開拓者「安価で町などを作る」

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271 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:52:46.16 ID:iv/1e854o
1週目

称号:家屋と家畜が残された無人島
ランク:集落

●開拓地
・無人島……最近まで人が住んでいたのでまだ使える建物が残っている。
・家(古びている)……人が寝泊まりできる唯一の家。増築できそうだ。
・牧場(使用不可)……家畜は逃げ出してしまった。
・畑(荒廃)……大量の雑草と岩が散乱している。

●ステータス
第一次産業Lv.0
第二次産業Lv.0
第三次産業Lv.0


船員「ついたぞ、開拓者さん」

開拓者「花畑島からも見えていた小さな島……ここが今回の開拓地か」

船員「花畑島の開拓前からこの島には集落があったんだ」

船員「一か月前までここには老夫婦が住んでた。その二人が最後の住人だ」

開拓者「老夫婦はどうなったんだ?」

船員「心配しなくても生きてるよ。今は花畑島のホームにいるぜ」

開拓者「それなら安心だ」


船員「集まったのは俺と開拓者さんも併せて6人」

船員「その6人でのんびりと、畑をたがやしたり、牧場を大きくしたり、家を改築したり、舟屋を建てたり……」

船員「そして最終的に村を完成させて王国の地図に載せるのが目標だ」

開拓者「それだけでいいのか?」ガシッ

船員「クワと工具セットを持つにはまだ早いぞ。みんなが来るまで待ってまず顔合わせを」

開拓者「ええい、止めるな! 慣れないことばかりさせられてうっぷんが溜まっていたんだ!」

開拓者「さあ、開拓だ!!」

開拓者「行くぞ、うおおおおおおおおお!!!!」ドドドドドド


開拓作業をします(修繕するもの、作る家具、植えるもの)

自動↓1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、、、、、,,,,,,,,__________________
272 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 20:53:38.57 ID:iv/1e854o
村が完成!

称号:開拓者が一日でやってくれました
ランク:村

●開拓地
・牧場島……のどかな開拓ライフを送れる。
・小道……歩きやすく整えられた道がある。
・家V……全員でテーブルを囲めるリビング、キッチン、そして全員の個室がある。二階にはテラスと来客用のベッドルーム。
・牧場……家畜たちは帰ってきた。
・畑……雑草と岩は完全に取り除かれ、一面がしっかりと耕されている。
・舟屋……ここから船員が各地に船を出せる。

●ステータス
第一次産業Lv.2
第二次産業Lv.0
第三次産業Lv.0


開拓者「よし、一旦ここらで止めておくか」

船員「人間重機かよ」

開拓者「俺は開拓者だぞ」

開拓者「開拓を得意とする俺は、村くらいなら一人で作ることができる」

船員「開拓終わらせてどうすんだよ」

開拓者「心配するな。町を作るには労働者たち……色々な職業の力が必要だ」

開拓者「6人で力を合わせて、立派な町を作っていこうじゃないか」

船員「だからもう目標の村は作り終わってるんだよ」

開拓者「なんだと? 開拓はこれからが本番だろう」

船員「結婚相手を探しに来たってことを忘れたのか?」

開拓者「忘れてはいないが……そうか、開拓はメインではないのか……」
273 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/17(金) 21:14:42.20 ID:iv/1e854o
開拓者「船員が残りの4人を迎えに行ってそろそろ2時間経つが……」

開拓者「おっと、船が見えた。到着だな」


※とりあえず安価で1名だけ作ってみます

安価↓1 年齢

安価↓2 職業

安価↓3 性格か趣味
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 21:18:02.20 ID:rGAzjptO0
26
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 21:19:59.00 ID:mh4d1PHDO
画家
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 21:20:03.11 ID:gHy9NO5w0
気弱で引っ込み思案
277 : ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/07/21(火) 22:55:03.88 ID:uvupkADyo
明日再開を予定しています。
278 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 22:55:38.87 ID:MwXcScgHo
船員「ただいま。みんな、彼が開拓者さんだ」

男性「初めまして。よろしくお願いします」ペコリ

女性A「本物を見るのははじめてかも」

女性B「ん。やっぱり」

開拓者「船旅ご苦労だった。とりあえず荷物をおろして座らないか?」

開拓者「飲み物を持ってくる。皆、飲みたいものはあるか?」

女性C「あっ。あたしが持って参りますので、開拓者さんは座っていてください」

開拓者「いいのか?」


船員「じゃあ、改めて軽く自己紹介だな」

船員「俺は船乗りのセイン。この島の近くにある癒しの花園に住んでる。趣味は釣りだ。よろしくな!」

開拓者(そのまんまじゃないか)

女性A「うん、よろしくね」


【NAME:セイン JOB:船員 AGE:29 HOMETOWN:癒しの花園 HOBBY:釣り】


開拓者(名前を名乗る流れなのか? 開拓では肩書きで呼ぶのが当たり前だが、やはりノリが違うな)

大学生「俺は学問の都に住んでる大学生です。大学の友達からはダイちゃんって呼ばれてるんで、できればみんなもそう呼んでくれると嬉しいです」

女性C「ダイさん、ですね。よろしくお願いします」

大学生「ははは、硬いですよ」


【NAME:ダイ JOB:大学生・モデル AGE:22 HOMETOWN:学問の都 HOBBY:旅行】


女性A「あっ。名乗りづらかったらあだ名でもいいんだね……」

大学生「そうですね。俺はモデルの仕事もしてますから、あだ名ですいません」

女性B「全然いいよ〜」
279 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 22:56:33.27 ID:MwXcScgHo
女性A「……」

大学生「右回りだから次、あなたですよ」

女性A「そ、そっか。えっと……」

画家「私は、エソラってペンネームで画家として活動してます」


【NAME:エソラ JOB:画家 AGE:26 HOMETOWN:緑の町 HOBBY:カフェめぐり】


画家「出身は緑の町です。緑色以外にもいろんな風景を描きたいな、と思っています……」

開拓者(緑の町はカントリーでボタニカルな農業の町だ。この町は建物まで緑色に塗っている)

女性C「風景画がご専門なのですか?」

画家「そ、それだけじゃないです。人物でも、食べ物でも何でも描きますよ」

画家「あ、でも、開拓に来たからにはちゃんと働きます……! よろしくお願いします!」

船員「おう。女の子たちはあんまり無理しなくていいからな」


女性C「次はあたしですね」

家政婦「あたしはフリーの家政婦です。今は湖畔の楽園と呼ばれる町で働いています」


【NAME:家政婦 JOB:メイド(付き人派遣サービス) AGE:25 HOMETOWN:湖畔の楽園 HOBBY:掃除】


家政婦「呼び方は家政婦で構いません」

開拓者(貴族の屋敷を作る仕事の依頼人だ。こいつも参加していたのか……)

大学生「ニックネームとか、趣味とかないですか?」

家政婦「ニックネームをつけられたこと……ないですね。趣味は……掃除です」

画家「お掃除を楽しめるのって、うらやましいです」

開拓者(この家政婦は謎が多い)

開拓者(若い女性でありながら妙に防衛に詳しい上に、)

開拓者(どこからか、下半身が蜘蛛の人間や、背中に翼が生えた人間を連れてくる……)
280 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 22:58:13.49 ID:MwXcScgHo
開拓者「俺のことはみんな知っているんじゃないのか?」

家政婦「はい。最近まで知りませんでしたが……」

船員「王国の有名人だよな」

画家「ごめんなさい。私は世間のことに疎くて……」

開拓者「では名乗っておこう。俺は開拓者だ。呼ばれ慣れているから開拓者と呼んでくれ」


【NAME:開拓者 JOB:開拓業 AGE:36 HOMETOWN:住所不定 HOBBY:大人の遊び】


開拓者「最近までは王国の専属だったが、現在はフリーの開拓者としていくつかの仕事を並行して進めている」

家政婦「この綺麗な家も開拓者さんが作ってくれたんですよね?」

開拓者「ああ。少し気合が入ってしまってな。外の畑も耕してしまった」

大学生「仕事のできる男ですね。憧れます」

開拓者「趣味は畑仕事と日曜大工だ(嘘)」

画家「筋金入りの開拓者なんですね」


開拓者(さて、あと一人だが、この女性も見覚えがあるんだよな……)

女性B「最後はわたしだね〜」

大学生「あの、あなたは『生産者』さんですよね?」


【NAME:生産者 JOB:農林業、畜産業、漁業の教育および支援 AGE:30 HOMETOWN:北風の村 HOBBY:たき火】


生産者「わたしは生産者じゃないんだけど、そう言う人もいるよ」

大学生「やっぱり。来るときから気になってたんですよ!」

開拓者「有名なのか?」

船員「王国各地の村で、生産者を教育したり、植えるものを助言したりしてる人だっけか?」

大学生「はい。旅先でよく噂を聞いてます」
281 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 23:03:30.66 ID:MwXcScgHo
開拓者「ほう、まだ若いのに優秀な女性だな。よろしく頼む」

生産者「む〜。わたしのこと知らんぷりして〜」

開拓者(生産者は子供っぽく頬を膨らませた)

開拓者「あ、お前まさか!」

生産者「やっと気づいたの? お兄ちゃんのバカ」

開拓者「20年ぶりじゃないか! 元気だったか!?」

画家「えっ、い、妹さん……?」

船員「聞いてないぞ!?」

開拓者「ああ、正確には妹ではないんだ。血のつながりも戸籍上のつながりも全く無い」

開拓者「ただ幼少期から16の頃まで寝食を共にしてきただけの赤の他人だ」

生産者「おさがりを着て毎晩隣で寝てた他人だね〜」

大学生「そんな他人いませんよ」

家政婦「家族の形は多様ですね」


船員「よし、これで全員の紹介は終わったな」

船員「みんなでこの村をもっと住みやすく、楽しい場所に変えていこうな」

画家「はいっ。プロの方の足を引っ張らないように頑張ります……!」

生産者「よし。じゃあ二階に行って自分の部屋を決めようか?」

大学生「家政婦さん、荷物持ちますよ」

家政婦「いえ、ダイさんの荷物をあたしが運びますよ」
282 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 23:16:05.54 ID:MwXcScgHo
1週目

