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勇者「安価とコンマで輪廻転生を繰り返して世界を救う」
- 524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 21:41:10.65 ID:VRxx+/pw0
- コンマ一番高いの>>521では?
- 525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 21:52:33.95 ID:JHAuZ8cuO
- 2
- 526 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/03(土) 21:52:54.63 ID:XFKLTbrJO
- >>524
あ、ホントだ!!! ちょっと待っててください!!! これは幻術なので!!! 書き直します!!!
- 527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 21:55:21.37 ID:3rDC9GH7O
- 幻術なら仕方ない
- 528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 22:28:50.46 ID:ruEAV0r9o
- なんだ幻術か
- 529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 22:31:35.92 ID:9YzHePf6o
- その術は俺に効く
- 530 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/03(土) 22:46:42.82 ID:XFKLTbrJO
- >>523は幻
【モンジャ:町の入口近く】
付喪神「…………」ギロッ……
入口の門の近くに、小さな和装の男の子が仁王立ちしている。勇者2とククルは、家屋の物陰からその少年を見ていた。
勇者2「……あの人が将軍の部下?」
ククル「はい、名は付喪神。モンジャ将軍に忠実なからくり人形師の男性です」
ククル「彼は自ら造り出した人形を操って戦うのですが、これが厄介でね……」
勇者2(……あれ? さっきまで女の子が立っていたような……)
勇者2(……気のせいか)
ククル「しかし……これからどうするんです? まさか正面から行くわけではないでしょう?」
勇者2「うーん……」
安価です。勇者2の戦闘方法を選択してください。
1.正面から薙刀でブッ倒す。
2.近くのモブに『影潜り』で近づきバレないように攻撃する。
3.その他自由に。勇者2のできそうなことで。
↓2
- 531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 22:47:24.28 ID:WJoGTJYpo
- 2
- 532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 22:51:41.97 ID:pykF1o/dO
- 日が落ちて明かりが灯るのを待ち、光源を増やして影が様々な角度でできる状況を作り出して四方八方から影潜りで攻撃を仕掛ける
- 533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 22:57:14.14 ID:VRxx+/pw0
- ユウシャらしからぬクレバーな作戦だ
- 534 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/04(日) 00:41:52.68 ID:IyEmyFd9O
- めちゃくちゃ賢い作戦。果たして……
勇者2「……日没までどのくらい?」
ククル「日没ですか? あと2、3時間というところでしょうか」
勇者2「よし……それまで待とう」
ククル「……何か作戦が?」
勇者2「まぁ見ててよ。修業の成果をお見せするからさ……!」
ククル「……?」
【日没後……】
勇者2「うん、思った通りだ」
勇者2(暗くなって皆が灯りを点けたことで、影ができてる……! これなら『影潜り』が簡単にできるよ……!)
付喪神「…………」
勇者2(……というか、あの人ずっとあの体制で立ってたの……?)
勇者2(……まぁいいや。さっさとやっつけよう……!)
勇者2「じゃあ行ってくる。何かあったらヨロシク」
勇者2「……『影潜り』」ヌルン……
勇者2は、近くの影の中に入る。そして、影を経由しながら付喪神へと近づく。
ククル「……!?」
ククル(これは……忍者の職業スキルか!? あの人は一体……!?)
ククル(……この力で勝てると良いんだが……)
- 535 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/04(日) 00:44:25.52 ID:IyEmyFd9O
- 付喪神「…………」
勇者2は、付喪神の影へと入り込んだ。だが、付喪神が気付く様子は無い。
勇者2(勝負は一瞬……! ユウシャの力できちんと決める……!)
勇者2「───せいっ!!」ブンッ!!
勇者2は、影から出た瞬間に薙刀を振るった。刃はブレることなく付喪神に食い込み、付喪神の肉体を破壊する。
……バキバキッ!!
勇者2「えっ!?」
勇者2(なに……この音!?)
付喪神の体が、ゆっくりと倒れる。だが、その倒れ方がおかしい。関節や骨などを無視した倒れ方だ。
まるで……人形のように、付喪神は壊れた。
勇者2(いや、違う……! これ……!)
勇者2「人形!?」
付喪神?「ゴメイトー!」カタカタカタ!!
壊れたはずの人形がカタカタと笑い出す。人間のように精巧に作られているだけあって、かなり不気味だ。
付喪神?「サテ、ホンモノは、ドーコダ!」カタカタカタ!!
ドドド……!!
勇者2「こ、今度は何……!?」
勇者2「……うわあああああっ!?」
振り返った勇者2の目に飛び込んできたのは、大量の付喪神の姿だった。
だが、彼らの走り方はおかしい。関節をグニャグニャと曲げながら走っているのだ。おそらくアレも人形たちなのだろう。
勇者2(ま、マズイ……! どうすればいいんだろ……!)
勇者2「ねぇククル! どうしよう!」
勇者2「……あれ!?」
さっきまでいたはずのところに、ククルはいなかった。
勇者2(ま、まさか……逃げたの!? 私を置いて!?)
人形たち「アハハハハハ! ブカイシャ! ブカイシャ! エモノダー!」
勇者2「こ、怖いなぁもう!」
勇者2(カースゾンビに襲われた時を思い出すんですけど!!)
勇者2「くっそー! 正面突破で行くしかないのか……!」
コンマ二桁判定。コンマ10以上で人形たち全部ブッ壊します。
↓1
- 536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 00:44:43.62 ID:3X1GA48c0
- へいゆー
- 537 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/04(日) 01:10:09.40 ID:IyEmyFd9O
- 勇者2「せっかく『影潜り』したのに! 偽物だなんて……許さないからねっ!」
勇者2「うりゃあああああああっ!!」ブゥン……!!
バキバキバキ!!!
勇者2は縦横無尽に薙刀を振り回し、人形たちを破壊していく。その姿は、まるで前周回のユウシャのようだ。
勇者2「はぁ……はぁ……」
勇者2「よしっ! 全部壊してやったぞ!」
パチ、パチ、パチ……
勇者2「!」
拍手の音がする方を見ると、そこにはまた付喪神の格好をしたものがいた。
勇者2「……いや……」
だが、それは今までとは明らかに雰囲気が違う。
勇者2「……君は、本物だね?」
付喪神「あはははは! 御名答御名答!」
付喪神「なかなかやるじゃん。俺の人形全部ブッ壊してくれるなんてさー」
勇者2「そっちこそ、自分の見た目の人形ばっか作って……そんなに自分が好き?」
付喪神「自分の型で人形作るとラクなだけだよ。アンタみたいに俺だと勘違いして突っ込んでくれる馬鹿も釣れるし」
勇者2「うぐぐ……!」
勇者2「で、でも、もう君の人形はいないよ! 私に倒される前に降参しなよ!」
付喪神「あはは! 本当に馬鹿だなぁ! 俺があんな人形だけしか作れないと思うの?」
付喪神「さぁ……! 戦いはこれからだよ……!」
勇者2「……!」
ククル「───盛り上がってるところ失礼します」ドゴッ!!
