ボーンゴーレム娘「人間の子供拾ったっす」ドラゴン「お前ざっけんなよマジで」

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491 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:23:17.79 ID:nFLxYojB0
少女(うう、焼いたお肉をこんなにも豪快に食べるなんて……生まれて初めてだし)パクパク

少女(パンも……パンってこんなにもやわらかくて、あったかいものだったの?)ガツガツ

ボンゴレ「よっぽどお腹空いてたんですねえ」

ドラゴン「……やけどすんなよ?」

少女「……うっうっ……うう……」ジワッ
492 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:25:54.52 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「あーあー、言わんこっちゃない」

ボンゴレ「あぱー、大丈夫ですか?あつあつですからねえ。お水でも――……」

少女「ちがう……違うの……」

ドラゴン「?……」
493 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:27:26.32 ID:nFLxYojB0
少女「こんな美味しいごはん……食べるの、初めてで……おいしくって……!」ポロポロ

ドラゴン「……そうか」

…………
494 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:28:49.21 ID:nFLxYojB0
…………

ドラゴン「ご馳走様でした」

マオ「ごちそーさまでしたー!」

少女「……ごちそうさま、でした」

ボンゴレ「おそまつさまでした。ではでは後片付けはお母さんがやりますからねー」

マオ「ありがとうおかーさん!明日はあたし手伝うよー」

ボンゴレ「はい、お願いしますねマオちゃん」
495 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:30:42.24 ID:nFLxYojB0
マオ「じゃあ少女ちゃん、身体洗いにいこっか?」

少女「え、身体?……別に汚れてないからいいけど」

マオ「ダメだよー毎日身体洗わないといけないっておかーさん怒るものー」

少女「そ、そうなんだ……」

ドラゴン「あー、マオ。今日はお母さんと身体洗いに行ってきなさい」

マオ「あぱ?」
496 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:34:15.20 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「ボンゴレも、食器は後で俺が手伝うから」

ボンゴレ「珍しいですね、ドラゴンさんがそんなこと言うなんて」

ドラゴン「……送ってくから」

ボンゴレ「あ、そういう……了解しました。……細かい説明も任せますよ?」

ドラゴン「ああ。そのつもりだ」

ボンゴレ「じゃあマオちゃん、今日はお母さんと身体洗いっこしましょっか!」

マオ「はーい」

テクテク……
497 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:37:26.05 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「……さて……」

少女「?……」

ドラゴン「色々あって驚いただろうが……改めて。俺は見た通りドラゴンで、あいつはボーンゴーレムって魔物で……マオは、人間の娘だ」

少女「え、あ……はあ」
498 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:40:05.08 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「数年前、赤ん坊のあいつを拾って……俺たちが親となって育ててる」

少女「……」

ドラゴン「別に人間に危害を加えようって訳じゃあないし、あの娘を魔物として育てたい訳でもない。ただ――……」
499 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:43:13.41 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「……ただ、あの娘には立派に育ってほしいだけなんだ」

少女「……」

ドラゴン「だから……今日見た事は、言いふらさないでもらえると……非常に、助かる」

少女「……うん。大丈夫。……だって……あたし、友達だし」

ドラゴン「……ありがとう」

少女「あ、あはは……なんか、魔物ってもっと怖いかと思ってたけど……町の人間なんかより、優しいんだね?」

ドラゴン「……お前……少女、って言ったか」

少女「あ、はい」
500 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:45:52.89 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「俺は百年ほど前の町しか知らんが――……その頃の町人はもっと上等な服を着ていたし、一人でこんな山の中まで来ようとはしないもんだが」

少女「……」

ドラゴン「……少女、町のどこに住んでるんだ?親は?……送っていってやる」

少女「親は、死んで――……今は遠い親戚のおばさん家で……暮らさせて、もらってる」

ドラゴン「……」
501 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:47:00.89 ID:nFLxYojB0
少女「あたしのね、お母さんのお母さんのお母さん……『狂乱の魔女』なの」

ドラゴン「!」

少女「だから、あたし――……『墓暴きの一族』だとか、『人智の理を外れたバケモノ』だとか、散々でさ……おばさんからもまともな暮らし、させてもらってない」

ドラゴン「……子孫に罪はないだろうに。人間ってのは……」

少女「いいの。あたし……あたしはね、偉大なる血を……人とは違う、魔女の血を受け継ぐもの、なんだから」

ドラゴン「……」
502 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:48:29.25 ID:nFLxYojB0
少女「だから、あたし、もう人間として、生きるのやめようって決めて――……この山で暮らそうって決めたの」

