ボーンゴーレム娘「人間の子供拾ったっす」ドラゴン「お前ざっけんなよマジで」

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106 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/13(水) 23:23:39.45 ID:3C0dRAZ70
『『『……貴方が、山の主ですね。……話には聞いております』』』

ドラゴン「え?あ、ハイ。……どうも?」

『『『……幾千万の呪文を唱え、大空を舞う覇者、と……そう伝え聞いておりますが』』』

ドラゴン「……いや、ちょっと尾ヒレつきすぎじゃね?確かに六大魔法は唱えられるけども」

ボンゴレ「普通は一つの系統の魔法しか唱えられないすからね?頑張って二つか三つが限界っす」
107 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/13(水) 23:26:51.78 ID:3C0dRAZ70
『『『……確認しますが、貴方は……六大魔法全てが扱えるのですね?』』』

ドラゴン「え?ああ、うん」

『『『……火、水、土、風の四元素魔法、全てが扱えるのですね?』』』

ドラゴン「いやそうだけど……それが何だよ」

『『『……わかりました。……エルフよ』』』

エルフ「は、はいっ!」ピシッ
108 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/13(水) 23:29:48.61 ID:3C0dRAZ70
『『『……彼らを、私の所まで連れて来なさい』』』

エルフ「なっ!?」

ボンゴレ「えっ?」

赤子「ふえ?」

ドラゴン「……へ?」
109 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/13(水) 23:33:19.70 ID:3C0dRAZ70
エルフ「な、何故ですか!?主様っ!」

『『『……理由は、貴女ももうわかっているはずですよ……』』』

エルフ「……くっ!」

『『『……お願いしますよ。……それでは、また……』』』

ザワザワザワ……

エルフ「……あ、主様……!!」

ボンゴレ「……ねえねえドラゴンさん……どういう事でしょ?」

赤子「あうー?」

ドラゴン「わからん。が……あれだろ」

ボンゴレ「どれすか?」

ドラゴン「なんかこう……めっちゃ怒られるか殺されるかのどちらかだろ」

ボンゴレ「何ですかその二択ー」
110 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/13(水) 23:36:43.84 ID:3C0dRAZ70
ドラゴン「いやまあ悪い事にはならないんじゃないか?もしかしたら友好的な展開かもしれん……たぶん」

ボンゴレ「メチャクチャ不安ですよぉ……」オヨヨー

エルフ「くっ……貴様ら、ついて来い!主様の元まで連れて行く!」キッ!

ドラゴン「主様って……この喋ってたように見えた木々は?」

エルフ「あれは主様の力だ。……主様は、植物と心を通わせ、ある程度使役する事が出来る」

ボンゴレ「ほえー……凄いっすねえ、アルジサマは」

ドラゴン「お前は魔物とすら心通わせる事出来ないのになぁ……」

ボンゴレ「むかー!なんですかそれー!!」

エルフ「早くついて来い!」

…………
111 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/05/13(水) 23:37:44.31 ID:3C0dRAZ70
今回はここまでです
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/16(土) 00:00:39.50 ID:dnovfBOcO

ボーンゴーレム娘ってのがよくわからんな
骨なの?
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/16(土) 21:42:32.21 ID:USCzmDCh0
フレッシュゴーレム的なものなのか、それともアンデッドモンスターなのかどっちなんだろう
114 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 19:00:01.43 ID:xyQGYpmK0
…………

……ザッザッザッ……

ドラゴン「おいちょっと待てお前ら。歩くの早い」ゼーゼー

ボンゴレ「ドラゴンさんが歩くの遅いんすよー」

ドラゴン「狭いんだよこの道!道っつーか木と木の間じゃねーか。ケモノすら通ってねえ」

エルフ「ふん、これだからズウタイばかりデカいドラゴンは……この程度の道ですら弱音を吐くか」フフーン

ドラゴン「ナメんなよ、この身体には夢と希望が詰まってんだぞ」

ボンゴレ「詰まってんのは魔力でしょ……ほら、早く行きますよー」スタスタ

赤子「ういっ」

ドラゴン「だから待てって……痛っ!枝引っかかった!」

……ガサガサ……
115 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 19:05:01.87 ID:xyQGYpmK0
アルラウネA「あれー?エルフさん。お客様ー?」

フワッ……

エルフ「む、アルラウネ達か……」

アルラウネB「わあっ、主様にお客様ー。すごい久しぶりぃー。うぷぷー」

アルラウネC「みんなに知らせないと。ボク達も後でお話しに来るねー」

ウププププ……

サァッ……
116 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 19:08:33.71 ID:xyQGYpmK0
ボンゴレ「……なんですか、今の方たちは」キョトン

エルフ「花の妖精、アルラウネだ。楽天家で性に奔放……噂好きでイタズラ好き、集団でオスをからかうのが好きな魔物だ」

ドラゴン「良い所ねえな……」

エルフ「いつもはアラクネが奴らをまとめているんだがな。まあ後で会えるだろう……気をつけろよドラゴン。おそらく貴様のような奴は、アルラウネ達の好きなタイプだ」

ドラゴン「えっ」

エルフ「おっと、話をしていたらすぐだったな……着いたぞ。ここだ」

ザッ!
117 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 19:13:54.70 ID:xyQGYpmK0
サァァ……

ボンゴレ「ふえー……すごい綺麗な所っすねー」

赤子「おおー……」

ドラゴン「……ん?ここは……」

エルフ「……わかるか、ドラゴンよ」

ドラゴン「……マナの流れが濃い。それにこの澄んだ空気……『聖域』か」

エルフ「……流石だな。主様が認めただけある」ボソッ

ボンゴレ「ほえ?どういう事すか?」

赤子「あい?」

ドラゴン「……お前本当に魔力高いのか?」
118 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 19:22:16.28 ID:xyQGYpmK0
ドラゴン「人に荒らされていなくて、魔力の源……『マナ』が多量にあるだろ。『聖域』……滅多にない、神聖な場所なんだよここは」

