このスレッドは950レスを超えています。そろそろ次スレを建てないと書き込みができなくなりますよ。

【モバマス×ポケモン】藍子「めざせポケモンマスター! …ポケモン、マスター?」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

149 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:33:36.50 ID:gLsUExtW0

藍子「……!?」

凛「ということは……そのクリムガンも、野生のポケモンだったってこと?」

泉「うん。明らかに野生の環境下で生きていた個体だって言っていた」

都「それも直接って……別地方のポケモンが、どうして……」

聖來「じゃあ、今回の事件はイッシュ地方の人が起こしたものなの……?」

泉「ううん、私は違うと思う。……その次に暴走したポケモンが現れたのは、シュートシティだった」

藍子(! もしかしてあの時の……!)

泉「同じように、どこから飛び出してきたのかは不明だったんだけど――駅で暴れて、取り押さえられたザングースの身体からは、アイマス地方の草や土が見つかった」
150 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:34:51.67 ID:gLsUExtW0

凛「……アイマス地方……!?」

凛(じゃあ私が戦ったザングースは……私と同じアイマスからガラルに来ていたんだ……)

都「じゃあそのザングースも、やはり――」

泉「そう。アイマス地方の自然の名残を残したままだった」

聖來「イッシュ、アイマス、アローラ……全部、ガラルとはかけ離れた地方だね」

さくら「いったい誰がそんなこと……」

泉「そうね。ポケモン単体の力で別の地方にいきなり現れるなんて不可能。確実に裏で誰かが動いていて、ガラルを混乱させようとしている――そう考えるのが妥当だけど」

さくら「けど?」
151 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:35:43.02 ID:gLsUExtW0

泉「肝心なことがわからないんだ。そもそも暴走したポケモン達は、誰かの指示で動いていたわけじゃなかった。クリムガンだってそうだったし、実際にどの現場でも怪しい動きをしていた人は目撃されていない」

聖來「手段がわからないってことか……」

聖來「ねえ、野生で捕まえたポケモンを一度もボールから出さずにガラルまで持ってきて、逃がしたっていうのは考えられないの?」

泉「それも考えたけど、そもそもイッシュで捕まえたポケモンをガラルで逃がす、みたいな行為は法外だわ」

泉「それに、その場で逃がしたのだとしたら誰かが必ず目撃して通報しているはず。隠れて逃がしてから時間が経っている場合でも、たいていは姿を見た時点で自治体に保護されているはずなんだよ」

聖來「うっ、そっか……」
152 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:36:16.80 ID:gLsUExtW0

凛(……思い返せばそうだ。マケンカニの群れを指揮していたのは、トレーナーでも変な電波を出す機械とかでもなくて、ケケンカニだった)

凛(……そうだ。前に戦ったベロバーの群れはただ暴れさせられていただけだった。でも今回は違う……自分の意思で暴れていた)

凛(じゃあ麗奈たちは関係なくて、あのマケンカニ達は自分たちの意思でガラルまで来て、ガラルを荒らそうとしていたっていうの……?)

凛(もしそうだとして……何がポケモン達をそう動機づけたの……?)

凛(……いや)
153 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:36:51.43 ID:gLsUExtW0

都「……暴走ポケモンはいずれも別地方からそのままやって来たみたいだった。でもポケモン自身の力で別地方からいきなりやって来るなんて無理だから、やっぱり誰かが持ち込んできた……でもどうやって野生のままの個体を――」

都「……ああ! 頭がパンクしそうですっ」

泉「同感ね。ジムリーダーたちも毎日頭を悩ませているわ」

凛「……あのさ」

泉「ん?」

凛「さっき、怪しい動きをしていた人は目撃されていないって言ったけどさ」
154 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:37:30.71 ID:gLsUExtW0

凛「私たち、実際に会ったことがあるんだ。ポケモンを操っていた張本人に」

泉「ポケモンを操っていた……?」

凛「うん。ルミナスメイズの森でベロバー達が暴れていた事件……あの現場に、私と藍子と都は鉢合わせていたんだ」

聖來「えっ……!?」

藍子「……」コクッ

凛「ベロバーの群れを操っていたのは、麗奈というトレーナーだった。ギルガルドを使って一斉にポケモンを操って、森に入り込んだ人を襲っていたんだ」
155 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:38:19.14 ID:gLsUExtW0

凛「私は、麗奈とはあそこで会うのが初めてじゃなかった。アイマス地方でも会っていたんだ」

凛「アイマスでは、彼女はシンデレラ団という犯罪集団の一員だった。シンデレラ団は色々あって空中分解したって思っていたんだけど……残党が残っていて、さらに新しい企みを進めているってことも知った」

泉「その新しい企みが、この事件ってこと?」

凛「うん。だから手段はどうあれ、よくないことを考えている連中がいることは確実だと思う」

凛「ただ……今回に関しては、麗奈は関わっていないかもしれない。ポケモンの暴れ方が、以前とは全然違っていたから」

凛「なんで関わっていなかったのかは説明できないけどね」

泉「……」
156 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:39:23.67 ID:gLsUExtW0

泉「貴重な意見をありがとう。もう一度、ジムリーダー同士で検討してみる」

泉「本当に誰かの所為だというなら、どこかに証拠が残っているはずだから」

凛「うん。それと……麗奈たちの集団は、涼が襲われた事件とも関連していると私は思ってる。今回もそうだったけど、暴走ポケモンはいずれもパワースポットの近くに出現していたみたいなんだ」

泉「そういえばそうだね」

凛「……きっと、連中の狙いはジムリーダーか、もしくはパワースポットそのものかもしれない」

凛「だから泉には、今まで通り町を守り続けてほしい。この町を一番に思いやれて、守ることができるのはジムリーダーだと思うから」

泉「……李衣菜さんが言ってたことってそういう意味だったんだね。わかった、任せて」
157 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:39:57.59 ID:gLsUExtW0

都「……」

聖來「……」

さくら「……」

藍子「あ、あのー、皆さんっ」

一同「……?」

藍子「あの、こんなこと言うのは場違いかもしれませんけど……せっかくおいしそうな料理があるのに、暗い話ばかりだったらもったいないなあ……って思うんです」
158 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:40:48.43 ID:gLsUExtW0

藍子「ええっと、その、そろそろ楽しいお話をしませんか? 私、ずっと気になってたんです。さくらちゃんと泉さんがどうやって仲良くなったのか、とか」

泉「そ、それは話そうと思えば話せるけど……長くなるよ?」

藍子「いいんですいいんです! すいませーん、このステーキ盛り合わせ、くださいっ!」

聖來「えっ……それってこの店で一番高いやつじゃ……」

藍子「えっ? だって今日のお支払いは聖來さんがしてくれるって話だったはずじゃ……」

聖來「は、はぁっ!? いつそんなこと言ったっけ!?」

藍子「あ、じゃあこうしましょう! 皆が一斉に年齢を言っていって、一番年上だった人が支払うってことで!」
159 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:41:31.73 ID:gLsUExtW0

泉「そんなムチャクチャな……」

藍子「じゃあ私からいきますね。えっと、私は今年で16歳です!」

聖來「じゅ、16!?」

都「あ、私も同じです!」ビシッ

凛「私は……15歳、かな」
160 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:42:17.80 ID:gLsUExtW0

さくら「わあ、凛さんって同い年だったんだぁ!」

さくら「泉ちゃんも私と同級生なんだよ!」

泉「……!」

泉「藍子……さん、年上だったんだ。もしかしたら私、どこかで失礼なこと言ってしまっていたかも……ごめんなさい」

藍子「あ、いえいえ、気にしないで下さい! 聖來さんは?」

聖來「……」

聖來「……に、23……」

一同「ええ〜〜!?」
161 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:43:31.54 ID:gLsUExtW0

