【エヴァSS】碇シンジ(28歳)「はぁ、、、まさか会社が倒産するとはな。」

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1 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:36:26.48 ID:8KPepQVU0
碇シンジ(28歳) 
「はぁ、、、まさか会社が倒産するとはな。」

「これからどうしよう。とりあえずあと3ヶ月は猶予があるんだよな。
その間になんとか新しい職場を探さないと。」

「んーと、とりあえず転職サイトに登録してっと。
希望の職種かー。この際選んでられないよね。広くチェックつけとこう。」

ポチポチ

「よし、これでOK!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1597934186
2 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:38:34.77 ID:8KPepQVU0
〜数時間後〜

TEL ♪

「はい、もしもし碇です。」

「もしもし、私パーソナルサービスの〇〇と申します。
この度は弊社の転職サイトへのご登録ありがとうございます。
これから碇様の転職のサポートをさせていたます。
よろしくお願いいたします。早速ではございますが、
碇様のこれまでのご経歴や今後のご希望などをお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「あ、はい。大丈夫です。よろしくお願いします。」

「ありがとうございます!ではこれまでのご経験からお伺いいたします。
これまでどのようなお仕事を経験されましたか?」

「はい、〇〇大学卒業後は株式会社〇〇ホテルに入社しました。
入社してから3年ほどはホテル業務全般をローテンションで覚えていって、
そこからは新入社員のマネジメントなども担当しておりました。」
3 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:40:08.19 ID:8KPepQVU0
「なるほどですね。〇〇ホテルに入社した決めてはなんでしたか?」

「はい、中学生の時に一緒に暮らしていた人達とランチに行ったホテルが〇〇ホテルだったんです。
記念日でもなんでもない日だったんですけど、
そこで食べた料理が美味しくて。みんな笑顔になったんです。
僕の中ではその思い出が、ずっと心に残っていて、
そんな場所を提供している〇〇で働きたいと思ったことが入社の理由です。」

「そうでしたか!とても素敵な理由ですね!
ですが、残念なことに〇〇ホテルが倒産してしまうんですね。」

「はい。以前からあまり経営はよくなかったです。
それでも僕はここに入社して良かったと思っています。
いろいろ経験もできましたし。」

「そうですか。ご経歴ありがとうございました。
続いて、ご希望の業種や職種ですが、なにかありますか?」

「そうですね、希望というか、
あまりやりたくない職種ならあります。」

「ほうほう。」

「営業職はあんまり向いてないので、
それ以外だったらとりあえず情報が欲しい感じですね。」

「かしこまりました!営業職以外ですね!
それでは一度こちらで見繕ってみますので、
今後のご連絡をお待ち下さい。本日はありがとうございました!」

「いえいえ......こちらこそありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。」

「ふぅ。初めて転職サイト利用したけど、こんな感じなんだな。
なんだか明るくて頼りになりそうな人だし、とりあえず安心かな!」

「よし!僕も出来るだけ情報を集めてみよう!」
4 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:41:13.78 ID:8KPepQVU0
数日後

「あ!パーソナルサービスの〇〇さんからメール入ってる!」

【求人のご紹介】
碇 シンジ様

お世話になっております。パーソナルサービスの〇〇です。
先日はお電話ありがとうございました。
ヒアリングさせていただいた内容をもとに、
いくつか求人を紹介させていただきます。
気になる情報がございましたら、お気軽にご相談下さいませ。

「早速ありがたいな!」

「どれどれ、いい情報はないかなーと。ん?これって......」

『ネルフ国際大学で事務の仕事を!』
未経験者歓迎!
国際的な教育期間で、大学運営に携われます。
未来を担う英知の雛鳥たちを支える重要なお仕事です。
経験等は問いません。あなたの熱意が必要です。ご応募お待ちしております。


「ネルフ国際大学か......」

「復興の意味も込めて、設立されたんだったよね。」

「事務職かー。経験ないけど、ちょっと興味あるかも。
よし応募はただなんだし、書類出してみよう!」

「〇〇さんにメールっと!」
5 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:41:41.53 ID:8KPepQVU0
〜ネルフ国際大学〜
「はぁ、募集かけたはいいものの、応募数が多いのよねー。
どうしよう、これ。」