ボンゴレ「アタシそーいうの鈍感だからなー」

ドラゴン「……まあいい。それで?主様というのは?」

エルフ「こっちだ」スタスタ……

ガサッ

エルフ「……主様。申し付け通り、連れて参りました」

ドラゴン「……」

ボンゴレ「どきどき……」
119 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 19:27:30.81 ID:xyQGYpmK0
ドライアド娘「……ご苦労様でした。エルフさん……」

サァァ……

ドラゴン(……なるほど、『ドライアド』か。……樹木の妖精で、植物のような緑色の肌や花の咲いた髪等の特徴を持つ……)

ボンゴレ「ふわー……なんだか綺麗なお姉さんですねー」

赤子「あいー……」

ドライアド「…………」

ドラゴン「……おいお前、あんま失礼な行動すんなよ」ヒソヒソ

ボンゴレ「むかかーっ!失礼なのはドラゴンさんっすよー!アタシはただ褒めただけじゃないすかー!」
120 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 19:34:01.32 ID:xyQGYpmK0
ドラゴン「いいか……聖域を守っているという事は、ここを狙う他の魔物や人なんかと戦って、勝利したという事だぞ」ヒソヒソ

ボンゴレ「……ほえ?それって……」

ドラゴン「見かけで判断するな。あいつ……相当強いぞ」ヒソヒソ

ボンゴレ「……りょ、了解っす」

赤子「ういっ」

ドライアド「…………さて、貴方達……」

ドラゴン「お、おう」

ボンゴレ「……」ドキドキ
121 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 19:39:30.81 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「……その、あの、えっと……わざわざこんな奥地まで来て頂いて、その……あああ、ありがとう、ごじゃいましゅ」ペコリ

ドラゴン「…………」

ボンゴレ「…………」

赤子「…………」
122 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 19:44:25.02 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「……え、エルフさぁん……肝心な所で噛んじゃいましたぁ……」ウルウル

エルフ「大丈夫ですよ主様!問題ないです!!……おい何だ貴様らその顔はぁッ!!」

ドラゴン「何だって言いたいのはこっちだ――ッ!!っていうかどういう顔したらいいんだよ、こういう時は!!」
123 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 19:48:18.89 ID:xyQGYpmK0
ドラゴン「えーっと……確認したいんだけど、アンタが主様とかいうヤツなんだな?……さっき木を使って話してきた」

ドライアド「は、はい……ごごご、ごめんなさい」ペコリ

エルフ「主様!貴女が謝る事はありません!!」オロオロ

ドラゴン「全ッ然イメージと違うんですけど……え?違う人じゃないの?」

エルフ「失礼な事を言うな貴様!主様はなあ……ものすっごい人見知りのアガリ症で、人前に立つと上手く話す事が出来ないのだ!!!」

ドライアド「姿を隠してたら大丈夫なんですけど……しゅ、しゅみません……」オドオド

ボンゴレ「あぱー……いやーなんていうか……残念っすねぇ……」

ドラゴン「いやもう本当……さっきまでのドキドキ返して欲しい」
124 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 19:52:22.03 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「ううう……に、苦手なんですよお話するの……植物は喋らないし、わた、私……あまり自分に自信持てないっていうか……」モジモジ

ドラゴン「いやお前、聖域守るくらいには強いんだろ?それって相当、自信持てる事だと思うが……」

ドライアド「ひ、人に会いたくないから幻術魔法張って引きこもってただけですよぉ……私なんて、私なんて……」イジイジ

ドラゴン「何という事でしょう」
125 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 19:59:11.86 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「いつの間にか、エルフの皆さんとかアラクネさんとかアルラウネさんとか、フェアリーさんとかマタンゴさんとかハーピーさんとか、色々な方に慕われるようになりましたけど……」

ボンゴレ「いや、慕われすぎでしょ……すごくないですかそれ」

ドライアド「私なんてそんな大層なモンじゃないですよぉ……誰か立場変わってくれないかなぁ……うう……」ドヨンドヨン

ドラゴン「おいコイツ本当にドライアドか?キノコとか菌類系の魔物じゃねえの?」

エルフ「だから失礼な事を言うな――っ!!」
126 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 20:02:42.13 ID:xyQGYpmK0
ガサガサッ!

モブエルフ「お取り込み中の所、失礼します主様っ!」シュタッ!!

フェアリーA「でんれー、でんれー」パタパタ

フェアリーB「いえーい」パタパタ

ボンゴレ「わっ、他にもエルフいたんですね」ドキッ

エルフ「どうした、何があった?」
127 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 20:06:00.60 ID:xyQGYpmK0
モブエルフ「森に侵入者です!人間の男、年は20歳前後!」

フェアリーA「イケメンだよー」

フェアリーB「けどよわそうだよー」

エルフ「侵入者か……今どこにいる?」

モブエルフ「ハーピーの報告によると、入口のA地点です!現在、幻術魔法にかかり同じ場所をぐるぐると周っております!!」

エルフ「なら問題無いな。ご苦労、下がっていいぞ。……主様!」

ドライアド「え、ええ……わた、私の出番ですね……」

ドラゴン「え?」
128 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 20:09:57.93 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「あー……えへんえへん!おっほん!……あー↓(低音)あー→(普通)あー↑(高音)」

ドラゴン「え?え?……いや、何?」

ザワザワザワ……!!

ドライアド『『『……今すぐ引き返しなさい、愚かな人間よ……今ならまだ、貴方は許されます。しかし……これ以上踏み込めば、貴方には……神の裁きが落ちる事でしょう……!!』』』キリッ

ザワザワザワ……!!

