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【艦これ】龍驤「足りないもの、その後」外伝
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1 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[sage saga]:2020/06/07(日) 14:31:29.04 ID:79b8uyYv0
このスレは
【艦これ】龍驤「足りないもの」【安価】
http://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1515586186/
からの派生作品や外伝を書き込む場所です
まさかの2スレ目です
前スレ
【艦これ】龍驤「たりないもの」外伝
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1532860601/
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1591507888
2 :
◆I4lwDj9Dk4S2
[saga]:2020/06/07(日) 14:33:01.60 ID:79b8uyYv0
前スレが900を越えましたので新スレを建てました
またお暇な時にでも、宜しくお願いします
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/07(日) 16:02:23.21 ID:mAVCV2Zxo
たておつです
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/06/24(水) 19:29:51.30 ID:m3gf+toV0
ツイッターで嘆いたネタを少し
ーー某所
白鶴「白鶴と〜」
ライ「ライの!」
白鶴ライ『下町食べ歩きツアー!』
白鶴「はい、というわけで今日はこの商店街をスタートにしていきたいと思います」
ライ「この辺りは美味しいものが色々あるらしいから期待しちゃうわ!」
白鶴「ライちゃん、調子に乗って食べ過ぎると太ってしまいますよ?」
ライ「白鶴さんこそ!スカートのサイズ、また大きくなっちゃうわよ!」
白鶴「……悲しみ」
この番組は家庭にエキサイティングなひと時を、ツクオリの提供でお送りします
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/24(水) 19:31:19.01 ID:m3gf+toV0
ライ「まず一軒目はこのお店よ!」
白鶴「ここはラーメン屋さんですか?」
ライ「そう!ここの名物は肉そばよ!」
白鶴「お邪魔します…と。これは中々雰囲気あるわね」
ライ「一番人気は肉そばとチャーハンセットですって」
白鶴「じゃあ私はそれをお願いします」
ライ「私は黒とんこつラーメンにするわ!」
白鶴「この濃厚な匂い…堪らないわね」クンクン
ライ「お昼時に男の人で賑わっている光景が目に浮かぶわね」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/24(水) 19:33:12.66 ID:m3gf+toV0
「お待たせしました」
白鶴「これは…!」
ライ「肉!油!油!まさにコッテリの肉そばね!」
「こちらは黒とんこつラーメンです」
ライ「あら…?こっちはコッテリ成分は控えめなのかしら」
ライ「…いえ、スープが濃い。これは侮れないわ。白鶴さん、そっちは…」
白鶴「ズルルルルルルルルル…」
ライ「凄い勢いで食べてる!?」
白鶴「油が!肉が!体に染みる!DNAがこの味を求めているのよ!」
ライ「気持ちは分かるけど飛ばし過ぎ!この後まだロケがあるのよ!」
白鶴「チャーハンも美味しい!ラーメンも…あぁお箸が止まらない!」
ライ「白鶴さん!加減して食べてって言ってるのに!」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/24(水) 19:34:44.42 ID:m3gf+toV0
白鶴「肉そば…美味しかったぁ……」
ライ「…お腹いっぱい?」
白鶴「ええ、大満足よ」
ライ「……次は人気の定食屋さんよ。名物は日替わりランチですって」
白鶴「……」
ライ「白鶴さん?」
白鶴「げふっ…」
ライ「…さあその定食屋さんに行きましょう!」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/24(水) 19:36:27.14 ID:m3gf+toV0
「いらっしゃいませ。ご注文は?」
ライ「このお店の一番人気、日替わりランチをお願いするわ!」
「はい。そちらのお客さんは?」
白鶴「……お冷やを」
「はぁ…」
ライ「……」
白鶴「あ、お腹苦しい……ちょっと横になるわ…」
ライ「……」
白鶴「ねぇスタッフさん、さっきのお店の連絡先教えてくれません?あ、ロケが終わったら…はい…」
ライ「……」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/24(水) 19:37:26.49 ID:m3gf+toV0
「メガ盛り日替わり定食です!」ドンッ
ライ「…凄いボリューム」
「うちではこれがデフォルトなんです。どうぞ残さずお楽しみ下さい」
ライ「……」チラッ
白鶴「…」うとうと
ライ「…ここで寝たらお尻しばき倒すわよ」ボソッ
白鶴「んぇてませぇん…起きてますぅ……」
ライ「……」
ライ「わぁぁ凄いボリューム!これは男の人も大満足ね!」
白鶴「ん〜……」
ライ「……っ!!」ギュウゥゥゥゥ
白鶴「痛い痛い痛い!お尻をつねらないでライちゃん!!」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/24(水) 19:44:27.60 ID:m3gf+toV0
ライ「はふ…はふ……」
白鶴「凄いボリュームね…」
ライ(台本だとここの定食を白鶴さんと二人で完食して、その次にスイーツ屋に行くことになってる…)
ライ(このお店の料理って頼んだ人が食べないといけないのよね?テレビだから別に良いの?)
