍子(……なんだか嫌な予感がする。とにかく早く倒さないと)

藍子「ゴリランダー、いやなおと!」

ゴリランダー「ゴリ!」ォォォン

ランターン「ランタ……!」

藍子「よし……ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ! ……ッ!!」ビリリ

美波「今よ! ランターン!」

ランターン「ランター!」ゴロロロロ

凛(! あれは……!)

美波「かみなり!!」

ランターン「ランター!!」バリリリリリ

ゴリランダー「ゴリ……!」

ドゴォォォォン
237 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:28:53.34 ID:wB/wputz0

ゴリランダー「ゴリ……」グラッ

藍子「!! そんな、効果はいまひとつのはずなのに!」

美波「相性だけの結果じゃないですよ。水は電気をよく通す……そうでしょ?」

藍子「! さっきのハイドロポンプはそのための……!」

美波「たしかにみずタイプはくさタイプやでんきタイプには弱い。でもそんな相性の差をひっくり返すくらいの技量がなきゃ、伊達にジムリーダーはやれていませんよ!」

藍子「……さすがジムリーダーです。やっぱり、そう簡単にはいかないですよね……!」

藍子(雨の中ではかみなりは避けられない……一撃で勝負をつけないと)

藍子(まだ未完成だけど……あれを試すしかない!)
238 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:29:54.10 ID:wB/wputz0


………………………………………………

朝練中

凛「ねえ、藍子」

藍子「? どうかしましたか?」

凛「前に私さ、ゴリランダーはバチンキーの時みたいに素早く攻撃を躱すのは厳しいって言ったよね」

凛「でも、一つ思いついたんだ。ゴリランダーに機動力を持たせられるかもしれない戦法」

藍子「! 本当ですかっ?」

凛「うん。といってもまだイメージの段階なんだけどね。ゴリランダーが必ずしもその通りに動けるかどうかはわからない」

凛「ただ、このイメージを形にできたら、すごく心強いと思うんだ。よかったら、試してみない?」

藍子「ぜひ! お願いします!」


………………………………………………
239 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:30:56.66 ID:wB/wputz0

藍子「ゴリランダー、ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」ドンドコドンッ

凛(! 藍子、あれを試すんだ……!)

美波「ランターン、来るよ!」

ランターン「ランター」ググッ

美波(ドラムアタックは地面から攻撃する技……どこからでもダメージを抑えられるようにしなきゃ)

ボコッ

美波「!? 自分の足元っ!?」

藍子「ゴリランダー、ドラムと一緒に跳び上がって!」

ゴリランダー「ゴリ!」ギュンッ

美波「なっ!?」

藍子「これで一気に決めます!」
240 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:31:49.43 ID:wB/wputz0

藍子「ウッドハンマーとドラムアタックの……連続攻撃です!!」

ゴリランダー「ゴリ!!」バシィ

ランターン「ランタッ……」

グワッ

ランターン「!!」

ドゴォォォォン

美波「!!」

ランターン「ランター」バタンキュー

ドローンロトム『ランターン戦闘不能! ランターン戦闘不能!』

ワァァァァァァァ
241 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:32:56.25 ID:wB/wputz0

凛(よし……完璧だ)

藍子「よし……うまくいきました!」

美波(ウッドハンマーで体勢を崩してすかさずツタで追撃……ゴリランダーがこんな素早い連続攻撃をしてくるなんて)

美波「お疲れ様、ランターン。……やっぱり、あのゴリランダーは真っ先に倒しておきたいな」

美波「お願い、アシレーヌ!」ポンッ

アシレーヌ「アシレー!」

アシレーヌ ソリストポケモン みず・フェアリータイプ
群れの仲間に学び、代々受け継がれてきた歌で戦う
毎日の喉のメンテナンスは、トレーナーの大切な役目だ

『出たァー! 美波のエースポケモンだァー!』

『ということはアレが来ちゃうのかー!?』

藍子(アレ……? それにもうエースが出てくるって……)

美波「よし……いくよ、アシレーヌ!」

バッ
242 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:33:47.15 ID:wB/wputz0

凛(あれは……)

凛(美波が腕につけているリング……よく見たらダイマックスバンドじゃない……? なら一体……)

キランッ

美波「母なる海に抱かれて……響け、波の彼方まで!」

アシレーヌ「アシ!」コォォォォォォォォ

藍子「! 何か来る……気をつけて、ゴリランダー!」

美波「私たちのゼンリョク、お見舞いします! わだつみのシンフォニア!!」

アシレーヌ「アシレー!!」

シュゥゥゥゥゥゥゥ
243 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:34:20.65 ID:wB/wputz0

藍子「!? み、水が……降ってくる……!?」

藍子「ゴリランダー、ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴ、ゴリ!」ドンドコドンッ

パシィ

藍子「そんなっ!」

アシレーヌ「アシレェェェ!!」

ズドォォォォォォォン

藍子「わあっ!!」

凛(! 客席まで水しぶきが……)

凛(今のは、一体……)
244 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:34:55.09 ID:wB/wputz0

ゴリランダー「ゴリ……」バタンキュー

ドローンロトム『ゴリランダー戦闘不能! ゴリランダー戦闘不能!』

アシレーヌ「アシレー」ペコリ

藍子「そんな……ゴリランダー!」

藍子「みずタイプの技なのに、なんて威力……!」

美波「っ……」ガクッ

藍子「! 美波さん、大丈夫ですか!?」

美波「……大丈夫、ちょっとふらついただけです」

美波「前触れもなく出しちゃってごめんなさい。藍子ちゃんは初めて見たかもしれないけど、これが私たちの武器、Zワザなんです」

藍子「Zワザ……」
245 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:35:44.52 ID:wB/wputz0

美波「はい、今回はダイマックスの代わりに使わせてもらいました。おかげで厄介なくさタイプを突破することができましたよ」

藍子(! そうだ、美波さんはまだ3匹も残されているのに、もうゴリランダーが倒されてしまった……)

藍子(もうみずタイプに有利なポケモンはいない……気を引き締めないと)

藍子「まだまだこれからです……ヤドン!」ポンッ

ヤドン「……やどーん」

美波「アシレーヌ、戻って。いくよ、ジュゴン!」ポンッ

ジュゴン「ジュゴーン!」

ジュゴン あしかポケモン みず・こおりタイプ
全身が雪のように真っ白で寒さに強く、むしろ寒いほど元気になる
8ノットのスピードで冷たい海を泳ぐ
246 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:36:21.86 ID:wB/wputz0

美波「ジュゴン、れいとうビーム!」

ジュゴン「ジュゴーン!」コァァァァァ

藍子「サイコキネシス!」

ヤドン「……」

藍子「……ヤ、ヤドン……?」

ヤドン「……! やど――」

ピキーン

ヤドン「」

『おいおい遅すぎだろー!』ワハハハハハ

『そんなノロマなポケモンでどう戦うんだよー!』ワハハハハハ

藍子「っ……」
247 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:37:12.00 ID:wB/wputz0

美波「アクアテールで吹っ飛ばして!」

ジュゴン「ジュゴーン!」

バシィィッ

ヤドン「……!」ズガァン

藍子「ヤドン!」

藍子(やっぱり正攻法じゃダメだ……相手のペースについていけない)

