愛理「ねえヒゲ。天満の結婚式、行くの?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/15(土) 21:44:35.22 ID:qr1xKPEo0

播磨「……ああ」カキカキ

愛理「そう……だよね」

播磨「……」カキカキ

愛理「……」

播磨「なんで黙んだよ」

愛理「べ、別に……」

愛理「……今でも……天満のこと、好き?」

播磨「……」

愛理「……ねえ」

播磨「うるせーな、そんなこと、オメーには関係ねーだろ」

愛理「関係、あるわよ……」

播磨「は?オメーなに言っt」

愛理「アンタが、


愛理「アンタが好きだから」

播磨「はっ!?」

愛理「……///」

播磨「ちょ、おい……」

愛理「」ダッ

播磨「ちょ、おまっ!」

播磨「待てよ、おい!」


播磨「……ったく」

播磨「コーヒー代、置いてけよな……」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1597495474
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 01:53:40.03 ID:hVIWeEoQO
期待
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/16(日) 17:59:04.24 ID:OqHbe3Z70

愛理「(やばいやばいやばいやばいやばい!!!!)」

愛理「(言っちゃった……どうしよ〜///)」

愛理「……」

愛理「(でも……ずっと、思ってきた事……だもんね……)」

愛理「(もう……学生の時の私とは違うのよ……)」

愛理「(大人になって……自分の幸せは、自分で掴むのよ……!)」

愛理「(大体!……アイツに何か期待することが間違ってるのよ……)」

愛理「……」

愛理「(いつだって、思わせぶりで……自分のことしか頭にない……)」

愛理「(バカで、うるさくて、人の話は聞かないし、足は臭い)」

愛理「(でも……)」

愛理「(いつも真っすぐで、自分に正直で……すっごく義理堅くて……)」

愛理「(強くて、あとは、そうね……背中が大きい……)」

愛理「(……私は、いつもそんな彼に助けられてきた……)」

愛理「(……///)」



愛理「(……彼と、もっと一緒に……)」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 18:37:26.11 ID:OqHbe3Z70

沢近邸

愛理「(ヒゲ……いま、どんな気持ちなのかな……)」

ナカムラ「お嬢様」ヌッ

愛理「ひゃあ!!」

愛理「ちょっと、ナカムラ!驚かさないでよ!」

ナカムラ「これはこれは、失礼いたしました」

ナカムラ「お嬢様にお伝えしなくてはいけないことがありまして……」

愛理「なによ……そんなにかしこまって……」

ナカムラ「先ほど、奥様からお電話がありまして……」

愛理「母さんから?」

ナカムラ「ええ」

愛理「……それで?」

ナカムラ「そろそろ、身を固める時期なのでは、と……」

愛理「……気が早いのよ」

ナカムラ「……」

ナカムラ「奥様も、心配なのでしょう」

愛理「分かるけど……」

ナカムラ「……播磨様とは、今どのように?」

愛理「……///」

ナカムラ「そのご様子……」

ナカムラ「進展があったようでなによりです」

愛理「何よ!まだ何も言ってないじゃない!」

ナカムラ「何年、お傍に仕えてきたとお思いですか。お嬢様は分かりやすくて助かります」

愛理「///」

ナカムラ「お気持ち、伝えたのですか?」

愛理「……まあ……ね」

ナカムラ「昨日、美琴様との作戦会議のおかげですかな?」

愛理「ちょっと!聞いてたの!?」

ナカムラ「ええ、あんなに大声でお話されていては、嫌でも耳に入ってきます」

愛理「もう……///」

ナカムラ「では、奥様には万事順調です、とお伝えしておきます」

愛理「……か、勝手にしなさいよ」

愛理「私はもう……縁談とか、受けないから……」

ナカムラ「ええ、それはもちろんお伝えしておきます」

ナカムラ「ご自身で、なんとかする、と」

愛理「……」



愛理「……なんとか、するわよ」


5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 19:03:22.79 ID:OqHbe3Z70

某喫茶店


播磨「……」カキカキ

播磨「(お嬢は俺の事が……好き?)」

播磨「……」カキカキ

播磨「(俺は天満ちゃんが好きで)」

播磨「(お嬢は俺が好き……)」

播磨「(前にもこんな事、あったような)」

播磨「(……高2の時だ)」

播磨「(あン時は……俺が勘違いして……)」

播磨「……」カキカキ

播磨「(何かとあいつとはぶつかることもあったが……)」

播磨「(お嬢はいいやつだ)」

播磨「(俺の漫画のアドバイスもくれたしな)」

播磨「(お嬢は……俺にとっての、何だ?)」

播磨「……」

八雲「……あの、播磨さん」

播磨「……」

八雲「……播磨さん?」

播磨「お、オウ、すまねえ」

八雲「どうしたんですか?……今日はずっと何か考えごと、してるみたいで……」

播磨「……」

八雲「あの……」

播磨「なあ、妹さん」

八雲「はい」

播磨「お嬢のことなんだけどよ……」

八雲「はい……」



播磨「俺のことが好き……らしい」

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 19:46:19.16 ID:lJr5+kQNo
八雲きたー!
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/16(日) 20:39:37.66 ID:OqHbe3Z70