「どうしたのよ?ため息なんてついて。」

「あ、式波先生。実は大学の事務職で求人の募集かけたんですけど、
予想以上に応募数が多くて。なんだかちょっとめんどくさくなっちゃって。」

「めんどくさくって、アンタしっかりしなさいよね!
入ってきたらアンタの下につくんでしょ?」

「まあ、そうなんですけどね。これとか見てくださいよ。
前職が〇〇ホテルって、まるっきりお門違いじゃないですか。」

「仕方ないじゃないのよ。未経験者歓迎で募集かけてるんだからさ。
でもホテル業界からねー。物好きもいるもんねー。」

「え、これって......」

「ん?式波先生?」

「碇シンジ......うそ......」

「先生?」
6 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:42:10.69 ID:8KPepQVU0
〜数日後〜
「あ、メールだ!」

【ネルフ国際大学一次面接のご案内】
碇シンジ様

お世話になっております。パーソナルサービスの〇〇です。
ネルフ国際大学の書類審査が通過しました!おめでとうございます!
つきましては一次面接の日程につきまして、下記の候補日からお選びください。
〇〇月〇〇日10時〜
〇〇月〇〇日13時〜
〇〇月〇〇日13時〜



「書類審査通過!やった!ダメもとで送ってみたけど、
ほんとに通るとは思わなかったな。よし、この勢いで面接も頑張るか!」
7 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:42:55.92 ID:8KPepQVU0
〜一次面接当日〜

コンコン
「どーぞー!」

「失礼いたします。碇シンジです。本日はよろしくお願いいたします。」

「ネルフ国際大学の〇〇です。よろしくお願いします。どうぞおかけください。」

「それでは自己紹介も兼ねて、これまでのご経験をお話ください。」

「はい、私は〜」
8 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:43:24.56 ID:8KPepQVU0
〜面接後〜

「ふぅ、一次面接緊張したなー。でも練習の甲斐あってか、
うまくできたかな。次に進めるといいなー。」
9 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:43:51.91 ID:8KPepQVU0
〜数日後〜
TEL♪

「はい、もしもし碇です。」

「パーソナルサービスの〇〇です。お世話になっております。
今お電話大丈夫でしょうか?」

「はい、大丈夫です。」

「ありがとうございます。
先日面接を受けていただきましたネルフ国際大学から最終面接のご案内がありました!
おめでとうございます!」

「ほんとですか!とりあえずよかったです!」

「えぇ、練習の甲斐がありましたね!
最終面接は大学の役員の方が面接官です。しっかりと対策をして臨みましょう!」

「はい!頑張ります!」
10 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:44:32.60 ID:8KPepQVU0
〜最終面接後〜

「はぁ、一気に疲れがきたなー。フラフラだ。
でもきちんと受け答えもできたし、やれることは全部やった!」

「あとは祈るのみ!」



〜数日後〜
TEL♪
「はい、もしもし碇です。」

「パーソナルサービスの〇〇です!碇さんおめでとうございます!
ネルフ国際大学から内定をいただきました!
これより条件等のすり合わせに入りたいと思います!」

「ほんとですか!〇〇さんありがとうございます!本当に良かったです!」

「いえいえ、碇さんの頑張りがあったからです!それでは今後の動きですが〜」



「とりあえず一安心だな!出勤日も決まったし、これから頑張るぞ!

11 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:45:11.72 ID:8KPepQVU0
〜初出勤日〜
「よし!碇シンジいきます!」



〜ネルフ国際大学〜
「本日からお世話になります。碇シンジです。
これまで事務や大学での就労経験はありませんが、精一杯やらせていただきます。
どうぞご指導よろしくお願いいたします。」

パチパチ♪

「碇さん!これからよろしくね!」

「あ、あなたは!一次面接の時の!」

「覚えててくれたんだ!あらためまして〇〇です。
しばらく私の下についてもらうから、これからよろしくね!」

「はい!よろしくお願いします!」


カチャカチャ♪

「あのー〇〇さん、これはどうすれば?」

「あ、えーとね、これはここに入力して、こっちはここでOKよ!」

「ありがとうございます!
(優しくて頼りになるなー。職場の雰囲気もいいし、いいところかも!)」
12 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:45:39.36 ID:8KPepQVU0
〜お昼〜
「碇さん、お昼どうする?」