藍子(でも、どうすれば……)

凛(……やっぱり問題はあのヤドンだね)

凛(サニーゴのように耐えて反撃するような頑丈なポケモンでもないし、そもそも先回りして指示を出さないと防御もまともにできない)

凛(なんとか攻撃を当てられたらいいんだけど……守ることも躱すこともできないなら、ただ相手のサンドバッグになってるだけだ)

凛(藍子……)
248 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:38:38.84 ID:wB/wputz0

美波「私は待つ気はありませんよ! もう一度れいとうビーム!」

藍子「サイコキネシスで迎え撃って!」

ヤドン「やどーん」パァァ

ズバンッ

美波「……攻撃を防ぐので精一杯みたいですね」

美波「もしかして、ゴリランダーだけを頼りに私を倒すつもりだった……わけではありませんよね?」

藍子「! そんなことは……」

藍子「……いえ、たしかに私はゴリランダーを頼りすぎていたのかもしれません。かな子ちゃんも泉ちゃんも、ゴリランダーがいなかったら倒せなかったです」

藍子「……だからこそ、ゴリランダーがいなくても勝ってみせます!」キッ

美波「そう、その調子だよ、藍子ちゃん!」

藍子「!」

美波「もっとヤドンの能力を引き出してみせて! いくよ、ジュゴン!」

ジュゴン「ジュゴーン!」バッ
249 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:39:25.73 ID:wB/wputz0

藍子「ヤドンの能力を……引き出す……」

藍子「!」ハッ

美波「アクアテール!」

藍子「ヤドン、かなしばり!」

ヤドン「やどーん」キッ

ジュゴン「ジュゴ!?」ピタッ

藍子「よし、動きを止められた……チャンスは今しかない!」

藍子「ヤドン、自分にサイコキネシス!」

ヤドン「……」

美波「自分に……? させない! れいとうビーム!」

藍子「お願い、届いて……!」

ヤドン「……!」

フワッ
250 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:40:20.76 ID:wB/wputz0

ヤドン「やどーん」ギュンッ

美波「!」

『なにっ、ヤドンが飛んだぁ!?』

『いや、飛んでるんじゃない! 浮き上がってるんだ!』

凛(……!)

凛(そうか、ヤドン自身は鈍足だけど、ヤドンが操るサイコパワーなら……!)

ヤドン「やどーん」ギュンギュンギュン

美波「ヤドンがすごい速さで空中を駆け回ってる……」

美波「あれは……本当にヤドンなの……?」

藍子(できた……けどまだ制御が効いてないんだ!)

藍子「ヤドン、狙いはジュゴンだよ!」

ヤドン「やどーん」ギュン

藍子(速い……でもこのスピードでなら!)
251 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:41:01.36 ID:wB/wputz0

藍子「ヤドン、そのまま突っ込むよ! しねんのずつき!!」

ヤドン「やどーん」パァァ

美波「っ、ジュゴン、れいとうビーム!」

ジュゴン「ジュゴ!」コァァァァァ

ヤドン「やどーん」ヒョイッ

美波「そ、そのスピードで躱すの!?」

ドカァァン

ジュゴン「ジュゴ……」グラッ

藍子「よし……」

藍子(ヤドンは鈍感すぎて痛みを感じるまでに時間がかかる。なら痛みを感じる前に、次の攻撃を繰り出せば……!)

藍子「もう一度しねんのずつき!!」

ヤドン「やどーん」ギュンッ

ズガァァァン
252 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:41:48.81 ID:wB/wputz0

『決まった……のか?』

『……いや、でもあの勢いならヤドン自身も……』

ジュゴン「ジュゴーン」バタンキュー

ヤドン「やどーん」バタンキュー

ドローンロトム『ジュゴン、ヤドン、共に戦闘不能! 戦闘不能!』

藍子「相討ち……でもよく頑張ったね、ヤドン」シュゥゥ

美波「……そっか、今の、どこかで見たことあると思ったら」

美波「泉ちゃんのバリコオルが使う戦法……あれを真似たんだ」

美波(初めてあの場で閃いたような仕草だったのに、見る間に成功させるなんて……)

美波(……いや、偶然じゃない。きっとゴリランダーの連続攻撃、あれの応用として閃いたんだ)

美波(こんなにセンスのあるトレーナー、久しぶりに戦ったかも……!)
253 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:42:43.51 ID:wB/wputz0

フッ

美波「雨が上がった……ならもう一度、シャワーズ!」ポンッ

シャワーズ「シャワ……」

藍子「マホイップ!」ポンッ

マホイップ「マホ〜!」

美波「あまごい!」

シャワーズ「シャワ!」

ザァァァァァァ

藍子「またあまごい……でも今はシャワーズを確実に倒さないと」

藍子「マジカルシャイン!」

マホイップ「マホ〜」ピッカァ

シャワーズ「……!」ズバンッ

ドローンロトム『シャワーズ戦闘不能! シャワーズ戦闘不能!』
254 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:43:40.19 ID:wB/wputz0

美波「……仕方ないね。シャワーズ、ありがとう」

藍子(これで、あとはアシレーヌだけ……!)

美波「藍子ちゃん、強いね。藍子ちゃんならではの技の組み合わせ方、すごく魅力的だと思うな」

美波「私も、もう少し意地を張らせてもらうね……! アシレーヌ、いくよ!」ポンッ

アシレーヌ「アシレー!」

藍子(アシレーヌ……またZワザがくるかもしれないし、チャンスは今しかない……!)

藍子「マホイップ!」シュゥゥ

美波「! ダイマックス……そうこなくっちゃ!」

グンッ

藍子「マホイップ……お願いっ!」ブウンッ

カッ

マホイップ「マホォォォォォォォォ」ズドォォォン
255 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:44:16.80 ID:wB/wputz0

『おおっ、ダイマックスかッ!!』

『くーっ、ダイマックス対Zワザの対決も見てみたかったんだがなぁー!』

凛「……? どういうこと……?」

凛「まるでもうZワザが使えないみたいな言い方だけど……」

美波「マホイップは特殊攻撃に強いけど、雨で増した攻撃なら押し切れるはず!」

美波「アシレーヌ、うたかたのアリア!」

アシレーヌ「アシレー!」ォォォォ

藍子「マホイップ、ダイフェアリー!」

マホイップ「マホォォォォォォォォ」キラリーン

ブンッ

ズドォォォォォン

美波「さすがダイマックス技だね。でも……」
256 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:45:05.59 ID:wB/wputz0

藍子「……? これは……」

藍子「! アシレーヌの姿が見えない……!?」

美波「そう、ダイフェアリーは場をミストフィールドに変える技。そして今は雨も降っているわ」

美波「だからいつもより霧が濃い状態なの。この霧はダイマックスポケモン同士ならあまり関係のない要素だけど……」

美波「今のアシレーヌなら、簡単に姿を隠すことができる!」

藍子「!」

美波「うたかたのアリア!」

アシレーヌ「アシレー!」ォォォォ

マホイップ「マホォォ……!」

藍子「くっ……ダイフェアリー!」

マホイップ「マホォォォォ」キラリーン

美波「アシレーヌ、落ち着いて躱すよ!」

アシレーヌ「アシレー」バッ

ズドォォォン
257 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:45:46.39 ID:wB/wputz0

藍子(だめだ、このままじゃ攻撃を当てられない……!)