ライ(スタッフさんも動いてくれてるみたいだけど…カメラが止まらないからそういうことなのよね…)
ライ(頑張れば…食べれそうね……)
ライ「ん、んふ……とってもボリューミーで…素敵な定食ね…」
白鶴(……完全にやっちゃったわ)
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/24(水) 19:45:07.03 ID:m3gf+toV0
白鶴(一軒目のお店は控え目にって言われてたじゃない…なんで忘れちゃうのかしら)
白鶴(ライちゃんがあんなに頑張ってるのに私ったら…)
ライ「……ぅ〜」
白鶴(ここはなんとか場を繋がないと。それが唯一私にできること)
白鶴「…定員さん、ここのお店の内装って凄く綺麗というか拘りを感じられるわ。何かテーマがあるのかしら?」
「あ、うち借家なんですよ」
白鶴「……そう」
「よく分かんないオブジェとかも家主さんの趣味なんです。うちらは何もいじってませんねぇ」
白鶴「……ごめんなさいライちゃん」
ライ「んぐっ……」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/24(水) 19:48:47.45 ID:m3gf+toV0
ライ「ふぅ…ふぅ……この後は…話題のタピるスイーツ屋に…」
白鶴「…ねぇライちゃん、あそこに公園があるわ」
ライ「…それがどうしたの?」
白鶴「少し体を動かしていかない?」
ライ「でもそんな時間…」
白鶴「そんなのいいから、先に行ってるわよ〜」タタタッ
ライ「あ、もう……スタッフさん、すぐに連れ戻して…え、いいの?」
ライ「尺稼ぎに使えるから一応撮っておく…そう、それなら良いけど…」
ライ「じゃ、じゃあ私も公園に行くわね…」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/24(水) 19:49:22.06 ID:m3gf+toV0
白鶴(ライちゃん、暫くここで休憩よ)
ライ(白鶴さん…)
白鶴(ライちゃんが満腹になったのは私のせいなんだし、ちゃんと責任は取るわ)
ライ(…流石は白鶴さんね)
白鶴(ライちゃんはそこで見てて。私が全力で公園の遊具を遊び倒す所を…!)
ゴロゴロゴロ…
ライ「…あら?」
白鶴「カミナリ…?」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/24(水) 19:50:24.67 ID:m3gf+toV0
ザァァァァァ
ライ「大雨よ!ゲリラ豪雨だわ!」
白鶴「傘!傘は!?」
ライ「…無いの!?」
白鶴「びしょ濡れよ!これじゃあ……!」
ライ「白鶴さんを撮っちゃダメ!!下着が透けまくってるわ!」
白鶴「今日に限ってエッチなのを穿いてきちゃってるのよ…」
ライ「白鶴さんは口に出さないで!」
ザァァァァァァァァ
白鶴「いやぁ〜〜!また強くなった!」
ライ「一旦あの遊具の陰に隠れて作戦会議よ!」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/24(水) 19:51:27.32 ID:m3gf+toV0
白鶴「…そうよね、今日のロケは中止ね」
ライ「でも収録日は今日しか無いのよね?」
白鶴「尺は全然足りないって訳じゃないはずよ。残りのスイーツ屋さんの分の尺があれば良い」
ライ「でも他にできることは無いわよ?着替えも無いし、別のお店にアポも取ってないし…」
白鶴「…そうよ、着替えるまでの時間を稼げばいいわ。スタッフさん、ライちゃんと私の服を用意してきて下さい」
ライ「それだけじゃ…」
白鶴「私達はその間に銭湯に入るのよ。そうすれば流れも自然になるわ」
ライ「白鶴さん…!」
白鶴「お色気シーンも足されていい感じになる。ライちゃんの入浴姿はNGかもしれないけど、私なら大丈夫」
ライ「やっぱり白鶴さんは凄いわ!ここでそんな事が思い付くなんて!」
白鶴「そうと決まれば銭湯に急ぎましょう!」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/24(水) 19:52:10.84 ID:m3gf+toV0
ダダダッ
ライ「雨が止まないから走って銭湯まで行くわよ!」
白鶴「更にびしょ濡れね!」
ライ「でもこの後お風呂に入るんだから問題無いわ!」
白鶴「着いたわよライちゃん!ここが…」
ライ「どうしたの白鶴さん、早く中に入りましょうよ」
白鶴「……」スッ
ライ「何を指差してるの…」
ー本日設備不調の為臨時休業ー
ライ「もぅヤダぁーーーー!!」
白鶴「……悲しみ」
この番組は超!エキサイティング!!ツクオリがお送りしました
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/24(水) 19:53:23.07 ID:m3gf+toV0
ナレーションを入れてテレビ番組風にしようとしましたが、そういう番組を見ないので難しかったです
それではまた何か思い付けば…
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/24(水) 20:15:28.72 ID:O/h2cOHAo
おつです
雨で濡れた所から神がかるカメラワーク、見えたっ!