ドラゴン(キャラ違ェ)

ボンゴレ(ああー、いますよねー……舞台に立つとキャラ変わる人)

赤子(あぱー……)
129 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 20:23:55.46 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「ふうー……ええっと、その、ど、どうでしたか?え、エルフさん?」オドオド

エルフ「バッチリです。いつもながら素晴らしい……!!」キラキラ

ドラゴン「あかん、ツッコむのが面倒臭くなってきた」

ボンゴレ「頑張って下さい、ドラゴンさんが頼りです」

ドラゴン「ええーっとだな……その、人見知りのドライアドが、わざわざ俺たちをこんな所まで連れてきたのはどういう事だ?……他人に会いたくなかったんだろ?さっきみたいに脅してさ」

ドライアド「……そうも言ってられないのです……」

赤子「だー?」
130 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 20:28:09.10 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「私が、人見知りなのにも関わらず……」

ボンゴレ「……」

ドライアド「……もう本当に、知らない人と顔合わせたくなくって……本当怖くって、足ガタガタ震えてて……こここ、こうしてお話してる間にも、すごく、なんていうか……枯れそうになってるんですけど……」ガタガタシオシオ

ドラゴン「おい無理すんな、頼むから」

ドライアド「……それにも関わらず!こうして、大切な聖域にまでお呼びしたのは……貴方達、いえ、ドラゴンさんに、『お願い』があるためなのです」

ドラゴン「……え?俺?」

ボンゴレ「っていうか……『お願い』?」
131 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 20:31:39.43 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「見て下さい、この森の木々を……草花を……果実を、幹を、植物達を……」

サァァアア……

ボンゴレ「……綺麗な所ですよねぇ。花の他にも、食べられる野菜や木の実なんかも育ってますし……」

赤子「うー……」コクコク

ドラゴン「……やっぱり、これは……間違いない」

ドライアド「……気付きましたか?そのー……どどど、ドラゴン、さん?」ビクビク

ドラゴン「ああ。……あの、ビクビクすんのやめてもらっていい?」

ドライアド「ぜ、善処します……」オドオド
132 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 20:33:58.55 ID:xyQGYpmK0
ドラゴン「この森に入った時も思ったが……草木に元気が無い。萎れているんだ」

ドライアド「その通り、です……最近の日照り続きで、水が足りないのです……このまま日照りが続けば、この森は死んでしまうでしょう……もちろん、森と命を共にする、私も……」

エルフ「くっ……主様、お労しや……!」ウルウル

ドライアド「聞く所によると、貴方は……えっと、その……六大魔法全てが、使えるんですよね?」

ドラゴン「ああ……まあ、な」
133 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 20:36:51.86 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「お願いです……水の魔法を使って、この森に潤いを下さいませんか?こ……この通り、です」ガバッ

エルフ「あ、主様っ!どうか……頭をお上げくださいっ!!」

ドラゴン「……」

ドライアド「……ひ、人見知りの私が、貴方と直接会ったのも……大切な聖域に、貴方をお呼びしたのも……私なりの、誠意です」

ドラゴン「魔法使えないのかよお前は。聖域に住んでるって事は、ちっとはやるんじゃねえのか」

ドライアド「わ、私は土魔法だけで……あとは白魔法と植物の心がわかるくらいで……エルフさんやフェアリーさん達は風魔法しか使えませんし、他に水を得る手段は……」ウルウル

ドラゴン「……そうか」
134 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:06:36.14 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「こ、こうしている間にも、同胞の苦しむ声が聞こえます。どうか、どうか……!!」

ドラゴン「そうだなァ〜〜……もちろん水はやってもいいが、『タダ』っていうのはイヤだなァ〜〜……なあ?ボーンゴーレム?」ニタリ

ボンゴレ「え?……あ、あーそうですねっ!タダ働きなんて本当、イヤですもんねッ!」アセアセッ

赤子「えっえっえっ……」ニヤリ

ドライアド「!……」

エルフ「き、貴様ら……下手に出ていれば、勝手な事をッ!」
135 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:09:14.68 ID:xyQGYpmK0
ドラゴン「勝手だぁ?ウチのボンゴレのドタマに弓矢ぶっ刺したのは何処のどいつだよ?あ〜〜ん?」

エルフ「うぐっ!」

ボンゴレ「そうっすよー!見て下さいコレ、かなりしっかり刺さってます!」プンプン

ドラゴン「お前は早くそれを抜け」

エルフ「し、しかしそれとこれとは――……」

ドライアド「……わ、わかりました……」

エルフ「あ、主様ッ!?」
136 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:12:13.93 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「わた、私の身体が目当てなんですね……まだ受粉していない、綺麗な身体です。……ど、どうぞ///」オズオズ

ドラゴン「いやそういうのは求めてねえ」
137 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:15:57.33 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「で、では……わ、私の命、とかですか……?食べても青臭くて美味しくないと思いますけど……」オドオド

ドラゴン「お前の中でドラゴンってどんだけ悪者なんだよ」

ボンゴレ「まあ今思いっきり悪者顔してましたからねぇ……」

ドライアド「……あの、それでは、何を?……も、申し訳ありませんが、聖域を渡すのは、その……」

ドラゴン「聖域なんていらねえよ。これだけ大切に育てた草花、俺には勿体ねえ」
138 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:19:09.55 ID:xyQGYpmK0
ドラゴン「俺らの望みは……この子の食べる野菜や果物を分けて欲しいって事だ」

赤子「あい!」

ボンゴレ「っす!」

ドライアド「…………」

エルフ「そ、そんな事でいいのか?もっと、こう……難しい事でも良いんだぞ?」

ドラゴン「こっちからしてみれば死活問題でね……食う物が無くてコイツに毎晩泣かれると、うるさくてかなわん」フンッ

ボンゴレ「もー、まーたドラゴンさんは嫌な言い方してー……」
139 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:22:34.06 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「…………わ、わかりました」キリッ

エルフ「主様……」

ドライアド「その子の命が尽き果てるまで、微力ながら、お世話いたしましょう……」

ボンゴレ「なんかスケールでかい!」

ドラゴン「ドライアドは植物と同じで長命だからな……さて!交渉成立、かな」ニヤッ

エルフ「ああ……頼む。ドラゴンよ……」

ドラゴン「……『水精ウンディーネよ。我の下に集いて奇跡を呼び起こしたまえ』……」ブツブツ

…………
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/18(月) 21:24:36.72 ID:LVh2tpSf0
ドラゴンのツンデレぶりよ…
お前がナンバーワンヒロインだ
141 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:25:30.74 ID:xyQGYpmK0
…………

ザアアアア……

エルフ「おお……!雨だ!数ヶ月ぶりの雨……!!」

ドライアド「す、すごい……森全域に雨を降らすなんて、凄まじい魔力……!!」

ドラゴン「聖域のマナのおかげだよ。ありったけ魔力練ったから、水不足が解消されるくらいには降るだろ」
142 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:29:57.74 ID:xyQGYpmK0
ボンゴレ「おおー!凄いですねー!ほーら、これが雨でしゅよー!」

赤子「うー?」

ドラゴン「おいボンゴレ、そいつ雨に濡らすなよ!風邪ひいたらどうする!」

ボンゴレ「大丈夫っす!ドライアドさんから大きな葉っぱ貰ったんで、傘代わりにしました!」サッ!