ドラゴン「……」

少女「そしたら、あの子にあって……今日、生まれてはじめてよ。あんなおいしいご飯食べたの!」

ドラゴン「……背中に乗れ。ひとっ飛びで町の近くまで送っていってやるから」

少女「ねえ、お願いよ。あたしを――……」
503 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:50:38.39 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「おばさんには何も言ってないんだろ?」

少女「……」

ドラゴン「……心配しているだろう。……送っていってやるから」

少女「……また……」
504 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/30(木) 22:52:43.84 ID:nFLxYojB0
少女「……また、遊びに来てもいいかな?」

ドラゴン「……ああ。マオも喜ぶよ」

…………
505 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/07/30(木) 22:53:33.96 ID:nFLxYojB0
今回はここまでです
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/07(金) 21:51:56.54 ID:aF1bxFKj0
面白い 支援
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/08/12(水) 00:44:28.34 ID:Pe43s+/w0
しばらく読んでなかったけど追いついた
おもしろいなー
どこまで続くのかな
続きが楽しみ
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/29(土) 12:14:15.59 ID:reYFwnXbo
月1くらいかな?
509 : ◆eUwxvhsdPM [sage]:2020/09/08(火) 21:40:15.20 ID:ujaZElZgo
すみませんだいぶ遅くなってます
今週更新します。申し訳ないです
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/09(水) 07:09:40.91 ID:DFkn/NC4O
よかったエタってなくて待ってる
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/11(金) 20:21:20.50 ID:6e+a0oZuo
楽しみに待ってる!
512 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/09/13(日) 21:04:30.32 ID:Pn+wHKGO0
ごめんなさい明日更新です
ちょっとスランプ入ってるなあ
513 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:31:54.16 ID:SGFcXgVa0
…………

ゴォォオォオオォ……

『どうした、ドラゴン。その程度か』

ドラゴン『……魔女、テメェ……!』
514 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:34:10.02 ID:SGFcXgVa0
『私を止めてみろ、ドラゴン。私は自分の野望のため……貴様を殺す!!』

ズオオオオ

ドラゴン『――!!』

ゴォオオォォ……

…………
515 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:35:29.09 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「!!……」パチリ

チュンチュン……

ドラゴン「……あー……ヘンな夢見た……」

ムクリ
516 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:36:56.51 ID:SGFcXgVa0
ノソノソ……

ドラゴン「……すまん、寝過ごしたか。ボンゴレ」

ボンゴレ「おはようございますドラゴンさん。お疲れのようっすねー?」

ドラゴン「ん、まあ……」

ボンゴレ「保存してある食材はたくさんありますし、今日はゆっくりお休みしたらどうです?」

ドラゴン「あー……悪いな。そうする」

ボンゴレ「いえいえ。いつもご苦労さまです」
517 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:38:45.06 ID:SGFcXgVa0
パンッ

ボンゴレ「うーん、こう天気がいいと気持ちいいですねー。洗濯物がよく乾きそうです」イソイソ

ドラゴン「マオは?」

ボンゴレ「今日は朝からクイーンスライムさん所でお勉強だそうです。早くから行っちゃいましたよ」

ドラゴン「ん、そうか……勉強、か……」

ボンゴレ「……なにやら浮かない顔っすねぇ。せーっかくの晴れの日が曇っちゃいますよ」

ドラゴン「いや……別に暗い気分な訳じゃあないんだよ。ただ……」
518 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:41:16.90 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「……そろそろ色々教えといた方がいいのかなあ、と……」

ボンゴレ「色々、って……」

ドラゴン「なんとなく詳しく説明してなかったしな。人間と魔物について、とか。人間の町について、とか」

ボンゴレ「そうっすねぇ……」
519 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:42:58.33 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「マオは娘だが……人間だからな。色々と……教えといた方がいいだろう」

ボンゴレ「……」

ドラゴン「昨日みたいに、いつ人間がここに来るかわからん。最低限……な」

ボンゴレ「確かにそうっすねえ。今度町に連れて行って、お買い物の仕方とか教えてあげましょうか」

ドラゴン「ああ……簡単な法律やルールなんかもな」
520 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:44:46.40 ID:SGFcXgVa0
ボンゴレ「他には――……」