19 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2020/07/04(土) 20:37:45.48 ID:RM8C3ZgDO
前スレ896から
「ぬりゃああぁぁ!」
大本営にて私の雄叫びが響き渡る
サンドバッグに拳を当てて気合いを入れて突き出す
ぐきっ
「ぬあぁぁ!?」
手首を挫きました!
―――それでは単に力を入れて押し出してるだけですね―――
先日、武蔵に綾波が使っていた技をやってみようとしているがやはり簡単にはいかないようだ
ここは本営内の訓練施設、海上に演習場があるので普通の艦娘はこういう場所は利用しない
しかし私達特務艦は違う
相手とするのは何も深海棲艦だけではないのだ
旧大本営時代から特務艦には色々な任務が課せられてきた、そこには地上戦も含まれている
そして地上での戦いの相手といえば…これは通常、深海棲艦だけを相手にしている鎮守府は知らない事だ
それは新体制になった今も変わってはいない
不穏の種は海よりも陸の方が圧倒的に多いのだ
20 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2020/07/04(土) 20:39:09.20 ID:RM8C3ZgDO
「あ痛た…」
―――大丈夫ですか?医務室に行きましょう―――
大丈夫、ちょっとだけ挫いただけだから。水で冷やしとく
―――そもそも寸打は動かない相手に使っても仕方無いんです、相手の動きに合わせて使う技ですから―――
そっかぁ…私にもようやく必殺技的なものがと思ったんだけどなぁ…
―――そんな便利なものじゃないですよ。確かに威力は必殺ですが、その状態に持っていくまでが大変なんですから―――
深海棲艦相手に使うにしても砲撃を掻い潜り、魚雷を避け、敵艦載機の攻撃を抜け、そして密着する程に近付き拳を当てる、これでようやく準備完了だという
―――そんな事をするくらいなら普通に砲撃した方が早いです―――
確かに…近付く前に沈んでたら話にならないか
「ちょっと貴女」
そこで背後から声が掛かる
振り向けば不機嫌そうな顔をした艦娘が立っていた
21 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2020/07/04(土) 20:41:17.82 ID:RM8C3ZgDO
「信濃さん…」
特務艦、信濃
旧大本営が鳴り物入りでお披露目した新型艦娘。時期主力として特務艦隊長を勤めていた。が――
旧大本営を裏切った大和と交戦し、敢えなく敗れ艤装は激しく損傷、その後大和は何故か止めは刺さずに姿を消した
新型の艤装も信濃専用の特殊な物らしく修理には時間を要し、その間に旧大本営のクーデターや成虫の孵化等が起こり、彼女は実質旧大本営に捨てられた形になってしまっていた
おそらくは大和に負けた時点で見限られていたのだろう
そんな彼女はとにかく名誉欲が強い。事ある毎に私や上司である幹部にも口うるさい
信濃「貴女!いい加減にしてくれませんかね!」
「何がでしょうか?」
小言の内容は察しているが敢えてすっとぼけて見せる
信濃「他の特務艦達の事です!最近の彼女達は本当にもう…!」
私が特務艦達を手ごめにしてからというもの、彼女達の任務に取り組む姿勢に変化が生じていた
まあつまり…私が居ない、見ていない所で露骨に手を抜く、やる気無し、隊長である信濃はそれはもう苦労しているらしい
逆に私が居る時との差はあまりに激しく、隊長の面目は丸潰れ状態が続いている