藍子(だけど攻撃手段もダイフェアリーしかない。でもそれも躱される……)

藍子(……せめてダイマックスしなければ……)

藍子「……いや、それは言い訳ですよね」

藍子「どこかにあるはずなんです……この状況を破るチャンスが!」

美波「まだまだ、うたかたのアリア!」

アシレーヌ「アシレー!」ォォォォ

藍子「マホイップ、耐えて……!」

藍子(……ダイフェアリーは霧を発生させる技。今はそのせいでアシレーヌの姿が見えなくなっている)

藍子(たぶんあの霧は時間が経てば消えていくんだろうけど、それを待っている余裕はない。その前にアシレーヌに倒されてしまう)

藍子(……消えていく……)

藍子(! 霧を生み出せるなら、その逆も……!?)

藍子(でもどうやって……それを考えるんだ……)
258 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:46:44.17 ID:wB/wputz0

アシレーヌ「アシレー!」ォォォォ

藍子「! マホイップ、ダイウォール!」

マホイップ「マホォォォォォ」ガキンッ

美波「っ……さすがにダイウォールは固いね……!」

藍子「……!!」ハッ

藍子(ダイウォール……そうだ、この手があった!)

藍子「マホイップ、ダイフェアリー!」

マホイップ「マホォォォォォォ」キラリーン

美波「アシレーヌ、懐に潜り込んで!」

アシレーヌ「アシレー」グンッ

『いいぞ、これでダイフェアリーをマホイップに当てさせるんだな!』

『いやあ、ジャイアントキリングはいつ見ても爽快だね!』

『マホイップがんばえー!』
259 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:47:21.26 ID:wB/wputz0

凛「藍子……!」

凛「……? 藍子のあの表情……」

藍子(お願い……間に合って!)

ブンッ

藍子「ダイウォール!!」

マホイップ「マホォォォォォォォォ」

ガキンッ

美波「!?」

ブォォォォォォォォン

アシレーヌ「アシ……!」

美波「うっ……すごい衝撃……」

美波「……!!」

美波「霧が……晴れてる!?」
260 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:47:57.58 ID:wB/wputz0

藍子「見つけましたよ、アシレーヌ!」

藍子「今度こそ決めます……ダイフェアリー!!」

マホイップ「マホォォォォォォォォ!!」

ブンッ

アシレーヌ「アシ――」

ズドォォォォォン

美波「アシレーヌ!!」

アシレーヌ「アシッ……」

ドサッ

ドローンロトム『アシレーヌ戦闘不能! アシレーヌ戦闘不能!』

ドローンロトム『勝者、チャレンジャー・藍子!!』

ウォォォォォォォ

藍子「……やった、やったね、マホイップ!」

シュゥゥ

マホイップ「マホ〜♪」
261 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:49:07.52 ID:wB/wputz0

凛(……なるほど。ダイフェアリーとダイウォールをあえてぶつけることで、自分で起こした霧を吹き飛ばしたんだ)

凛(サイコキネシスとしねんのずつき、それにダイフェアリーとダイウォール……)

凛(両方ともゴリランダーの戦法を応用した藍子自身の作戦だ。この短い間に、さらに2つも編み出すなんて……)

美波「……また負けちゃったね、アシレーヌ。ごめんね」

美波「まさかダイマックス技同士の組み合わせであんなことをしちゃうなんて。完全に油断しちゃってたな」

美波「悔しいけど、完敗だね。藍子ちゃん、はい、これ!」

藍子はマーメイドバッジを手に入れた!

藍子は技マシン「クイックターン」を手に入れた!

藍子「やった……これで7つ目のバッジ……!」
262 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:56:38.32 ID:wB/wputz0
今回は以上です。だいぶ長くなりましたが一気に美波戦を駆け抜けました
Z技の前向上はスイレンですね。まんまじゃなく微妙に言葉を変えてますが
そしてヤドンはどう戦わせたらいいんだと悩んだ挙句、こうなりました
何気にマホイップがダイマックスしたのも初めてでしたね

あと行数を今までの1.5倍くらいにしたんですが、あまり長いとスマホで見るとき折り畳まれてしまうようですね
やっぱり戻した方がいいんじゃろか

ここまで読んでいただきありがとうございました。お疲れさまでした
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/31(土) 01:05:15.86 ID:dHlW88sb0
乙 凛がZワザに興味持ったが流石にZリングまで着け始めたら多すぎるなww
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2020/11/01(日) 00:47:23.92 ID:jYtN3juVO
加藤純一(うんこちゃん) Youtubelive
ポケモンプラチナ『vs金ネジキ』Part1

『ポケモンプラチナ 金ネジキ 一回チャレンジ』
(0:02〜放送開始)


https://youtube.com/watch?v=fnMjYrrq0SA
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 12:18:45.84 ID:WbJT4Mut0

>>263
ゴテゴテしているって点なら凛のキーストーンはペンダント型だから
Zリングとダイマックスバンドを右手左手に分ければ行けるんじゃないか?
まあ今んとこガラルの一部エリア内でしかダイマックスできないから
強くなることを目標にしてんならメガシンカとZ技極める事優先した方がいいんじゃと思う
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2020/11/01(日) 20:32:41.53 ID:jYtN3juVO
加藤純一(うんこちゃん) Youtubelive
ポケモンプラチナ
バトルフロンティアvs金ネジキPart2

『ポケモンプラチナ 金ネジキ 21連勝〜』
(20:02〜放送開始)

https://youtu.be/rW2ammdrtUo
267 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:38:05.51 ID:qzQj1JRV0
ゼンリョクポーズを決めるしぶりん、うーんシュール
今回はずっと前から出そうと思ってた子が初登場です

投下します
268 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:38:34.48 ID:qzQj1JRV0

数時間後 再びバウスタジアム

ランターン「ランター……!」バタンキュー

ゲッコウガ「ゲコ……」ガクッ

ドローンロトム『ランターン、ゲッコウガ、共に戦闘不能!』

凛「お疲れ、ゲッコウガ」

美波「よく頑張ったね、ランターン」

凛(……ここまで3対1。かなり余裕を持って戦えている)

凛(だけど美波の最後の1匹はアシレーヌ……おそらくZワザっていうのも使ってくるだろう)

凛(あれがどのタイミングで、どのくらいの頻度で使われるかわからない以上、まだ気は抜けないな)

凛「サンダース、いくよ!」ポンッ

サンダース「ダース!」
269 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:39:15.26 ID:qzQj1JRV0

美波「最後までゼンリョクでいきますよ、アシレーヌ!」ポンッ

アシレーヌ「アシ!」

凛「やっぱり来たか、アシレーヌ……」

凛「できれば一撃で仕留めたい……サンダース、じゅうでん!」

サンダース「ダース!」バチバチバチ

美波「阻止します! うたう!」

アシレーヌ「アシレー」ラララ

サンダース「ダース!」ヒョイッ

美波「外しましたか……」

凛「よし、サンダース、戻って!」シュゥゥ

凛「いくよ……ダイマックス!!」ブンッ

サンダース「ダァァァァァァス」ドンッ
270 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:40:14.24 ID:qzQj1JRV0

美波「! さすがにこの状態でダイサンダーを受けたら、ひとたまりもないですね……!」

美波「アシレーヌ、こちらもゼンリョクで迎え撃ちますよ!」

アシレーヌ「アシレー!」

キランッ

凛(! 来る……あの構え、Zワザだ!)