赤子「ういー」

ドラゴン「なら良し!」

エルフ(良いコンビなのだな……)
143 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:33:36.50 ID:xyQGYpmK0
ザアアアア……

ドラゴン「また水不足とかあったら呼んでくれ。このくらいならいつでも力になる」

エルフ「済まない、迷惑をかける」ペコリ

ドラゴン「お互い様だ。野菜に果物、これから頼むぜ」

エルフ「ああ。手塩にかけて育てた作物……お前達に食べてもらえるなら、こちらとしても本望だ」ニコッ

ドラゴン(『達』って……俺、基本肉食なんだけどなあ……食べないと駄目なんかなあ……食べるけどさあ……)
144 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:35:41.82 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「あ、あのー……ぼぼぼ、ボーンゴーレム、さん?」

ボンゴレ「はい?なんでしょー?あ、葉っぱの傘ありがとうございます」ペコリ

赤子「だっ」

ドライアド「あ、いえいえ……あの、えっとですね、その……こ、こんなお願いしてもいいのかな?けど……ええと……」モジモジ

ボンゴレ「?……はい」
145 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:37:26.68 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「そ、その子……抱っこさせてもらっても、その……い、いいですか?」シドロモドロ

ボンゴレ「ああなんだ、そんな事ですかー。はい、どうぞ」ズイッ

赤子「あいー」

ドライアド「わっ、わっ、わっ!ええーっと……こ、こんな感じですか?」ヒシッ!

ボンゴレ「もうちょい肩の力抜いていいっすよ。肘を曲げた所に頭が来るようにしてー……そうそう、そんな感じっす」
146 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:45:32.76 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「……ふわあ……」ドキドキ

赤子「うー……」

ボンゴレ「……えへへ。どうっすか?アタシとドラゴンさんの子は」

ドライアド「……その、とても可愛いです。けど……なんだか、弱々しくって、触ると壊れちゃいそうで……こ、怖いです」

ボンゴレ「うんうん、アタシもいつも思います。けど触れてあげないと寂しくって死んじゃうんですって」

ドライアド「……植物とは、全然違う……」
147 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:47:49.63 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「……植物は、どんなにひどい目にあっても、立ち直る事が出来る強さを持っています。大きなカエデの木も、名も無い雑草と呼ばれるものも、皆……とても強い」

ボンゴレ「はい」

ドライアド「けれど、この子は……言葉を話して、自由に動ける、植物よりも凄い『生き物』なはずなのに……ふにゃふにゃで、ひどい目にあったら立ち直れない、弱い存在……」

赤子「あうー……」ウツラウツラ
148 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:51:31.13 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「……それが、とても愛おしい、ですね。……ふふふっ」ニコッ

赤子「すー、すー……」スヤスヤ

ドライアド「……あら?」

ボンゴレ「あぱー、眠っちゃいましたねー。ドライアドさんの腕の中が気持ち良かったんでしょうか?」

ドライアド「え?そ、そんな……わた、私なんて……」オロオロ

ボンゴレ「この子を寝かしつけるの、すーっごく大変なんですからねーっ。羨ましいですよ、このーっ」ツンツン
149 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:53:40.13 ID:xyQGYpmK0
ザアアアア……

ドライアド「……今日は、良い日ですね。……ふふっ」

ザアアアア……

エルフ「……主様、お身体の調子は……?」

ドライアド「……ええ。身体に力がみなぎるようです。ドラゴンさんにボーンゴーレムさん。そして……この子のおかげですね」

赤子「すー……すー……」スヤスヤ
150 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:55:52.66 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「……森に住む全ての種族と、草花を代表して、改めてお礼を言わせて下さい。……ありがとうございました」ペコリ

ボンゴレ「いえいえー!どーいたしましてっ!」ペコリッ

ドラゴン「お前何もやってねえだろ」

ボンゴレ「むむっ!身体を張って矢を受け止めたりしましたよっ!?」

ドラゴン「もう何か色々と違ェ」

ドライアド「……ふふふっ」

ザアアアア……
151 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 21:59:06.68 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「…………ですが……私は、もう駄目です」

エルフ「えっ」

ドラゴン「は?」

ボンゴレ「へっ?」
152 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/18(月) 22:01:24.36 ID:xyQGYpmK0
ドライアド「ひ、久々に沢山、知らない人とお話したから……せ、精神が……心が……」シオシオシオ……

エルフ「あ、主様ぁー!!ドラゴンっ何とかしてくれぇー!!!」

ドラゴン「白魔法でも心の病気は治せねえよ」

ボンゴレ「ちゃんちゃんっ」

赤子「あうー……」zzz……

…………
153 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/05/18(月) 22:03:34.26 ID:xyQGYpmKo
今回はここまでです

少し説明などなど
『ゴーレム』は物を集めてそれを魔法で動かしている魔導物という感じです
骨の寄せ集めが『ボーンゴーレム』、死体の寄せ集めが『フレッシュゴーレム』ですね
この話に出てくるボーンゴーレム娘は、骨の寄せ集めのくせに一部肉があり、自我があるという変わり者です

服で隠していますが、胸から下がほとんど骨の寄せ集めになってます。アバラ全開です
イメージ画像は友達からいただきました。ありがとうございます

http://imgur.com/eemQmp6.jpg
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/18(月) 22:20:29.41 ID:LVh2tpSf0
なるほどやっぱりゴーレムなのか

そして友達の絵めちゃかわいい
ロシア風美少女だったとは
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 02:55:26.81 ID:npkPHVWuO
メーテルやんけ
156 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 21:41:01.35 ID:Ju4yvznM0
…………

ボンゴレ「ふーっ、ふーっ……はい、お口あーんしてー」スッ

赤子「あー?」

パクッ!

