二宮飛鳥「異能バトル」

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175 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 12:46:06.67 ID:ax3g1Y+vO

ありす「アバダ・ケタブラは4回使っていたのですが、その全てが違う作品名だったんです」

晴「え?ハリーポッター以外にその呪文出てくるのか?」

飛鳥「『死の秘宝』『謎のプリンス』『炎のゴブレット』厳密に言えば作品名は違うだろう?」

心「んもぅ。屁理屈みたいだぞ☆」

飛鳥「いや、ボクに言わないでくれよ」

晴「ん?今3つしか言ってなくね?ありすは4回使ったって言わなかったか?」

ありす「はい。文香さんの声が聞けたのは3回。その3回と同じ緑色の光が文香さんから出ていたので、多分それも同じかと」

晴「なるほどなー…」

心「あれ?でもなんで同じ文なのに文香ちゃんはわざわざ引用作品変えたの?」

猫「そこに気付くとは!流石!すごい!」

心「もっと言ってもいいんだゾ☆」

猫「すごい!可愛い!最年長!」

心「ぶっとばすぞ☆」

176 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 12:46:58.79 ID:ax3g1Y+vO

きらり「きらりたちもぉ、そこが気になったんだにぃ☆だからぁ、仮説をたててみました!」

猫「ワァ〜オ☆すごい!」

梨沙「仮説?」

飛鳥「あぁ。同じ文をわざわざ別の作品から引用するってことは、一回引用したらその作品からはもう能力を使えないんじゃないか…ってね」

梨沙「一作品につき一回のみ。ねぇ…」

心「少し安心したけどあんまり強さには影響しなさそうで、ねぇ…?」

ありす「とりあえず文香さんについてはそんなところです」

きらり「じゃあじゃあっ!つぎわぁ、みんなのスキルをシェアしよぉー!」

猫「おーっ!」

177 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 12:48:24.25 ID:ax3g1Y+vO

飛鳥「じゃあボクから。ボクができるのは盗聴、近接戦闘、あとは目眩しだ」

梨沙「盗聴と目眩しって…」

飛鳥「いや、まぁ、ボクも自分で言っててやるせない気分になってるところさ」

ありす「私は空を飛べます。それとあと一回だけですが、風や水などを操ることができます。あとはカメラや地図とかタブレットを使ったことできます。スキルの検索もできます」

心「スキルの検索!?」

梨沙「何ソレ!卑怯じゃない!?」

ありす「卑怯じゃありません!スキル名を知らないと検索できないんです!」

猫「だとしても強いよね〜、ありすちゃんの検索機能」

ありす「それだと私に検索機能がついてるみたいじゃないですか…」

猫「おや?」

晴「違うのか?」

ありす「タブレットです!私ではなく、私のタブレットに検索機能があるんです!」

猫「まあまあ、そう熱くならずに…ね?」

ありす「誰のせいですか…」

178 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 12:49:15.86 ID:ax3g1Y+vO

きらり「じゃあじゃあ♪ つぎわぁ、きらりの番だにぃ♪ きらりは、きらりんロボを呼び出してパンチをすることができるのだ!」

晴「ロボ出せるのか!?」

心「こっちもこっちで卑怯かって強さだよね〜」

きらり「ほかにもぉー、ちっちゃくなったり、おっきぃ飴を降らせたりできゆの!」

心「飴の雨ってか☆」

梨沙「…………」

晴「…………」

猫「あ、ゴメンゴメン!よく聞いてなかったからもう二回言って?」

心「なんで二回なんだよ!……コホン。それじゃあ次はみんな大好きしゅがーはぁとの番だゾ☆」

猫「よっ!スウィーティー!」

179 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 12:49:42.61 ID:ax3g1Y+vO

心「はぁとのスキルはね」



《『「同じ姓を持つ人間がこれほどいることに、私はこれ以上堪えられん!嫌気がさす!吐き気がするぐらいだ!」』(山田悠介「リアル鬼ごっこ」より)》

180 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 12:50:34.06 ID:ax3g1Y+vO

心「え?…………」

心「……………………」

心「………………………………………………え?」


181 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 12:52:02.64 ID:ax3g1Y+vO

晴「文香がスキルを発動したな…あっちか」

飛鳥「偶然か必然か…意外と近い、といえば近い場所だね」

心「………………ねぇ」

晴「仕掛けるか?オレと梨沙は早く移動できるスキルがあるぜ」

梨沙「アタシは近距離で戦えるわ。晴は中距離?遠距離?かしら」

ありす「それで、文香さんは一体どんな本を使ったんでしょうか…?」

心「…………ねぇ、みんなはさ」

きらり「はあとちゃん?急にどぉしたの?」

心「みんなは、リアル鬼ごっこって本…知ってる?」

ありす「心さん知ってるんですか!?じゃあ今の文からどんなことが起きるか分かりますか!?」

心「うん……分かるんだ……分かっちゃうんだ……」

猫「アタシ映画ならみたことあるよー!奏ちゃんとかと一緒にレンタルした中に入ってたから!」

晴「どんな内容なんだ?」

182 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 12:52:58.46 ID:ax3g1Y+vO

猫「あのね、日本には佐藤さんが多いから、佐藤さんの数を減らそうってストーリーだったよ!佐藤さんだけを追いかける鬼がいて、鬼に捕まると死んじゃうの!」


ありす「えっ…」

梨沙「佐藤さんだけを…」

晴「追いかける鬼…」

飛鳥「鬼に捕まると…」

きらり「……もしかしてぇ、『佐藤さん』って…はぁとちゃんだけ?」

心「そうだよ!はぁとだけだよ!!つまり、はぁと以外には無害な鬼が放たれたってことだよ!!!」

晴「…あ、あー。なんだ……ドンマイ」

183 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 12:54:16.70 ID:ax3g1Y+vO

ザッ!


ありす「わ!なんか黒尽くめの人達がこっちに来ます!」

猫「映画でみた!あれが鬼だよ!」

心「ちくしょう!!絶対生き残ってやるからなー!うおおおおーー!!」ダッ!


ダダダダッ!


飛鳥「鬼が一斉にこっちに来るぞ!」

梨沙「文香のいる方と反対側に逃げたら私たちが動き辛いじゃない!」

晴「いやそれはしょうがないだろ…」

きらり「でも、あの量の鬼が来たらきらりたちは身動き取れないにぃ…?」

ありす「でも本当に私たちには無害なのでしょうか…?」

晴「すぐ分かるだろ。どっちにしろ文香がいるのはあっちだしな」

梨沙「グズグズしてたら逃げられるかもしれないし」

飛鳥「確かに。ボク達が理解(わか)っているのはあの鬼を出した瞬間の文香さんの位置だけだ。その後どう動いたかまでは分からない」

晴「なら早く仕掛けた方がいいよな」

梨沙「ええ。晴、アレやるわよ!」

晴「オッケー!」

184 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 12:54:57.71 ID:ax3g1Y+vO



梨沙&晴「ユニットスキル《輝け!ビートシューター》」



185 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 12:56:24.63 ID:ax3g1Y+vO

飛鳥「ユニットスキル…!」

ありす「………………輝きませんね」

梨沙「うるさいわね!これからなのよ!さぁ行きなさい晴!」

晴「行きなさいって…オレはポケモンかよ……ったく!《疾風のストライカー》」ダッ!

ありす「晴さんが鬼達に向かって走っていきます!大丈夫なんですか!?」

梨沙「大丈夫よ、アンタ達もあとから来なさいよね。《セクシーパンサー》」


ヒヒーン!ペロペロペロペロ!!

梨沙「あぁ!もう!舐めないでって何回言えば分かるのよこの馬ヤロウ!」

きらり「うっきゃー☆お馬さんだにぃ♪きゃっわうぃ〜☆」

186 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 12:58:55.86 ID:ax3g1Y+vO

梨沙「よいしょ、よい…しょっと」ヨジヨジ

梨沙「ほら、晴の方を見てみなさい」

飛鳥「あの大量の鬼たちをすり抜けて走ってる…!?」

梨沙「どんなに障害物が多くても全力疾走できるのが今の晴のスキルよ。……アタシも負けてられないわね」

ありす「……梨沙さん?少し体が光ってませんか?」

梨沙「晴に負けられないって気持ちが溢れてるのよ…!さあ行くわよ!《乙女武将》」ジャキン!


パカラッパカラッパカラッ!


飛鳥「刀を手に持ち馬に跨り…まさしく武将、か」

梨沙「やああぁぁ!!」ズババババッ!!