美波「母なる海に抱かれて…響け、波の彼方まで!」

アシレーヌ「アシ!」コォォォォォォォォ

美波「この磨き抜いたZワザで……ダイマックスを超えてみせます! わだつみのシンフォニア!!」

アシレーヌ「アシレー!!」

シュゥゥゥゥゥゥ
271 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:41:15.54 ID:qzQj1JRV0

凛「ダイサンダー!!」

サンダース「ダァァァァァァス!!」ゴロゴロゴロ

カッ

ズドォォォォォン

『おおっ!!』

藍子「! 威力は互角……!」

凛「くっ……」

凛「有利なでんき技でも押し切れないなんて、すごいパワーだね、Zワザ……!」

美波「はい。何せトレーナーとポケモンが力を合わせて繰り出す技ですから」

美波「私は……もう負けるわけにはいかないんです! アシレーヌ!!」

アシレーヌ「アシレェェェェェ!!」

凛「!! すごい気迫だ……こっちまで呑み込みそうなくらい」

凛「でもね美波、私だって負けるわけにはいかない。後輩が見ててくれてるからね……!」
272 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:42:01.92 ID:qzQj1JRV0

凛「サンダース!!」

サンダース「ダァァァァァァス!!」

グンッ

美波「……!」

ドゴォォォォン

アシレーヌ「アシレー……」パタリ

美波「……また、負けた……」

ドローンロトム『勝者、チャレンジャー・凛!!』

ワァァァァァァァ

藍子「すごい……さすが凛さん。Zワザにも打ち勝つなんて……!」

美波「……」

美波(うん、決めた)
273 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:42:54.60 ID:qzQj1JRV0

美波「お疲れ様です。すごく強かった……完敗です。約束通り、これを差し上げますね」

凛はマーメイドバッジを手に入れた!

凛は技マシン「クイックターン」を手に入れた!

美波「それと、凛ちゃん。私、凛ちゃんを見込んでお願いしたいことがあるんです」

凛「お願い?」

美波「うん。今夜19時に、町の南にあるレストラン『防波堤』に来てくれませんか?」

美波「事情はそこで話します。……大丈夫かな?」

凛「わかった、『防波堤』だね。もう一日この町に留まる予定だったから、大丈夫だよ」

凛「そうだ、藍子も一緒に来ていいかな。私の連れなんだ」

美波「藍子ちゃん……あ、さっきのチャレンジャー? そっか、二人は知り合いだったんだ」

美波「はい、もちろん。それじゃ、また後でよろしくお願いしますね!」
274 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:43:35.59 ID:qzQj1JRV0

ガラッ

藍子「今回も絶好調でしたね、凛さん!」

凛「ありがとう。……まあ正直、相手の調子が悪かったっていうのもあるけどね」

ガヤガヤ

観客A「……美波ちゃん、また負けちまったなあ」

観客B「珠美ちゃんに連敗してからもうずっとあの調子だよ。どうしちゃったのかな」

観客C「ガラル最強ジムリーダーも落ちぶれたモンだな。そろそろ世代交代かね」

凛「……」

藍子「……やっぱり今日の美波さん、本調子じゃなかったんでしょうか。それでも十分強かったですけど」
275 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:44:18.71 ID:qzQj1JRV0

凛「かもね。なにか悩み事でもあるのかも」

藍子「悩み事、ですか?」

凛「うん。藍子、今夜の予定なんだけど」

凛「実は美波に食事に誘われたんだ。19時に『防波堤』ってレストランで待ち合わせをしてる」

藍子「え、美波さんとですか? 初対面でお食事に誘われるなんて、いつの間にそんなに仲良く……」

凛「いや、仲良くなったとかじゃないんだけど、バトルが終わったらいきなり向こうから誘われたんだ。なにかお願いしたいことがあるって言っていた」

凛「だから今から19時までは自由時間ってことにしよう。レストラン前でまた再集合ってことで」

藍子「わかりました!」
276 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:45:01.78 ID:qzQj1JRV0

19時 レストラン『防波堤』

ガラッ

店員「いらっしゃいませ。シーフードレストラン、『防波堤』へようこそ――」

美波「あ、凛ちゃん! こっちこっち!」

店員「……美波様のお連れの方ですね。あちらへどうぞ」

藍子「は、はい」

凛「……へえ。お洒落なレストランだね」

凛(美波は一番奥の席で待っていたようだ)

凛(そしてその隣には……黒髪を後ろで束ねた少女が座っている)
277 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:46:02.09 ID:qzQj1JRV0

美波「ここは私の行きつけのお店なんだけど、近くの海で採れた魚介を使っているからすごくおいしいの」

美波「せっかくバウタウンに来たんだから、海鮮料理は味わわないとねっ。今日は私のおごりだから、たくさん食べていってね!」

藍子「本当ですか、ありがとうございます!」

凛「ありがとう。それじゃ私は……シーフードチャーハンにしようかな」

藍子「じゃあ私は……お造りで!」

店員「かしこまりました。コック、オーダー入ります」

フェイフェイ「はーい! 美波サンのお客サン、いっぱいおもてなしするネー!」

美波「凛ちゃん、急なお誘いだったのに来てくれてありがとう。さ、挨拶して」

??「は、はじめまして」
278 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:47:27.85 ID:qzQj1JRV0

灯織「美波さんのもとで修行している、ジムリーダー見習いの灯織です。よろしくお願いします」ペコリ

藍子「藍子です。よろしくお願いします!」

凛「ジムリーダー見習い……?」

美波「うん。彼女は私の後任候補なの。ゆくゆくはジムリーダーになってもらうつもりで指導しているんだ」

凛(へえ、弟子か……そういえば真奈美さんも弟子を作っていたな)

藍子「そうなんですか、じゃあ私たちと同じですね、凛さん!」

凛「そうだね。私は藍子のコーチをやっているんだ」

美波「コーチ? 二人はそういう関係だったんだ……どうりでバトルのクセが似てると思った!」

藍子「あはは……じゃあ灯織ちゃんと私は同じ弟子繋がりだね!」

灯織「は、はあ……」

美波「じゃあそんな藍子ちゃんを育て上げた名コーチの凛ちゃんなら、安心してお願いできそうだね!」

凛「やめてよ、私は大したことはしてないよ……で、お願いって?」
279 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:48:38.82 ID:qzQj1JRV0

美波「凛ちゃんには、灯織ちゃんのコーチになってもらいたいの」

凛「灯織の……?」

美波「うん。さっきも言った通り、灯織ちゃんは次期ジムリーダーとして相応しいトレーナーになるために、今はジムに住み込みで特訓してもらっているんだ」

美波「でも最近の彼女、どうも伸び悩んでるみたいで……」

灯織「……はい。最近、特訓に気が乗らないというか、どうしても打ち込めない自分がいるんです。やる気はあるんですが……」

美波「それで今日、凛ちゃんと対戦した後に、一度環境を変えてみるのはどうかなって提案したんだ。新しい刺激を得られたら、きっと気分もリフレッシュできるんじゃないかなって思って」
280 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:49:26.89 ID:qzQj1JRV0

