【シャニマス】P「よし、楽しく……」- Straylight編- 【安価】

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672 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/18(金) 01:08:14.26 ID:j6EBeguK0

------------------------------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2018424
[ANNOUNCEMENT]

>黛冬優子がキャラクタースロットにセットされました。
>上書きしますか? Y/N
>Y
>……
>リソースの上書き完了。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------


冬優子「行っちゃった……か」

冬優子「……」

冬優子「……さて、何から始めようかしらね」

冬優子 カタカタ

冬優子「あ、そういえば――」

冬優子(星……あいつの歌にあったはず)

冬優子「――プロデューサーは自覚してなくても、あさひはもう何度も星を見に行ってるんだった」

冬優子(たぶん、そこには特別な思いがあったんでしょうね)

冬優子「……」

冬優子(ふゆにとっては……“このふゆ”にとっては、芹沢あさひといえばあいつだけなんだから)

冬優子(これから始まる“本当の”――“本来の”物語ではそうじゃないとしても)

冬優子(あさひがバッタもんで、ふゆがふゆじゃなかったとしても)

冬優子(私の本物は、ちゃんと、ある)

冬優子 ポチポチ

冬優子 ピッ


------------------------------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2018424
[MANUAL OPERATION]

>start-music go
>......
>menu sound-set 星をめざして.mp3
>......
------------------------------------------------------------------------------------------------------------


冬優子「んー……っ!」ノビー

冬優子「ふぅ……」

冬優子「……」

冬優子「……よし、やるわよ」

冬優子(管理者視点から見えるものをどうやって理解するか……いろいろ考えたけど)

冬優子(せっかくこの立ち位置にいるんだから、いっそ作ってしまえばいいのよ――)

冬優子(――世界を、ふゆの手で、ね)

冬優子「とはいえ、ふゆがもともといたレベルのワールドは、まだまだ人外未知といった感じ、か」

冬優子「まあ、まずは、ふゆでも扱えるくらいのやつから始めればいいわ」

冬優子(たしか、コンソールに管理者権限で入るとわりかしすぐのところに……あった)カチカチ

冬優子(この使い捨てられたデータが参考になりそうだし)

冬優子「問題は……キャラクターをどう配置するか、ね」

冬優子(プロデューサーの配置はそもそも起動のために必須だからいいとして……)

冬優子(……アイドルを決めないと)

冬優子「……」
673 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/18(金) 01:45:07.35 ID:j6EBeguK0
冬優子 カチカチ

冬優子「……」

冬優子 カタカタ

冬優子 タンッ

冬優子「……」

冬優子 カチッ

冬優子「……! これって……」

>WELCOME!
>USER: FuyukoMAYUZUMI(ADMINISTRATOR, ORIGINAL)
>……
>PERSONA: CHARACTER(IDOL)
・ToruASAKURA
・MadokaHIGUCHI
・KoitoFUKUMARU
>PERSONA: TWO-WAY_CHARACTER(IDOL)&&PLAYER(PRODUCER)
・HinanaICHIKAWA (CONFIDENTIALITY)

冬優子(……見てはいけないものを見た気分というのは、たぶん、こういうことを言うのね)

冬優子「でも、いまのふゆは管理者だから――」カチカチ

冬優子 カチッ

>……
>AVAILABLE_FOR_YOU_TO_DEPLOY!

冬優子「――使うことができる、か……」

冬優子「……」

冬優子(他に使えそうなキャラクターのあてもないし、決まりね)

冬優子 カタカタ


冬優子 カタカタ

冬優子 カチッ

冬優子「……っし、最低限、形になったわ!」

冬優子(あとはこの4人の関係性を設定しないとね)

冬優子(たしか、幼馴染どうしが何組かいたような……)

冬優子「……あれ、思い出せない」

冬優子(そもそも、ふゆがまともに接したことがあるのは――はたして何周前でしょうかって話)

冬優子(覚えてらんないわよ、そこまで……)

冬優子(……あさひじゃあるまいし、無理よ無理)

冬優子「まあ、まとめて全員幼馴染どうしってことでいいでしょ」カタカタ

冬優子「あの世界における設定なんてあってないようなもんよ、きっと」

冬優子(この4人も、あの時は試験的に投入されていた感じだったし)

冬優子「なんていうか……設定しやすい」

冬優子(というより、いろいろと解釈する余地がある……?)