187 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 12:59:36.28 ID:ax3g1Y+vO

きらり「梨沙ちゃんすっごぉーい!どんどん倒していっちゃうにぃ☆」

ありす「でも、梨沙さんが数を減らしたとはいえすごい量です…!」

飛鳥「これだけ多いと全然進めないな……ありす!空から行けるか!?」

ありす「そ、空からですか!?」

飛鳥「あぁ!ボクの炎をここで試す!きらりさん!」

きらり「にょわ?」

飛鳥「小さくなれるって言ったよね」

きらり「そぉだよお、こーんなちっちゃくなっちゃうの!」

飛鳥「ありす!きらりさんと猫を抱えて飛ぶんだ!万が一にも巻き添えにならないように!」

ありす「は、はい!」

きらり「じゃあありすちゃん!よろしくね♪《ぷちっと☆スウィート》」シュシュシュシュ…

猫「よっ!おりゃりゃりゃりゃ!」

ありす「痛い痛い痛い痛い!なんですか!背中を登らないでください!」

猫「あなたの肩から郵便でーす」

ありす「なんなんですか全く…ってきらりさん咥えられてる!?」

きらり「おっすおっすばっちし☆」

188 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 13:00:13.23 ID:ax3g1Y+vO

猫「さあありすちゃん!これで旅立ちの準備は整った!共に大空に飛ぼう!」

ありす「はい!《賢者の翼》」バサッ!

きらり「おぉー!本当に飛んでるにぃ!すっごぉーい!」

猫「これがグラブルとコラボした人達だけが見れる景色…」

きらり「きらりたちもいつか理由(ワケ)あって大空に行ってみたいにぃ☆」

猫「ありすちゃん、ビルだらけでなんか景色に開放感がないよ?」

ありす「文句があるなら降りてください…なんなんですかいったい…」


189 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 22:55:16.97 ID:BugMalgg0

飛鳥「よし、ありすたちは行ったな。それじゃあ試してみるか…《灼熱のリベリオン》」



飛鳥「腰に…一振りの剣…これがボクの新しいチカラ……」


シャキン!


飛鳥「いくぞ!炎よ!全てを?みこめ!」


ゴオオォォ!!!!


ありす「すごい!鬼の数がすごい勢いで減っていきます!」バサッバサッ

飛鳥(これなら!接近戦以外でも戦える!)


190 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 22:56:27.22 ID:BugMalgg0

猫「あ!ありすちゃん!あれ見て!」

きらり「文香ちゃんがいるにぃ☆」

ありす「飛鳥さん!あっちに文香さんが見えます!」

飛鳥「分かった!先に行っていてくれ!ボクもすぐ向かう!」

ありす「分かりました!」バサッバサッ

191 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 22:58:49.32 ID:BugMalgg0

梨沙「やあぁ!」ズバッ!

晴「よ!っと」

晴「お?鬼はもういないのか」

梨沙「文香も見えるわね」

晴「…?文香はなにしてるんだ?しゃがんでるような……?」

梨沙「ん〜…あれ手に持ってるのって……銃?」

晴「ヤバッ!?逃げねぇと!」

梨沙「待って晴!狙いはアタシ達じゃないわ!…もっと上?」

晴「なんかあるのか?………な!?」

梨沙「ありすが空飛んでる!?」

晴「ありすー!逃げろー!狙われてるぞー!!」


192 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:01:21.88 ID:BugMalgg0

文香「『今、戸口を出ようとするごんを、ドンとうちました。』(新美南吉「ごんぎつね」より)」



ありす「え?」

猫「危ないありすちゃん!」ピョン!



ダァン!


猫「…」ヒュウウゥゥ…

ありす「猫さん!!」

193 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:01:56.81 ID:BugMalgg0

ドサッ…


ありす「猫さん!」スタッ

猫「……」

ありす「猫さん!猫さん!返事をしてください!」

猫「フレデリカ……おまいだったのか……ガク…」

ありす「ね、猫さーーーーん!!」


梨沙「ついに自分から正体明かしたわね」

晴「雰囲気で分かってたから誰も聞かなかったしな」


194 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:07:36.19 ID:BugMalgg0

梨沙「ま、それはそれとして」

晴「おう」

文香「…3人、ですか」

晴「いいや、まだまだいるぜ?」

文香「それにしてもお二人とも、なんと言いますか…光ってませんか?」

梨沙「そういうユニットスキルなのよ」

ありす「結局どういうスキルなのかよく分かってないんですけど」

晴「ん?猫はもういいのか?」

ありす「はい。決心がつきました。文香さんには悪いですが、ここで倒させていただきます。」

梨沙「もとよりそのつもりだしね」

195 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:08:17.41 ID:BugMalgg0

晴「それで、オレ達のスキルだっけ?」

ありす「そうです」

梨沙「さっき聞いてたでしょ、《輝け!ビートシューター》よ」

ありす「なるほど……お互いのどちらかが活躍すると、もう片方の能力が上がっていく。上昇上限はない……ですか」

文香「……!」

梨沙「アンタ文香の前で普通にそれ使っていいの?」

ありす「え?……あっ!」

梨沙「はぁ…まったく」


196 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:10:24.04 ID:BugMalgg0

晴「それで、オレ達のスキルだっけ?」

ありす「そうです」

梨沙「さっき聞いてたでしょ、《輝け!ビートシューター》よ」

ありす「なるほど……お互いのどちらかが活躍すると、もう片方の能力が上がっていく。上昇上限はない……ですか」

文香「……!」

梨沙「アンタ文香の前で普通にそれ使っていいの?」

ありす「え?……あっ!」

梨沙「はぁ…まったく」

文香「…ありすちゃんは凄いスキルを持っているんですね」

ありす「いえ、別にそんなことは」

晴「いつまで話し込んでんだ!そっちからこないならこっちから行くぜ!《晴天のファンタジア》」

ありす「サッカーボール?」

梨沙「いけー!晴ー!」

晴「らぁ!」ゴッ!


ドッゴォ!


文香「ぐっ……!」ゴロゴロ

ありす「は、晴さんのシュートで文香さんが吹き飛びました…」

梨沙「次はアタシの番ね!」パカラッパカラッ

ありす「梨沙さん、さっきより速い……!?」

晴「さっき自分で言っただろ、片方が活躍したらもう片方の能力が上がるって」

ありす「あ…」

晴「つまり、オレが活躍すれば梨沙の能力が上がって、梨沙が活躍すればオレの能力が上がる。アイツには負けられないからな。そうやってずっと切磋琢磨していくんだ…きっとこれからも、な」

197 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:12:29.21 ID:BugMalgg0

梨沙「もらったぁー!」

晴「いっけぇー!梨沙ー!」


文香「くっ…!《『ウマソウ。 これが たいあたりだ』宮西達也『おまえうまそうだな』より》」


ズドンッ!

梨沙「きゃあ!」



ありす「あれは……?」

晴「恐…竜……?」

198 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:13:34.54 ID:BugMalgg0

ドッ!


梨沙「あ゛ぁ゛!」ゴロゴロ


晴「梨沙が蹴飛ばされた!」

ありす「そ、そのままこっちに来ます!」

きらり「《きらりん☆パンチ》」


ニョワー☆

ズンッ!


きらり「ま、間に合ったぁ?」

ありす「きらりさん!」

晴「きらりんロボが恐竜を止めてる…」

きらり「晴ちゃん!今のうちだにぃ!」

晴「おう!《晴天のファンタジア》」ゴッ!


ドゴォ!


文香「ぐぅ!あ゛ぁ゛……!」ゴロゴロ


199 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:15:34.28 ID:BugMalgg0

晴「梨沙!大丈夫か!?」

梨沙「へ、平気よ…こんなもの……それより、早く文香を……!」ググッ

晴「……あぁ。そうだな……いけるか?」

梨沙「誰に言ってんのよ…当たり前でしょ…!」

晴「あっちもボロボロだし、これで終わりしようぜ!」

梨沙「アタシはまだボロボロじゃないわよ!《乙女武将》 やああぁぁ!!」ダッ!

晴「トドメは譲ってやるよ!《晴天のファンタジア》」


200 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:16:09.36 ID:BugMalgg0

文香「《『盥の水で弟子たちの足を順々に洗って下さったのであります。』(太宰治「駆け込み訴え」より)》」


晴「らぁ!」ゴッ!



晴「…え?」


201 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:21:22.36 ID:BugMalgg0

ドッゴォ!


梨沙「が……ッ!!」ゴロゴロ


晴「なんだ今の…体が勝手に……梨沙!」ダッ!

梨沙「晴アンタ…ここでシュートミスとか…」


タタタッ!

晴「文香!逃げろ!例え千人の兵隊が来てもオレが指一本触れさせないぞ!」

晴「……え?」

202 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:25:14.83 ID:BugMalgg0

梨沙「……え?晴?なにを言って……?」

文香「……」ダッ!

梨沙「逃がさないわよ!」ダッ!


ザッ

梨沙「…なんのつもり?晴…」

晴「なんか知らないけど…体が勝手に……!」

梨沙「どきなさい…晴」フラ…

晴「……………」ザッ

梨沙「そこをどけって言ってるのよ!!」

晴「ごめん梨沙!《晴天のファンタジア》」ゴッ!