付喪神「……!?」
突如現れたククルが、付喪神を殴り飛ばす。聖職者には似合わぬその拳は、付喪神を気絶させるには充分だった。
- 538 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/04(日) 01:11:34.03 ID:IyEmyFd9O
- 勇者2「く……ククル! 逃げたのかと思ったよ!」
ククル「まさか……そんなわけないでしょう。これが私の作戦ですよ」
ククル「付喪神がああいう風に見張りで立っている可能性は低いんです。なので、勇者2さんを見張りの付喪神に突撃させました」
ククル「アレが本物だったら私も楽だったのですが……まぁ、そうはいかなかったので、隠れて機を待っていたんです」
ククル「付喪神は好敵手を見つけると自ら出てくる自信家なところがあると知っていたので……出てきた瞬間に私のスキルで素早く移動してコイツを倒したわけです」
勇者2「……つまり、私は囮だったってこと!?」
ククル「……簡単に言えば、そういうことですね」
勇者2「ひ、ひどい! ひどいよ!」
ククル「いいじゃないですか、障害だった付喪神を倒せたんですから」
ククル「さぁ、行きますよ。そろそろ警備隊も出てきてしまいます。オーエドに行きたいんでしょう?」
勇者2「そ、それはそうだけど……」
ククル「じゃあ早く、私についてきてください」タッタッタッ……
勇者2「むむむ……なんかスッキリしないなー……」
勇者2「……まっ、オーエドに連れてもらえるし……いっか!」タッタッタッ……
- 539 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/04(日) 01:14:17.00 ID:IyEmyFd9O
- 眠くなってきたので今日はこの辺りで。安価とコンマが良かったので割とアッサリ付喪神を倒せました。これから勇者2は初対面の人間を囮にする系のククルとオーエドに向かいます。ではまた明日。
- 540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 06:43:58.93 ID:WBZUJxjso
- おつー
- 541 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/04(日) 08:52:12.33 ID:IyEmyFd9O
- 今日は意外と早起き。やっていきます。
モンジャから脱出した勇者2とククル。
彼らはオーエドを目指すのだが……
コンマ二桁判定。コンマ30以上で何事もなくオーエドに着きます。
↓1
- 542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 08:54:14.02 ID:UbNe/uuY0
- あ
- 543 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/04(日) 09:02:19.83 ID:IyEmyFd9O
- まだオーエドに着かないようです。
安価です。オーエドに行くまでに巻き込まれるイベント。良いことでも悪いことでも人間でも妖怪でもそれ以外でも可。ただし、コンマ50以上が出ないとそのイベントは発生しません。
↓3まで。コンマ50が一つもなかった場合、その中でコンマの一番高いものを採用します
- 544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 09:06:47.20 ID:fK8EVk7No
- 旅の仲間が増える
- 545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 09:06:59.79 ID:kzRhA9Djo
- 場違いなほどの武器が落ちてた
- 546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 09:07:12.85 ID:3X1GA48c0
- 6年前のゴーン帝国に向かったハツモトたちの話を聞かされる
- 547 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/04(日) 10:20:57.76 ID:IyEmyFd9O
- >>545、>>546を採用。今さらなんですが、ユウシャが転生するまでの年数(6年)+勇者2の年齢(12歳)で、現在ユウシャの死から18年後なんですよね。これはこちらの不手際です。次回から年齢だけ募集するようにしようかなー。
というわけで再度年数を表示して進めていきます。
【太陽暦141年:春の朝】
【クランディア王国第三王子殺害事件から18年後】
勇者2「……まだ着かないのー?」
ククル「そうですね……もう少し掛かりそうです」
ククル「……そういえば、勇者2さんはどうしてゴーン帝国のことを知っていたんですか?」
勇者2「へっ?」
勇者2(す、スキルのこと言うわけにはいかないよね……)
勇者2「か……瓦版で見たんだ!」
ククル「瓦版に? そんなニュース載りますかね……」
勇者2「う……裏瓦版だよ! 嘘か本当か分からない記事ばっか載せるやつ!」
ククル「ああ、なるほど……」
勇者2(突っ込まれる前に話を変えよう……!)
勇者2「そ、それより、ゴーン帝国でそれからどうなったの? 私、ゴーン帝国が魔王軍に侵略されたとこまでしか知らないんだよね」
ククル「……そうですね……」
コンマ二桁判定。ゴーン帝国に派遣された人々のその後を判定します。
コンマ10以下で死亡、コンマ50以下で怪我による離脱、コンマ80以下で何かしらを達成して離脱、コンマ81以上やゾロ目だと魔王軍に一撃お見舞いしてます。
コンマ判定するのが多いので、人が少なそうだったら連投ありです。
↓1 ハツモト
↓2 ヌアザ
↓3 シャリー
↓4 ローレンス
↓5 ジャコ
↓6 ハスター
↓7 ルナ
↓8 隊長
- 548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:24:41.37 ID:dHDPWa4mO
- はつ
- 549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:26:57.08 ID:01RRQffrO
- やべえ
- 550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:28:21.84 ID:8BqoUBneO
- 死者出たかあ
- 551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:30:20.34 ID:01RRQffrO
- 当時10歳の幼女もいまでは28歳か……
- 552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:31:11.64 ID:HotTko6q0
- 魔王軍強い
- 553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:33:35.75 ID:kzRhA9Djo
- あ
- 554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:33:57.10 ID:8BqoUBneO
- もい
- 555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:34:54.95 ID:xnHyhBXvO
- 幽霊が死亡とは
- 556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:35:00.94 ID:01RRQffrO
- ルナちゃんが死んでしまったか……
ん?
- 557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:35:57.00 ID:fK8EVk7No
- あ
- 558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:43:46.27 ID:xnHyhBXvO
- なんか成果あげれなそうな人が活躍してて草
- 559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:45:54.74 ID:mFT1HMD50
- 何かしらを達成し、魔王軍に一撃を食らわせたのも結構多いな
- 560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:49:34.00 ID:HBFJoOpD0
- シャリーちゃんとたいちょーすげえ
ルナちゃん成仏
- 561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 10:54:59.10 ID:xnHyhBXvO
- ジャコなんだかんだで最後の方かっこよかったから活躍したの嬉しいな
- 562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 11:04:46.06 ID:2NEcSWxiO
- 今の勇者2の感性だと人並みに悲しむのかな
- 563 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/04(日) 11:06:33.51 ID:IyEmyFd9O
- ・死亡……ヌアザ、ルナ
・怪我による離脱……ハツモト、ローレンス
・何かしらを達成して離脱……ジャコ、ハスター
・魔王軍に一撃お見舞い……シャリー、隊長
こんな感じです。まさか二人も魔王軍に打撃を与えるとはね。そして結果が均等になるとは。
まとめてくるのでしばしお待ちを。
- 564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 11:06:38.68 ID:2NEcSWxiO
- あとローレンスは次周回あたりから寿命判定発生しそうね
- 565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 12:11:57.95 ID:htXcd+rZO
- ヌアザさん特に見せ場もなく退場で可哀想
- 566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 13:14:50.14 ID:DhH5D4vwo
- ハツモトさんただの悪人みたいじゃん…
- 567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 13:42:34.75 ID:XuV1ppAkO
- フレンドリーファイアかな
- 568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 14:34:26.81 ID:3X1GA48c0
- シャリーが何をしたのか気になり過ぎる
- 569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 23:38:35.81 ID:INQhkBoYO
- 目覚ましセットした
- 570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/05(月) 18:37:30.72 ID:d46TpPnY0
- ねぼすけさんめ
- 571 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 11:32:04.80 ID:72rHBHtUO
- すいません、やっとまとまりました! 皆の活躍を書いてたら楽しくなっちゃって……
今回は安価じゃない部分が長いぞ!
- 572 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 11:34:39.21 ID:72rHBHtUO
- ククル「……随分と変わりましたよ。もうあなたの知っているゴーン帝国ではありません」
ククル「モンジャ脱出のお礼に、話してあげましょう。ゴーン帝国に何があったのか……」
ククル「あれはそう、今から18年前……」
【今から18年前:ゴーン帝国入口付近】
ユウシャが離脱してからしばらく経ち、一行はゴーン帝国の入口まで辿り着いた。
ちなみに、ジャコはいまだ合流できていなかった。スライムマンがヤケクソで出した追手に思ったよりも手こずってしまったのである。
隊長「ここがゴーン帝国……!」
シャリー「わーい! ついたついたー!」
ローレンス「しゃ、シャリー……! 大声は止めぬか……!」
ハスター「……見張りはいないんですね」
隊長「まさか攻め滅ぼしたばかりの場所に敵が来るとは思っていないだろう。今こそ好機だ……!」
隊長「いいか皆……よく聞いてくれ」
隊長「これから我々はゴーン帝国に入り、内情を調査する。だが、無用な戦闘は避けてくれ。生き延びることが優先だ」
全員「…………」コクリ……
隊長「よし……では行くぞ……!!」
ヌアザ「───悪いねぇ、アンタたちの旅はここまでだ」
- 573 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 11:36:56.48 ID:72rHBHtUO
- シュルルルル……!!