「あ、僕はお弁当持ってきてます。」

「お!そーなんだ、碇さんて独身だったわよね?手作り?」

「はい、僕の手作りです。
昔から料理は好きで、なるべく自分で作っています!」

「そーなんだ!いいわね!男だって料理くらい出来ないとダメよね。
私学食行くけど、碇さんも学食で食べない?」

「あ、いいですね!ご一緒します。」



〜学食〜
「ネルフ国際大学の学食はどれも美味しいのよ〜。
私のおすすめはB定食かな!さ、いただきましょう!」

「あ、ほんとだ。しっかりとメニューも考えられていて、美味しそうですね。」

「ふふ、でしょー!今度碇さんも食べてみるといいわ!」

「はい!そうします!」

「ところで〇〇さん、少し気になってたんですけど、
経験もない僕がなんで採用されたんでしょう?
正直、書類で落ちると思ってました。」

「あーそれはね......」
13 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:46:15.23 ID:8KPepQVU0
〜回想〜
「式波先生?」

「あ、いや、なんでもないわよ。」

「もしかして、この碇さんって、先生のお知り合いですか?」

「ゔっ、その......昔ね......」

「昔?そーなんですか。どんな人なんですか?」

「バカでスケベで変態で、なんの取り柄もない男よ!」

「え、写真からじゃ想像できないですよ」トホホ

「とにかくあいつは、変なやつなのよ......」

「変な奴ですか。でもこの碇さんって人も大変ですね。
今勤めている〇〇ホテルが倒産してしまうんですって。」

「え!?〇〇ホテル?」

「えぇ、なんでも中学生の時に一緒に住んでいる方とランチに行ったホテルが〇〇ホテルで、
その時の思い出が忘れられず、入社したそうです。」

「わたしもパーソナルサービスの〇〇さんから聞いた話なんですけどね。」

「......」

「式波先生?」

バッ!!

「わぁ!式波先生!?急に肩なんて掴んで何を!?」

「いい!〇〇!シンジはバカでスケベで変態でどうしようもない男だけど、
いざとなるとまあまあ頼りになる男よ!」

「はぁ」

「だから、きっとネルフ国際大学に奴隷としてその身を捧げて貢献してくれるはずだわ!
だ・か・ら!、とりあえず書類審査は通しなさい。そして、一次面接の担当はあなたよね?」

「え、そうですけど。」

「一次面接も通しなさい!!!」

「いや、さすがにそれまではちょっと......」

ギロッ!!!

「ひぃっ、わ、わかりましたよ」トホホ

「でも最終面接はわかりませんよ。役員ですし。」

「いーのよ、そこまでいけばなんとでもなるわよ。」ニヤー

(うわー悪い顔してるなー、トホホ)
14 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:46:41.03 ID:8KPepQVU0
〜学食〜
(そんなやり取りがあったなんて、とても言えないわね)

「まあ、碇さんなら年齢的にも問題ないし、何より人柄が良さそうだったからかな!」

「そういうことだったんですね!期待に応えられるように頑張ります!
なんでも言ってくださいね!」ニコ

「(うっ!この笑顔は反則ね。)」



〜昼食後〜
「あ、碇さん!」

「はい?」

「この書類を研究室に届けて欲しいのだけれど、いいかな?」

「はい、わかりました!どちらへ運べば?」

「3号館の1204号室よ!式波先生の研究室にお願いね!」

「わかりました!(ん、式波?)」

「あ、式波先生は昨日から長期のドイツ出張に行ってるの。
だから鍵を開けて入ってね!それじゃよろしく!」

「はい、かしこまりました!」
15 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:47:07.63 ID:8KPepQVU0
〜式波研究室〜
ガチャ
「失礼します。」

「うわ!研究室ってこんな感じなのかー。小難しい本がいっぱいだな。」

キョロキョロ

「式波か......」

「まさか、な。」

「アスカ、元気かな......?」

ハッ
「湿っぽくなってしまった。書類をおいて戻ろう」
16 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:48:08.38 ID:8KPepQVU0
〜1ヶ月後〜
カチャカチャ
「うーん、だいぶ雰囲気にも慣れてきたな。」

「あ、碇さん!また書類運んでほしいんだけど、いいかな?」

「はい!大丈夫です。」

「ありがとう!それじゃ式波先生の研究室へお願いね!」

「はーい。」



〜式波研究室〜
ガチャ
「失礼します。」

キョロキョロ

「式波先生は明日帰国する予定だったな。」

「......」

「どんな人なんだろう?」

「なんとなく聞きづらくて、〇〇さんにも聞いてないや。」

ガチャッ

ビクッ!!

