貴方「僕がヒロインを攻略するまどか☆マギカ…オカルト?」マミ「それは終わったわ」

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108 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/10(月) 22:29:32.65 ID:Bg6291ZZ0
【訂正】>>107 40日目終了→41日目終了
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42日目 冬休み



 ……朝、か。



・何して過ごそうか
1誰かに連絡してお誘い(まどか/さやか/ほむら/マミ/仁美)※キャラによっては断られることもあります
 a遊びに行く
 bパトロールに行く
 c訓練する
 d家に誘う
 e相手の家に行く
2手軽に誰かとチャット(まどか/さやか/ほむら/マミ/仁美)
3QBよぶ ※雑談、相談、杏子への伝言をたのめます
4でかける
 a猫のいた茂み
 b繁華街
 c訓練場所
5家の手伝いでもするか
6自由安価

 下2レス
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/10(月) 22:31:02.05 ID:3zeqxZ190
1e仁美
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/10(月) 22:36:13.08 ID:FNfY+3UJ0
1bほむら
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/10(月) 22:39:12.10 ID:tWb6jxqS0
ほむらどうした?
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/10(月) 22:42:03.64 ID:3zeqxZ190
もしかして期間的に消えたのか?
113 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/10(月) 22:46:39.11 ID:Bg6291ZZ0

※【強制END確認】※
強制ENDまで【残り:2回】→強制ENDまで【残り:1回】



 現時点で攻略途中のキャラクターが二人、かつ、ほむらが未攻略です。

 エンディングはいわゆる世界観の根底をゆるがすタイプのものであり、ほむら自身の好感度も展開に関係します。

 それでも強制エンディングフラグを進めますか?



1強制エンディングへのフラグを進めます
2やっぱやめよう

 下4レス中多数決
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/10(月) 22:47:29.40 ID:FNfY+3UJ0

今はやめろってことか
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/10(月) 22:47:34.61 ID:VzDcBSe3o
1
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/10(月) 22:47:41.94 ID:yo/kxF3c0
1
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/10(月) 22:47:48.42 ID:3zeqxZ190
1
118 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/10(月) 23:11:25.54 ID:Bg6291ZZ0


 ……もしかして、昨日は気づいてもらえてなかったのかも?

 もう一度送ってみようか?


 ちょっとためらったけど、もう一度昨日と同じものを送ってみた。

 単に無視されてるだけだったのかもしれないから。……まあ、その心当たりはあった。


貴方(……そうか、単に暁美さんのことが知りたいならさやかに聞けばいいんだよな)

貴方(連絡してみたらって言ったのは俺だし)


 今日も返事はこなかった。

 その代わりにさやかに連絡してみる。


さやか『……ああ、ほむらのこと?連絡はしてみたよ』

さやか『普通にこっちにいるみたい。今頃一人でお雑煮でも食べてるんじゃない?』

貴方「……あ、そうなの?」


 じゃあ、本当に無視されてるだけなのか……。いや、嫌われすぎじゃないか!?


貴方「一人でお雑煮って言い方寂しいなあ」

さやか『言ってやるなよ!』

貴方「ていうかそれも想像だろ。……でも、一人暮らしでこっちにいるならそうなるのか。お雑煮自体食ってないかもしれないけど」

さやか『帰ってやればいいのにねー。家族仲悪いのかね?』


 暫くさやかと電話口でとりとめのない話をして過ごす。

 ――その間も返事がくることはなかった。



四回目【貴方】 42日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・問題共有
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい→
・佐倉杏子・・・自分のことを話した
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美


強制ENDまで【残り:1回】
119 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/10(月) 23:59:34.67 ID:Bg6291ZZ0
43日目 冬休み


 ……朝だ。


 まだ半分あると思っていた冬休みももうすぐ明けてしまう。

 なんだか少し無為に過ごした気がするな。



・何して過ごそうか
1誰かに連絡してお誘い(まどか/さやか/マミ/仁美)※キャラによっては断られることもあります
 a遊びに行く
 bパトロールに行く
 c訓練する
 d家に誘う
 e相手の家に行く
2手軽に誰かとチャット(まどか/さやか/マミ/仁美)
3QBよぶ ※雑談、相談、杏子への伝言をたのめます
4でかける
 a猫のいた茂み
 b繁華街
 c訓練場所
5家の手伝いでもするか
6自由安価

 下2レス
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 00:00:35.39 ID:bTulGf/w0
a
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 00:00:47.92 ID:V3gAVYCMO
3杏子に伝言
パトロールに誘う
122 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/11(火) 00:36:22.55 ID:wZH+dhK70


貴方「キュゥべえ、いる?」

QB「はいはい!なにかな?」

貴方「…………!」


 なんとなくそんな気はしてたけど、なんかもう当然のようにきやがった。


QB「??」

貴方「……いや、本当に来るとは思ってなかった」

QB「これまでと変わらないサポートを提供するためだよ!今までだったら学校にいけば杏子以外は揃ってたけど、今はみんなバラバラだから大変なんだよね」

貴方「いやたぶんそれはサポートという名のストーカー」

QB「それで、呼んだからには用があるんじゃないのかい? いつもと同じくらいの用件なら承るよ?」

貴方「じゃあ……佐倉さんに会ったら伝言頼めるか?パトロールに誘いたい。時間はいつもの放課後くらいからで構わないから。待ち合わせ場所は――」


 ――ふむふむと頷いて、キュゥべえは飛び去って行った。

 夕方まで暇だな。少し時間を潰すことにした。


――――
――――


 夕方になって、街に出る。街中から、街の隅っこへと。

 待ち合わせ場所に選んだのはいつもの訓練場所だった。この前もここで会ったから、なんとなくだった。


貴方(キュゥべえはちゃんと伝えてくれたみたいだな……)


 人目につかないほうへと踏み込んでみると、先に来ていた佐倉さんが一人で訓練してる姿があった。

 こういうの見るのって珍しいな。巴さんから指導されてたり、逆にさやかとかを指導してたりするのは見るけど、自己鍛錬ってあまり見ないから。

123 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/11(火) 01:10:00.96 ID:wZH+dhK70


 この前とは逆に、気づかれないようにそーっと近づいてみようとする。


杏子「!」


 ――が、さすがに気配を察する力にも長けているらしい彼女の方が一枚上手だった。

 振り向きざまに突き付けられた槍には必要以上の敵意は感じられない。相手が誰だかもわかった上で、驚かされただけだった。


貴方「さ、さすがだね。佐倉さん」

杏子「あたしの背後を取ろうなんて百年早い。じゃ、行くか?」


 さすがに百年は言いすぎだと思う……。そんなことを思いながら出発した。

 冗談のやりとりをできるようになっただけ進展したといえるのかな。


貴方「たまに一人で訓練してるんでしょ? 佐倉さんも努力家なんだね」

杏子「まあ、むしろ一人になるついで? たいしたことじゃない」

貴方「そうか。そう言えるのがすごいよ。俺もがんばんなきゃなぁ……」

杏子「おー、頑張んな。あたしなんかよりずっとご立派な志掲げてるんだろ?」


 投げやりな言い方だけど、一応応援と受け取っておいたほうがいいのかな。

 足頼みに怪しい場所を回っていく。ある程度はパトロールのルートは決まっていた。

 そのうちに魔力の反応を見つけ、結界に入っていった。

124 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/11(火) 01:14:09.08 ID:wZH+dhK70
-------------------------
今日はここまで あしたもたぶんやる
125 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/12(水) 01:35:30.19 ID:N2BbTA6k0


貴方「この結界、暗くて足元が見づらいな……そうだ!ソウルジェムで照らすのはどうかな?魔力の使い方次第ではライトにできる!」

杏子「魔力の使い方としちゃ考えたほうかもな。でも却下だよ」

貴方「えっ、なんで!?」

杏子「この通路、そんなに狭くないし。こんな暗いとこに住む住人はあたしたちより闇にも目が慣れてるだろうねえ」

杏子「そんな中で目立つことしたら相手にも目印知らせるようなもんじゃん?」

貴方「ああ、言われみればたしかに……」

杏子「それに、光だけじゃない。あたしたちが魔力を辿ってここまで来たように、魔女や使い魔だって魔力に反応する」

杏子「囲まれたらちょっとキツいんじゃない?――まあ、あたしならまとめてぶっとばせないこともないけど」


 佐倉さん、考えるより動くのが得意そうなタイプに見えて意外と考えてるんだなって思った。

 ……経験の量か。


杏子「しっかりしてよ、ガッコじゃ頭いいんでしょ?アンタ」

貴方「あれ……それは誰から聞いた?」

杏子「まどかが話してた」


 鹿目さんが俺の話を、かぁ――……なんて、浮かれてる場合じゃない。


杏子「まあこのくらいならそんなに見えないわけでもないだろ」

貴方「! じゃあ、魔力で視力のほうを強化する方法は?それなら使う魔力も少しで済む」

杏子「いいんじゃない? アンタに言われたのが悔しいけど、認めてやるよ」

貴方「悔しいって、そんなぁ」


 佐倉さん、素直すぎるのか素直じゃないのか、どっちが近いのかな。

 まあまだ他の仲間に比べて信頼しきってないのはわかってる。地道に認めていってもらうしかないか。

126 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/12(水) 02:00:17.23 ID:N2BbTA6k0