ガシッ!!!
全員「!?!」
ローレンス「な、何だこれは……!?」
ハスター「これは……縄、ですか……!?」
ハスター「くっ、取れない……!」
麻縄が蛇のようにのたうち、ヌアザ以外の全員に絡みつく。あっという間に身動きが取れなくなってしまった。
隊長「ヌアザさん……!? こ、これは一体……!?」
ハツモト「……なるほどな」
ハツモト「アンタ、裏切り者か……!」
ヌアザ「人聞きの悪い……ビジネスだよ、ビジネス。ぼくはこうやってお金を稼いでるの」
ヌアザ「例えば……盗賊団にゴーン帝国への派遣団のことを教えて報酬をもらったり、ね」
隊長「! あれは、君が流したのか……!」
ハツモト「そして、次は……あろうことか魔王軍と取引しやがったなぁ……!?」ギリギリ……!!
ヌアザ「ちょっと違うかなー。ぼくは元々、魔王軍からお金を貰って派遣団に応募したんだよ。派遣団に潜入して途中で裏切れって」
ヌアザ「他の派遣団にもぼくみたいなのが紛れ込んでると思うよー」
隊長「な、何だと……!?」
隊長(それでは他の派遣団も我々と同じ目に……!)
- 574 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 11:44:19.89 ID:72rHBHtUO
- ヌアザ「……ぼくらが思ってるより魔王って狡猾だよ。ゴーン帝国を落としたくらいで油断しないんだから」
ヌアザ「こんなの勝てっこないって! だったら魔王軍に取り入った方が長く生きられるよ!」
ハツモト「キ、サマァ……!!」ブチブチブチ……!!
ヌアザ「ゲッ……!」
ヌアザ(ぼくの固有スキル『縄の使い手』で作った縄を引きちぎる気!? 何て馬鹿力……!)
ローレンス「フン……! こんな縄……大したことないわぁ!!」ブチブチブチ!!
ヌアザ「ヤベッ! 仕方ないなぁ……!」
ヌアザ「───『狂気の舞踏』」クネクネ……
ハツモト「……グッ……!?」
ローレンス「ヌオオオッ……! あ、頭ガ……!!」
ヌアザが舞を行うと、それを見ていた全員が苦しみ始めた。
隊長「ぐっ……! こ、これは……!」
ヌアザ「……ふう」
ヌアザ「取り敢えず三半規管辺りを狂わせておいたよ。これでもうきみたちは立てない」
ヌアザ「もう終わりさ……出てきてくれ!」
ゴゴゴ……ズゥン!!
ゴール帝国の門が開き、中から魔族やモンスターが現れた。
その数、約千体。夥しいほどの化物が隊長たちを囲む。
「ひ……ヒィッ……!」
「う、嘘だろ……! 魔族たちがこんなに……!」
隊長「待ち伏せ……されていたのか……!」
- 575 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 11:46:04.85 ID:72rHBHtUO
- ヌアザ「じゃあ、ぼくはこの辺で失礼するね。顔見知りが殺されていくのを見るのは流石に気分良くないからさ……」
ハスター「……そうはいきませんよ」
ヌアザ「? 何だい? まさか、ここからぼくに何かしようって?」
ハスター「確かに……私は動けません。だから……」
ハスター「───やってしまいなさい、ルナ」
ルナ『はーい!』
ルナ『……これであなたは終わりよ』
ルナ『死の呪い……!』
ヌアザ「うぐっ……!?」ズズ……
ヌアザ「何だ、これ……! か、らだ、が……!?」
ヌアザ「まさか、死、こんな、ここ、そんな、ばか、な…………」
ドサッ……
ヌアザが倒れたと同時に、彼の作った縄は朽ちていく。
隊長「た、助かった……」
隊長「ありがとう、ハスターさん」
ハスター「お礼なら私ではなくルナに」
シャリー「ルナちゃんありがとー!」
ルナ『こんなのどうってことないよー!』
ローレンス「そ、そこに何かいるのか……?」
- 576 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 11:48:13.70 ID:72rHBHtUO
- モンスター「チッ……ツカエナイニンゲンダ」
モンスター「ハヤクコロシテシマオウ! キョウハパーティーダカラナ!」
隊長「……!」
隊長「ヌアザさんが倒れても、この脅威は消えない……! 当然か……!」
隊長(どうする……!? このまま退避するか……!?)
隊長(いや、それは危険だ。逃げた場所に魔族たちが押し寄せるかもしれん……!)
隊長(それに、俺たちには任務があるんだ……!)
隊長(俺は、どうすればいい……!?)
ハツモト「…………」
ハツモト「……隊長」
ハツモト「お前は……これからどうする気だ?」
隊長「そ、それは……」
ハツモト「……仮にもこの部隊のトップだろう。もっと堂々としないか」
隊長「……!」
ハツモト「俺は今から……このクソ共をブチ殺す」
ハツモト「お前らも……理由は知らないが、ゴーン帝国で何か成し遂げるために来たんだろう。このまま帰る気か?」
ハツモト「……まぁ、俺には関係ないがな」
ローレンス「……ふ、ふはははは……!」
ローレンス「貴様のことは気に食わんが……一本筋の通った、肝の座った男だな」
ローレンス「魔族の皆殺しという悲願を達成させるためなら、己の命も厭わんか」
ハツモト「…………」
ローレンス「どれ、俺も手伝おう……」
ハツモト「邪魔するな」ピッ!!
ローレンス「うおっ!?」
ハツモトは、剣先をローレンスに向ける。一歩出れば喉元に刺さるほどの至近距離だ。
ローレンス「こ、殺す気かっ!?」
ハツモト「俺の邪魔をするなら死んでもらうさ」
ハツモト「コイツらは……俺の獲物なんだからなぁ……!」
そう言うハツモトの目は、狂気に染まっている。早く魔族たちを殺したくてたまらないといった顔だ。
- 577 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 11:50:05.42 ID:72rHBHtUO
- 隊長「……そうだな」
隊長「俺たちの任務はゴーン帝国の内情調査だ! それを終えず帰ることはできん!!」
隊長「だが……敢えて再び言おう! 俺たちの最優先事項は生き残ることだ!」
隊長「必ず……皆、必ず生きてくれ!!」
全員「はいっ!!」
隊長「ハツモトさん、もちろん君も皆の中に含まれている」
隊長「……死ぬんじゃないぞ」
ハツモト「はっ……つくづく真面目だね、アンタは」
魔族「ナッ……キサマラ、イカセルワケナイダロウ……!」
ハツモト「うるせぇんだよ!!」ザスッ!!
魔族「ガハッ……!?」
ハツモトの魔剣に封じられた魔法……『死の刃』が、確実に魔族一体の命を刈り取った。
ハツモト「俺がコイツらを引き受ける! お前らはさっさと帝国に入れ!!」
隊長「ああ……! ありがとう!!」
隊長「皆……! 行くぞっ!!」
全員「うおおおおおおおおおおっ!!」
ハツモト「……やっと行ったか。さっきから邪魔で仕方なかったんだ……」
ハツモト「これでようやく……お楽しみに興じられるぜ……!!」ズズズ……!!
- 578 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 11:55:55.65 ID:72rHBHtUO
- 【ゴーン帝国内】
ゴーン帝国の中は、酷いものだった。あちこちで死体が腐敗したまま放置され、建物はほとんどが廃墟と化し、住み着いたモンスターが町中を闊歩している。
だが、入口に魔族は配置されていなかった。おそらく派遣団のことを強く気に掛けているわけではないのだろう。手の空いた要因で相手をしているに過ぎないのだ。
ドゴォン……!! ドゴォン……!!