「ハロゥ〜 シンジ、グーテンモルゲンッ!」

「あ、え、」パクパク、アタフタ

「え、ア......アス......カ!?」

「あんたバカァ? 式波・アスカ・ラングレー以外の何に見えるってぇのよ!?」

「だって......そんな......なんでここに?」

「ここがあたしの研究室だからに決まってるでしょ!
相変わらずトロイわねー。」

「まったく!さっきから口をパクパクさせて、何なのよホント!」

「アスカ、ごめん!!」

バッ!!
ダッダッダーー!!

「あ、ちょっと待ちなさいよ!! バカシンジ!!」
17 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:48:53.19 ID:8KPepQVU0
〜校内〜
「ハァ、ハァ、ハァ。」

「式波って、やっぱりアスカだったんだ。」

「僕は確かめるが怖くて、誰にも聞けなかった。」

「アスカ、14年ぶりか。でも僕はアスカに会わせる顔がない。」

「あんなひどいことをして。苦しませてばかりで。」

「僕は、最低なやつだ。」

グッ


「あれ、碇さん!大丈夫ですか?」

「すごい汗ですよ?」

「あ、〇〇さん、大丈夫です。」

「ちょっと考えごとをしてて。」

「そうですか。あ!式波先生が一日早く帰国して、先程大学に戻られましたよ!」

ビクッ

「お知り合いなんですよね?お会いになりますか?」

「え?あ、いや先程会いましたので大丈夫です。」
(僕とアスカが知り合いになのを知っていたのか?なんで?)

「あ、そうだったんですね!
それなら大丈夫ですね。それじゃ戻りましょうか!」

「はい。」
(どういうことだろう?アスカが〇〇さんに言ってたのかな?)
18 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:49:35.64 ID:8KPepQVU0
〜一週間〜
「はぁー」

「どうしたんですか?ため息なんてついて?」

「あ、〇〇。ちょっとね考え事よ。」

「碇さんのことでしょう?」ニヤニヤ

「ちょっ、なんでそこでバカシンジが出てくるのよ!」

「あれ違うんですか?式波先生が無理を通して、
碇さんをねじ込んできたんですから、過去になんかあったと考えるのが普通でしょう?」

「そんなんじゃないわよ。ところであんた、採用の話はシンジに言ってないでしょうね?」

「言ってませんよ。まあ式波先生の推薦とはいえ、
未経験での採用はそれなりに不安でしたけどね。
でも碇さんはとても器用な方で、仕事を覚えるのも早くて期待以上ですよ!」

「そう。それならいいんだけどさ。」

「浮かない顔ですねー。やっぱり」

「違うってば、いや違わないけど。」

「どっちなんですか。」クス

「シンジのこともそうだけど、実は住む場所で困っていてね。」

「住む場所?」

「うん。今のマンションからこの大学まで、結構距離があるのよ。
最初のうちは我慢してたけどもう限界ね。
だからさ、引っ越しをしようと思うんだけど、なかなかいい物件がなくてね。」

「あー式波先生、結構離れているところですもんねー」
(ん?これはもしや!)