22 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2020/07/04(土) 20:43:20.68 ID:RM8C3ZgDO
信濃「…貴女が原因なのは解っています。全くなんて破廉恥な…!」
それについては弁明のしようも無く…。私自身もちょっと考え無しだったと反省している。しかし今更関係を解消するとか言い出したら多分私は死ぬ
それは信濃も理解しているのかもう止めろとは言ってこない
信濃「貴女から彼女達にちゃんと言い聞かせてください!隊長命令です!」
「はあ…」
今まで緊急事態を除き、私から特務艦達に何かを頼んだり命令したりした事は無い。見返りに何を要求されるか判りきっているからだ
今でもいっぱいいっぱいなんだよ!回数は減ったが、より濃厚になってしまい負担はあまり減っていない
信濃「とにかくこれ以上任務に差し支えるようなら…解りますか?」
「解体、ですか」
信濃「それを決める権限は私にはありません。ですが上に改善策を求めるならその可能性も出てきます」
上に…か
今の大本営を概ね取り仕切っているのはあの幹部だ
今でこそ穏健派の筆頭だが…アイツは怒らせたらヤバい奴だと私の本能が言っている
下手をしたらその原因である私自身もヤバい
23 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2020/07/04(土) 20:45:09.16 ID:RM8C3ZgDO
「…解りました…何とか言ってみます」
信濃「頼みましたよ。私も部下をこんな事で失いたくありませんので」
そう言って去っていく後ろ姿を見ていると
―――あの人…あんな感じでしたっけ…それに何かをいつも持っていたような…―――
何かって?
―――いえ、判りません…ただ何か違和感を感じただけです。まるで知っている人とは違うような…―――
よく解らない
「さて…じゃあ話を付けに行く前に…ドリンク用意しとかないとな…」
まず間違い無く話をするだけでは済まない、説得が成功してもしなくても性交はする羽目になるだろう
違和感…か
私にもそれはあった
私はここで何かを探っていたような気がする。それが何かは解らない
解らない事を考えても仕方が無い。今大事なのはこれからどうやって説得するかだ
出来れば話だけで済めばなあ…どうしてこうなった…
そうして私は特務艦達の部屋へと向かった
24 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2020/07/04(土) 20:47:33.22 ID:RM8C3ZgDO
結果から言えば説得は上手くいった
別に私は話術が得意という訳ではない。ただ現状をありのままに伝えて真面目にやらないとヤバいと訴えただけだ
もちろん原因を作った私もただでは済まないだろうと話すと特務艦達の顔色が青ざめた
「特務艦として私達は少し弛んでいたのかもしれないわね…」
「綾波様を処分するなら私が相手になってやるううう!」
「私達は知らず、綾波様を追い詰めていたのですね…」
一部暴れ出した子を他の特務艦が押さえ込み説得(物理)を施して黙らせた
まあ…彼女達は元々エリートで向上心は極めて高い。それを私が快楽で洗脳したみたいな形になってしまっていたが話せばちゃんと解ってくれるのだ
「綾波様が見てないからって手を抜くのは特務艦失格ですね…」
「これからはちゃんと真面目に任務に取り組むので捨てないでえええ!」
「でもちゃんとご褒美はくださいね…?綾波様…?」
私は引きつった笑顔でそれに…頷いた
「大丈夫ですよ、綾波様の体調が最優先です」
だと良いんだけどね!
