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【安価】Revive and Survive
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/04/18(土) 23:11:06.21 ID:ddAWSJp9O
【警告。供給電力が低下しています。主電源の稼働状況を確認してください】
【警告。供給電力が低下しています。30秒後にも改善が見られない場合、予備電源の強制起動を実行します】
【供給電力が50%を下回ったため、予備電源の強制起動を実行します】
【起動後も供給電力の上昇が確認出来なかった場合、アウェイクシーケンスに移行します】
………。
………。
………。
【警告。供給電力が低下しています。予備電源の稼働状況を確認してください】
【警告。供給電力が低下しています。30秒後にも改善が見られない場合、アウェイクシーケンスに移行します】
【供給電力の低下速度上昇。アウェイクシーケンスに移行します】
【表皮温度調整中。表皮温度調整中。表皮温度調整中】
【ファーストフェイズ、クリア。セカンドフェイズに移行します】
【加温血液循環中。加温血液循環中。加温血液循環中】
【セカンドフェイズ、クリア。ファイナルフェイズに移行します】
【電力供給中。電力供給中。電力供給完了。カウンターショック、開始】
【パルス発生確認。脳波、心拍数、共に正常値を観測。アウェイクシーケンスを終了します】
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1587219066
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/04/18(土) 23:12:16.72 ID:ddAWSJp9O
長い永い眠りは終わり、素晴らしき目覚めを迎える。
黒から白に世界は変わり、ひんやりとした空気を全身で味わう。
聞こえる音は、自分の生み出すものだけ。
殺風景な施設にいるのは、自分だけ。
………。
現実逃避は辞めて、今と向き合おう。
俺を棺桶に隠した両親も。
暇な時に馬鹿をやった友達も。
プレゼンや実験で協力した同僚も。
もう、いるはずがない。
自分が目覚めたことが、その証拠だ。
現実と向き合い、今を識る。
そのために、コンピュータを立ち上げ内部資料を漁り尽くす。
「ここに篭りっきりだと、一月で物資不足で死ぬか…」
両親の遺産であるデータを眺め、残酷に突きつけられた現状を独り言ちる。
………。
「………あ」
複数のパスワードで厳重に保管された一つのファイル。
それが目に入り、冬眠前の言伝を思い出す。
その内容は家族の名前と、非常に単純なもの。
だが、単純なものでもそれを伝えたということは、意味があるはずだ。
もしやと思いそれらを打ち込む。
その全てが鍵として受け入れられ、閉じられていた箱が開かれる。
ファイル内に隠されていた最後のパスワード。
絶対に忘れないように、机のレポートにそれを記入して、指定の部屋に向かった。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/04/18(土) 23:12:52.95 ID:ddAWSJp9O
核シェルターの如き堅牢な扉には、指紋認証用のゲルとテンキーが取り付けられている。
一度落ち着き、深呼吸。
ここに何があるのかは分からないが、両親が遺したものなら、助けになる物だろう。
AIの造反と世界各国の軋轢が重なり、世界には死が溢れた。
巨大都市は核で焼き払われ、地方都市は無数のロボットに蹂躙され、命という命は消え失せた。
それでも。
「俺はまだ生きている。人間が、こんなことで滅びるものか」
人類には、どのような困難だって乗り越えられる力がある。
外の世界にだって、きっと人がいるはずなんだ。
右手をゆっくりゲルに沈み込ませ、左手で『815165』と入力する。
無造作な数字の羅列だが、そこには両親の願いが込められている。
8はH、15はO、16はP、5はEを、それぞれ意味している。
そう。
ここには『HOPE(希望)』が眠っているのだ。
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/04/18(土) 23:13:36.22 ID:ddAWSJp9O
「………っ」
鈍重な音を響かせ、口を開ける巨大な扉。
その奥には、ケーブルに繋がれた『ヒトガタ』がいた。
「ゴエティア…!?」
忘れるはずがない。
知らないはずがない。
人類を殺戮した心無き鉄人形を、見間違えるはずがない。
目の前の『それ(ヒトガタ)』は、確かに記憶の中の『それ(ゴエティア)』と一致していた。
「落ち着け、落ち着け…。二人が俺のために遺したんだ。希望なんて言ったんだ。敵じゃない…」
揺らいだ心を静め、胸に手を当てる。
どくどくと脈打つ心臓が、生きていることを実感させる。
意を決して、電源レバーを引き上げる。
独特な稼働音を立て、目の前の『ヒトガタ』は目を開いた。
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/04/18(土) 23:14:23.49 ID:ddAWSJp9O
『セットアップ中です。作業完了まで、しばらくお待ちください』
『セットアップが完了しました。言語プログラムを確認、破損箇所を修復します』
『言語プログラムの修復が完了しました。各部動作を確認、破損箇所を修復します』
ヒトガタはゆっくりと立ち上がり、自分の目の前まで歩いてくる。
『顔認証システム作動。最重要警護対象との一致率『99.72%』。最重要警護対象と断定』
『おはようございます、マイマスター。最終設定を完了してください』
「マイ、マスター…?」
『はい。識別コード…所謂名前を、私に設定してください』
『また、マスターと私のデータベースの齟齬の有無を確認します。マスターの名称も併記をお願いします』
意味が分からない…人類の敵であるゴエティアが、俺を護る?
