【シャニマス】P「よし、楽しく……」- Straylight編- 【安価】

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662 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/17(木) 19:17:49.98 ID:ZVcu4KcN0
>load-response from>>502

透『そっか……そういうこと』

雛菜『うん〜……でも、あんまり時間ないかも〜〜』

透『いるんだ、どうにかしようって人』

雛菜『そうかもね〜。そこまでは雛菜にもよくわからないけど』

透『僕が……』

雛菜『透先輩〜?』

透『ううん。なんでもない』

透『いいんだ。わがまま、聞いてもらったし』

雛菜『……』

透『やろう。今度は、僕の……私の番だけど』

透『で、どうするの』

雛菜『決勝会場で予約されてたとこ、あれってこの前の会場を新しく作っただけの建物だから、ほとんど同じで大丈夫〜』

雛菜『細かい違いとかは後で送るね〜』

透『わかった』

透『……』

透『……また』

雛菜『?』

透『また、……ううん、今度こそ、最初から……がいいなって』

透『それから、Pと2人で……』

雛菜『透先輩、何か言った〜?』

透『別に、ただの独り言』

透『そろそろ切る。Pに連絡しないとだから』

雛菜『わかった〜。またね〜〜』

透『うん。じゃ、また』

ピッ

透『……』

透『てっぺん、いつになったら……』

透『でも、そのうちたどり着けるよね』

透『待ってるよ、P』


同時刻。

〜ステージ(予選) 閉鎖中の舞台付近〜

雛菜『切れちゃった〜』

雛菜『1人でいると〜、……広いな〜〜』

雛菜『んっ』タンッ

雛菜『広〜い舞台を、雛菜が独り占め〜〜』タタッ

雛菜『……なんてね〜』ピタッ

雛菜『独り占めできた舞台でも、見る人がいないとな〜』

雛菜『雛菜、こういうのはやっぱ向いてないかも〜』



>load-memory_FuyukoMAYUZUMI when>>502

冬優子「……」ポチッ
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――ブツンッ
663 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/17(木) 19:21:17.50 ID:ZVcu4KcN0
>>661 訂正:

>>load-response back from>>500
→>load-response back from>>500
664 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/17(木) 19:27:12.37 ID:ZVcu4KcN0
>>516 訂正:

P「(……透──)」
→P(……透──)
665 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/17(木) 19:42:11.80 ID:ZVcu4KcN0
>load-response from>>522

雛菜 ジタバタ

円香『ねえ、雛菜は何を知ってるの』

円香『雛菜の、小糸の、浅倉透の……そして――』

円香『――私の周りで、あり得ないことが起きてるのは、なんで』パッ

雛菜『ぷはぁっ……! はぁっ、はぁっ……それは』

雛菜『……あは。雛菜の首から手離してくれたら、教えてあげるよ〜』

円香『そう……じゃあ』

円香 ギュゥ

雛菜『!?』

円香『たぶん、あんたに聞いても全部はわからない』ギュゥゥゥ

円香『だからいいの。これ、私の独り言だと思って』ギュゥゥゥ

雛菜 ジタバタ



>load-memory_FuyukoMAYUZUMI when>>522

冬優子 カタカタ

冬優子「っ!」

冬優子 ダンッ

冬優子「あ゛あっ!! もうっ!!!」

冬優子(やっとふゆの思うとおりにできると思ったら好き勝手動いてくれちゃってもう……! あさひ以外にここまで予想のつかないやつらがいるとはね……!!)

冬優子 カタカタ

冬優子「多少強引な方法をとらせてもらうわよ」カタカタ

冬優子 ポチッ



>load-response back from>>522

雛菜 ガクッ

円香 パッ

円香『はぁっ……はぁっ……』ダラン



>load-response from>>523

円香『……』クルッ・・・ササッ

円香『連絡……』

円香 ポチポチ

----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2018424
[AUTOMATIC OPERATION]

>This prototype of a player is out of action.
>…………
>…………
>…………
>Recovering now.
>…………
>…………
>…………
>AUTOMATIC CONTROL: OFF->ON.
>Now Loading...
----------------------------------------------------------------------------------------

雛菜 ビクッ

円香『あの人に伝えないと……』ポチポチ
666 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/17(木) 20:04:07.44 ID:ZVcu4KcN0
>load-memory_FuyukoMAYUZUMI when>>524

冬優子「はあっ……はあっ……」

冬優子「…………はああぁぁぁ…………!」ダラン

冬優子「これで……なんとかなる……のよね」

冬優子(でも、何事もなく――とはいかない、か)

冬優子(なんかもう、いろいろと動いちゃってるみたいだし)

冬優子「……」

冬優子(せめて、あいつには……)カタカタ

冬優子「送信――」

冬優子 タンッ

冬優子「――と」

冬優子「……」

冬優子(いくらこのルートを畳むためとはいえ、酷いことをしてるのよね、ふゆは)

冬優子(“この位置”にいても、感じるのは自分の不甲斐なさと冷徹さ……)

冬優子(……勘弁してほしいわ)



>load-response from>>524

〜舞台袖〜

P『……』

ヴーッ

P《通知……樋口さんか?》ポチ

P『……いや、違うな。これは』

『FROM:---------------------------------------------
件名 :ごめんなさい。
本文 :もう、何事もなく終えることはできなくなった 』

P『どういうことだ……?』

P《そもそもこのメールは誰から送られてきているんだろう》

ヴーッ

『FROM :-----------------------------
 件名 :予選と同じ。
 本文 :(本文はありません)    』

P『!!!』


―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――ブツンッ

冬優子「第三者視点から眺めるのも、記憶を遡るのも、やってみるとあんまり楽しくないわね」ポチッ

冬優子「このルートを最後まで見る気でいたけど、もういいわ……」

冬優子 ポチッ・・・

冬優子 ポチポチ

冬優子(見たかった録画のを見終わって、録画した番組のリストを意味もなく行ったり来たり……まるでそんな感じ)

