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ボーンゴーレム娘「人間の子供拾ったっす」ドラゴン「お前ざっけんなよマジで」
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289 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:42:54.96 ID:EmehuP9F0
…………
『少しでいいから、命を助けて、育んでみて下さい。そしたら、きっと……今までの人生とは違うものが見えるはずです』
…………
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/06(土) 19:45:15.64 ID:kc41DWWS0
魔物と人間の違いってなんなんだろう
291 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:45:51.60 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「……未だにわからんよ、俺には……」ボソッ
赤子「……あうー……!」グッ
ドラゴン「……ん?」
292 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:49:56.28 ID:EmehuP9F0
ヨチヨチ……
赤子「あいっ!あいっ!あいっ!」
ドラゴン「……う……うおおおおあああ!?」ビクーン!
ボンゴレ「ひゃっ!?ど、どうしましたドラゴンさん!?」
ドラゴン「み……見ろ!こ、こ……この子っ!!」
293 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:55:02.63 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「四つ足で歩いてやがるー!!」
ギャーン!!
赤子「あいー!」ヨチヨチ
ボンゴレ「……ええっ!?」
ドラゴン「どどど、どうしようボンゴレ!?ずーっと俺の歩く姿見てたから、この子四つ足で歩くようになっちゃったのかな!?」オロオロ
ボンゴレ「落ち着いて下さいドラゴンさん、正常ですからこれ!」
294 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:59:10.99 ID:EmehuP9F0
ミノ娘「おおー!ついにハイハイするようになったのか!」
ドラゴン「……『ハイハイ』?」
ミノ娘「赤ちゃんっていうのは初めから足腰が強い訳じゃないですから、こうやって歩く練習から始めるんですよ」
ドラゴン「……つまり……これが普通に、成長したって事?」
ボンゴレ「そういう事です」
295 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 20:06:07.73 ID:EmehuP9F0
赤子「あうー」ヨチヨチ
ボンゴレ「わー!わー!すっごいですねー初めてでこんなに歩くなんて!」
ミノ娘「すげーすげー!ほーらこっちおいでー」
赤子「あいっ!」ヨチヨチ
ドラゴン「……成長、か……」
296 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 20:08:51.92 ID:EmehuP9F0
赤子「あいっ!」ニコッ
ドラゴン「…………」フッ
297 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 20:11:16.79 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「……ちょっとは見えた、かな。……違うものっていうの」
…………
298 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/06(土) 20:11:49.37 ID:EmehuP9F0
今回はここまでです
299 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/06(土) 20:22:35.63 ID:EmehuP9F0
>>290
説明するほどのモンじゃあないけど説明すると長い
人間……『我々の世界』の人間。耳が短く60年くらいしか生きないくせに、女神の祝福を受けることが出来て、ものすごい魔力を持つ事がある種族
魔物……『我々の世界』にいない生き物。だいたいは人間に攻撃的
亜人……『我々の世界』におらず、人間と交配可能な人間に似ている種族。ただし交配すると9割亜人の子が生まれる。エルフやゴブリンの一部は人間と生活していたりする。
基準は割とあいまい
この中でも色々あって、例えば作中のドラゴンさんを人間レベルだとすると、ドラゴニュート娘に乗り物として使われたワイバーンはチンパンジーレベル
です
種族間でそういう上下や差別が色々ある世界です。『我々の世界』でもそうだしね
300 :
ガッデム ホット!
[sage]:2020/06/07(日) 15:17:18.32 ID:OitGW9Mn0
魔物はなんで人間おそうんだろう。
女神大好きで祝福羨ましいのかな
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/07(日) 22:49:41.14 ID:fpAj3sGp0
単なる領土問題かお互い差別しあってるとかじゃないの
そうでなかったら人間はおいしいのかもしれない
302 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 19:52:09.66 ID:oKX5jfbt0
…………
赤子「まーま!まーま!」
ドラゴン「……」
ボンゴレ「……」
ドラゴン「……う……」
ボンゴレ「……き……」
303 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 19:57:19.50 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「うおおおおおおおお!!!」
ボンゴレ「きゃあああああああ!!!」
ドラ・ボン「「しゃべったああああああ!!!」」
ボンゴレ「あ、アタシ!?アタシのことですよね!?ほら、アタシはー?」
赤子「まーま!」
ボンゴレ「じ、じゃあこっちはー?」
赤子「ぱーぱ!」
ドラ・ボン「「ひええええええええええ!!」」
304 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:02:45.94 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「……朝っぱらからうるせーなぁ。おれのねぐらまで響いたぞ……どうした?」ノソッ
ボンゴレ「ききき、聞いて下さいよミノタウロスさん!この子が、しゃべ、しゃべ……!!」
ミノ娘「おっ、やっと喋れるようになったかー!どーれ赤ちゃん、おれはー?」
赤子「おっぱ!」
ミノ娘「…………なあ、こいつおれの事『おっぱい』って言ってねえ?」
ドラゴン「いやまあ、事実だし……」
305 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:06:44.98 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「ざっけんな!おれだってなあ、『おねえちゃん』とか、そういう……」
ボンゴレ「まーまーまーまーミノタウロスさん。喋れるようになっただけでも凄いんですから……」ニコニコ
ドラゴン「俺はー?」
赤子「ぱーぱ!」ニコッ
ドラゴン「……ぐふ、ぐふふふふ……」ニマニマ
ミノ娘「ドラゴン、お前今めっちゃキモいぞ」
306 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:11:22.80 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「なあ、おれは……?」
赤子「おっぱ!」ニパー
ミノ娘「……チクショー今日中に呼び方『ミノタウロスのお姉ちゃん』に変えてやる」
ボンゴレ「長すぎますよ……無理ですって」
ドラゴン「いやしかし、めでたい事だな……今日は豪勢にいくか!?」
ボンゴレ「そうですねー!じゃあ取っておいた世界樹の実でも出しますか!?」
ドラゴン「おーう出せ出せ!何でも出しちまえー!」
307 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:15:24.13 ID:oKX5jfbt0
赤子「まーま、まんまー?」
ボンゴレ「そうでしゅよー、今日のまんまは豪華でしゅからねー?」ニコッ
赤子「あぱー!」
ボンゴレ「あぱー!」ニココーッ
ドラゴン「!…………」
ミノ娘「ん?どうしたドラゴン、なんかいきなり暗い顔してるけど……」
ドラゴン「いや……喋れるようになった事で、心配になってな……」
ミノ娘「心配?」
308 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:19:40.01 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「このまま変な言葉使いとか覚えたらどうしよう……」ガタガタ
ミノ娘「お前、結構子煩悩だよな……」
309 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:24:24.74 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「だってよ、俺もお前もボンゴレも、正しく綺麗な言葉使ってるかっていうと、微妙だろ?」
ボンゴレ「んまっ!なんですかそれー!アタシはめちゃんこ綺麗な言葉使いっすよー!」
ドラゴン「すでに怪しいわお前」
310 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:28:42.32 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「まあ確かに、おれも結構男っぽい言葉使いとは言われるしなぁ……」
ドラゴン「だろ?」
赤子「おえー?」キョトン
ドラゴン「ほら!なんか『おれ』って言葉覚えようとしてんじゃん!駄目だろそれは!」
ミノ娘「いやまあ……なんかすまん」
311 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:37:36.55 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「お前ほら、この子を魔王にするっつってんだろ?」
ボンゴレ「まあ、そうっすけど」
ドラゴン「もしこの子が魔王になったとして、『おれが魔王っすよーあぱぱー!』とか言ったら、なんか凄い残念じゃね?」
ボンゴレ「なんかすっごい馬鹿にされたような気がするんすけど」
ミノ娘「奇遇だな、おれもだ」
312 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:42:57.05 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「学ぶって事に『早すぎる』ってもんはねえ……今すぐにでも、しっかりとした教育をすべきだ」
ボンゴレ「……と言っても……どうするんすか?オークさん所に行きます?」
ドラゴン「いや……実は俺に、心当たりがある」
ボンゴレ「ほえ?」
313 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:52:01.55 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「!!……も、もしかしてドラゴン、お前……『生命の湖』に行く気か?」
ドラゴン「知ってたか、ミノタウロスの」
ミノ娘「馬鹿、危険だ!やめとけって!何人も食われてんだぞ、あいつにっ!」
ボンゴレ「食……なんの話ですか、それ」
ドラゴン「話に尾ヒレがついただけだっつの。そんなビビるもんじゃねーよ」
ミノ娘「尾ヒレとかじゃねーよ!マジで危ないんだって!」
314 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 21:00:06.16 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「一見綺麗な湖で、あらゆるものに知識や生命を分け与えてくれるが……礼儀を知らない人間や魔物が近づくと何者かが襲いかかり、水中に引きずり込まれて死んでしまうという……!」
ボンゴレ「わーわーわーわー!聞きたくないっ!めちゃんこホラーじゃないっすか!!」
ミノ娘「なんでもあの湖には、水の精霊ウンディーネが住んでいて、湖を汚した人間や魔物を憎んでいるって……!」
ドラゴン「ウンディーネじゃねえよ、あそこに住んでるのは。……っていうか精霊とか実在しねえって」
315 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 21:04:58.80 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「あの湖に住んでるのは、俺の昔なじみだ。頭良いから子供の教育とか完璧にやってくれるだろ」
ミノ娘「人間や魔物を殺す奴だぞ!?赤ん坊の教育とか無理だろ!!っていうか昔なじみて、魔物か?……精霊ウンディーネが実在した方がマシだろ……」
ボンゴレ「まあその話が本当なら、アタシもこの子を危険にさらしたくないすよ。魔物って基本的に人間嫌いじゃないすかー」
ミノ娘「人間どころか魔物も嫌ってるんだぞ、あそこにいるヤツは!」
316 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 21:07:55.39 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「迷いの森に住んでる連中、たまにあそこに遊びに行くって言ってたぞ。木々に与える綺麗な水を汲みに行くって、エルフが……」
ミノ娘「あいつらは大丈夫なんだろ、無害そうだから!お前らすげえ有害そうだもん!!」
ドラゴン「有害って言葉を生き物に使う所、初めて聞いたわ」
317 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 21:12:34.10 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「何も問題ねえって。最低限死ぬ事ァねえよ」
ミノ娘「おれはお前らを心配して――……!!」
ドラゴン「ああ、ありがとうな。だけどまあ大丈夫だ。俺、元四天王だし」
ミノ娘「なんか腹立つなーその言葉ー」
318 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 21:19:20.96 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「おーい準備して行くぞーボンゴレ。食料やら雑貨やらありったけ持っていけよー。しばらくここには戻らんから」
ボンゴレ「へ?……へ??し、しばらくって……どのくらい?」
ドラゴン「この子がしっかりした言葉覚えるまで」
ボンゴレ「それ年単位じゃないっすかー!?どういう事っすかそれ!?」
ドラゴン「心配すんな、俺がいない間はオークのおやっさん達がなんとかしてくれるだろ」
ボンゴレ「そういう心配はしてないっす!!」
赤子「あぱー!」
ボンゴレ「そうです!あぱーですよあぱー!」
ドラゴン「それどういう意味なの?」
319 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 21:28:28.87 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「んじゃ、ちょっくら行ってくるから。何かあったら頼むなーミノタウロス」
ミノ娘「ドラゴン、ボーンゴーレム!……頼むから、生きて帰ってこいよ……」グスッ
ボンゴレ「え、マジで死ぬんですか私!?」
ドラゴン「大丈夫だって……なあ?」
赤子「ううー?」キョトン
…………
320 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/10(水) 21:29:08.55 ID:oKX5jfbt0
今回はここまでです
321 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 19:53:29.55 ID:j3/fYsJu0
…………
ガサガサ……
ボンゴレ「……魔物どころか、ケモノすらいない所を歩いてもう二時間……どこまで行くんですか、ドラゴンさん」
ドラゴン「おっかしいな……この辺りなんだが」
赤子「うー」
ボンゴレ「確認しますけど、本っ当に大丈夫なんでしょうね!?」
ドラゴン「大丈夫大丈夫、問題ないって……」
ガサッ
アルラウネA「あれー?ドラゴンさんだー」
ヒョコッ
322 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:01:53.12 ID:j3/fYsJu0
アルラウネB「あれあれー?ボーンゴーレムちゃんもいるよー?」
アルラウネC「赤ちゃんもいるー。うぷぷー、みんな勢ぞろいだねー」
ウププププ……
ボンゴレ「あれ?アルラウネさん達……?」
赤子「あらーらねー!」キャッキャッ
ドラゴン「お前ら何でここにいるんだ……迷いの森に住んでるはずだろ」
323 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:05:53.98 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「ボク達がどこにいようが、ボク達の勝手でしょー?」
アルラウネB「人権無視だよ、人権無視ー」
アルラウネC「ボク達、人じゃないけどね……うぷぷっ」
ウププププ……
ドラゴン「……嫌いなんだよなぁ、こいつら……」ボソッ
ボンゴレ「どーどー、抑えて下さいドラゴンさん」
赤子「どー!どー!」
324 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:11:33.31 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「ボク達、『生命の湖』のほとりまでピクニックに来ているのー」
アルラウネB「アラクネお姉様と一緒にね……だけど、うぷぷっ」
アルラウネC「はぐれちゃったんだ。アラクネお姉様、どこ行ったのかしら。ボク達迷子になっちゃったぁ……」
アルラウネs「「「うぷぷぷぷー……」」」
ボンゴレ「……アラクネさんを撒きましたね、この子達……」
赤子「あいー……」
ボンゴレ「っていうか、『生命の湖』にピクニックって……大丈夫なんすか?」
ドラゴン「大丈夫だって言ってるだろ……あー、アルラウネよ。その『生命の湖』っていうのは、どこにあるかわかるか?俺達も行きたいんだが」
325 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:16:54.92 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「こっちかな?」
アルラウネB「そっちかも?」
アルラウネC「あっちでしょ?」
アルラウネs「「「どっちだろうね〜〜?」」」
ウププププ……
ドラゴン「火ィ吐いていいか?」
ボンゴレ「駄目です。我慢して下さい」
326 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:20:56.26 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「そんな事よりドラゴンさん。ボク達ともっと楽しい事しようよぉ」
アルラウネB「そうそう。楽しくって、気持ちいい事しましょう」
アルラウネC「きっとドラゴンさんも気に入るよ……うぷっ!」
ドラゴン「……一応聞いてやろうか。……何するつもりだ」
327 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:26:35.10 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「ええっとねぇ。始めの文字が『え』でぇ……」
アルラウネB「最後が『ち』で終わってぇ……」
アルラウネC「真ん中の文字が、小さな『つ』なの」
ドラゴン「答え一つしかねぇなー。死ね」
ボンゴレ「怖いっすよドラゴンさん」
328 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:30:01.73 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「ねえお願いー。受粉したいんだよぉーボク達ー」
ドラゴン「同じ植物系の魔物探せよ」
アルラウネB「アルラウネはメスしかいない種族なんだよ?それにぃ……」
アルラウネC「ボク達は、どの種族のオスとも受粉して子孫を残す事が出来るんだぁ……うぷぷーロマンあるでしょー?」
ドラゴン「知らんがな」
ボンゴレ「あの、ウチの子の教育に悪いからやめてもらえません?」
赤子「あう?」
329 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:34:40.29 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「ねぇ、お願いードラゴンさぁん」サラサラ
アルラウネB「ちょっと天井のシミ数えているだけでいいからぁ」サラサラ
ドラゴン「天井とか無いんですけども」
アルラウネC「ボク達やさしくするよー?何も怖くないよぉ?」サラサラ
ドラゴン「お前らホントに焼いて食うz……ん?何だ?ちょっと待て……なんか、すげえ、眠い……」ウトウト
アルラウネs「「「うぷぷぷぷ……」」」サラサラ……
ボンゴレ「ちょーちょーちょー!!何アンタたち眠りの花粉出してんすか!?」
330 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:39:41.45 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「わあ、バレちゃった」
アルラウネB「残念むねーん」
アルラウネC「また来週……うぷっ!」
ボンゴレ「しっかりして下さい、ドラゴンさん!」ペチペチペチペチ!