称号:あつまれ牧場島 〜 男女6人開拓物語

●開拓地
・牧場島……のどかな開拓ライフを送れる。
・癒しの花園……王国各地の傷ついた人々が集まる町。モダンでおしゃれな観光地としても知られる。

●住民
・船員……癒しの花園で働く船乗りの男。開拓地を転々とする開拓者にとって数少ない友人である。
・大学生……学問の都から来た品のいい青年。学業のかたわらモデルの仕事もしている。
・画家……緑の町から来た気弱な女性。
・生産者……20年ぶりに再会した開拓者の妹分。各地の村で第一次産業の振興をする仕事をしている。
・家政婦……湖畔の楽園から来た素朴なメイド。謎が多い。


こうして、男女6人の共同生活が始まった。

開拓者はこの島から、仕事のために亜熱帯の町や湖畔の楽園、そしてもう一か所の仕事場所へ通う。

この間、開拓者は開拓事務所を留守にしている。

依頼人が開拓者に会えないため、ついにしばらくの間、新規の依頼が入ってくることはなくなった。


開拓者「しかし、共同生活と言っても、何をすればいいんだ?」

開拓者「開拓は大体終わらせてしまったからな……」

コンコン

開拓者「ん? 入っていいぞ」

大学生「失礼します。ダイです」

開拓者「お前か」

開拓者(ふむ、カジュアルながらきちんとして見えるコーディネートだ。さすがはモデルだな)

開拓者(顔もいいし、いかにも女にモテそうだ。属性でいうとやはりクールだろう)

大学生「ご友人でも女の子でもなくてすいませんね」

開拓者「別に構わん、意外だっただけだ。何か用か?」

大学生「俺……実は、開拓者のファンなんです」

開拓者「ん?」

大学生「いや、実際にどういう人なのかは全然知らなかったんですけどね」

大学生「俺、旅行が好きで、いろんな町に行ったことがあるんですよ」

大学生「そしたら、開拓者という人が、短期間で魅力的な町をいくつも作って回っているということを知って……勝手に憧れていたんです」

開拓者「なるほどな。実際会ってみてどうだ?」

大学生「思ったより若くて話しやすそうでした。もっと髭がフサフサで寡黙なおじさんを想像してましたから」

開拓者「なんだそりゃ」
283 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 23:20:18.93 ID:MwXcScgHo
大学生「これから開拓のこと、いろいろ学ばせてもらいます。それじゃまた夕食で」

ガチャ バタン

開拓者「いけ好かない男だと思っていたが……なんだ、見どころのある奴じゃないか」

開拓者「そうか。俺も誰かと話に行けばいいのか。交流が目的だからな」


安価↓1 話す相手を選択(船員、画家、生産者、家政婦)
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 23:20:44.50 ID:bsI2zALq0
画家
285 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/22(水) 23:54:41.18 ID:MwXcScgHo
開拓者(一階のテラスで画家が早速絵を描いていた)

開拓者「見てもいいか?」

画家「あっ、開拓者さん……」

開拓者(画家は緑の町出身らしく、装いもカントリーだ)

開拓者(ちょっと目線を合わせるのが苦手なようだが、初日で緊張しているだけだろうか?)

開拓者(正直、外見は参加者の中で一番タイプだ……)

開拓者「海と畑を描いているのか」

画家「海、あんまり描く機会がないので……」

開拓者「まあ緑の町じゃあな」

開拓者「画家はどうして開拓に参加しようと思ったんだ?」

画家「……。似合いませんよね」

開拓者「別にそんなことは無いぞ」

画家「みなさん、すごい方ばかりですし……私は場違いです」

開拓者「すごい、か……。俺も、俺以外は開拓の素人が集まると思っていたな」

画家「そうです。ダイくんは高学歴ですし、セインさんも家政婦さんもプロの方で……」

開拓者「いや、少なくとも船員は大した奴じゃないぞ」

画家「そ、そうですか……」

開拓者「……町ではどうだか知らんが、少なくとも開拓地では職業に貴賎なしだ」

開拓者「画力も立派なスキルだ。もう少し自信を持っていい」

画家「はい……」

開拓者(わずかに画家との仲が深まったような気がする)

開拓者(画家は5人の中で最も俺との心の距離が遠い。仲良くなるには根気が要りそうだ)
286 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 00:06:56.65 ID:NPI5anM1o
船員「みんなで畑を改良しよう!」

開拓者「俺はしっかり耕したぞ」

船員「ダイくんの発案で、カカシを作ったり、畑に何か植えたりしようって話になったんだよ」

大学生「生産者さん、この畑で育てるなら何がいいと思いますか?」

生産者「暖かいけど乾燥してるからオリーブとブドウかな〜。開拓者はどう思う?」

開拓者「同感だな。花畑島での需要が多い作物だ」

開拓者(基本的に人前でお兄ちゃん呼びはしないらしい。安心した)

家政婦「農業は未経験なので、何をすればいいかわかりません……」

大学生「俺も同じくです」

画家「私も……」

開拓者「思うようにやってみればいいんじゃないか? 分からないことがあったら俺か生産者に相談してくれ」


開拓者(船員はオリーブとブドウの苗を真面目に運んでいる)

開拓者(家政婦は畑のわきで草刈りをしている。鎌の扱いが驚くほど上手い)

開拓者(生産者は丘の上にのぼりたいと言って、動きやすい服装に着替えに行った。なぜ今のぼるんだ)

開拓者(画家は大学生と一緒にクワを振っている。もう耕したんだが……)
287 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 00:08:21.53 ID:NPI5anM1o
開拓者(さて、畑仕事は俺の得意とする分野だ)

開拓者(頼れる男っぷりをアピールしよう)


1.船員と一緒に苗を運ぶ
2.家政婦と一緒に草を刈る
3.生産者を追いかける
4.画家・大学生と一緒にクワを振る

安価↓1選択
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 00:09:25.21 ID:BvLlxbHDO
4
289 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 01:11:54.98 ID:NPI5anM1o
大学生「よっ! よっ!」ザクッ ザクッ

画家「えいっ! えーい!」ザクッ ザクッ

開拓者「畑はもう十分耕したぞ」

大学生「はい。でもやっぱり開拓と言えばクワじゃないですか」

開拓者「そんなことは無いと思うが」

画家「クワが振れないと開拓に参加する資格はありません……」

開拓者「そんなことは無いと思うが」

大学生「でも俺たち、クワを振りたいんです」

開拓者「それなら仕方ないな。俺が振り方を教えよう」


30分ほど、開拓者たちは特に意味のない作業をした。

家政婦は草刈りに熱中して畑から離れたところまでひたすら草を刈り進んでいた。

そんな一同を生産者は上から見ていた。

船員「あれ? 俺しか働いてなくね?」
290 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 01:14:32.39 ID:NPI5anM1o
画家「難しい……」

開拓者「コツをつかんでも結局は筋力が無いとな」

大学生「エソラさん、クワを振る姿をスケッチしてみたらどうですか? 何か掴めるかもしれないです」

開拓者「俺がクワを振り下ろしてる写真ならちょうど持ってるぞ」

画家「写真……」ピクッ

開拓者「どうした?」

画家「描きます」ザザザッ

大学生「デッサンですね。おおー早い早い」

画家「できました!」

開拓者「写真よりも躍動感が増しているな」

画家「ありがとうございます」ニコリ

開拓者(嬉しそうだ。写真にライバル意識があるのか?)


大学生「ご指導ありがとうございました」

画家「そろそろセインさんの手伝いに行かなくちゃ」

開拓者(二人との仲が少し深まった気がする)
291 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 01:51:30.26 ID:NPI5anM1o
生産者「ただいま〜」

大学生「うわっ、生産者さん、服が土だらけじゃないですか」

生産者「心配させてごめんね。ちょっと遠くまで行ってきちゃった」

開拓者(冒険好きなところは30歳になっても変わっていないようだ)

開拓者(最初は気づかなかったが、喋り方のアクセントも、身にまとう雰囲気も何も変わっていない)

開拓者(生産者を見ているとノスタルジックな気分になる)

開拓者(写真家の言っていたのはこれか。画家はカントリーだしな)

大学生「洗わなくて大丈夫ですか?」

生産者「いいよ。こんなのいつもの事だから」

開拓者「生産者は今、各地で農業を教えているんだったな?」

生産者「うん。漁業も畜産も教えてるよ」

開拓者「漁業もか?」

生産者「あれから勉強したからね〜」

開拓者「成長したな……林に火を放っていた頃が懐かしい」

生産者「あーそういうこと言っちゃう? 開拓者はおっぱいを目で追いかける癖は治った?」

開拓者「この話はやめよう」

大学生「降参早いですね……」


開拓者「ところで何しに行ってたんだ?」

生産者「探索だよ。開拓地をよく知っておくのは基本、って団長さんから教わったの忘れちゃった?」

開拓者「忘れてはいない。町を作るのなら俺もそうしたさ」

生産者「あ〜」

生産者「開拓者、クビになっちゃったもんね」

開拓者「うぐっ」
292 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 01:53:43.35 ID:NPI5anM1o
開拓者「妹が丘にのぼっていたのも地形を把握するためか」

開拓者「俺も村の外を探索しておいた方がいいな」

丘を越え、村の反対側に降りた。

開拓者「おや、誰かいるぞ」


安価↓1選択 そこにいたのは(船員、大学生、画家、生産者、家政婦)
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 01:57:47.16 ID:gSK5tin0o
船員
294 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 23:44:32.60 ID:NPI5anM1o
船員「よっ」