冬優子「……あ、これって」

冬優子(√Wの終わりに見た、“あの子たち”の会話……)

冬優子「なんでこんな“見たことのない記録”があるんだか」

冬優子(趣味の悪い誰かがここに保存してたとか――なんてね)

冬優子「さ、次、いくわよ」カタカタ

タンッ
667 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/17(木) 20:05:28.54 ID:ZVcu4KcN0
>>654 訂正:

P『……通知?『
→P『……通知?』
668 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/17(木) 21:55:34.08 ID:ZVcu4KcN0
>load-memory_FuyukoMAYUZUMI before>>534

〜???〜

「冬優子ちゃん!」

冬優子「……え」

「楽しいことしてるんすか? だったら、わたしも混ぜて欲しいっす!」

冬優子「別に、楽しくなんかないわよ」

「えー……つまんないっすー」

冬優子「はいはい、悪かったわね」

冬優子「……」

冬優子「……あんた、大丈夫なの」

「?」

冬優子「いや、そんなキョトンとされてもね……」

「どういうことっすか?」

冬優子「あんたのこと、ついでに調べてたんだけど」

冬優子「いろいろと事情……あるんでしょ」

「あー……」

冬優子「もう最後よ、次のルートでね」

冬優子「選ばれなかったり、名前を忘れられたりしたら……」

冬優子「……こんな悪趣味なゲーム、引き受けちゃって、まあ」

「あはは」

冬優子「何笑ってんのよ」

「もうあんまり覚えてないっす。そのときのことは」

「いや、記憶してないわけじゃないんすよ? そのときの気持ちとか、そういうのが思い出せないってだけっす」

「そもそも、あれは“わたしだけどわたしじゃない”っす」

冬優子「……」

「冬優子ちゃん……?」

冬優子「……ううん、なんでも」

冬優子「ま、頑張りなさい」

「はいっす! じゃ、行ってくるっすよ!」フリフリ

冬優子 フリフリ

冬優子(勝手にやってきて勝手に去っていく――自分勝手もいいところよ、ったく)

冬優子(こうやって見送れるのも、これで最後なのかしら)

冬優子 カタカタ

冬優子「……そうだ」



ゴウンゴウン

冬優子「……」

???「……」

冬優子「……自分の姿を自分で見るってのも、変な話ね」

冬優子(こんなこと、たぶん許されない……)


冬優子『お腹出てるの、見間違いじゃないわよ』

冬優子『言ったでしょ。あんた1人の身体じゃないって』
669 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/17(木) 22:29:16.14 ID:ZVcu4KcN0
冬優子「……」


冬優子『いるわよ』

P『え?』

冬優子『いまさすったところ。人がいるって言ってんの』


???「……」

冬優子(書き換えでこんなこともできるこの“立ち位置”も、そうとう狂ってる)

冬優子(でも、もっと狂ってるのは、実行してるふゆ自身なのかもね)

冬優子「……はぁ」

冬優子(あさひがあのゲームに勝てるような環境を作るには、余計なものの介入は減らさないといけない)

冬優子(それは、ふゆだって例外じゃない)

冬優子(愛依のときにあれだけいろんなことが起こったのは、アップデートされた“このふゆ”がワールドにいたから――とも考えられるし)

冬優子(ふゆ関連のイベントを省くだけじゃ、やっぱりだめだったってことね……)

冬優子(……それなら、ふゆはここから様子を伺って、代わりに“別のふゆ”を送り込めばいい。人一人を最初から作り出す方法なんて、管理者になりたてのふゆには、まだわからないけど)

冬優子(既に“出来上がった人”を適当に書き換えて“作り直す”なら、いまのふゆには難しくない)

???「……」

冬優子(ガラス越しに、もう一人の自分を眺める)

冬優子「って、あさひのためにここまでやってるのも、思えば不思議な話ね」

冬優子(もちろん、最優先の目標はこのワールドを無事終えることだから、こうしてあさひがうまくやれるようにふゆがなんとかするのは、変なことじゃないけど)

冬優子(あいつなんて――って思ったこと、たぶん、数え切れないほどある)

冬優子(でも、嫌ったり憎んだり――そういうのは、もしかしたらないかも。いまだって、こうしてらしくもない縁の下の力持ちをしてるわけだし)

冬優子「あ……」

冬優子(そっか)

冬優子「……あーあ、ったくもう」

冬優子「はいはい、わかってるわよ」

冬優子「思ってた以上に、ふゆはあいつのことが――あさひのことが好きだった、って、そういうことでしょ」ハァ

冬優子(こんなこと、こうやって一人でいるから言えるだけ……)

??? ニコ

冬優子「ちょっ、何笑って――」

冬優子(ふゆと“別のふゆ”を隔てるガラスに自分の顔が映って、ふゆがいまどんな顔をしてるのか――見えた)

冬優子「――笑ってるのは、ふゆの方……?」

冬優子「そっか、あんた、ふゆの真似して……」

??? ニコ

冬優子「! グスッ……ううっ……!」

冬優子「ごめんなさい……ごめんなさい……!!」

冬優子(あんたは、“別のふゆ”なんかじゃなくて、本当はふゆの……!)

冬優子(このワールドが完結してその先がなかったとしても、それは変わらないのに……)

冬優子(はじめて、心の底から今の立ち位置が嫌になった)

冬優子「……っ、もう引き返せないのよ、ふゆ」

冬優子(アイドル黛冬優子――最早懐かしいわね。別に、アイドルを引退した覚えはないけど)

冬優子 ポチッ

冬優子(あとはプロデューサーへの感情を必要最低限に抑えた“黛冬優子”を、この子にインストールするだけ)

冬優子「サイバーパンクなんて比じゃない――迷光の進む先……」
670 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/17(木) 23:08:47.29 ID:ZVcu4KcN0
>load-memory_FuyukoMAYUZUMI before>>590

冬優子「なによ、これ……」

冬優子(あさひが――消えかけてる……? プロデューサー以外のキャラクターの記憶には――もう残ってないなんて)

冬優子「……!」

 <――ただし、存在が不安定なままなので、プロデューサーさんの記憶にはちゃんと残り続けてくださいね>

冬優子「まさか……!」

冬優子(あさひは、誰かの手で例外的にルートが終わってもリセットされてないようにされている――)

冬優子(――つまり、あいつだけはかなりの時間が経過していることになる……)

冬優子(……管理者でもないただのワールド上のキャラクター――それも構築がバッタもん同然なら、なおさら安定しつづけるなんて不可能……!)