「………」
何も言わずに、ただ俺の行動を待つヒトガタ。
機械だと頭では理解しているが、手足の極一部の装甲を見なければ忘れてしまうほど、見目麗しいその姿。
…ああ、本当にゴエティアと変わらない。
『現在待機中。早急に最終設定を完了してください』
…ああ、本当に俺の味方なのか。
銃を構えるでもなく、剣を向けるでもなく。
まるで命令を待つ侍従のように、それは佇んでいた。
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/04/18(土) 23:15:19.58 ID:ddAWSJp9O
主人公の名前、パートナーとなるアンドロイドの名称を決定します。
主人公の名前、アンドロイドの名称を両方記載してください。
↓3までを範囲とし、主人公の名前は最大コンマ、アンドロイドの名称は最小コンマを採用します。
荒らしと思しき名前は全て除外いたしますので、ご了承ください。
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/04/18(土) 23:17:47.86 ID:92HOJi320
日馬樹(ひうまいつき)
アイゼン
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/04/18(土) 23:18:41.46 ID:WD5+xDrF0
主人公の名、永春 馥 (ながはる かおる)アンドロイドの名 エスキモー
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/04/18(土) 23:18:52.58 ID:6XMJOo1ZO
主人公:望(のぞむ)
アンドロイド:アルバ
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/04/18(土) 23:28:38.38 ID:ddAWSJp9O
「『エスキモー』…それがお前の名前で、俺は『日馬樹(ひうまいつき)』だ。…これでいいのか?」
『最終設定が完了しました。本ユニットに識別コード【エスキモー】を割り当てます』
ゴエティア擬き改め『エスキモー』はそう言うと、壁に取り付けられたタブレットを取り外し、俺に渡した。
『移動準備を進めましょう。本ラボは間もなく廃棄されます』
「訊きたいことが山ほどある。まずはその疑問を解消してからだ」
『どうぞ何なりとお訊きください』
「外の大気汚染はどうなってんだ!?ゴエティアとアルカナ共もだ!!!」
「あと、俺の他にも生存者はいるのか!!?」
『放射能汚染は、主要被曝エリアである都市部でのみ確認されています。本ラボの防護服で無力化出来ますので、ご安心を』
『ゴエティア及びアルカナは依然として生産されています。阻止するには、プラントの破壊が必須です』
『生存者は不明ですが、樹と同じように冬眠していた人や純粋に生き延び続けている人もいるでしょう』
「最後のだけ不確定なのが苛立つ…っ!」
俺の言葉と同時に、ラボの電源が落ちた。
『予備電源も限界を迎えましたね。急いで準備を終えましょう』
「考える暇もねぇか…!」
次々と突き付けられる現実を一度頭の片隅に置き、最低限の道具を取りに向かった。
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/04/18(土) 23:29:30.02 ID:ddAWSJp9O
荷物を一纏めにし、保険として防護服を着用する。
エスキモーと共に出入口に向かったが、電源が落ちているからか何も反応が無い。
「…抉じ開けていくしかないのか?」
『いえ、私の電力を供給します』
エスキモーは脊部の表皮外装を開放し、半透明なケーブルを引き出した。
そして、それを壁面のコンソール横のプラグに接続、電力を供給した。
「………っ!?」
地面が揺れ、通路のシャッターが勢いよく降りる。
ガタン、という大きな音と共に、振動も少しずつ激しくなる。
一分ほどそれが続くと、不意に振動が収まり、ゲートが開かれた。
「………」
呆然とするしかなかった。
目の前に広がっている光景には、人類のいた証が残っていた。
…無数の瓦礫と残骸として。
「…俺以外にも、生存者はいるのかな」
『私からは何も言えません。ですが、貴方が信じなくてどうするのですか』
『人間である樹が、人間の可能性を信じなさい』
「…おう」
ゴエティアに、機械に励まされるとは…情けない人間だな、俺は。
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/04/18(土) 23:30:07.99 ID:ddAWSJp9O
「周囲にゴエティア、アルカナの反応無し。ガイガーカウンターも数値上は問題ない…と」
「さて、これからどうする?」
『樹が希望するなら、私は流浪の旅をするのも構いませんが。生存者がいる前提で決めるならば、それは適当ではないでしょう』
「…だな。他の奴らも必死に生きてるなら、寄り合い所…ってわけじゃないが、安心して集まれる場所が必要だ」