冬優子「浅倉透、樋口円香、福丸小糸、それから、市川雛菜……」

冬優子「……誰もが、誰なのか、わからない」

冬優子(情報が少ないのよ。存在感はあるのに、ほんと、変な感じ)

冬優子「透明っていうのは、こういうことを言うのかもしれないわね……」

冬優子「……」

冬優子「……何言ってるんだか」

冬優子 カタカタ

冬優子 タンッ
674 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/18(金) 02:10:57.86 ID:j6EBeguK0
----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2005726
[FILE: STABLE, ADMIN SETTINGS]

>準備完了。
>起動しますか? Y/N
>......
----------------------------------------------------------------------------------------

冬優子「じゃあ、はじめるわよ」

冬優子 カタカタ

冬優子 タンッ

----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2005726
[ORIGINAL THREAD: https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1594223305/]

>起動中。しばらくお待ちください。
>......
>起動しました。
>通話による管理委託システムにエラーが発生しています。起動には問題ありません。
>現在、件のシステムによる自動送信は“オン”となっています。
>変更または停止のためには、管理者権限による設定の変更が必要です。
----------------------------------------------------------------------------------------

〜事務所〜

円香「はぁ……」

円香「……早く着きすぎた」


〜事務所付近のとある路地〜

小糸「いつもと違う道……」

小糸「き、気分転換……だから」


〜駅前のコンビニ〜

透「──あ、ふふっ」

透「財布ないわ」


〜Pの自宅の近所〜

雛菜「……」

雛菜 <―><―> ボーッ

雛菜 <●><●> パチリ

雛菜 スタスタ

雛菜 ピタッ

雛菜「……やは」

----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2005726
[ORIGINAL THREAD: https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1594223305/]

>プレイヤーを追跡中。
>......
>特定しました。
>同期作業開始。
>......
>同期完了。
>モニターを開始します。
>REFERENCES: FROM_>>2_OF_https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1594223305/
----------------------------------------------------------------------------------------

ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

P「……朝か」


TO BE CONTINUED IN THE LAST TIME.
675 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/18(金) 02:18:05.28 ID:j6EBeguK0
このスレッドにおけるお話の本編はここまで。

noctchill編と同様に追加要素があるので、もう少しここ(このスレッド)で投下します。なので、Straylight編そのものは、まだ終了していません。

よろしくお願いします。
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 02:19:09.83 ID:67JBBaqDO


背筋ゾクゾクしかしないわさ……
677 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 00:35:57.28 ID:/xJcGNlP0
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「……と」

冬優子「あとは基本様子見――ようは放置ゲー」

冬優子(ビルドしたときにエラーっぽいのがいくつか出てたけど、ちゃんと動いてるってことは大丈夫……よね?)

冬優子「……」

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

8:
〜事務所〜

P「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、っ……はぁっ、ぁあっ」

P「つ、着いた……」

P(日ごろの運動不足がたたってしまった……)

P(が、しかし!)

P「涼しい〜〜」バタリ

P(なんだか事務所に人の気配もしないし、玄関だけど座っちまうか)

P ハァッハァッ

P(……い、息が上がったままだ……)

P(もう少し身体を動かしたほうがいいのかな?)