ドラゴン「あ痛たたたたた、ビンタはやめろお前」
赤子「いあい?」ナデナデ
ドラゴン「何この子、すごい優しい」トゥンク……
331 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:43:36.39 ID:j3/fYsJu0
ガサガサ……
ボンゴレ「?……誰か近付いてくる……?」
ガサッ!
アラクネ「……アッ!こんな所にいたのネ、アナタ達!」
バーン!
ボンゴレ「ああ、誰かと思えばアラクネさん」
赤子「ああうねー」
アラクネ「ハァ、ハァ……もう!森の中散々探したから、髪に小枝や葉っぱが絡みついちゃったワ……!」プリプリ
332 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:48:18.61 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「わあっ、お姉様だー」
アルラウネB「見つかっちゃったー」
アルラウネC「きゃー逃げろー」
サササッ!
アラクネ「逃がさないワヨ、アナタ達ッ!!」シュバッ!!
333 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:54:38.21 ID:j3/fYsJu0
グルグルグルッ!!
アルラウネA「わあっ、いつの間にか糸が巻きついて……」
アルラウネB「これじゃあボク達動けないよー」
アルラウネC「捕まっちゃったー。うぷぷーっ」
バーン!
アラクネ「捕獲、完了」フーッ
ドラゴン「随分とあっけないな……」
ボンゴレ「手慣れてますねえ……」
赤子「おおー……」パチパチ
334 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:59:53.46 ID:j3/fYsJu0
アラクネ「迷惑かけたワネェ、ドラゴンちゃんにボンゴレちゃん」ペコペコ
ボンゴレ「いえいえ、問題無いですよー」
ドラゴン「もうリード離すんじゃねえぞ」
ボンゴレ「犬じゃないんですから……」
アルラウネA「ペットみたいに扱われるのも、ちょっぴり興奮するよねー」
アルラウネB「お姉様みたいな美人になら、ボク扱われたいなぁー」
アルラウネC「けどドラゴンさんは嫌だね。ブおとこだしぃーちょっとここでは言えないような命令してきそうだしぃー。うぷぷー」
ドラゴン「うるせーんだよお前ら」
335 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 21:05:04.30 ID:j3/fYsJu0
アラクネ「あまり悪く思わないでネ。この子達も悪気があった訳じゃないノ」
ドラゴン「まあ、別にいいけどさ……」
アラクネ「ただ、ドラゴンちゃんがアンマリにも童貞クサくて、からかい甲斐があるから、ついネ」ニッコリ
ドラゴン「俺に味方はいねえのか」
336 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 21:16:46.62 ID:j3/fYsJu0
アラクネ「じゃあ、ワタクシ達は帰るワ。お元気でネー」カサカサ
アルラウネA「ねぇー、糸外してよぉーお姉様ぁー」
アルラウネB「反省してるってばー。ボク達良い子にするよー?」
アルラウネC「けどもうちょっとだけ遊びたいなー」
アラクネ「良い子にしないと……アナタ達の頭に咲いてるお花、いじくり倒して舐め回すワヨ?」ニコリ
アラクネs「「「ごめんなさいお姉様。ボク達良い子にします」」」ピシッ
アラクネ「よろしい」ニコッ
337 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 21:21:08.43 ID:j3/fYsJu0
ドラゴン「……あいつも子育て大変だなぁ……」シミジミ
ボンゴレ「子育てじゃないっすけどね……あ、ちょっと待って下さいアラクネさん」
アラクネ「なあに?美しさの秘訣かしラ!?」キラーン
ボンゴレ「いやあっ……それはぶっちゃけどうでもいいです……」
338 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 21:26:03.14 ID:j3/fYsJu0
アラクネ「女はいつでもどんな時でも美しくあろうとしなくっちゃ、駄目ヨ?フケるワヨ?」
ボンゴレ「アタシ死んでるからフケないんで良いんですっ。それよりー、『生命の湖』って、どっちに行けばいいのかわかりますか?」
アラクネ「それなら、ワタクシが来た方向に行けばいいワ。そこから来たからネ」
ボンゴレ「ありがとうございますー」
赤子「あいあとー」
アラクネ「フフッ、じゃあネ。ドラゴンちゃんにボンゴレちゃんに、可愛い赤ちゃん」ニコッ
カサカサ……
339 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/12(金) 21:26:39.56 ID:j3/fYsJu0
今回はここまでです
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/14(日) 08:48:43.93 ID:2/FWsA8Go
乙
ドラゴンから兄を感じる
341 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 20:49:03.78 ID:GlUMcLlq0
……ガサガサ……
ボンゴレ「……で、どこまで行けばいいんですかね?行けども行けども森・森・森……」
赤子「ふぃー……」クタッ
ドラゴン「んー、たぶん方向はあってるんだが……あの野郎、水魔法か何かで妨害してやがんのか?霧濃いし……」
ボンゴレ「あー、こんな事ならもうちょい詳しい話聞いとけばよかったっす……あの人達、嵐のように現れては嵐のように消えるんすから……」ハァ
ガサッ
342 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:02:15.08 ID:GlUMcLlq0
ドラゴン「ん?……あ、ここだ」
ボンゴレ「え?」
赤子「……おー……」
サァァァ……
343 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:06:53.42 ID:GlUMcLlq0
……キラキラ……
ボンゴレ「うわっ、綺麗な湖……すごい……」
赤子「ぴーちゃ!ぴーちゃ!」
ボンゴレ「そうでしゅよー、ぴちゃぴちゃでしゅねー。ふぃー……ごめんなさい、ちょっと休憩」トサッ
ドラゴン「おい、俺たちはピクニックに来たんじゃねえんだぞ」
ボンゴレ「いやけど足がクタクタで……棒のようなんですよ!骨だけに!!」ボーン!
ドラゴン「そこまでうまくない」
344 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:10:51.11 ID:GlUMcLlq0
ボンゴレ「ちぇー、ちょっとくらい笑ってくれてもいいじゃないすか……で?ドラゴンさん、ここに来たのって……?」
ドラゴン「ここにいるはずなんだが、まだいるのかなアイツ……おーい、俺だー。いるかー?」
……ボコッ
345 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:17:45.38 ID:GlUMcLlq0
ボコボコボコ……
ボンゴレ「!!(水面が泡立って……!!)」
『『『……去りなさい、愚かな人間よ……ここは聖域。貴方達が立ち入れる領域では無いわ……』』』
ボコボコボコ……
ドラゴン「俺だよ、俺」
『『『……?……貴方……』』』
ドラゴン「十年ぶりくらいか?とりあえず、姿見せてくれると嬉しいんだが……」
『『『…………』』』
ボコボコボコ……!
346 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:22:47.24 ID:GlUMcLlq0
ザパアッ!
クイーンスライム「……久しぶりね、ドラゴン君。まさか貴方の方から姿を現すなんて……」
ドン
ボンゴレ(……なんか、めっちゃ強そうで綺麗な方が湖から出て来たんすけど……)
ドラゴン「ようクイーンスライム。元気だったか?」
クイスラ「元気じゃあないわね。ここは水が汚れているから……」
ドラゴン「……十分綺麗に見えるんだが?」
クイスラ「昔はもっと綺麗だったのよ。全く……」ハァ
347 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:31:23.20 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「それにしても、ドラゴン君……貴方が誰かを連れて来るなんて、初めての事ね。……誰?その人達は」
ドラゴン「ああ、紹介が遅れたな。こいつらは今一緒に暮らしている、ボーンゴーレムと……人間の赤ん坊だ」
ボンゴレ「ど、どうも初めまして……」ペコリ
赤子「あい」コクリ
348 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:37:03.37 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「……ドラゴン君、貴方ともあろう者が……訳のわからない魔導物に、人間の赤ん坊なんかと一緒になって暮らしているの?」
ドラゴン「まあ……そういう事だ」
クイスラ「……成長したというか、退化したというか……間を取って、馬鹿になったという事かしら」
ボンゴレ「それ間取れてないっすよね?」
赤子「あいー」コクリ
クイスラ「……何?私に歯向かうというのかしら?」ギロリ
ボンゴレ「めめめ、滅相もない!っていうか……ど、ドラゴンさん?彼女は、あのー……?」
349 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:40:57.76 ID:GlUMcLlq0
ドラゴン「ああ、言ってなかったな……このプルプルしてんのはクイーンスライム。元・水の四天王だ」
ボンゴレ「し……!!」ガビーン
クイスラ「懐かしいわね、四天王っていうのは」
ボンゴレ「ちょーちょーちょー……ドラゴンさん、ちょっと待って下さい……なんでそんな方と知り合いなんですか?」
ドラゴン「俺が四天王だった時、こいつも四天王だったんだよ」
クイスラ「まあ、そういう事ね。『冥界』なんて呼ばれてたかしら……懐かしい」
350 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:45:57.57 ID:GlUMcLlq0
ドラゴン「俺が四天王辞めるって時に、こいつがお目付け役として付いてきたんだが……」
クイスラ「元四天王が各地で傍若無人に振る舞うと、魔王軍のパワーバランスが崩れるから。仕方なく、ね……」
ボンゴレ「あぱー……そういう事ですか……」
ドラゴン「俺が別に悪さする訳じゃないってわかったら、なんかコイツもついでに四天王辞めてちゃってさ。んで、今はこの湖に引きこもってんだよ」
ボンゴレ「ついでで辞めたんですか!?」
クイスラ「簡単に言うとそうだけど……ついでで辞めた訳じゃないし、引きこもった訳でもないわよ」
351 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:50:34.35 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「ドラゴン君についていた時に、生まれ故郷が人間に汚されているのを知っちゃってね……守るためこの土地に留まったのよ」
ドラゴン「ああ、確かそんな理由だったな……」
クイスラ「あれから約100年……やっと水の汚染を食い止める事が出来るようにはなったけど、まだまだ全盛期よりは汚れているままよ……先が長い話だわ」フゥ
ドラゴン「だからってお前、この湖に来る奴を手当り次第に襲うのやめろよ……変な噂立ってるぞ」
352 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:54:41.81 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「あら、私は何もしてないわよ。ただ……冒険者や木こりや獣人なんかが、ここで立ち小便したり昼食の残飯捨てたりしたら、ちょっとだけ足つかんで引きずり回すくらいで」
ドラゴン「それをやめろっつってんの」
クイスラ「全盛期の私だったら、肛門から侵入して『スライム☆ビックバン』をやる所なのに、我慢してるのよ?」
ボンゴレ「技名からなんとなーくヤバいってのが想像出来ますね……」
353 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:57:59.20 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「毎日掃除しているのに、ゴミは多いしどこからか汚水は流れてくるし……隠居生活も大変よ」ハァー
ドラゴン「そりゃあご苦労さん……」
クイスラ「……それで?ドラゴン君。貴方は何の用があってここに来たの?」
ドラゴン「ん?ああ……えっと……あー……(いざ言うとなると、なんか口にしづらいな……)」ゴニョゴニョ
クイスラ「?なあに?」
ドラゴン「いや……何から言ったもんかな……」
354 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 22:03:19.15 ID:GlUMcLlq0
ボンゴレ「……ドラゴンさん、なんか話を聞く限り、この人あまり人間に良い印象持ってない感じですけど……大丈夫なんですか?」ヒソヒソ
ドラゴン「んー……けどコイツ一時期、幼い現魔王の教育係やってたくらいだからさぁ」ヒソヒソ
ボンゴレ「……マジですか」ヒソッ
ドラゴン「勉強に関してはコイツに任せるのが一番なんだよなぁ。しかしどう言ったもんか……」ヒソヒソ
クイスラ「……大方、私に頼み事があって来たんでしょ?」フンッ
ドラゴン「……は?」
ボンゴレ「あぱー?」
赤子「あぱー……」
355 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 22:08:04.33 ID:GlUMcLlq0
ドラゴン「…………よくわかったな」
クイスラ「貴方がここに来る理由なんて、そのくらいだものね。八十年前に来た時も、同じようにモジモジして頼み事するのをためらってたわよ」
ドラゴン「……モジモジなんかした覚えは無いが」ムスッ
クイスラ「してたわよ。八十年前……狂乱の魔女と戦って大怪我を負った時も、死にそうなのにいつまで経っても頭下げようとしないで……」
ドラゴン「あーあーあーあーやめようその話は。あの時は悪かったですーごめんなさいー」ペコリッ!