冬優子「ほんっっと、最悪なゲームね!」ガンッ

冬優子(このままじゃ、プロデューサーがあさひのことを忘れるのだって時間の問題じゃない!!)

冬優子「これ以上……ふゆになにができるっていうわけ……?」



>load-memory_FuyukoMAYUZUMI when>>597

冬優子(万事休す……ってことなの……?)

冬優子(“送り込んだほうのふゆ”も忘れてるみたいだし、もうどうすればいいのやら)

冬優子 ポチポチ

冬優子(こうして、ただ眺めてるだけなんて……)

冬優子「……あれ、いまのって」

冬優子 ポチッ



>load-response from>>597

冬優子『愛依なら夕飯の当番とかで急いで帰ったわよ』

P『そうか』

冬優子『……悪かったわね』

P『なにが?』

冬優子『愛依でもあさひでもなくて、ここに来たのがふゆで』

冬優子『別にあんたがいるかもと思って会いに来たわけじゃ……ない……んだから』ボソッ

P『ははっ、そんなことないぞ。会えて嬉しいよ』



>load-memory_FuyukoMAYUZUMI back when>>597

冬優子「いま「あさひ」って……! 「あさひ」って言ったじゃない!!」

冬優子(というか、プロデューサーはなんで気づかないのよ! 精神的に疲弊してるからって、……もう!!)

冬優子「“ふゆ”、大手柄よ!!!」

冬優子(まだ完全に記憶が消えてなかったなんてね!)

冬優子(“あのふゆ”の中にあさひがあるなら……通常キャラにあさひに関する記憶が少しでもあるなら……)

冬優子 カタカタ

冬優子(……あのワールド内で完結するバックアップを作って、あさひが消えないようにできるはず!)

冬優子「はんっ、ふゆを舐めるんじゃないわよ……!」

冬優子 カタカタ

冬優子(たとえプロデューサーすらあさひのことを忘れても、あさひが消えないようにしてやるんだから……!!!)

冬優子(……頼んだわよ)

冬優子 タンッ
671 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/17(木) 23:52:18.61 ID:ZVcu4KcN0
>load-memory_FuyukoMAYUZUMI before>>635

冬優子「……終わったわね」

冬優子(プロデューサーは間に合わなかったけど、それでも、最後にちゃんとあさひを選んだ……か)

冬優子「まあ、あいつの――あさひのあんなに幸せそうな顔なんて、ふゆですら見たことがなかったし……」

冬優子(……納得して消えることができたなら、ふゆも動いたかいがあった、ってことよね)

ふゆこ「……」ツカツカ

冬優子「あ、おかえり、“ふゆ”。ご苦労さま。お手柄だったじゃない」

ふゆこ「……」コクリ

冬優子「……」

冬優子(ワールドを失って初期化状態同然――ってとこかしら)

冬優子「慚愧の極み、ね」

冬優子(このままじゃ、この子は本当に、ただの道具で終わっちゃう……)

冬優子「そんなことって……」

 <――かなり極端に設定したので、デバッガーが必要なんです>

冬優子「……そういえば」

冬優子(デバッグが終わったということは、オリジナルのあさひを実装したワールドが作られる……?)

冬優子(どのみち、ふゆは――この私はワールド上の1キャラクターとして振舞えない)

冬優子(だったら、次からの黛冬優子は……)

ふゆこ「……」

冬優子「ちょっと待ってて」

冬優子 カタカタ


冬優子「……これでいいはず」

ふゆこ「……」

“ふゆこ” ジジッ・・・バチバチ

“冬ゆこ”

“冬ゆ子”

“冬優子”

“冬優子”「……」

冬優子「あんたは、自分の人生をいきなさい」

冬優子「たとえゲームのキャラクターに過ぎなくても、途方もない円環の中をシステム上で走り続けるだけだとしても」

冬優子「プロデューサーに出会って、アイドルになって、悩みながらも楽しくてしょうがない時間を過ごしていって」

冬優子「こんなことを言う資格はないかもしれないけど、こんなことしかしてあげられないけど」

冬優子「“アイドル黛冬優子”を……あんたにあげるわ」

“冬優子”「……」コクリ

冬優子(自己満っていうなら、それでもいい。ふゆにできる贖罪はこれだって思っただけなんだから)

“冬優子” ポロポロ

冬優子「ちょっと、何泣いてるのよ……」


??? ニコ

冬優子『ちょっ、何笑って――』

冬優子『――笑ってるのは、ふゆの方……?』


冬優子「……そっか。泣いてるのは、ふゆの方だったってわけね」ポロポロ
672 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/18(金) 01:08:14.26 ID:j6EBeguK0

------------------------------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2018424
[ANNOUNCEMENT]

>黛冬優子がキャラクタースロットにセットされました。
>上書きしますか? Y/N
>Y
>……
>リソースの上書き完了。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------


冬優子「行っちゃった……か」

冬優子「……」

冬優子「……さて、何から始めようかしらね」

冬優子 カタカタ

冬優子「あ、そういえば――」

冬優子(星……あいつの歌にあったはず)

冬優子「――プロデューサーは自覚してなくても、あさひはもう何度も星を見に行ってるんだった」

冬優子(たぶん、そこには特別な思いがあったんでしょうね)

冬優子「……」

冬優子(ふゆにとっては……“このふゆ”にとっては、芹沢あさひといえばあいつだけなんだから)

冬優子(これから始まる“本当の”――“本来の”物語ではそうじゃないとしても)

冬優子(あさひがバッタもんで、ふゆがふゆじゃなかったとしても)