 ――魔力を目の神経に通していくと、目に入る光が増幅され、暗闇でも細部まではっきりと輪郭が見えるようになった。

 視力といっても、普通に健康診断で測るような距離によるものの見え方だけではない。

 今だけ普通の人間の目よりも夜行性の猫や猛禽類の目の性能に近くなる。


杏子「見えるようになったな。じゃ、いくか――――っ、ん?」


 隣でなにかをぐにゅっと踏みつけたような音がした。さっきからも歩いているうちにたびたび足を取られることがあった。

 改めて足元を見てみると、なんかとりもちのような――汚い話をすれば痰の塊のような――粘着物が落ちていた。


杏子「……! きっも、うわきっも!!」

貴方「これは見えないほうがよかったかもな……」


 しかし、良く見えるようにしたのにその直後に踏んづけるって、うっかりなとこもあるのかな。


杏子「とっとと魔女を倒すぞ!こんなとこさっさとオサラバしてやる!」

貴方「それには賛成だ。……それにしても、なんで魔法少年は少なからずいるのに敵は魔女だけなんだろう?」

杏子「知るか。キュゥべえが言ってたからってだけだよ。化け物共に性別もなにもないと思うけどな」

杏子「じゃあこんなキモイことするのは男だろ」

貴方「それは男女差別……」


 とはいえ、見えるようになったらだいぶ気持ちの悪い結界だ。

 これで家主が女……というかメス?と言われたらちょっと引くかもしれない。


貴方(それこそ化け物相手に考えることでもないか……)

127 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/17(月) 00:01:22.00 ID:B3NRTABa0


 ――――結界の奥に居たのは予想通りの化け物らしい見た目の化け物だった。

 最深部に来た途端、眩しいまでの明かりが部屋全体を照らしていた。視力の強化に当てた魔力を解除する。


杏子「なんか思った通りの奴だなあ」

貴方「たしかにね」

杏子「さっさと片付けるか!」

 
 佐倉さんが先に攻撃を仕掛けにいく。これには注意をひきつける意味もあった。

 魔法少女として先輩だからということもあるが、彼女が率先して切り込み隊長になっていることが多かった。

 毎回こういう危険な部分を任せるのも気が引けるけど、やっぱり上手く出来るのは彼女のほうだし、プライドもあるんだろう。


 佐倉さんは武器のリーチが長く足も速い。おまけに一撃の威力もある。いざとなれば力押しでなんとかすることもできる。

 こっちも中距離までは対応できるけれど、もっと近づかないとそこまでの威力は出ない。


貴方(前も思考を大事にってのは言われてたもんな……できることを活かさないと!)


杏子『よしっ、回り込んだな!』


 死角を突いた攻撃で結界の壁へと拭き飛ばし、飛び道具で磔にする。

 魔女が起き上がらないうちに、佐倉さんが槍を振るって勢いをつけた一撃でトドメを刺す。

 連携はスムーズだ。


杏子「いっちょあがりか」

貴方「なんとかなったね」


 近くに居た佐倉さんがグリーフシードを掴みあげ、今回も何事もなく終わった――――と思った矢先だった。


杏子「…………は?」


 こっちももう気を抜いてたし、佐倉さんがそんな声を上げたことすら深く気に留めなかった。


 ――――景色が変わるまでは。

128 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/17(月) 01:31:03.20 ID:B3NRTABa0


 魔女を倒せば結界は消滅し、元の景色が戻ってくる。しかし今回は予想と違う。景色は戻らず、『別の物』に塗り替えられていく。

 気を抜いていた俺も、さすがにその光景を見れば異変は察する。


貴方(別の魔女が潜んでた……!?)


 再び戦闘態勢をとる。何が敵かわからない中、周囲を見回す。

 佐倉さんがグリーフシードを手から離したのが見えた。


杏子「まだだ!セコいマネを……!」


 つまり、倒したと思ったのが偽物だったということだったんだろう。

 それに別の魔力があれば二人もいればどっちかが気づけたはずだ。

 変わりゆく景色の向こうに何かの影が揺らぐ。彼女はそこに再び狙いをつけて穿つ。しかし、魔女が現れたのはその背後だった。


貴方(違う!そっちじゃない――――!)

杏子「これもハズレかよ!」


 現れた影は囮。もちろん佐倉さんもそれにすぐ気づく。

 しかし、囮は囮でも実体を持った囮だ。絡み付いた靄が動きを遅らせた。


 ――――間に合えと念じ、なりふり構わず走り出す。

 俺にもっと実力があれば颯爽と魔女に一撃ぶち込んで助けることもできたのかもしれない。

 今度は巴さんの時みたいにはいかなかった。こんなとき、どう頑張っても何かを犠牲にしなければいけない『限界』があることを思い知った。

129 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/19(水) 22:26:39.72 ID:svJCOAsf0


杏子「……はぁ!?」


 仲間に危機が迫って出来たのは、間に割って入ることだけだった。

 佐倉さんは覚悟していた衝撃が来ず、代わりに訪れた展開に驚いていた。


 敵の攻撃を、腕を伸ばして遮った。その片腕が肘から『無くなっている』。

 自分でも驚くほどに他人事に捉えてた。しかし、自覚すればするほどに痛みが現実味を伝えて悲鳴を上げた。


 ――……他人事じゃない。どうにかなるのかこれ。


貴方(くっ……カッコつけたけど俺も無様だよな、でも)


 身体は起き上がれなくとも心ではまだ踏ん張ろうとする。俺たちの戦いは終わってない。

 正直悔やみそうにもなった一瞬もあったが、それでもやっぱり、こう思った。


貴方「――――佐倉さんが無事で、よかった」

杏子「お前、ホントなにしてんだよ!? ……チッ」


 ベテランでも必ず勝てるわけじゃない。相性次第なことはわかってた。

 でも今までなにかあってもなんだかんだで自分や仲間に大きな被害が出ることがなかったから、こんなことは初めてだった。

 ……大怪我なんてもんじゃない。もし一人だったらどうにもならなかった。


貴方「ごめん……後のこと頼んだ」

杏子「言われなくてもすぐ終わらせてやる!そこで待ってろ!」

130 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/19(水) 23:52:58.28 ID:svJCOAsf0


 ――――ついに目の前に姿を現した魔女を、佐倉さんは今度こそ無駄ない動きでなぎ倒していった。

 囮なしの一騎打ちとなれば佐倉さんが負けるはずもない。戦いに舞う赤色は鮮烈に映った。


 その光景を眺めているうちに戦いは終わっていた。


杏子「……なんでこんなことしたんだよ。言っただろ。あたしは治癒魔法が得意じゃないんだぞ」

杏子「あたしがやられるくらいの相手ならすぐ逃げろって」

貴方「でも……仲間は守るって誓ったから。気付いたら動いてたんだよ」

貴方「それに本当に佐倉さんはすぐに倒してくれたから、佐倉さんが動けなくなるよりはよかったんじゃないかな?」

杏子「馬鹿かアンタ……!」


 そう言いつつ佐倉さんは治してくれてた。

 落とされた腕は幸い回収できた。治療が得意じゃなくても二人がかりで治せば繋げるくらいにはなる。

 ただ完全に修復しきれてないのか失った血の分か、まだ少し違和感は残ってるけれど。


杏子「……自業自得であるべきなんだよ」

貴方「……『自業自得』?」

杏子「今日のはアンタが勝手にヘタ打ったのとは違う。あたしの失敗だ」

杏子「『守れた』なんて思うなよ。下手したらまとめて全滅ってこともありえたんだ」

杏子「仲間ったって赤の他人庇って共倒れとかおかしいだろ。割に合うわけねえ」

杏子「……なんで自分より他人を優先する奴がいっぱいいやがるんだよ、この周りには。まさかとは思ってたがアンタもだったってわけか」


 険しく呟かれたその声は、悔しげな感情も乗せていた。

 ……まるで認めたくないみたいな。
131 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/20(木) 00:40:41.61 ID:55AozeoU0


貴方「前に言ったことも口だけって思われてたなら、それはちょっと悲しいかな」

貴方「……でも佐倉さんは、前から仲間がいる時の失敗は連帯責任だって言ってたよ」

杏子「それとこれとは別だ!」

貴方「自分だけで勝てた自信もないし、むしろ佐倉さんには助けられたと思ってるけどね」

貴方「自分の身も守れなかったのは悔やまれるけど、やっぱり後悔はしてないよ」

杏子「死んでも同じことが言えんの?」

貴方「死んだら何も言えない、っていうのは置いとくとして……自分だけ生き残るよりはきっと。それはそれで後悔して生きてくことにはなるだろうから」

杏子「……そうか」

貴方「佐倉さんこそ、その言い方だとまるで自分は死んでもいいみたいに聞こえるよ」


 佐倉さんは戦いについての考え方はかなり真面目なところがある。

 魔法少女としてはあまり褒められたものではない行動をしてたっていうのも、聞いたことはあった。

 ……凄惨な過去のことが絡んでいるのだろう。この反応を見るにあまり間違ってなかったのかもしれないと思った。


杏子「……あたしはいいんだよ、別に」

杏子「好きでこういう生き方してんだから、それでいつか死ぬのもとっくに了承済みだ」

杏子「まあ、さっきのことは礼はしとく。アンタのことはマジに認めてやるよ」



 『好きで』――と言ったけど、それだけじゃないのも知ってた。

 認めると言ってくれたのは嬉しかったけど喜びきれない気分だった。




四回目【貴方】 43日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・問題共有
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい
・佐倉杏子・・・認められた↑
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美