赤子「……んぐんぐ……」モキュモキュ

ボンゴレ「はーい、もぐもぐー。ごっくん!……よく食べられまちたねーっ!えらいえらいっ」ヨシヨシ

赤子「だー!だー!」ニコニコ

ドラゴン「……お前、子育てスキル上がったよなぁ……」シミジミ
157 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 21:51:09.97 ID:Ju4yvznM0
ボンゴレ「あ、ドラゴンさんお帰りなさーい。お野菜もらえました?」

ドラゴン「ああ。必要以上にエルフが押し付けてきたよ……後で芋とかは干して、保存食にしておいてくれるか」ドサッ

ボンゴレ「はーい。あ、果物もいっぱいありますねー。ジャムやドライフルーツなんかにしますかー」

ドラゴン「迷いの森の草木は問題なさそうだったよ。最近は雨の日も多いしな……ドライアドとエルフがこの子に会いたがってた」

ボンゴレ「また今度連れて行きましょうっか。しかしお野菜や果物が元気になって良かったですねー」

ドラゴン「ああ……」
158 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 21:56:04.38 ID:Ju4yvznM0
ボンゴレ「この子、お野菜の離乳食が美味しいらしくって、お腹いっぱいになっても食べようとするんですよー。おっぱいもまだまだいっぱい飲むし、すくすく育ってますねぇ」

ドラゴン「太らせすぎるなよ。太った人間は、アレだ、……醜い」

ボンゴレ「……それ、私腹を肥やしてる人間でしょ」

ドラゴン「人間の金持ちってのはどうしてあんなにブクブクしてるかねぇ……」
159 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 22:02:24.31 ID:Ju4yvznM0
ボンゴレ「このくらいの歳の子はちょーっとコロコロしてる方が可愛いんですよ。ねーっ?」

赤子「あーいっ」

ドラゴン「あっそう……」

ボンゴレ「ああそうだ。この子のご飯の事なんですけどね、ドラゴンさん」

ドラゴン「うん?」

ボンゴレ「離乳食に慣れてきたら、お肉やお魚、タマゴなんかも試していこうと思うんですよ」

ドラゴン「つ、ついにミンチか!!」ガタッ

ボンゴレ「生じゃないっすよ!なんでテンション上がってんすか!!」
160 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 22:07:35.13 ID:Ju4yvznM0
ボンゴレ「すりつぶしたのをトロトロに煮込んだのを与えていくんですってば。肉類の調達、お願いしますよー」

ドラゴン「へいへい……つっても俺らが普段食ってるのでいいんだろ」

ボンゴレ「まあそうなりますねー」

ドラゴン「……クマとか大トカゲとかでもいいのか?」

ボンゴレ「……ギリセーフ、ですかね」

ドラゴン「なら良し」ウン

ボンゴレ「たくましく育ちますね、この子」ウン
161 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 22:14:37.77 ID:Ju4yvznM0
ボンゴレ「はーい、じゃあママはお野菜仕舞ってきましゅからねー。ここでパパと一緒に、ぐっすりスヤスヤしててくだしゃいねー?」

赤子「うー?」

ボンゴレ「じゃ、ドラゴンさん様子見ておいて下さいね。あと子守唄歌ってあげて下さい」

ドラゴン「歌えねえよ」

ボンゴレ「じゃあ子守雄叫びとかでもいいです」

ドラゴン「うわあすげえ目が覚めそう」
162 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 22:18:45.38 ID:Ju4yvznM0
ボンゴレ「ふんふんふーんっ♪もらったーおイモは何しよかーっとっ♪」パタパタ

ドラゴン「……」ジーッ

赤子「う?」

ドラゴン「……おい、寒くないか?洞窟は結構冷えるからな。毛布を敷いているから大丈夫だと思うが……寒かったら、こう……言えよ」

赤子「……」キョトン

ドラゴン(…………人間っていつぐらいから話せるようになるんだ?……何考えてるかサッパリわからん)

赤子「……ういー……」ググッ……
163 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 22:23:08.81 ID:Ju4yvznM0
赤子「だっ!」コロンッ!

ドラゴン「うおっ!?」

・ ・ ・

ドラゴン「……え?何?何転がってんのお前」

赤子「……う〜〜……だっ!」コロンッ!

ドラゴン「おーい待て待て!それ以上転がるとベッドの外出る!岩肌に直はヤバイ!」ワタワタ

ボンゴレ「ほえ?どーかしました?ドラゴンさん」

ドラゴン「た、助けてくれ!コイツがいきなり寝返り打って――……」

ボンゴレ「え!?寝返り!!?」
164 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 22:29:00.09 ID:Ju4yvznM0
ボンゴレ「きゃー!きゃー!見せてくださいアタシにもっ!」ズイッ

赤子「う〜〜……だっ!」コロンッ!

ドラゴン「おお、逆回転……コイツ賢い」

ボンゴレ「わー!わー!見ました!?寝返り!寝返り打ちましたよ!!」

ドラゴン「……え、うん……それが?」

ボンゴレ「感動が薄いっ!!」ガーン
165 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 22:32:12.56 ID:Ju4yvznM0
ボンゴレ「成長したって事ですよー!今まで寝返り打った事なかったでしょー!?」

ドラゴン「え、こういうのも成長なのか……?」

ボンゴレ「足腰がしっかりしてきたって事ですよ!いやーめでたいっすねー。この分だと案外すぐに歩けるようになるかもしんないっすよー」ニコニコ

ドラゴン「成長……そうか……何てことはない日々が続いてると思ったけど……コイツ、いや……この子は成長しているんだな……」
166 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 22:40:58.91 ID:Ju4yvznM0
ボンゴレ「しかし、寝返り打てるようになったって事は、この子のベッドも何とかしないとですねー」

ドラゴン「石の上に藁置いて毛布敷いてるだけだもんな……柵みたいなの作らないと駄目か?」

ボンゴレ「そうですね。ちょっと可哀想かもですけど、転がってどっか行かないようにしないと……」

赤子「う〜〜…………」プルプルプル……

ドラゴン「?……何だ?」

ボンゴレ「ほえ?」
167 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 22:44:58.68 ID:Ju4yvznM0
赤子「だっ!だっ!だっ!」

ゴロゴロゴロゴロ!!