ボンゴレ「何があったんですか、何が」
356 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 22:12:39.20 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「だいたい予想は出来るわ……その赤ん坊でしょう?」
ドラゴン「!……」
ボンゴレ「ほえー……すごい考察力……」
赤子「あいー……」
クイスラ「わかるわよ、そのくらい……どう見てもイレギュラーだもの」
ドラゴン「じゃあ……!」
クイスラ「ええ、私に任せなさい……」
357 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 22:16:15.01 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「邪魔だから湖に沈めてこの世から消し去りたいのよね?苦しまないよう殺してあげるわ」ニコリ
ドラゴン「違っげええええええええええ!!!!」
358 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 22:20:19.55 ID:GlUMcLlq0
ドラゴン「逆だ逆!全てが真逆だ!!」
クイスラ「えっ……という事は、貴方達が入水自殺……」
ボンゴレ「違います違います!なんで死ぬ事前提なんすか!?」
クイスラ「もう、じゃあ何をして欲しいのよ?訳がわからないわ」
ドラゴン「単刀直入に言おう……この子を教育してほしいんだ」
赤子「あいっ」
359 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 22:24:51.47 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「…………えっ、バカじゃないの?」
ドラゴン「ストレートに言われると傷付くなぁ……」
360 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/18(木) 22:26:23.39 ID:GlUMcLlq0
今回はここまでです
361 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/20(土) 21:33:07.50 ID:a0VG4hVCo
モンスター娘好きな俺歓喜
362 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/21(日) 04:01:56.21 ID:29mamSncO
>>361
君にはボーンゴーレム娘が「あぱー」と言う度に春日が脳内に浮かぶ祝福を与えよう
363 :
>>362春日のネタって知らんかったわ……
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 19:32:15.67 ID:NDnpFkdk0
クイスラ「えっ……えっ?貴方本当に……人間の子供なんか育ててるの?」
ドラゴン「そうだよ。文句あるか」
クイスラ「噂には聞いてたけど……嘘だと思ってたわ」
ボンゴレ「あの、アタシ達この子を未来の魔王にしたいんです!そのためにしっかりした教育を……」
クイスラ「は?……人間を、魔王に?……えっ、ギャグ?」
ドラゴン「悲しいけれど本気だよ……」
364 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 19:39:33.64 ID:NDnpFkdk0
クイスラ「ええー……いやいや人間が魔王になるとか無理だし……っていうか人間なんか殺した方がいいんじゃないの?」
ドラゴン「お前は何だかんだで人間と争うの反対派だったじゃねえか」
クイスラ「昔はそうだったけど……今は、湖を汚す愚かな生物なんて死んだ方がいいと思っているわ」
ボンゴレ「ええー……」
365 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 19:51:31.97 ID:NDnpFkdk0
クイスラ「それに、教育って……言葉も喋れない赤ん坊に何をしろっていうの?」
ボンゴレ「あ、言葉は喋れますよー!ほーら、アタシはー?」
赤子「まーま!」
ボンゴレ「こっちはー?」
赤子「ぱーぱ!」
ボンゴレ「じゃあ、あの人はー?」
赤子「……ぷゆぷゆー?」
クイスラ「いい度胸してるわね、この子」
ドラゴン「待ってくれ喧嘩売ってる訳じゃないんだ」
366 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 19:57:18.45 ID:NDnpFkdk0
ドラゴン「言葉を喋れるようにはなったが、これから先、俺達じゃあきちんとした教育を施せる自信が無い……だから、しっかりした言葉遣いから魔王としての教養まで、教えてやってほしいんだ」
クイスラ「……その間、貴方達はどうする気?まさか、私にこの子押し付けて消えるつもり?」
ドラゴン「心配するな、ここに住んでこの子の衣食住の世話はするから」
ボンゴレ「あ、やっぱりそういう感じなんですね……」
クイスラ「それは果てしなく邪魔だから、帰って」キッパリ
ドラゴン「やっべー墓穴掘ったか」
367 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 20:07:45.62 ID:NDnpFkdk0
ドラゴン「わかった。何でもお前の言うこと聞いてやるから。それでウィンウィンって感じにしないか?」
クイスラ「全然Win-Winじゃないわよ。そもそもねぇ、この子言葉喋れると言っても一言二言しか喋れないじゃない。そんな子に勉強なんて早いわよ」
ドラゴン「遅いよりかはいいだろ。気付いたら『あぱー!アタシは魔王っすよー!へらへらぷー!』とかいう言葉遣いになってたら嫌じゃん」
ボンゴレ「ちょ、アタシそんなアホな喋り方してないっすよ!?」
クイスラ「いえ……今のは似てたわね」ウン
ドラゴン「だろ?」ナー?
ボンゴレ「味方がいないっ!」ガビーン!
368 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 20:14:15.14 ID:NDnpFkdk0
クイスラ「あとね、さっきも言ったけど……どんなに鍛えようが勉強しようが、人間が魔王になるなんか、無理よ。四天王の配下にも勝てるかどうか……」
ボンゴレ「それはやってみないとわからないじゃないすか!」
赤子「あいっ!」
クイスラ「そんな博打に労力使うほど、私は暇じゃないの。何しろ私はこの湖の浄化を――……ちょっと待って」ピタッ
ボンゴレ「はい?」
クイスラ「……その子、よく見せなさい」
ボンゴレ「え?あ、はいどうぞ」ズイッ
369 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 20:22:22.11 ID:NDnpFkdk0
赤子「あうー?」キョトン
クイスラ「…………この手……それに、魔力の量……この子まさか……それに魔法の素質が……?」ブツブツ
赤子「あぱー?」
ボンゴレ「な、何でしょうか?一体……」
370 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 20:26:34.15 ID:NDnpFkdk0
クイスラ「……ドラゴン君、貴方……気付いてるの?」クルリ
ドラゴン「は?……すまん、何が?」
クイスラ「……えーっと、細かい事は省くけど……この子、魔力の量が異常よ」
ドラゴン「……人間の赤ん坊ってみんなこんなんじゃないのか?」
クイスラ「そんな訳ないでしょ。バカなの?貴方バカなの?」
ドラゴン「二回も言うな」
クイスラ「いえ、ごめんなさい。強いて言うなら……うん、バカね貴方」
ドラゴン「三回も言いやがったぞコイツ」
371 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 20:33:17.46 ID:NDnpFkdk0
クイスラ(この子なら、もしかしたら……)ジッ
赤子「う?」
ボンゴレ「あのー……クイーンスライムさん?」オズオズ
クイスラ「フーッ……わかったわ。ドラゴン君、時期が来たら貴方が魔法を教えなさい。私は文字の読み書きや計算、礼儀作法等をこの子に教えてあげる」
ドラゴン「!……」
ボンゴレ「……じゃあ……!」
372 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 20:38:17.84 ID:NDnpFkdk0
クイスラ「ただし、私が教えるのは知識だけ。強くするのは貴方達が勝手にやりなさい。頑張れば、まあ……今の四天王に勝てるくらいは、なるかもしれないわね。……素質、あるわ。この子」
ドラゴン「……そりゃあ楽しみだ」
クイスラ「私やドラゴン君に勝てるレベルだとか、魔王に勝てるレベルにはならないと思うわよ……」
ボンゴレ「ふふーん、未来なんか誰にもわかりっこないですよ!」
クイスラ「…………勝手にしなさい」
373 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 20:42:47.84 ID:NDnpFkdk0
クイスラ「とりあえず、五年……ここで色々と教えてあげるわ。その間、貴方達は私の代わりにこの湖を死ぬ気で綺麗にしなさい」
ボンゴレ「……えー……」
ドラゴン「……あー……」
クイスラ「何?その顔は」ギロリ
ドラ・ボン「「何でもないです」」
374 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 20:48:07.66 ID:NDnpFkdk0
クイスラ「何でもするって言ったのは貴方でしょう?全く……この湖のほとりで暮らすのは、しょうがないから認めてあげるわ。……湖汚したら殺すけど」
ドラゴン「うぇーい……ありがとうございまーす……」
クイスラ「ほら、わかったらさっさとゴミ拾いでも何でもしてきなさい。私は今からこの子の教育方針について考えるから」
ドラゴン「うーっす……ボンゴレ、お前はどっか俺らが住めそうな場所探せ」
ボンゴレ「あ、はーい」
375 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 20:53:56.62 ID:NDnpFkdk0
クイスラ「……向こうの方に、昔コボルトが住んでいたほら穴があるわ。小さいけれど、掃除したら使えるはずよ……」
ボンゴレ「ありがとうございます!じゃあちょっと見てきまーす」テコテコ
クイスラ「…………ハァー……」ガックリ
ドラゴン「……何だよ、溜め息ついて……」
クイスラ「いえ……私も甘くなったものだと思ってね……この私が人間の教育、かぁ……」
赤子「あうー……」
ドラゴン「……俺も前までそう思ってたよ」
376 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 21:00:30.97 ID:NDnpFkdk0
ドラゴン「けど、その、なんだ……あー……」
クイスラ「……何?」
ドラゴン「いや、な。……ずっと一緒にいて、あやしたり飯食わせたりしてると……こう……」
クイスラ「……」
ドラゴン「……愛着が湧くというか……意外と、可愛いっつーか……」ゴニョゴニョ
クイスラ「……バカなの?」
ドラゴン「いや、ハイ。なんかもうバカでいいわ……」
377 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 21:03:33.74 ID:NDnpFkdk0
クイスラ「ハァ……」チラッ
赤子「あうー?」キョトン
クイスラ「……無いわね、無い……絶対、無い……」
ドラゴン「俺もそう思ってたよ。うん」
クイスラ「……バーカ」
378 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/23(火) 21:06:57.17 ID:NDnpFkdk0
……………………
…………
……
…
379 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/23(火) 21:08:35.31 ID:NDnpFkdk0
今回はここまでです
次回から少し作中の時が飛びます。書き溜めが尽きたので遅れるかもですが……
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/25(木) 01:05:22.75 ID:YQm5qYs60
どれくらい時間飛ぶんだろ??
会話できるくらい大きくなるなら、やっぱ名前欲しいな
381 :
◆eUwxvhsdPM
[saga sage]:2020/06/25(木) 07:14:38.71 ID:CWKOYeeLO
んじゃあ名前募集します
名前欲しい派の人は候補いくつか下さい。由来とかもあれば
良さそうなの選びます
名前いらない派の人も言ってくれればその数見て決めます
今のところ『娘』にする感じです
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/25(木) 12:01:38.67 ID:ThEv81vGO
多分 90歳くらいになって曾孫とかに昔話として聞かせてる所までカットだろうなぁ
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/25(木) 12:02:06.75 ID:ThEv81vGO
娘でいいかな
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/27(土) 11:57:43.32 ID:/Fd1+y9m0
赤子(アカコ)とか?
世界観的に無しかな
385 :
◆eUwxvhsdPM
[saga sage]:2020/06/27(土) 19:50:18.22 ID:dXX8Pb+so
>>384
話が赤ん坊時代から少し飛びますので、名前が赤子だと読んでる方が混乱するかと思いますので……
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/28(日) 16:13:25.56 ID:HLFi1nu90
ますは名前からってことでマオーとかどう?
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/28(日) 20:22:47.40 ID:D2OlSQVWO
>>386
だったらマオとかのが良さそう
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/30(火) 02:40:32.19 ID:s0NB/naD0
>>387
マオイイじゃん!
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/30(火) 08:56:34.00 ID:tDN8+yh/O
娘で私はいいかな
ありがちな名前つけるより
390 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 19:03:45.92 ID:dDKgJ/YH0
>>386
>>387
ボンゴレとドラゴンがそんな会話してそうで面白いのでマオ採用します
>>383
>>389
ご意見ありがとうございます。まあボンゴレももうオリジナルの名前みたいなもんなので、ご理解いただければと
391 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 19:25:18.98 ID:dDKgJ/YH0
……………………
…………
……
…
392 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 19:26:42.57 ID:dDKgJ/YH0
……それから、七年の月日が流れました。
赤ちゃんが二本足で立ったり、色々な言葉を喋れるようになるたびに。
ドラゴンとボーンゴーレムは喜び。
元気に走り回って怪我をしたり、ちょっとしたワガママを言うたびに。
ドラゴンとボーンゴーレムは悲しみ、怒って、心配なんかをしました。
393 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 19:32:12.07 ID:dDKgJ/YH0
そうやって、うだるように暑い夏を越えて。
凍えるような冬を越えて。
赤ちゃんはすくすく大きくなり、もう赤ちゃんとは言えないくらいになり。
クイーンスライムの所から離れて、元々住んでいた洞窟に戻り。
三人で……ドラゴン一頭とボーンゴーレム一体、人間一人で仲良く暮らして。
……七年という月日が流れました。
…………
394 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 19:35:32.28 ID:dDKgJ/YH0
…………
とある森の中――……
少女「――……ハァ、ハァ……!!」ガサガサッ!
「ブヒー!待てー!」
「ついに追い詰めたぞー!」
「プギプギー!」ドドドドッ!
大変です!
女の子が、オークに追い回されています!
395 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 19:39:55.16 ID:dDKgJ/YH0
少女「くっ……ハァ、ハァ……!」ザッ!
「逃げ回るのも終わりだブヒー!」
「これで終わりだ!プギー!」
「終わらせて飯にすんぞー!!」
グ オ ッ ・ ・ ・
少女「――……い……い――……!!」
396 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 19:44:19.91 ID:dDKgJ/YH0
少女「ィヤア――ッ!!!」ヒュン!
ドバキイッ!!
「ブヒー!?」ドサッ!
「ああっ!おにーやーん!」
少女「たぁ――っ!!」
ドカアッ!
「プギャー!?」
少女「とぉ――っ!!」
ドッカァン!
「「「やられたブヒー!」」」ドサアッ!
…………
397 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 19:48:55.12 ID:dDKgJ/YH0
…………
姉オーク「……はーい、今日もマオちゃんの勝ちー」
マオ「えへへ……」テレテレ
妹オーク「マオちゃん、すごい……!」キラキラ
姉オーク「……っていうか、アンタ達弱すぎでしょ……三人がかりで何で負けてるの?」
少年オーク1「違ぇーってねーちゃん!マオが強すぎるんだよ!」
少年オーク2「剣術じゃ勝てなくなったなー……昔は圧勝だったのにー」
少年オーク3「もう半年くらい負けまくってるよね……腹減ったぁ」
398 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 19:52:33.41 ID:dDKgJ/YH0
マオ「ミノタウロスさんに色々教えてもらってるからねー。剣術の他にも斧とか槍の使い方とか」
少年オーク2「うーん、今日は追い詰めたと思ったんだけどなー……」
マオ「あ、ゴメンね。追い詰めたように思わせたら、隙が出来ると思ってー」
少年オーク1「演技かよチクショー。なんだよこいつー」
399 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 19:55:56.44 ID:dDKgJ/YH0
姉オーク「ねえ、マオちゃん。今日はもう乱暴なことやめて、妹と一緒におままごとでもしない?」
妹オーク「うん……」モジモジ
マオ「あ、ごめん姉オークちゃん……あたし今からお野菜もらいに行かないといけなくて」
少年オーク1「えー!勝ち逃げかよー!?」
少年オーク2「おにーやん、最近ずっとそうだよ」
少年オーク1「うるさいんだよお前はっ!」グリグリ
少年オーク2「うわー!おねーやーんおにーやんがイジメるよー!!」バタバタ
少年オーク3「もういいからご飯食べに帰らない?」
400 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 19:59:26.39 ID:dDKgJ/YH0
姉オーク「妹ちゃん、下のお兄ちゃん三人見て育ったらダメだからね」
少年オーク1「ねーちゃんヒドくね?」
妹オーク「あたし、おにーちゃん達好きだよ?」
少年オーク2「妹ぉ……」キュン
妹オーク「ちょっぴり弱い所とか、ぼせーほんのーがくすぐられるよね!」ニパッ
少年オーク1「妹が一番ひどい気がする」
マオ「ねー妹オークちゃん、ぼせーほんのーって?」
妹オーク「なんかね、アルラウネさん達が言ってた」
姉オーク「今度あいつら叱っとかないとなー……」
401 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 20:03:54.75 ID:dDKgJ/YH0
マオ「じゃ、そろそろ行ってくるねーみんなー」
姉オーク「気をつけてねー」
少年オーク1「帰ったらもう一回戦えよ、マオっ!」
少年オーク2「そんな時間ないと思うよ、おにーやん」
少年オーク3「お土産は食べ物でよろしくー」
妹オーク「ばいばい、いってらっしゃーい」フリフリ
マオ「うん!いってきまーす!明日はいっしょに遊ぼーね!姉オークちゃん、妹オークちゃん!」
タタタッ……
…………
402 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 20:06:32.82 ID:dDKgJ/YH0
…………
テコテコ……
マオ「ふー、ちょっと走り疲れたなー」テコテコ
ガサガサッ!