美波「それに凛ちゃんほど強いトレーナーなら、バトルの戦術やポケモンの動き一つ取っても、私が持っていない着眼点や技術があると思う。それを灯織ちゃんには学んできてほしいんだ」

美波「もちろんずっと、とは言わないよ。この町に滞在している期間だけでいいの」

凛「……」

灯織「凛さん。どうかよろしくお願いします」ペコリ

美波「私からも、お願い」ペコリ

凛「そ、そんな……二人とも、頭を上げてよ」

凛「うーん、私を頼ってくれる気持ちはありがたいんだけど……私は藍子のコーチなんだ。一度に二人も面倒を見るのは、どう、かな……」
281 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:50:14.07 ID:qzQj1JRV0

藍子「……」

凛「うーん……」

チラッ

凛「あ。それなら……」

美波「……それなら?」

凛「わかった。引き受けるよ」

凛「その代わり、美波には、藍子のコーチをしてもらいたいんだ」

藍子「……え、ええっ!?」
282 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:51:17.04 ID:qzQj1JRV0

美波「藍子ちゃんの……?」

凛「藍子。美波も私が持っていない視点をたくさん持っているトレーナーだと思う。それに現役のジムリーダーだし、バトルの経験はきっと私以上にあるかもしれない」

凛「いい機会だし、明日は美波から稽古をつけてもらったらどうかな。私以外のトレーナーから教わるのも、時には大事だと思うし」

藍子「凛さん……」

美波「私は大丈夫だよ。明日はジムは休みだし。藍子ちゃん、本当にそれでいい?」

藍子(……たしかに、凛さんの言うことはごもっともだ。離れることになるのは寂しいけど……)

藍子「凛さんがそう言うなら、わかりました。美波さん、明日はよろしくお願いします!」
283 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:51:56.63 ID:qzQj1JRV0

美波「うん、こちらこそ!」

灯織「凛さん、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします」

凛「そんなに堅苦しくならないでいいよ。じゃあ美波、藍子のこと、よろしくね」

美波「私こそ、灯織ちゃんをよろしくね! それじゃ……」

コトン

フェイフェイ「お待ちどうさまデース! いっぱい食べてネー!」

凛・藍子・美波・灯織「いただきます!」
284 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/07(土) 00:57:15.28 ID:qzQj1JRV0
ひょんなことからお互いの弟子とコーチを入れ替えることになった凛、藍子
藍子は現役ジムリーダーの特訓についていけるのか
そして凛は灯織相手にパーフェクトコミュニケーションをとれるのか

今回は以上です
というわけで283から灯織登場です。書き始めたころからどこかで出したいと思っていたのでついに叶いました
ちなみに主はあさひ担当
シャニからはこれ以上は出てきません

ではまた来週。お疲れさまでした
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/07(土) 01:03:15.61 ID:e9uRqVoV0
乙 まさかの師弟トレードww既に藍子と美波は戦ってて実力は知ってるから修行やりやすいが
凛はまず灯織と戦って灯織の実力を知ってからかな?
286 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2020/11/07(土) 02:40:53.94 ID:jvzh+C5g0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/08(日) 12:22:21.41 ID:V8pRM1Kz0
>>1で言ってるゲストは灯織の事だったのか
288 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 20:58:45.89 ID:BpcqB9Hd0
いやあ来年の配信ライブ楽しみですね!
投下します
289 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:00:29.89 ID:BpcqB9Hd0


翌朝

藍子「あっ、美波さん! おはようございます」

美波「おはよう、藍子ちゃん! 朝、強いんだね」

藍子「はいっ。毎日、凛さんと朝練しているんで!」

美波「そうなんだ、偉いなあ」

美波「さて、凛ちゃんたちは5番道路を使うみたいだから、私たちはこっちに行こっか」

藍子「は、はい。一日、よろしくお願いします!」

第二鉱山

美波「ここは色んなポケモンが住み着いてるから、ポケモンを鍛えるのにちょうどいい場所なんだ」

藍子「本当だ、特訓してるトレーナーもたくさんいますね」

美波「実際に相手してもらうのは野生のポケモンだけどね。じゃ、始めよっか!」
290 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:01:34.23 ID:BpcqB9Hd0


5番道路

灯織「凛さん、おはようございます。今日は一日、よろしくお願いします」

凛「うん。よろしくね、灯織」

凛「……さて、まずは灯織の今の実力を知っておかないとね。とりあえず、ポケモンを出してみて」

灯織「は、はい……」

凛「……ん? どうかした?」

灯織「い、いえ……おいで、ヨワシ」ポンッ

ヨワシ「ヨ、ヨワ……」

*ヨワシ こざかなポケモン みずタイプ
たんどくのすがた
とても弱くとても美味しいので、常に誰からも狙われている
ピンチになると目が潤み、その涙に仲間が集まっていく

凛「とても弱いって、散々な言われようだね……」

灯織「……実はこのポケモン、私のポケモンではないんです。美波さんから修行用に譲ってもらったんですけど」

灯織「美波さん曰く、『そのポケモンをうまく扱えるようになったら一人前』らしいです。ただ……私はどうもうまく扱えなくて」

凛「なるほど。とにかく、一度バトルをしてみようか」
291 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:02:20.59 ID:BpcqB9Hd0


第二鉱山

藍子「ゴリランダー、攻撃を防いで!」

ゴリランダー「ゴリ!」

カマスジョー「カマース!」

ドガッ ドガッ

カマスジョー「カマース!!」ズバッ

ゴリランダー「ゴリッ……!」

藍子「ゴリランダー!」

美波「藍子ちゃん、怯まないで攻めて!」

藍子「は、はい! ゴリランダー、ドラムアタッ――」

美波「今からドラムを叩いていたら追撃をもろに受けちゃうよ!」

カマスジョー「カマース!」バッ

藍子「わわ、ゴリランダー!」
292 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:03:17.97 ID:BpcqB9Hd0

ゴリランダー「ゴリ!」ガキンッ

藍子「っ……アクロバットで――」

美波「アシレーヌ、ムーンフォース!」

藍子「!」

ドゴオッ

カマスジョー「カ、カマー!」ピューン

美波「そこまで。藍子ちゃん、相手のスピードに呑まれすぎだよ」

美波「さっきも言ったけど、カマスジョーのような素早い相手にはウッドハンマーやアクロバットで対応しなきゃ。ドラムアタックはたしかに使い勝手がいいけど、頼りすぎはよくないよ」

藍子「は、はい……」

美波「それから、全部の攻撃をガードして躱そうとしていなかったみたいだけど……あまり得策とは言えないかな」

美波「カマスジョーは見た目以上に様々なタイプの技を覚えるの。さっきみたいに、『どくづき』を覚えている個体も中にはいる」チラッ

ゴリランダー「ゴリッ……」ドクドク
293 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:04:07.25 ID:BpcqB9Hd0