梨沙「ぁガッ…!」ゴロゴロ…



203 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:32:43.54 ID:BugMalgg0

ありす「梨沙さん!」タタタッ

晴「ありす…」

ありす「晴さん!一体何を!?」

晴「オレにもよく分からないんだ!体が勝手に動いて文香を逃そうとして…!」

晴「オレ……オレ……!」

梨沙「……はぁ、まったく世話がやけるわね……」フラ…

ありす「梨沙さん…大丈夫なんですか?」

梨沙「何が?」

ありす「いえ、その……」

梨沙「アタシは…見ての、通り…ピンピンしてる…わよ」

ありす「でも……」

梨沙「アタシは…あのバカの、目を覚まさせなきゃいけないの…他にもやることが…あるってのに、あのバカ……」

晴「梨沙……」

梨沙「ぶつかってでも止めるわよ!やああぁぁ!」ダッ!

晴「《晴天のファンタジア》」ゴッ!

梨沙「やあ゛!」ブンッ!


ドゴォ!


梨沙「ぐっ…あぁ!」ゴロゴロ


ヒュンヒュンヒュン……

ザクゥッ!


晴「あ゛ッ……ぐぅ……」


ありす「梨沙さん!晴さん!」



飛鳥「すまないありす!遅くなった!状況…は……」

204 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:35:19.42 ID:BugMalgg0

ありす「梨沙さん!しっかりしてください!」

梨沙「…………ありす」

ありす「……はい」

梨沙「アイツの目は覚めたかしら」

ありす「………晴さんは…」

梨沙「うん」

ありす「梨沙さんが投げた刀が肩に刺さったまま…動きません……」

梨沙「………そう」

飛鳥「ありす」

ありす「…飛鳥さん」

飛鳥「これは…一体……?」

梨沙「…アタシもよくわかんないけど、文香に負けたのかしらね……アタシたちは」

ありす「梨沙さん…」

205 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:37:00.76 ID:BugMalgg0

晴「…………」



ありす「晴さん…」


晴「…………《明日へのフラッグ》」

バサァ!


ありす「晴さん…?」

飛鳥「あれは…大きな、旗…?」


晴「ぐっ…!う゛う゛ぅ!」バサッバサッ


ありす「晴さん!肩に刀が刺さったままです!そのまま旗を振ったりしたら傷が…!」

梨沙「………そう…届いたのね…」

206 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:38:23.66 ID:BugMalgg0

晴「ありす!!飛鳥!!きらり!!オレたちは負けた!だから!」バサッバサッ


梨沙「…………」


晴「オレたちの想いも背負って!必ず!文香を!」


ありす「……はい…!」

飛鳥「あぁ。必ず」

きらり「きらりたちが勝つにぃ♪」

207 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:41:35.61 ID:BugMalgg0

梨沙「……何してるのよ…晴が旗を振ってる間に行きなさい……早く……あれはアンタ達の能力を底上げするスキルなのよ……」

飛鳥「……すまない。梨沙」

梨沙「………何が?心当たりないわね」

飛鳥「……そうか…」

きらり「あとは任せるにぃ♪」

梨沙「……ええ」

ありす「…では……行ってきます」

梨沙「……だから早く行きなさいっての……」シュンッ!

208 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:42:35.13 ID:BugMalgg0

ありす「……行きましょう!」ダッ!

きらり「あ、ありすちゃん!待って!」

飛鳥「きらりさん!ボクのポケットの中に」ヒョイッ

きらり「うきゃぁ! ありがとぉ♪」


ありす「……? 体が軽い……?」

飛鳥「ボク達の足が早くなってるのか?」


晴「いけぇー!きらり!ありす!飛鳥ぁー!」バサッバサッ


きらり「きっと晴ちゃんのスキルだにぃ」

ありす「……梨沙さんと晴さんから想いを受けとりました」

飛鳥「あぁ。絶対に負けられないな!」

209 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:50:23.07 ID:BugMalgg0

ありす「文香さんとの距離は…だいたい300メートルくらいです!」

飛鳥「このペースなら追いつける!」


文香「…………!」チラッ ダッ!


きらり「あ!角を曲がっちゃったにぃ!」

飛鳥「あぁまで逃げるってことは、あの二人に相当やられてるのかもしれないな」

ありす「…! お二人はこのまま文香さんを追ってください!私はこっちから行きます!」ダッ!

飛鳥「え?あ、おい!ありす!どこに行くんだ!」

きらり「ありすちゃん!?」

210 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:55:16.81 ID:BugMalgg0

ありす「これだけ足が早くなっていれば、回り込んで文香さんの前に出られるハズ…!地図もカメラも検索も、やっぱりこのタブレットが私の一番の強みなんですね…!」


ありす「ここを曲がれば!」ザッ!

文香「!」

ありす「……見つけましたよ、文香さん」

文香「……一体、どうやって」

ありす「簡単なことです。このタブレットには地図アプリも入っているので」

文香「……そうでしたか」

ありす「はい」

文香「……先程も目にしましたが、そのタブレットはとても強力なスキルのようですね」スッ ググッ…

ありす「弓矢!? に、逃げ」

文香「《『甲冑こそ身につけておらねど、我こそは現代版那須与一なりと一人芝居。』(森見登美彦「有頂天家族」より)》」ピシュッ!


ガシャァ!


ありす「……あ…………え?」


ありす「あ……た、タブレットが……」

文香「……厄介そうなので先に壊させていただきました」

211 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:57:07.97 ID:BugMalgg0

飛鳥「追いついた!文香さん、立ち止まってるなんて余裕だね……ってありす?」

ありす「あ、飛鳥さん…どうしましょう……タブレット……タブレットが……!」

飛鳥「な……」

ありす「あれがないと私…、もうみんなの役に立つことが……」

飛鳥「何を言ってるんだ!そんなものなくたって君にはまだ戦える術があるだろう!」

ありす「で、でもあれはあと一回しか…」

飛鳥「《灼熱のリベリオン》 炎よ!」ゴオォォ!!

文香「……挟み撃ち、炎…まずいですね」

飛鳥「このチャンスはありすが作ったものだろ!キミがものにしてみせろ!」

ありす「!」


ありす「は、はい!」

212 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/23(木) 23:58:31.20 ID:BugMalgg0

文香「《『なるほど、そこらの月あかりの水の中は、やまなしのいい匂いでいっぱいでした。』宮沢賢治『やまなし』より》





トプン……


サアアァァァ…………







213 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 00:00:13.99 ID:k3yUO3cf0

ありす「!?」

飛鳥「!?」

飛鳥(水の中!? いや、流れがあるから川か!?)

飛鳥(しかし水面まで何メートルあるんだ??さっきまで立っていた地面がそのまま川底になってる…!)ガボ…


飛鳥(くっ…!息が……電気を流して、水は危険だと思わせて解除させるしか!)

飛鳥「     」ガバガボガボ

飛鳥「!?」

飛鳥(水中でうまく発音できないからスキルが発動できない!)

214 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 00:01:25.03 ID:k3yUO3cf0

きらり「……」クイクイ

飛鳥(きらりさん?)

きらり「……」チョイチョイ

飛鳥(指差して…あっちに何か?)


ありす「    」ガバガボガボ

飛鳥(ありす!? いや、そうか。ありすならスキル名さえ言えればこの状況がひっくり返る!)

きらり「……」コク

飛鳥「……」コク

きらり「……」スイスイ

飛鳥(きらりさんがありすの足の裏に……?)

飛鳥(そういうことか!)スイスイ

飛鳥(ならボクはきらりさんを支えていればいい!)

飛鳥(まずはボクがしゃがんで…)ググッ

ありす「!」

飛鳥「……」コク

ありす「……!」コク!

飛鳥(ありすの準備ができたら目一杯ありすを押し上げる!)

飛鳥(ここが川底でよかった、踏ん張れる場所があるから押し上げる力全てがありすに伝わる!)

飛鳥(そして小さくなっていたきらりさんが能力を解除すれば!)

きらり「    ☆」ポシュゥゥゥ!!

ありす「!」

飛鳥(きらりさんが大きくなる勢いでさらにありすを押し上げられる!)

ありす「……!」



ザパァ!

215 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 00:02:22.39 ID:k3yUO3cf0

ありす「はぁっ…!えほっえほっ!ひ、《ひかりの創り手》」


ザアアアアァァ!!


文香「な…!」

ありす「水よ!文香さんを閉じ込めて!」


ザアアアアァァ!!

文香「!!」

文香「   」ガバガボガボ…

ありす「はぁっ…はぁ……」


飛鳥「ケホッ!えほっ!……ありす」

きらり「ありすちゃん!やったにぃ♪」

ありす「……飛鳥さん…きらりさん…」

飛鳥「なんだい」

ありす「チャンス、ものにできましたか?」

飛鳥「フッ…文句なし、だ」

きらり「ばっちし☆」

216 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 00:02:58.89 ID:k3yUO3cf0

ありす「そうですか……では飛鳥さん、トドメを」

飛鳥「いいのかい?」

ありす「はい。水中では喋れず、スキルを使えませんでした。下手に水を動かして喋れるようにすることが一番危険です」

飛鳥「成程、分かった!」ダッ!

飛鳥「《碧落のリベレイター》」バチバチッ!