藍子「わ、私、てっきり10代かと思ってました……!」

凛「私も……年上だろうとは思ってたけど、せいぜい2、3歳くらいしか変わらないと……」

聖來「そ、そういうフォローはいらないってば……」

聖來「……ああ、もう! わかったよ! 私が払えばいいんでしょっ! クーポンもあるんだし、痛くも痒くもないもんね!」

聖來「……ぷっ」

アハハハハ・・・・・・
162 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:44:09.89 ID:gLsUExtW0

翌朝

聖來「二人はまだこの町に居座るんだよね」

凛「うん。今日はちゃんとジム戦をしてくれるって約束してくれてたから」

聖來「そか。じゃ、ここでお別れだね。私はこの先の9番道路に行って、もっとポケモンと自分を鍛えることにするよ」

聖來「藍子ちゃん! 次に会ったときは、絶対負けないからね!」

藍子「はいっ! 私も負けるつもりはありませんから!」

聖來「ふふっ。じゃあね、若者たち!」
163 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:45:08.31 ID:gLsUExtW0

さくら「さよーならー!」

タタタッ

都(……聖來さんも若いはずなんだけどなあ)

都「……さて、では私たちも戻りましょうか」

さくら「そうですねっ。わたし、もう寒いのはイヤですぅ……」

都「では、凛さん、藍子さん。私たちは一度情報を整理するために、事務所へ戻ります」

都「短い間でしたが、三人での旅、とても楽しかったです。ありがとうございました!」ペコッ
164 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:45:41.57 ID:gLsUExtW0

藍子「私こそ、すごく楽しかったです!」

凛「元気でね、都」

都「はい。お二人も、どうかお気をつけて! ではそろそろ電車の時間ですので……」

タッタッタッタッ

凛「……」

藍子「……寂しくなっちゃいますね。昨日は夜遅くまでみんなと一緒だったから、余計にそう感じます」
165 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:46:51.98 ID:gLsUExtW0

藍子「では凛さん、ジムに行きましょう!」

凛「……藍子」

藍子「はい?」

凛「昨日はありがとう。藍子がいなかったら、せっかくおいしいステーキも充分味わえなかったと思う」

凛「藍子は場違いかもって言ってたけど、藍子が明るく振る舞ってくれたから、こうして楽しく過ごすことができたんだよ」

藍子「い、いえ、そんな……」

凛「藍子には、きっと不思議な力がある。周りにいるみんなを幸せにする魔法をかけられる……そんな力があると思うな」

藍子「みんなを……幸せに……」
166 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:48:07.08 ID:gLsUExtW0

藍子「……そんなこと、気づきもしませんでした。今まではあんなこと、絶対に言えなかったです。横槍を入れるようなこと……言う勇気がなかったです」

藍子「だけど、なぜでしょう……あの場では、自然と言葉が出てきたっていうか……」

凛「……前にも言ったけど、藍子はもうとっくに強くて優しいよ。自分が知らないうちに、藍子は藍子が思うよりずっと成長してるんだ」

凛(……そう。たった一人でジムに挑んだことだって、私を助けようとしてくれたことだってそう。藍子は、もう十分に立派なトレーナーだ)

凛(……それはつまり……)
167 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:48:45.40 ID:gLsUExtW0

??「おおーい!」

藍子「?」

??「アンタだよアンタ。やーっと見つかったよ」

藍子「わ、私に何か用でしょうか?」

ヤナセ「やあ。オレはヤナセ。トレーナーだ。アンタ……ケケンカニ、持ってるだろ」

藍子「……え?」
168 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:50:02.63 ID:gLsUExtW0

ヤナセ「見てたのさ、バッチリ。アンタがケケンカニをゲットするところをさ」

ヤナセ「実は……うちの娘が大のカニ好きでな。ガラルに住んでいないケケンカニを見せたら、きっと喜んでくれると思うんだ」

ヤナセ「もしよければ、アンタのケケンカニ、俺のポケモンと交換しないか?」

藍子「交換……ですか」

藍子「……」チャキッ

藍子(……いいのかな。でも、悪い人じゃなさそうだし……)

藍子「……私でよければ、ぜひ! ケケンカニも、きっとその娘さんが可愛がってくれると思いますので!」

ヤナセ「おお! 恩に着るよ! そんじゃあさっそく……」
169 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/09(金) 21:51:47.09 ID:gLsUExtW0

ケケンカニをヤナセに送ります! バイバイ、ケケンカニ!

ヒュンッ

コォォォォォォ……

パッ

藍子「!」パシッ

ヤナセから>>171を受け取った!

>>171
自由安価
幻・伝説・準伝説・化石・御三家・捕獲済みを除くすべてのポケモンから1匹
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/09(金) 23:49:34.26 ID:QEzo5k+x0
ロトム
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/10(土) 00:04:29.66 ID:LuUsKvqD0
ヤドン(ガラル)
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/10(土) 00:11:08.81 ID:Y3v/b0faO
ネギガナイト
173 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/10(土) 00:47:11.42 ID:kFHMjzsn0

ヤナセからヤドンを受け取った!

ヤドンを可愛がってあげてね!

ヤドン まぬけポケモン エスパータイプ
ガラルのすがた
ガラナツというスパイスを食べ続けたことで独自の姿や能力を持つようになった
とても間抜けで動きも鈍いが、たまにものすごいことを思いつくらしい

ヤナセ「あとこれもやるよ。ガラナツブレスっていってな、これを使えばヤドランに進化させられるんだ」

藍子はガラナツブレスを手に入れた!

藍子「ええっ、いいんですか?」

ヤナセ「アンタは町を守ってくれたんだ、これぐらいのお礼はさせてくれ」
174 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/10(土) 00:48:05.83 ID:kFHMjzsn0

ヤナセ「ただ、別の道具を使えばヤドキングに進化させることもできる。どっちも強力なポケモンだから、よく考えて使った方がいいかもな」

ヤナセ「ともかく、ヤドンのこと、大事にしてくれよな!」

藍子「はいっ! ありがとうございます!」


ヤドンが手持ちに加わった!

ヤドン(マイペース) Lv36
おっとりした性格 抜け目がない
サイコキネシス/なみのり/なまける/かなしばり
175 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/10(土) 00:49:30.81 ID:kFHMjzsn0

凛「へえ、リージョンフォームのヤドンか……」

凛「ところで藍子、ちょっと迷ってたみたいだけど……本当によかったの?」

藍子「はい。ケケンカニも、その方が幸せだと思いますし」

藍子「……やっぱり、どうしても思い出しちゃうんです。ケケンカニが悪くないってことはわかっていますけど」

凛「……そっか」

藍子「私、もっと強くなります。強くなって、凛さんや聖來さんや都ちゃんたちを守れるくらい強くなりたいんです」

凛「いい心意気だけど……私はまだ守られるようなお姫様になるつもりはないよ」

藍子「ふふっ。ヤドン……これからよろしくね!」
176 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/10(土) 00:54:13.43 ID:kFHMjzsn0
キルクスタウン編 終幕
次回>>>バウタウン編

というわけでどうせ手持ち増やすならやってみたかった交換イベント、ようやくできました
ヤドンの進化先はまた安価になりそうですね

次回もまた大事な安価があります。よろしくお願いします
お疲れさまでした
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/10(土) 17:15:38.06 ID:LuUsKvqD0
乙 男性の「ヤナセ」で誰だろうと考えちゃったが美由紀ちゃんの父親か
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/11(日) 13:45:40.54 ID:gU4l0nLo0