遠くの方から戦いの音が聞こえる。こちらと同じように、裏切り者の存在に気づきながらも倒すことができた部隊もいるのだろうか。
隊長「各兵、当初の予定通り帝国内の要所を確認せよ!! 繰り返すが、無用な戦闘は避けるんだ!!」
「はいっ!!」
騎士たちが任務を果たすために散って行く。
シャリー「ふむふむ……」
シャリー「じゃ、シャリーはこっちー!」タタタッ……
ローレンス「あっ……! ま、待つんだシャリー……!」
こんな状況でも、シャリーは無邪気に笑いながら走っていく。ローレンスはその姿を慌てて追いかけた。
ハスター「では、行きましょうかルナ」
ルナ『…………』ボーッ……
ハスター「……ルナ?」
ルナ『……あっ、ごめん。ボーッとしてた』
ハスター「……故郷が懐かしいのは分かりますが、今は自重してください」
ルナ『ごめんごめん……早速行こー!』
ハスターも、ルナを伴って目的を果たしに行く。
隊長「……皆行ったか」
隊長「まだ合流していないジャコさんが気になるが……そうも言ってられないな」
隊長「俺の行き先は……帝国議事堂か……!」
- 579 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 11:58:14.76 ID:72rHBHtUO
- 【ハスター・ルナSIDE】
ハスター「……ここですね」
ハスターとルナは、ゴーン帝国大教会の前にいた。
ルナ『やっとハスターの願いが叶うね!』
ハスター「……いえ、まだ始まりに過ぎませんよ」
ハスター「本当はユウシャさんにもいてほしかったのですがね……ああなってはどうしようもない」
ハスター「いつかまた……『今のユウシャさんでないとしても』会える日が来ることを願いましょう」
ルナ『ハスターは会えるかもしれないけど、わたしは微妙かもなー』
ハスター「……本当にいいんですか?」
ルナ『? 何が?』
ハスター「私はルナを『生まれ故郷に帰りたい未練』を用いて幽霊にしました。だからルナは固有スキルもそのままに現世に留まっている」
ハスター「ですから、このままゴーン帝国にいると……消えてしまう可能性もあるんですよ」
ルナ『もう! 何回言わせるの!?』
ルナ『わたしはもう満足したの。だから……ハスターを手伝いたいんだ。消えたっていいんだよ』
ハスター「……ルナ……」
- 580 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 11:59:14.01 ID:72rHBHtUO
- ハスター「……分かりました。もう何も言いません」
ハスター「なので……あいつを倒すのを手伝ってくれますか? ルナ」
大教会の扉を開けた先。女神像の台座のところに、一人の男がいた。
いや……人間ではない。フードを被って顔の見えないソレは、モンスターだ。
死神「……おや、客人ですか」
鎌で命を根こそぎ刈り取るモンスター・死神である。
死神「やはり途中で倒されない派遣団もいましたか……」
死神「魔王様も慎重なのだか爪が甘いのだか……やるならば、もっと徹底的にやればいいのに……」
死神「何故あなたがここに来たのかは不明ですが、ここで死んでいただきます」ゴゴ……!!
ハスター「……!」
- 581 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 12:12:59.44 ID:72rHBHtUO
- 【ジャコSIDE】
ジャコ「お、おいおい……どうなってんだよ……」
勇者を送り届ける途中でスライムマンと交戦したジャコは、ゴーン帝国内が魔族で溢れていることを伝えるため、急いで合流しようとしていた。
だが、彼は間に合わなかった。途中でモンスターたちを倒して息の荒いジャコの前にあるのは……
……千体を超える魔族とモンスターの死体だった。
ジャコ「めちゃくちゃ死んでる……どういうこった……」
ハツモト「グッ……」
ジャコ「! ハツモト! 大丈夫か!?」
ハツモト「ああっ……!?」ギロッ!!
ハツモト「……何だ、お前か。魔族かと思ったよ……」
悪態をつくハツモトだが、いつもの覇気が無い。というのも、彼の体は魔族との戦闘でボロボロなのだ。体のあちこちに生傷があり、場所によっては骨が見えている。一応五体満足ではあるようだが、出血の量が尋常じゃない。このままでは死んでしまうだろう。
ジャコ「お前まさか……この魔族、全部お前一人でやったのか!?」
ハツモト「だったらどうした……」
ジャコ「どうしたって……」
ジャコ(千体以上の魔族を相手に勝つって……どんだけつえーんだよ……!)
ハツモト「そんなことより……中にいったヤツらを手伝ってやれ」
ジャコ「! 中に入ったのか!?」
ハツモト「ああ……中にも魔族はいるだろうに、残念だ……俺はもう……」ガクッ……
ジャコ「ハツモト!!」
ジャコ(……大丈夫だ、まだ生きてる。気絶しただけか……)
ジャコ「……カプセル展開」パキッ……!!
ジャコは懐から全てのカプセルを開ける。中からは、十匹のオオカミと巨大なクマ、片目に傷を負ったオスライオンが現れた。
ジャコ「……コイツがこんなに頑張ったんだ。オレもフル戦力でいかねぇとな」
ジャコ「お前ら二匹はハツモトを安全な場所に運んでから合流してくれ」
オオカミたち「ガルル……!!」
ジャコ「後は……オレと一緒に来いっ!!」
ビーストたち「ガウッ!!!」
- 582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 12:38:00.93 ID:AeFbs1IvO
- すげぇ……よくまとめたなぁ……
- 583 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 12:43:05.78 ID:72rHBHtUO
- 【シャリー・ローレンスSIDE】
シャリー「らんらんららーん♪」
ローレンス「しゃ、シャリー! ま、待たんか……!」
ローレンス「くっ、魔族め……! 我が道を阻むな! 破ッ!!」ドコォッ!!
ローレンスは、今なお楽しそうに歩くシャリーを襲おうとする魔族たちを必死で倒していく。
だが、歴戦の戦士であるローレンスにも、流石に限界が近づいていた。
ローレンス(……歳は取りたくないものだな!)
ローレンス「シャリーよ! どこに向かっているんだ!?」
ローレンス「もう俺の体は持たない! このままでは君を守ることが……!」
シャリー「ねー、ろーれんすー」
ローレンス「な、何だ!?」
シャリー「ろーれんすはなんでごーんていこくにきたのー?」
ローレンス「……!」
ローレンス「……もう同じ誤ちを犯したくないからだ」
シャリー「?」
ローレンス「……こんな俺でも昔は家庭を持っていてな。二人の子どもと五人の孫に恵まれた。幸せだった……幸せだったはずなんだ」
ローレンス「なのに俺は……自らの型を極めるという身勝手な理由で何年も家を空けていた。もしこの世界に神がいるならば、そんな俺に天罰を与えたのだろう」
ローレンス「久しぶりに帰った家は……魔族によって跡形も無くなっていたよ」
シャリー「…………」
ローレンス「……俺もハツモトと同じだ。家族を奪った魔族が憎い。だからこの派遣団に志願したんだ。少しでも力になれれば、と」
ローレンス「……その結果が、コレだ。もう体にガタが来ている」
ローレンス「死ぬことを怖いとは思わないが……このままだとシャリーを、孫によく似た君を守れない」
ローレンス「それだけが心残りだ……」
シャリー「ろーれんす……」
- 584 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 12:47:33.65 ID:72rHBHtUO
-
シャリー「大丈夫、神は貴方を祝福するでしょう」
ローレンス「……!?」
ローレンス「しゃ、シャリー……!?」
パアアアアア……!!
ローレンス「こ、これは……!? 体が軽い……!」
シャリー「貴方に『聖女の祈り』を施しました。しばらくは戦うことができるでしょう」
シャリー「申し訳ありませんが、もう少し私に力を貸して頂けませんか?」
ローレンス「お、お前……本当に、シャリーか……?」
ローレンス「……いや、疑う意味もあるまい……」
ローレンス「……何をすればいい?」
シャリー「私を……ゴーン帝国で一番高い塔に連れていって頂きたいのです」
シャリー「───この世界を救う一助となるために」
- 585 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 12:50:46.48 ID:72rHBHtUO
- 【隊長SIDE】
隊長は、帝国議事堂に向かっていた。既に多くの魔族やモンスターの戦闘を行なっており、彼の体力は半分を切っている。
隊長(もう一踏ん張りだ……!)