飛鳥「これで終わりだぁ!!」

217 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 00:04:50.88 ID:k3yUO3cf0

《揺籠揺らす雷》


ゴロゴロゴロ……ピシャァァン!!!


飛鳥「!?」

きらり「!?」

ありす「!?」


きらり「い、今のは……?」

飛鳥「落…雷……?」


218 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 07:05:36.70 ID:nc9S5y4zO

ありす「文香さんは!?」

飛鳥「…………いない…? これは一体…」




ピーンポーンパーンポーン♪



晶葉『あーテステス。全員聞こえているな?今しがたレイドボスが倒された。よって、これにてレイドバトルを終了とする!』


飛鳥「な!?」

きらり「もしかしてぇ、文香ちゃんはさっきの雷で…?」



晶葉『レイドバトルに参加した者には両コストとスタミナが半分回復するアイテムが、そしてレイドボスを倒した者には全回復するアイテムがそれぞれ贈られるぞ』

晶葉『それでは引き続きバトルロイヤルゲームを楽しんでくれ』プツッ…


219 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 07:07:49.85 ID:nc9S5y4zO

きらり「回復アイテムってこれかな?スタドリと同じ形してゆ☆」

飛鳥「しかし……あの落雷は一体誰が……」

ありす「……! 2人とも!あれを見て下さい!」

飛鳥「あれは……!?」

きらり「うっきゃー☆おっきな鳥さんがお空を飛んでる〜!?」

飛鳥「いや……あれは鳥じゃない……白い…竜……?」

ありす「その背中に誰かが乗っています!きっとあの人が!」

ありす「やああぁぁ!」


ザアアアアァァ!!ザパァ!ザパァッ!!
ヒョイッ!ヒョイッ!


飛鳥「ありす!さっきのでいくら水があるからってそんなに大雑把な攻撃では」

ありす「でも!時間がないんです!私のこのスキルはあと5分以内で使えなくなるんですよ!?」

きらり「ありすちゃん!そのままお願いすゆにぃ☆あとはきらりにお任せあれ!」

ありす「きらりさん……はい!」

きらり「《きらりん☆シャワー》」


ザパァ!ザパァッ!!
ヒュウウゥゥ……

ヒョイッ! ヒョイッ! ゴッ!


飛鳥「当たった!」

ありす「流石きらりさんです!」

きらり「ありすちゃんのおかげだにぃ♪」

飛鳥「竜が落ちてくるぞ…」


220 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:32:24.34 ID:nc9S5y4zO

ヒュウウゥゥ…………ドシャッ!


???「あ゛ぁ゛!!」

???「大丈夫です!?裕美ちゃん!」

裕美「実はね…この子がダメージを受けると私にもダメージがくるの……今まで言ってなくてごめんね……でも、有香ちゃん達が無事で良かった……」

有香「いえ!こっちこそ聞かなかったので…本当に助かりました……君もありがとうね、クッションにしてごめんね…」ナデナデ…

???「白銀の竜よ…そしてヒロミ…しばしの眠りにつくがいい……あとは、我々に任せよ!」

裕美「うん……有香ちゃんも、蘭子ちゃんも、頑張ってね……」シュンッ!


きらり「蘭子ちゃんと有香ちゃんだにぃ」

飛鳥「蘭子……そうか、あの落雷はキミか……」

ありす「蘭子さん!有香さん!すみません!私には時間がないので!!」


ザアアアァァ!!


221 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:33:25.57 ID:nc9S5y4zO

蘭子「水!?」

有香「じゃあありすちゃんがあの攻撃の犯人だったんですね!」

蘭子「《堕ちる星の調べ》」


ゴオオォォ……!

ズドォンッ!


飛鳥「うわぁ!?」

きらり「なにか降ってきたにぃ!」

ありす「一瞬で水が消え…!?」


シュウウゥゥ……


ありす「……石?」


蘭子「否!これは夜空を彩る星々の一欠片よ」

飛鳥「堕ちる星……つまり隕石ってことか……」

ありす「い、隕石!?」

きらり「そんなことできゆのぉ!?蘭子ちゃんすっごおーい!」

蘭子「いや…そんな…我は別に……えへへ///」テレテレ

222 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:36:02.84 ID:nc9S5y4zO

有香「それでは次はこちらから行きますよ!《流麗武闘》」ダッ!

ありす「わっ…か、風!」


ビュオオォォ!!


有香「ぐっ……しかしこの程度の風…!かつて道場でやった台風の時の走り込みに比べれば!」ダダダダ

飛鳥「滅茶苦茶だなその道場」

有香「はああぁぁ! セイッ!」ドッ!

飛鳥「ありす!」

ありす「う゛ぐっ…! 炎!」ゴオオォォ!!

有香「この程度!茜ちゃんとの炎天下の走り込みに比べれば!」

有香「やあっ!」ゴッ!

ありす「あ゛ぁ゛!!」

きらり「ありすちゃん!」

飛鳥「くっ…!ボクも援護する!《灼熱のリベリオン》」ブンッ!

有香「甘い!」ガッ!

223 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:37:32.70 ID:nc9S5y4zO

パキィン!


飛鳥「な!?」

ありす「飛鳥さんの刀が…!?」

きらり「折れちゃったにぃ!?」

飛鳥「……でも、これならどうだい? ありす!炎を操れ!」

ありす「え、え?でもさっき」

飛鳥「炎は、ボクがいくらでもつくる…!」ゴオオォォ!!

ありす「!」

ありす「分かりました!」ゴオオォォ!!

有香「なんのこの程度!……!? 炎が体に巻き付いて……!」

蘭子「ゆ、有香ちゃん!えっと…えっと…」アワアワ

有香「くっ……うぅぅ……このままじゃ……まずい…!《スチームユカ》」ガシュンッ!

飛鳥「な、なんだあれは!?」

ありす「ロボッ…ト……?」シュゥゥ…

ありす「!?……スキルの効果が…」

飛鳥「くっ……もう終わりか……!」

スチームユカ「殲滅、殲滅……」ガシュン…ガシュン…

飛鳥「まずいな……」


224 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:38:20.83 ID:nc9S5y4zO

きらり「うっきゃー☆ロボットならこっちも負けないにぃ♪《きらりん☆パンチ》」


ニョワー☆


蘭子「な!?」

スチームユカ「殲滅、殲滅…」


ドッゴォ☆


スチームユカ「」ガッシャアアァァ!!

蘭子「ゆ、有香ちゃーーーん!!」

有香「蘭子ちゃん……私の分まで…勝っ…て……!」ガクッ…

蘭子「そんな…有香ちゃん……!」

蘭子「有香ちゃん…………」


飛鳥「…………さぁ蘭子。感傷に浸るのもいいが、次はキミの番だ。準備はいいかい?」

蘭子「………………ククク」

きらり「?」

蘭子「フハハハハハハ!!」

ありす「わ!びっくりしました……なんで急に笑い出したんですか…?」

飛鳥「……あれが彼女なりの吹っ切り方なんだろう」


225 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:39:41.34 ID:nc9S5y4zO

蘭子「ククク…次は我を倒すと申すか……しかし、今の我は戦友(とも)から授かりし翼により覚醒せしめた。貴様ら如きが敵う相手ではないと知れ!」

ありす「……! …………え、えっと?」チラ

飛鳥「想いを受け継いだ。だから負けられない、と……しかしそれはこちらも同じことだよ、蘭子。ボクらも戦友(とも)からの想いを背負ってここに立っている」

ありす「……そ、そうです!私たちも背負っています!」

きらり「ありすちゃん、そんな無理についていこうとしなくても大丈夫だにぃ?」

ありす「大丈夫です!無理なんてありません!余裕です!」

蘭子「…貴様らは既に覚醒者だったと」

飛鳥「あぁ。残念ながらね」

蘭子「そうか…しかし、我にも負けられぬ理由がある」

飛鳥「それはこちらも同じさ」

蘭子「ならば!」

飛鳥「あぁ」

蘭子&飛鳥「何方(どちら)かが倒れるまで!!」

ありす「……えっと」チラ

きらり「蘭子ちゃんも飛鳥ちゃんも、負けられないって☆」

ありす「え!?そんな簡単な話だったんですか!?」

飛鳥「ありす!きらりさん!来るよ!」

ありす「!」

きらり「おっすおっす☆」


226 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:42:28.67 ID:nc9S5y4zO

蘭子「魔王の力!今その眼(まなこ)に焼き付けん??《揺籠揺らす雷》」


ゴロゴロゴロ……

ありす「これは…さっきの雷です!」

きらり「ありすちゃんのチョコ、いっただっきまーす☆」パクッ

きらり「コストスタミナ全回復!いっくよぉー!《きらりん☆パンチ》」


ニョワー

ピシャァァン!!



ありす「きらりんロボを避雷針代わりに…!?」

蘭子「クッ! 鋼鉄の巨神か…ならば!《堕ちる星の調べ》」


ゴオオォォ……!
ズドォンッ!