ドラゴン「うおおおおおいお前っ!出てるっベッドから出てるッ!!」

ボンゴレ「きゃあああああああ!!!だだだ、大丈夫っすかぁぁっ!?硬い地面で怪我ぁぁぁああ!!!」

ワーキャー!!
168 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 22:49:33.30 ID:Ju4yvznM0
赤子「きゃっきゃっきゃ!あははっ!」ニコニコ

ボンゴレ「も〜〜、寝返り打てるのが楽しいのかもしんないっすけど、無茶しないで下さいよっ!」ギュッ

ドラゴン「うわーすげえ笑ってる……タフだなーこの子」

ボンゴレ「あっ!けどオデコから血ぃ出てます!ど、ドラゴンさん!白魔法で治してあげてくださいっ!」

ドラゴン「何で泣かないんだこの子……」
169 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 22:54:24.80 ID:Ju4yvznM0
ドラゴン「『汚れを知らぬ私のこの手に、貴方の痛みを預けておくれ。傷ついた戦士達の身体に、私の優しさを与えておくれ』……」ブツブツ

シュウウ……

赤子「おおー……」パチクリ

ボンゴレ「良かったー。綺麗に治りましたねー」ホッ

ドラゴン「あーしんど」ハァー

ボンゴレ「それにしても、相変わらず鮮やかっすねー。アタシもそういうの使えたらいいんすけど」

ドラゴン「白魔法と黒魔法の二色魔法は、めっちゃ魔力使うからおすすめはしないぞ……」

ボンゴレ「あ、そうなんすか?」

ドラゴン「自然にあるマナと自分の魔力を練らず、自分自身の魔力だけを使って唱えるからな……っていうか、魔法の基本だろ」
170 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 22:57:04.02 ID:Ju4yvznM0
ボンゴレ「ゴーレムになってから魔法の基本とか色々忘れちゃったんですよねー。あぱー本当大変だー」

ドラゴン「……まあ、覚えてる事があるだけでも異常っちゃ異常だけどさ。……それにしてもこの子、だいぶたくましくなったな」

赤子「あいっ」ニコッ

ボンゴレ「最近はオークのお父さん達の顔見ても泣かなくなりましたしねー。お父さん達喜んでましたよ」

ドラゴン「あーそういえば……ちょっと前までびーびー泣いてたな」

ボンゴレ「ふふふ……それでこそ未来の魔王っすね!!」

ドラゴン「お前まだそんな事言ってんの?」
171 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 22:59:40.13 ID:Ju4yvznM0
ボンゴレ「当然っすよー!全ての魔物の頂点に立つ、最強の者っ!そんな子の育ての親とかテンション上がるじゃないっすかー!!」

ドラゴン「いや、全然」

ボンゴレ「ちぇー、ノリ悪いっすねー。魔王とか強さとか、そういうの興味ないんすか?」

ドラゴン「興味っつーか、ここは魔王の支配下じゃない土地だからな。疎いんだよそういうの」

ボンゴレ「ああ、なるほど……」
172 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 23:10:14.36 ID:Ju4yvznM0
ボンゴレ「支配下じゃないって珍しいっすよね。近頃はどいつもこいつも魔王軍の配下じゃないすか?」

ドラゴン「だな。あんなのの何がいいんだか……」ハァー

赤子「……あい?」ピクッ

ボンゴレ「配下になれば魔王のネームバリューで色々お得っすよー?名が売れて上の地位まで行くと領地とかもらえるらしいですしー」

ドラゴン「その代わりに人間の町侵略したり、勇者と戦ったりしないといけないんだぞ。面倒くせぇ……嫌だわそんなん」
173 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 23:12:09.61 ID:Ju4yvznM0
赤子「あいっ!あいっ!」パタパタ

ボンゴレ「しかし、支配下にない土地でしたら……魔王軍が侵略しに来てもおかしくないっすよねー」アハハー

ドラゴン「ねーよ。無い無い。魔王城がある北の果ての不毛大陸からここまで、どんだけ離れてるんだっつの」ワハハー

ボンゴレ「ですよねー!」ニャハハー

赤子「あぶー……あい、あいっ!」グイグイッ

ドラゴン「……さっきから騒がしいな。どうした?」

ボンゴレ「んー?外見てどーしたんですかー?今日のお天気でも気になります……か……?」

ピタッ
174 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 23:16:10.20 ID:Ju4yvznM0
飛竜「「「グオオオオオオオオオオオオオ」」」

オオオオオオオオオオオオ!!!

ビリビリッ!

ボンゴレ「!!?……なんっ……!?」キーン!

ドラゴン「!!……わ、『飛竜』(ワイバーン)!?」

赤子「ふえ……うええええーんっ!!!」ビエー!

ドラゴン「!!……ボンゴレ、その子連れて洞窟の奥行ってろ」

ボンゴレ「え!?でも……」
175 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/23(土) 23:18:56.07 ID:Ju4yvznM0
ドラゴン「怖いもん知らずのそいつが泣いてんだぞ。……マズいかもしれん。っていうか、実際マズい」

ボンゴレ「ま、マズいって……!!」チラッ

ゴオオオオオ……

ボンゴレ「……あの飛竜(ワイバーン)、何ですか?旗みたいなの、掲げてますけど……」

ドラゴン「……あの旗に書かれてるのは……魔王軍の紋章だ」

ボンゴレ「ほわっ!?」
176 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/05/23(土) 23:20:41.02 ID:Ju4yvznM0
今回はここまでです

自分がイメージイラスト描いた時は別にメーテル似てなかったんですが、
「服装はメーテルみたいな感じ」と注釈入れたらめっちゃ寄りました
絵上手い人ってすごい
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/24(日) 14:23:08.88 ID:h5fVg6WS0
赤ちゃん名前つけないのかな
178 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 20:43:38.16 ID:nSxxkBfU0
飛竜「グオオオオオオオオオオオオオ!!!」

ゴオオオオオ

ボンゴレ「あの飛竜……もしかして、上に誰か乗ってます?」

ドラゴン「奥行ってろっての」
179 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 20:45:50.52 ID:nSxxkBfU0
タンッ

ヒュウウウ……

ボンゴレ「?(何かが飛竜から落ちて――……いや!『降りて』きている!?)」
180 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 20:48:08.18 ID:nSxxkBfU0
スタンッ!

