八幡「愛のある、気持ち悪い」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 20:27:01.61 ID:qe/Yr/jv0
葉山「おめでとう、ヒキタニくん」

八幡「……なんで前の呼び方なんだ?」


葉山「いや、たまにはいいと思ってさ」


八幡「どうでもいいが、なにか用か? というより、おめでとうってなんだ?」



葉山「雪乃ちゃんと付き合えたじゃないか。だから、おめでとうってことさ」


八幡「……」


ガタガタ


葉山「おい、無視して帰ろうとするのだけはやめてくれ!」

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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 20:32:13.46 ID:qe/Yr/jv0
3年の教室付近


葉山「あれ、帰るんじゃないのか?」


八幡「帰るなんて一言も言ってねぇよ」


葉山「なんだか機嫌が悪いな……ははぁ、僕が雪乃ちゃんって言ったから、妬いているのか?」

葉山「そうなんだ、知っているだろうけど、昔は雪乃ちゃんって呼んでいてね。たまにはそういう呼び方もいいかなと」

葉山「本人の前で言うと大変だけどね……」


八幡「俺が妬いたりするような男に見えるか?」


葉山「いや、見えないな。そういうことは嫌いそうだし」

八幡「それなら、何の目的でそんなこと言ってるんだ?」

葉山「単純に君は変わったなって言いたいんだよ。それでいて、この程度のことでは動じない器量も持ってる」


3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 20:38:39.91 ID:qe/Yr/jv0
八幡「俺みたいな気持ち悪い奴が、か?」

葉山「それはこれ以上ない程の自虐だな。周囲に聞かれたら殴られるよ」


八幡「小町とか由比ヶ浜には、わりかし真面目に言われるんだが……」

葉山「う〜ん、そうか……彼女たちがね。でも、雪ノ下さんは言わないだろ?」


八幡「いや、言うんだけど……」


葉山「まったく君は。鈍い男じゃないんだから気付いてるだろう?」


八幡「だから何がだよ、その勿体ぶった言い方やめろ」


葉山「そこには、愛があるじゃないか」


八幡「……言ってて恥ずかしくないか?」


葉山「かなり恥ずかしいな。穴があったら入りたいくらいに」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 21:00:42.59 ID:qe/Yr/jv0
葉山「気持ち悪いっていう言葉は差別的発言だが、親しい関係の場合は違って来るよ」

八幡「いや、言ってる意味合いは変わらんと思うが……」


葉山「君の妹や結衣、雪ノ下さんからの言葉には愛がるのさ。漫才、朝の挨拶みたいなものだろう。それがなくちゃ始まらない」


八幡「じゃあ、四六時中言われるってことじゃねぇか。俺って一体、なんなんだ」

葉山「いいじゃないか、そういうのがあっても。愛されている証拠さ」


八幡「なんか羨ましがっているみたいに見えるぞ」


葉山「流石は比企谷……察しが良いね。素晴らしい洞察力だ」


八幡「誰でもわかるだろ」


葉山「羨ましがってるのは事実さ。あ、別に雪ノ下さんと付き合っていることがじゃないよ?」

葉山「いや、ある意味彼女が居て羨ましい、とはなるけどね」


八幡「お前がその気になれば、いくらでも作れるだろ。一色にも告白されたじゃねぇか」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 21:07:58.13 ID:qe/Yr/jv0
葉山「いろはの告白は嬉しかったさ。今にして思えば、なんで振ってしまったんだろうって思えるくらいにね」

八幡「今からでも遅くないだろ? 答えてやれよ、あいつ今でも……」

葉山「君は人が悪いな。彼女の心に俺はもういないよ」


八幡「そう言えばお前、さっき僕って言ってたな…」


葉山「気付いていたのか。まあ、それはいいんだが、いろはは比企谷のことが好きだろう」

八幡「はっきり言うなよ」

葉山「気付いているんだろ?」

八幡「……」


葉山「しかし、君が雪ノ下さんとね……俺としては付き合わずに終わると思っていた」


八幡「そうか?」


葉山「ああ、そうだよ。俺がこういうのもなんだけど……彼女とは出来る限り長く続いてほしいね。心から祝福するよ」

八幡「お、おう……」


葉山「それじゃあ、俺は帰るから。君は雪ノ下さんを待ってるんだろ、じゃあね」

八幡「結局あいつ、なにが言いたかったんだ?」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 21:12:32.24 ID:qe/Yr/jv0
次の日


雪乃「受験も近付いて来たわね」

八幡「そうだな」


雪乃「あなたのことだから心配はないと思うけど、勉強の方は大丈夫かしら?」

八幡「まあな」


雪乃「この間、新刊が出たのだけれど……」


八幡「そうか」


雪乃「……ねえ」


八幡「なんだ?」

雪乃「もう少し、会話を弾ませる努力をしようとかはないのかしら?」


八幡「んなこと言われてもな。いつも、このくらいの会話だっただろ?」


雪乃「それはそうだけれど、私たちは付き合ってるんだから」




7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 21:15:25.98 ID:qe/Yr/jv0
八幡「雪ノ下、俺は気持ち悪いか?」

雪乃「どうしたの、突然?」


八幡「いや、なんでも」

雪乃「気持ち悪いことを気にしているのかしら?」

八幡「それもう肯定してますよね」


雪乃「そんなことを気にするなんて……比企谷くんらしくないわね」


八幡「だから、肯定してますよね?」
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