エルフ「止まれ!何者だ!?」ガサッ!
マオ「あたしだよっ」ブイッ
エルフ「む?……何だ、マオか。よく来たな。歓迎する……野菜か?」
マオ「うん。キャベツが欲しいっておかーさん言ってたー」
エルフ「すぐ用意しよう。その間、主様の所にいると良い」
マオ「はーい。お邪魔しまーす」ペコリ
403 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 20:09:44.77 ID:dDKgJ/YH0
ガサガサガサ……
ドライアド「ふぁー……」ゴロゴロ
エルフ「失礼します、主様」ガサッ
ドライアド「ふえっ!?えっ、あっ、なんでしょうか!?」ワタワタ
エルフ「マオが来ましたので、野菜を用意する間ご一緒に、と思いまして」
マオ「こんにちは、ドライアドさん」ペコリ
ドライアド「わあぁ……!よく来ましたね、マオさん!お久しぶりですっ!」パァァッ
マオ「あぱー、先週も来たと思いますけどー」
404 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 20:14:44.12 ID:dDKgJ/YH0
ドライアド「さあさあさあさあそんな所に立ってないで、ここに入って下さい」
マオ「なんですかこれ?机に葉っぱがかかってますけど……」
ドライアド「東の小国に伝わる家具で、『コタツ』というものがあるのですが、それを真似て作ってみました」
マオ「ここに足を入れるんですか?」
ドライアド「はい!どうぞ!」
マオ「よいしょっ……おお?なんかひんやりしてるー」
405 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 20:18:50.47 ID:dDKgJ/YH0
ドライアド「この家具は厳しい冬の寒さを超すためのものらしいのですが、それを夏用にアレンジしてみまして。……こうして氷で中を冷やすのも中々良いものでしょう?」ニコニコ
マオ「わー、なんか良いですねこれー」キャッキャッ
ドライアド「最近はこれに入って一人チェスをするのがマイブームなのです」
マオ「ドライアドさん、外出しないと身体にわるいよー?」
ドライアド「大丈夫ですよぉ。私植物ですしぃ」ゴロゴロ
406 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 20:24:15.53 ID:dDKgJ/YH0
ドライアド「はい、マオさん。夏みかん剥きましたよー」
マオ「ありがとうございます。んっ、あまーい!」
ドライアド「ふふふ……さあ、私と一緒にゴロゴロ引きこもりライフを楽しみましょう!ここでずーっと!」
マオ「ええー?この後もあたし予定あるしなー」
ドライアド「いいじゃないですか!予定なんてちょっとくらい無視しても問題ないですよぉ」
エルフ「……あのー、野菜の収穫終わりましたけど……」ガサッ
407 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 20:29:03.27 ID:dDKgJ/YH0
マオ「あ、はい。ありがとうございますエルフさん」ペコリ
エルフ「量多いが、持てるか?マオ」
マオ「大丈夫です。おかーさんも喜ぶと思いますー」
ドライアド「ほら、マオさん。おせんべいでも食べませんか?ゴロゴロしながら食べるおせんべいは最高ですよぉー」ダラダラ
マオ「えーっと……ごめんなさいドライアドさん。あたしやっぱり予定があるんで」
ドライアド「」ガーン!
408 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/30(火) 20:35:32.90 ID:dDKgJ/YH0
ドライアド「いや!待って!行かないで!!私をひとりぼっちにしないでぇぇぇ……!」エッグエッグ
エルフ「泣かないで下さい主様……毎週こんなやり取りしてるじゃないですか」
ドライアド「引きこもりの私にとって、どもらず話せるのは貴女だけなのぉ……」ヒッグヒッグ
エルフ「社会復帰して下さい」
マオ「ごめんなさいドライアドさん。また来ますねー」フリフリ
ドライアド「うん!待ってますわ!」ニッコー!
エルフ(主様の今後が心配だなぁ……)
…………
409 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/30(火) 20:36:58.52 ID:dDKgJ/YH0
今回はここまでです
オーク姉弟は全員序盤の子供オークの成長した姿です。赤子オークは妹オーク
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/07/01(水) 12:33:16.47 ID:ysSVh+V9O
合計14年後か
411 :
◆eUwxvhsdPM
[sage]:2020/07/01(水) 16:25:04.71 ID:SF7Dw/2Co
>>410
ごめんなさい七年後です
わかりづらかったっすね
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/07/04(土) 22:39:01.29 ID:1TLkvEXno
みんなかわいいなあ
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/07/05(日) 16:04:08.99 ID:b9Uum7Lc0
ドラゴニュート娘〜ドラゴンの過去あたりから無難なバトルものにシフトしそうな気がしてたが、可愛い日常がやっぱりいいよ
414 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 20:17:20.79 ID:bX15iyJy0
…………
生命の湖、畔――……
タッタッタッタ……
マオ「はあ、はあ……遅くなっちゃった。ごめんなさーいせんせー!遅れましたー!」
ボコボコボコ……
クイーンスライム「……3分の遅刻よ。マオちゃん」ザパーッ
マオ「あぱー……言い訳はしません。あたしの足が遅いのがいけませんでしたっ」ペコリッ
415 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 20:22:54.48 ID:bX15iyJy0
クイスラ(……まあ、大の大人が半日かかる道のりを、一時間そこらで走ってくるのだから……本当なら褒めてあげる所なんだけど)
クイスラ「反省しているようだし、許してあげるわ。ただし、私の3分を無駄にした罪は重いわよ」ギロリ
マオ「はい。ごめんなさい先生」ペコリ
クイスラ(……私は心を鬼にしてこの子を教育する!それがこの子のためになるのよ!)キリッ
416 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 20:27:32.00 ID:bX15iyJy0
クイスラ「じゃあ、今日の勉強会を始めるわよ。宿題はやってきた?簡単な掛け算の問題をいくつか出してたけど……」
マオ「はい。しっかり持ってきましたー」サッ
クイスラ「……その前に、マオちゃん」
マオ「はい?先生」
クイスラ「……貴女、汗臭いわよ。どれだけ必死に走ってきたの……」
マオ「あ、あぱー……ちょっと、来るときこけちゃいまして……すごく急いじゃいました……」
クイスラ「何!?傷を見せなさい!早く!!」
マオ「えっ、あ、いやー、そんな大した怪我じゃないですけどー」イソイソ
417 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 20:33:53.19 ID:bX15iyJy0
クイスラ「ああもう、消毒消毒……濃いお酒がどこかにあったはずだけど……マオちゃん、大丈夫なの?痛くない?」バタバタ
マオ「ちょっとウルッてきましたけど……おとーさんはこんな怪我じゃ泣かないと思ったので」ハイ
クイスラ「あのバカは別よ。何百本の矢が突き刺さってもうめき声一つあげないんだから……まあ、見た目はひどいけどかすり傷みたいね。すぐ白魔法で治してあげるから、湖で傷口を洗うついでに汗も流しちゃいなさい」
マオ「はーい」
クイスラ「あーあー、服も土で汚れてるじゃないの。洗って乾かしといてあげるから、替えの服着ときなさい。人間の服の一枚くらいあったでしょ」バタバタ
マオ(……クイーンスライムの先生はいつも優しいなぁ……)
418 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 20:38:14.25 ID:bX15iyJy0
ザパザパ
マオ「うーっ、冷たくて気持ちいーっ」バシャバシャ
クイスラ「ほら、身体洗っている間も勉強よ。今日の予定は割り算!来週には分数まで行くわよ」
マオ「わ、わりざん?ぶんすー?」アパ?
クイスラ「掛け算が出来るんなら割り算も出来るわよ。その前に復習ー。1✕1から20✕20まで全部言いなさい」
マオ「せんせー、10の上くらいからすごく難しいんですけどー……」
クイスラ「こんなの微分積分に比べたらフェアリーの鱗粉みたいなもんよ。ほらほらさっさと言う」
マオ「あ、あぱー……」
…………
419 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 20:41:01.26 ID:bX15iyJy0
…………
カァーカァー……
クイスラ「……つまりまあ簡単に言うと、二乗するとその数になるのを平方根と言ってー……」カリカリカリ
マオ「せんせー、なんかもうすでにむずかしいですー……」
クイスラ「だらしないわね。今の魔王様はこんなの3秒で理解したわよ」
マオ「むー……じゃあ頑張らないとですね」カキカキ
クイスラ(……あれ?人間の7歳って平方根とか習うのかしら?……まあ、いいわよね)
420 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 20:44:38.21 ID:bX15iyJy0
クイスラ「じゃあ次……と思ったけれど、もう時間ね。日が傾いてるわ」
マオ「ありがとうございました、先生」ペコリ
クイスラ「……しまったわ。結局割り算あまり勉強出来なかったわね……」
マオ「いえ、だいたいわかりましたから。あとはお家で復習します」
クイスラ「そう?ならいいけど……明日はお休み。明後日は国語の勉強するわよ」
マオ「はーい」
クイスラ「最終的には古代禁忌呪文書くらいは読めるようにならないとね。あとエルフ文字とノーム文字も読めるようにして……あーゴブリン語も話せるようにするべきかしら……けどあの言語は『くたばれ!』だけで42個もあるしなぁ……」ブツブツ
マオ「よくわかりませんけど、頑張りまーす」
421 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 20:48:00.96 ID:bX15iyJy0
クイスラ「帰り道気をつけなさいよ。怪我しないように!」
マオ「はーい。それではさよーならー先生」ペコリ
クイスラ「はいさようなら」
マオ「よーし……」ググッ……
ダッ!
タタタタ……
…………
422 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 20:51:37.44 ID:bX15iyJy0
…………
洞窟――……
……タタタ……
マオ「ただいまー、おとーさん!おかーさん!」ザッ!