藍子パーティーあと何入れたらバランスいいかね?伝説だがガラルで珍しいだけだしダクマ→ウーラオス (いちげき)なら
バランスいいしヨロイじま修行編もできるかな?と思った
179 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:09:18.92 ID:SchLONZR0
投下します
180 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:09:55.08 ID:SchLONZR0

凛「サザンドラ、あくのはどう!」

サザンドラ「サザ!!」バッ

バリコオル「バリ――」

ズドォンッ

バリコオル「バリ……」バタンキュー

泉「……!」

ドローンロトム『勝者、チャレンジャー・凛!!』

ドワァァァァァ

泉「……完敗だわ。ポケモンの能力、トレーナーの的確な指示、戦術……苦手なタイプでも物怖じせず挑んでくる大胆さ。これまで戦ってきたチャレンジャーの中でもナンバーワンかも」

泉「いい刺激をもらったよ、ありがとう。これ、受け取って」

凛はチルバッジを手に入れた!
181 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:10:44.35 ID:SchLONZR0

凛「……さて」

凛「あと挑んでいないのは……珠美がいるナックルシティと」

藍子「バウタウンですね。エンジンシティの東にある町です」

凛「エンジンシティか……それじゃあ一度ナックルシティまで戻って、電車を使うかワイルドエリアを通って南下しないといけないね」

藍子「そうですね。それにしても遠いなあ……」

凛「……そうだね。電車に乗ればそうでもないんだろうけど」

??「あら、お二人さん。久しぶりね」

藍子「?」
182 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:11:26.73 ID:SchLONZR0

凛「……! 奏……」

奏「覚えててくれたのね、凛。会えて嬉しいわ」

奏「この町には何か用があったの?」

藍子「ジムチャレンジです。奏さんもですか?」

奏「いいえ。私、ジムチャレンジには興味がないの。なんだかステレオタイプを押し付けられているみたいで窮屈なのよね」

奏「そう、私はただ偶然ここに来ただけ……それなのにこうして出会えたなんて、なにかの巡り合わせかしらね」

凛「……それで、アンタは私たちに何の用?」スッ

奏「そんなの一つだけよ。前にも言ったでしょ、次こそはあなたを倒すって」
183 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:12:08.19 ID:SchLONZR0

藍子「……サニーゴが目当てなんですか?」

奏「それはもうどうでもいいわ。今の私はただ貴方を上から見下したい。それだけなのよ」

凛「……」

奏「ふふ、そんな怖い顔しなくてもいいじゃない。前はキスしかあげられなかったけど、今回はちゃんと有意義なプレゼントを用意しているわ」

凛「……プレゼント?」

奏「そう。貴方たち、そらとぶタクシーは使ったこと、ある?」

藍子「い、いえ」

奏「なら一度乗ってみることを薦めるわ。空から見下ろすガラル地方というのも、なかなか粋なものよ」
184 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:13:39.60 ID:SchLONZR0

奏「……で、実は今、そらとぶタクシーがあるキャンペーンを開催しているの」

奏「あれは基本的には行ったことのある場所にしか連れて行ってくれないシステムなんだけど、今回は一度だけ、行ったことのない町にも行くことができる。そういうキャンペーン。あなたたち、バウタウンへ行きたいんでしょう?」

凛「……」

奏「ただ残念なことに、そのキャンペーンは先着順でね。あと1組しか乗せることができないみたいなのよ」

奏「本当は私も行ってみたい場所があるんだけど、せっかくだし貴方たちにその権利を譲るのも悪くないかなって」

凛「じゃあアンタが乗ればいいじゃない。私たちは歩いて向かうからさ」

奏「ふふっ、強がりね。一度味わえばやみつきになるかもしれないのに。食わず嫌いは価値観を狭めるわよ」

凛「……そうまでして、私と戦いたいわけ?」

奏「ええ。でもただ戦うだけじゃないわ。私の目的は貴方を倒すこと」

奏「その気じゃないなら別にいいわよ。私に背中を向けたって」

凛「……いいよ。なら受けて立とうじゃない」

奏「ふふっ、そうこなくちゃ。今度こそあなたの悔しがる顔を見られるのが楽しみだわ」
185 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:14:14.43 ID:SchLONZR0

藍子「り、凛さん……」

凛「……すぐに終わらせる。下がってて、藍子」

奏「いくわよ、ルージュラ」ポンッ

ルージュラ「ルージュ」

ルージュラ ひとがたポケモン こおり・エスパータイプ
踊るような腰つきでリズミカルに歩く
鳴き声は人間の言葉のように聞こえるが、意味はまったく理解できない

凛「いくよ、ゲッコウガ!」ポンッ

ゲッコウガ「ゲコ」

凛「ゲッコウガ、みずしゅりけん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シュバババ
186 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:14:56.03 ID:SchLONZR0

奏「かげぶんしん!」

ルージュラ「ルージュ!」フッ

シャッシャッシャッシャッ

凛「囲まれたか……ゲッコウガ、つばめがえし――」

奏「させないわ。くろいまなざし!」

ルージュラ「ルージュ!」カッッ

ゲッコウガ「!!」ビタッ

藍子「ゲ、ゲッコウガ!」

奏「優しくいたぶってあげるわ。ドレインキッス!」

ルージュラ「ルージュ!」バッ

チュゥゥゥ

ゲッコウガ「ゲコォォ……!」
187 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:15:31.59 ID:SchLONZR0

凛「くっ……」

奏「ふふ、ファーストキスは私のもの、ね」

凛「……やるじゃん。実力は口先だけじゃないんだね」

奏「あら、私は貴方と違ってそんな安っぽい挑発には乗らないわよ?」

凛「だったら乗せてあげるよ……ゲッコウガ! かげぶんしん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ヒュンヒュンヒュン

奏「……今度は逆に囲まれちゃったわね」

凛「一斉にみずしゅりけん!」

奏「でも、ルージュラには当てられないわ」
188 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:16:13.98 ID:SchLONZR0

ルージュラ「ルージュ」ユラッ

ヒョイ ヒョイ ヒョイッ

藍子「!? そんな、みずしゅりけんを全部避けたんですか!?」

奏「そうよ。ルージュラには攻撃の軌道が見えていたんだもの。『よちむ』でね」

奏「そして行き場を失った攻撃は……」

ゲッコウガ「……!」

フッ フッ フッ

藍子「! 分身がかき消されて……!」

奏「そこよ! ルージュラ、ドレインキッス!」

ルージュラ「ルージュ!」チュゥゥゥ

ゲッコウガ「ゲコ……!」

奏「どう? 激しいキスも悪くないでしょ」

凛「っ……」
189 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:17:03.35 ID:SchLONZR0

奏「これでフィニッシュね……ルージュラ、かげぶんしん!」

ルージュラ「ルージュ」ヒュンヒュンヒュン

凛「かかったね! ゲッコウガ、つばめがえし!」

奏「何のつもりかしら? ルージュラ、くろいまなざし――」

ズバッ

奏「……!」

奏「な、なぜ……ゲッコウガは動けなかったはずじゃ――」

奏「!!」

藍子(ゲ、ゲッコウガが……目を瞑りながらルージュラを攻撃した……!?)