八雲「そう……ですか……」

播磨「ああ……」

播磨「……」

八雲「……」

播磨「俺は……」

八雲「……播磨さんは、まだ姉さんのことが……」

播磨「……わからねえ」

八雲「……」

播磨「でも……てn、いや、お姉さんの結婚式は、ちゃんと見届けてぇンだ」

播磨「それでケジメつく、っつうか……」

八雲「沢近先輩からは、直接……その……」

八雲「好きって、言われたんですか?」

播磨「……ああ」

八雲「返事は……」

播磨「いや、お嬢の奴、言うだけ言ってどっかに行っちまったからな」

八雲「播磨さんは、沢近先輩のこと、どう思ってるんですか?」

播磨「……正直わからねえ」

播磨「でも、嫌いじゃねえことは確かだ。昔、いろいろあったけどよ」

八雲「それじゃあ……」

播磨「……」

播磨「そもそも、女を好きになるって、なんだ?」

八雲「恋愛漫画、描いてるのに……」

播磨「そうだけどよ……」

播磨「自分のことになると分からねえ」

播磨「天満ちゃんが好きだった時は、ずっと天満ちゃんのことだけ考えてたからよォ」

八雲「それが、好きになるって、ことなのではないでしょうか」

播磨「?!」

播磨「俺はさっき、お嬢のことしか考えてなかった……」

八雲「……!」

播磨「ということは……」

播磨「どういうことだ……?」

八雲「」

8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 00:31:30.36 ID:bsaSt/ZA0


播磨「妹さんはよ、人を好きになったこと、あるか?」

八雲「えっと……///」

播磨「あるのか!?」

八雲「……は、はい///」

播磨「まぁ、こんだけ長く生きてたら、あるよな」

播磨「どんな奴なんだ?」

八雲「えっと……背が高くて」

八雲「強くて、頼りがいがあって……///」

八雲「心の優しい……人……です……///」

播磨「それは……花井……?」

八雲「違います」

播磨「お、オウ、すまねえ」

播磨「でも、妹さんが好きになった奴は幸せモンだよな」

播磨「こんなに良い女、なかなかいねーぜ」

八雲「……///」

播磨「いつもわりーな、妹さん。俺のアシスタントをしてるばっかりに」

播磨「どうしてもこの仕事柄、出会いなんてねーだろ」

八雲「いえ、私は……この仕事で良かったと、思ってます」

八雲「私は……播磨さんと一緒に……漫画が書ければ、それで……///」

播磨「オウ!一緒にこれからも頑張ろうな!」

八雲「……」コクッ

播磨「でもよ、もしも、って時が来たら……その時はちゃんと言ってくれよな」

八雲「……」

八雲「もともとは、播磨さんのお手伝いでしたけど」

八雲「今は、私の意志でこの仕事がしたいんです」

播磨「……なんか、あんがとな」

播磨「妹さんが居てくれるから、俺は今も連載できてるんだぜ」

八雲「……///」

播磨「そうだ、なんか奢るぜ?もう夕方だし、腹へってねえか?」

八雲「ありがとうございます、それじゃあ―」



八雲「(……私はこれで、いいんだよね)」

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 01:07:47.92 ID:bsaSt/ZA0

愛理「(ああ、もうっ!あんなこと言って、なんて顔して会えばいいのよ……!)」

愛理「(どうしよう……あの時、恥ずかしくて逃げちゃったし……)」

愛理「(次に……会う口実を……)」

prrrr

愛理「っ!?」

愛理「……ヒゲ?!」

愛理「……」ポチッ

愛理「も、もしもし」

播磨『オウ、俺だけど』

愛理「うん……こんな時間に、何?」

播磨『いや、オメー、昨日の……』

愛理「っ……」

播磨『なんつーか、ちゃんと話、しとこうと思って』

愛理「う、うん……」ドキドキ

播磨『まあ、なんだ、ありがとな』

愛理「……うん///」

播磨『明日……時間あるなら、ちと話さねーか?いつもの喫茶店で』

播磨『こういうことって、ちゃんと目ぇ見て話さないといけねーと思ってよ』

愛理「……分かった」

播磨『明日、仕事か?』

愛理「そうだけど……定時で終わるから、19時には行けると思う」

播磨『オウ……じゃあ、そういうことで』

愛理「また……///」

pi

愛理「……」

愛理「っ//////」

愛理「(もうっ……///)」


10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 01:11:43.52 ID:bsaSt/ZA0

某喫茶店

愛理「……」カランコロン

播磨「オウ、こっちだ」

愛理「……」ドキドキ

愛理「……」スタスタ

播磨「や、すまねえな、わざわざ」

愛理「……いいわよ、わたしの方こそ、ごめんね」

播磨「まあ座れや」

愛理「うん……」

愛理「あれ、今日、原稿は?」

播磨「今日は、持ってきてねえ」

愛理「……」ドキドキ

播磨「なんか、頼むか?」

愛理「じゃあ、アイスコーヒー」

播磨「あいよ」

播磨「すません、アイスコーヒー2つ」

店員「はい。ありがとうございます」

播磨「フー」

愛理「……」ドキドキ
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 01:12:13.77 ID:bsaSt/ZA0