強制ENDまで【残り:1回】
132 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/20(木) 01:05:10.45 ID:55AozeoU0
44日目 冬休み



 ……契約者にも得意な魔法と苦手な魔法がある通り、身体能力にも差はある。

 俺も回復魔法は得意じゃないけど、苦手というほどでもない。魔法少年として自然治癒力も人並みよりはあったようだ。


貴方(――……よしっ)


 準備運動のように腕を動かす。一日経つと違和感は気にならないくらいには消えていた。


貴方(でも考えてみると、不思議なもんだよな)

貴方(一度完全に切り離されたってのによくくっつくもんだよ……)


 ……思い出したら寒気がしてきた。

 こういうのって戦いに気が向いてる時より、後になってからのほうがくる気がする。



・何して過ごそうか
1誰かに連絡してお誘い(まどか/さやか/マミ/仁美)
※キャラによっては断られることもあります ※ほむら及び強制END関連の選択肢は冬休み明け以降
 a遊びに行く
 bパトロールに行く
 c訓練する
 d家に誘う
 e相手の家に行く
2手軽に誰かとチャット(まどか/さやか/マミ/仁美)
3QBよぶ ※雑談、相談、杏子への伝言をたのめます
4でかける
 a猫のいた茂み
 b繁華街
 c訓練場所
5家の手伝いでもするか
6自由安価

 下2レス
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/20(木) 01:26:32.96 ID:09OjLYvBO
4a
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/20(木) 01:43:50.17 ID:mfmS4vrH0
135 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/24(月) 00:54:49.96 ID:XQCMjiMg0


貴方(そういえば、猫……エイミーはどうしてるかな)

貴方(行ってみるか)


 様子をこの前鹿目さんから聞いたぶりだ。

 散歩がてらにあの茂みへと足を延ばしてみる。鹿目さんほど近所でもないが、遠い散歩というわけでもなかった。


貴方(――――この辺だったよな)


 エイミーが留守でもタオルやトイレといった物が目印になってる。特にトイレはおおきいぶん少し奥を覗けばすぐに見える。

 見つけると少しほっとした。たった数日ぶりだ。毎日通ってるわけじゃないがそんなに時間が経ったわけではない。


貴方(エイミーも散歩にでも出かけてるのか……?)


 相変わらずの寒空だが今日も晴れてる。散歩日和といえばそうかもしれない。

 エイミーは不在らしいので住み処の様子を覗ってみる。

 トイレは綺麗に掃除されてた。使ってないから……というわけではないと思いたい。鹿目さんから聞いた限りでは使ってるらしいし。


 そうしてると、いつのまにか鹿目さんも近づいてきてた。


まどか「あっ、【貴方】くん来てたんだ」

貴方「ああ、ちょっと気になって。トイレもちゃんと綺麗にしてるんだね」

まどか「うん、お掃除はごはんあげるついでにしてるんだけど……」


 鹿目さんはどこか暗い表情で言いよどむ。


貴方「……だけど?」

136 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/29(土) 22:52:45.04 ID:9InJi2Sv0


まどか「掃除したのは一昨日きりなの。ご飯も毎日あげにきてて、減ってることもあるけど、エイミーの姿を見てないんだ」

貴方「一昨日……か。ちょっと心配だね」

まどか「うん。前からここを住み処にしてたし……」

貴方「一昨日からトイレも使われてないんだよな。たまたま鹿目さんが来た時不在だったってだけならまだいいけど」


 その場合はどこで食事とトイレを済ませてるのかが気になるとこだが。

 どっか別の場所で良くしてもらってるとか、誰かが保護したとかなら……寂しいけれど、まだいい。


まどか「……今もご飯持ってきたんだけど、やっぱ心配だよ」

貴方「ご飯たまに減ってるって言ってたのは?」

まどか「エイミーが食べてるのか、他の猫や動物が食べてるのかわからないんだよね」

貴方「そうか。そうだな」

まどか「わたし、今から探しに行ってみる」

貴方「探すって、どうやって? 闇雲に探すのは無謀だよ。魔女みたいに魔力の反応もないんだから」

まどか「無謀でもいてもたってもいられないの」


 鹿目さんは不安そうにしている。

 まあ、たしかに俺も心配だ。ここまで気にかけてきたんだし、野良とはいえすでに自分たちで飼っているような意識はあった。


1(行先提案)
 a公園
 b歩道橋
 c土手
 d廃工場
 e駐車場
2キュゥべえの奴とか知ってたりしないかなあ…
3自由安価

 下2レス
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/29(土) 22:58:45.04 ID:G80TsAp60
安価↓
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/30(日) 00:02:15.97 ID:HbmDKXI7o
単発だけどいいよね

役所の清掃事務所に相談
死んでないかだけでも確認する
139 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/30(日) 00:36:33.81 ID:HBJBAFBr0
もちろん歓迎ですよー
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貴方「あのさ……縁起でもない話だけど、どこかでもし動物が死んでたりした場合って、どうなるのかな」

まどか「ふえ……? どうって……」


 いけない、さらに不安そうになってしまった。


貴方「ごめん、最悪の場合を確認したいだけだから……。そういうとき、街に片づける人がいるんじゃないかと思って」

まどか「あ…… その人に聞けば確かめられるかもってこと? 誰に聞けばいいのかな?」

貴方「街の…… 市役所の人とか?」

まどか「市役所かぁ。そうだね、闇雲に探し回るよりもまずは聞いてみたほうがいいのかも」


 鹿目さんも納得してくれたようだ。とりあえず二人で市役所に向かう。

 ネガティブなことばかり考えてたわけじゃない。俺だって安心がしたいんだ。


 ――――そして、目指すは駅のほう。見滝原のもっとも賑わう中心部。

 普段そうそう入ることのない場所に足を踏み入れるのは少し緊張する。


貴方「……ここか」

まどか「えぇと、どこに行けばいいのかな……?」


 こっちはただの中学生二人。周りには大人ばっかりだ。来てみたはいいものの広すぎて尻込みしてしまう。

 そうしていると、案内の人が声をかけにきてくれた。

 事情を話して案内された先で待つ。


まどか「エイミー、大丈夫かなぁ……」

貴方「だ、大丈夫だよ、きっと…… ここに来たのも念のためだし」


 特徴は伝えた。首輪があるのが役に立った。黒猫というだけではいくらでもいるだろうから。

 なによし、そんなありふれた外見特徴だけでエイミーだなんて信じたくない。

 でももしこれで遺体を片づけたって聞かされたら信じるしかないんだろうか。


 悩み始めた時に呼ばれる。

140 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/30(日) 01:09:55.88 ID:HBJBAFBr0


貴方「――――あっ、そうなんですか?」

まどか「よかったぁ……」


 ――――結論から言って、特徴に一致する猫の遺体を清掃した報告はないらしかった。

 俺たちみたいな子供相手でも優しく話してくれる人でよかったと思う。

 ひとまず最悪の返事は聞かされなかったけど、まだ安心できたわけではない。


まどか「うん、見つかったわけじゃないからまだ心配だね……。どこにいるんだろう」


 ただ――、こうも釘を刺されてしまう。


*「君たちの飼い猫なんだよね?出来ればこうやって心配することがないように、完全室内飼いを推奨しますよ。やっぱり平均寿命も違いますから」

貴方「え……、あー」

まどか「野良猫なんですけど……」


 言葉に詰まって、鹿目さんが代わりに言った。

 ……死骸もだが、この人たちは前に鹿目さんのお父さんが気にしてたように糞尿も片づけてそうだ。


 提案されたのは、里親を探してみてはどうかということだった。ボランティア団体に頼れば引き受けてくれるとこもあるらしい。

 保健所は拒否感がある。そこでも募集はしてくれるらしいけど、一定期間以内に決まらなければ処分だそうだ。

 それはいやだ。


貴方「と、とにかく、エイミーを見つけなきゃだよな。振り出しに戻っちゃったけど……」

まどか「一つ情報が得られただけでも嬉しいよ。少し安心もできたから」

141 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/08/30(日) 02:36:29.85 ID:HBJBAFBr0