冬優子(私の本物は、ちゃんと、ある)

冬優子 ポチポチ

冬優子 ピッ


------------------------------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2018424
[MANUAL OPERATION]

>start-music go
>......
>menu sound-set 星をめざして.mp3
>......
------------------------------------------------------------------------------------------------------------


冬優子「んー……っ!」ノビー

冬優子「ふぅ……」

冬優子「……」

冬優子「……よし、やるわよ」

冬優子(管理者視点から見えるものをどうやって理解するか……いろいろ考えたけど)

冬優子(せっかくこの立ち位置にいるんだから、いっそ作ってしまえばいいのよ――)

冬優子(――世界を、ふゆの手で、ね)

冬優子「とはいえ、ふゆがもともといたレベルのワールドは、まだまだ人外未知といった感じ、か」

冬優子「まあ、まずは、ふゆでも扱えるくらいのやつから始めればいいわ」

冬優子(たしか、コンソールに管理者権限で入るとわりかしすぐのところに……あった)カチカチ

冬優子(この使い捨てられたデータが参考になりそうだし)

冬優子「問題は……キャラクターをどう配置するか、ね」

冬優子(プロデューサーの配置はそもそも起動のために必須だからいいとして……)

冬優子(……アイドルを決めないと)

冬優子「……」
673 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/18(金) 01:45:07.35 ID:j6EBeguK0
冬優子 カチカチ

冬優子「……」

冬優子 カタカタ

冬優子 タンッ

冬優子「……」

冬優子 カチッ

冬優子「……! これって……」

>WELCOME!
>USER: FuyukoMAYUZUMI(ADMINISTRATOR, ORIGINAL)
>……
>PERSONA: CHARACTER(IDOL)
・ToruASAKURA
・MadokaHIGUCHI
・KoitoFUKUMARU
>PERSONA: TWO-WAY_CHARACTER(IDOL)&&PLAYER(PRODUCER)
・HinanaICHIKAWA (CONFIDENTIALITY)

冬優子(……見てはいけないものを見た気分というのは、たぶん、こういうことを言うのね)

冬優子「でも、いまのふゆは管理者だから――」カチカチ

冬優子 カチッ

>……
>AVAILABLE_FOR_YOU_TO_DEPLOY!

冬優子「――使うことができる、か……」

冬優子「……」

冬優子(他に使えそうなキャラクターのあてもないし、決まりね)

冬優子 カタカタ


冬優子 カタカタ

冬優子 カチッ

冬優子「……っし、最低限、形になったわ!」

冬優子(あとはこの4人の関係性を設定しないとね)

冬優子(たしか、幼馴染どうしが何組かいたような……)

冬優子「……あれ、思い出せない」

冬優子(そもそも、ふゆがまともに接したことがあるのは――はたして何周前でしょうかって話)

冬優子(覚えてらんないわよ、そこまで……)

冬優子(……あさひじゃあるまいし、無理よ無理)

冬優子「まあ、まとめて全員幼馴染どうしってことでいいでしょ」カタカタ

冬優子「あの世界における設定なんてあってないようなもんよ、きっと」

冬優子(この4人も、あの時は試験的に投入されていた感じだったし)

冬優子「なんていうか……設定しやすい」

冬優子(というより、いろいろと解釈する余地がある……?)

冬優子「浅倉透、樋口円香、福丸小糸、それから、市川雛菜……」

冬優子「……誰もが、誰なのか、わからない」

冬優子(情報が少ないのよ。存在感はあるのに、ほんと、変な感じ)

冬優子「透明っていうのは、こういうことを言うのかもしれないわね……」

冬優子「……」

冬優子「……何言ってるんだか」

冬優子 カタカタ

冬優子 タンッ
674 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/18(金) 02:10:57.86 ID:j6EBeguK0
----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2005726
[FILE: STABLE, ADMIN SETTINGS]

>準備完了。
>起動しますか? Y/N
>......
----------------------------------------------------------------------------------------

冬優子「じゃあ、はじめるわよ」

冬優子 カタカタ

冬優子 タンッ

----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2005726
[ORIGINAL THREAD: https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1594223305/]

>起動中。しばらくお待ちください。
>......
>起動しました。
>通話による管理委託システムにエラーが発生しています。起動には問題ありません。
>現在、件のシステムによる自動送信は“オン”となっています。
>変更または停止のためには、管理者権限による設定の変更が必要です。
----------------------------------------------------------------------------------------

〜事務所〜

円香「はぁ……」

円香「……早く着きすぎた」


〜事務所付近のとある路地〜

小糸「いつもと違う道……」

小糸「き、気分転換……だから」


〜駅前のコンビニ〜

透「──あ、ふふっ」

透「財布ないわ」


〜Pの自宅の近所〜

雛菜「……」

雛菜 <―><―> ボーッ

雛菜 <●><●> パチリ

雛菜 スタスタ

雛菜 ピタッ

雛菜「……やは」

----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2005726
[ORIGINAL THREAD: https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1594223305/]

>プレイヤーを追跡中。
>......
>特定しました。
>同期作業開始。
>......
>同期完了。
>モニターを開始します。
>REFERENCES: FROM_>>2_OF_https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1594223305/
----------------------------------------------------------------------------------------

ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

P「……朝か」


TO BE CONTINUED IN THE LAST TIME.
675 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/18(金) 02:18:05.28 ID:j6EBeguK0
このスレッドにおけるお話の本編はここまで。

noctchill編と同様に追加要素があるので、もう少しここ(このスレッド)で投下します。なので、Straylight編そのものは、まだ終了していません。

よろしくお願いします。
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/18(金) 02:19:09.83 ID:67JBBaqDO


背筋ゾクゾクしかしないわさ……
677 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 00:35:57.28 ID:/xJcGNlP0
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「……と」

冬優子「あとは基本様子見――ようは放置ゲー」

冬優子(ビルドしたときにエラーっぽいのがいくつか出てたけど、ちゃんと動いてるってことは大丈夫……よね?)

