【モバマス】モンスターファームシンデレラガールズ

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38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/15(水) 21:11:55.73 ID:6wWc+hgR0
>>37
わかるわ…あとちょっと疲れてるで休ませてたらいつも2歳までしか生きなかったわ…
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:23:49.02 ID:6Ut6PRf+0
後日 トレーニングルーム

卯月「ナナちゃん、もう一発バシッと!!」

セピア「うんっ!」

セピア「…はぁっ!!」ビシッ…!

セピア「……」

セピア「…ふあぁ、つかれたぁ」

卯月「お疲れさま♪ちょっと休憩しよっ!」

セピア「はーい☆」

卯月「(拓海ちゃんとの練習試合を終えてからというもの…)」

卯月「(私とナナちゃんは、こうして日々トレーニングに励んでいる)」

卯月「(もちろん、一か月半後にある公式戦に向けてだ!)」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:24:35.23 ID:6Ut6PRf+0
卯月「ちからや命中精度は、だいぶ上がってきたかなぁ?」

セピア「かなぁ?」

卯月「んー…」

卯月「(攻撃面のトレーニングを重点的にやっているのはいいんだけど…)」

卯月「(どうもあと一つ…何かが足りない気がするなぁ…)」

卯月「(とはいっても、防御面は回避力を重点的に鍛えてあげればいいと思うし…)」

卯月「(今の私たちに足りないもの…)」

卯月「うーんっ…」

セピア「?」

セピア「…うーん?」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:25:24.84 ID:6Ut6PRf+0
拓海「…ん」

拓海「よぉ、休憩中か?」

卯月「あっ、拓海ちゃんっ」

卯月「お疲れ様ですっ♪」

拓海「うっす」

ラクガキ「うす」

セピア「たくみん、おつかれー☆」

拓海「おつかれ…って、たくみんは流石に許さねーぞ!?」

セピア「たくみんはダメみたい…」

卯月「ダメなんですか、たくみん…」

拓海「喧嘩か?アタシに喧嘩売ってるんだなオイ?」

ラクガキ「どうどう」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:26:13.13 ID:6Ut6PRf+0
拓海「ったく、お前らはよ…」

拓海「んで、どーしたんだ?」

卯月「えっ?」

拓海「なんかムズカシーツラしてっからよ」

拓海「トレーニング、上手くいってねぇのか?」

卯月「あっ、ううん!」

卯月「そういうわけじゃないんです」

卯月「むしろトレーニングは好調なぐらいでっ!」

拓海「おっ!そりゃなによりだな」

拓海「流石はアタシが認めたライバルだぜッ!」

卯月「えへへっ♪」

拓海「じゃあ、なにを悩んでるんだよって話になるわけだけどよ」

卯月「あ、うん…」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:27:11.51 ID:6Ut6PRf+0
卯月「ナナちゃんのトレーニングは本当に上手くいってると思うんです」

卯月「だけど公式戦に向けて…それだけでいいのかなって」

拓海「なんか足りねーもんがある…ってことか?」

卯月「そんな気がするんです…」

セピア「ナナ…たよりない…?」

卯月「あっ、もちろんナナちゃんのことは信じていますよっ!」

セピア「…よかった☆」

拓海「……」

拓海「確かにそうかもしれねぇな…」

拓海「もちろん公式戦で負けるんだなんてこと、微塵も考えちゃいねーけどよ」

拓海「アタシらも、バトルでぶっちぎる為のなにかが足んねぇって思ってたんだよな…」

ラクガキ「…うす」

卯月「拓海ちゃんたちも…」

拓海「アタシたちに、経験とトレーニング以外に足りねぇもの…」

ちひろ「…その答えは簡単ですよっ♪」

卯月「わっ!?」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:28:04.80 ID:6Ut6PRf+0
卯月「ち、ちひろさんっ。いつの間に…」

ちひろ「ふふっ、驚かせてごめんなさいね」

拓海「ちひろさん、アンタならやっぱりわかんのか?」

拓海「アタシらが公式戦に向けて足りねーもんってのがさ」

ちひろ「もちろんですっ」

ちひろ「だってアシスタントですからね♪」

セピア「あしすたんとって、すごーい!」

卯月「お、教えてください!ちひろさんっ!」

卯月「私たちがトレーニング以外に必要なこと!」

拓海「アタシからも、頼むッ」

拓海「名人になるのに、こんなところで躓きたくはねぇんだッ!」

ちひろ「二人とも…」

ちひろ「(…本当に、一生懸命な二人ですね♪)」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:29:15.85 ID:6Ut6PRf+0
ちひろ「もちろんお教えしますよ♪」