「隊長!!」
「ご無事でしたか!!」
隊長「! お前たち……!」
王都からの派遣団で、隊長の元部下であった騎士たちであった。
隊長「生きていたか!」
「はい! 何とか……!」
「ですが、うちの派遣団は半数が死亡。派遣団自体もほとんどが壊滅しています」
隊長「……やはり、そうか……」
隊長(ヌマザさん……ヌマザのようなヤツらにやられたわけだ……クソッ!)
隊長「俺はそろそろ離脱するつもりだが、お前たちは!?」
「私たちは……帝国議事堂に向かっています!」
隊長「!? お前たちの担当はそこではないだろう!?」
「ええ、ですが……いるんですよ! あの場所に!」
「魔王軍の十幹部の一体が……!」
隊長「……!?」
安価です。魔王軍には十体の幹部がいます。その魔族の名前・性別・属性・容姿・特徴をお願いします。
属性は>>175の十個の中から。特徴ではその魔族の戦い方とか性格とかを。
↓3まで募集。その中から一つを採用
- 586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 13:03:27.43 ID:AeFbs1IvO
- エターナル
現在は男
現在は闇
黒い甲冑を見に纏う謎の人型モンスター
身長の5倍はあろうかという冗談のような長さの大剣を軽々と振るう。召喚者が別におり、召喚者が死なぬ限りは何度でも転生する
- 587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 13:05:24.86 ID:EbDgc3zo0
- 魔族の名前 麒麟后
性別 女
属性 雷
容姿 長く大きな電気を纏った角を持つ銀髪の褐色美人(人間態時)、角はそのままに青白く光輝く巨大な天馬(真の姿)
特徴 残虐非道。圧倒的速さと多彩な雷技で嬲り[ピーーー]のが趣味。
人間はゴミと見下し、魔族や亜人族にも敵と判断したら容赦ない。唯一魔王だけは崇拝してる。
- 588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 13:06:55.00 ID:1Q69TiuH0
- 名前 カマセ
性別 男
属性 月
容姿 モブっぽいキャラが強そうな装備で身を固めた姿
特徴 魔王級の実力を持つとされるが、何やら致命的な弱点があるらしい
- 589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 13:10:03.88 ID:cI/H1hBF0
- 名前 アズール
性別 男
属性 火
容姿 赤肌に黒い髪、三つ目で金目、腕が四つ
特徴 『炎魔』と呼ばれる魔王軍の中でもかなり好戦的な存在
殺戮・強奪、そして何より強者との闘争を好み、あらゆる戦場に顔を出す
非常に粗野で横暴、彼が敬意を払うのは強者と魔王のみである
- 590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 13:20:39.74 ID:N0vuyBLRO
- それぞれの強さ設定考慮した上で描写しなきゃならなかったのか。ハツモトさん思ってた以上に強かった
- 591 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 13:26:07.19 ID:72rHBHtUO
- >>586を採用
隊長「な……何だと!? エターナルが!?」
エターナルとは、魔王軍の十幹部の一体である。幹部たちは魔王に忠誠を誓い、各々が強力な能力を持つ。エターナルは黒い甲冑を纏った人型モンスターで、身長の5倍以上の剣を振るう恐ろしい存在だ。
「エターナルがこんな近くにいることはありません……! ここで倒しておくべきです!」
「幹部を一人消し去ることは、後の人類の士気をあげます!」
隊長「…………」
隊長「……ああ、そうだな!!」
隊長「行くぞ!! エターナルを……倒す!!」
【ハスター・ルナSIDE】
死神「あなた程度に時間を掛けてはいられませんね……一瞬で殺してあげましょう」
ブゥン!!
ハスター「……!」
死神は背中の何も無い空間から鎌を取り出し、一瞬で間合いを詰めてハスターに振り下ろす。
ガキィン!!
死神「……ほう? 思ったよりは強いのですね」
ハスターは錫杖で何とか死神の鎌を防ぐ。だが、死神に何の乱れも無いのに対し、ハスターは腕が震えている。攻撃を防ぐので精一杯だ。
ハスター「……だから、お願いします!」
ルナ『おっけー!』
ルナ『呪いを食らえ……!』
死神「……霊体ですか」ガシッ!!
ルナ『きゃあああああっ!?』シュウウウ……!!
死神は何なくルナの手首を掴み、強い力で握り締める。その骸骨にも似た白く細い手は、ルナの体に確実なダメージを与えていた。
ルナ『うっ……! は、離して……!』
ハスター「!」
ハスター(手首辺りが薄くなっている……! 消滅しようとしているのか!)
死神「死を体現した怪物である私に呪いを掛けようとするなど……あまりにも愚かだ」
死神「私は人間が死を恐れる気持ちから生み出されたモンスター……生物が死と隣合わせである以上、私に勝つことはできませんよ」
ハスター「くっ……!」
- 592 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 13:27:43.18 ID:72rHBHtUO
- ハスター「……そう言われましてもね、私もこんなところで引き下がれないんですよ……!」
ハスター「『護封』!!」ガッ……!!
死神「……!」
ハスターは光の込められた錫杖で殴打する。まだ大したダメージは与えられていないが、少しは効いているようだ。
死神「……霊体を封印する力ですか」
ハスター「いや……霊体による害からこの世を守る力ですよ……!」ブン……!!
死神「……なるほど……」ヒュッ……!!
ルナ『きゃっ……!』
死神はルナを投げ捨て、ハスターの攻撃をいとも簡単に避ける。
死神「霊体を世界から排除する……つまり破魔の力というわけですか」
死神「面白い物を見せていただきました。お礼に、殺して差し上げましょう」
ハスター「……!」
ザッ……!!!
死神の鎌が、ハスターの肩を掠る。
ハスター「……!?」ガクン……!!
その瞬間、ハスターは膝を着いた。急に倦怠感が襲ったのだ。
死神「私の鎌は、文字通り命を刈り取る……」
死神「これであなたの寿命は一年削られました」
ハスター「……!」
死神「さぁ……あなたの寿命はあとどのくらいあるんでしょうか?」
ハスター「ぐっ……!」
- 593 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 13:32:45.04 ID:72rHBHtUO
- ルナ『ど、どうしよう……このままじゃハスターが……!』
ルナ『でも、わたしの力じゃ……!』
ルナ『…………』
【何年も前:ビーフの教会にて】
ルナ『…………』ボーッ……
ルナ『……ここ、は……?』
ハスター「おや、意識が戻りましたか」
ルナ『わたし、確か、死ん……』
ハスター「ええ、そして意識の霞となって漂っていた。それを私が安定させました」
ハスター「私は、あなたを今から霊体としてこの世に定着させることができます」
ハスター「その代わり、あなたは私がいなければこの教会から出られません……。このまま消えることを望むのも良いでしょう」
ハスター「……どうしますか?」
ルナ『……まだ……』
ルナ『まだ……この世に、いたい……』
ハスター「……分かりました」
ハスター「あなたの死後の人生が健やかでありますように……」
【そして現在……】
ルナ『…………』
ルナ『…………!』
ハスター「くっ……! 参ったな……!」
ハスターは、死神に壁際まで追い詰められていた。死神の鎌で切り裂かれたが最後、一歩間違えれば即死してしまうことが分かり、防戦一方なのである。
ハスター(このままでは……私の来た意味が……!)
死神「人間にしては頑張った方ですが……そろそろ死になさい!」ブゥン!!!
ハスター「!!」
ハスター(ここまで、か……!!)
…………ザッ!!!
ハスター「…………え?」
鎌が刺さったにしては、軽い音だ。それに、ハスターの体には何のダメージも無い。
ハスター(ば、バカな……!?)
……何故なら、死神の鎌は、ハスターを庇ったルナの体に突き刺さっていたからである。
- 594 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 13:35:57.67 ID:72rHBHtUO
- ハスター「ルナ……!? そんな、どうして……!!」
死神「……人間を庇いましたか」
死神「霊体なら死なないとでもお思いで? 残念ながら霊体も消えますよ」
ルナ『わか、ってる……!!』シュウウウ……!!
ルナ『だから、さい、ごに……! これをくらえ……!!』ズズ……!!!
死神「呪いですか……? だから、そんなものは私には効かな……」
死神「……!?」ピキピキ……!!
死神「ガアアアアアアアア!!」バァン!!!