P「あ……」


「――なんだ、変質者かと思ったらあなたでしたか」


P「あ、ああ。おはよう円香」ハァハァ

円香「ハァハァいいながら挨拶しないでもらえますか? 不快極まりないので」

P「ご、ごめん……」

P「駅前から走ってきたもんだから、こんなになっちゃって」

円香「いい年した大人が街中で走っちゃうなんて……あなたはドラマの主人公か何かなんですか? ミスター・ヒーロー」

P「いい年っていったってまだ20代だからな」

円香「もう20代、の間違いでしょ」

P「うう……涼しい部屋に早く入りたかったんだよ。よいしょっと」

P「いま事務所には、円香1人か?」

円香「ええ。不幸にも」

円香「だから玄関から息を荒げた人物の気配がしたときは通報する準備をして向かいましたよ」

P「すまない……それは怖かったよな」

円香「……冗談だっての」ボソッ

P「え?」

円香「ひとりごとです。お気になさらず」

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「……」

冬優子(記録を眺めるのとはまた違う感じがするわね)

冬優子(現在進行形の……“生きている世界”)

冬優子(ふゆが作った世界)

冬優子「プロデューサー……」

冬優子「……やめやめ、いまはそれよりも気にしないといけないこと、あるし」

冬優子(仕組みとか)
678 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 00:59:34.03 ID:/xJcGNlP0
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

小糸「えへへ、いってらっしゃいってことです!」

小糸「それから……」

小糸「……帰ってきたら、つづき、しましょう」

END.

>福丸小糸のエンディングが1つクリアされました。

>市川雛菜に関するエンディングに行くための条件が1つクリアされました(残り2つ)。

>冒頭に戻ります。

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「2周目終わり……か」

冬優子「順調にいけばあと――」

冬優子「――ん?」

冬優子(“市川雛菜に関するエンディングに行くための条件が1つクリアされました(残り2つ)”?)

冬優子(普通に攻略対象にしたはずだけど……)

冬優子「……そういえば」

冬優子(この子だけは属性が少し違ったわね)

冬優子「……」

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

141:
透「う〜ん」

P「どうした透。スマホいじりながらうなったりして。ゲームでもしてるのか?」

透「そんなとこ。あっ……」

透「えいっ」

透「ふふっ。まだ、勝負はこれから」

P「なんのゲームか気になるな」

雛菜「マリカーってやつじゃな〜い?」

P「ああ……そういえば流行ってるらしいな」

透「2周目まではあんまりだったけど」

透「ここで……よっ、と。巻き返す」

P「ははっ、白熱してるな」

P「ゲームか……久しくやってないな……」

P「……」

P「……仕事すっか」

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「嫌な予感がするわ」

冬優子(何かが不自然なのよ……具体的に何がっていうのはわからないけど)

冬優子「この違和感は何?」

冬優子(でも、ふゆは“知ってる”)

冬優子(まだ1つのキャラクターに過ぎなかった頃に感じた――恐怖。それから……)

冬優子「……“この位置”に来て、繰り返しの環から飛び出て……」

冬優子「……結末もなくて、ちょうどいいところで「END.」も出なくなってからだいぶ経つけど……」

冬優子(これはふゆの経験則みたいなもの)

冬優子「……“記憶を持ったまま繰り返すとどう振舞うか”くらいは、なんとなくわかるのよ」
679 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 01:26:21.87 ID:/xJcGNlP0
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

P「アッ、エ、エエッ」

P「……」

P「??? ! !?!?」

P「――あぁあああぁぁぁああぁぁあぁああアァッ」

END.

222:
1.直前の選択肢に戻る。 
2.冒頭に戻る。

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「チィッ……! こうなったか……!!」

冬優子「どういうこと? 望まない方向だからこうしたってわけ……!?」

冬優子(ほんっとに読めないやつ! 急ぎとはいえ、配置すべきじゃなかったわね……)

冬優子(……市川雛菜)

冬優子「自分のルートに来るための条件をつけてるのは、もしかして――」

冬優子(――待ってる、っていうの?)