423 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 20:55:14.41 ID:bX15iyJy0
ドラゴン「おー、おかえりー」
ボンゴレ「おかえりなさーい!ごはんもうすぐ出来ますよー」ニコニコ
マオ「わーい!」
424 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 20:59:02.53 ID:bX15iyJy0
ドラゴン「今日はどうだった?」
マオ「あのねー、オークのみんなと遊んでねー、ドライアドさん所でお野菜もらってー、先生のお勉強むずかしかったー」
ドラゴン「そうか。……怪我はしてないか?」
マオ「ちょっとこけちゃったけど、クイーンスライムの先生に治してもらったよー」
ドラゴン「ん、そうか。……ちょっと見せてみろ。痛くないか?」
マオ「だいじょーぶ。おとーさんだったらこんな怪我、痛くもかゆくもないもん!」
ドラゴン「いやまあお父さんはそうだけどさぁ……うん、綺麗に治ってるな。気をつけろよマオ。怪我をするな、とは言わないが……森の中で大怪我して動けなくなったりでもしたら、大変だぞ」
マオ「うん。気をつけるー」
425 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:03:45.48 ID:bX15iyJy0
ボンゴレ「そうですよー。お母さんなんか昔、崖から落ちて全身の骨がバラバラになった事ありますし」
マオ「えー!?おかーさんそれ大丈夫だったのー?」
ボンゴレ「全部繋げるのに一週間かかりましたねぇ……首だけで転がりまわってパーツ集めて……」シミジミ
ドラゴン「マオ、お前はそーいう事にならないようにな。死ぬから」
マオ「?……けど、おかーさんが大丈夫だったらあたしも……」
ドラゴン「お前はダメなのっ」
426 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:07:20.98 ID:bX15iyJy0
ボンゴレ「ほらほら、お話もいいけど晩御飯にしましょっ」
ドラゴン「ああ……」
マオ「おかーさん、これもらってきたお野菜ー」ガサッ
ボンゴレ「おー!ありがとうねーマオちゃん!じゃあこのお野菜でサラダも作りますか!」
マオ「うんっ!今日の晩御飯はなにー?」
ボンゴレ「クジラの唐揚げです!今日お父さんが取ってきてくれたんですよー!」イソイソ
ドラゴン「海まで遠かったわ」
427 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:09:51.65 ID:bX15iyJy0
ボンゴレ「じゃあ……」
「「「いっただっきまーす」」」
モグモグ……
マオ「そういえばおとーさーん、へーほーこんってわかるー?」
ドラゴン「……一応わかるけど……え?マオ、それどこで聞いた?」
マオ「クイーンスライムの先生から今日習ってー。それと割り算予習しないといけないのー」
ドラゴン「勉強方法おかしいだろあいつ」
ボンゴレ「……ドラゴンさん、へーほーこんってなんですか?」ヒソヒソ
ドラゴン「生活には全く必要ないから、お前は知らんでも問題ないぞ……」
428 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:14:42.21 ID:bX15iyJy0
マオ「なんかねー先生がねー。魔王様はすぐ理解したって言ってたからー。がんばらないといけないのー」
ドラゴン「とはいえ詰め込みすぎだ。今習ってるのは掛け算なんだろ?それと割り算しっかり勉強してからじゃあないとわからんぞそんなもん……」
マオ「そうなの?」
ボンゴレ「そうっすよー。お母さんなんか掛け算ですらビミョーです!」エッヘン
ドラゴン「胸を張るな。……いやまあ文字書けるヤツがそんないない中頑張ってる方だけどさ」
カチャカチャ
モグモグ……
429 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:17:59.07 ID:bX15iyJy0
ドラゴン「ご馳走さまでした」ペコリ
マオ「ごちそうさまでしたー」ペコリ
ボンゴレ「おそまつさまでした」ペコリ
マオ「美味しかったー。あ、おかーさんお皿洗うよーあたし」
ボンゴレ「いいのいいの!今日はたーっぷり遊んで勉強して疲れたでしょー?お父さんと川で身体洗ってきなさいなー」
マオ「そう?ありがとーおかーさん!」ニコッ
ボンゴレ「あぱぱー」ニッコリ
マオ「あぱぱぱー」ニコニコ
ドラゴン「何なのそのコミュニケーション……マオー行くぞー」
マオ「はーい」テコテコ
…………
430 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:20:41.31 ID:bX15iyJy0
…………
ゴシゴシ
マオ「気持ちいいー?おとーさん」
ドラゴン「あーいい気持ちだ……ん、交代。背中向けなー」
マオ「はーい。けどあたし、お昼も先生の所で汗流したんだけどー」
ドラゴン「そっから走って帰って来たんだから汗かいてるだろ。ほらほら背中むけろ」
マオ「はーい」クルリ
ドラゴン「……『風精シルフィードよ。我の下に集いて奇跡を呼び起こしたまえ』……」ブツブツ
フワッ
431 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:23:20.30 ID:bX15iyJy0
ゴシゴシ……
マオ「……そういえばおとーさんって、どうやってタオルとか食器とか浮かしてるのー?あたしもやりたーいっ!」
ドラゴン「これは魔法だよ。自分の魔力とマナを練って呪文で精霊の力を借りて……話すとややこしいな。んー、まだお前には早い」
マオ「えー」
ドラゴン「また今度な。今度……もうちょっと大きくなったら教えてやる」
マオ「あぱー……絶対だよ?」
ドラゴン「ああ。約束するよ」
ゴシゴシ……
…………
432 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:26:31.02 ID:bX15iyJy0
…………
ドラゴン「――……でな?エルフ文字っていうのは読み方にクセがあって……マオも文字を書いてる時、こういう記号があったの見ただろ?」カキカキ
マオ「うんー」
ドラゴン「これがあるのは口を閉じて言葉を発さないといけなくてだな……口語と文語がエルフ文字は一部一緒になってて――……」
ボンゴレ「ドラゴンさんーマオちゃんー。汗流して帰ってきてからずーっとお勉強してますけど、疲れますよー?そろそろ寝ましょうー」
マオ「えー?おかーさん、今とっても面白いのにー」
ボンゴレ「ダーメーでーすーっ。もうお月さまがあんな所にありますし、ランプの燃料だってタダじゃあないんですよー?そろそろ寝ますよー」
ドラゴン「……ランプは俺の魔法で灯してるんだけど」
ボンゴレ「お父さんは黙っててください」
433 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:30:29.63 ID:bX15iyJy0
ドラゴン「んじゃあ後は今度な、マオ。……というか、勉強疲れただろ?」
マオ「んーんっ。クイーンスライムの先生もおとーさんも、それぞれ教え方に違いが合って面白いしー。たまーにオークのみんなとか迷いの森のエルフさんとかがあたしのわからない言葉しゃべってる事あるんだけど、こーやって教えてもらったら、それがわかるからおもしろいよー!」ニコッ
ドラゴン「ん、そうか。……とはいえ詰め込みすぎてもダメだ。今日はゆっくり休んで、明日はしっかり遊びなさい。……クイーンスライムの勉強会、休みだろ?明日」
マオ「うん!明日はおままごとするー!」
ボンゴレ「お、いいですねーおままごと!じゃあお母さんはお弁当持っていってあげますねー」
マオ「やったー!」ニコッ
434 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:34:09.49 ID:bX15iyJy0
ボンゴレ「じゃあ、おやすみなさい。マオちゃん」
マオ「うん!おやすみなさい。おかーさん、おとーさん!」
ドラゴン「おやすみ。身体冷やさないように、布団しっかりかぶっとけよー」
ボンゴレ「お父さんとお母さんは後でお布団入りますから!少しだけ先におやすみしてくださいねーっ」
マオ「はーい」
テコテコ……
ボンゴレ「…………」
ドラゴン「…………」
435 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:37:32.58 ID:bX15iyJy0
ボンゴレ「……クイーンスライムさんはあたしが思ってる以上に色々教えてるみたいですねえ。ありがたいことです。……へーほーこんってマジでなんなんすか?」コポコポ
ドラゴン「知らなくていいって。人間の数学者とかが習うやつだし。……マオの小ささで覚える事ではないと思う」
ボンゴレ「んま、しかしそこまで習っているのなら、そろそろ魔法とか本格的な武術も教えてあげたほうがいいかもしれませんねえ。はいドラゴンさん。お茶入りましたよ」スッ
ドラゴン「ん、ありがとう」
436 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:40:33.42 ID:bX15iyJy0
ボンゴレ「戦い方はミノタウロスさんに教えてもらっているし、ほぼ毎日オークさん所の下の息子さんたちと遊んでもらっていますけど、やっぱり四天王クラスの方に教えてもらいたいっすよねー」
ドラゴン「……」ズズッ
ボンゴレ「それに、魔法!クイーンスライムさんはそういうの教えてくれないらしいですし、ドラゴンさんは全部の魔法使えますもんねー。あの娘もいい子に育って手がかからなくなってきましたし、そろそろそーいうのも教えてあげていいと思うんすよー。やっぱり魔王になるには、幼い時から教えるべきっすよねえ」
437 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:43:18.68 ID:bX15iyJy0
ドラゴン「……いや、けどさあ、ボンゴレ……」
ボンゴレ「はい?なんすか?」
438 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/05(日) 21:45:06.52 ID:bX15iyJy0
ドラゴン「……そーいうの教えて……怪我したら、イヤじゃん?」
ボンゴレ「……あたしもドラゴンさんのこと言えませんけど……子煩悩っすよねえ……」
…………
439 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/07/05(日) 21:46:21.81 ID:bX15iyJy0
今回はここまでです
440 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 19:08:29.87 ID:Tso8GVWZ0
…………
妹オーク「はい。おとーさんごはんが出来ましたよー」クイクイ
姉オーク「ありがとうおかーさん。うん、おいしいごはんだー」クイクイ
少年オーク1「……ねーちゃん達、人形動かしてたのしーい?」
少年オーク2「マオー。人形でおままごとしてないでおいらたちと遊ばねー?」
マオ「今日はおままごとするって決めてたからー」クイクイ
姉オーク「アンタ達はお兄ちゃんとこ行っときなよ」
少年オーク3「……なあ、マオはなんの役なの?これ」
441 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 19:36:15.47 ID:Tso8GVWZ0
マオ「え?これはねー。魔王」
姉オーク「…………ん?」
442 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 19:40:49.64 ID:Tso8GVWZ0
マオ「ふははははー!あたしは魔王さまだぞー!つよくてやさしくてつよいんだぞー!」クイクイッ!
妹オーク「ああっ!たすけてー魔王さまー!晩ごはんをわるいゴブリンに盗まれちゃいましたー!」
マオ「くらえー!なんかすっごい魔法!どかーんばきーんずどーん!」バタバタ
姉オーク「…………」
443 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 19:43:23.18 ID:Tso8GVWZ0
マオ「ふっ、ゴブリンも食べるのに大変だろうけど、他の人からとっちゃだめだよ。狩りとかワナとかがいいよ」
妹オーク「ありがとうございますー魔王さまー」ペコリ
マオ「ふはははは!みんなの幸せこそが魔王の喜びなのだー!むっ、誰かの悲しむ声がする!さらばだ!とうっ!」ビシッ
妹オーク「きゃーかっこいいー魔王さまー」
姉オーク「違う。これ、おままごとと違う……」
…………
444 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 19:49:56.01 ID:Tso8GVWZ0
…………
ボンゴレ「マオちゃーん。お弁当持ってきましたよー」フリフリ
マオ「あ、おかーさんだー。ありがとー」
姉オーク「なんか久々だね。ボーンゴーレムのおねーさん」
妹オーク「マオちゃんのおかーさんー」
ボンゴレ「ミノタウロスさんから小麦をもらったので、パンを焼いてサンドイッチにしましたよー。みんなも食べましょう」
マオ「わーい!」
姉オーク「おねーさん料理うまくなった?」
ボンゴレ「ふふん、ダテに主婦やってませんからね!」ドヤッ
姉オーク「昔はおむつ替えるのもヘタだったのに……」
ボンゴレ「あぱー。昔の話はやめましょーよぉ」
445 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 19:53:42.82 ID:Tso8GVWZ0
ボンゴレ「あれ?弟ちゃんたちは?」
姉オーク「おままごと見てるのに飽きて、向こうの丘でお兄ちゃん達と遊んでる」
ボンゴレ「みんなの分もたっぷり作ってきたんで、マオちゃんちょっとみんな呼んできてもらえます?」
マオ「はーい」
姉オーク「あーいや、たぶんあたし達のお家帰ったらみんな戻ってると思う。お昼時だし」
ボンゴレ「あぱー、そういえばお弁当持ってくるってこと、母オークさんに伝えるの忘れてましたね……持ってきすぎちゃったかも」
446 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 19:58:45.84 ID:Tso8GVWZ0
妹オーク「大丈夫だとおもうよー?おにーちゃん達いっつもいっぱい食べてもお腹すいたーって言ってるし」
姉オーク「そのサンドイッチだけだとおやつくらいにしかならないかなあ……」
ボンゴレ「育ち盛りの食欲なめてたなあ」
447 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 20:11:34.46 ID:Tso8GVWZ0
姉オーク「あたし達のお家でみんなで食べよう。お母さんも喜ぶと思う」
ボンゴレ「いやーすみませんねえ。お世話になります」
マオ「おかーさん、あたし持つよーお弁当」
ボンゴレ「あらそうですか?ではお願いしましょうかね」
マオ「うんっ!……そういえばおとーさんは?」
ボンゴレ「まだちょーっと狩りがかかるみたいです。お昼は狩り場で食べるって」
マオ「むー、そっか。おとーさん、ごはんのために頑張ってるんだね。ありがとー」
ボンゴレ「ふふ。お家帰ったらお父さんに言ってあげてくださいね?」
マオ「うん!そーするー!」
…………
448 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 20:16:13.77 ID:Tso8GVWZ0
…………
カァーカァー……
マオ「あーよく遊んだねー」
妹オーク「ありがとうマオちゃんー楽しかったー」ニコニコ
姉オーク「……まあ、二人が良かったならいいんだけど……」
マオ「もうお日さまがオレンジ色になっちゃってるねー。あたし、そろそろ帰らないと」
姉オーク「うん、気をつけてねマオちゃん。先に帰ったボーンゴーレムのお姉さんにありがとうって伝えておいて」
妹オーク「ばいばーい、マオちゃん」
マオ「うん。ばいばーいまた明日ねー」フリフリ
テクテクテク……
449 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 20:20:30.50 ID:Tso8GVWZ0
マオ「きょーうのばんごはんはなーにっかなー♪シカ肉シチューならうれしいなー♪」
テクテクテク……
マオ「……あぱ?」
450 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 20:24:21.12 ID:Tso8GVWZ0
少女「…………うう……」グッタリ
マオ「……あぱー、誰か倒れてる。……エルフ族かな?大変……」
タタッ
451 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 20:29:39.69 ID:Tso8GVWZ0
マオ「もしもーし。大丈夫ー?」ツンツン
少女「う……あ、アンタ誰……?町の子……?」
マオ「あたしはマオだよー。あなたは?」
少女「……あたしは少女だけど……別に名前聞いた訳じゃないのよ。あイタタ……あー、ちょっとボーっとしてたみたい……」ムクリ
マオ「大丈夫?動けるー?」
少女「なんでもないわよ。ちょっとクラっとしただけ……」
グゥー……
452 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 20:34:25.80 ID:Tso8GVWZ0
マオ「……おなか、空いてるの?」
少女「空いてないわよ!ししし、失礼ね!今のは……そう!オナラ!オナラだから!」
マオ「それ逆に恥ずかしくない?」
少女「うるさいっての。あたしはね、空腹で倒れるような、そんな恥ずかしい血族の者じゃあないのよっ!」ビシッ
マオ「けつぞく?って?」
453 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 20:38:34.66 ID:Tso8GVWZ0
少女「あたしのお母さんのお母さんの、そのまたお母さんはスゴイ人なのよ!もう町でも有名で――……って、アンタ」
マオ「あぱ?」
少女「…………あたしのこと、知らないの?」
マオ「え?うん。……初めて会ったよね?」
少女「……そうだけど……」
454 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 20:41:27.13 ID:Tso8GVWZ0
少女(なにこの子……あたしの事知らないワケ?服もボロっちいし……町の子じゃなくって、このあたりに住んでるの?)
マオ(あれ、この子耳短いなー。エルフじゃないのかな。手も骨じゃないし、なんかあたしに似てるー)
455 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 20:44:56.14 ID:Tso8GVWZ0
少女「ま、まあいいわ。あたしそろそろ行くから……」
マオ「どこ行くのー?」
少女「……今夜寝るとこ探すのよ。ごはんも探さないと……」ヨロッ
マオ「そんなフラフラの状態じゃ無理だよー。それにもう暗くなってきてるし、森に入るのあぶないよー?」
少女「うるさいなあ。仕方ないでしょ。今夜はここで過ごすんだから」
456 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 20:49:39.38 ID:Tso8GVWZ0
マオ「狩りするのなら道具もいるよ?ウサギならいけるかもだけど、それでも弓矢でもないと……」
少女「い、いや……木の実探すつもりだったんだけど……」
457 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 20:54:49.82 ID:Tso8GVWZ0
マオ「そうだ。ウチ来なよ。おかーさんがごはん作ってくれてるし」
少女「…………アンタん家?」
マオ「うん。一人くらい増えても大丈夫だよ」
少女「あたし、町に戻るつもりはないわよ」
マオ「まちってどこ?」
少女「え?」
マオ「あぱ?」
458 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/08(水) 20:58:35.18 ID:Tso8GVWZ0
マオ「あたしの住んでるのはこっちだよー。来て来て」
少女(……ついていって大丈夫かしら。けどメッチャお腹空いてるのも事実だし……)
マオ「どうしたのー?こっちこっち!」
少女「……ハア。わかったわよ……変な物食わせたら承知しないわよ?」
マオ「おかーさんのごはんはいつも美味しいよー大丈夫大丈夫」テクテク
少女(……心配だわ……)テクテク
…………
459 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/07/08(水) 20:59:11.23 ID:Tso8GVWZ0
今回はここまでです
460 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/07/13(月) 23:13:27.99 ID:xwqVRNzjO
人間の町あるんだっけか
461 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 19:29:15.35 ID:aXP8cLpr0
…………
タタタッ……
マオ「おとーさんおかーさん、ただいまー」タタッ
ドラゴン「おーおかえりー」
ボンゴレ「おかえりなさーい。遅かったですねー」
マオ「ごめんね遅くなって。あのねあのね、おかーさん」
ボンゴレ「はい?なんでしょう」
462 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 19:34:43.17 ID:aXP8cLpr0
マオ「友達をね、そこで待たしてるんだけど……おなか、空いてるみたいなの」
ボンゴレ「ほう、お友達」
ドラゴン「オークさん所のか?」
マオ「ううん。さっき知り合ったの」
ドラゴン「……友達か?それ」
463 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 19:39:02.13 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「迷いの森の人っすかねえ?種族は?」
マオ「わかんない……あたしに似てるよ」
ボンゴレ「ならエルフ族かなー。お野菜準備しないといけませんかね」
マオ「んー、耳は短かったけど」
ボンゴレ「あぱー?じゃあなんでしょ。ドワーフかノームか……ハーフリングはこのあたりじゃ見ないし……」
ドラゴン「まあ、待たしたまんまのも悪い。とりあえず連れてきなさい」
マオ「はーい」テコテコ
464 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 19:47:24.22 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「ええと、食器食器……お肉食べられる種族の方だったらいいんですけど」イソイソ
ドラゴン「……」
ボンゴレ「ほえ?どうかしましたかードラゴンさん。こわーい顔になってますよ?」
ドラゴン「いや……」
465 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 19:50:01.95 ID:aXP8cLpr0
ドラゴン(娘に似ていて耳が短い?ドワーフもノームも町に住んでるのが大半だし、もしかして……)
マオ「ほら、こっちこっちー」
少女「こっちって、家もなんもないけ、ど……」ピタリ
466 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 19:53:48.47 ID:aXP8cLpr0
ドラゴン「…………」
少女「…………」
マオ「紹介するねー。この子少女ちゃん!あ、少女ちゃん。あたしのおとーさんとおかーさんだよ」
ドラゴン「……」
少女「……」
467 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 19:59:26.76 ID:aXP8cLpr0
ドラゴン(うえええええええええ!!!?人間じゃねえかあああああああ!!!?)ガビーン!