ニ゛ョワー☆  グラッ…


ありす「きらりんロボがバランスを!」


ニョワー☆   ズンッ


きらり「立て直したにぃ!いっけぇー!きらりんロボぉ!」

227 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:43:26.31 ID:nc9S5y4zO

蘭子「魔王の力を侮るな!《堕ちる星の調べ》《堕ちる星の調べ》《堕ちる星の調べ》」

ありす「な!?」

きらり「にょわ!?」


ゴオオォォ……!
ズ┣¨┣¨┣¨┣¨ドォンッ!

ニ゛ョ゛ニ゛ョ゛ニ゛ョ゛ニ゛ョ゛ワ゛ー☆


きらり「きらりんロボが!」

飛鳥「た、倒れるぞ!逃げろ!」

ありす「は、はい!《賢者の翼》」バサァ!

きらり「飛鳥ちゃん!」


ドンッ!


飛鳥「うわぁ!」ゴロゴロゴロ…


ドシャアアァァン!!!


飛鳥「う゛…くぅ……」ヨロ

ありす「きらりさん!」

飛鳥「ありす!きらりさんは!?」

ありす「きらりんロボの、下敷きに……」

飛鳥「そんな……」


スウゥ…


ありす「きらりんロボが消えていきます」

飛鳥「きらりさん!」

きらり「にょわ…2人は無事だったぁ?」

飛鳥「あぁ、きらりさんのおかげで」

きらり「それはよかったにぃ……」

ありす「でも!きらりさんが!」

きらり「飛鳥ちゃん、これを」

飛鳥「…スタドリ?」

きらり「レイドバトルの参加者に配られた…アイテムだにぃ……」

飛鳥「でも」

きらり「きらりの分まで…頑張ってね……♪」シュンッ


カツン…
コロコロコロ……


228 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:44:12.31 ID:nc9S5y4zO

飛鳥「きらりさん……」スッ…

ありす「きらりさん……!」

飛鳥「勝つよ。必ず」

ありす「…………飛鳥さん」

飛鳥「…ありす?」

ありす「私のも受け取って下さい」ス…

飛鳥「いや、しかし」

ありす「さっきも言いましたけど、私にはスタミナやコストを使うスキルはないんです。だからこれは飛鳥さんが持っていて下さい」

飛鳥「………………分かった」

ありす「ありがとうございます」

飛鳥「こちらこそ……すまない」

ありす「いえ」


229 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:45:50.67 ID:nc9S5y4zO

蘭子「それでは行くぞ!《聖剣の救世主》」シャキン!

飛鳥「!」

ありす「剣!?」

飛鳥「剣ならボクにだってあるさ!《灼熱のリベリオン》」シャキン!


ガキィン!! ギギギギギ……


蘭子「我が同胞……いや、我が宿敵飛鳥よ…」ギギギ…

飛鳥「…なんだい?」ギギギ…

蘭子「我は更なる扉を開かん!」

飛鳥「……ほう?もう一段上があるというのかい?」

蘭子「しかと見るがいい!《シンデレラガール》」ガィン!

飛鳥「くっ…!」キィン!

飛鳥「やあ!」ブンッ!

飛鳥(…いない!?)スカッ

蘭子「此方よ」

飛鳥(後ろ!?いつのまに!?)

蘭子「今こそ終焉の時!」ブンッ!

飛鳥「ぐっ……」


ズバァ!!


ありす「あ゛ぁ゛!!」

蘭子「!」

飛鳥「な…………」


230 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:46:29.51 ID:nc9S5y4zO

飛鳥「ありす!!」

ドサッ…


飛鳥「ありす!ありす!!」

ありす「……もう私には攻撃できるスキルはないので、これくらいしか役に立てません…タブレットもないですし……」

飛鳥「そんなことどうでもいい!……どうして」

ありす「……なんででしょうね…………」


231 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:47:40.64 ID:nc9S5y4zO

ありす「………………ただ」

飛鳥「………ただ?」

ありす「あなたに勝ってほしいと…そう思っただけです……!」ググッ…

飛鳥「ありす……」

ありす「飛鳥さん…私はこのゲーム中いつも飛鳥さんに助けられていました…飛鳥さんが一緒にいてくれなかったら、すぐにリタイアしていたと思います」ヨロ…

飛鳥「違う…助けられたのはこっちで…!だからもう」

ありす「いいえ……たくさん…たくさん助けられました……だから今度は!私が飛鳥さんを助けます!」

飛鳥「ありす……」


232 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:51:35.11 ID:nc9S5y4zO

ありす「鳥のような自由さを。飛び立つ勇気を。《賢者の翼》」バサァ

ありす「私が時間を稼ぎます。なので、その間に蘭子さんのスキルを分析して下さい!」バサァ!

飛鳥「ありす!」


バサッバサッ


ありす「飛べるのは裕美さんだけじゃないんです…!」バサッ!

蘭子「ククク…まるで大空(そら)翔けるイカロスね」

ありす「やああぁぁ!!」バサァ! ビュン!!

飛鳥(体当たり!?)

蘭子「太陽に近づき過ぎたイカロスが、はたしてどうなったかを、貴女は」

ありす「知っています!でも!蘭子さんは太陽ではありません!」

蘭子「然り。しかし、行き着く運命は変わらないわ…」

ありす「やああぁぁ!!」

蘭子「さあ!断罪の時よ!」シュッ

ありす「!? 消え……!?」

蘭子「《堕ちる星の調べ》」


ズドォンッ!


ありす「お゛ぐッ!!」

飛鳥「ありす!!」


ズザアアァァ……


飛鳥「ありす!ありす!!」

ありす「飛鳥……さ……」

飛鳥「ありす!」

ありす「勝って…くだ……さ……」シュンッ!

飛鳥「ありす!?ありす!!」

233 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:53:40.35 ID:nc9S5y4zO

飛鳥「………………」

飛鳥「…………ありす」

飛鳥「…………分かったよ。絶対、絶対に勝ってみせる…………蘭子」

蘭子「…………」

飛鳥「悪いが、ボクは君に勝つ」

蘭子「私も、負けないから」


234 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:54:18.12 ID:nc9S5y4zO

飛鳥「………………」

蘭子「………………」


235 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/24(金) 12:56:27.74 ID:nc9S5y4zO

飛鳥「独り奏でし歌のもと」スタスタ…

蘭子「双つの運命は邂逅し」スタスタ…

飛鳥&蘭子「歯車は廻りだす」

蘭子「漆黒のこの片翼が」バサァ…

飛鳥「白銀のこの片翼が」バサァ…

蘭子&飛鳥「終焉を渡る"誓いの翼"となる」



《双翼の独奏歌》


236 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:05:18.02 ID:gOYqN5Bh0

シャキィィィ……ン



飛鳥(剣と翼…)

飛鳥(そしてそれは、蘭子も同じ)

蘭子「我が宿敵、飛鳥」

飛鳥「なんだい?」

蘭子「どちらが真の魔王に相応しいか…今ここで決めようぞ!」バサァ!!

飛鳥「いいだろう、ボクは魔王にはあまり惹かれないけれどね!」バサァ!!



237 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:06:02.67 ID:gOYqN5Bh0

ガキィン!!
ギギギギギ…… ガィン!!

バサァ!!


飛鳥(飛べる!空を、自由に!)

飛鳥「自由に空を飛び、上空からこの剣で襲う。……本当にユニットスキルというのは強い能力ばかりだね」

蘭子「ええ、そうね。然し、同じ能力(チカラ)を使えども、今は分かり合えぬ者同士…数奇な運命ね」

飛鳥「あぁ、全くだ!」バサァ!!

飛鳥「やああぁぁ!!」ブンッ!

蘭子「ククク……」ギィン!

飛鳥「……どうした?やけに余裕じゃないか」ギギギ…

蘭子「気付かないか?我が宿敵よ」ギギギ…

飛鳥「何が言いたい……?」ギギギ

蘭子「我のチカラはこの剣のみではないということだ!《揺籠揺らす雷》」ガィン!

飛鳥「な!?」


ピシャァァン!!


飛鳥「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」バリバリバリバリ!!

飛鳥「」ヒュウゥゥ…


238 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:07:04.17 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥(圧倒的だ……圧倒的に戦闘向きなスキル……やはりボクは……蘭子には勝てな…)

飛鳥「!」


バサァ!!


飛鳥「いや!まだだ!まだ負けてない!!」


飛鳥「うわああぁぁぁ!!」バサァ! ビュン!!

蘭子「ククク…そう来なくてはな……《聖剣の救世主》」シャキン…!

飛鳥(二刀流…!)

飛鳥「なら!こっちにだって剣はある!《灼熱のリベリオン》」シャキン!

蘭子「やあぁぁ!!」

飛鳥「ああぁぁ!!」


ガキィン!!
ギィン!ギィン!! ガガガガガ!ガギィン!!


飛鳥(これでも互角……なら!)

飛鳥「炎よ!」ゴオォォッ

蘭子「む!?」

飛鳥「これで!どうだぁ!!」


ゴオオォォ!!!


蘭子「クッ…!」バサァ!