ドラゴニュート娘「…………」

ザッ!

ボンゴレ「!!(な、なんちゅー足腰……あんな高い所飛んでる飛竜から飛び降りて、無傷っすか!?)」

赤子「うえええ……」ヒックヒック
181 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 20:50:45.93 ID:nSxxkBfU0
ドラゴン「……竜人族か。一体何の用だ?」

ドラゴ娘「…………貴様がこの辺りを治めている、ドラゴンか?」キリッ

ドラゴン「ああ……お前は魔王軍のやつか?」

ドラゴ娘「そうだ。ドラゴン……貴様の事は音に聞いているぞ 。幾千万の呪文を唱え、大空を舞う絶対強者、と……」

ドラゴン「やめてなんかそれ恥ずかしいんだけど」
182 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 20:53:10.80 ID:nSxxkBfU0
ドラゴ娘「私は魔王軍四天王の一角、火の『明星』ドラゴニュートだ」

バン

ボンゴレ(し、してんのー!?)アパアパ

ドラゴン「あー……四天王変わったんだ。前はオーガじゃなかった?」

ドラゴ娘「フン、奴は所詮力だけの雑魚……殺すのは容易かったわ」

ドラゴン「あ、そう……」
183 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 20:58:55.01 ID:nSxxkBfU0
ドラゴ娘「先代の火の四天王を殺した時、私は思ったのだ……魔王軍は腐敗し、弱さという毒に侵されていると」

ドラゴン「……そりゃ熱心な事で……」

ドラゴ娘「私は考えた。……どうすれば魔王軍を、元のような強き集に変えられるか、とな。……そこで、思い当たったのが貴様だ」

ドラゴン「……いや、いきなりすぎますし……意味がわからん」
184 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 21:04:56.19 ID:nSxxkBfU0
ドラゴ娘「とぼけるのもいい加減にしたらどうだ?……元・魔王軍四天王。火の『覇者』ドラゴン」

ドン

ドラゴン「…………」
185 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 21:12:50.45 ID:nSxxkBfU0
ボンゴレ「うえええええええええ!!?」

赤子「あぱー?」

バーン!

ドラゴ娘「……何だ、貴様は」ギロリ

ドラゴン「洞窟の奥行ってろってお前」

ボンゴレ「い、いやいやいや……え、ドラゴンさんが元四天王?……はい?」

ドラゴン「100年以上昔の話だぞお前……あん時は若くてちょっと調子乗ってたし。結構黒歴史なんだよ」

ドラゴ娘「黒歴史?……歴代最強の四天王と呼ばれるのがか?」

ドラゴン「ああそうだよ。恥ずかしいわ」
186 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 21:16:42.11 ID:nSxxkBfU0
ドラゴ娘「……フン、腑抜けたな。ドラゴンよ」

ドラゴン「……」

ドラゴ娘「貴様を我が魔王軍の配下へ加え、100年前の地獄を世に見せつけようと考えていたのだがな……」

ドラゴン「そりゃご愁傷様。お断りだ」

ドラゴ娘「……見た所、あいつらが……今の貴様の拠り所か?」スッ

ボンゴレ「へ?」

赤子「あい?」
187 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 21:20:41.91 ID:nSxxkBfU0
ドラゴン「拠り所っつーか……なんか、成り行きで?」

ドラゴ娘「……歴代最強と言われた貴様が、人間の赤子なんぞを育てているとは」

ドラゴン「成り行きだよ、成り行き」

ドラゴ娘「残念だ……弱くなった。貴様、魔物としての誇りを何処へ失った?」

ドラゴン「おい待て、弱くなった?誇り?……お前なあ……」
188 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 21:24:08.38 ID:nSxxkBfU0
ドラゴン「夜中に泣き止まないから背中に乗せて山ん中散歩したり……」

ドラゴン「風邪引いたから全速力でドライアドの所まで薬草貰いにいったり……」

ドラゴン「教育のため、この俺ともあろうモンがメシのたびにわざわざ風魔法使って、ナイフとフォーク浮かせてきちんとしたテーブルマナーで食事したり……」

ドラゴン「不慣れながらもくっせぇオムツ替えたり……」

ゴゴゴゴゴゴ……
189 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 21:29:32.91 ID:nSxxkBfU0
ドラゴン「本当に弱くなってたら――……んな事誰が出来るかぁぁぁああ!!!」カッ!!

ドッゴォ――!!!

ドラゴ娘「なっ、炎!?くっ!!」バッ!

ズッドォ――ッ

ドラゴン「魔物のプライドや誇りなんざで赤ん坊が泣き止むかぁぁあああ!!」ボウー!!

ボンゴレ「ちょーちょちょちょ!!ドラゴンさん火ぃ吐くのやめて下さいっ!山に燃え移りますってばぁっ!」
190 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 21:35:00.58 ID:nSxxkBfU0
シュウウ……

ドラゴ娘「……ハァ、ハァ!こ、この威力……!!」

ドラゴ娘(火の高位魔法と同程度のものを、詠唱・溜め無しで、だと……!?)

ドラゴ娘「……名剣・『竜殺し(ドラゴンキラー)』で受けなければ死んでいたな……!」

ザッ!