少女(ぎゃああああああああああ!!!!!どどど、ドラゴンだあああああああ!!!?)ズガーン!
468 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 20:05:36.81 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「いらっしゃーい。マオちゃんのお母さんでーす。……あぱー、なんだかあたしに似てますねえ。ボーンゴーレム仲間ですかね?」
ドラゴン「いや違ェよ!人間だ人間!」
ボンゴレ「あぱ?にんげ……え、マジすか」
少女「あばばばばばば……どどど、どら、どら……」ガタガタ
マオ「?……どうかした?少女ちゃん」
少女「どうしたもこうしたも!!あ、アンタ、一体……?」
469 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 20:14:48.91 ID:aXP8cLpr0
少女「もしかしてアンタ、魔物!?」
マオ「うん。魔物だよー」
少女「あ、あたしを罠にハメて食べようっていう気!?ドラゴンが親って……アンタもしかしてドラゴン、いや竜人族なの!?」
マオ「種族はニンゲンだよ?」
少女「どういう事なの!?」
470 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 20:18:51.19 ID:aXP8cLpr0
少女「はっ!……わかったわ!そこのドラゴンがそのお姉さんやこの子に洗脳魔法をかけているのねっ!?」
ドラゴン「おおう……なんかすげえ悪者にされてる」
ボンゴレ「まーまーまーまー落ち着いて。ええと、少女ちゃんですっけ?」
少女「は、はい……」ガタガタ
ボンゴレ「そんなに怖がることないですよー。ドラゴンさん見た目は怖いっすけど、いい人っすからねー」
少女「そんな事言われても――……ん?」
ボンゴレ「はい?」
471 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 20:25:52.96 ID:aXP8cLpr0
少女「ちょ、貴女……手、手……!!」
ボンゴレ「手?」ガチャガチャ
少女「イヤアアアア!!手がほ、骨ェ――ッ!」
ボンゴレ「あぱー、なんか新鮮な反応」ガチャリ
ドラゴン(いやこれマジでどうすんだ)
472 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 20:31:27.75 ID:aXP8cLpr0
ドラゴン(どうしよ。人間にマオの事バレるのは面倒だぞ……町で言いふらされたりでもしたら……)
少女「食べたの!?ドラゴンに食べられたの!?はっ!……骨を魔法で動かしてるってワケ!?あ、アンデット……スケルトン……」
ボンゴレ「そんな低級種族じゃありませんよ。シッケイな」
マオ「おかーさんはボーンゴーレムだよ?」
少女「何それゴーレム!?生き物ですりゃないじゃん!!」
ボンゴレ「生きてますよぉ何てこと言うんですかー」
473 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 20:40:21.11 ID:aXP8cLpr0
ドラゴン(マオを保護するとか言って人間が押し寄せてくるか?魔物狩りが来たら迷いの森や生命の湖に迷惑が――……)
ボンゴレ「はい!首すぽーん!」ガチャーン!
少女「ぎゃあああああああああああ!!!!」
マオ「あははっ!おかーさんすごーい!」キャッキャッ
ボンゴレ「いやー反応面白いっすねー」
ドラゴン「俺今真剣に考えてるんだけど」
474 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 20:44:32.15 ID:aXP8cLpr0
少女「あ……ああ……」
ヘタリッ
少女(もうダメだあ……お腹空いたし驚きすぎたしで、力が……)
ドラゴン「!……ったく……おい、もういいだろボンゴレ」
ボンゴレ「ちぇーっ。もう少し遊びたかったのにー」
ドラゴン「状況を見ろ、状況を」
475 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 20:50:09.06 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「はいはい。すぐ準備しますからー」パタパタ
カチャカチャ……
少女(準備……あたしを料理する準備かな……うう、せめてもう少し長生きしたかった……)
マオ「おかーさん、あたしなにすればいいー?」
ボンゴレ「ではこのスプーンを運んでもらいましょうかね」
マオ「はーい」
ガチャガチャ
少女(スプーン?……何に使うんだろ……)
476 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 20:57:22.50 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「さーて、ではお皿に取り分けて、と……」
マオ「おかーさん、今日のごはんはなーにー?」
ボンゴレ「ふふふ、今日はですねー」
少女(あたしの丸焼き?あたしのカツレツ?なんだろ……)
477 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 21:11:44.94 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「シカ肉のシチューとカモ肉ステーキ、それにパンとサラダに、デザートにはオレンジを用意しましたよーっ」
バーン
マオ「わーいシチューだー!」
ボンゴレ「ふふふ、マオちゃんはシカ肉シチュー大好きですもんねー?」
マオ「うんー!」ニパー
少女「…………へ?」パチリ
478 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 21:16:19.56 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「はい、少女ちゃんの分」スッ
少女「う……ええ……?」
マオ「おかーさんの料理はすっごくおいしんだよー!?」
ボンゴレ「あぱぱー、テレますねえ」
ドラゴン「……シカ肉シチューはミノタウロス娘からレシピ教えてもらったんだろ」
ボンゴレ「アタシがアレンジしたのでアタシのレシピっすよっ!」
479 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 21:22:05.30 ID:aXP8cLpr0
ドラゴン「じゃあ……」
「「「いっただっきまーす」」」
少女「…………ます……?」
480 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 21:26:20.36 ID:aXP8cLpr0
マオ「んー!今日もおかーさんのごはんはおいしいー!」モグモグ
ドラゴン「うん、うまいな。パンも綺麗に焼けてるよ、ボンゴ――……お母さん」パクパク
ボンゴレ「んふふっ、おかわりもたーんとありますからねーっ」イソイソ
少女「…………」
ボンゴレ「さ、さ。どうぞどうぞ少女ちゃんも食べてくださいな。一気に食べるとお腹にワルいかもしれませんから、ゆっくりシチューをのんでみてください」
少女「……」
481 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 21:30:14.13 ID:aXP8cLpr0
少女「……あ……あたしを……」
ドラゴン「?……」
ボンゴレ「はい?」
482 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/16(木) 21:34:26.04 ID:aXP8cLpr0
少女「……あたしを太らせてから食べる気……?」ビクビク
ドラゴン「……疑り深いやつだなーコイツ……」
ボンゴレ「そんなことしませんってぇ……」
483 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/07/16(木) 21:35:15.59 ID:aXP8cLpr0
今回はここまでです
484 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/07/19(日) 01:53:39.50 ID:4iLgp91Co
やっと最新まで読めた
485 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/07/19(日) 08:04:15.85 ID:g9flTOyjo
面白いけど長いわな
486 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/07/25(土) 21:58:02.95 ID:GjXSHrSc0
>>485
赤ん坊のまま終わると思ってた
487 :
◆eUwxvhsdPM
[sage]:2020/07/26(日) 16:08:23.85 ID:zu3k/jQ6o
少し更新遅れます。すみません
水曜か木曜あたりになるかと
488 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:13:06.05 ID:nFLxYojB0
ボンゴレ「確かにアタシ達は魔物ですけど、人を襲ったりしませんって」
ドラゴン「……ん」
ボンゴレ「あー……ドラゴンさんは時効ってことで」
少女「……」ジトッ
マオ「おかーさん、おかわりー!」
ボンゴレ「はいはい、ちょっと待ってくださいねー」イソイソ
489 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:17:24.89 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「……冷めるぞ、シチュー」
少女「……い、いただきます……」スッ……
ズズッ
少女「!!……え、おいし……」
ボンゴレ「!!」パァァ!
ドラゴン「ボンゴレ、顔に出過ぎ」
マオ「ねー!おかーさんのシチューおいしいよねー!?」
少女(しょ、正直……)
490 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:20:40.77 ID:nFLxYojB0
少女(魔物の作った料理なんて、野菜の切れ端や腐った肉使ってるとか思ってたけど……失礼だった)
少女(ていうかいつもあたしが食べてるものより美味しいし……なにこれ)
少女(野菜が甘い……すごい新鮮で、お肉も……こんなの買ったらいくらするのか……)
少女「……」ゴクゴクゴク
ドラゴン(……すげえ勢いで食うなあ……)
ボンゴレ「鴨肉とパンもどうぞ。熱いですから気をつけてくださいねー」
少女「うう……いただきます……」パクパク
491 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:23:17.79 ID:nFLxYojB0
少女(うう、焼いたお肉をこんなにも豪快に食べるなんて……生まれて初めてだし)パクパク
少女(パンも……パンってこんなにもやわらかくて、あったかいものだったの?)ガツガツ
ボンゴレ「よっぽどお腹空いてたんですねえ」
ドラゴン「……やけどすんなよ?」
少女「……うっうっ……うう……」ジワッ
492 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:25:54.52 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「あーあー、言わんこっちゃない」
ボンゴレ「あぱー、大丈夫ですか?あつあつですからねえ。お水でも――……」
少女「ちがう……違うの……」
ドラゴン「?……」
493 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:27:26.32 ID:nFLxYojB0
少女「こんな美味しいごはん……食べるの、初めてで……おいしくって……!」ポロポロ
ドラゴン「……そうか」
…………
494 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:28:49.21 ID:nFLxYojB0
…………
ドラゴン「ご馳走様でした」
マオ「ごちそーさまでしたー!」
少女「……ごちそうさま、でした」
ボンゴレ「おそまつさまでした。ではでは後片付けはお母さんがやりますからねー」
マオ「ありがとうおかーさん!明日はあたし手伝うよー」
ボンゴレ「はい、お願いしますねマオちゃん」
495 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:30:42.24 ID:nFLxYojB0
マオ「じゃあ少女ちゃん、身体洗いにいこっか?」
少女「え、身体?……別に汚れてないからいいけど」
マオ「ダメだよー毎日身体洗わないといけないっておかーさん怒るものー」
少女「そ、そうなんだ……」
ドラゴン「あー、マオ。今日はお母さんと身体洗いに行ってきなさい」
マオ「あぱ?」
496 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:34:15.20 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「ボンゴレも、食器は後で俺が手伝うから」
ボンゴレ「珍しいですね、ドラゴンさんがそんなこと言うなんて」
ドラゴン「……送ってくから」
ボンゴレ「あ、そういう……了解しました。……細かい説明も任せますよ?」
ドラゴン「ああ。そのつもりだ」
ボンゴレ「じゃあマオちゃん、今日はお母さんと身体洗いっこしましょっか!」
マオ「はーい」
テクテク……
497 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:37:26.05 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「……さて……」
少女「?……」
ドラゴン「色々あって驚いただろうが……改めて。俺は見た通りドラゴンで、あいつはボーンゴーレムって魔物で……マオは、人間の娘だ」
少女「え、あ……はあ」
498 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:40:05.08 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「数年前、赤ん坊のあいつを拾って……俺たちが親となって育ててる」
少女「……」
ドラゴン「別に人間に危害を加えようって訳じゃあないし、あの娘を魔物として育てたい訳でもない。ただ――……」
499 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:43:13.41 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「……ただ、あの娘には立派に育ってほしいだけなんだ」
少女「……」
ドラゴン「だから……今日見た事は、言いふらさないでもらえると……非常に、助かる」
少女「……うん。大丈夫。……だって……あたし、友達だし」
ドラゴン「……ありがとう」
少女「あ、あはは……なんか、魔物ってもっと怖いかと思ってたけど……町の人間なんかより、優しいんだね?」
ドラゴン「……お前……少女、って言ったか」
少女「あ、はい」
500 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:45:52.89 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「俺は百年ほど前の町しか知らんが――……その頃の町人はもっと上等な服を着ていたし、一人でこんな山の中まで来ようとはしないもんだが」
少女「……」
ドラゴン「……少女、町のどこに住んでるんだ?親は?……送っていってやる」
少女「親は、死んで――……今は遠い親戚のおばさん家で……暮らさせて、もらってる」
ドラゴン「……」
501 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:47:00.89 ID:nFLxYojB0
少女「あたしのね、お母さんのお母さんのお母さん……『狂乱の魔女』なの」
ドラゴン「!」
少女「だから、あたし――……『墓暴きの一族』だとか、『人智の理を外れたバケモノ』だとか、散々でさ……おばさんからもまともな暮らし、させてもらってない」
ドラゴン「……子孫に罪はないだろうに。人間ってのは……」
少女「いいの。あたし……あたしはね、偉大なる血を……人とは違う、魔女の血を受け継ぐもの、なんだから」
ドラゴン「……」
502 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:48:29.25 ID:nFLxYojB0
少女「だから、あたし、もう人間として、生きるのやめようって決めて――……この山で暮らそうって決めたの」
ドラゴン「……」
少女「そしたら、あの子にあって……今日、生まれてはじめてよ。あんなおいしいご飯食べたの!」
ドラゴン「……背中に乗れ。ひとっ飛びで町の近くまで送っていってやるから」
少女「ねえ、お願いよ。あたしを――……」
503 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:50:38.39 ID:nFLxYojB0
ドラゴン「おばさんには何も言ってないんだろ?」
少女「……」
ドラゴン「……心配しているだろう。……送っていってやるから」
少女「……また……」
504 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/07/30(木) 22:52:43.84 ID:nFLxYojB0
少女「……また、遊びに来てもいいかな?」
ドラゴン「……ああ。マオも喜ぶよ」
…………
505 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/07/30(木) 22:53:33.96 ID:nFLxYojB0
今回はここまでです
506 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/08/07(金) 21:51:56.54 ID:aF1bxFKj0
面白い 支援
507 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/08/12(水) 00:44:28.34 ID:Pe43s+/w0
しばらく読んでなかったけど追いついた
おもしろいなー
どこまで続くのかな
続きが楽しみ
508 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/08/29(土) 12:14:15.59 ID:reYFwnXbo
月1くらいかな?