冬優子「……」

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

8:
〜事務所〜

P「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、っ……はぁっ、ぁあっ」

P「つ、着いた……」

P(日ごろの運動不足がたたってしまった……)

P(が、しかし!)

P「涼しい〜〜」バタリ

P(なんだか事務所に人の気配もしないし、玄関だけど座っちまうか)

P ハァッハァッ

P(……い、息が上がったままだ……)

P(もう少し身体を動かしたほうがいいのかな?)

P「あ……」


「――なんだ、変質者かと思ったらあなたでしたか」


P「あ、ああ。おはよう円香」ハァハァ

円香「ハァハァいいながら挨拶しないでもらえますか? 不快極まりないので」

P「ご、ごめん……」

P「駅前から走ってきたもんだから、こんなになっちゃって」

円香「いい年した大人が街中で走っちゃうなんて……あなたはドラマの主人公か何かなんですか? ミスター・ヒーロー」

P「いい年っていったってまだ20代だからな」

円香「もう20代、の間違いでしょ」

P「うう……涼しい部屋に早く入りたかったんだよ。よいしょっと」

P「いま事務所には、円香1人か?」

円香「ええ。不幸にも」

円香「だから玄関から息を荒げた人物の気配がしたときは通報する準備をして向かいましたよ」

P「すまない……それは怖かったよな」

円香「……冗談だっての」ボソッ

P「え?」

円香「ひとりごとです。お気になさらず」

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「……」

冬優子(記録を眺めるのとはまた違う感じがするわね)

冬優子(現在進行形の……“生きている世界”)

冬優子(ふゆが作った世界)

冬優子「プロデューサー……」

冬優子「……やめやめ、いまはそれよりも気にしないといけないこと、あるし」

冬優子(仕組みとか)
678 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 00:59:34.03 ID:/xJcGNlP0
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

小糸「えへへ、いってらっしゃいってことです!」

小糸「それから……」

小糸「……帰ってきたら、つづき、しましょう」

END.

>福丸小糸のエンディングが1つクリアされました。

>市川雛菜に関するエンディングに行くための条件が1つクリアされました(残り2つ)。

>冒頭に戻ります。

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「2周目終わり……か」

冬優子「順調にいけばあと――」

冬優子「――ん?」

冬優子(“市川雛菜に関するエンディングに行くための条件が1つクリアされました(残り2つ)”?)

冬優子(普通に攻略対象にしたはずだけど……)

冬優子「……そういえば」

冬優子(この子だけは属性が少し違ったわね)

冬優子「……」

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

141:
透「う〜ん」

P「どうした透。スマホいじりながらうなったりして。ゲームでもしてるのか?」

透「そんなとこ。あっ……」

透「えいっ」

透「ふふっ。まだ、勝負はこれから」

P「なんのゲームか気になるな」

雛菜「マリカーってやつじゃな〜い?」

P「ああ……そういえば流行ってるらしいな」

透「2周目まではあんまりだったけど」

透「ここで……よっ、と。巻き返す」

P「ははっ、白熱してるな」

P「ゲームか……久しくやってないな……」

P「……」

P「……仕事すっか」

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「嫌な予感がするわ」

冬優子(何かが不自然なのよ……具体的に何がっていうのはわからないけど)

冬優子「この違和感は何?」

冬優子(でも、ふゆは“知ってる”)

冬優子(まだ1つのキャラクターに過ぎなかった頃に感じた――恐怖。それから……)

冬優子「……“この位置”に来て、繰り返しの環から飛び出て……」

冬優子「……結末もなくて、ちょうどいいところで「END.」も出なくなってからだいぶ経つけど……」

冬優子(これはふゆの経験則みたいなもの)

冬優子「……“記憶を持ったまま繰り返すとどう振舞うか”くらいは、なんとなくわかるのよ」
679 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 01:26:21.87 ID:/xJcGNlP0
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

P「アッ、エ、エエッ」

P「……」

P「??? ! !?!?」

P「――あぁあああぁぁぁああぁぁあぁああアァッ」

END.

222:
1.直前の選択肢に戻る。 
2.冒頭に戻る。

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「チィッ……! こうなったか……!!」

冬優子「どういうこと? 望まない方向だからこうしたってわけ……!?」

冬優子(ほんっとに読めないやつ! 急ぎとはいえ、配置すべきじゃなかったわね……)

冬優子(……市川雛菜)

冬優子「自分のルートに来るための条件をつけてるのは、もしかして――」

冬優子(――待ってる、っていうの?)

冬優子「いや、そんな単純な話じゃないわね、きっと」

冬優子「探さないと……この子の詳細情報」

冬優子 カタカタ


冬優子 ダンッ

冬優子「……はあぁぁ」

冬優子(そう簡単には見つからない……か)

冬優子「ふゆが使えるようになったシステムには気の遠くなるような量のデータがあるし」

冬優子「これを地道に探索するのは現実的じゃないわね」

冬優子(それなら――)

冬優子「――ふゆが作ったワールドの中で、可能な限り調べてみるしかないってことよ」

冬優子 カチカチ


冬優子 カチッ

冬優子「……」

冬優子「……これだわ」

冬優子(ふゆも偶然だけど受け取ったことのある“あの電話”――どうやら、ワールド毎に存在してるみたいね)

冬優子 カチカチ

冬優子「なにこれ、バグ?」

冬優子(動かすのに支障はない程度の、小さい警告……)

冬優子「……通話による管理委託システムのエラー」

冬優子(自動送信なのに宛先が指定されていないって出てる)

冬優子(その場合は……どれどれ?)