 帰り道、回り道をしながら元の場所へと戻るように歩いてみる。

 道の隅に注意を向けてみると、野良猫は稀に見かける。でも首輪をしてるのはそう見かけない。

 思った通り、闇雲に探すのはきつい。注意を張りすぎて、猫かと思ったらビニール袋だったこともあった。


 ……結局見つからずに戻ってきてしまったと思ったが、エイミーはあの場所の近くに居た。

 黒い塊のように道の隅にうずくまってる首元にはたしかに前につけてあげた首輪があった。


まどか「エイミー!こんなところに……! もどってたんだね」

貴方「なんだ、戻ってたのか。よかった」

まどか「……エイミー?」


 近づいてもいつもみたいに寄ってくることもなく、力なさそうに見えた。

 よく見てみると怪我をしてるみたいだった。多分、傷痕からして猫同士の喧嘩だろうか。

 猫は具合が悪くなると姿を隠すっていうのはどっかで聞いたような気はする。


まどか「エイミー!」


 鹿目さんもそれに気づくと、そばに寄っていって治癒魔法をかける。


まどか「……怪我してたから姿を見せなかったのかな?喧嘩したんだよね」

貴方「それで隠れてたのかな」

まどか「縄張りを争って負けちゃったのかなぁ……」


 そういえば、魔法少年・少女の世界もグリーフシードを巡って縄張り争いは多いと聞いたっけ。

 より稼げる場所を求めて元居た契約者を追い出したり、追い出されたりは日常茶飯事らしい。

 自分たちのいる世界と少しだけ被る。入った頃には攻め入る隙もないほどチームが出来上がってたから、実感はほとんどないけれど。

 ……考えてみれば、野生っていうのはもろにそういう世界だよな。思っていたよりも過酷だ。


 魔法の力があればたちまち怪我は治る。医者なんかに診てもらうよりもはるかに早く完璧だ。

 ……しかし、それですべて解決とは思えなかった。


まどか「……【貴方】くん、わたし、やっぱり里親探してみようと思う」

142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/03(木) 20:22:50.76 ID:Q2ueVRnW0
ここも平日無理かあ
143 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/09/04(金) 00:42:02.94 ID:o3TxXGyN0


まどか「役所の人にも言われて気づいたの」

まどか「最初はお腹すかせて可哀想だからって思いで始まった。だけど、ご飯をあげてればいいわけじゃなくて、他にも気にすることがたくさんあって……」

まどか「必要なものは揃えたつもりだったけど、本当だったらこういう予想外のことが起きた時にお医者さんにつれてくお金も用意できないから」


 ……さっきの市役所でも聞かされていた。

 猫を保護している人たちが何をやっているか。かかる費用。これからワクチン注射や避妊手術もしなきゃいけないらしい。

 その金も自分たちでは払えないし、野良のままでは車に轢かれたり動物や悪い人に襲われる危険から守れない。


まどか「エイミーはとてもわたしに懐いてくれたし、わたしも張り切ってた。出来ることはなんでもしようって思ってた」

まどか「でも……エイミーのことも人のことも考えたら、これが一番いいんだと思う」

貴方「うん。実際、鹿目さんはよくやってたと思うよ」

まどか「ありがとう、【貴方】くん……」


 そう言った鹿目さんは、やっぱり寂しそうで。

 ご飯をあげた。お世話をした。名前を付けた。首輪も着けてあげた。半分は飼ってるって感覚はあった。


貴方「……俺もここまで見てきたから他の人の家に行くのは寂しいけど、寂しいってだけじゃやっぱエゴなんだよな」


 でも結局、“二人の秘密”にしかできなかったのも後ろめたい気持ちがあったからだ。


貴方「二人でエイミーに最高の里親を見つけてあげよう!」

まどか「うん!」


 行き先が決まるまでの数日くらいなら、エイミーを家に置くのも親に頼み込めばなんとかなるかもしれない。

 幸い二人ともペット禁止の家ではない。

 そう決めて、まずは近い鹿目さんの家に頼みに行くことにした。



 ――――……こうして、初めて二人で共有した“秘密”は幕を閉じた。

144 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/09/04(金) 01:15:56.10 ID:o3TxXGyN0


まどか「ママ、本当にいいの!?」

貴方「話してみてよかったね……」


 鹿目さんの家には今日も両親が揃ってた。

 大人からしたら新年最初の平日が終わった週末、らしい。俺たちからすればもう少しで冬休みが終わっちゃうなぁと思う頃だけれど。


「にしても、野良猫かぁー。最近まどか毎日のようにコソコソ家を出てるから何かと思ったけど、そんな理由とはね」

「友達とも毎日は遊ばないだろ? ついに好きな人でも出来て密会でもしてるのかと思ったけど、違ったか」

まどか「もう、ママったら茶化さないでよ」

「いや、間違いじゃなかったか?そのこと知ってたのって【貴方】くんだけなんだっけ?」


 クラスメイトとかにも少しくらい話したっけ? でも、多分ここまで関わったのは二人だけかな。

 しかし、こういう風にからかわれるのは嫌じゃないだろうか……。鹿目さんの表情は髪に隠れててよく見えない。


「とにかく、一人で抱え込むなって。言ってくれれば最初から一緒に考えたのに」

まどか「ちなみに、うちでは飼えないよね……」

「うちは……暴君がいるからなぁ」


 視線を向けた先から、元気の良い声が聞こえる。

 こうしてる間にもお父さんはつきっきりで面倒を見てるらしい。


「どうしても飼い主が見つからなかったら考えなくもないけど、まあ子猫だし貰い手見つかるんじゃないか?」


 飼い主が見つからなかったら――それに少し期待を抱きかけたが、そう考えるのは止そうとする。

 新しい飼い主が決まったらもう二度と会うことはないんだろうな。そう思うとやっぱり寂しいけれど、エイミーのためには仕方ないんだよな。


 バッグもなしにここまで大人しくついてきてくれたエイミーを見遣る。

 ……こんなにいい子なんだ。きっと貰い手だって見つかるはずだ。

145 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/09/04(金) 01:37:13.86 ID:o3TxXGyN0


まどか「うん……そうだね」

「じゃ、ネットで募集かけてみるか。今の時代ホント便利になったもんだよ」

「事務的なことはこっちでやっとくから、飼い主を選ぶのはアンタたちにしな」

「エイミーだっけ?その子のこと見てたのは二人なんだろ。きっと合う人を見極められるさ」

まどか「うん。ありがとう、ママ」

貴方「はい!責任をもって見極めます」



 ひとまず、今日のところは鹿目さんのお母さんに任せて帰ることにした。

 休みはもう一日ある。……それはこっちも大人も同じようだった。




四回目【貴方】 44日目終了


★まどかルート★


▼[まどかルート]に入りました。なにもしなくても好感度の上がるイベントが進みます。
 個別ENDの準備はできてます。
 それに伴い、ルート終了まで強制全体ENDを抑制します。
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/09/05(土) 00:18:04.81 ID:yT6ZaXas0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
147 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/09/06(日) 22:26:44.50 ID:ikGzE6UQ0
45日目
鹿目宅


 冬休み最終日。

 ……昨日ネットに載せたエイミーの里親募集にさっそく応募が来たと聞いて、鹿目さん家に呼ばれていた。


貴方「子猫なら需要高いっていうの本当なんだなぁ」

まどか「そうだね。2件も……」


 呼ばれた時には1件と聞いてたけど、ここに来る間にちょうどもう1件来たらしい。

 こうして複数の人が見て飼いたいと言ってくれてると思うとやっぱり悩む。

 一方がどう考えても渡したくないようなヤツとかだったらあれだけど、どっちも真剣に応募して来てくれてるんなら尚更。


「どっちが良い悪いっていうか、こういうのってある程度フィーリングも大事なんじゃないかな? ご縁っていうか」

「まあ、別に無理に今来てる中から決める必要もないけどね」


 お茶菓子を持ってきたお父さんが話に入ってきた。

 手作りらしい。鹿目さんのお父さんが料理得意って話は聞いたことはあったけど、まさかこうしてお菓子を味わえるなんて。


まどか「あ、だからまだ締め切ってないんだね」

「それを考えるのもアンタたちだろ?」


 続いて入ってきたのはお母さん。


貴方「鹿目さんはどう思う?」

まどか「うーーん……」

148 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/09/06(日) 23:04:15.60 ID:ikGzE6UQ0


 しばらく悩む。


まどか「いったん締めきってみようかな? まずは今来てる人を見てみようと思う」

貴方「まあそうだな。増えすぎたらやりとりも大変だし」

まどか「とりあえずメッセージを返さないとだね……」


 鹿目さんのご両親とも文面を相談しつつ、パソコンの画面と向き合う。

 ――その最中、派手に何か物が落ちる音がしてみんなで肩を揺らす。


「……あっ、しまった!目を離した隙に!今のはどっちー!?」

貴方「やんちゃが増えちゃったみたいだね」

まどか「エイミーってやんちゃさんだったんだね……」


 そんなに手のかかる印象はなかったけど、やっぱ子猫は子猫だったらしい。

 今までずっと外にいたからわからなかったが、見たことない物がたくさんあるし、色んなものに興味を持つのは仕方ないのかな。

149 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/09/07(月) 00:55:48.67 ID:l4visoTJ0