卯月「あ、ありがとうございますっ!」

拓海「すまねぇ、恩に着るぜッ!」

ちひろ「ずばり、あなたたちのモンスターに足りないもの…」

ちひろ「それは新技です!」

卯月「!!」

拓海「新技…そーか…!」

卯月「どの距離でも安定して戦えるように…!」

拓海「試合を決める強烈な一撃…!」

卯月「…けど、そんな簡単に覚えられるのかな」

ちひろ「大丈夫です」

ちひろ「公式戦まで一か月半…」

ちひろ「今なら公式戦に間に合いますから、手配ももう済ませておきました」

拓海「手配?」

ちひろ「新技を覚えるためには修行が一番っ♪」

ちひろ「モンスターたちには明日から一か月…トーブル海岸で修行をしてもらいます!!」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:29:55.25 ID:6Ut6PRf+0
翌日 トーブル海岸

拓海「くぅっ、イイ景色だぜッ!」

拓海「湘南に負けねぇぐらいの海だな、トーブル海岸もよぉ!」

セピア「海って、はじめてみるー!」

ラクガキ「生まれたばかりだしな」

卯月「あはは…」

卯月「(みんな緊張感が無いけど…)」

卯月「(…けど、どうせなら楽しんで強くなるほうが良いよね!)」

卯月「ナナちゃん、休憩時間は一緒に砂のお城作ろうねっ♪」

セピア「…!」

セピア「うんっ☆」

拓海「うっし!アタシらは、ビーチバレーでもやるかッ!」

ラクガキ「うすっ」

桃華「くすっ、随分と賑やかですのね」

卯月「えっ?」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:31:02.18 ID:6Ut6PRf+0
桃華「お話は、ちひろさんから伺っておりますわ」

桃華「ようこそ、トーブル海岸へ」

桃華「わたくし、当修行地の管理者を務めさせていただいてる櫻井桃華です」

桃華「一か月という短い期間ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします♪」

卯月「……」

卯月「管理者…さん…?」

卯月「(随分と大きなバッグを持ってるけど…)」

拓海「オマエみたいなちっこいのが…」

拓海「…いや、見た目で判断するのは良くねぇな」

拓海「向井拓海だ。この一か月よろしく頼むッ」

卯月「し、島村卯月ですっ!よろしくお願いします!」

卯月「(そ、そうだよね。見た目で判断したりしちゃダメだよね)」

卯月「(私たちよりも年下に見えるけど、もしかしたら年上なのかもしれないし!)」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:32:07.29 ID:6Ut6PRf+0
セピア「ナナはナナだよ!」

ラクガキ「アイボー」

桃華「これはどうもご丁寧に♪」

桃華「けれど、気遣いは無用ですわよ?」

桃華「わたくし、こう見えてもまだ12歳ですので…」

桃華「どうぞ、お気軽に桃華と呼んでくださいまし」

卯月「(あっ、やっぱり年下なんだ…)」

拓海「とはいえ、ちびっこでも管理者やってるぐらいだ」

拓海「オマエ…桃華は相当な実力者ってことでいいんだろ?」

卯月「…!」

桃華「……」

桃華「子ども扱いは、いささか不服ではありますが…」

桃華「…人を見る目はおありのようですわね♪」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:33:10.18 ID:6Ut6PRf+0
桃華「とはいえ、ここではわたくしもちひろさんと同じアシスタントの身…」

桃華「あくまでも修行のお手伝いをさせていただくだけですわ」

卯月「……」

卯月「(だけど、ちひろさんが私たちを託すぐらいの子なんだよね…)」

卯月「えっと…桃華、ちゃん?」

桃華「はい?なんでしょう?」

卯月「桃華ちゃんは、どうしてトーブル海岸の管理者さんを?」

桃華「あら、そんなこと」

桃華「深い理由はございませんわ」

桃華「ここトーブル海岸は櫻井財閥の所有地」

桃華「わたくしはただ、自宅の庭の感覚で管理者をしているだけですのよ♪」

卯月「さ、櫻井財閥…!?」

拓海「とんでもねぇお嬢様ってことか…」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:34:15.73 ID:6Ut6PRf+0
桃華「とはいえ…」