飛鳥「逃がさない!」ゴオォッ!

蘭子「グ…!きゃああぁぁ!!」ゴオォォ……!!


ゴオオォォ……


蘭子「」ヒュウゥゥ…

飛鳥「はぁっ…!はぁっ……!やったか!?」


フッ…

飛鳥(蘭子が、消えた…!?)

239 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:07:41.82 ID:gOYqN5Bh0

蘭子「その程度では魔王を堕とすことは叶わぬ!」

飛鳥「!?」

飛鳥「また後ろか!」ブンッ!

蘭子「当たらぬ!」ヒョイ

飛鳥(くっ…!一旦距離を!)バサァ!

蘭子「どこに往く?獄炎の使い手よ」

飛鳥「な!?」

飛鳥(回り込まれた!?いつのまに!)

蘭子「やああぁ!!」ブンッ!

飛鳥「くっ…!」ギィン!

飛鳥(さっきよりも力が強い!このままじゃマズい…!)

フッ…

飛鳥「また消え…!?」

飛鳥「後ろか!」ブンッ!

240 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:08:30.36 ID:gOYqN5Bh0

蘭子「いいえ、上よ」

飛鳥「え?」


ザンッ!


飛鳥「あ゛あ゛あ゛!!」ヒュウゥゥ…

飛鳥(マズい…手も足も出ない……一体どんなスキルなんだ……?)

飛鳥(蘭子がこっちに来る!)

飛鳥「炎!ボクの周りを!球状に包め!」ゴオォォ!!

蘭子「クッ…!」


飛鳥(これで少しは時間が稼げる……)

飛鳥「炎の持続時間は攻めコスト次第だけど、こっちには回復アイテムが沢山ある……」

飛鳥(ありすと、きらりさんの分の回復アイテムが)


241 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:09:43.02 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「さて」

飛鳥(考えろ…蘭子のあの消えるスキルはなんだ…?スキル名はきっと《シンデレラガール》だろう…他は攻撃スキルだったハズだ。隕石、落雷、そして剣。これで4枠埋まっている)

飛鳥(まゆさんみたいな瞬間移動?まゆさんのは相手の背後に移動だったが、蘭子の場合は任意の場所なのか?)

飛鳥(それに、消えるスキルを使った直後に剣の打ち合いをした時、一撃が重いというか、力の強さが違った……)

飛鳥「一つのスキルで力も速度も…そんなスキルが……?いや、あってもおかしくはないな…」

飛鳥(この手のスキルはだいたい一定時間で効果が切れる…と思う。現に前回使った時には解除をする素振りがなかった……つまり解除する必要がなく、勝手に解除されるタイプのスキルってことだ)

飛鳥「……そろそろ時間か…」

飛鳥(まずはボクの回復アイテムを使おう。2人のはまだ後だ)ゴクゴク…

飛鳥(攻守コストとスタミナが半分回復した…)

242 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:10:45.29 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「ふぅー……よし!」ゴオォォ!!



飛鳥「やああぁぁ!!」

蘭子「待ちくたびれたぞ!獄炎の使い手よ!」


ギィン!!
ギギギギギギ……!

飛鳥(さっきより軽い!強化スキルは切れている!)


飛鳥「あいにく、ボクが扱えるのは炎だけじゃないよ!《碧落のリベレイター》」バチバチバチ!

蘭子「グッ……!あ゛…ぎ……ッ!」ビリビリビリビリ

蘭子「くっ……あ゛ぁ゛!!」ギィン!

蘭子「……はぁっ…!はぁっ…!」

飛鳥「剣は金属……そして金属は電気を、よく通すのさ」

蘭子「その左手……!」

243 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:11:21.29 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「あぁ。左手からの紫電を剣に流し、右手の剣からは炎を出す。これが…今のボクさ」

飛鳥(スタミナもコストも消費し続けるから長くは続かないけどね)

蘭子「か……」

飛鳥「か…?」

蘭子「か、カッコイイ!!」

飛鳥「ありがとう蘭子」


244 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:12:52.88 ID:gOYqN5Bh0

蘭子「ならば我も!持てる力を全てぶつけよう!」

飛鳥「望むところだ!やああぁぁ!!」ブンッ


ギィン! バチバチ!!


蘭子「グッ……!」ビリビリ

飛鳥「ボクの剣は受け止めてもダメージが通るぞ!どうする蘭子!!」

蘭子「?ぁ゛ぁ゛…!グッ…《揺籠揺らす雷》」

飛鳥「な!?」バサァ!

蘭子「逃がさぬ!」ズバァ!!

飛鳥「ぐぁ゛…!」


ピシャァァン!!


飛鳥「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!!」ヒュウゥゥ…

蘭子「終わりよ!」ビュン!

飛鳥(蘭子がボク目掛けて飛んでくる…速度は強化されてない……なら)

飛鳥「ギリギリで…」ボソ

蘭子「やああぁぁ!!」

飛鳥「今だ!炎!!」ゴオォォ!!

蘭子「きゃあああ!」

飛鳥(今のうちに回復を!きらりさん!使わせて貰うよ!)ゴクゴク


ゴオオォォ……


飛鳥(この音…?)


ズドォ!!


飛鳥「あ゛…ガッ!」

飛鳥(蘭子の隕石…!)


ヒュウゥゥ! ドシャァァ!!


飛鳥「ぁ゛あ゛あ゛!!」ズザザザザ!


245 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:15:11.84 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「くっ…!地面に激突するまで吹き飛ばすとか……なんてデタラメな……!」

飛鳥(回復してなかったらやられていた……回復した分を削られたって感じだ)

飛鳥「ありす、君のも使わせてもらうよ」ゴクゴク

飛鳥(残りはスタミナと両コストが全回復する、ありすのチョコだけ……)


《揺籠揺らす雷》

ピシャァァン!


飛鳥「くっ…!」バサァ!

飛鳥(一体何回使えるんだあのスキルは!?回数上限のあるタイプじゃないってことか……?)

飛鳥「なによりもまず近づかないと…!この距離ではボクの攻撃は届かない……!」

飛鳥「!?」キョロキョロ

飛鳥「………そうか、そういうことか」

飛鳥「近付こうにも蘭子に身を隠されては近付けない。と、そういうことか……」

飛鳥(どうする……?蘭子には遠距離攻撃がある。このままじゃ格好の的だ……)

飛鳥(ビル建ち並ぶこのフィールドでは隠れられたらこちらが断然不利だ……ならば)

飛鳥「ならば隠れられないようにすればいい…………全てを燃やし尽くせ!獄炎よ!」


ゴオオォォ!!!!


飛鳥「障害物は!全て燃やす!」


246 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:18:13.43 ID:gOYqN5Bh0

>>244 文字化けしてたので再投稿




蘭子「ならば我も!持てる力を全てぶつけよう!」

飛鳥「望むところだ!やああぁぁ!!」ブンッ


ギィン! バチバチ!!


蘭子「グッ……!」ビリビリ

飛鳥「ボクの剣は受け止めてもダメージが通るぞ!どうする蘭子!!」

蘭子「う゛ぁ゛ぁ!! グッ…《揺籠揺らす雷》」

飛鳥「な!?」バサァ!

蘭子「逃がさぬ!」ズバァ!!

飛鳥「ぐぁ゛…!」


ピシャァァン!!


飛鳥「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!!」ヒュウゥゥ…

蘭子「終わりよ!」ビュン!

飛鳥(蘭子がボク目掛けて飛んでくる…速度は強化されてない……なら)

飛鳥「ギリギリで…」ボソ

蘭子「やああぁぁ!!」

飛鳥「今だ!炎!!」ゴオォォ!!

蘭子「きゃあああ!」

飛鳥(今のうちに回復を!きらりさん!使わせて貰うよ!)ゴクゴク


ゴオオォォ……


飛鳥(この音…?)


ズドォ!!


飛鳥「あ゛…ガッ!」

飛鳥(蘭子の隕石…!)


ヒュウゥゥ! ドシャァァ!!


飛鳥「ぁ゛あ゛あ゛!!」ズザザザザ!
247 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:19:07.47 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「くっ…!地面に激突するまで吹き飛ばすとか……なんてデタラメな……!」

飛鳥(回復してなかったらやられていた……回復した分を削られたって感じだ)

飛鳥「ありす、君のも使わせてもらうよ」ゴクゴク

飛鳥(残りはスタミナと両コストが全回復する、ありすのチョコだけ……)


《揺籠揺らす雷》

ピシャァァン!


飛鳥「くっ…!」バサァ!

飛鳥(一体何回使えるんだあのスキルは!?回数上限のあるタイプじゃないってことか……?)

飛鳥「なによりもまず近づかないと…!この距離ではボクの攻撃は届かない……!」

飛鳥「!?」キョロキョロ

飛鳥「………そうか、そういうことか」

飛鳥「近付こうにも蘭子に身を隠されては近付けない。と、そういうことか……」

飛鳥(どうする……?蘭子には遠距離攻撃がある。このままじゃ格好の的だ……)

飛鳥(ビル建ち並ぶこのフィールドでは隠れられたらこちらが断然不利だ……ならば)

飛鳥「ならば隠れられないようにすればいい…………全てを燃やし尽くせ!獄炎よ!」


ゴオオォォ!!!!