ドラゴ娘「……面白い。衰えてはいないという事か……!!」
191 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 21:43:49.13 ID:nSxxkBfU0
ドラゴン「よーしボンゴレ、ちょっと待ってろよ」

ボンゴレ「はい?」

赤子「う?」

ドラゴン「今日の晩飯はドラゴニュートの丸焼きだ」

ボンゴレ「いやいやいやいや……魔物食べるのはアタシ嫌なんですけど」

ドラゴ娘「……殺る気という訳か。覇者・ドラゴン」ギロリ

ドラゴン「お前が帰らねえなら、そういう事になるな。……っていうか俺はドラゴニュートが気に入らねぇんだ。二本足で歩けりゃエラいのかよ」
192 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/25(月) 21:46:57.14 ID:nSxxkBfU0
ドラゴ娘「良かろう。ただし、私が勝利したなら……私の配下についてもらうぞっ!!」

ダッ!

ドラゴン「寝言は寝て言え」ヒュッ

ガキィン!!
193 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/05/25(月) 21:48:14.36 ID:nSxxkBfU0
今回はここまでです

赤ちゃんの名前はとりあえずつけるつもりはなく、
作中では名前で呼ばれてるみたいな感じで
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/26(火) 13:15:41.47 ID:GAasSR6Z0
ボンゴレが子育てにくわしい 経験者なのだろうか

そろそろ数年後……みたいに時間を飛ばすのかと思ったらそんなことはなかった
どのくらい続けるのかな
195 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/27(水) 21:06:15.10 ID:UsXsKinB0
ギギギ……!

ドラゴ娘「!?私の剣を尻尾で受け取めるとは……!!」ガギギッ

ドラゴン「痛たたた!『竜殺し(ドラゴンキラー)』じゃねーかこれ!!」ブン!!

ザザッ!

ドラゴ娘「くッ!?(切り落とすつもりだったが……弾かれた!?)」

ドラゴン「なんで竜人がドラゴン特効の武器持ってんだよ……ウロコちょっと切れたぞこの野郎」
196 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/27(水) 21:10:59.35 ID:UsXsKinB0
ドラゴ娘「一太刀目から予想外だな。……何故効かない?」

ドラゴン「いや効いてる効いてる。見て尻尾から血ィ出てるから」

ドラゴ娘「……この剣は、勇者が祭壇で手に入れた伝説の剣を、ドワーフによって打ち直させ、教会の祝福を重ねた剣だぞ……!」

ドラゴン「マジでなんでそんなヤベー武器持ってんだよ……普通にキくからやめろや」

ドラゴ娘「……効いてる割には余裕だな」

ドラゴン「まあ……真面目に俺を殺したけりゃあ、光の勇者を連れてくるべきだろうよ」
197 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/27(水) 21:15:03.31 ID:UsXsKinB0
ドラゴ娘「フン!ならばこれならどうだッ!?『火精サラマンダーよ!我の下に集いて奇跡を呼び起こしたまえ!』」ゴウッ!

ドラゴン(火魔法?別にそのくらい……)
198 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/27(水) 21:17:49.29 ID:UsXsKinB0
ドラゴ娘「『明けの明星・血に濡れた同胞・復讐に燃ゆる魂・刹那』――……」ペラペラペラ

ドラゴン(あ、やべ、あれ高位魔法だ……受けたら痛いし、弾き飛ばしたとして山に燃え移るの怖いな……っつかあいつ詠唱早いなー。あーどうしよ……)

ドラゴ娘「終わりだ!『――燃やし尽くせ!フレイム・ブラスト』!!」

ドゴウッ!
199 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/27(水) 21:21:28.84 ID:UsXsKinB0
ドラゴン「『水精ウンディーネよ――』……『奇跡を――』……」

ペラペラペラペラペラペラ!!

ドラゴン「……『――守れ。ウォーター・ウォール』」

ザバアッ!!

ドラゴ娘「何ッ!?」

ジュオウッ!!
200 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/27(水) 21:24:30.54 ID:UsXsKinB0
シュウウ……

ドラゴ娘「……く!」

ザッ!

ドラゴン(危ね、間に合わない所だった)タラリ

ドラゴ娘(……何故間に合うッ!?)ギリリッ
201 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/27(水) 21:28:07.54 ID:UsXsKinB0
ボンゴレ「……ビックリするくらいアタシ空気なんですけど……なんか、実況とかした方がいいですかね?」

ドラゴン「隠れてろお前。危ないぞーこいつ結構強いわ」

ドラゴ娘「『結構強い』程度で済ますな!私は現・四天王だぞ!?」

ドラゴン「じゃあ……相当強い」ウン

ドラゴ娘「言い方の問題じゃあない!」
202 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/27(水) 21:31:31.49 ID:UsXsKinB0
ドラゴ娘(こいつ……ふざけた態度を取っているが、実力は本物だ……私以上に早い呪文詠唱なんぞ、初めて見た……!!)ギリッ

ドラゴン「?……どうした?終わりかー?」

ドラゴ娘「っざけるな!まだ……」

ドラゴン「次、俺攻撃していいかー?」

ドラゴ娘「……な――……!?」

ドラゴン「すうー……」コオオオ……
203 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/27(水) 21:34:54.24 ID:UsXsKinB0
ドラゴン「おりゃ」ゴオッ!

ドラゴ娘「うわあっ!糞っ!」ガガガッ!

ドラゴン「てーい」ボオッ!

ドラゴ娘「このッ……!!」ガガガッ!
204 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/27(水) 21:39:14.06 ID:UsXsKinB0
ドラゴン「もういっちょ」グオッ!

ドラゴ娘「チッ!受けきれな――……!!」ガガガッ

ドラゴン「そーらよ」グオー

ドラゴ娘「待、待――……!!」プルプル……
205 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/27(水) 21:42:41.11 ID:UsXsKinB0
ドラゴ娘「待て貴様ぁっ!適当な感じで私の全力の火魔法レベルのを吐き出すな!!」バッ!

ドラゴン「はっはっはー。ドラゴニュートは残念だな。二足歩行で歩ける代わりに火を吐き出す事も出来んとは」

ドラゴ娘「貴様レベルの炎は普通のドラゴンでも吐けないぞ!?」

ドラゴン「元四天王ナメんなよ」

ボンゴレ「ドラゴンさん、それだけチートなのに何でこんな所いるんすか?」
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