藍子「! 毒が……」

美波「稽古だからまだいいけれど、実戦で今のどく状態に気づけないのは致命的だね。はい、モモンのみ」

藍子「ありがとうございます……」

藍子(……さすがジムリーダーだ。私以上に、色んなところに目をつけている)

藍子(それに美波さん、昨日レストランで話した時はあんなに優しそうだったのに、すごく厳しい……バトルのことになると、人が変わっちゃうのかな)

藍子「あの美波さん、そろそろ休憩を――」

美波「まだ正午にもなっていないよ。休憩はそれまでお預けです」

藍子「ひ、ひええ……」

…………………………………………………

美波「よし、そこまで!」

ゴリランダー「ゴ、ゴリ……」ゼーゼー

藍子「お、終わった……」

美波「お疲れ様。さ、休憩にしましょう♪」
294 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:05:08.03 ID:BpcqB9Hd0


5番道路

ヨワシ「ヨ、ヨワ……」バタンキュー

灯織「っ、ヨワシ……!」

ドリュウズ「ドリュ」シュタッ

凛「……どうだった? 私はヨワシのことはあまり詳しくないけど、使いこなせていた実感はある?」

灯織「……いえ」

灯織「ヨワシは『ぎょぐん』という特性を持っていて、体力が減ると仲間を呼び寄せる習性があるんですけど……なぜかこのヨワシは、うまく仲間を集められないんです」

凛「……それは仲間が近くにいないからじゃない?」

灯織「いえ、どこからでも仲間は駆けつけてくれるはずなんです」

凛「どういう仕組みなの……?」


※本来『ぎょぐん』は体力が1/4以上だと発動する特性ですが、本SSでは1/4以下になるとフォルムチェンジするというシステムです。ダルマモードみたいな感じ。ちなみに灯織のヨワシはレベル20を超えています
295 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:06:25.14 ID:BpcqB9Hd0

凛「でも、だいたい事情はわかったよ。その特性をうまく発動することが、美波のいう『うまく扱える』に当てはまることなんだね」

灯織「おそらくは……でも原因が何なのか、私にも美波さんにもわからないんです」

灯織「なぜなんでしょうか……」

凛「……悩んでいても仕方ない。ヨワシを回復させて、もう一度バトルしてみよう」

灯織「……はい」

………………………………………………

ヨワシ「ヨ、ヨワ……」バタンキュー

灯織「ま、また……」

凛「……結局ここまでうまくいかなかったね」

凛「よし、そろそろお昼だし、休んで気分転換しよう」

灯織「……はい」
296 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:07:29.08 ID:BpcqB9Hd0



第二鉱山

藍子「……おいしい! これ、美波さんが作ったんですか!?」

美波「そうだよ。料理は子供の頃からパパやママの手伝いをしていたから、多少はできるんだ」

藍子「そうなんですか。料理できるっていいなあ、私はカレーとかパンケーキくらいしか作ったことがないです」

美波「今度、凛ちゃんに作ってみたらどうかな? 心をこめて作ったなら、きっと喜んでくれると思うよ」

藍子「そうですねっ。……ところで美波さん」

藍子「昨日も使っていたZワザって、何なんですか?」

美波「ああ、たしかにガラルではZワザを見るのは珍しいかもね。あれはね、アローラ地方伝統の技なの」

藍子「アローラ地方の?」

美波「うん。トレーナーとポケモンのゼンリョクを解き放って、一度だけ強力な技を打つことができるんだ」チャキッ
297 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:09:02.00 ID:BpcqB9Hd0

美波「これがZリングっていうものなんだけど、この中にZクリスタルっていう結晶があるの」

美波「ポケモンにもこれと同じZクリスタルを持たせることで、その二つを共鳴させて技を繰り出すんだ。トレーナーの負担が大きいから、そう何度も出せはしないけれど」

藍子「へえ……ガラルにはダイマックスがあるみたいに、アローラにもそんな文化があるんですね」

美波「私が持っているZクリスタルはアシレーヌZっていうんだけど、これ、元々はパパが持っていたものなんだ」

美波「パパは海洋学者なんだけど、私と歳が近かった頃はアローラでしまめぐりをしていたんだって。――あ、しまめぐりっていうのは、若いトレーナーがZクリスタルを手に入れるためにアローラ中を巡るっていう風習なんだけど」

藍子「ジムチャレンジのようなものですか?」

美波「そうそう! それで私がジムリーダーを目指すって決めた時に、しまめぐりで手に入れたZクリスタルを譲ってくれたんだ」
298 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:10:26.61 ID:BpcqB9Hd0

美波「ただ、本来はガラルでZワザを使うことはできないみたいで。最初はお守りとして大事に持っていたんだけど……ある日突然、私も使うことができるようになったんだ」

美波「『もしかしたら『かがやきさま』がガラルを訪ねて来られたのかも』ってパパは言っていたんだけど」

藍子「かがやきさま……?」

美波「あ、気にしないで。でもこの力を使えるようになってから、ジムリーダーとしてどんどんいろんな人から認められていった気がするなあ」

美波「アローラではメジャーな存在だけど、どうやらガラル地方でZワザを使えるのは私以外には誰もいないみたい。だからいろんな人に珍しがられるんだ」

藍子「美波さんだけが……ということは、美波さんはアローラ地方からやって来られたんですか?」

美波「ううん。私、生まれも育ちもガラル地方なの。アローラにはまだ行ったことがないんだ」
299 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:11:16.36 ID:BpcqB9Hd0

美波「……憧れだったジムリーダーになれた。唯一のZワザ使いとして持て囃されて、最強だなんて持ち上げられるようになった。そんな時に、珠美ちゃんが現れたんだ」

藍子「……! 私も一度、バトルを見たことがあります。最強のジムリーダー、なんですよね」

美波「うん。……私は珠美ちゃんに二度も負けたの。それまで慢心していたわけではなかったんだけどね、改めて自分の実力を思い知った。どう足掻いても越えられない壁を感じたんだ」

藍子「……美波さんも充分強かったのに、そんなに力の差があったんですね」

美波「ちょうど珠美ちゃんに負けて落ち込んでいた時だったかな、灯織ちゃんが道場破りに来たのは」
300 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:12:06.88 ID:BpcqB9Hd0

藍子「そうなんですか……ど、道場破り!?」

美波「ふふ、嘘だと思うでしょ? あの子、最初は本気で私を倒してジムを乗っ取ろうとして押しかけてきたんだよ」

藍子「全然想像がつかないです……すごく大人しそうな子だったのに」

美波「……だけど、灯織ちゃんのギラギラした目を見た時に、私には一つの目標ができたんだ」

藍子「目標、ですか?」

美波「うん。灯織ちゃんを次期ジムリーダーに育てて、立派に自立させられたら――私、アローラに行ってみたいんだ」

藍子「!」
301 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:12:34.78 ID:BpcqB9Hd0


5番道路

凛「はい、灯織」

灯織「ありがとうございます。これは……凛さんの手作りですか?」

凛「うん。今日はシーフードピラフを作ってみたんだ。灯織、好きかなって思って」

灯織「ありがとうございます。もちろん海の幸は大好物です。いただきます」

灯織「! すごくおいしいです……!」

凛「口に合ってくれたなら嬉しいよ」
302 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:13:28.82 ID:BpcqB9Hd0