冬優子「いや、そんな単純な話じゃないわね、きっと」

冬優子「探さないと……この子の詳細情報」

冬優子 カタカタ


冬優子 ダンッ

冬優子「……はあぁぁ」

冬優子(そう簡単には見つからない……か)

冬優子「ふゆが使えるようになったシステムには気の遠くなるような量のデータがあるし」

冬優子「これを地道に探索するのは現実的じゃないわね」

冬優子(それなら――)

冬優子「――ふゆが作ったワールドの中で、可能な限り調べてみるしかないってことよ」

冬優子 カチカチ


冬優子 カチッ

冬優子「……」

冬優子「……これだわ」

冬優子(ふゆも偶然だけど受け取ったことのある“あの電話”――どうやら、ワールド毎に存在してるみたいね)

冬優子 カチカチ

冬優子「なにこれ、バグ?」

冬優子(動かすのに支障はない程度の、小さい警告……)

冬優子「……通話による管理委託システムのエラー」

冬優子(自動送信なのに宛先が指定されていないって出てる)

冬優子(その場合は……どれどれ?)

冬優子「指定されていない場合には、PLAYERの属性を持つキャラクターに送信される可能性がある……」

冬優子「……っ!!!」

冬優子(市川雛菜は――)

>PERSONA: TWO-WAY_CHARACTER(IDOL)&&PLAYER(PRODUCER)
・HinanaICHIKAWA (CONFIDENTIALITY)

冬優子(――他のキャラクターとは、違う)
680 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 01:48:31.08 ID:/xJcGNlP0
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

370:
〜Pの自宅〜

ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

P「……朝か」


P「いってきます。……って、まあ一人暮らしなんだけどな」

P「よし! 今日も一日頑張るか!」


〜駅前〜

P(事務所まであと少しだが……)

P「っ、暑いな、まったく……」

P「そうだ」


1.我慢できん……とりあえずコンビニに入ろう。(既読)
2.急いで事務所に行けばクーラーの効いた部屋が待っている!(既読)
3. 路地を歩けば涼しいかな……?(既読)
4.あれ、部屋の鍵ちゃんと閉めたっけ……。

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「でたわね」

冬優子「この選択肢ごと消したら……」ボソッ

モニター<雛 菜「そ う し た ら ま た 作 る だ け で す よ 〜 ?」ブォン

冬優子「ひ……!?」ビクッ

モニター<雛 菜「ん 〜 ……」

モニター<雛 菜 コンコン

モニター<雛 菜「あ は 〜 、 こ っ ち か ら じ ゃ だ め か 〜」

冬優子「……」

モニター<雛 菜 ジジッ・・・

モニター<雛 菜「な ん か 、 安 定 し て な い ?」

冬優子「雛菜ちゃん、幸せ〜ってなりたいのはわかるけど、もうちょっと押さえて欲しいなっ」

モニター<雛 菜「そ れ 、 す っ ご い ア イ ド ル っ て か ん じ 〜」

冬優子(なによ、それ)

冬優子(……もしかして、記憶が共有されてるっていうの?!)

モニター<雛 菜「?」

冬優子「ふゆのこと、知ってる……?」

モニター<雛 菜「え 〜 ?  知 り ま せ ん け ど 〜 ……」

冬優子(ふゆが会ってきた“ヒナナ”とも“雛菜”とも違うってことか)

モニター<雛 菜「そ こ に い る っ て こ と は 〜」

モニター<雛 菜「電 話 の と き の ヒ ン ト 、 知 っ て た ん で す ね 〜」

冬優子「あはは……」

モニター<雛 菜 ジジッ・・・

モニター<雛 菜「…… そ こ で 見 て て ね」

モニター<ブツッ

冬優子「……」

冬優子(……見てるだけでいられるわけ、ないじゃない)
681 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 02:01:10.11 ID:/xJcGNlP0
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

506:
----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2007125
[THE REMADE FILE]