飛鳥「障害物は!全て燃やす!」

248 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:20:05.47 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥(回復した攻コストは使い切って構わない!確実に蘭子の位置を捕捉し続けられる状況を作れ!)


ゴオオォォ!!!!
パキッ…パリン!
ガシャァン!!

ゴゴゴゴゴゴ……ゴシャァァ!!!!!!


飛鳥「………………」

飛鳥(燃えたビルのガラスが割れてガラスの雨が降り、木造だったのだろうか?背の低い建物が音を立てて崩れ落ちた……)

飛鳥「いや…うん……我ながらすごい地獄を作り出してしまったな」

飛鳥「大丈夫大丈夫…ゲ、ゲームだから、これは……うん」

飛鳥「…………し、しかし!まだだ!蘭子が隠れられなくなるまで!徹底的に燃やす!」

249 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:22:13.76 ID:gOYqN5Bh0

ゴオオォォ!!!!


蘭子「きゃああぁぁ!!」バサァ!!

飛鳥「そこか!」ゴオォォッ!

蘭子「クッ……獄炎の使い手よ……」

飛鳥「そうさ、ボクはこの炎で地獄を作り出す」

蘭子「しかし、我は地獄の炎ですら克服してみせようぞ!」パキッ

飛鳥(レイド報酬の回復アイテム!)


ゴクゴク…


蘭子「いざ往かん!理(ことわり)の頂点へ!《堕ちる星の調べ》」

飛鳥「くっ…!」バサァ!


ゴオオォォ……


飛鳥「しかし!キミの姿は見つけた!」バサァ!


ヒュンッ!


飛鳥(避けれた!このまま蘭子の元まで突き進む!)バサァ!!


250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 10:23:09.63 ID:3YNm1FGDO
燃やせ燃やせ真っ赤に燃やせ、いたる所に火をつけろ♪
251 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:23:41.56 ID:gOYqN5Bh0

蘭子「クッ…!《揺籠揺らす雷》《揺籠揺らす雷》《堕ちる星の調べ》」

飛鳥(回復した後にそれだけ撃つってことは、コストかスタミナを消費するタイプのスキルなんだろう)


ピシャァァン!

ピシャァァン!

ゴオオォォ……

飛鳥(雷を避けるのは慣れてきた…!次だ!)バサァ!


ヒュガッ!


飛鳥「ガぁ!? ぐぅ…!」

飛鳥「かすっただけだ!これでボクを止められると思うなよ!《桜風リフレイン》」


サアアァァ……


蘭子「獄炎の大地に……花が……」

飛鳥「余所見をしていていいのかい?蘭子!」ブンッ!

蘭子「《シンデレラガール》」フッ…

飛鳥(消えた!きっと背後だ!この勢いのまま前進する!)バサァ!


ブンッ!


蘭子「クッ…しかし!幾ら逃げてもこの魔王からは逃げられぬ!」

飛鳥「もう一度言うよ、蘭子。余所見をしていてもいいのかい?」

蘭子「何?」

252 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:26:04.63 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「ボクがただ余所見をさせる、そのためだけに桜を咲かせたと思ってないか?ま、目眩しという意味では同じだけれど…ね」

蘭子「……? 一体何を」

飛鳥「桜の花弁はボクの意のままに動く!」

飛鳥「そしてボクを見ているということは!キミの背後から迫りくる花びらたちを見ていないということだ!」

蘭子「え?」クルッ


ブワアアァァ!!


蘭子「きゃああぁぁ!!顔に花びらが…!ぺっ!く、口に……!ぺっ!ぺっ!」

飛鳥「顔中桜の花だらけ…それではボクのことを見ることもできまい……さぁ…終わりだ、蘭子!」チャキ!

蘭子「ゆ、《揺籠揺らす雷》」


ピシャァァン!


飛鳥「おっと!」バサァ!

飛鳥(見えてなくても声でだいたいの位置が分かるか…)


253 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:42:55.00 ID:gOYqN5Bh0

蘭子「《揺籠揺らす雷》《揺籠揺らす雷》《揺籠揺らす雷》《堕ちる星の調べ》」ブンッ!ブンッ!


ピシャァァン!ピシャァァン!ピシャァァン!
ゴオオォォ… ヒュン!


飛鳥(くっ…!デタラメに撃ってきている!軌道が読めない!それに剣もデタラメに振っている)

飛鳥(蘭子の近くは危ないが、近くに行かないとボクの攻撃が届かない……桜の花が言うことを聞くうちに懐に入っておきたいが……)


飛鳥(……ん?)

飛鳥(蘭子の近くで…安全な場所……?)

飛鳥「ははっ……あるじゃないか…!」バサァ!

254 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:43:31.36 ID:gOYqN5Bh0

蘭子「《揺籠揺らす雷》《揺籠揺らす雷》」ブンッ!

ピシャァァン!ピシャァァン!

蘭子「《堕ちる星の調べ》《堕ちる星の調べ》」

ゴオオォォ… ヒュン! ヒュン!

蘭子「クッ…宿敵飛鳥よ……何処にいる…!」ブンッ!

蘭子「クッ…!」ブンッ!ブンッ!

蘭子「《揺籠揺らす雷》」


蘭子「ゆ、《揺籠揺らす雷》《揺籠揺らす雷》」


シーン……


蘭子「はぁ…はぁ……」


ハラリ……


蘭子「意思を持ちし花弁が効力を失って落ちて征く……」

蘭子「我が…宿敵は……?」

255 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:50:30.31 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「フッ…もう終わりかい?蘭子……」

蘭子「し、下!?」

飛鳥「ボクはまだ、動けるよ!」カリッ

飛鳥(これが最後の回復アイテム…見てるかい、ありす…情報収集と言いながらもボクは逃げてばかりだった。だから、キミのあの時の勇敢さを今……その想いを託された者として!)モグモグ

飛鳥「キミに少しでも近付けるように!やああぁぁ!!」バサァ!!

蘭子「クッ…!」バサァ!

飛鳥「逃がさない!ここで全て出し切るんだ!炎よ!蘭子を包め!」ゴオオォォ!!

蘭子「きゃぁっ!」

飛鳥(上をとった!)バサァ!

飛鳥(このまま炎を噴射させ続けて地面に激突させる!)

飛鳥「あああああぁぁぁぁぁ!!!!!」


ゴオオオオォォォォ!!!!!!


蘭子「う゛う゛うううぅぅぅ……!!」


ドゴォ!!
メラメラメラ……


飛鳥「今度こそ…やった……」


飛鳥「いや」


256 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:51:15.28 ID:gOYqN5Bh0

ガラ…


飛鳥(フラフラだが、まだ立っている……なら!このまま急降下してその勢いのまま斬る!それで終わりだ!)バサァ!


チャキ…


飛鳥(蘭子が勇者の剣を掲げた…?)



蘭子「《双翼の独奏歌》……解除」フッ…

飛鳥「な!?」フッ…

257 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:53:06.15 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥(翼が消えた!)

飛鳥(マズいマズいマズい!!翼がなければ空中で姿勢の制御が出来ない!このままじゃただ落下するだけだ!)ヒュゥゥ…

蘭子「さあ!我が宿敵!飛鳥よ!そのままこの剣の元へ堕ちるがいい!」

飛鳥「くっ…!それが狙いか……!」

飛鳥(このまま落ちればこの勢いのまま蘭子の剣で串刺しだ!どうする!?)

飛鳥(コストはさっきの炎で全部使ってしまった!炎は出せない!スタミナはあるが手に電気を纏われせても意味がない!他のスキルは全て回数切れだ!)

飛鳥(何かないのか……?せめて一振りだけでいい、蘭子の剣をやり過ごせる手は…!)


258 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:54:32.28 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥(………いや?本当に全て回数切れなのか?ひとつ、制限とは無縁のスキルが)


飛鳥「蘭子!」

蘭子「!」

飛鳥「ボクの今ある全てで!ボクは!キミに!勝つ!」ブンッ!

蘭子「何か投げ…!?」スパッ!!


ガシャァン!

蘭子「これは……小型の機械?」

飛鳥「《壊れかけのラジオ》さ。今はもう完全に壊れてしまったがね」

飛鳥「一度振り下ろした剣はまた振り上げなければいけない!だが!その隙は与えない!」

蘭子「な!?」

飛鳥「これで終わりだあああああぁぁぁぁぁ!!!」


ザクゥゥゥッ!!!!

ガシャァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!