凛「目を合わせちゃいけないなら、見なければいい。簡単なことだよ」
190 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:18:30.78 ID:SchLONZR0

奏「っ……」

藍子(そんな……すごすぎる。目を閉じたまま分身の本体を見抜くなんて、どうやったらそんなことが……)

ルージュラ「ルージュ……」グラッ

凛「つじぎり!」

ゲッコウガ「ゲコ!」

スパッ

ルージュラ「……!」ドサッ

凛「まずは先制だね」

奏「……この程度でいい気にならないで」ギリ

奏「次はこうはいかないわ。ブリムオン!」

ブリムオン「ブリム」
191 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:19:03.58 ID:SchLONZR0

奏「パワーウィップ!」

凛「躱して!」

ブリムオン「ブリム!」ブゥン

ゲッコウガ「ゲコ」フッ

凛「背後に回り込むよ!」

ゲッコウガ「ゲコ!」グルッ

凛「つじぎり!」

奏「パワーウィップ!」

ゲッコウガ「ゲコ!」

ブリムオン「ブリム!」

ガキインッ
192 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:20:03.98 ID:SchLONZR0

凛「もう一発!」

奏「今度のは耐えられるかしら?」

ブリムオン「ブリム!」グワッ

凛「……二発同時のパワーウィップ!」

ゲッコウガ「ゲコ……!」バシイッ

グググ……

奏「押し切るわよ、ブリムオン!」

凛「くっ……ゲッコウガ、後ろに飛び退いて!」

ゲッコウガ「ゲコ!」バッ

ゲッコウガ「ゲコ」シュタッ

奏「そこよ! じゃれつく!」

凛「つばめがえし!」

ドガッ ドガッ ドガッ
193 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:20:43.01 ID:SchLONZR0

藍子(す、すごい……パワーとパワーの押収だ)

ゲッコウガ「ゲコ!」ズバッ

ブリムオン「ブリムッ……」

凛「そこだ! つじぎり!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ズバッ

ブリムオン「ブリムッ……」

奏「……!」

凛「みずしゅりけん!!」

ゲッコウガ「ゲコ!!」シュババババ

ブリムオン「ブリムッ……!」

ドサッ
194 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:23:08.31 ID:SchLONZR0

奏「……負けたわ」

凛「これで満足した?」

奏「……ええ、今日のところはね」

奏「意気揚々と自分から挑んでおいてこの結果、本当に滑稽ね……次こそこうはいかないから」

奏「……早くタクシーの発着所に行ってきなさい。誰かに先を越されるわよ」

スタスタスタ……

藍子「……行っちゃいましたね」

凛(……行ったことのない町にも行ける、か。たしかに便利そうだけど……)

凛「藍子、どうする? せっかくだし、そらとぶタクシー、乗ってみる?」

藍子「うーん……」
195 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 20:26:31.57 ID:SchLONZR0

乗らない→9番道路を経由してナックルシティに戻り、ワイルドエリアを通過します。その分手持ちのポケモンを大いに鍛えられるでしょう。
また、道中にはシャッターで閉ざされた怪しげな町があるようですが……?

乗る→そらとぶタクシーに乗り込み、バウタウンへひとっ飛びします。
レベルアップは見込めませんが、どうやらタクシーの運転手は物知りのようで、ガラル地方の伝説にも詳しいそうです。

※この行動が未来を決める……

>>196 乗るor乗らない

196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/17(土) 20:59:10.73 ID:P67Z6vJh0
乗らない
197 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 22:50:28.69 ID:SchLONZR0

藍子「いえ、この先はバトルも厳しくなると思いますし、やっぱりワイルドエリアで手持ちを鍛えていきたいです」

藍子「それに、凛さんの調査も一緒にできますし!」

凛「わかった。藍子がそう言うなら、私もいいよ」

凛「じゃあまずはナックルシティに戻らないとだね」

藍子「はい! ではさっそく――」

藍子「――へくちっ!」

凛「……」

凛「まずは服、買おうか……」

藍子「は、はい……ふふっ」

アハハハ……
198 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 22:51:16.61 ID:SchLONZR0

9番道路

ザパアッ

凛「ありがとう、ゲッコウガ」

藍子「サニーゴ、寒い中お疲れさま!」

凛「……海は抜けたみたいだね。あの先は雪が積もっていないし、少しは寒さも和らぐかな」

藍子「そうですね。えっと、もう少し歩いたらルートナイントンネルがあって……7番道路を抜けた先がナックルシティですね!」

凛「よし、日が暮れるまでにはナックルシティに着けそうだね」

凛「……ん? あれは……」

凛(目の前に物々しいシャッターがある。あの先は……なにかの施設だろうか)
199 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 22:52:12.92 ID:SchLONZR0

藍子「凛さん、どうかしました?」

凛「あ、いや。あのシャッター、なんだろうと思って」

藍子「……あっ、私、聞いたことがあります」

藍子「たしかこの辺りにはスパイクタウンっていう町があるみたいです。……ただ、もう人は住んでいなくて、近づく人もあまりいないそうですけど」

藍子「町の中には恐ろしい怪物がうろついているとか……」

凛「怪物って……ポケモンのこと?」

藍子「うーん、そこまでは……」

凛「……つまりゴーストタウンってことか」

凛(たしかにこのシャッター……どんな立ち入り禁止の看板よりも効果がありそうな、異様な雰囲気がある。見た人を遠ざけるというか、あの先に何があるのかって好奇心すら削ぐような――)

藍子「? あれ、あそこにいるのは……」
200 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 22:53:08.64 ID:SchLONZR0

藍子「あっ、つかささん!」

つかさ「!!」

凛「つかさ。久しぶりだね」

つかさ「……おう、久しぶりだな。こんなトコで何してるんだ?」

凛「今ナックルシティに向かっている途中なんだけど、このシャッターを見つけて立ち止まっていたところだよ」

つかさ「へえ。って、わざわざあの海を渡ってきたのか。そりゃお疲れさんだな」

藍子「あ、あはは……つかささんは?」

つかさ「アタシはこの町に用があるのさ」

藍子「!」

凛「……ここってスパイクタウン、だよね。誰も住んでいないんじゃないの?」
201 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 22:53:51.44 ID:SchLONZR0

つかさ「そうさ。ここには誰もいない。だが、アタシが求めている情報はあるかもしれない」

凛「情報……?」

つかさ「もしかしてアタシのこと、怪しんでる?」

凛「……正直ね」

つかさ「……まぁそうか。確かにそうかもな。ま、見られてちゃしょうがないか」

つかさ「わかった、洗いざらい話すよ。でもこの話は絶対に口外するなよ。ホントはアタシ一人で秘密裏にやる予定だったんだからな」

藍子「……」ゴクリ

つかさ「最近各地で頻繁に発生している事件――アタシ達は便宜的にポケモン凶化事件と呼称しているんだが、それはもう知っているよな?」

凛「うん。ポケモン凶化事件――そんな呼び方だったんだ」

つかさ「どの現場でもポケモン達は理性を失って暴れていたからな。そう名付けさせてもらった」
202 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 22:54:51.23 ID:SchLONZR0

つかさ「で、この件の裏にはでかい陰謀が絡んでいるとアタシは推測している。ガラルを根本からひっくり返そうとしている、凶悪な思想を持った奴らがな」

凛「……うん、間違っていないと思う。私たちも、ポケモンを操っているトレーナーと出会ったことがあるから」

つかさ「……へえ。じゃあアタシの推測は、ほぼ確信の域に達しているんだな」

つかさ「で、やっぱマクロコスモスとしてはこの事態は放って置けないわけ。下手すりゃ自分らのビジネスの基盤すら奪われかねない状況だからな」

つかさ「だからいついかなる時も、あらゆる状況に対応するために、アタシはある対抗手段を手に入れようと考えた」

藍子「対抗手段……?」

つかさ「前にダイマックスの話をしただろ、覚えてるか? あの時、ダイマックスバンドにはガラル粒子の凝縮体であるねがいぼしの力が蓄えられてるって説明したよな」

藍子「は、はい」

つかさ「実はそのねがいぼしっつーのは――あるポケモンの身体の一部だったんだ」
203 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 22:55:37.18 ID:SchLONZR0