貴方「ていうかこれ、すっごい美味しいですね」

「うん、口に合ってよかったよ」

まどか「初めてちゃんと呼ぶからってパパ張り切っちゃって」

「今日はママも休みでタツヤの面倒見ててくれるしね。まどかも作るの手伝ったんだよ」

まどか「型を抜くところだけだけどね……。いつか一人で作れるといいなあ」

貴方「ちゃんと家のお手伝いしてるんだね。お父さんに家事習ってたら上達しそう」

まどか「上達するといいなあ。家のお手伝いは【貴方】くんも頑張ってるんでしょ?」

貴方「まあ掃除くらいだよ」


 クッキーをつまみつつ談笑する。

 とりあえず応募の2件に返答して今日はお開きになった。



四回目【貴方】 45日目終了


★まどかルート★

150 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/09/07(月) 23:48:13.73 ID:l4visoTJ0
46日目


 ついに明けた冬休み。ついに始まった学校。

 二年生最後の学期が幕を開けてしまった。


 ――と、そんな実感はまだあまり追いつかないが、午前のまだゆるめの授業をこなすと見知った面子で昼を食っていた。

 結局ここにいる人とは冬休み中も会ってたんだよな。


さやか「やられたわー。気を抜いてたら休み明けに漢字の小テストあるなんて」

仁美「休み前に告知されてましたけどね……」

さやか「そんなの記憶からとぶ!」

まどか「わたしも実は直前まで忘れてて……」

貴方(一応忘れず警戒しといてよかったな……)


 喋ってる内容もいつもどおりくだらないことで、それに安心していた。

 それから昼休みの終わり間際、中庭から戻る途中で随分久しぶりに聞くテレパシーの声が聞こえた。


マミ『【貴方】くん、明けましておめでとう!』


 ……そういえば、こっちは普通にお久しぶりだ。

 各自の予定を考慮してか、休み中にチームの集まりがなかったせいもあるけど。


貴方『明けましておめでとうございます!あと久しぶりです!』

マミ『そうね。良い休みを過ごせたかしら?』

貴方『ええ、まあ充実してましたよ。巴さんは何してました?』

マミ『色々普段できないことをやったわよ。細かいところの掃除とか、一段と料理に手間をかけてみたりとか』

マミ『換気扇ってなんてあんなに汚くなるのかしらね?』

貴方『さあ……なんでですかね』


 なんだか大変だったらしいことは伝わる。

151 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/09/08(火) 00:01:57.79 ID:FI3Ag9An0


マミ『おせちも作ったのだけど、売り物にも負けないくらい綺麗に出来たのよ。今度写真を見せてあげる!』

貴方『楽しみにしておきます。……巴さんって、いい嫁になりそうですよね』

マミ『えっ!? やだもう、いきなりどうしたのよ』


 ……嫁というか主婦というか。多分言葉にするのに印象がいいのは前者だ。

 なにはともあれ、巴さんは充実した一人の時間を送ってたらしかった。


マミ『あとは、もちろんパトロールもね。ああ、そうだ。早速だけど、次の日曜に恒例の訓練&パトロールできるかしら?』


 巴さんの声が少しだけ真面目なトーンになる。

 日曜……か。それまでにはエイミーの貰い先も決まってる頃かな。


貴方『はい。もしかしたら予定入るかもですけど』

マミ『ええ。駄目になったら連絡してくれればいいから』


 授業開始まで念話をしつつ、ふとクラスメイトに話しかけられてしどろもどろになる。

 前に巴さんが経験を積めば口頭での会話と念話を両立できると冗談で言ってたが、やっぱそんな高度なマルチタスクは不可能だ。


――――
――――
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/09(水) 23:21:00.22 ID:rqTy4nYo0
マミさんアプローチ?!
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/10/05(月) 20:27:06.40 ID:5MADVrI20
いつになったら戻ってくるんだ?
154 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/10/13(火) 23:30:18.09 ID:GKEZNZFp0
約1か月放置!ここまでの放置は初か…
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 応募の件は、放課後に実際にエイミーと俺たちに会ってみることになっていた。

 まず今日は1件目。隣の市から来てくれるらしい。


まどか「じゃ、いこっか」


 放課後になると自然に駆け寄ってくる鹿目さん。

 思えば学校内ではさやかたちと一緒に関わることはあれど、二人で話すことってなかなかなかったか。

 そんな様子を見て茶々を入れられる。


さやか「なになに?なんかいつのまにか仲良くなってない?そんな感じだったっけ二人とも」

まどか「えっと、冬休みの間とかいろいろあって」

さやか「『色々』?」

まどか「エイミーのこと!」

貴方「さやかには話してたんだっけ?今、エイミーの里親を探してるんだよ」

さやか「へー、そうなんだ」


 そんな話を少しだけした後、テレパシーで悪いけどパトロールは任されてくれないかと去り際に頼みこんでみた。


さやか『もう、二人して同時に同じこと頼むんだから』

さやか『わかってるわよ!まかせときなさい!』


 ……思わず鹿目さんと顔を見合わせた。


まどか「【貴方】くんも同じこと言ってたんだね……」

貴方「なんか息が合っちゃったね。明日は一緒にパトロールどう?」


 同じこと考えてた、ってことか。

 パトロールに熱心なのはみんな同じだ。今から明日の約束をとりつけて、学校を後にする。

155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/14(水) 00:05:44.69 ID:COY8dvBNo
おかえり
156 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/10/14(水) 00:10:07.50 ID:nxpTQcC40


 ――――面談の場所は鹿目さんの家。

 エイミーも実際にここにいる。さっきまでここにいた訪問者は、慈しみに溢れた目を向けて可愛いと、家族になりたいと言ってくれた。

 湯呑に残っていた緑茶を飲み干して、鹿目さんは息をついた。


まどか「緊張した〜〜……」

貴方「俺も……知らない大人の人と話すのはやっぱ緊張したよ。鹿目さんが隣にいてくれたし、おじさんも見守っててくれたからよかったけど……」

貴方「エイミーは緊張してなさそうだなあ。知らない人の前でも堂々としててすごいよ」


 そう言うと短い鳴き声が返ってきて、それがなんとなく誇らしげに聞こえた。

 言葉が伝わったとはさすがに思っていないけれど。


まどか「人懐っこい子だし、新しい飼い主さんにもすぐに慣れてくれるよね、きっと」

まどか「……少しさみしいけど」

貴方「うん。きっと……鹿目さんは今日の人、どう思う?」

まどか「いい人だと思う。前にも猫ちゃん飼ったことあるって言ってたし」


 経験があるなら心強い気はする。

 俺たちなんてなんもわからない状態で手探りでやってたから、大先輩だ。


 しかし、まあ。


貴方「『どっちが良い悪いというよりもフィーリングが大事』、か……」

まどか「そう言われると、難しいよね」


 それからおじさんに『お茶をもう一杯どうか』と言われたのでありがたく甘えさせてもらった。

 今日はおばさんはいない。前まではみんな揃ってたけど、今日はなんてことのない平日だ。

 エイミーとも今のうちに触れ合っておかないと。


 もう1件のほうは明後日だから、それが終わったらまたきちんと考えよう。自分たちなりの答えを出すために。

 それまで――明日はとりあえず、自分たちの使命でもあるパトロールのほうに専念だ。



四回目【貴方】 46日目終了


★まどかルート★
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/16(金) 18:35:35.51 ID:C19L9NMe0
続き来た!
待ってたよ!
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/17(土) 10:31:53.28 ID:l3ws+/ad0
まってたぜ
159 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/10/27(火) 23:35:15.50 ID:2ltlTyXY0
47日目 放課後



 約束してたパトロール。

 とくに危なげなく2回目の戦いを終えて、寒空の下を歩いていた。


まどか「さっきはありがとう!」

貴方「さっき?なにかしたっけ……」

まどか「急に突進してきた使い魔、あれすごいびっくりしたから」

貴方「ああ、でもそのあと手の届かないとこまで飛び上がってったのを鹿目さんがすかさず射抜いてたからすごいなーと思ったよ」


 協力して倒せた思い出を語ると温かな気持ちが湧いた。

 物腰が柔らかくいつも前向きな姿勢は見てるだけでも元気をもらえる気がした。そんな彼女が近くにいることが嬉しい。

 ……クラスメイトって関係はもうすぐ終わってしまうけど、これからも仲間で友達だ。


貴方「それにしても、もうだいぶ暗くなってきたね。戦いも終わったし日がないと一気に寒くなるなぁ」

まどか「あ……あのね、もしよかったらなんだけど、今日もこのあとエイミーに会って行かない?温かいお茶も出すよ」

まどか「明日はまた面談でしょ?そしたら……もう決めなくちゃいけないんだよね」


 鹿目さんは、少し寂しそうにしみじみと言った。


貴方「……うん。そうだね。甘えさせてもらおうかな」


――――
――――
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/27(火) 23:50:55.75 ID:8VwQrZoJ0
待ってたよ
161 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/10/28(水) 00:19:47.62 ID:RfQ048290
48日目 放課後



