【艦隊これくしょん】提督「大淀はこれからどうするんだ?」【安価】

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12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/18(月) 02:11:44.30 ID:LVh2tpSf0
−病院

大淀(長門さん……!)

大淀(長門さんっ、長門さんっ、長門さんッ!!)

 外から走りこんできた大淀は、静止する声も聞かず、事前に聞いていた病室の中に走りこんだ。
 そこにいたのは……。

大淀「ながと、さん……」


長門「…………」


医師「…………(一礼した後、無言で外に出て行く)」


大淀(私は呆然と、ベッドで眠る長門さんの元へと歩いていった)

大淀(眠っている……きっと眠っているだけ……そのはず……)

大淀(…………)

大淀(顔をのぞきこんで、わかってしまった)

大淀(私は、ずっと戦場にいたのだから)

大淀(生まれた時から……いえ)

大淀(生まれる前から、最初に『大淀』として生まれた時から、ずっと、戦場にいたのだから……)

大淀(どうしようもないほどに、私は、彼女の、死を、わかってしまった……)


−斎場


提督「道路に飛び込んできた車から、子供を庇って、か」

提督「まったくお前らしい……。お前らしい最期だよ」

提督「お前はもう、私の部下ではなかったけど、それでも私はお前を誇りに思う」



大淀「…………」

提督「大淀」

大淀「……提督。今日はお忙しいところ、ありがとうございます」

提督「水臭いことを言わないでくれ。私こそ礼を言いたい。ありがとう、喪主を務めてくれて。私が引き受けようと思っていたんだが」

大淀「私たちには……身寄りがありませんからね。だからもしこういうことがあったら、一番近くにいる仲間が引き受けようって」

提督「そうだったのか」

大淀「だって、提督に全員分を引き受けてもらうわけにはいかないでしょう?」

提督「そうか……そうだな」

大淀「ええ。これが私たちなりの……。艦娘ではなく、一人の人間として生きることの、誇りです」

提督「そうか……」

大淀「はい」

提督「…………」

大淀「…………」

提督「……大淀。きみはこの後、どうするつもりだ?」

大淀「……これから……?」

提督「今の職場で仕事を続けるというなら、それはそれで構わない」

大淀「…………」

監督「しかし、もしきみが望むのならば……違う道を歩んでもいいと思う。私も協力できることがあれば、何でも言ってほしい」

大淀「…………」

大淀「そうですね、私は……>>13
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/18(月) 02:19:59.18 ID:J0yKuoWA0
長門の遺志を引き継いで監督になりたい
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/20(水) 01:58:48.67 ID:b7MmIpBr0

大淀「私は……長門さんの後を継ぎたいと思っています」

提督「監督になる、ということか」

大淀「はい。長門さんのサッカーはまだこれからでした。彼女が遺した戦術がどこまで行けるのか、それを確かめたいんです」

提督「そうか……」

大淀「とはいえ、私はまだ実績を残していません。長門さんが代表監督になったのも、艦娘時代に前監督と知り合って協力し、結果を出したからでした」

提督「確かにこのまま大淀が監督になるのは難しいか」

大淀「はい。それに私自身の経験も、知識も、まだ長門さんには遠く及びません。だから提督にお願いがあります」

提督「何をすればいい?」

大淀「私が実績を積むことのできる場を紹介してほしいんです。どこでも構いません。監督としての能力を振るえる場所があれば、私はそこで結果を出してみせます」

提督「なるほど、な。……サッカー部のある高校ならいくつかツテがある」

大淀「高校ですか?」

提督「そうだ。高校のサッカー部なら大淀の経歴を買ってくれるだろう。その上で、選手が高校生でも監督としての仕事は変わらない。実績として評価されるはずだ」

大淀「よほどの結果を出せれば、ですね。それこそ全国大会で何度も優勝するくらいに」

提督「そうだな。自信はあるか?」

大淀「もちろんです。よろしくお願いします」

提督「……変わったな、大淀は」

15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/20(水) 02:00:51.13 ID:b7MmIpBr0
大淀(そう言って提督は、少しだけ笑った)

大淀(変わった……そうなのかな? 自分は変わったのかな)

大淀(……自問して気づく。私はこれまで誰かのお手伝いだけをして生きてきたことに)

大淀(それが、艦娘の大淀に求められる役目だったのかもしれない)

大淀(でもいまは違う。私は、私自身の道を自分で選んで歩いていく。そうあるべき時が来たんだ)

大淀(不思議と不安はない。ただ、自分を動かす強い気持ちだけが胸から湧いてくる)

大淀(長門さん。私がいま、こうあれるのは……あなたのおかげかもしれません。私はきっと、あなたの迷いのない瞳にあこがれていたのだから)

大淀(ありがとうございます。そして、さようなら、長門さん)


 大淀は微笑んで空を見る。
 そして、少しだけ目を閉じて光る雫をふりはらい、歩き出した。



16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/20(水) 02:03:41.97 ID:b7MmIpBr0
ここまで安価をいただき、文章を読んでいただきありがとうございました

大淀は自分の道を歩き始めたので、安価は終わりです …的な!

あと高校サッカーを扱った超名作であるレッドスワンの絶命を読んでください
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/20(水) 02:39:27.94 ID:op8nFgXA0
乙乙
大淀さんの戦いはこれからだ!
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/20(水) 07:36:43.78 ID:8fLyvzrOo
おつー
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