凛「そういえば、美波が使っていた技……Zワザだっけ。あれってどういうものなの?」

灯織「あれはガラル地方では美波さんだけが使えると言われている、アローラ地方に伝わる技のことです。……・私も詳しくは知らないのですが」

凛「アローラ地方……」

灯織「なんでもトレーナーとポケモンのゼンリョクをぶつけて繰り出すんだそうです。美波さんが持っているZリングというアクセサリーの中に、そういうポケモンの力を引き出す何かがあるみたいですね」

灯織「きっとダイマックスのようなものなんでしょう。ただ、ガラル地方ではあまり使っているトレーナーは見かけないですね。美波さんくらいなのではないでしょうか」

凛(……もしかしたら、モバPもこうしてZワザに触れたりしているのかな)

凛「ってことは、美波はアローラ地方出身なの?」

灯織「いえ、両親はアローラ地方出身だそうですが、美波さん自身はガラルで生まれ育ったんだそうです」

凛「そうなんだ」
303 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:14:53.49 ID:BpcqB9Hd0

凛「ねえ、灯織ってどういうきっかけで美波に弟子入りしたの?」

灯織「……」

凛「? もしかして私、変なこと聞いちゃった?」

灯織「い、いえ。……その……」

灯織「今となっては恥ずかしい話なんですが……もともとバウタウンには、道場破りのつもりで来たんです」

凛「道場破り?」

灯織「私はツバサ諸島というガラルから少し離れた島の出身なんですが、そこでは皆、バトルで強くなることにあまりこだわりがないみたいで……気づいたら私は、島の中で最強のトレーナーになっていたんです」

灯織「なので正直、島での暮らしには飽き飽きしていました。それで刺激を求めて島を出て、ガラルにやって来たんです」

灯織「そして手始めに、バウタウンにあるジムで自分の実力を示すことにしたんです。その時は、美波さんがガラル最強のジムリーダーだということも知らずに……」

凛「……」
304 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:15:38.05 ID:BpcqB9Hd0

灯織「あっけなく返り討ちにされて、私は自分の世間知らずを恥じました。自分が見ていた世界はちっぽけだったんだと実感して」

灯織「そして一から自分を鍛え直すつもりで島に帰ろうとしたのですが、美波さんに呼び止められてしまいまして……」

灯織「それからは、流れのままにと言いましょうか。どのみち寄る辺のなかった私は、美波さんのお世話になることになりました」

凛「……そんなことがあったんだ。思い出したくないこと、引っ張り出しちゃってたらごめんね」

灯織「いえ、いいんです。ただ……一つ、わからないことがあって」

凛「わからないこと?」
305 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:16:06.58 ID:BpcqB9Hd0
続きはまた明日
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/13(金) 21:25:04.38 ID:fZs5QEOZ0
一旦乙 灯織自身の元々の手持ちって何だったんだろう?
307 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:35:50.51 ID:rDoczpC70

美波「私はガラルから出たことはないし、ジムリーダーになってからはバウタウンの外に出ることもほとんどなくなった。そんな縮こまった生き方をしていても、珠美ちゃんには勝てないって気づいていたけど、知らないふりをしていたんだ」

美波「今までは、ジムリーダーという立場が言い訳になっていた。でも灯織ちゃんと出会ったことで、やっと自分の心に素直になれたの」

美波「アローラに行って、自分を磨き直したい。アシレーヌZが生まれたいきさつも学んで、Zワザにももっと詳しくなりたい。それで、いつか珠美ちゃんにリベンジしたい」

美波「それが、今の私の目標。ふふっ、こうして言葉にしてみると、ちょっと恥ずかしいな」

藍子「……素敵ですね。美波さんの考え方、すごく尊敬できます」

美波「そ、そう?」
308 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:36:37.30 ID:rDoczpC70

藍子「はい。たくさん努力して、憧れだったジムリーダーになれたのに、それでもゼロから新しいことに挑戦しようとする……それって、すごく素敵なことだと思います」

美波「ふふっ、ありがとう。面と向かって言われると照れちゃうね」

美波「……ただね。気持ち的にはすぐにでもアローラに行きたいんだけど……やっぱり灯織ちゃんのことが気がかりなの」

藍子「気がかり……昨日も話されてましたけど、それは灯織ちゃんが伸び悩んでいるからですか?」

美波「それもあるけど……私は一人前になったと思っていても、灯織ちゃんはどう思っているのか、とか、私がいなくなっても本当に一人でうまくやっていけるのか、とか、本当に考え出したらキリがなくて」
309 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:37:21.54 ID:rDoczpC70

美波「うまく言葉にできないけど、とにかく不安なんだ。灯織ちゃんを置いていけないって気持ちが、日に日にどんどん強くなってきていて。私の決意、押しつぶされちゃいそうなんだ」

藍子「……」

藍子「それはきっと、美波さんが灯織ちゃんとずっと一緒にいたいと思っているから……じゃないでしょうか」

美波「え……?」

藍子「美波さん、昨日も灯織ちゃんのお話をするとき、すごく楽しそうにしていましたよね。きっと、自分が思っている以上に、美波さんにとって灯織ちゃんの存在は大きいんだと思うんです」

美波「……」

美波「……そうなのかも。私ね、あの子の目を見たら色んなことを思い出すんだ。ジムリーダーになるために必死でバトルに励んだことや、ジムリーダーになってから負けが続いて、悔しくて寝る間も惜しんで猛特訓したこと――」

美波「昔の自分を思い出して、原点に戻してくれるっていうのかな。……うん、灯織ちゃんは、私にとってそういう存在」

美波「灯織ちゃんとずっと一緒にいたい自分と、それでもアローラに行きたいって自分が両方いて……」

美波「やっぱり私、まだ迷っているのかな」

藍子「……」

スッ
310 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:38:03.82 ID:rDoczpC70

美波「……ありがとう、藍子ちゃん」

藍子「え、いや、私はそんな大したことは……」

美波「ううん、藍子ちゃんに言い当てられたことで、なんだかモヤモヤが晴れた気がする!」

美波「今はまだ答えを出せないけど……いつか、ちゃんと納得できる道を選べたらいいな」

美波「ねえ、藍子ちゃん。藍子ちゃんにとって、凛ちゃんはどういう存在なの?」

藍子「り、凛さんですか?」

藍子「……私にとっても、凛さんはかけがえのない人です。私を変えてくれた、憧れの存在。ずっと一緒にいたいし、凛さんもそう思っていてほしいです」

藍子「思っていてほしい、ですけど……」

藍子「……美波さん。今からする話は、凛さんにはしないで下さいね?」

美波「え? う、うん」
311 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:38:39.58 ID:rDoczpC70

藍子「私、ずっと凛さんに聞きたくて、聞けないことがあるんです。『ジムチャレンジが終わって、トーナメントも終わったら、凛さんはどうするんですか』って」

美波「……どういうこと?」

藍子「凛さんは、アイマス地方からガラルに来られたんです。それも、本当はポケモンの調査のために。なのに私が勝手にコーチになってほしい、ってお願いして……それでずっと一緒に旅をしてきたんです」