 ――――この日の面談も無事に終えると、ひとまず脱力した。

 つぶらな瞳で見上げてくるエイミーの背に手を置いて見返すと、ふいっと顔をそらされてしまった。

 猫の瞳って宝石みたいで綺麗だ。でもなかなかまじまじとは見せてくれない。


貴方「今日ので応募の分の面談は全部おわりか。鹿目さんはどう思ってる?」

まどか「どっちもいい人だとは思うんだよね。一人は猫を飼ってた経験もあるし、もう一人も猫じゃなくても本当に動物が好きなんだろうなって思ったし」

貴方「ああ、犬の話とか聞けて面白かったね」

まどか「ね、面白かった」


 ふふふと笑い合う。……その奥で考えていた。次の飼い主を決めて渡したら俺たちのやることは終わりだ。

 鹿目さんとこうしてお茶を飲むことも減っちゃうのかな。


貴方「エイミーはどっちのほうが気に入ってたかな?」

まどか「エイミーはどう思う?」


 にゃ、と猫の声がする。

 もともと人を怖がらない子だ。どっちにもらわれてもうまくやっていけるとは思う。


 ……エイミーは伸びをすると、会話と名前をメモしてた紙に手を置いて、ふたたび短く鳴いた。

 さすがに偶然だとは思う。名前を決めた時もこんな感じだったっけ。次の人のところに行ってもエイミーはエイミーと呼ばれ続けるんだろうか?


 なんとなくそのしぐさが自分で選んだように見えて、俺たちはその選択に任せることに決めた。


 おじさんにもそのことを伝えて、また連絡の文面を考えて――。

 土曜にもう一度会って渡すことになった。



 そして――――。


162 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/10/28(水) 00:48:16.64 ID:RfQ048290
数日後



 ――――土曜日。この日も早くから鹿目さんの家に来ていた。

 久しぶりに鹿目さんの家族が揃ってる日だ。あと……もう最後になるけど、エイミーも。


 なにかやりのこしたことはないかな?


まどか「あっ……そうだ、写真!今のうちにみんなで撮っておこうよ!」

貴方「あ、それ賛成!」

*「いいこと言うね、まどか。うちでもいくつか撮ってたけど、【貴方】くんも一緒にいなくちゃな」



 写真の中では鹿目さんの腕の中からちょこんとエイミーが顔を出していて、隣には俺とタツヤくん。

 後ろに鹿目さんのお父さんとお母さんもいる。

 みんながいい笑顔で写っていた。



――――
――――
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/28(水) 00:58:35.19 ID:DF9cDiGv0
よそに行っても遊びにきそうだな、エイミー
164 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/10/30(金) 23:57:25.96 ID:4HovfAcF0
――――
日曜日



まどか「なんだか……またいつもの日常にもどっちゃったみたいだね」

貴方「猫がいる生活ってどんな感じだった?」

まどか「イタズラされたり気を付けなきゃいけないことも増えたけど、楽しかったなぁ。ずっと見ていられる感じ」

貴方「あはは、だろうね。俺もこの数日入りびたりだったけど、さすがに泊まりにはいけなかったから」


 今日は冬休み明けはじめての全員での訓練だった。

 久しぶりに顔を合わせても空気は相変わらず。まあ数週間程度じゃ変わらないんだろうな。

 で、それが終わった後はというと…………二人でカフェに来ていた。カフェといっても、ただお茶を飲むだけの場所ではない。まわりを猫に囲まれた猫カフェだった。


 寂しさを埋めるため、って思うとなんだか余計に寂しいけど。遊びに出かける約束も果たせたからちょうどいいのかな。


まどか「えっ、泊まりに……!? ……それは、いきなりは無理かもだけど」

まどか「エイミーはいなくてもこれからも遊びに来ていいよ。お茶くらいなら出せるし!……マミさんみたいにオシャレな紅茶じゃないし、淹れるのはパパだけど」


 鹿目さんの声が少し自信をなくしたように尻すぼみに小さくなっていく。

 ――街を救う力を手に入れて、魔法少女として活躍できる自分を誇れるようになったと言ってたけど、それ以外のトコは変わらずらしい。

 だからこっちも、精一杯に明るい声で言おう。


貴方「ありがとう。俺も鹿目さんと一緒にいると楽しいからさ」

まどか「ほ、本当に?」

貴方「うん。もちろん」


 やっぱり、鹿目さんが明るい声や顔をしていると嬉しいから。

 仲が深まったからか、前よりもさらにそう思うようになっていた。

165 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/10/31(土) 00:19:43.80 ID:H9eukqF+0


まどか「ここの猫ちゃんたちもかわいいね」

貴方「そうだなぁ……飼うのはやっぱり自分たちじゃできないし、こういうところで触れ合うのが一番いいのかも」


 エイミーに着けてた首輪は、今は鹿目さんが持っている。

 着けたまま渡そうか結構ギリギリまで悩んでたけど、次の飼い主は完全室内飼いをしてくれるって言ってた。もう野良猫じゃない。

 だから、あの雪の中エイミーと出会って少しの間一緒にいた思い出として手元に残しておくことに決めたらしい。


まどか「……うん。わたしは最初、自分で全部なんとかしなきゃって思ってた。でもやっぱり全部なんて無理で……それって、悪いことじゃないんだね」

まどか「【貴方】くん、ありがとう。今回のことでまた一つ自分に誇りが持てた気がするの」


 鹿目さんは頬を桃色に染めて穏やかに笑ってる。彼女の髪や宝石の色よりも鮮やかに見える色だった。

 本当に、こっちの心まで満たされてく気分だ。


貴方「前にも言ったけどさ、鹿目さんはもっと自信もったっていいよ!」

貴方「魔法少女としての活躍はすごいし、カッコいいと思うこともある――」

まどか「かっこいいって、わたしが!?」

貴方「うん。どんな時でも勇敢でかっこいいよ」

まどか「みんなを見ててそう思うことはあるけど、そう言ってもらったことってなかったから」

まどか「あのね、もちろん【貴方】くんも……カッコいいと思うよ」


 ……なんだろう、二人して褒め合ってて不思議な空気が流れてるなあ。


★個別END分岐点★

166 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/10/31(土) 00:32:32.37 ID:H9eukqF+0


 鹿目さんの言葉に勇気づけられて、次に言いたい言葉はすんなりと口から出てきた。


貴方「……鹿目さんは、かっこいいし可愛いよ」

貴方「自分よりも他を優先しようとする強くて優しいところも。……気負いすぎてるときは心配になるけどね?」

貴方「それに、一緒にいるとこっちまで癒された気分になる柔らかい笑顔も。なにもかも」

まどか「え、え…………」

貴方「全部あわせて……鹿目さんのことが好きだ」


 頬はさっきよりも赤みを増して、桃色通り過ぎてゆでだこみたいになってた。

 珍しいけど、それをじっくり観察してる余裕なんてない。今は自分の顔も熱いや。


まどか「こ、これって……!ええと……」

貴方「……告白だよ。こんなこと軽く言ったりなんてしないよ!」

まどか「わ、わたしも……【貴方】くんのことが好き」


 一世一代の告白は猫たちに見守られながらだった。

 俺たちらしいのかもしれない。

 ……膝の上の小さな猫が、にゃあと言ってお祝いしてくれた気がした。


――――
――――
167 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/10/31(土) 00:54:18.17 ID:H9eukqF+0

四回目【貴方】 十週目休日終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・☆恋人☆
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・気まずい
・佐倉杏子・・・認められた
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美
鹿目まどか


[好感度] to貴方
美樹さやか★★★▽巴マミ★★★志筑仁美★★★▽鹿目まどか★★★>佐倉杏子★>暁美ほむら

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!

★★★…フラグ三段階目 「恋慕」
※実質落ちてる。
※個別ENDにいってもいかなくても攻略済み。

☆…互いに恋人として誓い合った仲。他の人の好感度上げすぎると多分マズイことになる。
  もし他の人に言い寄るようなことしたら普通に浮気です。

▽…嫉妬Lv1
※ハーレムならつきものくらいの可愛い嫉妬だよ。
※この辺で留めておかないと色々濁るかもよ。マズそうな選択肢は控えよう。



 そろそろ【終わり】が近いため、少しだけこのまま続行します。


168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/10/31(土) 00:59:56.40 ID:mUtT58kvo
好感度表カオスだなあ
リセットしたくなる
169 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/10/31(土) 01:00:01.49 ID:H9eukqF+0


1好感度☆恋人☆のまま(個別END+おまけ?)
2直前の好感度★★★のまま(ハーレムEND?)