ドラゴン「まあ、そのくらい……最初は簡単に教えたらいいだろ」

ボンゴレ「そうっすね。……あぱー?なーんか忘れてるような」

ドラゴン「気のせいだろ。最初はそーいうんからでいいんだよ」

ボンゴレ「そうっすかねえ」

…………
521 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:46:24.89 ID:SGFcXgVa0
…………

サワサワサワ……

クイスラ「さて、マオちゃん。今日は理科よ。色々な生き物を見ていきましょう」

マオ「はーい」

クイスラ「マオちゃんはどんな生き物を知っているかしら?」

マオ「んーっと……おとーさんはドラゴン!おかーさんはボーンゴーレムで、友達はオークでー」

クイスラ「ああ、魔物じゃなくって、普通の生き物は?」

マオ「えー?……んーっと、ウサギとかー、ハトとか?」

クイスラ「……狩猟系ばっかじゃないの」

マオ「この前すっごくおおきなウサギとったんだよ!」

クイスラ「ああそうなの。今はその話置いとこうかしら」
522 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:48:40.97 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「今日は昆虫や草花を中心に見ていくわよ。迷いの森まで行くから、気になったものはどんどん言いなさい」

マオ「はーい」

クイスラ「っと……素手で触ったらちょっと危ないかしら。手袋でもあればいいけど……あ、そうだマオちゃん」

マオ「はい先生」

クイスラ「もうそろそろ、魔法結構使えるようになったんじゃない?ドラゴン君の教えがあれば、二元素くらい貴女なら習得出来るでしょう」

マオ「あぱ?」
523 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:51:01.09 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「貴女は風か水が使えそうだけど、どっちか使えるかしら?これから生き物は素手で触らず、魔法で捕まえるようにしたいのよ」

マオ「……えーっと、先生」

クイスラ「何?……あ、もしかして攻撃呪文しか教わってないの?」

マオ「いや、あのー……そうじゃなくってー……」
524 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:54:27.88 ID:SGFcXgVa0
マオ「あぶないから……魔法、教えてもらってない……です」

クイスラ「……」

マオ「……あぱー……」

クイスラ「…………」
525 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:55:53.20 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「…………はァ゛?」ミシリ

マオ(あぱー……先生、怒ってる……)

…………
526 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 21:57:46.71 ID:SGFcXgVa0
…………

パンッ!

ボンゴレ「よーし、洗濯物、終わりーっと」

サンサン……

ボンゴレ「うひー、太陽が眩しいっす。ちょっとお茶入れて休憩しようかなー」

ドラゴン「……俺は二度寝しようかな。あったかくて眠くなってきた」

ボンゴレ「あ、それいいっすね。アタシもご一緒しますよ」

ドラゴン「いやご一緒はしなくていい」

ボンゴレ「なーんて冷たいことを!」
527 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:00:15.22 ID:SGFcXgVa0
ボンゴレ「ほらほらー、そこでしゃがんで。手は前にしてください」

ドラゴン「ええー……」

ボンゴレ「よっこいしょ……わ、ドラゴンさんあったかーい。ポカポカですねえ」ピトッ

ドラゴン「ひっつくなよ……お前は冷たいんだよ。骨が」

ボンゴレ「翼!翼上からかけてくださいよ!翼ふとん!」

ドラゴン「羽毛じゃないからそんな良いもんじゃねえぞ」バサッ

ボンゴレ「いやいや良いもんですよーこれ。ほんのりあったかくて」

ドラゴン「あっそ……」
528 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:03:08.29 ID:SGFcXgVa0
ボンゴレ「ふー……」

ドラゴン「……ふぁア〜……」

ボンゴレ「……こうして干した洗濯物を見ながら、天気の良い日にゴロゴロするのも、なかなかオツな――……」

……ゴロゴロゴロ……

ボンゴレ「……あぱー?」

ドラゴン「えっ」
529 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:04:29.35 ID:SGFcXgVa0
ザアアー!!

ボンゴレ「あ、あぱぱー!!急に雨がっ!いきなり天気が悪く!!」

ドラゴン「……ええ……」

ピカ!

ピシャアアン!!