509 :
◆eUwxvhsdPM
[sage]:2020/09/08(火) 21:40:15.20 ID:ujaZElZgo
すみませんだいぶ遅くなってます
今週更新します。申し訳ないです
510 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/09(水) 07:09:40.91 ID:DFkn/NC4O
よかったエタってなくて待ってる
511 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/11(金) 20:21:20.50 ID:6e+a0oZuo
楽しみに待ってる!
512 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/09/13(日) 21:04:30.32 ID:Pn+wHKGO0
ごめんなさい明日更新です
ちょっとスランプ入ってるなあ
513 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:31:54.16 ID:SGFcXgVa0
…………
ゴォォオォオオォ……
『どうした、ドラゴン。その程度か』
ドラゴン『……魔女、テメェ……!』
514 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:34:10.02 ID:SGFcXgVa0
『私を止めてみろ、ドラゴン。私は自分の野望のため……貴様を殺す!!』
ズオオオオ
ドラゴン『――!!』
ゴォオオォォ……
…………
515 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:35:29.09 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「!!……」パチリ
チュンチュン……
ドラゴン「……あー……ヘンな夢見た……」
ムクリ
516 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:36:56.51 ID:SGFcXgVa0
ノソノソ……
ドラゴン「……すまん、寝過ごしたか。ボンゴレ」
ボンゴレ「おはようございますドラゴンさん。お疲れのようっすねー?」
ドラゴン「ん、まあ……」
ボンゴレ「保存してある食材はたくさんありますし、今日はゆっくりお休みしたらどうです?」
ドラゴン「あー……悪いな。そうする」
ボンゴレ「いえいえ。いつもご苦労さまです」
517 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:38:45.06 ID:SGFcXgVa0
パンッ
ボンゴレ「うーん、こう天気がいいと気持ちいいですねー。洗濯物がよく乾きそうです」イソイソ
ドラゴン「マオは?」
ボンゴレ「今日は朝からクイーンスライムさん所でお勉強だそうです。早くから行っちゃいましたよ」
ドラゴン「ん、そうか……勉強、か……」
ボンゴレ「……なにやら浮かない顔っすねぇ。せーっかくの晴れの日が曇っちゃいますよ」
ドラゴン「いや……別に暗い気分な訳じゃあないんだよ。ただ……」
518 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:41:16.90 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「……そろそろ色々教えといた方がいいのかなあ、と……」
ボンゴレ「色々、って……」
ドラゴン「なんとなく詳しく説明してなかったしな。人間と魔物について、とか。人間の町について、とか」
ボンゴレ「そうっすねぇ……」
519 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:42:58.33 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「マオは娘だが……人間だからな。色々と……教えといた方がいいだろう」
ボンゴレ「……」
ドラゴン「昨日みたいに、いつ人間がここに来るかわからん。最低限……な」
ボンゴレ「確かにそうっすねえ。今度町に連れて行って、お買い物の仕方とか教えてあげましょうか」
ドラゴン「ああ……簡単な法律やルールなんかもな」
520 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:44:46.40 ID:SGFcXgVa0
ボンゴレ「他には――……」
ドラゴン「まあ、そのくらい……最初は簡単に教えたらいいだろ」
ボンゴレ「そうっすね。……あぱー?なーんか忘れてるような」
ドラゴン「気のせいだろ。最初はそーいうんからでいいんだよ」
ボンゴレ「そうっすかねえ」
…………
521 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:46:24.89 ID:SGFcXgVa0
…………
サワサワサワ……
クイスラ「さて、マオちゃん。今日は理科よ。色々な生き物を見ていきましょう」
マオ「はーい」
クイスラ「マオちゃんはどんな生き物を知っているかしら?」
マオ「んーっと……おとーさんはドラゴン!おかーさんはボーンゴーレムで、友達はオークでー」
クイスラ「ああ、魔物じゃなくって、普通の生き物は?」
マオ「えー?……んーっと、ウサギとかー、ハトとか?」
クイスラ「……狩猟系ばっかじゃないの」
マオ「この前すっごくおおきなウサギとったんだよ!」
クイスラ「ああそうなの。今はその話置いとこうかしら」
522 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:48:40.97 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「今日は昆虫や草花を中心に見ていくわよ。迷いの森まで行くから、気になったものはどんどん言いなさい」
マオ「はーい」
クイスラ「っと……素手で触ったらちょっと危ないかしら。手袋でもあればいいけど……あ、そうだマオちゃん」
マオ「はい先生」
クイスラ「もうそろそろ、魔法結構使えるようになったんじゃない?ドラゴン君の教えがあれば、二元素くらい貴女なら習得出来るでしょう」
マオ「あぱ?」
523 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:51:01.09 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「貴女は風か水が使えそうだけど、どっちか使えるかしら?これから生き物は素手で触らず、魔法で捕まえるようにしたいのよ」
マオ「……えーっと、先生」
クイスラ「何?……あ、もしかして攻撃呪文しか教わってないの?」
マオ「いや、あのー……そうじゃなくってー……」
524 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:54:27.88 ID:SGFcXgVa0
マオ「あぶないから……魔法、教えてもらってない……です」
クイスラ「……」
マオ「……あぱー……」
クイスラ「…………」
525 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:55:53.20 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「…………はァ゛?」ミシリ
マオ(あぱー……先生、怒ってる……)
…………
526 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 21:57:46.71 ID:SGFcXgVa0
…………
パンッ!
ボンゴレ「よーし、洗濯物、終わりーっと」
サンサン……
ボンゴレ「うひー、太陽が眩しいっす。ちょっとお茶入れて休憩しようかなー」
ドラゴン「……俺は二度寝しようかな。あったかくて眠くなってきた」
ボンゴレ「あ、それいいっすね。アタシもご一緒しますよ」
ドラゴン「いやご一緒はしなくていい」
ボンゴレ「なーんて冷たいことを!」
527 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:00:15.22 ID:SGFcXgVa0
ボンゴレ「ほらほらー、そこでしゃがんで。手は前にしてください」
ドラゴン「ええー……」
ボンゴレ「よっこいしょ……わ、ドラゴンさんあったかーい。ポカポカですねえ」ピトッ
ドラゴン「ひっつくなよ……お前は冷たいんだよ。骨が」
ボンゴレ「翼!翼上からかけてくださいよ!翼ふとん!」
ドラゴン「羽毛じゃないからそんな良いもんじゃねえぞ」バサッ
ボンゴレ「いやいや良いもんですよーこれ。ほんのりあったかくて」
ドラゴン「あっそ……」
528 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:03:08.29 ID:SGFcXgVa0
ボンゴレ「ふー……」
ドラゴン「……ふぁア〜……」
ボンゴレ「……こうして干した洗濯物を見ながら、天気の良い日にゴロゴロするのも、なかなかオツな――……」
……ゴロゴロゴロ……
ボンゴレ「……あぱー?」
ドラゴン「えっ」
529 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:04:29.35 ID:SGFcXgVa0
ザアアー!!
ボンゴレ「あ、あぱぱー!!急に雨がっ!いきなり天気が悪く!!」
ドラゴン「……ええ……」
ピカ!
ピシャアアン!!
ボンゴレ「あわ、あわわわわわわ、洗濯物!洗濯物取り込まないとっ!!」
ドラゴン「……いや、待てボンゴレ」
ボンゴレ「なんすかー!?今しゃべってる場合じゃないっすよ!雷もすごいですし!」
ドラゴン「すまん手は動かしていい」
530 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:06:18.78 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「いや、な……この雨、魔力を感じるっつーか……ていうか絶対、魔法で降らしてる雨だな」
ボンゴレ「な、なんでそんなイヤガラセを!?ていうか誰がっ!?」
ドラゴン「俺も一回、魔法で雨降らした事あるけど……ぶっちゃけ四天王クラスの魔力ないと無理だからな、こんな芸当」
ボンゴレ「も!……もしかして、昔に火の四天王が来たみたいに、今度は水の四天王が!?」
ドラゴン「いや……四天王は四天王だが――……」
531 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:08:46.64 ID:SGFcXgVa0
ザバザバザバザバ……
クイスラ「…………」ズゥゥウウン……
マオ「……あぱー……」
ボンゴレ「……あれ?クイーンスライムさんと……マオちゃん?」
ドラゴン(なんで滅茶苦茶キレてんだ、こいつ……)
532 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:10:28.37 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「……悪いわね、ボーンゴーレムちゃん。私、日光に弱いのよ。お肌が乾燥してね」
ボンゴレ「いや、それはいいんすけどー……こっちに来るなんて珍しいっすね、クイーンスライムさん。……えっと、もしかしてその、娘が何か……?」
クイスラ「いいえ。マオちゃんは何も悪いことしてないわ。……今回ちょっと、ドラゴン君に用があって、ね」
ドラゴン「俺かよ」
クイスラ「……もうわかってるでしょ、ドラゴン君」
ドラゴン「……え、何が?」
533 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:12:11.62 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「とりあえず、土下座しなさい」
ドラゴン「何故だ」
クイスラ「私じゃあなく、マオちゃんに」
ドラゴン「なおさら何故だ」
マオ「せんせー、おとーさんいじめたげないでよー……」
クイスラ「貴女はもっと怒ってもいいのよ、この爬虫類に」
ドラゴン「誰が爬虫類じゃい」
534 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:13:52.39 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「私、言ったわよね?この子を預かる時に」
ドラゴン「は?……7年前の事か?」
クイスラ「私は文字の読み書きや計算、礼儀作法等をこの子に教えてあげるって」
ドラゴン「……言ってた」
クイスラ「時期が来たら、ドラゴン君……貴方が魔法を教えなさい、って」
ドラゴン「…………言ってました」
535 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:15:18.51 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「なーんでまだ初歩魔法どころか魔法理念の一つすら教えてないの?こーの過保護バカが!!」ゴオッ!!
ボンゴレ「あーそういう感じっすか……」
ドラゴン「いやだって!まだその、早いんじゃあねえかって思ってさぁ……」
クイスラ「『来たれ天上の恵み。今ここに、全てを裁く災厄となりて――……』」
ドラゴン「待てお前水の上位魔法はやめろ。マジで死ぬ」
536 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:16:54.11 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「っていうかお前には関係ないだろ!魔法教えようが教えまいが!」
クイスラ「何言ってんのよ!この子の魔力わかってんの!?そこらのザコ魔法使いなんてメじゃないレベルの潜在力よ!!」
ボンゴレ「褒められてますねえ、マオちゃん」
マオ「よくわかんない……ちょっと先生こわい……」
537 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:18:07.42 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「潜在力あろうがなかろうが、まだ子供だろ。マオは」
クイスラ「ダイヤの原石腐らせるような事して……!!私だったら2歳の頃から仕込んでるわよ!」
ボンゴレ「それはやりすぎだと思うっす」
クイスラ「この子が魔法覚えたらどんな使い方するのかなーとか、水魔法色々教えてあげたいなーとか考えてたのに、何をしてんのよ、貴方は!!」
ドラゴン「お前の考えは知らんがな」
538 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:20:22.17 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「とにかく!……マオちゃん、今日の授業は特別編よ」
マオ「あぱー?」
クイスラ「ドラゴン君が魔法を教えてくれるから……しっかり習得しなさい」
マオ「!……本当にー!魔法、教えてくれるの?おとーさん!」
ドラゴン「……」ブスッ
クイスラ「なあにドラゴン君、そんなに私の水魔法喰らいたい?しょうがないわねー」
ドラゴン「あーわかったわかった……教える……教えますよ。くそ……」
539 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:21:39.92 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「いいか?マオ。まず言っておくが、魔法ってのは危険なものなんだ」
マオ「……そうなの?べんりで楽しそうだけどー」
ドラゴン「ウサギを獲る時に使う弓矢や皮を剥がすのに使うナイフだって、便利だが怪我することもあるだろ?」
マオ「……ゆび切ったとき、いたかった……」
ドラゴン「魔法は使い方によっては、誰かを傷つけることもあるんだ。それをよーく理解して――……」
クイスラ「はやく本題に入りなさいよ、イライラするわね」
ドラゴン「あっハイ」
540 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:22:51.87 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「ではまず、魔法というのは四元素魔法と二色魔法があって、合わせて六大魔法と呼ばれ――……いやそれより魔法理論のが先か。いいか、この世界にはマナと呼ばれる魔法の元になるのがあって、魔法を唱えるにはこのマナと自分の魔力を混ぜ、精霊の言霊により形にし――……」
マオ「?……??……あぱー?」
クイスラ「……説明下手ね」
ドラゴン「ううう、うっさいわ!」
ボンゴレ「……クイーンスライムさんが教えたらいいんじゃないっすか?」
541 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:25:15.37 ID:SGFcXgVa0
クイスラ「ハァ、仕方ないわね……いい?マオちゃん」
マオ「はい」
クイスラ「目を閉じて――……水をイメージするの。川の水や湖や――……」
ドラゴン「お前それ水魔法の唱え方じゃん」
クイスラ「仕方ないでしょ、私それ以外わかんないもの」
542 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:27:09.57 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「お前も教えるの下手じゃねーか!まずどの系統が合ってるかだな――……」
クイスラ「何はともあれ唱えるのが先でしょ!この子ならなんでもいけそうだし――……」
ドラゴン「変な癖つくだろ!ていうか魔法の成り立ちから――……」
クイスラ「それよりも実践的なものから――……」
アーダコーダ……
マオ「……おかーさん、魔法教えてー」
ボンゴレ「あぱー、アタシもよくわかんないんすよねー」
マオ「えー」
543 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:29:15.32 ID:SGFcXgVa0
???「失礼……皆々様方」
ザッ
ドラゴン「……は?」
クイスラ「……何?貴方」
???「いえ……私は通りすがりの『紳士』……なのですがね……」
ボンゴレ「……あぱー?」
544 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:30:48.00 ID:SGFcXgVa0
???「見たところ、その子に魔法を教えようとしている……所ですね?」
ドラゴン「……そうだけど……え?」
クイスラ「!……もしかして、貴方――……」
???「何も言わなくて良いですよ。ふふふ……この私、『紳士』が……ひと肌脱ぎましょうか?宜しければ……ですが」
マオ「……おー……」
545 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:33:25.76 ID:SGFcXgVa0
マオ「鳥さんだ!」
鳥紳士「いえ、私は『紳士』……ですが、お嬢さん。貴女が仰っしゃりたいのであれば、『鳥紳士』……と呼んでいただいても結構ですよ。ふふふ……」
ドラゴン「……鳥?」
ボンゴレ「あぱー……顔が鳥、ですね……」
546 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:35:06.16 ID:SGFcXgVa0
ドラゴン「……けど身体、人間だぜ?……スーツ着た」
ボンゴレ「…………」
ドラゴン「……ハーピー、か?いやけど翼ないし……」
ボンゴレ「ハーピーの亜種、ですかねえ。顔だけ鳥の人間……初めて見ます……」
鳥紳士「『紳士』ですよ。おせっかい焼きの、ね……」
クイスラ「……」
547 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/14(月) 22:37:19.61 ID:SGFcXgVa0
鳥紳士「教えてあげましょう、お嬢さん。魔法のABCを、ね……ふふふ……」
ドラゴン(大丈夫か、これ……)
ボンゴレ(誰なんだろ、この人……)
…………
548 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/09/14(月) 22:37:58.59 ID:SGFcXgVa0
今回はここまでです
ちょっと間空きすぎましたね……投稿頻度上げます。すみません
549 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/15(火) 20:23:07.43 ID:Ya/XZkkF0
鳥紳士何者??