開拓者「お前も探索か?」

船員「いやぁ、釣りだ」

開拓者「こんな小さな池じゃ美味い魚は釣れないんじゃないか?」

船員「いいんだよ。釣れさえすれば」

開拓者「そういうものか」

船員「なあ、開拓者さん。どうだ? 誰狙いだ?」

開拓者「まだ数日だが……今のところ、気になっているのは画家だな」

船員「一番接点がない所に行ったなー」

開拓者「単純に好みの顔というのもあるが、放っておけなくてな」

開拓者「ただでさえ自信がないタイプなのに、他の二人の存在がさらに自信を奪っている」

船員「まあ、農作業や家事じゃあ敵わないよな……」

開拓者「お前も気にかけてやってくれ」

船員「わかった。でも、構いすぎも良くないと思うぜ」

開拓者「そうか?」

船員「男子がみんなでエソラちゃん一人に構ってたら、二人は気分良くないだろ」

開拓者「確かにそうだ」

船員「それに、あんまりガツガツいくとあの子は引きそうだと思う」

開拓者「ああ、あり得るな」

開拓者「しつこい男は大抵誰でも嫌うんじゃないか?」

船員「そうかもな」
295 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 23:48:49.95 ID:NPI5anM1o
開拓者がリビングで休憩していると、玄関から家政婦がたくさんの荷物を抱えて入ってきた。

家政婦「ただいま戻りました」

開拓者「おお。すごい荷物だな」

家政婦「シェアハウスを飾るための小物や家具を買ってきました」

家政婦「よいしょ、っと」ドサッ

開拓者(長袖シャツと長ズボンの上にエプロンをつけた彼女は、女性陣の中で最も特徴のない人物に見える)

開拓者(ナチュラルな飾らない魅力……というよりは飾り慣れてない雰囲気がするな)

開拓者(しかし家事をする際の動きはさすがに素早く丁寧で、洗練されている)

開拓者「屋敷の方のデザインもしないといけないのに大変だな」

家政婦「あちらはもうアラクネさんとエルフさんに任せています」

開拓者「職務放棄か?」

家政婦「いいじゃないですか。本当はあたしが警備チームの編成をするつもりだったんですから」

開拓者「そういえばそうだったな」

開拓者(謎の人脈……そして謎の警備への自信……)

開拓者「一つ確認なんだが……お前は普通の人間だよな?」

家政婦「普通ってなんですか?」

開拓者「ちょっと他人と違うパーツが付いているとか……袖をめくるとウロコがあったりしないか?」

家政婦「ありませんよ……」


開拓者「一人でその荷物を運んできたのか?」

開拓者「まさか水中で呼吸ができたりは」

家政婦「しません。ちゃんとセインさんに送ってもらいました」

家政婦「小物はエソラさんと二人で選んだんですよ。ついでにお茶もしてきました」

開拓者「ほう。お前が誘ったのか?」

家政婦「はい。こちらから歩み寄らないと、関係性が築けないと思ったので」

家政婦「最悪、居心地が悪くていなくなってしまうかもしれないですし……」

開拓者「ああ、お前も心配していたのか……」
296 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/23(木) 23:54:31.93 ID:NPI5anM1o
開拓者(誰かをデートに誘うにはまだ早いが、何かの用事を兼ねて一緒に出かけることは可能か……)

開拓者(俺も家政婦のように、誰かを誘ってみるとしよう)

開拓者(行き先は……レストランでいいな)

開拓者(ん? どういうわけか、行く町によっては新たな出会いがありそうな予感がする)


1.花畑島
2.高原の環境都市
3.城塞の都

安価↓1 行き先選択


1.画家
2.生産者
3.家政婦

安価↓2 誘う相手選択(デートは女性しか誘えません)
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 23:55:13.05 ID:g1dqsL/H0
2
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 23:55:21.62 ID:+N7ODkAAo
2
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 23:55:35.15 ID:BvLlxbHDO
1
300 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/24(金) 00:38:53.19 ID:JrLinrQyo
ミス、アルファベットにしていませんでした
安価の秒数を見ると、意図的に選んだわけではなさそうなので改めて選択



A.画家
B.生産者
C.家政婦

安価↓1 誘う相手選択
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/24(金) 00:40:39.71 ID:9kL7GCzFo
B
302 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:10:39.92 ID:xP+SLu73o
開拓者「生産者、明日時間があったら高原の町に行かないか?」

生産者「ん〜? デートのお誘い?」

開拓者「積もる話もあるだろう」

生産者「いいよ。あの町のごはん美味しいしね」



翌日。

船と飛行機を乗り継いで、二人は高原の町へと移動した。

広大な水田と野菜畑、果樹園、牧場、薬草園を有するこの町は、食の都に次ぐ王国の穀倉地帯である。

また、エコロジーをテーマにした遊園地や、新鮮な食材を使ったレストランが観光客に人気で、

観光農園の町、高原の環境都市などとも称されている。


生産者「月並みだけど、空気がおいしい〜」

開拓者「環境の維持に全力を注いだからな」

生産者「あ、ここもお兄ちゃんが作った町なんだ」


病弱な姫が療養するための町を作るよう指示された開拓者は、ひたすら自然環境を守る開拓を行った。

王国トップクラスの環境学者を育て、山の民の意識改革を行い、ある程度の工業開発も可能にしたうえで、全く工業を育てなかった。

その過剰なまでの取り組みにより、王国で最もおいしい空気と水が維持されている。

※高原開拓の詳しい様子は http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476533102/


開拓者「レストラン、予約しておいて正解だったな」

生産者「うーん、美味しい。これは一流シェフの腕だけじゃないね」

開拓者「農作物の量では食の都に劣るが、質はこちらが上だ」
303 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:18:33.02 ID:xP+SLu73o
開拓者「食の都で思い出したが、お前はあの開拓のあと開拓団に帰ったよな?」

生産者「うん」

開拓者「それからどのくらい開拓団にいたんだ?」

生産者「開拓団はすぐ無くなったよ」

開拓者「何?」

生産者「お兄ちゃんの活躍でわたしたち開拓民の社会的地位も認められたでしょ?」

生産者「王国に村を接収されることもなくなったし、各地を転々として暮らす理由が無いじゃない」

開拓者「それもそうか。じゃあ定住したんだな」

生産者「人それぞれだね〜」

生産者「わたしはオレンジの村に移り住んでから勉強して、学問の都のバイオ大学で勉強して、今の仕事をはじめてから5年かな〜」

開拓者「団長はどうしてるんだろうか?」

生産者「わたしも知らない」

開拓者「担当者の爺さんやお前みたいに、どこかでひょっこり会えればいいんだが」

開拓者(その後も俺たちは思い出話や、仕事の話などをたっぷりとした)


ウェイトレス「お皿をお下げいたします」

開拓者「ああ、頼む」

ウェイトレス「あ、あなたは! 開拓者のおじさま!」

生産者「知り合い〜?」

開拓者「いや」

ウェイトレス「あら、この姿では分からなくて当然でござったわ」ドロン

開拓者(胸の前で手を組むと、ウェイトレスの姿は一瞬だけ煙に包まれ……)
304 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:21:11.73 ID:xP+SLu73o
姫「おじさま! お久しぶりでござるわね」

開拓者「姫様……! なぜレストランに……」


【NAME:姫 JOB:忍者 AGE:16 HOMETOWN:高原の環境都市 HOBBY:逃走】


生産者「なんで!? 忍者なんで!?」

開拓者「ああ、混乱するよな……」

姫「わらわはこの高原の町で療養し、健康となり、そして修行を重ね、一人前の忍者になったでござるのよ!」

開拓者「姫様、そんな話し方でしたか……?」

姫「忍者には忍者にふさわしいマナーがあるでござるわ。ニンニン」

生産者「結局忍者なんで!?」

開拓者「いろいろあってな、この町にはニュー忍者の里という裏の顔がある」

開拓者「姫の護衛として忍者を鍛えたつもりだったんだ。まさか姫様が忍者になるとは思わなかった」

姫「父上には怒られてしまいましたわね、でござる」

開拓者「あの時は大変でした。姫様本人に弁解していただいていなければ、私は拷問を受けて死んでいたことでしょう」

生産者「お兄ちゃんも王女様も面白いね〜」

ザザッ

忍者教官「……見参!」

開拓者「うおっ、忍者!?」

忍者教官「……ご無沙汰でござる、開拓者殿」

忍者教官「……時に、姫様を見なかったでござるか?」

生産者「王女様なら今ここに、あれ?」

ウェイトレス「それでは失礼いたします」ペコリ

忍者教官「……お待ちを。拙者の目はごまかせませんぞ」

姫「っ、ここで捕まるわけにいきませんわ!」

姫「逃げるが三計、如かずにござる!」ダッ

忍者教官「……姫様の護衛は我らの職務! 決して逃がしはしません」ダッ

開拓者「……。よく分からないことを言って逃げていったな」

生産者「逃げるのが好きなのかな〜」
305 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:23:25.98 ID:xP+SLu73o
開拓者(姫と忍者の乱入こそあったものの、妹と久しぶりに水入らずの時間を過ごせた)

開拓者(20年の空きがあっても案外、関係は変わらないものなのだな)


船員「よし、ついたぜ」

生産者「楽しかった〜。ありがとうね、開拓者」

開拓者「ああ、また機会があったらよろしくな」

姫「素敵な島でござるわね」

船員「いつの間にか知らない女の子が乗ってた! 密航者か!?」

開拓者「姫様!?」

姫「共同生活、楽しそうね。わらわも混ぜていただけないでござるかしら!」

生産者「わたしはいいけど〜……」

開拓者「困ります。姫様、お戻りいただかないと、今頃高原では姫様が行方不明で大騒ぎになっていることでしょう」

開拓者(最悪、俺が誘拐したことにされる気がする!)