桃華「確かにわたくしは、いわゆるお嬢様かもしれませんが…」

桃華「そんな身分は、モンスターブリーダーには関係ありません」

桃華「櫻井家の娘とはいえ、実力を認められたからこそ、ここの管理者を任させているのですわ!」

卯月「…!」

卯月「(まだ12歳なのに、この自信…!)」

拓海「ヘッ、そうじゃなきゃ頼りがいがねぇってもんだ!」

拓海「ビシバシ鍛えてくれよなッ!!」

桃華「くすっ、それはどうもですわ」

桃華「…自己紹介が長くなってしまいましたわね」

桃華「そろそろ修行…始めさせていただいてもよろしいでしょうか?」

卯月「はいっ!!」

拓海「おうっ!!」

セピア「はーい☆」

ラクガキ「うす」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:35:26.22 ID:6Ut6PRf+0
桃華「今回の修行をするにあたっての一番の目標…」

桃華「それは初の公式戦に向けて、新しい技を習得することで間違いはありませんわね?」

卯月「はいっ!」

卯月「ナナちゃんはまだ生まれて間もないから、基本的な打撃技しかもっていなくて…」

セピア「ナナもパンチ以外の、たたかいかたもしたいなーって!」

拓海「アタシらも同じだな」

拓海「うちのアイボーも接近戦しかできねぇんだよ」

ラクガキ「うす」

桃華「つまり遠距離攻撃の習得…」

桃華「でしたら、まずやることは…」

桃華「よいしょ…」ゴソッ…

卯月「…?」

卯月「(バッグの中から…)」

セピア「スイカだ!」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:36:15.52 ID:6Ut6PRf+0
拓海「スイカだぁ?」

拓海「なんだよ、まさか今からスイカ割りでもおっぱじめようってのか?」

桃華「理解が早くて助かりますわ♪」

桃華「そのまさかです」

桃華「モンスターには、このスイカを割っていただきます」

卯月「スイカ…割り…?」

拓海「おいおい…スイカを割るなんざ修行どころかトレーニングにもなんねぇだろ…」

桃華「ただし」

桃華「スイカには一切触れないことが条件でしてよ」

卯月「えっ!?」

拓海「どーいうこった?」

桃華「新技の習得というのは…」

桃華「いわばイメージトレーニングですわ」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:37:44.62 ID:6Ut6PRf+0
桃華「全てのモンスターには、そのモンスターにしかない能力がもともと備わっています」

桃華「つまり技を習得できていない今の状態は、その能力が眠ってしまっている状態ですの」

桃華「その能力を引き出してあげるのに一番なのが、イメージトレーニングということですわ!」

拓海「…なるほどな」

拓海「自分ならどうやってスイカを割れるのかってのを、モンスターにイメージさせて…」

卯月「その強いイメージが、そのまま新しい力になる…!」

桃華「その通りですわ♪」

桃華「とはいえ、そう簡単に出来たら苦労はしませんわよ?」

拓海「ハッ!理屈さえわかりゃあ、出来ないことなんてねぇぜ!」

拓海「アイボー、オマエの気合を見せてやれッ!!」

ラクガキ「…うっす」

桃華「まずはモノリスが挑戦するのですね」

桃華「(さて、お手並み拝見ですわね…)」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:38:43.09 ID:6Ut6PRf+0
拓海「アイボー!ぶちまけてやんなッ!!」

ラクガキ「……」

ラクガキ「(遠くのスイカを割るイメージ、か)」

ラクガキ「(ビームか?)」

ラクガキ「(…いや、そんな超必殺技みたいなものはいきなり出せん)」

ラクガキ「(もっとシンプルに…スイカにヒビを入れるぐらいでいいんだ…)」

ラクガキ「……」すぅ…

ラクガキ「…オオォォォォッ!!!!」キーン…!!!

卯月「わっ!?」

セピア「ひゃっ!?」

拓海「!?」

桃華「…!!」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:39:38.99 ID:6Ut6PRf+0
卯月「な、なんて大きなサケビ声…」

卯月「(音圧で吹き飛ばされそうな…!)」

卯月「(けど、流石に声の音圧だけでスイカが割れるだなんてことは…)」

ピシッ、ビキッ…!