冬優子「指定されていない場合には、PLAYERの属性を持つキャラクターに送信される可能性がある……」

冬優子「……っ!!!」

冬優子(市川雛菜は――)

>PERSONA: TWO-WAY_CHARACTER(IDOL)&&PLAYER(PRODUCER)
・HinanaICHIKAWA (CONFIDENTIALITY)

冬優子(――他のキャラクターとは、違う)
680 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 01:48:31.08 ID:/xJcGNlP0
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

370:
〜Pの自宅〜

ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

P「……朝か」


P「いってきます。……って、まあ一人暮らしなんだけどな」

P「よし! 今日も一日頑張るか!」


〜駅前〜

P(事務所まであと少しだが……)

P「っ、暑いな、まったく……」

P「そうだ」


1.我慢できん……とりあえずコンビニに入ろう。(既読)
2.急いで事務所に行けばクーラーの効いた部屋が待っている!(既読)
3. 路地を歩けば涼しいかな……?(既読)
4.あれ、部屋の鍵ちゃんと閉めたっけ……。

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「でたわね」

冬優子「この選択肢ごと消したら……」ボソッ

モニター<雛 菜「そ う し た ら ま た 作 る だ け で す よ 〜 ?」ブォン

冬優子「ひ……!?」ビクッ

モニター<雛 菜「ん 〜 ……」

モニター<雛 菜 コンコン

モニター<雛 菜「あ は 〜 、 こ っ ち か ら じ ゃ だ め か 〜」

冬優子「……」

モニター<雛 菜 ジジッ・・・

モニター<雛 菜「な ん か 、 安 定 し て な い ?」

冬優子「雛菜ちゃん、幸せ〜ってなりたいのはわかるけど、もうちょっと押さえて欲しいなっ」

モニター<雛 菜「そ れ 、 す っ ご い ア イ ド ル っ て か ん じ 〜」

冬優子(なによ、それ)

冬優子(……もしかして、記憶が共有されてるっていうの?!)

モニター<雛 菜「?」

冬優子「ふゆのこと、知ってる……?」

モニター<雛 菜「え 〜 ?  知 り ま せ ん け ど 〜 ……」

冬優子(ふゆが会ってきた“ヒナナ”とも“雛菜”とも違うってことか)

モニター<雛 菜「そ こ に い る っ て こ と は 〜」

モニター<雛 菜「電 話 の と き の ヒ ン ト 、 知 っ て た ん で す ね 〜」

冬優子「あはは……」

モニター<雛 菜 ジジッ・・・

モニター<雛 菜「…… そ こ で 見 て て ね」

モニター<ブツッ

冬優子「……」

冬優子(……見てるだけでいられるわけ、ないじゃない)
681 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 02:01:10.11 ID:/xJcGNlP0
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

506:
----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2007125
[THE REMADE FILE]

>修正を反映しました。
>参照先のファイルに欠損が見られる箇所があります。処理を続行しますか? Y/N
>Y
>処理を続行します。
>Now Loading...
----------------------------------------------------------------------------------------

507:
起動しました。

>読み込み終了

冒頭に戻ります。

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

509:
〜駅前〜

P(事務所まであと少しだが……)

P「っ、暑いな、まったく……」

P「そうだ」


/*
1.(Deleted)
2.(Deleted)
3. (Deleted)
4.(Deleted)

(Deleted)
*/

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子 カタカタ

冬優子(好き勝手やってくれちゃって……)イライラ

冬優子「……でもね」

冬優子(管理者は――ふゆなのよ)

冬優子「やられっぱなしじゃないんだから……!」

冬優子(まずは“あいつ”――プロデューサーにメールを……)カタカタ

冬優子 タンッ

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

510:
P「……ん?」

P(何かが一瞬頭をよぎったような……)

P(気のせいか?)

ヴーッ

P「LINE? ……いや、メールだな、これ」


『FROM:-----------------------------
件名 :走って家に戻れ。いつもの道で。
本文 :(本文はありません)     』


P「なんだ? これ」

P「差出人のところ、なんで書いてないんだよ」

P「ったく……スパムか何かか」

P「とにかく事務所に行って一息つこう。早くこの暑さから逃れたい」
682 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 02:13:57.44 ID:/xJcGNlP0
―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「……いやそこは気づいてほしかったわよ!!」ドンッ

冬優子(ま、まあ、急いで超短文を送りつけたふゆも悪かったかもだけど……!)

冬優子 カタカタ

冬優子「とりあえず、少し書き加えたメールを送ってはみたものの」

冬優子(もうめちゃくちゃ)

冬優子(管理者じゃなくてもここまでの権限を持ってるだなんてね)

冬優子「そうだ……この子が書き換えてる部分をふゆがいじれば……」

冬優子(めちゃくちゃにされたんだもの、めちゃくちゃにしかえしてやるわ……!)

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

P「よし、じゃあお前ら、レッスン頑張ってこいよ」

円香透小糸雛菜「やは〜、「やは〜、「やは〜、「やは〜、がんばりま〜す」がんばりま〜す」がんばりま〜す」がんばりま〜す」

P「っ、ひ、ひぃっ!?」

円香透小糸雛菜「どう「どう「どう「どうしたの〜?」したの〜?」したの〜?」したの〜?」

P「い、いや、お前ら息ぴったりだと思ってさ、あ、はは……」ビクビク

517:
4人「ん〜?」

P(目の前にいる4人は同時に声を発して顔を見合わせる)

P(すると、雛菜と呼ばれる子だけがこちらを向いて……)

雛菜「あ〜、なんかしっぱいしちゃったかも〜」

P(そういう子以外の3人は、固まって石像のように動かない)

P「はぁっ、はぁっ……ぐっ」

雛菜「そんな顔しないで〜……」

雛菜「ん〜、どうしたら〜……」ポチポチ

雛菜 ピッ

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

冬優子「っし! 目にものを見せてやったわ!」

冬優子「次で決着をつけるわよ」

冬優子 カタカタ

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――

P「……ん?」

P(何かが一瞬頭をよぎったような……)

P(気のせいか?)