>修正を反映しました。
>参照先のファイルに欠損が見られる箇所があります。処理を続行しますか? Y/N
>Y
>処理を続行します。
>Now Loading...
----------------------------------------------------------------------------------------

507:
起動しました。

>読み込み終了

冒頭に戻ります。

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

509:
〜駅前〜

P(事務所まであと少しだが……)

P「っ、暑いな、まったく……」

P「そうだ」


/*
1.(Deleted)
2.(Deleted)
3. (Deleted)
4.(Deleted)

(Deleted)
*/

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子 カタカタ

冬優子(好き勝手やってくれちゃって……)イライラ

冬優子「……でもね」

冬優子(管理者は――ふゆなのよ)

冬優子「やられっぱなしじゃないんだから……!」

冬優子(まずは“あいつ”――プロデューサーにメールを……)カタカタ

冬優子 タンッ

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

510:
P「……ん?」

P(何かが一瞬頭をよぎったような……)

P(気のせいか?)

ヴーッ

P「LINE? ……いや、メールだな、これ」


『FROM:-----------------------------
件名 :走って家に戻れ。いつもの道で。
本文 :(本文はありません)     』


P「なんだ? これ」

P「差出人のところ、なんで書いてないんだよ」

P「ったく……スパムか何かか」

P「とにかく事務所に行って一息つこう。早くこの暑さから逃れたい」
682 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 02:13:57.44 ID:/xJcGNlP0
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「……いやそこは気づいてほしかったわよ!!」ドンッ

冬優子(ま、まあ、急いで超短文を送りつけたふゆも悪かったかもだけど……!)

冬優子 カタカタ

冬優子「とりあえず、少し書き加えたメールを送ってはみたものの」

冬優子(もうめちゃくちゃ)

冬優子(管理者じゃなくてもここまでの権限を持ってるだなんてね)

冬優子「そうだ……この子が書き換えてる部分をふゆがいじれば……」

冬優子(めちゃくちゃにされたんだもの、めちゃくちゃにしかえしてやるわ……!)

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

P「よし、じゃあお前ら、レッスン頑張ってこいよ」

円香透小糸雛菜「やは〜、「やは〜、「やは〜、「やは〜、がんばりま〜す」がんばりま〜す」がんばりま〜す」がんばりま〜す」

P「っ、ひ、ひぃっ!?」

円香透小糸雛菜「どう「どう「どう「どうしたの〜?」したの〜?」したの〜?」したの〜?」

P「い、いや、お前ら息ぴったりだと思ってさ、あ、はは……」ビクビク

517:
4人「ん〜?」

P(目の前にいる4人は同時に声を発して顔を見合わせる)

P(すると、雛菜と呼ばれる子だけがこちらを向いて……)

雛菜「あ〜、なんかしっぱいしちゃったかも〜」

P(そういう子以外の3人は、固まって石像のように動かない)

P「はぁっ、はぁっ……ぐっ」

雛菜「そんな顔しないで〜……」

雛菜「ん〜、どうしたら〜……」ポチポチ

雛菜 ピッ

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「っし! 目にものを見せてやったわ!」

冬優子「次で決着をつけるわよ」

冬優子 カタカタ

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

P「……ん?」

P(何かが一瞬頭をよぎったような……)

P(気のせいか?)

ヴーッ

P「LINE? ……いや、メールだな、これ」

P「2件か」


『FROM :-----------------------------
 件名 :走って家に戻れ。いつもの道で。
 本文 :スマホを奪ってお前が出ろ  』

『FROM :-----------------------------
 件名 :家の鍵は閉めたのか?
 本文 :急げ            』


P「……」

P ダッ
683 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 02:16:53.27 ID:/xJcGNlP0
525:
----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2009219
[THE REMADE FILE]