姫「問題ありませんでござるの。分身を残してきましたから」

姫「ではわらわはお先に家に入らせていただきますわね。ニン!」

船員「ひ、姫!? どういうことだよ開拓者さん!」

開拓者「あとで説明する……」
306 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:26:39.67 ID:xP+SLu73o
●住民
・姫(忍者V)……国王の娘。かつては病弱だったが療養を経て立派な忍者になってしまった。スピード型近接2・工作1.5(変化の術:特殊Lvが1増える)


大学生「この方は、王様の娘さんですよね……知ってますよ」

姫「否。わらわは姫の姿に化けているだけのしがないクノイチでござる……」

家政婦「なんて強い忍者……! ぜひチームに誘いたいです」

開拓者「貴族を守るために王女に戦わせるのか……」


開拓者(姫は色素の薄い金髪の美少女で、王族らしいノーブルな雰囲気を持つ)

開拓者(が、しかし、首から下は忍装束だ……)

開拓者(写真家の言っていた出会い、最後の一人が姫ということか)


画家「王女様もこちらに住まわれるのですか……?」

船員「姫が暮らせるように準備しましょう、みんなで!」

家政婦「急ぎ、調度品を揃えに行って参ります」

姫「みな、堅苦しゅうござる!」

姫「わらわのことは一人の居候の忍者として接しなさい、でござる」

開拓者「わ、分かった」

開拓者(普通に接しろと言われても失礼なことは言えないしな……面倒な客人であることに変わりはない)
307 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:34:13.79 ID:xP+SLu73o
1週目結果

画家 26歳 #カントリー 交流0(初期値)→★★
1.緑の町から来た気弱な女性。他の参加者の優秀さに気おくれしている。

生産者 30歳 #ノスタルジック 交流★★(初期値)→★★★
1.20年ぶりに再会した開拓者の妹分。村の農業などを支援する仕事をしている。

家政婦 25歳 #ナチュラル 交流★
1.湖畔の楽園から来たメイド。あまり自分のことを語りたがらない。

姫 16歳 #ノーブル 交流★
1.国王の娘。かつては病弱だったが療養を経て立派な忍者になってしまった。

大学生 22歳 #クール 交流★(初期値)→★★
1.学問の都から来た品のいい青年。旅行が趣味であり、町を作る開拓者に憧れを抱いている。

船員 29歳 #エネルギッシュ 交流★★★★★
1.癒しの花園で働く船乗りの男。開拓地を転々とする開拓者にとって数少ない友人である。


※目標について※
船員は前回の開拓でも交流しているため、最初から交流が★5個分溜まっています。
開拓者が恋人を作るには彼の★の数を超える必要があります。
複数人が超えていた場合、もっとも高い人物のエンディングになります。
★が同数の場合、どうにかします。


〜住民の声〜
画家「みなさん、気を使っていただきありがとうございます……」
大学生「あの開拓者さんと生産者さんから学べるなんて夢みたいですよ」
308 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:49:19.84 ID:xP+SLu73o
2週目

●住民
・船員……交流★★★★★
・大学生……交流★★
・画家……交流★★
・生産者……交流★★★
・家政婦……交流★
・姫……交流★


2週目前半。

船員「リフォーム大作戦だ!」

開拓者「何? 俺の作った家にケチをつけるのか?」

船員「いや、家自体は悪くないんだけど、内装はもっとオシャレになると思うんだよ」

家政婦「あたしの買ってきた家具に問題があるんですか?」

画家「もしかして私のセンスが悪い……?」

船員「だからそういう事じゃないんだって!」

大学生「今日はみんなで工作して、暮らしに彩りを与えようっていう企画です」

生産者「DIYってやつだね〜」

姫「材料にどこにあるのでござるかしら?」

船員「……やべぇ」

家政婦「仕方ありませんね……。材料調達から始めましょう」

開拓者「俺にとってはいつも通りだな」
309 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 19:56:35.69 ID:xP+SLu73o
開拓者(家政婦は林に木材の調達に向かった)

開拓者(画家はテーブル作りに挑戦している)

開拓者(生産者と大学生は庭先で石を積み上げている。窯作りか?)

開拓者(姫は……一体、何を作っているんだ?)

開拓者(船員は町へ釘などを買い足しに行ったため、島を留守にしている)


1.家政婦の手伝いをする
2.画家のサポートをする
3.生産者と大学生の作業に加わる
4.姫の様子を見る

安価↓2選択
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 19:57:17.40 ID:u7602rex0
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 19:57:34.92 ID:FMwIaEIe0
2
312 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 20:19:49.70 ID:xP+SLu73o
画家「……」トントン

開拓者(画家は集中して釘を打っている。だがその手つきは危なっかしい)

開拓者(生産者も家政婦もいない今、俺が見ていなければ)

画家「ふぅ……」

開拓者「がんばってるな」

画家「開拓者さん。ご自分のDIYの方はいいんですか?」

開拓者「俺は日ごろからいろいろ作っているからな」

画家「開拓者さんから見て、私の動き、合ってましたか?」

開拓者「初心者にしてはかなり上手いと思うぞ」

画家「そ、そうですか?」

開拓者「本当だ。だが少し、ケガのリスクが高い持ち方をしていたのが気になった」

画家「ええっ」

開拓者「画家は指が大事だろう? 正しい持ち方をした方がいい」

画家「で、でしたら教えてください」

開拓者は画家の後ろから手を握り、指を打ちにくい持ち方と姿勢を教えた。

開拓者「材料をしっかり固定することが大事だ。あとは力の加減も大事だぞ」

画家「は、はいぃ……」

開拓者「どうした?」

画家「ちょっと……暑いです」

開拓者「おっと、すまん。密着しすぎてしまったな……」

画家「い、いえ! 教えてくれてありがとうございました」

画家「さすが開拓者さんです。私、なんだか上手くなったような気がします!」

開拓者「そ、そうか。良かった」

画家「は、はい」

二人はそわそわしながらテーブルを作った。

開拓者(画家との仲が深まった、か? 嫌われてなければいいのだが……)
313 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 20:25:50.77 ID:xP+SLu73o
生産者「お皿を焼いたよ〜」

大学生「俺のは割れちゃいました……」

家政婦「木材、余りましたね」

船員「玄関先の丸太の山、あれ全部家政婦ちゃんが伐ったのか……?」

画家「このテーブル、少しガタガタしますね……」

開拓者「手作りの証拠だ。気になるならあとで調整しておくぞ」

姫「」

開拓者「ところで姫は何を作ったんだ?」

姫「残念でしたわね! それは今しがた作った身代わりでござる!」

画家「あれっ、本当だ!」

船員「やべぇ、どう見ても偽物なのに意識の外にあって気づかなかった……!」
314 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 20:38:32.83 ID:xP+SLu73o
2週目、後半。

開拓者「―――というわけで、大学の仕事と屋敷の警備の仕事は昨日で終わった」

船員「家政婦ちゃんは昨日の夜帰ってきたけど、開拓者さんは何してたんだ?」

開拓者「別の仕事だ」

船員「まだ仕事があったのか……!」

開拓者「まあ、あと一つか二つだ。大した負担じゃない」

船員「話を聞いてると、開拓者さんって結構頻繁に危ない目にあってるよな」

開拓者「ああ」

船員「開拓者さんの嫁になる女性は只者じゃないんだろうな……」

開拓者「どうしてそうなる?」

船員「単純に、開拓者さんが何の変哲もない人と結婚するとは思えないというのもあるけど、」

開拓者「心外だな」

船員「開拓についていける女性は心身ともにタフなんだろうなってさ」

開拓者「それは俺も考えていた。万が一の時、俺には妻を守り切れる自信が無いからな」

開拓者「無理そうなら町に残ってもらおうと思っている」

船員「まあ、それが現実的だよな」

開拓者「さびしい思いをさせてしまうがな……」
315 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 20:40:40.83 ID:xP+SLu73o
開拓者「ふう、すっかり帰りが遅くなってしまった」

開拓者「ん? リビングの灯りがついている」


開拓者の帰りを待っていたのは

1.画家
2.生産者
3.家政婦
4.姫と大学生

安価↓2選択
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 20:42:47.70 ID:5nkrdN930

317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 20:43:31.63 ID:fXbgZETDO
4
318 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 21:08:57.60 ID:xP+SLu73o
開拓者「ただいま。おや、珍しい組み合わせだな」

大学生「おかえりです」

姫「ニン」

大学生「あいさつをニンで済ませるんすか?」

姫「ニンニン」

大学生「ニンは一回!」

開拓者「ずいぶん打ち解けたんだな……」

大学生「姫さん面白いんですよ。王族とは思えないくらい」

大学生「本当は姫を自称しているだけの忍者じゃないんですか?」

開拓者「残念ながら忍者を自称している本物の姫なんだ」

大学生「とにかく楽しい人なので、ついこんな時間まで話し込んでしまいましたよ」

姫「夜は忍びの時間よ。まだ余裕ですわ。ふわぁ……」

開拓者「眠気で喋り方が戻ってるぞ」

大学生「忍者とか結構好きなんで、東洋にも旅行してみたいんですけどね」

姫「わたくしも一度は行きたい、忍びの総本山!」

開拓者「あっちは情勢が危ないからな……」

開拓者「もともと忍者が王国にやってきたのも、忍者の里が滅ぼされたからだと言っていたな」

姫「あっ、そうですわ! おじさまはフリーの開拓者でしたわね!」

姫「開拓者よ。東の地に忍びの里を作って参れ!(低音)」

開拓者「お断りします」

姫「危険は承知よ。立ちふさがる敵は皆わたくしが倒しますわ!」

大学生「おー、姫さんカッコいいっす!」

開拓者「無茶だと思うがな……」

三人は夜遅くまで忍者トークをして過ごした。
319 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 21:11:08.73 ID:xP+SLu73o
船員「よう、友人。聞いて驚け」

船員「実は俺……デートしたんだ!」

開拓者「何!? 誰とだ!?」

船員「……ダイくんと」

開拓者「……男か」

船員「それが案外楽しかったんだ。湾岸要塞に行ってな、二人で軍艦を見てきた」

開拓者「女ウケしない場所だな」

船員「つまり何が言いたいかというと、女の子とデートするなら女の子が喜びそうな町がいいぜ」

開拓者「何を当たり前のことを」
320 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 21:13:27.30 ID:xP+SLu73o
開拓者(俺は仕事柄、女性が楽しめそうな町にたくさんの心当たりがある)

開拓者(これは大きなアドバンテージなのではないか?)