死神の体が、破裂した。胴体部分はちぎれ、使い物にならなくなった足から崩れ落ちる。辛うじて残った鎌で倒れ込むのを支えてはいるが、息も絶え絶えだ。
ハスター「これは……一体……!?」
死神「……ふふふ、なるほど……。生者の呪いですか……」
死神「死の象徴である私に命を活性化させる呪いを与える……そうすることで、私の体に、負荷を掛けたのですね……!」
死神「で、すが……私の鎌を受け、私、を、倒すほどの、呪いを行使したあなたは、もう……」
ルナ『うん……わかってる。覚悟の上だよ』スウ……
ハスター「! ルナ、体が……!」
ルナ『さっ、ハスター! トドメだよ!』
ルナ『まだコイツは生きてる。早く倒さないと、ハスターの願い叶えられないよ?』
ハスター「しかし、ルナを助ける方が……!」
ルナ『バッカだなぁ……さっきも言ったでしょ! 消えてもいいんだって!』
ルナ『……わたしはもう、充分すぎるほど、この世界にいた。だから、いいんだよ』
ルナ『司祭のハスターなら、ちゃんと分かるよね? 幽霊のわたしがウソ言ってないって』
ハスター「……!」
ハスター「…………」
ハスター「……ええ。分かりますとも」
ハスター「何年もルナと共に過ごしてきたハスターなら……ね」
ルナ『!!』
ルナ『ふふっ……消える前に良いこと聞けたなぁ……』
ルナ『じゃあねっ、ハスター! 長生きしろよっ!』
ハスター「……ルナも、お元気で」
ルナ『ふふふ……』
ルナ『…………』
……シュン……
- 595 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 13:37:14.75 ID:72rHBHtUO
- ハスター「…………」
死神「……消えましたか」
死神「初めてですよ、モンスター化もしていない幽霊で、これほどまで私にダメージを、与えたのは……」
ハスター「……逃げないでくださいよ」
死神「まさか……この後に及んで足掻きません。死神は諦めが早いのですよ」
死神「あなたはどうやら、魔王軍に楯突くおつもりのようだ……」
死神「……あなたが……あなたたち人類が、魔王様に、完膚なきまで殺戮されるよう、死の世界から祈っております」
ハスター「……では、その祈りは届きませんね」
ハスター「私には、ルナがついていますから。必ずや世界を救ってみせますよ」
ハスター「……『護封』」
……バチィ!!!
ハスター「……倒せましたか」
ハスター「…………」
ハスター「……感傷に浸るのは後だ。私には成さなければならないことがある……!」
ハスター「世界を救うために……!」
- 596 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 13:38:54.62 ID:72rHBHtUO
- 【ジャコSIDE】
ジャコ「クソッ……! 大変なことになってんな……!」
ジャコが想定したよりは魔族は少ない。だが、思ったよりはという程度だ。魔族やモンスターの数は普通の戦闘に比べてとんでもなく多く、幾度となく死を覚悟する攻撃がやってくる。
ジャコ(だが、せっかくここまで来たんだ……! 魔王のヤツらに一撃かましてやらねぇと気がすまねぇよ!)
ジャコ(……やっぱり、当初の目的果たすしかねぇな!)
ジャコがゴーン帝国にやってきた理由。それは……
ジャコ「───魔王軍の飼う魔獣を、オレが貰う!!」
安価です。魔王軍が飼っている魔獣を募集。なんか壮大なモンスターをお願いします。
↓3まで。コンマの一番高いものを採用
- 597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 13:43:02.23 ID:j8DbbNPkO
- オルトロス
双頭の犬、右の頭が火属性、左の頭が闇属性をもつ
非常に巨大で、熊の2.5倍の大きさはある
- 598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 13:43:54.13 ID:N0vuyBLRO
- 高位天使の成れの果て
負傷した天使に魔獣としての属性を強引に植え付け使役しているもの。従来程の力は出せないが人類からすれば脅威であることに変わりはない
- 599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 13:44:02.80 ID:qPMXxl9Wo
- 魔獣フェニックス
知能が高い不老不死
魔王軍も人間も別にどっちが生き残ろうが興味ないやつ
一宿一飯の恩義は感じるタイプ
- 600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 13:48:40.77 ID:0K9emjEh0
- ケルベロス
三つの頭を持つ巨大な犬。光以外のすべての魔法が使える。
- 601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 13:56:39.53 ID:H4rQK+4OO
- ルナ生存でハスターだけ死亡の判定だったらどういう設定になってたんだろう
- 602 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 14:03:43.02 ID:72rHBHtUO
- >>599を採用
ジャコ「魔獣フェニックス……! 魔王軍が飼う魔獣の中でもトップクラスの強さのヤツだ!」
ジャコ「コイツがいればオレはもっと強く……!」
ジャコ「……いや、ちげーな」
ジャコ「今日で分かったよ。強いだけじゃ意味ねーんだ。誰かを助けられなきゃな……!」
ジャコ「魔獣フェニックスを手に入れ、オレはもっと強くなり、そして魔王軍をブッ潰す!」
ジャコ「これがオレの人生第二章のテーマだぁ!!」
フェニックス「ふむぅ、見た目に似合わず志の高いヤツだ」
ジャコ「おう、ありがとな」
フェニックス「魔獣フェニックスをご所望のようなのでな、来てやったぞ」
ジャコ「マジ? 自分から来てくれて助かるぜ!」
ジャコ「…………」
ジャコ「……………………」
ジャコ「わあああああああああああああっ!!?」
ジャコ「ふぇ、ふぇふぇふぇふぇふぇふぇ……!?」
フェニックス「やかましいヤツだな……。そんなに怯えることも無いだろう。結局は我を配下に収めるつもりだったのだから」
ジャコ「な、ななななな、何でいるんだよっ!?」
フェニックス「何だ……我が欲しくないのか?」
ジャコ「いや欲しいよ!? 欲しいけどさぁ!! 自分から来るなんてことあんのかよ!!」
フェニックス「簡単な話だ。我は幹部の一人をゴーン帝国に運んできたのだが……このままでは我は死んでしまう。早く我を貴様の配下にしろ。そうすれば死ぬことはあるまい」
ジャコ「はぁ? 何だよそれ」
フェニックス「我にとっては魔王軍も人間もどうでもいいのだ。こんなところで死にたくはない、それだけだ……!」
フェニックス「貴様の配下になればカプセルとやらに入り込むことができるであろう! 早く我をその中に入れろ!」
ジャコ「お、おいおい……お前不死鳥だろ? 死ぬなんて……」
フェニックス「聞こえぬのか! この唄が……!」
ジャコ「……唄?」
フェニックス「これは……人類にとっては救済かもしれんが、我々にとっては破滅の唄だ……!」
- 603 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 14:29:57.49 ID:72rHBHtUO
- 【隊長SIDE】
隊長たちは、帝国議事堂の中に入った。ボロボロだったが、まだ辛うじて講堂やロビー、エントランスなどは無事のようだ。
エターナル『…………』
生存者はいなかったが、その代わり、エントランス中央にエターナルが立っていた。幸い、隊長たちはエターナルの背後にいた。彼の視線は隊長たちを捉えていない。
隊長「チャンスだ……! 行くぞ……!」
「はいっ!!」
隊長たちは、移動魔法でエターナルのすぐ近くに移動する。
エターナル『!』
エターナルも気づいたようで、とんでもない大きさの剣を振るう。
ガキィン……!!
騎士たちが、五人がかりでその大剣を受け止める。
「うぐっ……!!」
「耐えろっ!! ここで負けるわけにはいかない……!!」
「隊長っ!! お願いしますっ!!」
隊長「ああっ、任せろ!!」
隊長「うおおおおおおおおおおっ!!」
……ザンッ!!!
火魔法によって炎を纏った隊長の剣が、エターナルの胴体を真っ二つに斬り裂いた。
エターナル『……!』
ズズゥン……!!