25 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2020/07/04(土) 20:49:53.26 ID:RM8C3ZgDO
「でもあの隊長はちょっと苦手だけどね…」
「まあ…新型として登場してから鳴かず飛ばずだから焦ってるのかも」
「悪い人ではないんだけど…経験がちょっと足りないかな…」
「綾波様が隊長ならいいのに」
「「「それだ!!!」」」
いやそれだじゃないよ。私じゃ隊長は務まらないし、そんな責任を負うのはまっぴら御免だ
―――そうでしょうか?こんなに慕われているのに?―――
綾波まで…第一私は隊長としては弱すぎる。いざという時部下を守れない隊長なんてお飾りもいいとこだ
―――ふふ、守られていたらいいじゃないですか―――
第一信濃が納得しないでしょ。やだよ私は。恨みを買いたくない
尚も私が隊長だの果ては時期大本営のトップにまで押し上げるだのという妄想話でその日は終わった
問題は解決、特務艦達の任務に対する姿勢も改善され、これで平穏は約束されたかに思えた
26 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2020/07/04(土) 20:52:20.73 ID:RM8C3ZgDO
幹部「やあ、今はいいかな?」
デスクで事務作業をしていた私に幹部が声を掛けてきた
「何でしょうか」
幹部「そんな露骨に嫌そうな顔をしないでほしいな」
おっと顔に出ていたようだ。この幹部が持ってくる話は七割方は厄介事なのだ
幹部「話は聞いたかい。あれだけの推薦を貰っているのはさすがと思ってね」
「推薦…?話…?」
嫌な予感がした
幹部「まあ信濃君が居る手前、君は隊長補佐という肩書きになるが」
ああ…あああ…
幹部「辞令は後日正式な命令として発表するよ」
あの話はあの場の妄想じゃなかったのか…
推薦状は特務艦一同だけではなく彼女達が裏から手を回したらしい軍人や一般職員や医師、果ては食堂の料理担当から守衛のものまであったらしい
幹部「人気者は辛いねぇ」
「オマエぇ…知ってたな…」
幹部「情報は命だからね」
ニヤニヤしながら幹部が言う
幹部「それに君はこれまで自分を守る事だけを考えてきた。だけどそろそろ次の段階に進むべきだと思うよ」
27 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2020/07/04(土) 20:54:42.88 ID:RM8C3ZgDO
「私に何が出来るっていうんだ…こんな雑魚深海に…」
幹部「君はどうも自己評価が低すぎる傾向があるね。君はよくやっているよ。特務艦としても他の子達に劣ってはいない」
「…私の練度は知ってますよね」
幹部「僕が見てるのは強さだけではないという事さ。君達の世界では考えられなかっただろうが」
…深海棲艦の世界では弱ければ一日足らずで死ぬ。強さが何より重要だった
だけど人間の世界は違った。人間はこの私よりも更に弱い。目の前のこの幹部だってその気になれば今すぐにだって殺せる
だけどそれでも私はこの人間に勝てる気はしないのだ。命を奪って尚私は勝てないだろうと思ってしまう
幹部「旧大本営との戦いの際の君の功績は大きい、割とバラバラな特務艦達を纏めた手腕は僕達には必要なものだ。…その手段はあれだけどね。それに…」
「それに?」
幹部「君が慕われているのは何もそれだけではないと僕は思うよ。そうでなければ仮にも特務艦である彼女達を馬鹿にしている」
私の下半身以外に何か好かれる要素はあっただろうか…と頭を捻る
―――本人は気付かないものですよね、こういうのは―――
笑いを含んだ綾波の声がした
28 :
◆B54oURI0sg
[sage saga]:2020/07/04(土) 20:57:26.46 ID:RM8C3ZgDO
幹部「…君には言っておこうと思う」
幹部が急に真面目な顔で話し出した
「…はい」
幹部「君には信濃君と協力して特務艦達を纏め、ある事態に備えてほしい」
ああ…嫌な予感が大きくなっていくのを感じる
「…ある事態とは」
幹部「…行方知れずだったある艦娘を目撃したと報告が入った。彼女が何故これまで動きを見せていなかったのか理由は不明だ。だが…」
彼女…行方不明…特務艦の戦力が必要…まさか
幹部「彼女…大和は大本営という組織そのものを憎んでいる。そして彼女の思想は危険なものだ」
やっぱりかあああ!!!
大和の名前を聞いた私は知るはずの無いビジョンを垣間見た気がした
禍々しい姿に変貌した大和らしき艦娘が刀を振り上げ襲い掛かる。それに立ち向かう、こちらもあり得ない程に長い髪を靡かせ巨大な槍を構えた艦娘
信濃…?だけど違う…これは…
しかしそのビジョンは形を保つ事も出来ずに霧散してしまい、それを見たという記憶さえ残らなかった
綾波がぽつりと呟くのが聞こえた
―――大和、次は必ず―――
その声は聞いた事も無い程に底冷えのするものだった
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