卯月「!」

セピア「あっ、スイカにヒビがはいってる!」

桃華「…お見事ですわ!」

桃華「まさか一発で新技を習得してしまうだなんて…」

桃華「(なんという潜在能力の高さ…!)」

桃華「(ちひろさんが目を掛けるのも納得ですわね…)」

ラクガキ「…ふー」

拓海「…アイボーッ!!!」

ラクガキ「…うす!?」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:40:29.67 ID:6Ut6PRf+0
拓海「オマエ、そんなデケェ声出せたのかよッ!」

拓海「無口なヤツだなって思ってだけど、気合十分バリバリじゃねぇか!」

拓海「流石はアタシの相棒だぜ、アイボーッ!!」

ラクガキ「……」

ラクガキ「…うっす!」

セピア「たくみんとラクガキ、すごーい!」

卯月「…うんっ!凄いね…!」

卯月「この勢いでナナちゃんも…!」

桃華「わかりましたわっ!」

桃華「修行のレベルをあげましょう!」

桃華「もっとあなた方にふさわしい修行を用意してさしあげますわっ!」

卯月「…えっ?」

セピア「ナナ、スイカ割らないの?」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/17(金) 03:46:41.78 ID:6Ut6PRf+0
一旦中断
次は修行後編まで書く予定です

>>35
最終章はSランク公式戦突破後、四大大会に向けて…の予定です

>>37
>>38
わかるわ
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/17(金) 18:11:14.21 ID:myPdgKHG0
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/17(金) 22:04:34.39 ID:W3Q7qsJ8O
コロペンドラ×ゲルが強いし便利だしお気に入り
キモクナイヨ?
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:31:39.20 ID:OPUobOQz0
同日 トーブル海岸闘技場

卯月「…ここは、闘技場?」

拓海「修行地にも、こんなデッケェ闘技場があるのかよ…」

桃華「ふふっ、趣味で作ったものですわ」

拓海「趣味にどんだけ金を…って、アタシが言えるセリフじゃねぇな」

卯月「えっと、私とナナちゃんはここでなにをすれば…?」

桃華「あら、決まっているではありませんか?」

桃華「ブリーダーとモンスターが闘技場でやることは、モンスターバトルですわ!」

卯月「えっ、バトル…!?」

拓海「なんだよ?アタシらで練習試合をしろってのか?」

卯月「ナナちゃんは、まだなにもしていないのに…」

セピア「スイカ食べただけだよー!」

ラクガキ「食べたのか、さっきの」

桃華「そう焦らないでくださいまし」

桃華「これは修行の一環であり…」

桃華「そして、あなた方で戦うわけでもありません」

桃華「…わたくしが、お相手をいたします!」

卯月「!!」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:33:24.94 ID:OPUobOQz0
卯月「桃華ちゃんと、バトル…!」

拓海「実戦訓練か!そっちの方が性に合うぜッ!!」

桃華「ですが、現時点では流石にわたくしのモンスターとあなた方のモンスターでは力に差があります」

桃華「バトル形式とはいえど、あくまであなた方の技術を磨く訓練となりますわ」

桃華「なので、わたくしのモンスターはあなた方のモンスターをKOいたしません」

桃華「こちらの判断でギブアップをさせていただきます」

卯月「つまり、私たちもKO勝ちを目的とせずに…」

拓海「バトルで勝つための戦法を叩き込めってことか」

桃華「そうですわね」

桃華「モンスターバトルは、闇雲にKO勝ちを目指すだけでなく…」

桃華「そのモンスターに合った戦法で、如何に優位に立つかが重要だと思っています」

桃華「是非わたくしとのバトルで、それを学んでいただきたいですわ」

卯月「優位に立つ…!」

卯月「(体力の少ないナナちゃんが相手を倒すためにどうやって戦っていけばいいのかを、ここで見極めなきゃっ!)」

桃華「では、あなた方の相手となるわたくしのモンスターを紹介しますわっ」

桃華「おいでませ!バレーヌっ!!」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:34:23.68 ID:OPUobOQz0
拓海「おいでませって…モンスターの姿なんか見えねぇけど…」

ざぱーんっ!!