エターナルはそのまま声も無く倒れ伏す。
隊長「た……倒した、か……?」
「や、やった……!」
「さ、流石隊長だ!!」
隊長「いや、お前たちのおかげさ……!」
「隊長……!」
召喚者「ククク……!」
- 604 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 14:31:35.62 ID:72rHBHtUO
- ……彼らは知らなかった。エターナルが、召喚者がいればいくらでも転生可能な幹部であることを。
エターナル『……!』ギギ……
隊長「……!?」
隊長(動いた……!? いや、まさか……!!)
エターナル『…………』ギギギ……!!
「!? な、何!?」
「こ、コイツ……まだ生きて……!?」
ザシュ!!!
復活したエターナルは、信じられないほどのスピードで大剣を振るう。
騎士たち五人は……全員その餌食となった。
隊長「お、お前たち……!!」
騎士たちは大剣で斬り飛ばされ、壁に叩きつけられて肉塊と化す。エターナルはそれに見向きもせず、隊長目掛けて剣を振り下ろした。
召喚者「ハハハ……!」
召喚者(毎度毎度人間は愚かだ……! あいつらは俺の存在に気づきもしない……!)
……召喚者は知らなかった。隊長の固有スキルのことを。
隊長(これは……! エターナルに向けて魔力が……!?)
隊長の目が、召喚者が隠れている彫像の裏からエターナルに向けて魔力が供給されているのを見抜いたことを。
隊長「くっ……!」
ガシャァン!!!
間一髪のところで隊長は剣を避け、思い切り走って彫像のところへ向かう。
召喚者「!?」
召喚者(な……何故だ!? 何故こちらに来る!?)
隊長「うおおおおおおっ!!」
……ザシュ!!!
召喚者「ギャアアアアアアア!!!」
隊長の突きが、隠れていた召喚者の胸を貫く。
エターナル『……!?』
召喚者の絶命と共に、エターナルも崩れ落ちていく。そして……そのまま動くことはなかった。
隊長「はぁ……はぁ……」
隊長「…………少し、休むか……」
数多の激闘に騎士たちの死、幹部を一人倒したことの緊張感の途切れ……怪我こそしていないが、隊長の心は限界だった。
隊長(……このまま、寝てしまっても……)
隊長(…………ん?)
隊長「この、唄は……」
- 605 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 14:34:01.61 ID:72rHBHtUO
- 【シャリー・ローレンスSIDE】
ローレンス「ここだ……! この塔が一番高い!」
シャリー「ハァ……ハァ……」
ローレンス「だ、大丈夫かシャリー!?」
シャリー「はい……大丈夫です。ごめんなさい……」
シャリー「聖女の力を行使するのは、とても体力を使うので……」
ローレンス「……だから先程はああいう感じだったのか」
ローレンス「だが、ここを登ればすぐだ! もう少しだけ……!」
ズズゥン……!!
ローレンス「!? 何だ!?」
塔の上から、虚ろな目の巨人が降りてきた。巨大に似つかわしくない素早い動きで敵を殴り潰すモンスター・タイラントである。
タイラント「ウウウ……!!」
ローレンス「ここでか……!」
ローレンス「すまない、シャリー……一緒には行けそうにない」
シャリー「!」
シャリー「……分かりました。どうか、どうかご無事で……!」タタッ……!!
タイラント「! ゴオオオ……!!」
ローレンス「聖ッ!!」ドゴッ!!!
タイラント「ゴアアア……!?」ズズーン……!!
ローレンス「どうだ……俺の拳は効くだろう……」
ローレンス「魔力を多く消費するからあまり使いたくはないが……そうも言ってられないのでな」
ローレンス「俺の人生を掛けて生み出した闘拳の一つ……『聖拳』。その身で受けてみよッ!!」
ローレンス「ここは絶対に……通しはしないッ!!」
- 606 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 14:47:22.54 ID:72rHBHtUO
- 【シャリーSIDE】
シャリー「ハァ……ハァ……」
シャリー「……やっとついたー……!」
シャリー「……いけない、元に戻ってしまう……! その前にやらなければ……!」
シャリー「……ふう…………」
シャリー「──────」
シャリーの声が……聖女の祈りの唄が、ゴーン帝国に響き渡った。
聖女の力で増幅された言葉無き祈りの唄は、帝国内の人間たちを癒し、帝国内の魔族たちを苦しめる。
ハツモト「…………」
ハツモト「……チッ、うるさいな……」
ハツモト「何だこの唄は……ぐっ!!」
ハツモト「…………体が痛いのは、まだ生きている証拠か……」
ハツモト「……いや……」
ハツモト「体が……さっきより、軽い……?」
隊長「……何だこの唄は……」
隊長「心が洗われるようだ…………」
隊長「……そうだ、何を弱気になっているんだ俺は」
隊長「まだ生存者はいるはず……! 生き残った者たちをちゃんと守り通すのが、隊長の役目だろう!」
隊長「俺は……俺は負けんっ!! 死んでいった人々のためにも……!!」
ジャコ「唄って……この唄のことか?」
ジャコ「うーん……良い唄だけど、これに何か問題があんのか?」
ジャコ「……フェニックスめ、カプセルに入ったのはいいが、喋りゃしねぇ」
ハスター「ジャコさん!! ご無事で!!」
ジャコ「! おう、そっちこそ!」
ハスター「聞こえますか、この唄が……! これは聖女の唄だ!」
ハスター「見てください、魔族やモンスターたちが消滅していく……!」
ジャコ「……!? マジかよ!?」
ハスター「きっとシャリーさんだ……!!」
ジャコ「ハァ? あんなチビ助がぁ?」
ジャコ「……ん? お前何持ってんの? 本?」
ハスター「……これは───私たちが命がけで見つけ出した、この世界の希望の一つですよ」
コンマ二桁判定。高ければ高いほどシャリーの祈りの唄の有効範囲が広がります。コンマゾロ目だと……?
↓1
- 607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 14:49:18.97 ID:IR6aF+V/O
- せい
- 608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 14:49:20.87 ID:1Q69TiuH0
- あい
- 609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 15:28:12.91 ID:Cy2q4S7So
- やべえ
- 610 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 15:41:57.15 ID:72rHBHtUO
- シャリー「──────」
シャリーの唄は、ゴーン帝国全土に行き渡る。それだけではない。国境を飛び越え、クランディア王国にまで、それは聞こえる。
第二王子「ウギャアアアアア!!!」
「きゃああああああっ!?」
「た、大変です!! だ、第二王子が、第二王子が化物に変化しています!!」
第一王子「何……!?」
第一王子(いや、これは……魔族か!? いつの間に入れ替わっていやがったんだ……!?)
第一王子(……この唄のせいで弱ってる。この唄は、一体……?)
唄は、ビーフを飛び越え、コヨーテにまで響き渡る。魔族との前線は、この唄によって浄化されていく。
そして…………
- 611 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 15:43:34.27 ID:72rHBHtUO
- 【現在:ヒノモト:オーエドへと向かう道】
ククル「そして───聖女・シャリーによって浄化されたゴーン帝国は、再び国として再建しました」
ククル「帝国を治めていた人々は皆死んでしまっていたので……シャリーを元首とし、ローレンスや隊長、ジャコを筆頭にしてゴーン神聖帝国と名を変えてね」
勇者2「そ、そんなことが……」
勇者2(全然知らなかった! 私が処刑されてる頃そんなことが!)