凛「ねがいぼしが、ポケモンの一部……?」

つかさ「ああ。この地でダイマックスができるのは地方特有の何とかのおかげじゃない。全ては、かつてこの地方に降り立った一匹のポケモンが発端だったんだ」

つかさ「ポケモンの名は、ムゲンダイナ」

藍子「ムゲン……ダイナ」

凛「そのポケモンが、ダイマックスの力の源ってこと?」

つかさ「そうだ。ムゲンダイナはガラルの大地から湧き出てきたエネルギーを糧に活動していたみたいなんだが、それと同時に吸収したエネルギーをガラル粒子に変換し、この地に送り込んでいたらしい」

つかさ「つまりムゲンダイナこそが、この地に宿るエネルギーを明確化させた直接的なファクターであるというわけだ」

凛「……そんなポケモンがいたんだ」
204 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 22:57:01.29 ID:SchLONZR0

つかさ「だけど今やムゲンダイナは伝承にのみ語り継がれる存在だ。実際にその目で見たことのあるヤツはもう生きていないだろうし、ムゲンダイナ自身すら現世に生きているのかわからない。もちろん図鑑にも登録されていない」

つかさ「わからないからこそ、アタシは今、それを確かめようと動いてる。ヤツを見つけた暁には、共にこの地方を守るためにアライアンスする。力を貸してもらうってことだな」

つかさ「で、このスパイクタウンにヤツの手がかりがあるんじゃないか、そう思って立っているわけ。以上」

凛「……なるほど。事情は分かったよ」

藍子「そんな強大なポケモン……私たちの手に負えるんでしょうか」

つかさ「はは、その言葉はもう聞き飽きたわ。アタシは何度でもこう返す。そんなのやってみなきゃわからねえってな」

つかさ「どっちにしろ、このまま指を咥えて誰かが解決するのを待っていたら、アタシたちに待ち受けるのは破滅だ」

凛「……」

つかさ「……というわけで。よかったらアンタたち、アタシの手伝いしてくんない?」
205 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 22:58:02.38 ID:SchLONZR0

藍子「……え!?」

凛「手伝い……それって、スパイクタウンに入れってこと……?」

つかさ「ああ。今から行う調査の手伝い。アウトソーシングだ」

藍子「その、中は危険なんじゃ――」

つかさ「なんだよビビッてんのか? 何かあっても自分の身は自分で守れるだろ。なんたってアタシが直々にダイマックスバンドを授けたトレーナーなんだからな」

つかさ「アタシはアンタたちを信じてマクロコスモスの重要機密を話した。もう後戻りはできない。もはやアタシたちはガラルを守る共犯関係だ」

藍子「共犯関係だなんて、そんな……」

藍子「……どうしますか、凛さん?」

凛(……)
206 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 22:58:49.87 ID:SchLONZR0

凛(さっきの話……ダイマックスの源であるポケモンがいるって話はまだ信じがたいけど)

凛(つかさは元々一人でこの町に入る予定だった。そんな危険を冒してまでそうしたのは、ガラルのみんなを守るため……)

凛(そのためにつかさは私たちを信じてくれた。なら、きっと私たちも協力すべきなのだろう)

凛(……やってみなきゃわからない、か)

凛「わかった。私も同行するよ。藍子はどうする?」

藍子「り、凛さんが行くなら、私もついていきます!」

つかさ「……ありがとな、お二人さん。いつかこの礼は必ずさせてもらう」

つかさ「じゃ、さっそく乗り込んでみようか」
207 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 23:00:08.27 ID:SchLONZR0

スパイクタウン
かつて栄えたアーケード街は今や誰も住んでおらず、廃墟と化している

凛(……へえ。町全体がアーケード街になっているんだ)

凛(だけどどこを見渡しても人が住んでいる気配がない。窓ガラスも所々割られていて不穏だ……)

凛(アーケードの奥にはこぢんまりとしたバトルフィールドがある。昔はあの場所でたくさんのバトルが繰り広げられていたんだろうか)

つかさ「……スパイクタウンはこの通り、大きなスタジアムもなければ娯楽施設もない。そもそもここはパワースポットじゃないからな」

つかさ「それに9番道路が近いから町はかなり寒い。対策として町をアーケード化したんだが、するとガラル交通が町中には着陸できなくなり、交通の便が悪くなった。結果、町を訪れる足も遠のいていって、町はみるみる寂びていった」

つかさ「マクロコスモスも何とかこの町の活気を取り戻せないかと奮闘したんだが、アタシが目を付けた頃にはもう遅すぎた。結局何もできず後回し後回しにされて、今じゃこうして町だけ置いてけぼりにされている――ってわけだ」
208 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 23:00:47.26 ID:SchLONZR0

藍子「……そうだったんですね。だからゴーストタウンに……」

凛「町に怪物がいるっていう噂も、そういう治安の悪さが尾ひれをつけたんだろうね」

つかさ「かもな。まあ実際は怪物どころかポケモンの一匹も見かけてないわけだけど」

凛「本当だ……どうしてポケモンすらもいないんだろう」

つかさ「……」

凛「……つかさ?」

つかさ「……変だ」

藍子「えっ?」

つかさ「実はここに来る前に、部下の一人に予め町を調査させていたんだ。報告書には……『人影は見当たらなかった』って書かれていたはず」

つかさ「けど……感じないか? 誰かの視線を……」

藍子「視線……ですか?」

凛「別に感じないけど――」
209 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 23:01:19.21 ID:SchLONZR0

凛「……!!」ビクッ

凛(な、なに、この背筋が凍るような感覚……!?)

藍子「凛さん!?」

つかさ「……やっぱり。この町、誰かが居座っている……ゴーストタウンなんかじゃねえ」

凛(……誰かが私を見ている。それも3人全員じゃなく、私だけ……)

凛(でもどうして私だけ……?)

凛(……いや、この感覚……覚えがある。このまとわりつくような、そんな感じの不気味な気配っていうか……)

凛(殺気。……そうだ。この視線の主は、私に殺気を向けている……)

凛(こんな殺気の持ち主は、一人しかいない……!)
210 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 23:02:44.58 ID:SchLONZR0

つかさ「アイツ……なんで報告書を偽装しようとしたんだ? 何を隠そうとしていたんだ?」

つかさ「っておい、凛! どうしたんだ、顔が真っ青だぞ!?」

藍子「凛さん、しっかりしてくださいっ!」

凛「あ……うん、大丈夫……」

つかさ「ったく……本当に大丈夫ならそんな顔しねえよ。言動が矛盾してるっつーの」

つかさ「とにかくヤバい気配がする。一度町を出よう」

凛「う、うん……」

凛「!?」ハッ

凛(藍子の後ろに落ちている、あれは……)

藍子「? 凛さん、どうかしました? 私の後ろに、なにか……」

ヒョイ

藍子「これは……赤い、リボン?」
211 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/17(土) 23:10:05.12 ID:SchLONZR0
今回はここまで

しぶりん久々のバトル、奏さん再登場と色々ありましたが乗らないルート選択で判明した情報は
・つかささんは味方ポジション
・スパイクタウンは寂れている
・なのにしぶりんに殺気を向ける誰かが潜んでいる
でした