>ようこそ。管理者。
>音声であなたの構想を反映します。
>半角英数字でRを入力してEnterキーを押し、できるだけ具体的に述べてください。終了するには、半角英数字でEを入力してEnterキーを押してください。
>R
>…………
>…………
>…………
>…………
>…………
>…………
>…………
>E
>データの処理を行います。しばらくお待ちください。
>処理が完了しました。
>音声は問題なく認識されました。情報の追加を希望するにはHを入力してEnterキーを押してください。以上で終了ならば、何も入力せずにEnterキーを押してください。
>
>実行しますか? Y/N
>Y
>承知しました。新しいシステムに移行します。なお、このプログラムは一定時間後に破棄されます。
>Now Loading...
----------------------------------------------------------------------------------------

526:
再起動します。

――――――――---……---――――――――

>Now Loading...(時間がかかっています)
>読み込み終了
>表示を通常モードに移行

起動しました。
プログラムを実行します。

527:
----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2018424
[FILE : STABLE]

>自動診断ツール起動。
>......
>エラーは見つかりませんでした。正常と判断されます。
>ようこそ。管理者。
>スタートします。
----------------------------------------------------------------------------------------

528:
THE IDOLM@STER SHINY COLORS

Now Loading...


P(283プロダクションに入社して数か月……いよいよ俺が、アイドルをプロデュースする時が来た)

P(ずっと憧れていた仕事をようやく任されたんだ、これから精一杯頑張るぞ!)

P「……」

P「……なんてな」ボソッ

P「おはようございます! って、天井社長……?」

社長「おはよう、お前を待っていたぞ――」


はづき「――……ふわぁ〜? なんですか〜急に大きな声出して〜……」

社長「は、はづき……なぜ床で寝ているんだ」

はづき「すみません、ソファへ着く前に、眠気に負けてしまいまして〜……」

P(はは、そうだったそうだった。相変わらずだ)

社長「せっかくまじめな雰囲気を出したというのに……――」
684 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 02:35:39.76 ID:/xJcGNlP0
はづき「――ですので、精一杯頑張っていきましょ〜! 私もたくさんサポートさせていただきますね〜」

社長「……少しアドバイスしておくが、お前は、283プロダクションのプロデューサーだ」

P「担当アイドルと他のアイドルたちを交流させることも重要になってくる、ですよね?」

社長「む、ま、まあ、そうだが……。わかっていればよろしい」

はづき「では、そろそろお仕事に移ってもらいましょうか」

はづき「今回プロデュースするアイドルは――」


P(アイドルのプロデュースは、あらかじめ決められた選択肢から選んでするものじゃない)

P(それに、他の可能性を探ってみたかったり都合が悪かったりで何度も繰り返すものじゃない)

P(俺は俺が思うように、1度きりのプロデュースで、アイドルを輝かせるために全力を尽くす)

P(これが、俺の望んだ“世界”――選択肢と繰り返しの生むものを知り、それを拒否して、俺の知る悲劇の可能性を排除した環境)

P(この“世界”で全力を尽くしてこそ、俺は心からこう言えるんじゃないか――)

P(――よし、楽しく話せたな。と)


-noctchill編- END.

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――ブツンッ

冬優子「ふうぅぅぅぅぅっ」

冬優子(疲れた……)

冬優子「……終わったわね」

冬優子「……」

カツッカツッ

冬優子「?」

ピタッ

P「すみません、ちょっといいですか?」

冬優子(これって……ふふっ)

冬優子「はい、なんですかっ?」

冬優子「ふゆに何かご用事ですか?」

P「いえ、こちらこそ突然すみません。用事と言いますか……」

P「私は、283プロダクションという芸能事務所でプロデューサーをしている者です」

P「アイドルに興味はありませんか?」

冬優子「……」

P「……」

冬優子「……っく、あはははっ」

冬優子「ほんと、笑える」

冬優子「そうよね、一応は、初対面なんだし」

P「ああ……一応は、な」

冬優子「どう? ふゆの豹変ぶりに幻滅した?」

P「いいや、そんなことはない」

P「確かに、俺は君と会ったことがない。けれど、こうして“何度も会ってる”」

冬優子「そうでしょうね。多少の違いはあれど、ふゆも似たようなものよ」

冬優子「とりあえず、ようこそこちら側へ――とでも言っておくわ」

P「はは、そうだな。よろしく頼むよ――」

P「――冬優子」

-Straylight編- END.
685 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 03:11:57.16 ID:/xJcGNlP0
【予告】

