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765楽園sideL
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1 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/09/04(金) 10:59:49.55 ID:g9YrxzdA0
よろしくお願いします
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1599184789
2 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/09/04(金) 11:01:28.02 ID:g9YrxzdA0
……朝がきた
……そろそろ目を覚まさなきゃいけない時間だ
……と思ったけど思い出した。今日は休日じゃん。
……再び俺は微睡んでいった。
「ねえお兄ちゃん」
我が妹である桃子の声が聞こえたような気がしたけど無視をした。眠いから。
3 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/09/04(金) 11:02:35.08 ID:g9YrxzdA0
桃子「さて広辞苑はどこにしまったっけ」
P「おはようございます。さわやかな朝ですね、マドモアゼル」
桃子「なにその変わりよう。まさかホントにぶつと思ってたの? 桃子がそんなことするわけないでしょ」
P「しそう……」
桃子「え、なにか言った?」
P「歯槽膿漏っていいました」
桃子「ちゃんと歯磨きした方がいいよ」
P「だな」
4 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/09/04(金) 11:03:23.56 ID:g9YrxzdA0
おっと自己紹介が遅れたな。俺はP。765楽園に通う普通の高校生だ。
桃子「一人でなにぶつくさ言ってるの?」
P「語り手のお決まりってやつさ」
桃子「まだ寝ぼけてるの?」
P「日曜日に起こす誰かさんのおかげでな」
桃子「それは……ごめん」
P「? どうした。やけに素直だな」
桃子「いや……その……お兄ちゃんに頼みごとがあって」
5 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/09/04(金) 11:04:20.35 ID:g9YrxzdA0
P「例の粉が必要になったのか」
桃子「そうなの。アレがないと桃子、震えが止まらなくって……ってそんなわけないでしょ」
P「じゃあなんだ」
桃子「しいて言うなら人生相談、みたいな」
P「俺妹でも読んだのか?」
桃子「なにそれ」
一巻の刊行は2008年らしい。桃子が11歳だから生まれてないじゃん。何故か歳を感じた。
桃子「と、とにかく人生相談したいの」
P「わかったよ。どうぞ」
休日の早朝ってわざわざ俺の部屋に来るってことはこのみ姉さんに聞かれたくないってことだろうと見当をつけた。まぁ言わなかったけど。ちなみにこのみ姉さんってのは俺たちの一番上の姉だ。
6 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/09/04(金) 11:05:07.68 ID:g9YrxzdA0
桃子「桃子ね。お兄ちゃんに……その、彼氏になってほしいの」
桃子は恥ずかしいのか口早に言った。
人生初めての告白が寝起きに妹にされるってパターンはたぶん世界初だ。
それにしても桃子が俺をねえ……。
桃子「なに、ニヤニヤしてるの? 怖いんだけど」
P「彼氏に向かってひどい言い草だな」
いつのまにかすっかり彼氏気取りの俺。
7 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/09/04(金) 11:06:01.63 ID:g9YrxzdA0
桃子「なにか勘違いしてない?」
P「俺の知らないあいだに彼氏って言葉に他の意味でも追加されたのか?」
桃子「広辞苑で確認してみる?」
P「広辞苑はもういいよ!」
桃子「実はね……カクカクシカジカ」
P「つまり、クラスで恋愛の話になって、つい見栄を張って彼氏がいるってウソついたら、彼氏に会わせろって言ってきた子がいたんだな」
桃子「えっと、まぁそうなんだけど……」
P「はぁ見栄っ張りここに極まれりってやつだな」
桃子「……ごめんなさい」
謝る桃子。素直だか素直じゃないんだか。
P「まぁいいよ。桃子には世話になってるし、付き合ってやるよ。それに俺以外の代役を探されても気が気じゃないしな」
桃子「……ありがと」
8 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/09/04(金) 11:06:40.37 ID:g9YrxzdA0
P「で、具体的に何やればいいの」
桃子「来週の週末にデ、デートして。それでその子にも付き添ってもらうの」
P「その子も小学生?」
桃子「うん」
小学生の引率か何か?。
P「まぁいいや。じゃあ準備しておくよ」
桃子「ありがと、お兄ちゃん」
P「おやすいこった」
9 :
◆X0TyCi.5oo
[saga]:2020/09/04(金) 11:07:40.63 ID:g9YrxzdA0
そんなこんなでデート当日になった。
桃子「いい? 桃子たちが一緒に待ち合わせ場所にいったらおかしいから、お兄ちゃんは遅れてくるんだよ。わかった?」
P「小学生の問題でありそう」
桃子「そうそう。何分後に追いつくでしょう……ってそうじゃなくて」
P「答えはおそらく信号にどのくらい引っ掛かるかに掛かっている」
桃子「掛かってないよ! じゃあ頼むね」
そうやって桃子は先に出発した。俺は少し遅れて出発する。
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