そして今後、藍子がジムチャレンジを制覇するまでポケモン凶化事件関連の事象は登場しません
来週からはしばらく楽しいパートが続きます

ここまで読んでいただきありがとうございました
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/17(土) 23:14:53.97 ID:P67Z6vJh0
乙 うわぁ...ここでまゆ登場か...
あれ?って思って見直してスパイクタウンはジムから除外されてたのに今更ながらに気付いた...
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/18(日) 12:16:43.15 ID:YEUhR8EH0

乗った場合はザシザマの情報入手かな?あと凛の手持ちもちょっとずつ技構成とか変わってるのね
214 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:03:51.08 ID:yfIz8WXJ0
ちょっと今週末は忙しくなりそうなので早めに投下します
乗った場合に得られた情報はザシザマ関連ですね。あと奏さんの設定も小出しする予定でした
215 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:05:20.67 ID:yfIz8WXJ0

スパイクタウン>>エンジンシティ>>ワイルドエリア>>バウタウン←イマココ


バウタウン

市場やレストランに多くの人が集まる港町

凛「着いたね……バウタウン」

藍子「うーん、潮風が心地いいです!」

凛「そうだね。海を見たのも久しぶりな気がするよ」

ブォォォォォン

藍子「な、なんの音でしょうか……あっちの方から聞こえてきます」

藍子「! あれは……」

そら「イヤッハー!!」ブォォォォォン
216 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:06:49.64 ID:yfIz8WXJ0

ナックルシティが抜けてましたね、エンジンシティとワイルドエリアも逆でしたね


凛「ひ、人が浮いてる……?」

??「あれはフライボードだね! 足につけたジェットエンジンから水を噴射して、その勢いで浮きあがってるのさ。楽しそうだろ?」

凛「へえ、そうなんだ……ところで、誰?」

海「おっと、失礼。この町でマリンスポーツクラブを運営している海だ。よろしくね」

藍子「藍子です! よろしくお願いします!」

凛「凛です。ところでマリンスポーツっていうのは……」

海「その名の通り、海で行うスポーツのことさ。有名なところだと、あの辺かな」

藍子「わあ……ヨットに乗っていたりサーフィンをしていたり、みんな楽しそうですね!」
217 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:07:51.70 ID:yfIz8WXJ0

海「いつもならあの辺は漁船とかが停泊してるんだけどね、ジムチャレンジ期間だけはマリンスポーツ用に場所を開放してもらっているんだ」

海「地元の人だけじゃなく、みんなで色んなマリンスポーツをやってもらって、町を活性化していきたいからね」

海「せっかくこの町に来たなら、是非なにか体験していかないかい? きっと楽しいよ!」

藍子「あ、その、興味はあるんですけど……私、いち早くジムに挑戦したいんです。今はごめんなさい」

海「ジムか……」

ニヤリ

海「ふふ、そっか。じゃあジムバトル、頑張ってきてね! 藍子ちゃん!」

藍子「はいっ!」

凛(? ……今一瞬、海の顔がニヤけたような……)
218 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:08:53.49 ID:yfIz8WXJ0


バウジム

凛「藍子のパーティ、かなり強くなったね。うん、自身を持っていいレベルなんじゃないかな」

藍子「いえ、これも凛さんのおかげです。わざわざ遠回りを選んでくれた私に付き合っていただいて、ありがとうございます!」


※ワイルドエリアを通過したため、藍子の手持ちが大きくレベルアップしました!

ゴリランダー Lv42→53
マホイップLv41→52
サニーゴ Lv40→52
ドラメシヤ Lv34→45
ヤドン Lv36→49
219 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:09:54.73 ID:yfIz8WXJ0

藍子「じゃあ、行ってきます!」

凛「頑張ってね、藍子」

藍子(……そうだ、そういえば誰かが言っていたな……バウタウンは、かつて最強のジムだった、って)

藍子(いったいどんな強さなんだろう)

ガラッ

ジムトレーナー「ようこそ、チャレンジャー!」

藍子「よろしくお願いしますっ。……ってあれ?」

藍子「この部屋、何もない……?」

ジムトレーナー「ああ。このジムでの課題は、ここでは行わないよ」

ジムトレーナー「早速だがチャレンジャー、これを着て外へ出ようか!」

藍子「え、ええっ!?」
220 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:10:42.99 ID:yfIz8WXJ0

スタジアム内

ザワザワザワ

凛「……」

パッ

『レディース・アーンド・ジェントルメーン!』

ワァァァァァ

凛(……ん? スタジアムのオーロラビジョンから声が……)

凛(……これは屋外の映像……?)

ジムトレーナー『スタジアムにお集まりの皆様、お待たせしました! これよりチャレンジャー・藍子には、こちらのマリンスポーツに挑戦してもらいまーす!』ドドンッ

ワァァァァァァァァ

凛「ウェイクボード……?」

凛(藍子が小さなボードの上に乗って、ロープを握っている。ロープの先はモーターボードに繋がっているみたいだ)
221 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:11:50.36 ID:yfIz8WXJ0

ジムトレーナー『ではルールを説明しよう! ズバリ、チャレンジャーは今からモーターボードが引き起こす波に乗りながら、導線上に現れる5匹のポケモンを捕獲していってもらいます!』

ジムトレーナー『もちろんウェイクボードだから、余裕があるなら華麗なアクションを決めてくれても全然OKだよー!』

ウォォォォォォォ

『あの女の子がウェイクボードなんてギャップがすごいぜー!』

『がんばれー!』

凛(……まさか海がニヤッとしていたのは、こういうこと?)

ジムトレーナー『ではチャレンジャー、準備はいいかな!?』

藍子「い……いや準備って! これってポケモンバトルに関係ないですよね!? それに私、ウェイクボードなんて――」

ブロロロロロ

ジムトレーナー『それではよーい、スタートォ!!』

藍子「ちょ、ちょっと待って下さあああぁぁぁぁぁ!!」

ブォォォォォォォン
222 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:13:08.66 ID:yfIz8WXJ0

藍子「は、速いです……速いですってば! ちょっと待って凛さあああぁぁぁぁぁん」

ワハハハハハハハハハ

『なんだあの娘めちゃくちゃ面白いじゃねーか!』

『おーい嬢ちゃーん! ビビってないでちゃんとポケモンも捕まえるんだぞー!』

凛「……」ポカーン

ジムトレーナー『ほらチャレンジャー! 早速最初のポケモンがお出ましだぜ!』

バチャッ

タマンタ「タマンター」

藍子「こ、これって片手で投げないといけないんですか……?」

ジムトレーナー「もちろんさ。でないとチャレンジャーが海にドボン、だぜ」

藍子「う、うう……!」

藍子「怖いけど、やるしかない……藍子、いきます!」バッ
223 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:14:05.83 ID:yfIz8WXJ0

藍子「いけー、ダイブボール!」ブゥン

タマンタ「……」スカッ

藍子「あ、あれ……」

グラッ

藍子「!?」

藍子(しまった、前に傾きすぎた――)

ボチャーン

『あちゃー、派手にいったなー!』

ワハハハハハハ

凛「……」

凛「……ぷっ」

…………………………………
224 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:16:08.16 ID:yfIz8WXJ0