開拓者(勇気を出してデートに誘ってみよう)

開拓者(……女性を誘うのにわざわざ勇気を出す年齢ではないな)


1.花畑島
2.湖畔の楽園
3.フォトジェニックな町

安価↓2 行き先選択


A.画家
B.生産者
C.家政婦
D.姫

安価↓4 誘う相手選択(デートは女性しか誘えません)
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/25(土) 21:15:10.07 ID:5nkrdN93o
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 21:15:23.15 ID:m8C4MArM0
3
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 21:16:48.42 ID:u7602rex0
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 21:16:52.99 ID:fXbgZETDO
A
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 21:16:55.65 ID:5nkrdN930
B
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 21:17:05.64 ID:wJj66SRQ0
C
327 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 23:04:22.12 ID:xP+SLu73o
開拓者「なあ画家、ちょっと話があるんだが」

画家「な、なんですか? 私が何か……」

開拓者「いや、別に何かを注意するわけじゃない」

開拓者「俺は最近、『絵になる町』を作ったんだ」

開拓者「もし良かったら、その町に遊びに行かないか?」

画家「私と、ですか?」

開拓者「俺と二人じゃ嫌か?」

画家「いえ、そんなこと無いです。行きましょう!」


フォトジェニックな町は二週間と少し前に、城塞の都のはずれに作られた新しい人気観光地だ。

都会人の理想とする、動物とのふれあい、田舎のごちそう、田園風景などが楽しめる。

若い写真家が旗振り役になったことで、写真撮影をメインにした観光客が数多い。


画家「わぁ、素敵な町……! 町……?」

開拓者「町としてはまだ開発中だな」

画家「すごいです……これを一人で?」

開拓者「一人ではないが、たしか4人くらいだったか」

画家「早速スケッチしてもいいですか?」

開拓者「絵になるスポットは田園だけじゃないんだ。まずは見てまわ」

コック「いらっしゃいませー!!! 新商品、ナットーナンはいかがですかー!!??」

開拓者「声がでかい!」

コック「って、開拓者さんじゃないですか! 後ろの方は彼女さんですか?」

画家「い、いえ」

開拓者「彼女は俺の仕事仲間だ。お前と似たようなものだ」

開拓者「で、ナットーナンってなんだ?」

コック「ゆでタコの納豆詰めの中身をレッドナンの中に詰めてみたんです。味見どうぞ!」

画家「ん。変わったお味……」

開拓者「無理しなくていいぞ。こいつの作る料理のうち半分はハズレなんだ」
328 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 23:22:09.70 ID:xP+SLu73o
開拓者と画家は絵になる風景を見て回った。

画家「この教会の下描きに着色してみます」

開拓者「完成が楽しみだな」

写真家「あれ? 絵を描いてる人がいる。写真の方が早いのに」

画家「……」ピクッ

写真家「あっ、開拓者さん! 来るのが早かったですね」

開拓者「いや、今日は開拓に来たわけじゃないんだ」

写真家「ああ、デートですか」

写真家「ほら、アタシの予言した通り! カントリーでセンチメンタルな可愛いお姉さんと出会いましたね!」

開拓者「センチメンタルなのか?」

写真家「はい、雰囲気に出てます。そういえばセンチメンタルとノスタルジックはやっぱり別々ですね」

開拓者「ほらみろ」

写真家「はじめまして。アタシはインスタント・フォトグラファー。インスタントカメラでエモーショナルな写真を撮る写真家です!」

パシャッ ジー

写真家「お近づきのしるしに、どうぞ」

画家「いりません。ただの写真じゃないですか」

写真家「んっ?」ピクッ

画家「私は画家です。特に風景画と静物画、人物画をよく描きます」

写真家「画家さんでしたか。でもこの時代に風景画は流行らないと思いますよ」

画家「絵は芸術作品です……。そのまま切り取っただけの写真なんかと一緒にしないでください」

写真家「写真は芸術じゃないだなんて古臭いですねー。美しい風景はそのままで美しいんですよ」

コック「あわわ……バチバチだ」

開拓者「お前はなぜついてきたんだ?」
329 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 23:37:08.23 ID:xP+SLu73o
画家「写真家さんは属性を知ってますか?」

写真家「はい、知ってますけど? あなたこそ知ってるんですか?」

画家「この教会の属性は?」

写真家「エレガント。なんですか、このテスト?」

画家「時間さえあれば、写真よりもエレガントな絵を描けます」

写真家「それって捏造ですよね? 時間をかけていいならアタシもベストショットが出せますよ」

写真家「開拓者さんは写真と絵、どちらが好きですか?」

開拓者(俺に振るのか……)

開拓者「どちらにもいい所はある……が、俺は画家の方が好きだな」

画家「……!」パァッ

写真家「えー。納得できない」

開拓者「……そうだ、写真家。貯水池の写真を持っているか?」

写真家「ありますけど」スッ

開拓者「なあ、画家。この場所をホラーな雰囲気で描いてみてくれ」

画家「ホラーですか……。苦手ですけど、やってみます」


開拓者(俺の予想通りだった。写真では『言われてみれば…』程度だった、貯水池のダークな雰囲気を画家は見事に強調してみせた)

開拓者(半分まで描いたところで、画家は怖くなって筆を止めた)

画家「も、もう無理です……」

開拓者「この貯水池は俺も近づけない……」

写真家「ひいっ」

開拓者「時間をかけてもこの恐怖は撮れないんじゃないか?」

写真家「認めましょう……。絵には絵の良さがあります!」

画家「やったっ……」


開拓者(画家は帰りも機嫌が良かった。やはり写真をライバル視しているようだ)
330 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 23:44:00.32 ID:xP+SLu73o
2週目結果

画家 26歳 #カントリー 交流★★→★★★★
1.緑の町から来た気弱な女性。他の参加者の優秀さに気おくれしている。
2.写真家に対抗意識を燃やし、いつになく積極性を見せた。

生産者 30歳 #ノスタルジック 交流★★★
1.20年ぶりに再会した開拓者の妹分。村の農業などを支援する仕事をしている。

家政婦 25歳 #ナチュラル 交流★
1.湖畔の楽園から来たメイド。あまり自分のことを語りたがらない。

姫 16歳 #ノーブル 交流★→★★
1.国王の娘。かつては病弱だったが療養を経て立派な忍者になってしまった。
2.もともと体が弱かったためか、手に入れた自分の強さにやや酔っているようだ。

大学生 22歳 #クール 交流★★→★★★
1.学問の都から来た品のいい青年。旅行が趣味であり、町を作る開拓者に憧れを抱いている。

船員 29歳 #エネルギッシュ 交流★★★★★
1.癒しの花園で働く船乗りの男。開拓地を転々とする開拓者にとって数少ない友人である。
2.船員らしく船が好き。大学生と二人で軍艦を見に行きテンションが上がったという。


〜住民の声〜
画家「ごめんなさい、私、動物は触れないので描くだけにします……」
姫「ダイさんを忍者修行にお誘いしたら、やんわり断られましたでござるわ」
331 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 23:52:47.35 ID:xP+SLu73o
3週目

●住民
・船員……交流★★★★★
・大学生……交流★★★
・画家……交流★★★★
・生産者……交流★★★
・家政婦……交流★
・姫……交流★★


船員「釣り大会しようぜ!」

姫「セインさんが勝つための提案でござるじゃない!」

開拓者「恥ずかしくないのか?」

船員「何かみんなでレクリエーションしたいと思って考えたんだよ」

船員「この島で他にできることがあるか?」

生産者「それ、エソラちゃんが参加できないよ」

大学生「魚もダメですか?」

画家「生きてなければ……」

開拓者「ダメだな。では大会は中止ということで」

画家「だ、大丈夫です。私は調理を担当するので、みなさんで楽しんでください」

家政婦「ここはお言葉に甘えましょうか?」

大学生「そうですね」

家政婦「魚が多いときはあたしも手伝うので、遠慮なく呼んでください」
332 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/25(土) 23:58:58.99 ID:xP+SLu73o
開拓者(生産者と船員は船に乗って沖で大物を狙うようだ)

開拓者(仲のいい姫と大学生は二人並んで釣るようだ。歳が比較的近いというのもあるのだろうな)

開拓者(家政婦は、画家が手持ち無沙汰にならないよう、最初は釣れたらすぐに家に持っていくらしい)

開拓者(画家は家の中で魚を待っている)


1.生産者と船員の沖釣りに参加する
2.姫と大学生と一緒に行動する
3.家政婦と並んで釣る
4.あえて一人で釣る

安価↓2選択
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/26(日) 00:02:35.82 ID:c4MnYVvSo
1
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 00:02:57.72 ID:rZ2OEdLP0
3
335 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 21:33:25.96 ID:l2cq8O86o
開拓者「隣いいか?」

家政婦「いいですけど、ここ、釣れませんよ。場所を変えようと思ってました」

開拓者「そうか。ならば俺がいい場所を探してやろう」

家政婦「急ぎましょう。エソラさんを待たせてますし」


二人は島の沿岸を周り、釣る場所を探す。

開拓者「……お前と二人きりになるタイミングが意外と無かったな」

家政婦「あたしに聞きたいことがあるんですよね」

開拓者「気づいていたか」

家政婦「自分のことを話していない自覚はあります」

家政婦「質問いいですよ。一つだけなら何でも正直に答えますよ」

開拓者「一つか……」

開拓者「では、お前がこの開拓に参加した理由はなんだ?」

家政婦「え、動機?」

家政婦「そんなことでいいんですか? 一つですよ?」

開拓者「正直に言うと、いろいろ気になっていることは多いが、あまり話したくないことなんだろう」

開拓者「もうしばらく共同生活を続ける以上、無理に聞き出して空気を悪くしたくない」

家政婦「気が利きますね」

開拓者「まあな。最近は特に心掛けているぞ」

家政婦「……あたしが開拓に参加した理由は、仕えたい人を見つけられるかもしれないと思ったからです」

開拓者「なるほど、あの貴族は失格か」

家政婦「当たり前じゃないですか……」
336 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 21:36:55.31 ID:l2cq8O86o
開拓者「しかし、湖畔の町のメイド派遣サービスにいるのなら、顧客は絶えないんじゃないか?」