ククル「私はまだ生まれていなかったので知りませんが、とんでもない騒ぎだったようですよ」
ククル「何しろ一日で色んなことがありましたからねぇ」
勇者2「確かに……」
ククル「……あなたもその“色んなこと”に含まれているんですよ───ユウシャさん」
勇者2「!!?」
- 612 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 15:45:41.64 ID:72rHBHtUO
- 勇者2「な、何のこと……」
ククル「ああ、安心してくださいよ。私はあなたを『輪廻転生』のスキルを持つ者と知った上で助けたんですから」
勇者2「えっ!? じゃ、じゃあ……宣教師うんぬんはウソってこと!?」
ククル「ウソではありません。ゴーン帝国が植民地政策をしていたのは本当ですからね。私はそれに便乗してヒノモトに入ったんです。ある人の指示でね」
勇者2「ある人って……?」
ククル「それは……本人から聞いたらどうでしょう?」
ザッ……
勇者2「!!」
道端の打ち捨てられた廃屋から、一人の男性が出てきた。法衣を着て、少しくたびれた雰囲気のその男は……
ハスター「お久しぶりですね、ユウシャさん」
勇者2「は、ハスター……!?」
勇者2「い、いや、は、はじめまして……!」
ハスター「大丈夫ですよ。あなたの固有スキルのことは知っています」
勇者2「!? な、何で……!!」
ハスター「その前に……一つ教えましょう。私の固有スキルは『啓示』。幽霊などの超常的存在とコンタクトを取ることができる力です」
ハスター「私はユウシャさんと会った後、何かから接触を受けました。曰く、彼女はこの世界を救う鍵であるから、彼女を絶対に手放してはならないと……」
ハスター「だから私は……ルナと一緒にゴーン帝国に向かい、一冊の本を手に入れました」
ハスター「『預言の書』……これから世界で何が起こるかを断片的に記録する書物です」
ククル「私は、その本に基づいてヒノモトに派遣されたんですよ。ユウシャが転生するはずだからって」
勇者2「そ、そんなことが……!?」
ハスター「そして……長らく私に接触してきた人物が誰なのか分からなかったのですが、何年か前にようやく姿を現しましてね」
ハスター「来ていただきましょう。ユウシャさんも知っている人ですよ」
勇者2「……?」
ハスターが連れてきたのは、若い男だった。そして……体が透けていた。
勇者「うげっ……!?」
- 613 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 15:47:24.25 ID:72rHBHtUO
-
第三王子『久しぶりだな、勇者。いや、ユウシャ……それとも違う名か?』
第三王子『僕はお前に殺された程度で消えやしない。死してなお、僕は世界の救済を望み、こうして復活した』
第三王子『さぁ、ユウシャ……これから世界を救う話をしよう』
- 614 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/06(火) 15:56:58.76 ID:72rHBHtUO
- というとこで本日はここまで。めちゃくちゃ投稿しちゃった。でも、考えていた設定が色々出せて良かったです。各キャラについてちょっとだけ。
・ハツモト……コンマのおかげでちょっとカッコイイ感じになった。本人は魔族殺しを楽しんでただけなんだけど。
・ヌアザ……元から裏切り者の予定。なので、>>307でヌアザを選んでいたら、盗賊に売り飛ばされたり殺されたりしていました。ここでヌアザが改心する可能性もあったかもね。
・シャリー……最初からゴーン帝国を救う聖女設定でした。でもこんな大規模なことになるとは……
・ローレンス……まだ現役でシャリーを守ってます。
・ジャコ……タダのチャラ男だったはずが、安価やコンマのおかげで世界を救う側に。
・ハスター……最初から第三王子とコンタクトを取っている設定でした。でも、こんな形で再開するとは……コンマ神のお導きだ。
・ルナ……>>214でルナが銃について知っているのは、ゴーン帝国の出身だからだったりします。>>601についてですが、どうかな……シャリー辺りが生きていたら、シャリー経由でハスターの願いを叶えられたかもしれませんね。
・隊長……一番の出世頭。名前すら貰ってないチョイ役なのに、いつの間にか重要人物に。
次回からは勇者2の時代に戻ります。第三王子と出会った勇者2はどうなっちゃうのか。また明日以降!
- 615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 15:59:13.68 ID:1Q69TiuH0
- 乙
隊長もネームドキャラにしちゃう?
- 616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 16:03:24.62 ID:NRffvKX6o
- むしろ名前が無い故にキャラ立ちしてるというのもありえる
- 617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 16:34:35.06 ID:Cy2q4S7So
- ヌアザの死亡判定とシャリーのクリティカルでとんでもないことに
しかし第三王子の執念がすげえ……他はろくでなしなのに
- 618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 18:23:09.18 ID:XRYjr9nbO
- ローレンスさんかっこいい
- 619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 18:48:29.19 ID:Z7FiimpXO
- ハスターに解呪頼めねえかなあ
- 620 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/07(水) 11:23:14.93 ID:lmtwalIAO
- おはようございます。やっていくぜ。
勇者2「だ、第三王子……!」
勇者2「えっと……! あ、あの時は私……いや私じゃなくてユウシャなんだけど……!」
勇者2「と、とにかく……ごめんなさいっ!」ペコッ!!
第三王子『……驚いたな。まさか君から謝罪の言葉があるとは』
第三王子『安心しろ。恨みが……無いわけではないが、もう18年も前のことだ。今さらとやかくは言わない』
勇者2「ほ、ホントに……!?」
第三王子『ああ。その代わり……今度こそ魔王を倒すために力を貸してもらうぞ』
勇者2「うぐっ……!」
勇者2「す、すごいね……本当に世界を救いたいんだ……」
第三王子『当たり前だ。この世界を魔王の手になんか落としてはならない……誰もが思っているだろう』
第三王子『お前が……いや、ユウシャが処刑された時から情勢はだいぶ変わりつつある』
第三王子『……残念ながら、魔王軍の優勢に違いないがな。それでも前よりは良い。女王シャリーのおかげだ』
勇者2「シャリーかぁ……そんなに強いとはねぇ……」
勇者2「みんな元気かなぁ……」
ハスター「ええ……隊長やジャコさん、ローレンスさん……それにシャリーさんも元気ですよ」
ハスター「ローレンスは流石にそろそろ体が厳しいようですが……それでもあの年齢とは到底思えないほど身軽です」
勇者2「……あれ? ハツモトは?」
ハスター「……ハツモトさんですか」
ハスター「彼は……いなくなってしまいました」
勇者2「えっ……」
ハスター「何やらやることができたとかで……引き止めたのですが、ハツモトさんはなかなか難しい性格の人でしたから……」
勇者2「そうだねぇ、性格悪かったもんね」
ハスター(……ユウシャさんの方が悪かったような……)
ハスター「……は、ハツモトさんは怪我や呪いで体が傷ついていたので、本当はもう少し療養してほしかったのですがね……」
ハスター「あれから十数年……どこで何をしているのでしょう……」
勇者2「元気だといいなぁ……」
ハスター「そうですねぇ……」
- 621 : ◆8Teg8/hC1rJ4 [saga]:2020/10/07(水) 11:27:21.75 ID:lmtwalIAO
- 第三王子『……おい、ユウシャ』
勇者2「違うよ、私は勇者2! それは前の周回の名前でしょ!」
第三王子『それはすまない……で、勇者2』
勇者2「なに?」
第三王子『まだ力を貸すかどうか返事を貰っていないんだが……話を変えて誤魔化そうとしていないか?』
勇者2「…………」
勇者2「ソ、ソンナコトナイヨー」
ククル「ウソ下手だな」
第三王子『何だ……そんなに手を貸したくないのか?』
勇者2「ち、違うよ! 前回の私はそうだったけど、今回は違う理由で手を貸せないの!」
勇者2は、自分が短命の呪いを掛けられていることを話した。
第三王子『……呪いか……』
勇者2「そうだよー、なんか第三王子のところで呪いの箱開けてから呪いばっかりだよー」
第三王子『……? そんな物あったか? 覚えていないな……』
勇者2「え? じゃあ、アレって第三王子の持ち物じゃなかったんだ……」
第三王子『さぁな……18年も前の記憶など当てにならん』
第三王子『特に僕は……自力で何年も掛けて実体化した幽霊だ。人格こそあれ、記憶も曖昧だし能力も持たない……』
第三王子『あるのは……世界を救いたいという気持ちだけだ』
勇者2(すごい執念だなぁ……)
ククル「呪いか……ハスター先生なら解呪できるのでは?」
ハスター「それは何とも……取り敢えず、見せていただけますか?」
勇者2「うん」
コンマ二桁判定。コンマ80以上、またはゾロ目でハスター先生の解呪が成功します。
↓1
- 622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/07(水) 11:30:43.33 ID:kN348fz9o
- 9999
- 623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/07(水) 11:31:28.78 ID:kN348fz9o
- これぞ有言実行よ
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