ジムトレーナー「捕まえたポケモンは……3匹か! 初めてにしてはいい成績じゃないか」

藍子「あ、ありがとうございます……普通にバトルするよりも疲れました……」

ジムトレーナー「さて、じゃあ次の競技は――」

藍子「ま、まだあるんですか!?」

ジムトレーナー「なんて冗談だよ冗談。もう充分にお客さんも楽しませてくれたみたいだし、スタジアムに進んでいいよ」

ジムトレーナー「実はさっきの課題にはノルマなんてなかったんだ。純粋にマリンスポーツを楽しんでほしい、ってジムリーダーの要望だからね」

藍子「そ、そうだったんですか……」

ジムトレーナー「あ、そうそう。うちのジムリーダーはZワザっていう珍しい技を使うトレーナーなんだ。くれぐれも気をつけろよな」

藍子「えっ……Z、ワザ……?」

ジムトレーナー「おっと、この先は戦ってみてのお楽しみ、ってことで。じゃ、ウェイクボード、またやってくれよな!」

藍子「は、はい……気が向いたら」

ザッザッ

225 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:17:30.37 ID:yfIz8WXJ0

??「こんにちは、チャレンジャーさん!」ザッ

美波「バウタウンジムリーダーの美波です。対戦、よろしくお願いします!」

藍子「よ、よろしくお願いします!」

美波「ウェイクボード、どうでしたか? ちょっと難しかったかな?」

藍子「はい、すごく大変でした……あんなに激しい波を乗りこなす人ってすごいなあって思います!」

美波「ふふ、そうですね。……水は色んな表情を持っているんです。時には清らかで優しく私たちを癒してくれますが、激流となって襲いかかってくることもあります」

美波「私はそんなみずタイプのエキスパートです。時に優しく、時に激しい波のように……あなたを呑み込んであげますね!」キッ

藍子(! 目つきが変わった……!)

美波「使用ポケモンは4匹、全員が戦闘不能になれば終了です。ダイマックスも使用可能です。では……美波、行きます!」

ジムリーダーの美波が勝負をしかけてきた!
226 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:19:27.08 ID:yfIz8WXJ0

藍子 手持ちポケモン

ゴリランダー (しんりょく) Lv53
むじゃきな性格 血の気が多い
ドラムアタック/アクロバット/ウッドハンマー/いやなおと

マホイップ (スイートベール) Lv52
おだやかな性格 のんびりするのが好き
マジカルシャイン/マジカルフレイム/デコレーション/あまいかおり

サニーゴ (はりきり) Lv52
わんぱくな性格 うたれづよい
アクアブレイク/パワージェム/じたばた/いのちのしずく

ドラメシヤ (すりぬけ) Lv45
さみしがりな性格 すこしおちょうしもの
おどろかす/でんこうせっか/かみつく/みがわり

ヤドン (マイペース) Lv49
おっとりした性格 抜け目がない
サイコキネシス/なみのり/しねんのずつき/かなしばり
227 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/22(木) 23:24:05.21 ID:yfIz8WXJ0
今回はここまでです。いよいよZワザ使いの登場ですね
ウェイクボードを選んだのは昔Wii Sports Resortでよく遊んでたからです
あと今回のジムトレーナーの脳内イメージはククイ博士です

明日から冠の雪原ですね、みなさん楽しんできてください
主は残業を楽しんできます。。。
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/22(木) 23:26:26.17 ID:lKJQRFcG0
乙 Zワザやウェイクボードって美波はアローラ出身かな?
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/24(土) 00:22:25.34 ID:1iBS7lkT0
まさか化石ポケモンが野生で出てくるとは…
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/25(日) 12:14:22.93 ID:QE9rMlw70

そういえばDLCの舞台にそのうち言ったりするんかね?
231 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:21:33.45 ID:wB/wputz0
いやあ…まさか化石ポケがあんな大量に内定するとは思わなんだ
そして堰を切ったように準伝がウジャウジャ出てきましたね。このSSにはどれだけの数が出られるのでしょうか

では投下していきます
232 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:22:27.98 ID:wB/wputz0

藍子「ゴリランダー、お願い!」ポンッ

ゴリランダー「ゴリ!」

美波「いくよ、シャワーズ!」ポンッ

シャワーズ「シャワ!」

シャワーズ あわはきポケモン みずタイプ
突然変異によりヒレとエラが生え、水中で生活できるようになった
細胞が水の分子に似ているため、水に溶けると見えなくなる

藍子(相手はみずタイプ……ゴリランダーなら序盤は有利に戦えるはず)

藍子(でも相手はジムリーダーだし、きっと対策もしてきている。気を付けていこう)

藍子「ゴリランダー、ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」ゴゴゴゴゴ

シャワーズ「シャワ……!」ズバァン
233 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:23:56.52 ID:wB/wputz0

美波「いい攻撃ですね! シャワーズ、あまごい!」

シャワーズ「シャワ」パァァ

ザァァァァァァ

藍子「もう一度ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」

シャワーズ「シャワ……!!」ズバァン

藍子「よし、これで――」

シャワーズ「シャワ……!」グググ

藍子「――倒しきれなかった……!」

美波「シャワーズは体力が自慢ですから! クイックターン!」

シャワーズ「シャワ!」バシュゥ

ゴリランダー「ゴリ!」バシィ
234 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:24:45.25 ID:wB/wputz0

美波「クイックターンは威力こそそれなりだけど……」

シュゥゥ

美波「攻撃しながら控えのポケモンと入れ替われる! 次いくよ、ランターン!」ポンッ

ランターン「ランター」

ランターン ライトポケモン みず・でんきタイプ
深海を泳ぐランターンの明かりは水面まで届く
光で獲物の目を眩ませ、ひるんだ隙に丸呑みにする

美波「ランターン、でんじは!」

ランターン「ランター!」バリリ

ゴリランダー「ゴリ!?」ビリリ

藍子「ゴリランダー!」

ゴリランダー「ゴリ……!」
235 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:25:34.63 ID:wB/wputz0

凛(マヒか……これは後半に響いてきそうだね)

凛(ここで状態異常にしたということは、この後の相手の出方としては……やっぱりくさタイプへの対策としてこおり技を覚えているはず)

凛(それを着実に当てるためのでんじは、かな――)

美波「ランターン、ハイドロポンプ!」

ランターン「ランター!」ドバァァァァ

ゴリランダー「ゴリ……!」

藍子「……? みす技……?」

美波「ふふっ、侮っていたら痛い目を見ますよ。そのうち……ね」ニッ

凛(そのうち……)

凛(! 今の天気は雨……まさか)
236 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:26:29.45 ID:wB/wputz0

藍子(……なんだか嫌な予感がする。とにかく早く倒さないと)

藍子「ゴリランダー、いやなおと!」

ゴリランダー「ゴリ!」ォォォン

ランターン「ランタ……!」

藍子「よし……ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ! ……ッ!!」ビリリ

美波「今よ! ランターン!」

ランターン「ランター!」ゴロロロロ

凛(! あれは……!)