家政婦「大抵、一泊二日の観光客向けの貸し出しなんです」

家政婦「特に、あたしはB級メイドなので、中長期の仕事はあまりないんですよ」

開拓者「A級メイドは、あの人間味の無いお世話ロボットみたいなメイドたちか……」

家政婦「C級以下はカフェで働くか、戦闘訓練をしていますね」

開拓者「お前は仕えるならどんな人がいいんだ?」

家政婦「長く仕えられる人がいいですね」

家政婦「過去に仕えた人と対立する羽目は、もうゴメンですから……」

開拓者「おっ、そこの岩礁がいいんじゃないか。魚から姿を隠せる」

家政婦「あの……槍はありませんか?」

開拓者「槍?」

家政婦「海に入って魚を突いてこようかと」

開拓者「危ないし、使うなら槍じゃなくモリだ……」

開拓者(家政婦は魚を何匹か手づかみで捕獲すると、急いで画家のもとへ持っていった)

開拓者(画家を待たせたくないと言っていたが、ずぶ濡れで帰ると気を遣わせるだろ……)


船員「大漁大漁っ!!」

生産者「マグロ釣ってきたよ〜」

大学生「さすが、プロはスケールが違います」

姫「わらわとダイさんのサバが小魚に見えるでござるものね」

画家「こんな大きな魚、どこから手を付ければ……」

家政婦「あたしがやりますよ」スッ

生産者「お〜、上手〜」

開拓者「刃物を使わせたら右に出る者はいないな」
337 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 21:47:50.17 ID:l2cq8O86o
3週目後半。

開拓者「雨か……外で作業はできんな」

開拓者「大学生以外、私用で出払っているから家も静かだ……」

開拓者「ん? お前も残っていたのか」


リビングにいたのは

1.画家
2.家政婦と大学生
3.姫
4.生産者

安価↓2選択
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 21:51:34.99 ID:uJfleNiI0
3
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 21:55:25.46 ID:bgN09Zxa0
1
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/26(日) 21:57:51.16 ID:c4MnYVvSo
4
341 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 23:26:17.99 ID:l2cq8O86o
開拓者「今日は花畑島にスケッチに行くんじゃなかったか?」

画家「この天気ですから……」

開拓者「やめておいて正解だな」

画家「開拓者さんは、雨は嫌いですか?」

開拓者「そうでもないな。どちらかというと日照りの方が困る」

画家「植物が枯れちゃうからですね」

開拓者「ああ。そういう地域の開拓はなかなか大変だ」

画家「やっぱり、いろんな環境の土地に行くんですね」

開拓者「そうだな。放っておいても町ができるような土地を開拓する機会はあまりない」

開拓者「砂漠、雪山、熱帯雨林、そうした極端な気候の土地に行かされることが多いな」

画家「きっと、素敵な景色が広がってるんでしょうね……楽しそう」

画家「あっ、ごめんなさい。楽しそうだなんて、大変な仕事なのに……」

開拓者「いや、楽しいぞ。俺も楽しくなければこんなキツくて割に合わない仕事はしていない」

画家「みなさん、自分の仕事に誇りを持っているんですね」

開拓者「お前は好きで絵を描いているんじゃないのか?」

画家「私は……プロじゃないんです。好きなだけなんです」

開拓者「何? そうだったのか、そんなに上手いのに意外だな」

画家「上手い人はいっぱいいますから、絵画の世界で活躍できるのは一握り……」

開拓者「聞いたことはあるな。美術展に作品を出し、画商に目をつけてもらい、初めてプロとしての仕事が生まれると」
342 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 23:29:23.35 ID:l2cq8O86o
画家「私も、もう26歳です」

画家「そろそろ夢を諦めて……結婚するか、父と兄の仕事を助けるか……しないといけません」

画家「私、この開拓に参加すれば、畑仕事に慣れたり、動物を克服できたり……」

画家「あわよくば、素敵な男性に出会えるかもと思ってたんです……」

画家「何言ってるんだろう、私」

画家「……ふ、不純ですよね。開拓を汚して、ごめんなさい」

開拓者「不純なものか」

開拓者「俺だって似たような理由でここにいるんだからな」

画家「えっ……?」

開拓者「この島の開拓は俺には役不足だ。目的は開拓ではなく、コミュニケーションにある」

開拓者「結果、妹と再会できたし、俺を慕っているらしい若者にも会えた」

開拓者「せっかく縁ができたんだ」

開拓者「お前が今後どうしたいのかは分からないが、俺にできることなら協力するから、遠慮なく頼ってくれ」

画家「……ありがとうございます」

画家「で、でしたら……あの…………。…………」ソワソワ

開拓者「……」

画家「わ、私と…………」

開拓者「……」

ガチャッ

船員「ただいまー!」

画家「ひゃっ!?」ビクン

船員「いやー、やっと雨やんだな!」

開拓者「貴様ぁ!」

船員「ど、どうした友人! らしくない剣幕だぞ!?」

画家「ほっ……」
343 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 23:31:36.33 ID:l2cq8O86o
ある日。

生産者「ただいま〜」

画家「楽しかったー」

大学生「ん? おかえりなさい」

家政婦「お土産です。どうぞ」

開拓者「トウモロコシ? どこに行っていたんだ」

家政婦「スイートコーンの村です」

画家「生産者さんのお誘いで、女子会をしたんですよ」

生産者「わたしが作った自慢の村を紹介できて良かったよ〜」

大学生「えー、いいっすね。俺も誘って欲しかったです」

開拓者「女子会だって言ってただろ」

開拓者「姫は誘わなかったのか?」

生産者「列車に忍者がいたって言って、途中で飛び降りちゃった」

開拓者「無事なのか……?」

スタッ

姫「この通り、無事ですわ!」

画家「よ、よかった……心配したんですよ!」

大学生「天井に穴が……」

開拓者「いつの間にか忍者屋敷に改造されている……」
344 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/26(日) 23:43:39.31 ID:l2cq8O86o
開拓者「自分で作った町を自慢する、か」

開拓者「したと言えばしたが、高原では姫の乱入で、先週は写真家と画家の口喧嘩で、それどころじゃなかったな」

開拓者「俺も自信のある町に誰かを連れて行ってみるか」


1.芸術と娯楽の町
2.妖怪と雪山レジャーの町
3.砂漠のカジノシティ

安価↓2 行き先選択


A.画家
B.生産者
C.家政婦
D.姫

安価↓4 誘う相手選択(デートは女性しか誘えません)
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 23:44:44.53 ID:vvq22gSwO
3
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 23:49:42.06 ID:bgN09Zxa0
3
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 23:51:05.11 ID:BsQxUbRDO
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 23:52:15.85 ID:ZRLf3EG4O
B
349 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:15:56.66 ID:F0otELN7o
開拓者「明日、砂漠の町に行くんだが、お前も来ないか?」

生産者「いいよ〜」

開拓者「まさか二つ返事とは思わなかった」

生産者「暇だからね〜」


開拓者と生産者は、共同生活を営む牧場島から遠く離れた、国境に近い砂漠にやってきた。

二人は鉄道馬車に乗っていた。馬車を引いているのはラクダだ。

開拓者「砂漠の町は1、2年前に俺が作った町でな」

開拓者「それ以来、一度も訪れていなかった。久しぶりに様子を見に行くついでにお前にも感想を聞こうと思ったんだ」

生産者「別に言い訳しなくてもいいよ、デートでしょ?」

開拓者「俺はそういうつもりじゃないぞ」

生産者「ん〜?」チラッ

開拓者「どうした、窓の外に何かあったか?」

生産者「広ーい農園が見えるけど、ちょっと変じゃない?」

生産者「オアシスにしては広すぎるし、地下水路で水を引いたのでも無いよね?」

生産者「なんだか気候がおかしいよ」

開拓者「よく気づいたな」

生産者「どうやったの? お兄ちゃんでも気候は変えられないと思うけど」

開拓者「冒険者が、その……超常的な存在を発見したんだ。そいつに頼んで緑化してもらった」

生産者「へ〜。その人に会いたいな〜」

開拓者「今後接触しない約束と引き換えに引き受けてくれたんだ。もう会えない」

生産者「え〜、残念」

※砂漠開拓の詳しい様子は →http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454661413/
350 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:19:35.99 ID:F0otELN7o
砂漠を越え、大農園の先に見えてくるのは、ピラミッドの上に備え付けられた巨大な砲台。

このランドマークは、凄腕の武道家が集まり、王国軍の駐屯地も有している砂漠の町の防衛能力の高さを誇示している。

温暖で過ごしやすくいつでもカジノを楽しめる砂漠の町は、富裕層の別荘地としても人気だ。

ついたあだ名が、世界一安全なカジノシティ。


ヒーローA「諸君! 観光は楽しんでいるかな?」

ヒーローB「お金を使いすぎないよう、くれぐれも気を付けたまえよ!」

生産者「はーい。すごいねこの町、ヒーローが見回りしてるんだ」

開拓者「彼らはまだ弱い方だぞ。この町は一般人の強さのアベレージも高い」

開拓者「どこにでもいそうな中年女性ですら、鋭い突きや蹴りを放つこともある」

生産者「あっ、見て。学校。あの動き、なんていうんだっけ?」

開拓者「四股だな。道着を着た子供たちが四股を踏んでいる」

開拓者「女の子もいるな。相撲がスポーツ化しているのか……?」

生産者「お兄ちゃんがいた頃は違ったの?」

開拓者「学校で武道を教えてはいなかったはずだ。俺が呼んだ強者たちの影響が形を変えて広がっているようだ」


開拓者「町の風景もかなり変わっているな」

生産者「高級店がいっぱいだね〜」

開拓者「開拓直後はもっと粗削りな雰囲気の町だったが、洗練されている」

開拓者「そういえば経営学を教えて、銀行も作っていたな。需要に応じて新しい事業を立ち上げる土台が整っていたわけか」

生産者「お兄ちゃん、そういう町作りもできるようになったんだ」

生産者「成長したね〜」

開拓者「当たり前だろ」
351 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:24:54.23 ID:F0otELN7o
開拓者「さて、ではカジノに」