「式波先生!!大学近くに単身用の新築マンションできたの知っていますか?」

「え?そんなのできたの?知らなかったわ。」

「大学からも近いですし、駅近で何かと便利ですよ!
ちょっとまってくださいね。」

カチャカチャ

「これです!」

「あ、結構いいじゃない!
決めた!私ここにするわ!!」

「ふふふ、そうでしょー!」

「〇〇ありがとうね!早速不動産屋に電話してくるわ。」

ダダダッ

「ふふふ、これでよしっと!」
19 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:52:42.29 ID:8KPepQVU0
〜マンション〜
「よし、これで無事に引っ越しも完了っと♪」

「あとはお隣さんに挨拶ね。右隣は空き部屋だし、左隣だけで済みそうね。」

「よし、善は急げよ。」

ピンポーン♪

「はーい」ダダダッ

ガチャッ

「あ、こんにちは、このt」

「アスカ!?」「シンジ!?」

「ええええええええー!!!」

「なんであんたがここにいるのよ!?」

「なんでって、ここ僕の部屋だよ?」

「うそ......」
(はっ、〇〇のやつ、シンジがここに住んでいること知っていたのね!!)

「それで、ア、アスカ、きょ、今日はどうしたの?」

「私隣に引っ越してきたから、その挨拶よ!」

「え、うそでしょ?」

「ほんとよ!」

バタンッ

「え!?ちょっ、シンジ!? なんで扉閉めるの?」

バンバンバンッ

「こら開けなさい!!私が何したっていうのよ!?」

「シンジ! 聞こえてるんでしょう!!」

バンバンバンッ

「逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ」
20 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:53:16.12 ID:8KPepQVU0
「こらーっ、開けろっつのう!!」

バンバンバンッ

「ハァ、ハァ、ハァ
シンジ、なんでよ?開けてよ。」

「あんたがここに住んでるなんて知らなかったのよ。
ただ挨拶をしに来ただけなのに。」シュン

「ア、アスカ......」

キィー

「シンジ!!」

「ごめん、急なことで動転しちゃって。」

「もういいわよ。私も興奮しちゃってたし。」

「......」

「......」

「あの、よかったこれ貰ってよ。引っ越しの挨拶よ。」

「あ、ありがとう。」

「......」

「......」
21 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:53:57.09 ID:8KPepQVU0
「んじゃ、あたし戻るわ。」

「ア、アスカ!」

「ん?」

「その、よ、良かったら、少しあがっていけば......?」

「え!?」

「あ、いや、そのお菓子貰っちゃったし、お茶くらい出すよ。」

「そう、シンジがそう言うなら、お邪魔するわ。」

「う、うん、僕も引っ越してきたばかりだから、あんまりおもてなしできないけど。」
22 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:54:39.86 ID:8KPepQVU0
〜シンジの部屋〜
「アスカ、適当に座っててね。」

「うん、ありがとう。」

キョロキョロ

「男の部屋とは思えないほどきれいね。
あんまりモノもないし、あんたってミニマリストなの?」

「ミニマリスト?あぁ、あんまりモノを持たない人たちのことか。」

「いや、特にそういうわけではないよ。」

「僕は昔からモノは少ない方だったし、
意識してミニマリストになったわけじゃないよ。」

「そういえば、昔アタシがあんたの部屋奪ったときも、
ダンボール箱一つにきれいに収まっていたわね」クス

「あぁーあったあった、そんなこと!
僕が帰ってきたらアスカがいるんだもんな。びっくりしたよ。」

「そうね、私もあんたと同居することになった衝撃は、今でも覚えているわよ。」

「アスカは家事のほとんどを僕に押し付けるんだもんな。
たまったもんじゃないよ。」トホホ

「うっさいわねー。昔のことをネチネチと!!」

「超絶美少女天才パイロットのアスカ様と一緒に生活できたんだから、当然よ!!」
23 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:55:19.55 ID:8KPepQVU0
「はいはい、ほうじ茶どうぞ。」

コトッ

「ん、ありがと。」

「......」

「......」

「フーフーフー」

「ゴク」

「!」

「久しぶりにあんたのお茶飲んだわ。」

「なんだかあの頃に戻ったみたいね。」

「そう、だ、ね。」

「......」

「......」

「......」

「......」
24 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:55:57.49 ID:8KPepQVU0
「あの!」「あの!」