550 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/09/17(木) 02:56:47.05 ID:LDlki80l0
奴隷娘の頃から見てて期間割と空くのに馴れてるんでゆっくりお体に気をつけて書いてください!!
551 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/30(金) 01:09:08.28 ID:A19Z+wJk0
エタだとやだなあ〜
552 :
◆eUwxvhsdPM
[sage]:2020/11/04(水) 23:38:35.87 ID:hg7EoKbPo
申し訳ありません、更新かなり遅れることになります
ここで書くことで筆が乗ってきたんですが、
ずっと放置していた他の話にこの勢いを使いたくなりまして……申し訳ないです。もしかしたら更新1月とかになるかもしれません……すみません
再開した時は更新頻度上げようと思います。本当に
553 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/05(木) 06:25:49.27 ID:dAz95izcO
ほかの話?
554 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/05(木) 13:32:08.92 ID:KC862Kefo
どっちも読んでるやで!
気長に待ってる
555 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/11/12(木) 01:38:30.96 ID:DP3eDsSR0
もう一つのやつってどれ?
556 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/16(月) 15:18:34.69 ID:XkD8lXZYo
>555
隣に住んでる女大生「あの……魚醤作りすぎたんですけど」社会人男「魚醤!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1594822921/
557 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/01/22(金) 15:44:20.00 ID:Km6T+IAIo
明けまして待機
558 :
◆eUwxvhsdPM
[sage]:2021/01/31(日) 19:48:02.94 ID:T31vfieFo
今週更新ってことで許して下さい……
559 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/02/03(水) 16:54:09.85 ID:bxPPaG0bo
まってるー
560 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/02/03(水) 21:39:53.88 ID:OFyypIsIO
>>558
今週ってなんだろうね
561 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:07:55.51 ID:Zx3c6eZf0
…………
鳥紳士「――という事で、世界にあふれるマナのお陰で魔法を唱えられる訳ですね」カキカキ
マオ「なるほどー」カキカキ
ドラゴン「な……なんだコイツ……ふざけた見た目のくせして滅茶苦茶わかりやすい説明……!!」ガタガタ
ボンゴレ「あぱー……魔法についてなにも知らなくても今すぐ唱えられそうですよ!」ブルブル
クイスラ「貴方達が教えるの下手すぎるのよ……よくそんなので親やれてるわね」
562 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:10:37.41 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「では、実際に魔法の練習をしてみましょうか」
マオ「はーい」
鳥紳士「時に、そちらのお父様……ドラゴンさん」
ドラゴン「おっ、おう?俺か」
鳥紳士「貴方は魔法を唱える時、何を考えていますか?」
ドラゴン「……何を?……えーっと、呪文……?」
クイスラ「いや、そうじゃなくって魔力の練り方の話でしょ……」
ドラゴン「あ、ああ。そういうことか」
563 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:12:33.88 ID:Zx3c6eZf0
ドラゴン「ええと……呪文に合ったマナと魔力を混ぜるために、イメージして……練る」
鳥紳士「GOOD。『呪文に合ったマナ』というのが大切ですね」
マオ「?……どーゆーこと?」
鳥紳士「例えば、水の魔法を唱えたいのに、燃え盛る炎をイメージしても、上手くいきそうにないでしょう?」
マオ「……なるほどー」
564 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:14:28.99 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「そしてそのイメージには、自分に合ったものと合わないものがあります」
マオ「……それは、どーやったらわかるのー?」
鳥紳士「難しく考える必要はありませんよ、お嬢さん。ふふふ……まず、目を閉じて下さい」
マオ「……ん……」ギュッ
鳥紳士「胸に手をあてて、深呼吸ー。息を吸うたびに、マナが体内に満ちていき……呼吸を通して、身体が世界に溶けていくイメージで……」
マオ「……すー、はー……」
565 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:15:36.77 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「息を吸って、はいて。鼓動に集中」
マオ「……すー、はー……」
鳥紳士「……貴女は今、マナが満ちた世界にいます……貴女の心に、どんな風景が映っていますか?」
マオ「…………すーっ……」
ヒュウウウ……
566 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:16:25.76 ID:Zx3c6eZf0
マオ「…………草原?」
クイスラ「……草原……」
ドラゴン「……草原かあ……」
鳥紳士「ほう、草原……」
マオ「えっとね、風がね……草を、ゆらゆらーって……そんなのがね、思い浮かんだんだけど……」パチッ
クイスラ「…………」
マオ「……先生、どーしたの?顔くらいよ?」
クイスラ「……水魔法だったら良かったのに」ボソッ
ドラゴン「お前水以外唱えられないもんな」
567 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:18:08.60 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「ふふふ、貴女に合っているのは風魔法のようですね」
マオ「そうなの?……ぱっと思い浮かんだだけだよ?」
ドラゴン「そういう『思いつき』が大切なんだよ。……俺は最初、火山の山しか想像出来なくて、水魔法の感覚掴むのに苦労したし」
ボンゴレ「アタシも墓場の土しかイメージ出来ませんしねえ」
ドラゴン「それは土魔法とちょっと違う」
568 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:19:39.17 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「では、そのイメージの中に自分が立ち、心地よいと感じているイメージを作りましょう」
マオ「んー……こんなので魔法となえられるのー?」
鳥紳士「ええ。大自然の精霊と心を合わせるのが大切なのですよ」
クイスラ「貴女の場合は風魔法だから、どんな状況でも『風と仲良し!』って思わないといけないわよ」
マオ「はーい。……んー、なかよし、なかよし……」
……ズズズ……
ドラゴン「……お?」
569 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:20:51.27 ID:Zx3c6eZf0
マオ「……なかよし、なかよし、なかよし……」
ゴゴゴゴゴゴゴ……
ドラゴン「…………最上位魔法でもとなえるつもりか?」
ボンゴレ「あぱー……マオちゃんの周りにオーラが見えますよお」
クイスラ「わかってはいたけど……魔力ホント凄いわね、この子」
鳥紳士「はい、良いでしょう。止めてくださいお嬢さん。……私は紳士なのでびっくりしたり焦ったりしませんが……凄いですね」
マオ「?……すごいの?あたし」
ドラゴン「凄いすごい。並みの魔法使いなんかメじゃねえな」
ボンゴレ「さすが!お母さんとお父さんの子ですね、よーしよし!」ナデナデ
マオ「えへへー」
570 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:23:37.21 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「あとは魔力を練る量や加減を覚えていきましょうか。魔力は練るだけで精神力を使いますからね」
マオ「うーん、むずかしい……」
ドラゴン「感覚覚えたらすぐなんだけどなあ」
鳥紳士「まあ、それはおいおいお父様とお母様に教えていただければ、と」
ドラゴン「え?」
鳥紳士「少しばかり退屈な鍛錬ですからね。お時間をかけてのんびりやっていくのが良いかと」
ボンゴレ「そーいう事ならまーっかせてくださいな!」
ドラゴン「いやお前は教えるの無理だろ」
571 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:24:49.96 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「代わりに、簡単な呪文をお教えしましょう。私実は、風呪文を少々嗜んでいましてね。ふふふ……」
クイスラ(少々……)
マオ「ホントにー!?やっと魔法つかえるんだ、あたしもー!」
鳥紳士「少し呪文が難しいかもしれませんが……試してみましょうか。まず、精霊との誓いですが――……」
ワイワイ……
…………
572 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:26:34.55 ID:Zx3c6eZf0
…………
鳥紳士「……では、あの棒に向かって……教えた通りに」
マオ「はーい。鳥紳士さん」スッ
ドラゴン「……」ゴクリ
ボンゴレ「ど、ドキドキしますね……!」ドキドキ
クイスラ「な、なによ貴方達……ソワソワしちゃって。ただ呪文唱えるだけじゃないの」ソワソワ
マオ「いきまーす。えーっと……」スウーッ
573 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:27:26.57 ID:Zx3c6eZf0
マオ「『風精シルフィードよ!我の元に集いて奇跡を呼び起こしたまえ!』」
ブワッ
マオ「えっと……『溢れ出るは感情の流出・止めどなくは精神の慟哭』……『思いを硬め・鍛え・研ぎ・汝の敵を』――……」
シュルルルル……
574 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:29:46.27 ID:Zx3c6eZf0
マオ「――……『斬り伏せろ。スライス』!」
ビュッ!
ズバアッ!!
鳥紳士「……Very Good」
ドラゴン「おおー、初歩とはいえ攻撃呪文を一発で成功させたか」
ボンゴレ「わああああああ!み、見ましたかドラゴンさんドラゴンさん!マオちゃんが!マオちゃんが!!」ユサユサ
ドラゴン「あーあー見たよ見たよ」
クイスラ「うっ、うっ……成長ね……さすが私の教え子だわ……」サメザメ
ドラゴン「なんで泣いてんのお前……」
575 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:30:58.76 ID:Zx3c6eZf0
ボンゴレ「マオちゃーん!」ギューッ
マオ「わぷ。えへへ、出来たよおかーさん。すごいー?」
ボンゴレ「すごいすごい超すごいですよ!いやもう激スゴイっす!マジパねーっす!」
ドラゴン「なんじゃそら」
鳥紳士「ふふふ……おや、もう夕刻ですか。そろそろお暇しませんと……」
マオ「えー、鳥紳士さん、帰っちゃうのー?」
ボンゴレ「マオちゃんに魔法教えてくださったお礼に、ぜひともウチで晩ごはんでも、どうです?」
鳥紳士「いえ、私は紳士ですので。……これにて失礼しますよ。お嬢さんにお父様、お母様。そして……クイーンスライム様」ペコリ
クイスラ「……」
576 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:32:09.55 ID:Zx3c6eZf0
スタスタ……
クイスラ「……貴方、何が目的だったの?」ボソッ
鳥紳士「……はて、目的……とは?」
クイスラ「とぼけないで。大方……ドラゴン君か私の暗殺でも企てていたんじゃないの?」
鳥紳士「……いえ。私は紳士ですので、そのようなことは」
クイスラ「……」
577 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:34:21.33 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「ひと目、お会いしたかった。……それだけですよ。ふふふ……」
クイスラ「……フン」
…………
578 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:35:56.52 ID:Zx3c6eZf0
…………
――暗黒大陸・魔王城――
……『四天王の間』――……
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
狐娘「……はぁ〜〜……何やっとるんじゃ、他の奴らは……」バリバリ
579 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:37:14.20 ID:Zx3c6eZf0
土の『不滅』
『九尾の狐』
狐娘「他の奴らは四天王としての自覚がなさすぎるんじゃ。まったく。年寄りを待たせよってからに……せんべい無くなってしまうわい」バリバリ
580 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:38:25.93 ID:Zx3c6eZf0
人魚「フゥ……大方ドラゴニュートなどはまた何処かで遊んでいるのでしょう」
水の『流転』
『マーメイドクイーン』
581 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:40:02.02 ID:Zx3c6eZf0
人魚「だいたい私はあいつのことガボッ、ガバガボガボガボ、ガーボガボ、ガボボッ!」ブクブク
狐娘「……話すなら水から上がって話したらどうじゃ?」
人魚「嫌ガボ!エラが乾いたらほんとにしんどいガボボッ!」
狐娘「あーもう喋らんでくりゃれ。せんべいが湿気るじゃろうが……」
582 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:42:09.20 ID:Zx3c6eZf0
ドラゴ娘「……私は遊んでなどいないぞ、マーメイドクイーンよ」
火の『明星』
『ドラゴニュート』
狐娘「おー、よーやっと来よったわい」
人魚「何処に行ってたのよ、ガボボ」
ドラゴ娘「たいそう腕の立つ人間が集まるという闘技場があったのでな。人間の強さを確かめるため参戦したが……拍子抜けだ。つまらん」
人魚「……やっぱり遊んでるんじゃない。ブクブク」
ドラゴ娘「魔物の恐ろしさを人間に教えてやったまでだ。……それで……」
583 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:43:01.97 ID:Zx3c6eZf0
ドラゴ娘「『風』はどこだ?姿が見えんが――……」
「おや、きちんと時間は守ったつもりですがね……ふふふ」
ドラゴ娘「む……」
584 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:44:36.00 ID:Zx3c6eZf0
鳥紳士「失礼。素敵なお嬢さんと時を忘れるほど遊んでおりまして」
風の『逆凪』
『ハーピー・ロード』
585 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:47:04.66 ID:Zx3c6eZf0
狐娘「ようやっと揃い寄ったのお。風の四天王、お主新顔のくせに時間に『るうず』すぎるぞ?」
鳥紳士「きちんと守ったつもりでしたが……私の懐中時計が少し居眠りをしていたみたいですね。これは申し訳ない」
人魚「エセ紳士め……貴方なんてガーボガボ!ガボ、ゴボゴボ!ガボボボボ!」
ドラゴ娘「水を飛ばすな、私は湿気が苦手なんだ」
狐娘「まあええじゃろう。さっそく会議を始めるとするかのう……」
586 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2021/02/06(土) 19:51:11.45 ID:Zx3c6eZf0
狐娘「世界を支配し、魔物の王国を作るのじゃ。うしし……!」
…………
587 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2021/02/06(土) 19:52:19.80 ID:Zx3c6eZf0
今回はここまでです
遅くなって申し訳ないです
588 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/02/08(月) 01:52:03.66 ID:ovF+vQEOO
ようやく来たか
おつおつ!
589 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/02/08(月) 18:21:20.83 ID:ArY867eto
鳥紳士……
なにやら不穏ですな
おつ! おかえりー!!
590 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2021/12/26(日) 10:28:03.68 ID:c7wIuJrEo
保守
591 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2022/01/25(火) 02:13:52.92 ID:lu6TDRAao
ほ
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