隣に住んでる女大生「あの……魚醤作りすぎたんですけど」社会人男「魚醤!?」

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1 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/07/15(水) 23:22:02.26 ID:cTxA3duu0
男「え……魚醤?魚醤て……え?魚醤?」

女「はい!しょっつるとかナンプラーとかいうやつです」

男「……作れるの?」

女「作ってみたんですけどー、ごはん、もう食べちゃいました?」

男「いや、今日は仕事忙しくてまだだけど……」

女「あ、じゃあよければ、どうです?」

男「……え?魚醤なんだよな?」

女「魚醤ですけど?……?」

男「あれっこれ俺がおかしいの?」

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2 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/07/15(水) 23:22:56.30 ID:cTxA3duu0
男(なんなんだ……隣に美人女子大生が引っ越してきてなんだ俺にも春か遅い春かコノヤローとか思ってたら、魚醤?……魚醤ってなんだよ……)

男(あーそういやこの子が引っ越してきた時――……)
3 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/07/15(水) 23:24:48.38 ID:cTxA3duu0
…………

女『隣に引っ越してきた女です!あのこれ!』スッ

男『ああ、引っ越しそばですか?』

女『いえそばはちょっと打つの難易度高かったんで、代わりにうどんを……』

男『えっなんで?え?いや、打ったの?』

…………
4 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/15(水) 23:26:47.98 ID:cTxA3duu0
男(ってことあったなー……あったわー……)

男(変わった子だと思ってたけど、魚醤はなー……)

男「……いや魚醤てなんだよ」ハッ

女「え、魚醤ってのは魚で作った醤油みたいなもので――……」

男「いやそういう事じゃあなくってね」
5 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/15(水) 23:27:49.23 ID:cTxA3duu0
女「あ、よければ見てみます?作ったの」

男「……いいの?」

女「はい。今抽出してましてー」

男「え、いや……え、こんなこと言うのもアレなんだけど」

女「?……はい」

男「……入っていいの?その……部屋」

女「?……はい。どうぞー?」

男(……いいんだ。いや別にヘンな気持ちはないけど……いいのか)
6 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/15(水) 23:28:34.11 ID:cTxA3duu0
女「どうぞー。散らかってますけどー」ガチャッ

男「(何気に女の子の部屋とか、初めてだな……)お、おじゃまします……」

フワッ……
7 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/15(水) 23:29:56.08 ID:cTxA3duu0
男(ああ……これが女の子の部屋……女性特有の、良いニオイが――……良い……よ……)

男「くっっっっっせえええええ!!!」ブフォッ!

女「もー、いきなりクサイっていうのなんて、デリカシーないですよー?」

男「いやクサイわ!!意味わからんくらいクサ……鬼くさい!なんッ……え?築地?築地かここは?」

女「築地て」

男「……築地を百倍に濃縮したニオイがする……!!」オエェ

女「ひっどい言われよう」
8 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/15(水) 23:30:46.11 ID:cTxA3duu0
女「今、漬け込んだ魚醤のガラを煮込んでさらに汁を抽出してるんですよー」グツグツ

男「うわあ……この世のものとは思えない地獄のような鍋が煮えてる……」

女「弱火だしすぐ戻るつもりだったから火にかけたまま離れましたけど、実際料理する時は火にかけたまま離れないでくださいね?」

男「いや俺料理せんし……」

女「あとはこれを濾せば出来上がりですねー」

男「濾すのか……この地獄のような鍋を……!」
9 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/15(水) 23:31:58.45 ID:cTxA3duu0
男「しかし……マジで魚醤とかどーやって作るんだ?作れるもんなの?」

女「割と簡単ですよ?まず、新鮮なイワシやらイカやらを洗います」

男「はあ」

女「水きって、重さの20〜25%くらいの塩といっしょに、煮沸消毒した瓶にいれます」

男「ほお」

女「置きます」

男「うん」

女「出来ます」

男「うっそやん」
10 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/15(水) 23:32:52.38 ID:cTxA3duu0
女「この時瓶のフタをずーっと閉めてると菌が活動出来なくてくさっちゃうんで、普段は開けとくといいですよ」

男「菌?」

女「なんか、魚の表面とか空気中にいる菌とかが頑張るおかげで、腐らずに発酵するらしいんですけど……」

男「ほお」

女「……詳しいメカニズムはあたしあんまりわかってなくって……」

男「おい本当に大丈夫なんだろうな?」
11 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/15(水) 23:33:45.78 ID:cTxA3duu0
女「まあーなんにせよ、そうやって一年発酵させたら魚醤になるんすよ」

男「おい適当だな」

女「発酵する時に使ったイワシはアンチョビになるんですけど」

男「はあ」

女「ぶっちゃけ一年発酵させた魚を食う気にはなれないんで……ここに引っ越す前に実家で漬け始めたんですけど、家族にもアンチョビは止められましたし」

男「これ本当マジ大丈夫?リアルに大丈夫??」
12 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/15(水) 23:34:38.96 ID:cTxA3duu0
女「なので一年発酵させて、ザルにあげた後のガラをですね。こうやって少量の水と一緒に煮込んで、エキス抽出してまして」

男「エキスを」

女「濾して混ぜて……整ったら完成です」

男「……くさいねえ」

女「まあ魚醤なんで」

男「……で、これを前にして仕事終わりの腹減った俺はどうすればいいんだ」

女「まあまあ、少しお待ち下さいよ」カサゴソ
13 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/15(水) 23:36:03.37 ID:cTxA3duu0
男(……魚のガラ食わされるとかじゃあねーだろうな……)

女「まずー、にんにく玉ねぎニンジン、そしてパクチーをみじん切りにします」トントントントン

男「うわっ臭さにパクチーがプラスされた!!」

女「弱火のフライパンにごま油でにんにくをじっくり炒め、香りがついたら中火にして玉ねぎとニンジン、パクチーの茎の部分、ブタひき肉を入れて炒めます」ジャーッ

男(手際いいなぁ)
14 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/15(水) 23:37:12.62 ID:cTxA3duu0
女「そこに、ごはんと卵投入」ガポン

男「おお、チャーハンか?」

女「コショウを少々ふって、強火で軽く炒めましたら……」ジャッジャッ

男「パクチーは気になるけど、美味そうじゃん」

女「ふふふ、ここで満を持して、自家製魚醤を垂らします!!」ドパー

男「まじかぁー……」

女「そしてお皿に盛りまして、パクチーの葉の部分をちらしましたら……」

トンッ
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