ボンゴレ「あわ、あわわわわわわ、洗濯物!洗濯物取り込まないとっ!!」

ドラゴン「……いや、待てボンゴレ」

ボンゴレ「なんすかー!?今しゃべってる場合じゃないっすよ!雷もすごいですし!」

ドラゴン「すまん手は動かしていい」
530 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:06:18.78 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「いや、な……この雨、魔力を感じるっつーか……ていうか絶対、魔法で降らしてる雨だな」

ボンゴレ「な、なんでそんなイヤガラセを!?ていうか誰がっ!?」

ドラゴン「俺も一回、魔法で雨降らした事あるけど……ぶっちゃけ四天王クラスの魔力ないと無理だからな、こんな芸当」

ボンゴレ「も!……もしかして、昔に火の四天王が来たみたいに、今度は水の四天王が!?」

ドラゴン「いや……四天王は四天王だが――……」
531 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:08:46.64 ID:SGFcXgVa0
ザバザバザバザバ……

クイスラ「…………」ズゥゥウウン……

マオ「……あぱー……」

ボンゴレ「……あれ?クイーンスライムさんと……マオちゃん?」

ドラゴン(なんで滅茶苦茶キレてんだ、こいつ……)
532 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:10:28.37 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「……悪いわね、ボーンゴーレムちゃん。私、日光に弱いのよ。お肌が乾燥してね」

ボンゴレ「いや、それはいいんすけどー……こっちに来るなんて珍しいっすね、クイーンスライムさん。……えっと、もしかしてその、娘が何か……?」

クイスラ「いいえ。マオちゃんは何も悪いことしてないわ。……今回ちょっと、ドラゴン君に用があって、ね」

ドラゴン「俺かよ」

クイスラ「……もうわかってるでしょ、ドラゴン君」

ドラゴン「……え、何が?」
533 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:12:11.62 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「とりあえず、土下座しなさい」

ドラゴン「何故だ」

クイスラ「私じゃあなく、マオちゃんに」

ドラゴン「なおさら何故だ」

マオ「せんせー、おとーさんいじめたげないでよー……」

クイスラ「貴女はもっと怒ってもいいのよ、この爬虫類に」

ドラゴン「誰が爬虫類じゃい」
534 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:13:52.39 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「私、言ったわよね?この子を預かる時に」

ドラゴン「は?……7年前の事か?」

クイスラ「私は文字の読み書きや計算、礼儀作法等をこの子に教えてあげるって」

ドラゴン「……言ってた」

クイスラ「時期が来たら、ドラゴン君……貴方が魔法を教えなさい、って」

ドラゴン「…………言ってました」
535 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:15:18.51 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「なーんでまだ初歩魔法どころか魔法理念の一つすら教えてないの?こーの過保護バカが!!」ゴオッ!!

ボンゴレ「あーそういう感じっすか……」

ドラゴン「いやだって!まだその、早いんじゃあねえかって思ってさぁ……」

クイスラ「『来たれ天上の恵み。今ここに、全てを裁く災厄となりて――……』」

ドラゴン「待てお前水の上位魔法はやめろ。マジで死ぬ」
536 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:16:54.11 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「っていうかお前には関係ないだろ!魔法教えようが教えまいが!」

クイスラ「何言ってんのよ!この子の魔力わかってんの!?そこらのザコ魔法使いなんてメじゃないレベルの潜在力よ!!」

ボンゴレ「褒められてますねえ、マオちゃん」

マオ「よくわかんない……ちょっと先生こわい……」
537 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:18:07.42 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「潜在力あろうがなかろうが、まだ子供だろ。マオは」

クイスラ「ダイヤの原石腐らせるような事して……!!私だったら2歳の頃から仕込んでるわよ!」

ボンゴレ「それはやりすぎだと思うっす」

クイスラ「この子が魔法覚えたらどんな使い方するのかなーとか、水魔法色々教えてあげたいなーとか考えてたのに、何をしてんのよ、貴方は!!」

ドラゴン「お前の考えは知らんがな」
538 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:20:22.17 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「とにかく!……マオちゃん、今日の授業は特別編よ」

マオ「あぱー?」

クイスラ「ドラゴン君が魔法を教えてくれるから……しっかり習得しなさい」

マオ「!……本当にー!魔法、教えてくれるの?おとーさん!」

ドラゴン「……」ブスッ

クイスラ「なあにドラゴン君、そんなに私の水魔法喰らいたい?しょうがないわねー」

ドラゴン「あーわかったわかった……教える……教えますよ。くそ……」
539 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:21:39.92 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「いいか?マオ。まず言っておくが、魔法ってのは危険なものなんだ」