拓海「うおっ!?」

グジラ「ぎゃおすっ!!」

セピア「う、海からでてきたー!?」

卯月「あのモンスターは…グジラ!?」

卯月「(モンスターの中で、もっとも大きいモンスター…)」

卯月「(実物は初めてみたけど…)」

グジラ「ぎゃお」

拓海「グジラって、あんなにデケーのかよ…」

桃華「グジラのバレーヌですわ」

桃華「サイズは大きめですが、なかなかキュートなお顔しているでしょう♪」

桃華「性格もヨイモンなのですが、何故か育てるブリーダーが少ないのです…」

卯月「(その理由は聞いたことがある…)」

卯月「(見た目通りの大食いだから、とにかく食費がかかってしょうがない!)」

卯月「(一般の家庭じゃ、まず飼えないんだろうな…)」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:35:40.68 ID:OPUobOQz0
卯月「…あれ?」

セピア「どーしたの、うづきちゃん?」

卯月「今からグジラとバトルをするのは理解したんだけど…」

卯月「ナナちゃんは、まだ新技習得してないなーって…」

セピア「……」

セピア「ホントだ!」

セピア「ナナ、まずは新しい技がほしいっ!」

桃華「ええ、是非とも習得してくださいな」

桃華「…バレーヌとの戦いの中で♪」

グジラ「ぎゃおっ!」

セピア「えー!?」

卯月「つまり…グジラより優位に立つための新技をイメージしながら戦えってこと?」

桃華「ええ、そういうことになりますわね」

セピア「むー…スイカよりむずかしそー…」

桃華「難題を乗り越えていくことは必ず力になります」

桃華「では卯月さんたち…そろそろ始めましょうか!」

卯月「…!」

卯月「はいっ!」

セピア「がんばるっ!!」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:36:45.46 ID:OPUobOQz0
セピアリエーヴルVSグジラ

グジラ「ぎゃおー!」

セピア「うー…近くだとホントおっきい…」

卯月「(グジラは間違いなくパワータイプ…)」

卯月「(ナナちゃんは一撃だってもらうわけにはいかない…!)」

卯月「(ナナちゃんが攻撃を避けつつ…)」

卯月「(そのなかで、新技をイメージさせて戦う…)」

卯月「(難しそうだけど…とにかくやってみるしかないっ!)」

拓海「卯月ッ!お前のブリーダー魂を見せてやれッ!!」

ラクガキ「…がんばれや」

桃華「では、試合開始といきましょう」

桃華「もちろん時間は無制限…」

桃華「まずは卯月さんたちから、仕掛けてきてよろしいですわよ」

卯月「…!」

卯月「(相手がなにもしてこない状態で技のイメージをさせる…?)」

卯月「(…いや、それじゃあ試合形式の意味がない!)」

卯月「(ナナちゃんにはバトルの中でイメージをさせてこそ意味がある!!)」

卯月「ナナちゃん、近づいてワンツー!」

ナナ「うんっ!!」スッ…!

桃華「(まずは接近戦…)」

桃華「(さて…ここからどう立ち回ってきますの?)」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:37:55.92 ID:OPUobOQz0
セピア「やっ!」シュッ…!

グジラ「!」パチッ…バチッ!

桃華「…!なかなかのスピードですわね」

桃華「ですが…」

セピア「どーだ!」

グジラ「……」

グジラ「ぎゃおす」

セピア「……」

セピア「ぜんぜんきいてなさそー…」

桃華「わたくしのバレーヌは体力の高さはもちろんのこと…」

桃華「攻撃力もトップクラスですから、相手の打撃技には耐性がありましてよ♪」

桃華「さて、次はこちらから…」

卯月「ナナちゃん、すぐに後ろに下がって!」

セピア「…!う、うんっ!」ザッ…!

桃華「あら…!」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:39:16.17 ID:OPUobOQz0
>>64
訂正
ナナ「うんっ!!」スッ…! ×

セピア「うんっ!!」スッ…!〇
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:40:10.90 ID:OPUobOQz0
卯月「(能力の差云々じゃなくて…)」

卯月「(もともとピクシー種は肉弾戦が苦手な種族…)」

卯月「(だから相手と一定の距離を保って、すぐに反撃させないことが一番なんだっ!)」

桃華「(なるほど…基本は理解しているようですわね)」

桃華「ですが…」

卯月「ナナちゃん、今のうちに…!」

桃華「その程度の距離じゃ、まだ近すぎますわっ!」

卯月「…!?」

桃華「バレーヌ!突進しなさいっ!!」

グジラ「ぎゃおすっ!!」ズンズンッ…!!