ヴーッ

P「LINE? ……いや、メールだな、これ」

P「2件か」


『FROM :-----------------------------
 件名 :走って家に戻れ。いつもの道で。
 本文 :スマホを奪ってお前が出ろ  』

『FROM :-----------------------------
 件名 :家の鍵は閉めたのか?
 本文 :急げ            』


P「……」

P ダッ
683 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 02:16:53.27 ID:/xJcGNlP0
525:
----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2009219
[THE REMADE FILE]

>ようこそ。管理者。
>音声であなたの構想を反映します。
>半角英数字でRを入力してEnterキーを押し、できるだけ具体的に述べてください。終了するには、半角英数字でEを入力してEnterキーを押してください。
>R
>…………
>…………
>…………
>…………
>…………
>…………
>…………
>E
>データの処理を行います。しばらくお待ちください。
>処理が完了しました。
>音声は問題なく認識されました。情報の追加を希望するにはHを入力してEnterキーを押してください。以上で終了ならば、何も入力せずにEnterキーを押してください。
>
>実行しますか? Y/N
>Y
>承知しました。新しいシステムに移行します。なお、このプログラムは一定時間後に破棄されます。
>Now Loading...
----------------------------------------------------------------------------------------

526:
再起動します。

――――――――---……---――――――――

>Now Loading...(時間がかかっています)
>読み込み終了
>表示を通常モードに移行

起動しました。
プログラムを実行します。

527:
----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2018424
[FILE : STABLE]

>自動診断ツール起動。
>......
>エラーは見つかりませんでした。正常と判断されます。
>ようこそ。管理者。
>スタートします。
----------------------------------------------------------------------------------------

528:
THE IDOLM@STER SHINY COLORS

Now Loading...


P(283プロダクションに入社して数か月……いよいよ俺が、アイドルをプロデュースする時が来た)

P(ずっと憧れていた仕事をようやく任されたんだ、これから精一杯頑張るぞ!)

P「……」

P「……なんてな」ボソッ

P「おはようございます! って、天井社長……?」

社長「おはよう、お前を待っていたぞ――」


はづき「――……ふわぁ〜? なんですか〜急に大きな声出して〜……」

社長「は、はづき……なぜ床で寝ているんだ」

はづき「すみません、ソファへ着く前に、眠気に負けてしまいまして〜……」

P(はは、そうだったそうだった。相変わらずだ)

社長「せっかくまじめな雰囲気を出したというのに……――」
684 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 02:35:39.76 ID:/xJcGNlP0
はづき「――ですので、精一杯頑張っていきましょ〜! 私もたくさんサポートさせていただきますね〜」

社長「……少しアドバイスしておくが、お前は、283プロダクションのプロデューサーだ」

P「担当アイドルと他のアイドルたちを交流させることも重要になってくる、ですよね?」

社長「む、ま、まあ、そうだが……。わかっていればよろしい」

はづき「では、そろそろお仕事に移ってもらいましょうか」

はづき「今回プロデュースするアイドルは――」


P(アイドルのプロデュースは、あらかじめ決められた選択肢から選んでするものじゃない)

P(それに、他の可能性を探ってみたかったり都合が悪かったりで何度も繰り返すものじゃない)

P(俺は俺が思うように、1度きりのプロデュースで、アイドルを輝かせるために全力を尽くす)

P(これが、俺の望んだ“世界”――選択肢と繰り返しの生むものを知り、それを拒否して、俺の知る悲劇の可能性を排除した環境)

P(この“世界”で全力を尽くしてこそ、俺は心からこう言えるんじゃないか――)

P(――よし、楽しく話せたな。と)


-noctchill編- END.

―――――――――――――――――――――---……---―――――――――――――――――――――ブツンッ

冬優子「ふうぅぅぅぅぅっ」

冬優子(疲れた……)

冬優子「……終わったわね」

冬優子「……」

カツッカツッ

冬優子「?」

ピタッ

P「すみません、ちょっといいですか?」

冬優子(これって……ふふっ)

冬優子「はい、なんですかっ?」

冬優子「ふゆに何かご用事ですか?」

P「いえ、こちらこそ突然すみません。用事と言いますか……」

P「私は、283プロダクションという芸能事務所でプロデューサーをしている者です」

P「アイドルに興味はありませんか?」

冬優子「……」

P「……」

冬優子「……っく、あはははっ」

冬優子「ほんと、笑える」

冬優子「そうよね、一応は、初対面なんだし」

P「ああ……一応は、な」

冬優子「どう? ふゆの豹変ぶりに幻滅した?」

P「いいや、そんなことはない」

P「確かに、俺は君と会ったことがない。けれど、こうして“何度も会ってる”」

冬優子「そうでしょうね。多少の違いはあれど、ふゆも似たようなものよ」

冬優子「とりあえず、ようこそこちら側へ――とでも言っておくわ」

P「はは、そうだな。よろしく頼むよ――」

P「――冬優子」

-Straylight編- END.
685 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 03:11:57.16 ID:/xJcGNlP0
【予告】

キーンコーンカーンコーン

「すぅ……」zzzZZZ

ユサユサ

「んんっ……すぅ……」zzzZZZ

「ありゃ、これはかなりの熟睡度……いつも以上に手ごわいかも」

「……」zzzZZZ

「Pた〜ん、もう起きる時間だよ〜〜?」ユサユサ

P「……っ」

「このままだと、ホームルームで先生に見つかって、名指しで注意されちゃって、Pたんは恥ずかしい思いをすることに〜……」

P「わかった……わかったって……っしょっと」ムクリ

「ようやくお目覚め〜? ほんと、いつも起こしてあげてる三峰には、もっと感謝してくれなきゃな〜〜」

P「ん゛んーっ……ふぅ。ああ、いつもありがとうな、結華」

結華「! ……わ、わかってくれればいいのだよ、わかってくれればさー」

P「……」

結華「Pたん? どしたの?」

P「いや……なんでもない」

ガララ

「は〜い、それじゃあ、ホームルームはじめますね〜」

ガヤガヤ

結華「おっ、はづきち先生の登場だ!」

P「……」

結華「今日も美しいな〜。Pたんもそう思わない?」

P「ああ、美しいな……」ボーッ

結華「はぁ……まだまだおねむなPたんであった」

P(学校……いつも通りの朝)

P(俺の日常……)

P(……だよな?)