 下3レス多数決
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/31(土) 03:52:17.54 ID:GCxEzeMV0
1
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/31(土) 03:54:06.40 ID:mUtT58kvo
1
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/31(土) 08:22:50.42 ID:uPndGglM0
1
173 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/11/01(日) 20:37:56.61 ID:5EIM0gSX0


 ――――次の日からはまた新しい日々がやってくる。

 鹿目さんとのこと、堂々と公表するつもりもなかったものの、親しい人たちの間にはすぐに気づかれて広まってしまった。

 思ってた以上にみんなよく見てるらしい。


さやか「そっかぁ〜……まどかがかー。意外だなあ」

仁美「今まであまりそういう話って聞きませんでしたものね」

まどか「わたしも前まではあんまり意識したことなかったかも」


 日常が劇的に変化したようで、一緒に昼飯食ったり、クラスメイトとの付き合いや魔法少年としての活動はこれまでと変わりはなかった。

 ちょっとだけ特別なものが加わっただけだ。


 それ以外に起きた身の回りの変化といえば……。

 巴さんが受験に受かったって言ってた。これも嬉しい知らせだ。

 冬休み明け最初の合同訓練以降は忙しそうにしててみんなで集まることがなくなってたものの、それからはまた余裕ができたようだった。

174 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/11/01(日) 21:21:24.93 ID:5EIM0gSX0


 ……久しぶりの合同訓練の後、ふとずっと気になったことを思い出して暁美さんに聞いてみた。

 あれ以来暁美さんは俺や鹿目さんとも少し距離を取っているようで、直接話すことが少なくなっていた。


貴方「そういえば暁美さん、連絡つかないことが増えたよね。冬休みの時もさやかとか心配してたんだよ」

ほむら「携帯の電源を切っていたから」

貴方「え、なんで?」

ほむら「……知らない人から電話がかかってくるのが怖いのよ」

貴方「なんだろう、迷惑電話?それは怖いね。着信拒否しちゃえば?」

ほむら「……」


 そう言うと、暁美さんはどこか悩むように暫く沈黙を続けて。


ほむら「……そうね」


 ――とだけ、簡潔な言葉を返してくれた。

 その時、向こうから鹿目さんの呼ぶ声が聞こえた。一緒に帰ろうって誘ってくれてる。


まどか「あっ、ごめんね。話してる途中だった?」

ほむら「いいえ、気にしないで」

まどか「あ……ほむらちゃんとは前より話すこと減っちゃったよね。また前みたいに遊びに行ったりしようよ。もしよかったら仁美ちゃんも誘って――」

ほむら「いいえ。私は別に」


 暁美さんは誘いをきっぱりと断って去って行った。鹿目さんはちょっと寂しそうだ。

 なにもあんな言い方しなくても……とは思う。加えて違和感。

 前までだったら鹿目さんの行くところには積極的について行ってたのにな。もう興味を失ってしまったかのようだった。

175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 22:10:56.53 ID:r63kHTFc0
不穏だ・・・
176 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/11/01(日) 22:27:11.18 ID:5EIM0gSX0


 鹿目さんと二人きりになって、帰り道を歩き出す。


まどか「……あ、夕焼け!」

貴方「ホントだ、綺麗だね。少しだけ日が伸びてきたかな?まだまだ冬真っ盛りだけど」

まどか「そうだね。まだまだあったかくしてなきゃ。実はね、編み物でまた新しく作ってるものがあるの」

貴方「お!完成したら見せてくれる?」

まどか「もちろん。というかね、【貴方】くんに似合いそうなものって考えて作ってて……」

貴方「ますます楽しみだなぁ」



――――
――――



 それから―――日付がさらに過ぎると、あっという間に春休みが近づいていた。

 長いようで短かった一年がついに終わる。

 巴さんの卒業の日をみんなでお祝いして、自分たちも慣れ親しんだクラスとの別れを名残惜しんで、

 学校なんて関係のない佐倉さんだけはすごくいつも通りで……。


 日々はこれからも続いていく。俺には仲間がいて、友人がいて、そして恋人がいる。俺たちがちょっと特殊だからって、不安なんてない。

 そしていつか、この街から魔女をすべて倒して平和を勝ち取るんだ。


 大きな節目を迎えて、大きな変化がもたらされるはずのこれからの生活に期待を抱えて――――。




―まどかと進級END―
177 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/11/01(日) 22:29:00.13 ID:5EIM0gSX0



 朝、一日がはじまる。


 どこにでもあるような至って平常な朝だ。退屈なほど平凡で。

 ワルプルギスの夜だとか、そんなうっすら噂で聞いたことがあるようなないような災害の予兆も当然無縁で。


――――――
――――――
1日目




1前の設定を引き継ぐ
2自分の状況を確認してみる(設定変更)

 下4レス中多数決
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 22:30:58.41 ID:drTkmDZ+o
毎回同じじゃ楽しくないな、1
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 22:31:02.53 ID:xwCEiG7h0
1
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 22:31:18.33 ID:SL0+SOvx0
1
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 22:31:28.12 ID:Yi2ktsjL0
1
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 22:33:37.78 ID:xwCEiG7h0
てかこのギャルゲー、みんな攻略するまで続けるのか?
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 22:34:56.71 ID:SL0+SOvx0
そのつもり後はクーほむと杏子だ
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 22:37:06.21 ID:drTkmDZ+o
この2人ただの一魔法使いじゃ難しいよな…
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 22:48:46.12 ID:drTkmDZ+o
あしまった設定変えたかったのに間違えた
仕方ない
186 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/11/01(日) 22:50:50.46 ID:5EIM0gSX0


 ――ただ、【少し前】から俺の日常には少し特殊なものが加わっていた。


(…………?)


 何かふと違和感を覚えた。

 何回も何回も同じことをやっているかのような。自分はさっきまでどこにいたっけ?もっと【先】にいたはずなのに。



 ――――【その先は存在しない】知らないものを創ることはできないから。



 非現実的な感傷にひたりかけたが、時計を見て急かされた。ボーっとしてたら遅刻してしまう。



――――
見滝原中学校 教室



さやか「おはよう!」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

仁美「おはようございます」

ほむら「……おはよう」


 教室に着くと、迎えてくれたのはいつもの【四人】だ。




・誰に話しかける?(クラスメイト/先生/QB から指名)

 下2レス
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 22:52:24.17 ID:THteyYBh0
加速
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 22:53:39.63 ID:Yi2ktsjL0
クラスメイト
189 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/11/01(日) 23:11:46.23 ID:5EIM0gSX0


 周りにいるクラスメイトの会話に入ろうか。


貴方「何話してたの?」

さやか「あー、たいしたことじゃないんだけど、仁美の新しいペンが可愛いねってこととか」

仁美「お気に入りなんです。あ、でも……【貴方】くんには興味のない話ではないでしょうか?」

貴方「いや、可愛いと思うよ。そりゃそういう話は自分からすることないけど」


 他愛もない話をして朝の時間を過ごす。

 今日の話題の中心は仁美みたいだ。それから、HRがはじまる直前になって、鹿目さんが何かを言いかけた。


まどか「あ、あとねっ」

まどか『今日の放課後訓練をやるんだって!【貴方】くんも来られる?』


 仁美も一緒に居るから、続きはテレパシーで。

 伝わった?と合図を送るようにニコッと笑った顔に、頷いて返す。なんか気恥ずかしいやり取りだ。


 ――――鹿目さんってこんなに積極的だったっけ。



――――
――――
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 23:14:43.15 ID:THteyYBh0
杏子を先に攻略した方が良いのかな
191 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/11/01(日) 23:27:30.72 ID:5EIM0gSX0
放課後



 学校での一日が終わると、みんなで校舎を出て訓練場所を目指して歩いた。

 みんなっていうのはまあ朝いた中で仁美をのぞいたメンバーと、あと先輩の巴さんだ。全員魔法少女。俺だけ魔法少年。


さやか「おまたせー」

杏子「おっせーぞ」

マミ「ごめんなさいね。今日掃除当番だったのよ」


 佐倉さんは先に訓練をはじめてたらしい。


マミ「一人でもちゃんと自己鍛錬できてるのね!熱心なのは感心するわ」

杏子「自己鍛錬くらいやるときゃやってるっつの。……この前みたいなことがあったら困るからな」

さやか「この前?」

貴方「……ああ」



1訓練に誘う(杏子/ほむら/まどか/さやか/マミ)
2自由安価

 下2レス
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 23:28:54.24 ID:Yi2ktsjL0
1杏子
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 23:30:08.44 ID:f4n/U8Y70
1きょう子
194 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/11/02(月) 00:04:45.27 ID:eGAX5gTA0