キーンコーンカーンコーン

「すぅ……」zzzZZZ

ユサユサ

「んんっ……すぅ……」zzzZZZ

「ありゃ、これはかなりの熟睡度……いつも以上に手ごわいかも」

「……」zzzZZZ

「Pた〜ん、もう起きる時間だよ〜〜?」ユサユサ

P「……っ」

「このままだと、ホームルームで先生に見つかって、名指しで注意されちゃって、Pたんは恥ずかしい思いをすることに〜……」

P「わかった……わかったって……っしょっと」ムクリ

「ようやくお目覚め〜? ほんと、いつも起こしてあげてる三峰には、もっと感謝してくれなきゃな〜〜」

P「ん゛んーっ……ふぅ。ああ、いつもありがとうな、結華」

結華「! ……わ、わかってくれればいいのだよ、わかってくれればさー」

P「……」

結華「Pたん? どしたの?」

P「いや……なんでもない」

ガララ

「は〜い、それじゃあ、ホームルームはじめますね〜」

ガヤガヤ

結華「おっ、はづきち先生の登場だ!」

P「……」

結華「今日も美しいな〜。Pたんもそう思わない?」

P「ああ、美しいな……」ボーッ

結華「はぁ……まだまだおねむなPたんであった」

P(学校……いつも通りの朝)

P(俺の日常……)

P(……だよな?)

――――――――---……---――――――――
〜教室〜

はづき「転校生を紹介しますね〜。どうぞ……」

「月岡恋鐘ばい! あっ……です!」

恋鐘「よろしくお願いします!」

――――――――---……---――――――――
〜廊下〜

「おや、こんなところで、どうしたんだい?」

P「え? いや、その……」

「おっと、いきなりで驚かせてしまったかな。私は――」

咲耶「――白瀬咲耶だ」

――――――――---……---――――――――
〜保健室〜

P(つい見惚れてしまった……)

P「……えっと、幽谷霧子さん、だよな」

霧子「……! わたしの名前、覚えていてくれたんですね……」
686 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 03:47:12.12 ID:/xJcGNlP0
――――――――---……---――――――――
〜センター街〜

P「いいな。約束は守ってもらうぞ」

「どうですかねー。お兄さん次第かもしれませんねー?」

P「はぁ……」

「私、田中摩美々っていいますー」

摩美々「悪い子なんでー、たくさん迷惑かけてあげますねー」

――――――――---……---――――――――
〜校長室〜

P「……」

「お前を待っていたぞ」

はづき「校長室で2人きりだと流石に可哀想なので、私もいますよ〜」


P「……W.I.N.G.、ですか」

校長「そうだ」

はづき「この学園で最も大きな祭典……」


校長「お前には、そのW.I.N.G.で結果を残してもらう」

はづき「出場する女子生徒たちは、各々自分のサポートをしてくれる味方と一緒に、スケジュールや作戦を立ててるみたいですね〜」

校長「有り体に言えば、そう――」

校長「――プロデュースだ」

――――――――---……---――――――――

P「俺が……担当を――」

P「――選ぶ」

――――――――---……---――――――――

結華「私が、アイドル……」

結華「……今日イチ面白い冗談だね、Pたん」

結華「いまなら、なかったことにできなくもないよ?」

P「いや、結華、俺は……――」

――――――――---……---――――――――

恋鐘「ここまで来れたんも、Pのおかげばい!」

恋鐘「まさに、Pはうちの――プロデューサーやね!!」

P「プロデューサー……」

P「……ははっ、そうか」

P(プロデューサー……か)