生産者「はいストップ」ガシッ

開拓者「何をする」

生産者「お兄ちゃんは賭け事になると勝つまでやめないタイプだから、ダメ」

開拓者「……あれから何年経ったと思っているんだ? 俺は成長したんだ」

生産者「嘘をつくときの顔してる。成長してないね〜」

開拓者「だ、だが、カジノに行かなければこの町に来た意味がない!」

生産者「カジノの周りでパフォーマンスもやってるし、バーもあるから十分楽しめるよ」

生産者「お兄ちゃんが作ったのはカジノじゃなくって町でしょ?」

開拓者「ぐっ……」

生産者「わたし、高級ホテルに泊まりたいな〜」

開拓者「カジノで遊ぶより高くつくぞ」

生産者「一緒に泊まる?」

開拓者「それは駄目だろ」

生産者「二室借りると高いじゃない」

開拓者「駄目なものは駄目だ。倫理的に」

生産者「倫理観なさそうなのに〜」


開拓者(俺たちはパフォーマンスを見たり、高い酒を飲んだり、イルミネーションを見て和やかなひと時を過ごした)

開拓者(その結果……)

生産者「もーあるけない〜〜」

開拓者「30にもなって酔いつぶれて背負われて、みっともないな」

生産者「のみすぎた……ごめんなさい」

生産者「……お兄ちゃんの背中、なつかし〜……。いいにおい〜〜」

開拓者「加齢臭じゃないか?」

生産者「そんなことないよ〜〜」

生産者「……おもくない〜?」

開拓者「いや、全然軽いぞ」

生産者「そう〜……?」

開拓者(酒に酔ってへろへろになった妹を放っておけず、結局同室に泊まった)

開拓者(少しだけ、ドキドキしてしまった)

開拓者(しょうがないだろう……血のつながりは無いんだからな)
352 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:31:15.28 ID:F0otELN7o
城塞の都のレストラン。

船員「男子会!!」

開拓者「なぜここなんだ」

船員「人がいないから貸し切りできるだろ」

大学生「コックさん、すいませんね」

コック「屋台よりは儲かるから大丈夫だよ!」

船員「オムビーフマウンテンと、ゆでダコの納豆詰め、それと地衣じゃがと……」

開拓者「馬鹿、頼みすぎだ! オムビーフマウンテンだけでちょうどいいぞ」

大学生「ドリンクはみんな魚介青汁でOKですか?」

開拓者「目に見えた地雷を踏むのか!?」


船員「さて……男子会を開いたのはお前らに質問があるからだ」

船員「ぶっちゃけ、みんなは誰狙いだ?」

大学生「合コンですか?」

開拓者「お前、船の上でも聞いてきただろ」

船員「気が変わってないかと思ってさ」

開拓者「俺は今のところ、変わらずに画家だな」

大学生「見てて思うんですけど、開拓者さんのそれは、恋心より親心って感じじゃないですか?」

開拓者「どういう意味だ?」

船員「俺も同感。悪いとは言わないけど、開拓者さんがエソラちゃんに一方的に与えてるだけに見えるぜ」

開拓者「俺は楽しい時間をもらっているぞ」
353 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:36:41.63 ID:F0otELN7o
開拓者「俺は言ったからな。お前らの番だぞ」

船員「俺は生産者さんだな。一つ年上だけどおっとりして可愛いんだよなー。あとエロい」

開拓者「お前、兄の前でよくそんなことが言えたな」

大学生「保護者ですか?」

開拓者「保護者だ」


船員「最後、ダイくんは誰が好きだ?」

大学生「6人の中だと、開拓者さんですかね」

開拓者「う、うおおっ!?」ササッ

船員「だ、ダイくん。別に趣味は否定しないが、開拓者さんはゲイやオネエに強烈なトラウマがあるんだ。許してやってくれ」

大学生「ご、誤解ですって!」

大学生「そもそも俺、恋愛目当てで参加してないんですよ!」

船員「マジで?」

開拓者「そうだな……大学生くらいイケメンなら、ここで恋人を探す必要もないだろう」

船員「あー、納得。彼女いっぱいいそうだもんな」

大学生「いやいや、一人もいませんよ」

大学生「勉強に専念してるので」

船員「そういや聞いてなかったけど、ダイくんってどこ大学?」

大学生「学問の都のセントラル大学理学部、惑星環境科学科です」

開拓者「すごいことを研究しているんだな……」

大学生「まだ習ってるだけですよ。それに、勉強したいことと少し違いましたし」

船員「それ、どういうことを勉強するんだ?」

大学生「いろいろです。天文学に、気象学に、あとは岩石のことや植生のこととか」

開拓者「ほう。俺たちにも関係がある分野だな」

そして話が逸れたまま、男三人で2時間ほどお喋りを続けた。
354 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:41:23.94 ID:F0otELN7o
3週目結果

画家 26歳 #カントリー 交流★★★★→★★★★★
1.緑の町から来た気弱な女性。他の参加者の優秀さに気おくれしている。
2.写真家に対抗意識を燃やし、いつになく積極性を見せた。
3.画家として生き続けるのを諦めかけている。開拓者に何かを頼もうとした。

生産者 30歳 #ノスタルジック 交流★★★→★★★★
1.20年ぶりに再会した開拓者の妹分。村の農業などを支援する仕事をしている。
2.今なお開拓者のことを誰よりもよく分かっている。

家政婦 25歳 #ナチュラル 交流★→★★
1.湖畔の楽園から来たメイド。あまり自分のことを語りたがらない。
2.仕えていた人と対立した過去があるらしい。

姫 16歳 #ノーブル 交流★★
1.国王の娘。かつては病弱だったが療養を経て立派な忍者になってしまった。
2.もともと体が弱かったためか、手に入れた自分の強さにやや酔っているようだ。

大学生 22歳 #クール 交流★★★
1.学問の都から来た品のいい青年。旅行が趣味であり、町を作る開拓者に憧れを抱いている。
2.現在恋人はおらず、学業に専念している。専門は惑星環境科学。

船員 29歳 #エネルギッシュ 交流★★★★★
1.癒しの花園で働く船乗りの男。開拓地を転々とする開拓者にとって数少ない友人である。
2.船員らしく船が好き。大学生と二人で軍艦を見に行きテンションが上がったという。


〜住民の声〜
家政婦「姫様とお近づきになりたいんですけど、何を話せばいいものか……」
生産者「迷惑かけてごめんね。わたし酔って変なこと言ってなかった?」
355 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:52:16.96 ID:F0otELN7o
4週目

●住民
・船員……交流★★★★★
・大学生……交流★★★
・画家……交流★★★★★
・生産者……交流★★★★
・家政婦……交流★★
・姫……交流★★


生産者「そろそろ作物を収穫しないとね〜」

家政婦「もうですか? 早いですね」

開拓者「開拓用の特別な肥料を使っているからな。味は劣るから調理が大事だ」

船員「みんな、聞いてくれ」

画家「は、はい」

姫「ニン」

船員「明日、ダイくんの誕生日なんだ」

開拓者「ほう、知らなかったな」

船員「気を遣わせると思って黙ってたんじゃねーかな」

船員「せっかくだから俺たちでお祝いしないか?」

画家「いいですね!」

生産者「だったら、収穫したものでごちそうを作ろうか?」

家政婦「料理はあたしに任せてください!」

姫「皆、思い出に残る宴にするでござるわよ!」

開拓者「とんとん拍子で決まったな」

船員「ダイくんが帰ってくるのは明日だ。早速、準備に取り掛かろうぜ!」
356 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/30(木) 23:54:11.88 ID:F0otELN7o
開拓者(生産者はブドウの収穫に向かった。今日から何か作るのか?)

開拓者(家政婦はプレゼントを買いに出かけるらしい)

開拓者(画家は乳しぼりに挑戦するようだ。大丈夫か……?)

開拓者(姫と船員は室内を飾り付けている。忍者風にならないか不安だ)


1.生産者の収穫を手伝う
2.家政婦と一緒にプレゼントを選びに行く
3.画家の様子を見に行く
4.姫と船員の作業に加わる

安価↓2選択
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/30(木) 23:55:56.31 ID:XSW3o9t60
4
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/30(木) 23:56:02.35 ID:qbihHV9DO
3
359 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/31(金) 00:50:36.53 ID:FYEMmiQGo
牛「ブモォー」

画家「お、お邪魔しまーす……」ソローリ

開拓者「画家、大丈夫か? 生産者から聞いたぞ」

画家「あ、開拓者さん……」

開拓者「お前、動物が苦手と言っていなかったか?」

画家「はい……。恥ずかしながら、全然ダメで……」

画家「牛は私より大きいので、怖いんです」

開拓者「犬と猫はどうだ?」

画家「噛んだり引っかいたりしそうで怖いです」

開拓者「魚は噛まないぞ?」

画家「暴れるのでダメです……」

開拓者「イモムシは?」

画家「む、虫は気持ち悪いです!」

開拓者「鳥も暴れたりつついたりするから無理か」

開拓者「前から思っていたんだが、よく緑の町で生きていけたな」

画家「私もそう思います……」

開拓者「小さい頃はどうしていたんだ?」

画家「昔から、動物に触れる機会が少なかったので……」

開拓者「俺には想像ができない環境だ」

画家「開拓者さんは幼少期から開拓団にいたから慣れてるんですよね」

画家「私もそうだったら慣れたのかな……」
360 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/31(金) 01:09:13.08 ID:FYEMmiQGo
開拓者「そうだな。でも今からでも慣れることはできる」