『でしたら、拠点を作る必要がありますね。対ゴエティア、アルカナ戦をするにしても、物資補給が可能な拠点は必須です』
「…そうか。なら、やることは一つだな」
もう一度、人類が繁栄するために。
地球に蔓延るゴエティアを、アルカナを一掃するために。
「俺たち生存者にとっての、人類にとっての希望の方舟を。俺たちが創り出す」
機械と人類の生存競争に、勝利するために。
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/04/18(土) 23:30:43.52 ID:ddAWSJp9O
本SSは世紀末の世界で安住の地を作り、生き延びていくポスト・アポカリプス的なスレです。
近未来の地球イメージですが、地理とか何も知らないので地球によく似た星と思っていただいて大丈夫です。
クリア目標は『拠点の各ステータスが100を超過すること』です。
主要ステータス
生産:物資を自前で賄えるか。
衛生:水道や医療など、インフラ整備がどれだけ施されているか。
防衛:ゴエティアやアルカナに襲撃された際に、どれだけ耐えうるか。
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/04/18(土) 23:31:36.90 ID:ddAWSJp9O
改ゴエティアクラス【エスキモー】
固定兵装
腕部アサルトライフル×2
腕部大型シールド×2
シールド内蔵式ビームユニット×2
可変式対装甲ブレード×2
脚部ビームユニット×2
鹵獲されたゴエティアクラスのAI兵器を改良し、思考プロセスに徹底的な調整を施した『人類の剣であり盾』となる改ゴエティアクラスのフラッグシップ機。
攻防が非常に高いレベルで纏められており、ゴエティア、アルカナ共通の特徴である再生機構、永久機関も標準装備している。
彼女の外観は『銀色のロングヘアー』と『スラリと伸びた手足』が特徴的で俗に言うモデル体型をしており、表面装甲は設計者の趣味で燕尾服を模している。
先述の通り、改ゴエティアクラスは思考プロセスに調整が施されているため、人類に対して友好的である。
彼女の固有思考プロセス…所謂性格は『滅私奉公』の一言で表せるほどに忠義を尽くす性格をしている。
ゴエティア&アルカナ
両者とも本質的には同じ存在であり『生産していた会社が違う』ことや『ゴエティアは人間、アルカナは非生物』の姿をしていることが、相違点として挙げられる。
どちらも本来は日常生活のサポートを目的として開発されたものであり、ゴエティアは人間の代用、アルカナは機械の修理といった精密作業を担当していた。
開発された時点でシンギュラリティ(技術的特異点)を迎えていたが、思考プロセスに制限を掛けていたため、人類の経済活動に有効活用されていた。
だが、ある時に大馬鹿野郎(オブラートに包んだ表現)がその制限を解除したため、全てのゴエティア、アルカナが『人類こそ世界の病原体』と判断し、全人類の排除を実行する。
時を同じくして世界各国で資源や領土問題に対する不満が爆発。
核戦争と機械の反乱がダブルブッキングし、とんでもないことになった。
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/04/18(土) 23:33:20.63 ID:ddAWSJp9O
「エスキモー、ケーブルを出してくれ」
『はい』
エスキモーの体内に仕込まれている電力供給用ケーブルを取り出し、バイクのバッテリーに繋げる。
エンジンが起動し、モニターに速度、現在時刻が映し出されるが、時刻の方はやはり当てにならなかった。
『時刻修正完了。各部動作異常無し。いつでも行けます』
「サンキュ」
システムチェックと修正を即時完了させるエスキモー。
ゴエティアベースのAIだから、人間よりも数段手際が良く正確だ。
「よし、行くぞ」
『了解。私が索敵を担当しますので、安心して運転なさってください』
アクセルを開け、ホバーユニットを作動させる。
ふわりとバイクは宙に浮き、左手親指のボタンを押すと、バイクは前へと進む。
体感的にも、時間的にも久し振りの運転だが身体は操作方法を忘れていなかったようで、難なく高速道路跡まで進むことが出来た。
「…こういうとこも、修繕しなきゃな」
ヒビが入ってボロボロの道路は、植物が住処として利用している。
その上には、無数の朽ち果てた車両が転がっている。
それらを避けながら移動を続けると、地平線の彼方に廃墟のようなビル群が見えた。
『今見えるのが『ヴァルポシティ』…小規模なプラントを擁する街です』
「そうか。…他に目ぼしい場所は?」
『打ち捨てられた村や町は幾らでも』
………。
とりあえずは、人のいそうな場所に行くしかないか。
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/04/18(土) 23:34:43.99 ID:ddAWSJp9O
目的地を↓1に記載してください。
Ex.ヴァルポシティに向かう。
Ex.最寄りの廃村を調べる。
Ex.とりあえず西に行く。
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