貴方「この前パトロールに行った時のことだよね? だったら俺ももっと自己鍛錬しないとな……」

杏子「なら鍛えてやるから来いよ。ちょうどタイクツしてたとこなんだよね」


 笑った口の端から八重歯が見えた。不敵な雰囲気がしつつも特に気取らない感じの表情だ。

 佐倉さんの戦い方は多彩だし強いし、自分の扱うのがどんな武器でも見習うべき点は大きい。


 他のメンバーもそれぞれ二,三人程度で組んで訓練をしていた。

 そうして時間は過ぎて行き―――。


 ――――組手では今日も勝てず。まぁ仕方ないかな。


杏子「やっぱまだまだ正面から戦ったらあたしのほうが強いな」

貴方「そうだね、経験の差はすぐには埋められそうにないよ」

杏子「……でもそれだけじゃダメなんだよな」


 この前やられそうになった時のことを思った以上に気にしてるらしい。


貴方「そんなに気負わなくてもいいんじゃないかな」

杏子「死にかけたくせによく言えるな」

貴方「佐倉さんは俺なんかより戦いでのことを重く受け止めてるのはわかるんだけど、気負ったって仕方ないと思うんだ」

貴方「実際佐倉さんは強いし……。こうして鍛えてくれて感謝してるよ」

杏子「……そっか。それより今日はもう腹減ったからメシ!アンタは行きつけの店とかあんの?」

貴方「えっ……あんまりそういうのわかんないや」


 突然話題を振られて少し驚いた。

 佐倉さんは元々風見野のほうがメインの縄張りらしいけど、見滝原のことも彼女のほうが詳しそうだ。

 俺はというと、思い浮かぶところがまるでない。


杏子「まあ聞いてみただけ。あたしはラーメンでも食ってこうかな」

貴方「今のって一緒に行く流れじゃないの?」

杏子「ついてきたきゃついてこい」


 まだ訓練に精を出してる人。訓練を終わりにして雑談してる人。

 ほかの四人がやってることはまちまちだが、『お先』と挨拶する。佐倉さんと一緒に飲食街のほうに歩いてった。




五回目【貴方】 1日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・親友→
・美樹さやか・・・親友
・志筑仁美・・・親友
・暁美ほむら・・・友人(?)*関係リセット
・佐倉杏子・・・認められた
・巴マミ・・・親友

[攻略済]
美樹さやか
暁美ほむら1
巴マミ
志筑仁美
鹿目まどか
195 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/11/14(土) 23:54:13.69 ID:z8h7YCek0
――――
2日目 教室



 教室に入ると、今朝も4人揃って話していた。

 ……見慣れた光景だと感じたけど、いつからこうだったんだっけ?。


さやか「あ! 【貴方】おはよー」

貴方「ああ、おはようさやか」

仁美「そうですわ、【貴方】くんからも言ってあげてくださいまし!ほむらさんたらお昼も少しなのに、朝ごはんまで抜いてきてるっていうから心配で心配で!」

仁美「それで体育の時にあれだけ動けるんだから驚きです。むしろそれが県大会記録の秘訣だったりして……?」

まどか「えぇ、ちゃんと食べたほうがいいと思うけどなぁ」

ほむら「……一人だとどうしても用意するのが億劫になるのよ」

さやか「腹減んないの?」

ほむら「べつに」


 今日の話題の中心は暁美さんらしい。……本人は少し面倒臭そうにしているけど。



1好きな食べ物なら気が向くかもしれない、好物を尋ねる
2一人だし仕方ないと同調する
3将来誰かと暮らすようになれば変わるのかな?
4自由安価

 下2レス
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/14(土) 23:55:30.51 ID:DAqlX6pZ0
1
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/14(土) 23:56:57.75 ID:qmrpXt/60
1
198 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/11/15(日) 00:30:27.78 ID:QzLdbequ0


貴方「好きな食べ物なら気が向くんじゃない?」

まどか「あ、たしかに!朝食が好きなものだったら朝起きるのもつらくなくなるよね!」

さやか「てかむしろ一人なんだから毎朝好きなもん食い放題じゃん?」

ほむら「そう言われても…………思いつかないのよ」

仁美「えぇ!好きな食べ物がですか?!」

ほむら「意識したこともなかったわ」


 その答えはちょっと予想外だった。なんというか、クールビューティな人だとは思ってたけど、それよりちょっと無機質な印象が増したって感じだ。

 ……でも考えてみたら自分も特に浮かばないし意識もしてなかったような。

 そんなに変なことでもない、のか?


 チャイムとともに担任がやってきて、一旦会話が終わる。


「はい、みなさん席についてー。HRはじめますよ」


 HRがはじまる。考え事は忘れてしまった。


――――
――――
199 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/11/15(日) 00:42:22.47 ID:QzLdbequ0
放課後



 学校での一日を終えると、今日は特に予定のない日だ。

 教室内ではまださやかたちは他の女子も交えて喋っている。

 親交の深い4人ならともかく関わりの薄い女子がいるとちょっと入りづらいかな?


貴方(……ってか、暁美さんも一歩引いたとこから見てる感じがするな。複数人で話してるときって割といつもそうか?)



*待ちに待った放課後です。
1下校前に校内でコミュ(キャラ指定)
2誰か誘ってパトロール行くか(キャラ指定・複数可)
3自己鍛錬に行ってみる
4他の場所に寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。知り合いを誘うことはできます。

 下2レス
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/15(日) 00:45:57.07 ID:ukqlMERX0
2杏子

今回は誰か攻略したらキャラメイクしたいね
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/15(日) 13:19:24.75 ID:3IIWxnFW0
2ほむら杏子
202 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/12/15(火) 20:51:23.35 ID:/idWGeF50
また一か月空くとかやばいっすね…
203 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/12/15(火) 21:16:44.81 ID:/idWGeF50


 話しかけようか迷ってたら、暁美さんが一人抜けてこっちに来た。

 他の人たちはまだ話している。


貴方「あれ、話はもういいの?」

ほむら「放課後はパトロールに行くって言ってなかった?」

貴方「まあそうだけどさ」


 今日のパトロールは暁美さんのほかに佐倉さんのことも誘っていた。

 駅前にいるらしいと聞いたし今頃多分食べてるか遊んでるかして待ってるんだろう。

 ……彼女は携帯を持ってないから、全てキュゥべえを介してのやりとりだが。


 教室から離れ、廊下を歩いていると暁美さんはぽつりと言う。


ほむら「……大勢いると何を話していいかわからないもの。あれこれ聞かれるのも疲れるわ。すぐに答えられることならいいけれど、答えられないこともあるし」

貴方「ああ、そういえば初日から質問攻めに遭ってたんだっけ。まだあんな感じなの?」

ほむら「もう数ヶ月は経つのにまだ珍しいのかしらね」


 暁美さんは鹿目さんたちのグループにはいるけど少し距離がある気がするし、やっぱり基本的には群れない人って感じだ。

 暁美さんに向けられるのは男女問わず憧れのまなざしだが、それに対する暁美さんの目はいつも冷ややかだった。


貴方(もう暁美さんが転入してきてから数ヶ月か。……そんなに経つのか)

204 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/12/15(火) 21:28:40.03 ID:/idWGeF50


 駅前に近づくと、暁美さんが尋ねてくる。


ほむら「佐倉さんはどこにいると思う?」

貴方「どこかな。そういえば、暁美さんは佐倉さんとはよく会ったりする?」

ほむら「別に。パトロールはたまに行くけれど、彼女も魔法少女としての意識のほうが強いみたいだし」


 そう答えるだろうなってのはまあ予想してた。二人が仲良かったらそれはそれで意外だ。

 ……さやかはともかく、鹿目さんと仲がよかったのは意外だった。


 まずはあてずっぽうで探してみようか。

 本当に見つけられなくて困ったら、テレパシーで発信しながら歩けば『駅前』の範囲なら通じるだろう。



1通りで買い食いしてるかな
2ゲーセンかな
3この前行った店に行ってみようか
4そのた(自由安価)

 下2レス
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/15(火) 21:31:06.75 ID:ryVpMa5l0
1
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/15(火) 21:57:01.12 ID:CVVqKfcmO
1
207 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2020/12/15(火) 22:48:11.99 ID:/idWGeF50


貴方「とりあえず、食べ物屋の近くにいるんじゃない?」

ほむら「ありえるわね」


 安直な発想だけど多分遠くはないと思う。

 食べ物屋ばっかり意識して探してたら、なんか腹が減ってきた。


貴方「俺もなんか食おうかな」

ほむら「佐倉さんが買い食いしてるかもわからないのに、あなたが買い食いしてどうするのよ」

貴方「暁美さんは何か食わない?」

ほむら「私は別にお腹すいてないから」


 暁美さんは小食なのか? 食への関心が薄いのかな?

 通りでたこ焼きを買って食いはじめる。戦いの前に腹ごしらえも必要だよな。


貴方「暁美さん、一個もいらない? うまいよ」

ほむら「……じゃあ一つだけ」


 念入りに息を吹きかけて冷ましてる様子がなんか可愛い。

 そうしていると、いつのまにか佐倉さんのほうからこっちに来ていた。


杏子「何かいいもん食ってんじゃん。たこ焼きか」

貴方「うん。佐倉さんも一ついる?」

杏子「おう、サンキュ。それにしても、あんたがパトロール前に買い食いとか珍しくない? いつも素通りなのに」

ほむら「私じゃなくて【貴方】くんが言い出したのよ」

貴方「いや、パトロールそっちのけにしてたわけじゃなくてさ……最初は佐倉さんを探すつもりだったんだけど、なんか腹減っちゃって」

杏子「別にいいんじゃない? 腹が減ったら戦えないって言うだろ」


 つまり、これも戦闘準備のうちってことだ。なにはともあれ、佐倉さんとも無事合流できた。

 小腹を満たしてから三人でパトロールに向かった!

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