美波「かみなり!!」

ランターン「ランター!!」バリリリリリ

ゴリランダー「ゴリ……!」

ドゴォォォォン
237 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:28:53.34 ID:wB/wputz0

ゴリランダー「ゴリ……」グラッ

藍子「!! そんな、効果はいまひとつのはずなのに!」

美波「相性だけの結果じゃないですよ。水は電気をよく通す……そうでしょ?」

藍子「! さっきのハイドロポンプはそのための……!」

美波「たしかにみずタイプはくさタイプやでんきタイプには弱い。でもそんな相性の差をひっくり返すくらいの技量がなきゃ、伊達にジムリーダーはやれていませんよ!」

藍子「……さすがジムリーダーです。やっぱり、そう簡単にはいかないですよね……!」

藍子(雨の中ではかみなりは避けられない……一撃で勝負をつけないと)

藍子(まだ未完成だけど……あれを試すしかない!)
238 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:29:54.10 ID:wB/wputz0


………………………………………………

朝練中

凛「ねえ、藍子」

藍子「? どうかしましたか?」

凛「前に私さ、ゴリランダーはバチンキーの時みたいに素早く攻撃を躱すのは厳しいって言ったよね」

凛「でも、一つ思いついたんだ。ゴリランダーに機動力を持たせられるかもしれない戦法」

藍子「! 本当ですかっ?」

凛「うん。といってもまだイメージの段階なんだけどね。ゴリランダーが必ずしもその通りに動けるかどうかはわからない」

凛「ただ、このイメージを形にできたら、すごく心強いと思うんだ。よかったら、試してみない?」

藍子「ぜひ! お願いします!」


………………………………………………
239 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:30:56.66 ID:wB/wputz0

藍子「ゴリランダー、ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴリ!」ドンドコドンッ

凛(! 藍子、あれを試すんだ……!)

美波「ランターン、来るよ!」

ランターン「ランター」ググッ

美波(ドラムアタックは地面から攻撃する技……どこからでもダメージを抑えられるようにしなきゃ)

ボコッ

美波「!? 自分の足元っ!?」

藍子「ゴリランダー、ドラムと一緒に跳び上がって!」

ゴリランダー「ゴリ!」ギュンッ

美波「なっ!?」

藍子「これで一気に決めます!」
240 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:31:49.43 ID:wB/wputz0

藍子「ウッドハンマーとドラムアタックの……連続攻撃です!!」

ゴリランダー「ゴリ!!」バシィ

ランターン「ランタッ……」

グワッ

ランターン「!!」

ドゴォォォォン

美波「!!」

ランターン「ランター」バタンキュー

ドローンロトム『ランターン戦闘不能! ランターン戦闘不能!』

ワァァァァァァァ
241 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:32:56.25 ID:wB/wputz0

凛(よし……完璧だ)

藍子「よし……うまくいきました!」

美波(ウッドハンマーで体勢を崩してすかさずツタで追撃……ゴリランダーがこんな素早い連続攻撃をしてくるなんて)

美波「お疲れ様、ランターン。……やっぱり、あのゴリランダーは真っ先に倒しておきたいな」

美波「お願い、アシレーヌ!」ポンッ

アシレーヌ「アシレー!」

アシレーヌ ソリストポケモン みず・フェアリータイプ
群れの仲間に学び、代々受け継がれてきた歌で戦う
毎日の喉のメンテナンスは、トレーナーの大切な役目だ

『出たァー! 美波のエースポケモンだァー!』

『ということはアレが来ちゃうのかー!?』

藍子(アレ……? それにもうエースが出てくるって……)

美波「よし……いくよ、アシレーヌ!」

バッ
242 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:33:47.15 ID:wB/wputz0

凛(あれは……)

凛(美波が腕につけているリング……よく見たらダイマックスバンドじゃない……? なら一体……)

キランッ

美波「母なる海に抱かれて……響け、波の彼方まで!」

アシレーヌ「アシ!」コォォォォォォォォ

藍子「! 何か来る……気をつけて、ゴリランダー!」

美波「私たちのゼンリョク、お見舞いします! わだつみのシンフォニア!!」

アシレーヌ「アシレー!!」

シュゥゥゥゥゥゥゥ
243 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:34:20.65 ID:wB/wputz0

藍子「!? み、水が……降ってくる……!?」

藍子「ゴリランダー、ドラムアタック!」

ゴリランダー「ゴ、ゴリ!」ドンドコドンッ

パシィ

藍子「そんなっ!」

アシレーヌ「アシレェェェ!!」

ズドォォォォォォォン

藍子「わあっ!!」

凛(! 客席まで水しぶきが……)

凛(今のは、一体……)
244 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:34:55.09 ID:wB/wputz0

ゴリランダー「ゴリ……」バタンキュー

ドローンロトム『ゴリランダー戦闘不能! ゴリランダー戦闘不能!』

アシレーヌ「アシレー」ペコリ

藍子「そんな……ゴリランダー!」

藍子「みずタイプの技なのに、なんて威力……!」

美波「っ……」ガクッ

藍子「! 美波さん、大丈夫ですか!?」

美波「……大丈夫、ちょっとふらついただけです」

美波「前触れもなく出しちゃってごめんなさい。藍子ちゃんは初めて見たかもしれないけど、これが私たちの武器、Zワザなんです」

藍子「Zワザ……」
245 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:35:44.52 ID:wB/wputz0

美波「はい、今回はダイマックスの代わりに使わせてもらいました。おかげで厄介なくさタイプを突破することができましたよ」

藍子(! そうだ、美波さんはまだ3匹も残されているのに、もうゴリランダーが倒されてしまった……)

藍子(もうみずタイプに有利なポケモンはいない……気を引き締めないと)

藍子「まだまだこれからです……ヤドン!」ポンッ

ヤドン「……やどーん」

美波「アシレーヌ、戻って。いくよ、ジュゴン!」ポンッ

ジュゴン「ジュゴーン!」

ジュゴン あしかポケモン みず・こおりタイプ
全身が雪のように真っ白で寒さに強く、むしろ寒いほど元気になる
8ノットのスピードで冷たい海を泳ぐ
246 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:36:21.86 ID:wB/wputz0

美波「ジュゴン、れいとうビーム!」

ジュゴン「ジュゴーン!」コァァァァァ

藍子「サイコキネシス!」

ヤドン「……」

藍子「……ヤ、ヤドン……?」

ヤドン「……! やど――」

ピキーン

ヤドン「」

『おいおい遅すぎだろー!』ワハハハハハ

『そんなノロマなポケモンでどう戦うんだよー!』ワハハハハハ

藍子「っ……」
247 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:37:12.00 ID:wB/wputz0

美波「アクアテールで吹っ飛ばして!」

ジュゴン「ジュゴーン!」

バシィィッ

ヤドン「……!」ズガァン

藍子「ヤドン!」

藍子(やっぱり正攻法じゃダメだ……相手のペースについていけない)

藍子(でも、どうすれば……)

凛(……やっぱり問題はあのヤドンだね)

凛(サニーゴのように耐えて反撃するような頑丈なポケモンでもないし、そもそも先回りして指示を出さないと防御もまともにできない)

凛(なんとか攻撃を当てられたらいいんだけど……守ることも躱すこともできないなら、ただ相手のサンドバッグになってるだけだ)

凛(藍子……)
248 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/10/31(土) 00:38:38.84 ID:wB/wputz0

美波「私は待つ気はありませんよ! もう一度れいとうビーム!」

藍子「サイコキネシスで迎え撃って!」

ヤドン「やどーん」パァァ

ズバンッ

美波「……攻撃を防ぐので精一杯みたいですね」

美波「もしかして、ゴリランダーだけを頼りに私を倒すつもりだった……わけではありませんよね?」

藍子「! そんなことは……」

藍子「……いえ、たしかに私はゴリランダーを頼りすぎていたのかもしれません。かな子ちゃんも泉ちゃんも、ゴリランダーがいなかったら倒せなかったです」

藍子「……だからこそ、ゴリランダーがいなくても勝ってみせます!」キッ

美波「そう、その調子だよ、藍子ちゃん!」

藍子「!」

美波「もっとヤドンの能力を引き出してみせて! いくよ、ジュゴン!」

ジュゴン「ジュゴーン!」バッ
442.89 KB Speed:0.5   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)