259 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:55:10.07 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「うぐ……けほっ…ボクは……なんとか、無事…か」

飛鳥「剣を前に出して、落ちる勢いそのままの体当たりだったからな……そりゃボクも危ない目に逢うか」

飛鳥「蘭子は……」


ピーンポーンパーンポーン♪


飛鳥「!」

260 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:55:41.76 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「!」

晶葉『あーテステス。全員聞こえているな?ま、全員といっても1人しかいないんだが』

飛鳥「1人……?」

晶葉『ただ今、1人を除いて全てのプレイヤーがリタイヤした!つまり優勝者が決まった!』

飛鳥「え……」

晶葉『優勝者は!二宮飛鳥だ!!』

飛鳥「ボ、クが……優…勝…?」


261 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:57:43.14 ID:gOYqN5Bh0

---事務所---


飛鳥(なんといえばいいのだろう……実感がない)

飛鳥(ボクが蘭子と戦い始めた時には本当にプレイヤーの数が少なくなっていたらしい)

飛鳥(そしてその数少ないプレイヤーも、蘭子の雷や、ボクがビル群を燃やした時の炎で全滅していたらしい)


心「ま、そういうことだゾ☆ かつての仲間に向かって火を放つなんて!飛鳥ちゃんはそんな子だったのね……」ヨヨヨ…

飛鳥「いや、あの…その…すまない…」

梨沙「仲間って言うけど、アンタゲーム中に飛鳥の役にたったこと何もなかったじゃない」

心「え!?そんなことは…………あれ?いやいや、そんなことは………う〜ん……おや?」

晴「ないな」

梨沙「ないわね」

心「いやいや!そんなことはないハズ!ほ、ほら!実際はアレだったかもだけど、飛鳥ちゃんの心の清涼剤として、ね☆」

飛鳥「皆無かな」

心「そ、そんなぁ〜!?」

飛鳥「フフ…嘘だよ」

心「飛鳥ちゃ〜ん!」ダキッ

飛鳥「いや、あの…心さん…そんなにくっつかないで頂けると」

フレデリカ「そんなことより!実はみんなに話があります!」

心「そんなことて」


262 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:59:05.14 ID:gOYqN5Bh0

フレデリカ「バーン!実はアタシも仲間だったんだよ!気付かなかったでしょー!」バーン!

飛鳥「いや、まぁ……うん」

晴「最後に自分で名乗ってたしな」

梨沙「ていうかなんでずっと猫のままだったのよ」

心「え、あの猫フレちゃんだったの?」

フレデリカ「いえーす!ぼんじゅーる!しるぶぷれ〜 あっさらーむあらいくむ〜」

飛鳥「もう何がなにやら…」

フレデリカ「で、なんだっけ?『何故フレちゃんが巌流島の戦いの勝者と同じ名字なのか』だっけ?」

梨沙「全然違うわよ!なんで猫の姿のままで人間にならなかったのかって話よ」

フレデリカ「そんな話もしたことあったね〜」

梨沙「今!してるの!!」


263 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 10:59:41.14 ID:gOYqN5Bh0

フレデリカ「あれはね〜《フレデリカ、猫やめるよ》っていうスキルのせいでああなってたんだよ」

心「どういう能力だったの?」

フレデリカ「猫をやめる能力」

飛鳥「……ん?」

フレデリカ「猫をやめる能力だよ」

梨沙「猫をやめるってどういうことよ、人間に戻るってこと?」

フレデリカ「そういうこと!」

心「猫に変身するとかじゃないの?」

フレデリカ「猫にはなれなくて、できるのは猫をやめるだけだよ」

晴「えーっと?つまりどういうことなんだ?」


264 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 11:00:22.83 ID:gOYqN5Bh0

フレデリカ「猫をやめるためには猫になってないといけないから、フレちゃんは猫の姿の状態でゲームスタートしたのだ!」バーン!

飛鳥「フム……『猫をやめるためには猫になる必要がある』…なかなか哲学的じゃないか」

晴「そうなのか?」

梨沙「さあ?」

飛鳥「それはそれとして、心さんはいつまでボクに抱きついているつもりなんだい」

心「そういえば、きらりちゃんとありすちゃんはどうしたの?」

飛鳥「あの」

フレデリカ「きらりちゃんは杏ちゃんを連れて行ったよー。この前レッスンサボったみたいで、埋め合わせだって」

梨沙「ふーん。で、ありすは?」

飛鳥「ありす、か……」

晴「飛鳥?」

飛鳥「ありすはね……」

フレデリカ「ありすちゃんは?」

飛鳥「ボクの顔を見た途端逃げていったよ……」

梨沙「なんで!?」


265 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 11:01:04.52 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「いや…分からない」

心「飛鳥ちゃん」ス…

飛鳥「心さん?」

心「ありすちゃんを探してこい☆」

飛鳥「いや、急に何を…」

心「いいからはやくはやく!」

飛鳥「え?あぁ…うん」


266 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 11:01:35.27 ID:gOYqN5Bh0

---廊下---

飛鳥「一体なんだったんだ?」

飛鳥「ん?あれは……ありす!」

ありす「!」ダッ!

飛鳥「あ、なんで逃げるんだありす!」ダッ!

ありす「に、逃げてません!」

飛鳥「逃げてるじゃないか!」

ありす「それは…そ、それは飛鳥さんが追いかけるからです!」

飛鳥「ありすが逃げるからじゃないか!」

ありす「逃げるから追いかけるって、犬ですか!」



267 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 11:02:02.45 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「待ってくれ!ありす」

ありす「う…」ピタ…

飛鳥「なんでキミが逃げるのかは分からない。でも、ボクはキミに言いたいことがあるんだ」

ありす「……な、なんですか?」

飛鳥「…ありがとう」

ありす「…………」

飛鳥「ありすのおかげで勝てた。きっと、ありすがいなかったらすぐにリタイアしてただろう……いや、『きっと』じゃなく『絶対』に」

ありす「……こっちこそ、ありがとうございました…飛鳥さんと一緒に戦えてよかったです…楽しかったです」

飛鳥「あぁ。ボクも楽しかったよ」

ありす「はい……」


268 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 11:03:02.22 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「ありす」

ありす「な、なんでしょう」

飛鳥「正直に言うよ、ボクはキミに避けられる心当たりがない。何故ボクを避けるのか、教えてもらえないだろうか?」

ありす「い、いいいいえ!飛鳥さんが悪いわけじゃ……あの……そ…その……えと…」

飛鳥「ボクが原因じゃないのか?」

ありす「はい!それはもう!絶対に!」

飛鳥「じゃあなんで…?」

ありす「あぅ…それは…」

飛鳥「それは?」

ありす「その…えと……は、恥ずかしい……から」

飛鳥「…………へ?」

ありす「恥ずかしかったんです!終わってみたら!なんなんですかあの時の私は!変な事ばかり口にして!…えと、それで…あの」

飛鳥「……フ」

ありす「うぅ……」

飛鳥「フフ……ハハハハハ!!」

ありす「あ、飛鳥さん?」


269 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 11:04:09.01 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「いや、すまない」

ありす「なんなんですか……」

飛鳥「そうだな、ありすもゲームの中では『痛い奴』になってたかもしれないな」

ありす「な!?」

飛鳥「ゲームの中では言えたんだ。あとは現実(こっち)でも似たようなことを言えるようにならなきゃね」

ありす「なりませんよ!飛鳥さんと一緒にしないで下さい!」

飛鳥「…ん?どういう意味かなそれは」

ありす「なんでもないです!」

飛鳥「なんか引っかかるな……」

ありす「早く行きますよ!きっとみんな待ってます!優勝者がこんなところにいていいんですか?」スタスタ

飛鳥「まったく…キミのせいじゃないか」

ありす「何か言いました?」

飛鳥「いや、何も」


270 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 11:04:44.49 ID:gOYqN5Bh0

飛鳥「……ありす」

ありす「はい…?」

飛鳥「これからも、よろしく頼むよ」

ありす「はい、勿論です」

271 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 11:05:40.84 ID:gOYqN5Bh0

ありす「そういえば飛鳥さん、さっき感謝してるって言ってましたよね」

飛鳥「あぁ。言ったよ」

ありす「じゃあ何かご褒美が欲しいです。私だってあんなに頑張ったんですから」

飛鳥「しょうがないな。そうだな…じゃあ、カレーメシでいいかい?」

ありす「え゛… それはちょっと……」

飛鳥「フフ……冗談だよ」




     ---おわり---


272 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 11:28:01.75 ID:gOYqN5Bh0

これにて幕


熊本弁だったりきらりん口調だったり、何故こうも喋り方の分からないなキャラばかり出してしまったのか……


iPhoneの『!?』『!!』『う゛』が文字化けするとは知らず、そのまま続けてしまったこと、本当に申し訳ありませんでした。


ではHTML依頼出してきます
273 : ◆a4r7B45BeM :2020/07/26(日) 11:41:07.57 ID:gOYqN5Bh0

もしよかったらどうぞ
過去作↓

ありす「もしも魔法が使えたら」
https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1480253309/


文香「………停電、ですか?」
https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1480432408/


P「アイドル達に抱いている欲望?」
https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1481727918/


橘ありす「いい加減にしてください」
https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1567808255/
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 14:05:15.80 ID:3YNm1FGDO


よかったよ〜
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