マオ「……そうなの?べんりで楽しそうだけどー」

ドラゴン「ウサギを獲る時に使う弓矢や皮を剥がすのに使うナイフだって、便利だが怪我することもあるだろ?」

マオ「……ゆび切ったとき、いたかった……」

ドラゴン「魔法は使い方によっては、誰かを傷つけることもあるんだ。それをよーく理解して――……」

クイスラ「はやく本題に入りなさいよ、イライラするわね」

ドラゴン「あっハイ」
540 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:22:51.87 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「ではまず、魔法というのは四元素魔法と二色魔法があって、合わせて六大魔法と呼ばれ――……いやそれより魔法理論のが先か。いいか、この世界にはマナと呼ばれる魔法の元になるのがあって、魔法を唱えるにはこのマナと自分の魔力を混ぜ、精霊の言霊により形にし――……」

マオ「?……??……あぱー?」

クイスラ「……説明下手ね」

ドラゴン「ううう、うっさいわ!」

ボンゴレ「……クイーンスライムさんが教えたらいいんじゃないっすか?」
541 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:25:15.37 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「ハァ、仕方ないわね……いい?マオちゃん」

マオ「はい」

クイスラ「目を閉じて――……水をイメージするの。川の水や湖や――……」

ドラゴン「お前それ水魔法の唱え方じゃん」

クイスラ「仕方ないでしょ、私それ以外わかんないもの」
542 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:27:09.57 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「お前も教えるの下手じゃねーか!まずどの系統が合ってるかだな――……」

クイスラ「何はともあれ唱えるのが先でしょ!この子ならなんでもいけそうだし――……」

ドラゴン「変な癖つくだろ!ていうか魔法の成り立ちから――……」

クイスラ「それよりも実践的なものから――……」

アーダコーダ……

マオ「……おかーさん、魔法教えてー」

ボンゴレ「あぱー、アタシもよくわかんないんすよねー」

マオ「えー」
543 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:29:15.32 ID:SGFcXgVa0
???「失礼……皆々様方」

ザッ

ドラゴン「……は?」

クイスラ「……何?貴方」

???「いえ……私は通りすがりの『紳士』……なのですがね……」

ボンゴレ「……あぱー?」
544 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:30:48.00 ID:SGFcXgVa0
???「見たところ、その子に魔法を教えようとしている……所ですね?」

ドラゴン「……そうだけど……え?」

クイスラ「!……もしかして、貴方――……」

???「何も言わなくて良いですよ。ふふふ……この私、『紳士』が……ひと肌脱ぎましょうか?宜しければ……ですが」

マオ「……おー……」
545 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:33:25.76 ID:SGFcXgVa0
マオ「鳥さんだ!」

鳥紳士「いえ、私は『紳士』……ですが、お嬢さん。貴女が仰っしゃりたいのであれば、『鳥紳士』……と呼んでいただいても結構ですよ。ふふふ……」

ドラゴン「……鳥?」

ボンゴレ「あぱー……顔が鳥、ですね……」
546 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:35:06.16 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「……けど身体、人間だぜ?……スーツ着た」

ボンゴレ「…………」

ドラゴン「……ハーピー、か?いやけど翼ないし……」

ボンゴレ「ハーピーの亜種、ですかねえ。顔だけ鳥の人間……初めて見ます……」

鳥紳士「『紳士』ですよ。おせっかい焼きの、ね……」

クイスラ「……」
547 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/09/14(月) 22:37:19.61 ID:SGFcXgVa0
鳥紳士「教えてあげましょう、お嬢さん。魔法のABCを、ね……ふふふ……」

ドラゴン(大丈夫か、これ……)

ボンゴレ(誰なんだろ、この人……)