――――――――---……---――――――――

咲耶「……」

咲耶「これからも私の隣にいてくれるって……そう言ったじゃないか」

咲耶「フフ、どこに行くんだい? P」

――――――――---……---――――――――

霧子「……?」

P「そこにある花が……な」

霧子「お花さん……ううん、お花さん――たち?」

P「気のせいかなぁ」

霧子「……ふふっ」
687 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 04:09:31.73 ID:/xJcGNlP0
――――――――---……---――――――――

摩美々「やっぱりー、Pといると退屈しませんねー」

P「それは良かった」

摩美々「別にー、感謝したとかじゃないんでー……」

摩美々「……摩美々、こんな悪い子なのに」ボソッ

P「?」

摩美々「ふふー、なんでもありませんよー」

――――――――---……---――――――――

結華「Pたん!」
恋鐘「P!」
咲耶「P」
霧子「Pさん」
摩美々「お兄さん」

――――――――---……---――――――――

P「……」

P「………………」

P「……………………いや」

P(本当に、これは俺の日常なのか?)

P(今、俺が見ているのは、一体何だ?)

P「時々見る……妙にリアルな夢」

P「……」

P「……なんてな」

P(高校生にもなって厨二病かよ)

P(結華に笑われそうだ)

P「はぁ……」

――――――――---……---――――――――

「ふふっ……」


P「?!」

――――――――---……---――――――――

P「俺は……」

――――――――---……---――――――――

----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2019313

>……
>……
>……
----------------------------------------------------------------------------------------

――――――――---……---――――――――

P「ははっ」

P(よし、楽しく話せたな)


――――――――---……---――――――――







-L'Antica編-
688 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 04:21:02.07 ID:/xJcGNlP0
以上です。ありがとうございました。

予定よりも時間がかかってしまいました(気づけば10ヶ月近く経っていました)が、Straylight編を終えることができました。文章量がかなり多くなってしまいましたが、最初からこの量でお話を作っていました。お付き合いくださった方々に感謝いたします。

また、Straylight編では細かい訂正を何度か実施しています。すみません。
訂正内容は、スレッド内で「訂正」と検索していただければすべて確認できるはずです。読み返したりまとめたりすることがあれば、ご注意ください。

L'Antica編は近いうちにスレッドを立てる予定です(立てたらここにもURLを貼りに来ようと思います)。こちらに関しては、ペース・文章量はどちらかというとnoctchill編に近いものとなっています。


このシリーズ:
・【シャニマス】P「よし、楽しく……」-noctchill編- 【安価】: https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1594223305/
・【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】: https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1599288272/
・-L'Antica編-: COMING SOON.

※細かいことですが、このスレッドのタイトルの「- Straylight編-」はミスタイプで、正しくは「-Straylight編-」です(Sの前のスペースは不要です)。
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 06:33:23.10 ID:J3m1rTADO


まさに世にも奇妙な物語なりや





L'Anticaはさらにカオスになりそう……
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 09:27:43.97 ID:bMugVOW2o
おつおつ
こっちも何回も読み直さなきゃ……
Adminふゆゆハマり役過ぎてうまいなぁ
-L'Antica編-は人数増すので期待も増すぜ
ありがとうございました!
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 22:39:53.99 ID:C7rHJ9E0o
692 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/07/08(木) 20:49:08.90 ID:9u9ZjoYwO
お久しぶりです。>>1です。

L'Antica編のスレッドを立てました: https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625744763/
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/08(日) 01:21:26.42 ID:HUzPn6Rso
ネタバレ禁止なのでこっちに
アンティーカはだれが黒幕ポジだろうなー
ストレイライト編で思いっきり読み間違えから全員のちょっとした言動が怪しく見えちまう
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