藍子「もちろん、凛さんは凛さんの意思で私と過ごしてくれていると思うんですけど……調査のために、ということは、ゆくゆくはアイマスへ帰られるんだと思うんです」

藍子「でも凛さんと別れることになるなんて想像もしたくなくて、もし聞いちゃったら、明日にでも凛さんが私の前からいなくなってしまう気がして……」

美波「そうだったんだ……私も藍子ちゃんの立場だったら、怖くてとても聞き出せないと思う」
312 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:39:33.39 ID:rDoczpC70

藍子「……いつかは凛さんの元を離れなくちゃいけないってわかっていても、ずっと一緒にいたくて。ふとした瞬間に、すごく不安になるんです」

藍子「トレーナーとしては、ちょっと自信がついてきたと思っていたんですけど。やっぱり私、まだまだ弱いなあって……・」

美波「そっか……」

美波「でも、藍子ちゃんの思い、伝わったよ。凛ちゃんは幸せ者だね」

美波「それに、藍子ちゃんは弱くないよ。一人で生きていける人なんて、世界中のどこにもいないんだから」

藍子「ありがとうございます。……ごめんなさい、なんだか湿っぽくなっちゃいましたね」

美波「ううん、気にしないで。さ、そろそろ再開しよっか!」
313 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:40:13.64 ID:rDoczpC70


灯織「どうして美波さんは、私なんかを後任候補に選んだのか、ということです。何の取り柄もない、世間知らずで意地っ張りな私を」

凛「美波は教えてくれないの?」

灯織「はい。何度か聞いてみたのですが、それっぽい言葉ではぐらかされてしましました」

灯織「……正直、私は自分のことがあまり好きではありません。何もするにも自分がやっていることは正しいことなのか迷ってしまって、結局中途半端になってしまう。そんな自分が嫌なんです」

灯織「それに、バウジムはガラルでもトップクラスのジムです。もちろん求められるレベルも高いので、すごくプレッシャーを感じていたりもします」

凛「理想と現実のギャップが苦しいんだね」

灯織「……はい」
314 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:40:41.80 ID:rDoczpC70

灯織「本当は美波さんのように、誰に対しても物怖じせずに堂々と振る舞えるトレーナーになりたいんです。きっと美波さんが求める次期ジムリーダーって、そういう人のことだと思うから」

凛「……灯織、それは違うんじゃないかな」

灯織「えっ?」

凛「美波のようになる必要なんてないと思うな。灯織は灯織らしくあるべきだし、美波もきっとそう望んでいるよ」

凛「たしかに美波の後を継ぐことには責任を感じるかもしれない。私にはそれがどれだけの大きさなのかは想像もつかないけど……」

凛「何があっても、灯織らしさは失くしたらダメだと思う。美波はきっと、灯織自身がまだ気づいていない自分らしさを見出して、灯織を選んだんだよ」
315 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:41:40.94 ID:rDoczpC70

灯織「……私らしさ……」

灯織「私らしさって、何なんでしょうか」

灯織「今はわからないですけど……もし見つかるのなら、見つけてみたいです」

凛「そうだね……私から言えるのは、とにかく歩き続けていないと見つからないってことぐらいかな」

凛「でも、それで見つけたものがどれだけ美波とかけ離れていても、きっとみんな受け入れてくれるよ」

灯織「……」

灯織「ありがとうございます。少し、心が軽くなった気がします。いつか私らしさを見つけられるまで、腐らずに前を向いていこうと思います」

凛「うん。灯織なら、きっと見つけられるよ」
316 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:42:25.73 ID:rDoczpC70

凛(……口に出してから気づいた。こんなこと、藍子には言ったことはなかった、って)

凛(藍子は私を慕ってくれている。私のようになりたいと、何度も私の前で夢を語ってくれている)

凛(今まではそれを否定しなかった。憧れられるのも悪い気はしなかったし、藍子がそうしたいならそうすべきだと思っていたから)

凛(……でも、それで本当にいいんだろうか。このまま私のようなトレーナーになることが、藍子らしさに繋がるのだろうか)

凛(それは、藍子にとって幸せなことなんだろうか)
317 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:43:01.97 ID:rDoczpC70

…………………………

凛「もう夕方か。じゃあ、今日はここまでにしようか」

灯織「はい。今日は本当にありがとうございました。……なんだか、いろいろと吹っ切れた気がします」

凛「私の力じゃないよ。灯織自身が変わりたいと思ったから、そう思えたんだ」

凛「次に会う時は、もっと自分のことを好きになれていたらいいね」

灯織「……はい。ありがとう、ございます」

灯織「お礼と言ってはなんですが、凛さんに見せたい景色があるんです。一緒に見に行きませんか?」

凛「へえ、どんな景色?」

灯織「バウタウンの景色です。一度、町に戻りましょうか」
318 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:44:03.13 ID:rDoczpC70

バウタウン

灯織「……ちょうといい時間帯ですね」

凛「……!」

凛「夕焼け……太陽が水面に反射して、すごくきれいだ」

灯織「……私、この港から見える夕焼けが大好きなんです。いつも一日の終わりに見に来ているんですけど、その度に心が洗われるというか……」

凛「うん、言いたいこと、わかるよ」

灯織「……凛さん。私は、町の皆が誇れるようなジムリーダーになれるでしょうか」

凛「きっとなれるよ。灯織なら」
319 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:44:42.58 ID:rDoczpC70

美波「ふふっ、仲良く黄昏ているみたいだね」

凛「あ、美波、藍子」

藍子「わあ、きれいな夕日ですね!」

凛「灯織に教えてもらったんだ。本当にきれいだよね、いつまでも見ていたくなる」

灯織「この景色が、お二人の心にずっと残っていてくれたら嬉しいです」

美波(……でも、夕焼けは永遠じゃない。いつかは日が落ちて、夜が来る……)

美波(……)

美波「灯織ちゃん、そろそろ晩御飯にしよっか」
320 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:45:16.96 ID:rDoczpC70

灯織「はい。凛さん、お世話になりました」

藍子「美波さん、ありがとうございました!」

美波「こちらこそ、ありがとう! 藍子ちゃんのおかげで、自分がどうしたいのかわかったよ」

灯織「……なんの話ですか?」

美波「ふふっ、なんでも。じゃ、またね!」

凛「元気でね」

藍子「また会いましょうね!」

ザッザッザッ……
321 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:45:45.80 ID:rDoczpC70

凛「どうだった? 美波との特訓は」

藍子「美波さん、すごく厳しかったです……でも、本当に勉強になりました」

藍子「いろんなことを学んで、結局うまくいかずじまいで終わっちゃったこともあるんですけど……それも含めて、私はまだまだ強くなれるんだって実感しました!」

凛「それはよかった。ところで美波、なんだかすごく晴れやかな顔してたけど」

藍子「ああ。実は、美波さんのお悩みを聞いていたんです」

藍子「凛さんも、灯織ちゃんと仲良くなれたみたいですね!」

凛「そうだね。私もバトルだけじゃなくて、お互いのこととか、いろんな話をしたよ」

凛(……)
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