――――――――---……---――――――――
〜教室〜

はづき「転校生を紹介しますね〜。どうぞ……」

「月岡恋鐘ばい! あっ……です!」

恋鐘「よろしくお願いします!」

――――――――---……---――――――――
〜廊下〜

「おや、こんなところで、どうしたんだい?」

P「え? いや、その……」

「おっと、いきなりで驚かせてしまったかな。私は――」

咲耶「――白瀬咲耶だ」

――――――――---……---――――――――
〜保健室〜

P(つい見惚れてしまった……)

P「……えっと、幽谷霧子さん、だよな」

霧子「……! わたしの名前、覚えていてくれたんですね……」
686 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 03:47:12.12 ID:/xJcGNlP0
――――――――---……---――――――――
〜センター街〜

P「いいな。約束は守ってもらうぞ」

「どうですかねー。お兄さん次第かもしれませんねー?」

P「はぁ……」

「私、田中摩美々っていいますー」

摩美々「悪い子なんでー、たくさん迷惑かけてあげますねー」

――――――――---……---――――――――
〜校長室〜

P「……」

「お前を待っていたぞ」

はづき「校長室で2人きりだと流石に可哀想なので、私もいますよ〜」


P「……W.I.N.G.、ですか」

校長「そうだ」

はづき「この学園で最も大きな祭典……」


校長「お前には、そのW.I.N.G.で結果を残してもらう」

はづき「出場する女子生徒たちは、各々自分のサポートをしてくれる味方と一緒に、スケジュールや作戦を立ててるみたいですね〜」

校長「有り体に言えば、そう――」

校長「――プロデュースだ」

――――――――---……---――――――――

P「俺が……担当を――」

P「――選ぶ」

――――――――---……---――――――――

結華「私が、アイドル……」

結華「……今日イチ面白い冗談だね、Pたん」

結華「いまなら、なかったことにできなくもないよ?」

P「いや、結華、俺は……――」

――――――――---……---――――――――

恋鐘「ここまで来れたんも、Pのおかげばい!」

恋鐘「まさに、Pはうちの――プロデューサーやね!!」

P「プロデューサー……」

P「……ははっ、そうか」

P(プロデューサー……か)

――――――――---……---――――――――

咲耶「……」

咲耶「これからも私の隣にいてくれるって……そう言ったじゃないか」

咲耶「フフ、どこに行くんだい? P」

――――――――---……---――――――――

霧子「……?」

P「そこにある花が……な」

霧子「お花さん……ううん、お花さん――たち?」

P「気のせいかなぁ」

霧子「……ふふっ」
687 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 04:09:31.73 ID:/xJcGNlP0
――――――――---……---――――――――

摩美々「やっぱりー、Pといると退屈しませんねー」

P「それは良かった」

摩美々「別にー、感謝したとかじゃないんでー……」

摩美々「……摩美々、こんな悪い子なのに」ボソッ

P「?」

摩美々「ふふー、なんでもありませんよー」

――――――――---……---――――――――

結華「Pたん!」
恋鐘「P!」
咲耶「P」
霧子「Pさん」
摩美々「お兄さん」

――――――――---……---――――――――

P「……」

P「………………」

P「……………………いや」

P(本当に、これは俺の日常なのか?)

P(今、俺が見ているのは、一体何だ?)

P「時々見る……妙にリアルな夢」

P「……」

P「……なんてな」

P(高校生にもなって厨二病かよ)

P(結華に笑われそうだ)

P「はぁ……」

――――――――---……---――――――――

「ふふっ……」


P「?!」

――――――――---……---――――――――

P「俺は……」

――――――――---……---――――――――

----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2019313

>……
>……
>……
----------------------------------------------------------------------------------------

――――――――---……---――――――――

P「ははっ」

P(よし、楽しく話せたな)


――――――――---……---――――――――







-L'Antica編-
688 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/06/19(土) 04:21:02.07 ID:/xJcGNlP0
以上です。ありがとうございました。

予定よりも時間がかかってしまいました(気づけば10ヶ月近く経っていました)が、Straylight編を終えることができました。文章量がかなり多くなってしまいましたが、最初からこの量でお話を作っていました。お付き合いくださった方々に感謝いたします。

また、Straylight編では細かい訂正を何度か実施しています。すみません。
訂正内容は、スレッド内で「訂正」と検索していただければすべて確認できるはずです。読み返したりまとめたりすることがあれば、ご注意ください。

L'Antica編は近いうちにスレッドを立てる予定です(立てたらここにもURLを貼りに来ようと思います)。こちらに関しては、ペース・文章量はどちらかというとnoctchill編に近いものとなっています。


このシリーズ:
・【シャニマス】P「よし、楽しく……」-noctchill編- 【安価】: https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1594223305/
・【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】: https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1599288272/
・-L'Antica編-: COMING SOON.

※細かいことですが、このスレッドのタイトルの「- Straylight編-」はミスタイプで、正しくは「-Straylight編-」です(Sの前のスペースは不要です)。
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 06:33:23.10 ID:J3m1rTADO


まさに世にも奇妙な物語なりや





L'Anticaはさらにカオスになりそう……
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 09:27:43.97 ID:bMugVOW2o
おつおつ
こっちも何回も読み直さなきゃ……
Adminふゆゆハマり役過ぎてうまいなぁ
-L'Antica編-は人数増すので期待も増すぜ
ありがとうございました!
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/19(土) 22:39:53.99 ID:C7rHJ9E0o
692 : ◆bXCm/le03U [saga]:2021/07/08(木) 20:49:08.90 ID:9u9ZjoYwO
お久しぶりです。>>1です。

L'Antica編のスレッドを立てました: https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1625744763/
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/08/08(日) 01:21:26.42 ID:HUzPn6Rso
ネタバレ禁止なのでこっちに
アンティーカはだれが黒幕ポジだろうなー
ストレイライト編で思いっきり読み間違えから全員のちょっとした言動が怪しく見えちまう
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