セピア「わ、わわっ!?」

卯月「な、ナナちゃん!よけてっ!!」

セピア「…んっ!」ヒョイッ…!

グジラ「…ぎゃおっ!」ズンッ…!

卯月「…ほっ」

卯月「(でも、避けることは出来たけど…!)」

グジラ「ぎゃおー!」

セピア「う、うぅ…!」

桃華「ふふっ、この距離でも逃げられまして?」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:40:58.89 ID:OPUobOQz0
桃華「バレーヌ!しっぽビンタですわよ!」

グジラ「ぎゃおっ!」ブンッ!

卯月「(だめ…避けられないっ…!)」

セピア「あ、うっ!!」ベシッ!!

卯月「ナナちゃんっ!!」

セピア「う、ぐぅ…」ヨロッ…

桃華「しっぽビンタの命中精度はグジラの中でも随一ですわ」

桃華「次も避けられる保証は無いでしょう」

卯月「(グジラと距離をとることは間違っていなかった…)」

卯月「(だけど…あの程度だと技のイメージをする間も無く、すぐに距離を詰められる…)」

卯月「(さらにもっと後ろに離れないと…?)」

卯月「(ナナちゃんにスピードがあるとはいえ、そんなに簡単にできるの…?)」

桃華「さて…」

桃華「KOはしない…それがルールです」

卯月「!!」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:42:11.29 ID:OPUobOQz0
桃華「バレーヌがもう一撃を当ててしまいますと、セピアリエーヴルがケガをしてしまう可能性が高いですわ」

桃華「一度体力を回復してから、もう一度…」

卯月「……」

桃華「…卯月さん?」

卯月「(確かにナナちゃんがケガをしたら、せっかくの修行が元も子も無くなってしまう…)」

卯月「(…だけど)」

セピア「……」

セピア「ナナ、は…」

セピア「まだ、たたかえるっ…!!」グッ…!

卯月「(ナナちゃんは、まだ諦めていないっ…!)」

卯月「(そうだ…KOが無いバトルなんて存在しない…)」

卯月「(むしろピクシー種は、いつだってKO負けと隣り合わせっ!)」

卯月「(それを恐れていたら…前に進めないっ!!)」

桃華「……」

桃華「(止めても無駄、みたいですわね…)」

桃華「…手加減はいたしませんわよ?」

桃華「(その想い…勇気か、それとも無謀か…)」

桃華「あなた方の可能性…わたくしに見せてくださいましっ!」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:43:13.16 ID:OPUobOQz0
卯月「ナナちゃん、まだいける…?」

セピア「うづきちゃん…」

セピア「…もちろんっ☆」

卯月「ごめんね、無理をさせちゃって…」

卯月「だけど私も…ナナちゃんと同じ気持ちだからっ!」

セピア「うんっ…ぜったいにあきらめないもんっ!!」

桃華「ですが…根性論だけではなにも変わりませんわよっ!」

卯月「!!」

桃華「バレーヌ!とどめのひっかきですわっ!」

グジラ「ぎゃおっ!!」シュッ…!

卯月「ナナちゃんっ!」

セピア「うんっ!」ヒョイッ…

桃華「(ひっかきは避けましたか…)」

桃華「(ですが…ここからどうされますの!?)」

卯月「ナナちゃん!グジラに思いっきり突撃っ!!」

セピア「…!りょーかいっ!」ダッ…!

グジラ「ぎゃお!?」ボンッ…!

桃華「…!?」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:44:00.25 ID:OPUobOQz0
桃華「(後ろに下がるどころか、体当たり…?)」

桃華「(一体何を狙って…)」

卯月「その大きなお腹にぶつかった反動で…」

卯月「後ろまで思いっきり、とんじゃえー!」

桃華「ええっ!?」

セピア「たぁっ!!」ポヨーン…!