「......」

「何よ?」

「あ、いや、アスカは今までどうしてたのかなーって思ってさ。」

「私は、あれからドイツに戻って、もう一度大学に行ったわ。
これといってやることもなかったけで、
才能ある人間が人類に貢献することは責務だしね。」

「ははは、アスカらしいね。」

「それで向こうで学びなおして、日本にネルフの大学ができるからって戻ってきたのよ。」

「それで今は、大学で好き勝手にやらせてもらっているわ。」

「そうだったんだ。」

「あんたはこれまでどうしてたのよ?」

「僕?僕は、おじさんのところに戻って、普通に高校に進学したよ。
大学までは行くつもりはなかったけど、おじさんがチャンスがあるなら行けってさ。」
25 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:56:26.76 ID:8KPepQVU0
「その後は、普通に就職したかな。」

「それで、その、新卒で入った会社が倒産することになって、
ネ、ネルフ国際大学に転職したんだ。」チラ

「ふーん。」

「ア、アスカは僕がネルフ国際大学に来ることを知ってたの?」

ビクッ

「そ、そりゃーね!偶然見た広報で知ったのよ。」

「そう、だったんだ。」

「......」

「......」

「アスカ、一つ聞いてもいいかな?」

「な、なによ?」

「ア、アスカが、僕が転職しやすいように口利きしてくれたの?」

「ゔっ」

「そうなの?」

「なんでそう思うのよ?」

「僕がすんなりネルフ国際大学に転職できるなんて変だと思っただけさ。」

「業種も職種も違うのに、変だとは思わない?」
26 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:57:04.34 ID:8KPepQVU0
「そ、それは、たまたまそういうこともあるんじゃないの、
知らないけどさ。」キョロキョロ

「はぁ、アスカ?」

「何よ?」

「うそつくの下手だね。」

「な!?」

「教えてほしいんだ、どうして口利きしてくれたのか。」

「......」

「......」

「あんた、あのホテルで働いてたんでしょ。」

「え、〇〇ホテル?
うん、新卒で入ってずっとそこにいたよ。」

「だからよ。」

「え?」

「あのホテルは昔、あんたとミサトの三人で行ったところでしょ?」

「アスカ、覚えてたんだね。」

「当たり前よ。あんたもミサトもすごく楽しそうだったから。
忘れるわけないじゃない。」

「うん、でもそれが関係あるの?」
27 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:57:31.01 ID:8KPepQVU0
「おおありよ!!きっとあんたのことだから、
〇〇ホテルで自分と同じように多くの人に笑顔になってほしいとか考えてたんでしょ?」

「ふふ、よくわかったね、アスカ。」クス

「でもその場所がなくなっちゃうんでしょ?」

「うん。」

「だから、その、あ、あんたが可愛そうだと思ったのよ......///」プイ

「ア、アスカ......」

「何よ!!女に助けられたのがそんなに嫌なの?」

「ち、違うんだアスカ。アスカがあのホテルのことを覚えていてくれたのが嬉しくて。」

「それに、僕のことも心配してくれたんだね。」ウル

「な!?別に。私は奴隷のように無心で働く労働力が欲しかっただけよ。」

「ふっ、さっき可愛そうだとか言ってたよね?」クス

「うっさいのよ、バカシンジ!!細かいことばっかり言ってんじゃないわよ!!」

「ははは、はいはい、わかったよ。」

「アスカ......」

「何よ?」

「ありがとう。」ニコ

「ふんっ......///」プイ
28 : ◆JDD2wIlFrQ [sage saga]:2020/08/20(木) 23:58:04.58 ID:8KPepQVU0
「はあー、一気に話したらお腹すいたわね。」

「シンジ、ご飯作ってよ!」

「え!? ここで食べていくの?」

「何よ?悪い?」ギロッ

「いえ、滅相もございません。」ブルッ

「なにか食べたいものある?」

「うーん、ハンバーグ!」

「ハンバーグね、OK」

「ちょっと材料買ってくるね。」

「あ、アタシも行くわ!」

「シンジ!!これからは死ぬまで私のために働くのよ!!」



完......?







29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/21(金) 20:57:43.12 ID:NiaOKsvZO
??「おかしい。碇くんは同年代のショートカットの女の子と同棲してぽかぽかしているはず」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/21(金) 21:17:16.50 ID:G/x+PvoqO
>>2
入社してから3年ほどはホテル業務全般をローテンションで覚えていって

やる気ねーなー
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/22(土) 03:43:52.77 ID:r4il1NUWo
乙。名前なくても誰が話してるかわかるもんだな
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