播磨「まあ、なんだその、」

播磨「お嬢の気持ちは……」

播磨「……嬉しい」

愛理「うん……」

播磨「でもよ……オメーも知ってんだろ」

播磨「俺は、昔からてn、塚本の事が好きでよ」

愛理「……」

播磨「でも、そんな塚本も、烏丸と結婚するって聞いてよ」

愛理「じゃあ……」

播磨「なんつーか、その結婚式で塚本を見て、祝ってあげなきゃ、前に進めねえっていうか」

播磨「多分、お嬢の気持ちにも、向き合ってやれねえ」

愛理「そ……っか」

播磨「まだ、返事とか、できねーからよ」

愛理「っ……」グスッ

播磨「だかr

店員「アイスコーヒー、2つお持ちしました」

播磨「あ、ども」

愛理「……ごめん」ダッ

播磨「あン?」

愛理「今日は……帰る」

播磨「お、おい」

愛理「ごめん……ね……」スタスタ

播磨「お嬢!」

愛理「」ビクッ

播磨「だからその……待っててくれねえか」

愛理「……待ってる」

カランコロン

播磨「……」

播磨「フー」

播磨「」チウ

播磨「コーヒー代……」


12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/17(月) 01:55:07.34 ID:bsaSt/ZA0

某飲み屋

美琴「それで、ただ播磨の気持ちを聞いて帰ってきたあ?」

美琴「バッカ!そんなんだからダメなんだよお前は!」

愛理「なによ……何もしらない癖に……!」

美琴「しっかし、お前も女々しくなったよな」

愛理「女なんだから、女々しくていいでしょ?!」

美琴「昔はもっと尖ってたぜ?なんでこのアタシに惚れないのよ!って」

美琴「そんな大事な話の真っ最中に、帰っちまうなんて情けねえ!」

美琴「いまはなんつーか、普通の女!wwwwww」

愛理「……これが、現実なのよ」

美琴「……」

美琴「まあ……そうだよな」

愛理「ずっと好きだった女の子のこと、忘れられないのは当り前よね」

美琴「どーだかな」

美琴「でもよ、待ってくれって言われたんだろ?」

美琴「付き合う気もない、好きでもない女にそんなこと言うか?」

愛理「そう……だけど」

愛理「天満と……結婚式で会ったら……すべて投げ出してまた追いかけたくなっちゃうのかな」

美琴「播磨に限ってそんなこと、ねえよ」

美琴「播磨はちゃんと筋は通す奴だって」

美琴「お前が一番よく知ってるんじゃねーのか?」

愛理「そうね……」

美琴「だからお前は播磨を信じて待ってればいいんだよ」

美琴「播磨は人生かけてお前と向き合おうとしてる」

美琴「そんな播磨を信じられねえなら最初から告白なんてすんなって」

美琴「自信、持てよ!」

愛理「そう……よね。ありがと、美琴」

美琴「ったく」

美琴「ま、これでフられたら高野も呼んで慰めてやるよ!」

愛理「その時は……お願い」




愛理「(待ってるから……)」

13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 02:37:38.24 ID:bsaSt/ZA0

某喫茶店

播磨「」カキカキ

八雲「」ガリガリ

播磨「……」

八雲「……」ガリガリ

播磨「フー」

八雲「播磨さん」

播磨「んっ?」

八雲「沢近先輩と、その後、どうなりました?」

播磨「まー、……」

播磨「待っててくれって、言った」

播磨「区切り、つけねえとよ」

八雲「そうですか……」

八雲「結婚式は来月……です」

播磨「ああ、分かってる」

八雲「姉さんと会えるの、楽しみですか?」

播磨「……そりゃあ、そう……だな」

八雲「きっと姉さんも、楽しみにしていると思います」

播磨「ああ……」

八雲「……」

播磨「だっせぇよな」カキカキ

八雲「え……」

播磨「好きだった女の結婚式に出るなんてよ」

播磨「結局、ちゃんと想いを伝える事も出来ねえで」

播磨「ダセえよ」

八雲「……姉さんに、好きだったこと、伝えるんですか?」

播磨「……」

播磨「いや、言わねえ」

播磨「天満ちゃんは、あ、いや」

播磨「お姉さんには、今を幸せに生きてほしいからよ」

播磨「過去の事掘り返して、お姉さんの顔、曇らせたくねえんだ」

八雲「播磨さん……」

播磨「だから、結婚式で昔の俺とはおさらばだ」



播磨「……そうしなきゃいけねえんだ」


14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/27(木) 20:49:47.80 ID:gHLTrMAb0
続きが楽しみ
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