…………
548 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/09/14(月) 22:37:58.59 ID:SGFcXgVa0
今回はここまでです
ちょっと間空きすぎましたね……投稿頻度上げます。すみません
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 20:23:07.43 ID:Ya/XZkkF0
鳥紳士何者??
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/09/17(木) 02:56:47.05 ID:LDlki80l0
奴隷娘の頃から見てて期間割と空くのに馴れてるんでゆっくりお体に気をつけて書いてください!!
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/30(金) 01:09:08.28 ID:A19Z+wJk0
エタだとやだなあ〜
552 : ◆eUwxvhsdPM [sage]:2020/11/04(水) 23:38:35.87 ID:hg7EoKbPo
申し訳ありません、更新かなり遅れることになります
ここで書くことで筆が乗ってきたんですが、
ずっと放置していた他の話にこの勢いを使いたくなりまして……申し訳ないです。もしかしたら更新1月とかになるかもしれません……すみません
再開した時は更新頻度上げようと思います。本当に
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/05(木) 06:25:49.27 ID:dAz95izcO
ほかの話?
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/05(木) 13:32:08.92 ID:KC862Kefo
どっちも読んでるやで!
気長に待ってる
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/12(木) 01:38:30.96 ID:DP3eDsSR0
もう一つのやつってどれ?
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/16(月) 15:18:34.69 ID:XkD8lXZYo
>555
隣に住んでる女大生「あの……魚醤作りすぎたんですけど」社会人男「魚醤!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1594822921/
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/22(金) 15:44:20.00 ID:Km6T+IAIo
明けまして待機
558 : ◆eUwxvhsdPM [sage]:2021/01/31(日) 19:48:02.94 ID:T31vfieFo
今週更新ってことで許して下さい……
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/03(水) 16:54:09.85 ID:bxPPaG0bo
まってるー
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/03(水) 21:39:53.88 ID:OFyypIsIO
>>558
今週ってなんだろうね
561 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:07:55.51 ID:Zx3c6eZf0
…………

鳥紳士「――という事で、世界にあふれるマナのお陰で魔法を唱えられる訳ですね」カキカキ

マオ「なるほどー」カキカキ

ドラゴン「な……なんだコイツ……ふざけた見た目のくせして滅茶苦茶わかりやすい説明……!!」ガタガタ

ボンゴレ「あぱー……魔法についてなにも知らなくても今すぐ唱えられそうですよ!」ブルブル

クイスラ「貴方達が教えるの下手すぎるのよ……よくそんなので親やれてるわね」
562 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:10:37.41 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「では、実際に魔法の練習をしてみましょうか」

マオ「はーい」

鳥紳士「時に、そちらのお父様……ドラゴンさん」

ドラゴン「おっ、おう?俺か」

鳥紳士「貴方は魔法を唱える時、何を考えていますか?」

ドラゴン「……何を?……えーっと、呪文……?」

クイスラ「いや、そうじゃなくって魔力の練り方の話でしょ……」

ドラゴン「あ、ああ。そういうことか」
563 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:12:33.88 ID:Zx3c6eZf0
ドラゴン「ええと……呪文に合ったマナと魔力を混ぜるために、イメージして……練る」

鳥紳士「GOOD。『呪文に合ったマナ』というのが大切ですね」

マオ「?……どーゆーこと?」

鳥紳士「例えば、水の魔法を唱えたいのに、燃え盛る炎をイメージしても、上手くいきそうにないでしょう?」

マオ「……なるほどー」
564 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:14:28.99 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「そしてそのイメージには、自分に合ったものと合わないものがあります」

マオ「……それは、どーやったらわかるのー?」

鳥紳士「難しく考える必要はありませんよ、お嬢さん。ふふふ……まず、目を閉じて下さい」

マオ「……ん……」ギュッ

鳥紳士「胸に手をあてて、深呼吸ー。息を吸うたびに、マナが体内に満ちていき……呼吸を通して、身体が世界に溶けていくイメージで……」

マオ「……すー、はー……」
565 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:15:36.77 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「息を吸って、はいて。鼓動に集中」

マオ「……すー、はー……」

鳥紳士「……貴女は今、マナが満ちた世界にいます……貴女の心に、どんな風景が映っていますか?」

マオ「…………すーっ……」

ヒュウウウ……
566 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:16:25.76 ID:Zx3c6eZf0
マオ「…………草原?」

クイスラ「……草原……」

ドラゴン「……草原かあ……」

鳥紳士「ほう、草原……」

マオ「えっとね、風がね……草を、ゆらゆらーって……そんなのがね、思い浮かんだんだけど……」パチッ

クイスラ「…………」

マオ「……先生、どーしたの?顔くらいよ?」

クイスラ「……水魔法だったら良かったのに」ボソッ

ドラゴン「お前水以外唱えられないもんな」
567 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:18:08.60 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「ふふふ、貴女に合っているのは風魔法のようですね」

マオ「そうなの?……ぱっと思い浮かんだだけだよ?」

ドラゴン「そういう『思いつき』が大切なんだよ。……俺は最初、火山の山しか想像出来なくて、水魔法の感覚掴むのに苦労したし」

ボンゴレ「アタシも墓場の土しかイメージ出来ませんしねえ」

ドラゴン「それは土魔法とちょっと違う」
568 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:19:39.17 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「では、そのイメージの中に自分が立ち、心地よいと感じているイメージを作りましょう」