開拓者「試しに牛に触ってみろ」

画家「えっ、でも……」

開拓者「何かあったら俺が、いや、何かあることはない」

開拓者は牛をポンポンと軽く叩いた。

開拓者「おとなしい牛だ。そっと触れてみろ」

画家「……はい」

ちょんっ

牛「……?」

開拓者「手のひらで」

開拓者は画家の手首を持ち、そっと牛の側面に押し付けた。

牛「……」

開拓者「そのまま撫でてみろ」

画家「ほ、本当に大丈夫ですか……?」

開拓者「牛は信じなくていい。俺を信じればいい」

画家「……はい」

牛「モー」ヌッ

牛が振り向いた。

画家「きゃあっ!」

牛「モー」サッ

怖がらせたことが分かると、牛はすぐに正面に向き直った。

開拓者「な。大丈夫だったろ」
361 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/31(金) 01:10:35.45 ID:FYEMmiQGo
家政婦「ただいま戻りました。……何してるんですか?」

開拓者「牛タッチだ」

家政婦「ああ、動物に慣れる訓練ですか」

開拓者「画家にとっては大きな一歩だ」

家政婦「あたしもその相談を受けたんですけどね」

開拓者「何かアドバイスしたのか?」

家政婦「魚を全然克服させてあげられなかったので、あたしの先生を紹介しようと思ったんですけど」

開拓者「メイド学校の先生か?」

家政婦「いえ、指導者と呼ばれている先生です」

開拓者「あいつか。だがあいつは今……」

家政婦「はい……。先生は今、ご都合が悪いですよね」

画家「よし、30秒。新記録……!」

生産者「乳しぼり終わった〜?」

画家「あっ」

開拓者「俺も忘れてたな……」


翌日。

船員「ハッピー、バースデー!!」

大学生「うわっ、えっ!? 俺、誕生日教えましたっけ!?」

船員「悪い。この間、レストランで手帳のカレンダーが見えてしまったんだ」

大学生「あー、仕方ないです。気を遣わせてしまいましたね」

生産者「ううん。ちょうど収穫祭をしようと思ってたところだったんだよ〜」

家政婦「誕生日パーティ用の料理に変わっただけです。お気になさらず」

開拓者「半分くらいはこの島の食材でできたケーキもあるぞ」

生産者「レーズンと牛乳とバターくらい?」

姫「わらわがクリームでダイさんを描いたでござるのよ!」

開拓者(これ、大学生を描いていたのか。驚くほど下手だ……)

画家「わ、私が搾った牛乳を使ってます」

大学生「エソラさん、牛に触れたんですか? すごい、おめでとうございます!」
362 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/31(金) 01:26:51.35 ID:FYEMmiQGo
家政婦「ダイさんへのプレゼントを用意しました」

大学生「開けてみていいですか?」

ガサゴソ

大学生「いいタオルのセット!」

家政婦「いくつあっても困らないと思いまして」

大学生「本当その通りです! 旅行先に持っていきますよ」

姫「わらわも用意したでござるよ。ニン!」

ガサゴソ

大学生「……忍装束?」

姫「ここに刺繍もしましたでござるわよ」

姫「ダイさんもこれを着て一緒に忍者になりなさいでござる!」

大学生「あはは、今度の旅行は高原の町でもいいかもしれませんね」

船員「あれ、ものすごいプレミアがつくんじゃ……」

生産者「急だったのによく用意できたね?」

姫「いつも人に配れるように荷物に入れてるでござるのよ」

開拓者「すまん。俺たちは用意できなかったんだ」

生産者「ごめんね〜」

船員「もっと早く言えばよかったな」

大学生「いいですよ。いつも色々してもらってますから」

画家「私、今何か描きましょうか?」

大学生「では、今度旅行に行くときについてきてもらって、俺の絵を……なんてね」

大学生「写真をもとに描いてもらうことってできます?」

画家「もちろん。では、いつか描きますね。約束です」

大学生「今日はみなさん、本当にありがとうございました」

大学生「このメンバーから祝ってもらったこと、俺、たぶん一生忘れないと思います」
363 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/07/31(金) 01:32:12.65 ID:FYEMmiQGo
早朝。

開拓者「よし、仕事の日だ」

船員「船を出す準備できたぜ。まだ仕事終わらないのか?」

開拓者「あと少しで終わる。今が正念場だ」


お弁当を片手に、開拓者を呼び止めたのは

1.画家
2.生産者
3.家政婦
4.姫

安価↓2選択
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 01:34:01.03 ID:EYujv5yOo
2
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 01:44:22.95 ID:SJqedtWjo
2
366 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/01(土) 20:21:03.70 ID:Swh41KkOo
生産者「おーい、開拓者〜」

船員「ん? 呼んでるぞ」

開拓者「どうした?」

生産者「今日もお仕事でしょ? はい、お弁当」

開拓者「おお。そういえば今朝からキッチンに灯りがついていたな」

開拓者「ありがとう」

生産者「苦手なものはなかったよね」

開拓者「ああ」

船員「うらやましいぜ。生産者さんってたしか名産品を使った料理のプロデュースもしてるんだろ?」

船員「絶対うまいぞ、それ」

生産者「あとで感想聞かせてね〜」


翌日。

開拓者「帰った。生産者はいるか?」

生産者「いるよー」

開拓者「弁当、すごく美味かったぞ」

生産者「腕を上げたでしょ〜」

開拓者「そりゃあな。お前、昔はなんでも丸焼きにしてただろ」

開拓者「しかし変だな。どこか懐かしい味がした」

生産者「覚えてる? 開拓団の保母のおばさん。あの人の味を研究して再現したの」

開拓者「そうか……これが俺にとっての『実家の味』だったか」

生産者「気に入ったなら、これから毎日作ってあげてもいいよ〜」

開拓者「そういう提案は俺じゃなく、将来の旦那にしてあげろよ」

生産者「ん〜。いい人いないんだよね〜」
367 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/01(土) 20:24:21.07 ID:Swh41KkOo
開拓者「お前も村を転々としているなら、やはり浮気されたりするのか?」

生産者「それはマシな方」

生産者「仕事の引退を迫られたこともあったし、」

生産者「わたしを村に定住させるために、誘拐して閉じ込めて、無理やり子供を作らせようとする村もあったよ〜。こわかったな〜」

開拓者「外道が。滅ぼしてやろうか……!」

生産者「お兄ちゃんこそもういい歳でしょ?」

開拓者「俺もな……王の直属の部下だから、財力があると誤解されて、金目当ての女ばかり寄ってきた」

開拓者「仕事であまり家に帰ってこないのも都合がいいんだろうな」

生産者「それで普通の恋愛ができなくなって、風俗にハマったんだね……」

開拓者「なんで知ってるんだ!!」

生産者「あれ? 当たった?」

開拓者「やられた……」


生産者「まともな人もいたけど、みんな、わたしから離れていくんだよね」

開拓者「おそらく、家庭的でおっとりした女性が好きな男は、お前の活動的で好奇心旺盛なところを快く思わないんだろうな」

生産者「でも、自分の性格を曲げてまで一緒にいられないよ」

生産者「一番波長が合う男性は、開拓者かも?」

開拓者「それは兄妹だからだろ」

生産者「血のつながった兄弟でも仲の悪い人たちはいるよ〜」

開拓者「では、俺たちは幸運だったな」

生産者「……そうかな〜」

生産者「お兄ちゃんじゃない開拓者と出会えたらよかったのにな」

開拓者「どういう意味だ……?」
368 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/01(土) 20:26:28.56 ID:Swh41KkOo
※現在の交流の★数

・画家……交流★×6
・生産者……交流★×5
・船員……交流★×5
・大学生……交流★★★
・家政婦……交流★★
・姫……交流★★
369 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/01(土) 20:28:31.35 ID:Swh41KkOo
共同生活の終わりもあと数日に迫った。

画家「1か月、あっという間でしたね……」

船員「まだ数日残ってるし、やり残したことは今のうちにやっておこうな」

大学生「一つ提案なんですけど、最後にみんなでどこかに旅行に行きませんか?」

大学生「大学だと、卒業前に仲間と卒業旅行に行くっていう文化があるんですよ」

画家「それは楽しそうですね」

姫「ちょうどいいものがあるでござるますわ! じゃん!」

開拓者「これ、開拓候補地カタログじゃないか!」

開拓者「どこから持ってきたんだ?」

姫「あら? 普通に王宮からでござるわよ」

家政婦「姫さんは顔パスですからね」

姫「いえ、窓からこっそり侵入しましたでござるけれど」

開拓者「なんてことを……」


船員「いろんな土地の情報が載ってる。面白いな」

画家「大丈夫ですか……? 見たら何かの罰を受けてしまいませんか……?」

姫「王国は開拓をやめましたから、こんなのは機密文書でもなんでもないでござるでしょう?」

生産者「むしろここにある方が自然だね〜」
370 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/01(土) 20:33:45.97 ID:Swh41KkOo
開拓者「気になる土地はあったか?」

画家「この、疎林と四季林で絵を描いてみたいです」

開拓者「どちらも開拓が難しい土地だな……」

家政婦「そうなんですか? 住みやすそうな風景に見えますが」

生産者「まあね〜。行ってみれば分かると思うよ〜」

生産者「あれ? 密林が残ってるのは意外だね?」

開拓者「そういえば熱帯を開拓したことは無かったな」

船員「へえ、この地峡と干拓地って土地はいい港町になりそうだな」

船員「ってこれ、運河建設も干拓もまだ計画段階なのか。やっぱり機密文書だったんじゃ……」

生産者「洞穴群だって。洞窟の中じゃ農業できないね〜」

姫「ふ、吹雪のやまない土地、北限!?」

姫「こんな場所を開拓させようとしていただなんてパパは鬼畜でござる!」

大学生「うーん、行くならこの日没浜ですね」

大学生「でも、ここってまだ町はないんですよね?」

開拓者「ああ。開拓候補地だからな」

大学生「それじゃ、旅行には向いてませんね」

姫「はっ、確かに!」
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