グジラ「ぎゃおす!?」

卯月「よしっ!さっきよりも距離がある!」

桃華「(まさか…バレーヌのお腹をトランポリン代わりにして、後ろまで吹き飛ぶだなんて…)」

桃華「(なんて面白い発想をなさるのかしら!)」

桃華「(ですが、どれだけ距離をとったとて…)」

卯月「(遠距離攻撃が出来なければ、ただの時間稼ぎにしかならない…!)」

卯月「あとは、ナナちゃん…お願いっ…!!」

セピア「…!!」

セピア「うんっ!」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:44:42.48 ID:OPUobOQz0
セピア「(つぎにグジラに近づかれたら、ナナは負けちゃう…)」

セピア「(もしかしたら、死んじゃうかもしれない…)」

セピア「(…そんなの、やだっ!)」

セピア「(うづきちゃんが、悲しむもんっ!)」

セピア「(ぜったいに近づけさせない…)」

セピア「(そのために、ナナがこの距離からできる攻撃は…)」

セピア「(…魔法!)」

セピア「(じゃあ、グジラに効きそうな魔法ってなに?)」

セピア「……」

セピア「…たぶん」

セピア「これだぁっ!!」バチッ…!

卯月「!」

桃華「!」

セピア「いっけぇー!サンダーっ!!」ドシュッ!

グジラ「ぎゃお!?」ビリッ…!
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:45:30.34 ID:OPUobOQz0
セピア「……」

セピア「だせたー☆」

グジラ「ぎゃおす…!」

セピア「あれ?でも、あんまり効いてない…?」

セピア「だけど、距離はあるもんっ!」

セピア「もういっぱつー!」ドシュッ!

グジラ「ぎゃお…!」ビリッ…!

セピア「まだまだぁ!」ドシュッ!

グジラ「ぎゃうぅ…!」バリッ…!

セピア「よぉし☆」

拓海「すげぇ…完全にグジラの動きを封じやがった!」

卯月「やった…」

卯月「やったよ、ナナちゃんっ!!」

桃華「……」

桃華「…ここまでですわっ!」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:46:29.12 ID:OPUobOQz0
卯月「あっ…えっと…」

桃華「全く…驚かされましたわ」

桃華「距離の取り方、瀕死の状態で格上のモンスターに立ち向かう勇気…」

桃華「そして、新技の習得…」

桃華「…あなた方も期待以上でしたわね♪」

卯月「…!」

卯月「うんっ!ありがとう、桃華ちゃんっ!」

桃華「で・す・が!」

桃華「わたくしが決めたルールには、しっかり従っていただかないと困りますわ!」

桃華「本当にセピアリエーヴルがケガをするところでしたのよっ?」

卯月「うっ…ごめんなさい…」

桃華「モンスターの気持ちを尊重するのも理解は出来ますが…」

桃華「というよりも、卯月さんそのものが負けず嫌いな方なのかもしれませんわね…」

桃華「いずれにしても…」

桃華「…明日からの修行も、ビシバシいきますわよ」

桃華「ちゃんと、無事に乗り越えてくださいな?」

卯月「!」

卯月「はいっ!」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:47:15.08 ID:OPUobOQz0
セピア「うづきちゃんっ!!」

卯月「…ナナちゃん、おつかれさまっ!」

セピア「ナナ、魔法おぼえたよっ!」

卯月「うんっ!かっこよかったよー♪」ナデナデ…

セピア「キャハッ…☆」

セピア「…あのね、うづきちゃん?」

卯月「ん?なーに?」

セピア「ナナね、もーっと強くなるから!」

セピア「これからもよろしくおねがいしますっ☆」

卯月「…!」

卯月「な、ナナちゃんっ…!」

卯月「なんていいこなのー!!」ギュッ!

セピア「わぷっ…えへへ…☆」

拓海「アイボー、あれが青春ってやつだぜ…」

ラクガキ「うす」

桃華「……」

桃華「(さて…この一か月という期間で今よりどれほど成長できるのか…)」

桃華「(そしてゆくゆくは…)」

桃華「(わたくしと同じ舞台で…本気のバトルをすることになるやもしれませんわね)」

桃華「…楽しみですわね、バレーヌ」

グジラ「…ぎゃおす!!」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/18(土) 06:48:19.21 ID:OPUobOQz0
一旦中断

次回はDランク公式戦を書けたらなと思っています
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 11:28:33.47 ID:NhuvHnHy0
MF2移植秒読みだしここいらで再開をですね……
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2022/05/21(土) 14:48:19.91 ID:qW5ySp6ro
リメイク版『モンスターファーム2』
世界大会参戦ガチ育成編#3
(13:16〜放送開始)

https://youtu.be/VH5z21x7_3c
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