マオ「んー……こんなので魔法となえられるのー?」

鳥紳士「ええ。大自然の精霊と心を合わせるのが大切なのですよ」

クイスラ「貴女の場合は風魔法だから、どんな状況でも『風と仲良し!』って思わないといけないわよ」

マオ「はーい。……んー、なかよし、なかよし……」

……ズズズ……

ドラゴン「……お?」
569 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:20:51.27 ID:Zx3c6eZf0
マオ「……なかよし、なかよし、なかよし……」

ゴゴゴゴゴゴゴ……

ドラゴン「…………最上位魔法でもとなえるつもりか?」

ボンゴレ「あぱー……マオちゃんの周りにオーラが見えますよお」

クイスラ「わかってはいたけど……魔力ホント凄いわね、この子」

鳥紳士「はい、良いでしょう。止めてくださいお嬢さん。……私は紳士なのでびっくりしたり焦ったりしませんが……凄いですね」

マオ「?……すごいの?あたし」

ドラゴン「凄いすごい。並みの魔法使いなんかメじゃねえな」

ボンゴレ「さすが!お母さんとお父さんの子ですね、よーしよし!」ナデナデ

マオ「えへへー」
570 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:23:37.21 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「あとは魔力を練る量や加減を覚えていきましょうか。魔力は練るだけで精神力を使いますからね」

マオ「うーん、むずかしい……」

ドラゴン「感覚覚えたらすぐなんだけどなあ」

鳥紳士「まあ、それはおいおいお父様とお母様に教えていただければ、と」

ドラゴン「え?」

鳥紳士「少しばかり退屈な鍛錬ですからね。お時間をかけてのんびりやっていくのが良いかと」

ボンゴレ「そーいう事ならまーっかせてくださいな!」

ドラゴン「いやお前は教えるの無理だろ」
571 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:24:49.96 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「代わりに、簡単な呪文をお教えしましょう。私実は、風呪文を少々嗜んでいましてね。ふふふ……」

クイスラ(少々……)

マオ「ホントにー!?やっと魔法つかえるんだ、あたしもー!」

鳥紳士「少し呪文が難しいかもしれませんが……試してみましょうか。まず、精霊との誓いですが――……」

ワイワイ……

…………
572 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:26:34.55 ID:Zx3c6eZf0
…………

鳥紳士「……では、あの棒に向かって……教えた通りに」

マオ「はーい。鳥紳士さん」スッ

ドラゴン「……」ゴクリ

ボンゴレ「ど、ドキドキしますね……!」ドキドキ

クイスラ「な、なによ貴方達……ソワソワしちゃって。ただ呪文唱えるだけじゃないの」ソワソワ

マオ「いきまーす。えーっと……」スウーッ
573 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:27:26.57 ID:Zx3c6eZf0
マオ「『風精シルフィードよ!我の元に集いて奇跡を呼び起こしたまえ!』」

ブワッ

マオ「えっと……『溢れ出るは感情の流出・止めどなくは精神の慟哭』……『思いを硬め・鍛え・研ぎ・汝の敵を』――……」

シュルルルル……
574 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:29:46.27 ID:Zx3c6eZf0
マオ「――……『斬り伏せろ。スライス』!」

ビュッ!

ズバアッ!!

鳥紳士「……Very Good」

ドラゴン「おおー、初歩とはいえ攻撃呪文を一発で成功させたか」

ボンゴレ「わああああああ!み、見ましたかドラゴンさんドラゴンさん!マオちゃんが!マオちゃんが!!」ユサユサ

ドラゴン「あーあー見たよ見たよ」

クイスラ「うっ、うっ……成長ね……さすが私の教え子だわ……」サメザメ

ドラゴン「なんで泣いてんのお前……」
575 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:30:58.76 ID:Zx3c6eZf0
ボンゴレ「マオちゃーん!」ギューッ

マオ「わぷ。えへへ、出来たよおかーさん。すごいー?」

ボンゴレ「すごいすごい超すごいですよ!いやもう激スゴイっす!マジパねーっす!」

ドラゴン「なんじゃそら」

鳥紳士「ふふふ……おや、もう夕刻ですか。そろそろお暇しませんと……」

マオ「えー、鳥紳士さん、帰っちゃうのー?」

ボンゴレ「マオちゃんに魔法教えてくださったお礼に、ぜひともウチで晩ごはんでも、どうです?」

鳥紳士「いえ、私は紳士ですので。……これにて失礼しますよ。お嬢さんにお父様、お母様。そして……クイーンスライム様」ペコリ

クイスラ「……」
576 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:32:09.55 ID:Zx3c6eZf0
スタスタ……

クイスラ「……貴方、何が目的だったの?」ボソッ

鳥紳士「……はて、目的……とは?」

クイスラ「とぼけないで。大方……ドラゴン君か私の暗殺でも企てていたんじゃないの?」

鳥紳士「……いえ。私は紳士ですので、そのようなことは」

クイスラ「……」
577 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:34:21.33 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「ひと目、お会いしたかった。……それだけですよ。ふふふ……」

クイスラ「……フン」

…………
578 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:35:56.52 ID:Zx3c6eZf0
…………

――暗黒大陸・魔王城――
……『四天王の間』――……

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

狐娘「……はぁ〜〜……何やっとるんじゃ、他の奴らは……」バリバリ
579 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:37:14.20 ID:Zx3c6eZf0
土の『不滅』
『九尾の狐』

狐娘「他の奴らは四天王としての自覚がなさすぎるんじゃ。まったく。年寄りを待たせよってからに……せんべい無くなってしまうわい」バリバリ
580 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:38:25.93 ID:Zx3c6eZf0
人魚「フゥ……大方ドラゴニュートなどはまた何処かで遊んでいるのでしょう」

水の『流転』
『マーメイドクイーン』
581 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:40:02.02 ID:Zx3c6eZf0
人魚「だいたい私はあいつのことガボッ、ガバガボガボガボ、ガーボガボ、ガボボッ!」ブクブク

狐娘「……話すなら水から上がって話したらどうじゃ?」

人魚「嫌ガボ!エラが乾いたらほんとにしんどいガボボッ!」

狐娘「あーもう喋らんでくりゃれ。せんべいが湿気るじゃろうが……」
582 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:42:09.20 ID:Zx3c6eZf0
ドラゴ娘「……私は遊んでなどいないぞ、マーメイドクイーンよ」

火の『明星』
『ドラゴニュート』

狐娘「おー、よーやっと来よったわい」

人魚「何処に行ってたのよ、ガボボ」

ドラゴ娘「たいそう腕の立つ人間が集まるという闘技場があったのでな。人間の強さを確かめるため参戦したが……拍子抜けだ。つまらん」

人魚「……やっぱり遊んでるんじゃない。ブクブク」

ドラゴ娘「魔物の恐ろしさを人間に教えてやったまでだ。……それで……」
583 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:43:01.97 ID:Zx3c6eZf0
ドラゴ娘「『風』はどこだ?姿が見えんが――……」

「おや、きちんと時間は守ったつもりですがね……ふふふ」

ドラゴ娘「む……」
584 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:44:36.00 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「失礼。素敵なお嬢さんと時を忘れるほど遊んでおりまして」

風の『逆凪』
『ハーピー・ロード』
585 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:47:04.66 ID:Zx3c6eZf0
狐娘「ようやっと揃い寄ったのお。風の四天王、お主新顔のくせに時間に『るうず』すぎるぞ?」

鳥紳士「きちんと守ったつもりでしたが……私の懐中時計が少し居眠りをしていたみたいですね。これは申し訳ない」

人魚「エセ紳士め……貴方なんてガーボガボ!ガボ、ゴボゴボ!ガボボボボ!」

ドラゴ娘「水を飛ばすな、私は湿気が苦手なんだ」

狐娘「まあええじゃろう。さっそく会議を始めるとするかのう……」
586 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2021/02/06(土) 19:51:11.45 ID:Zx3c6eZf0
狐娘「世界を支配し、魔物の王国を作るのじゃ。うしし……!」

…………
587 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2021/02/06(土) 19:52:19.80 ID:Zx3c6eZf0
今回はここまでです
遅くなって申し訳ないです
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/08(月) 01:52:03.66 ID:ovF+vQEOO
ようやく来たか
おつおつ!
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/08(月) 18:21:20.83 ID:ArY867eto
鳥紳士……
なにやら不穏ですな

おつ! おかえりー!!
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/26(日) 10:28:03.68 ID:c7wIuJrEo
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