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【モバマス安価】森久保乃々「プロデューサーさんの背中に穴が....」

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698 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/29(水) 23:53:46.70 ID:yu5btr8A0
本日はここまでとさせていただきます
明日の夜に再開します
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/29(水) 23:54:22.43 ID:pwL4FbDV0
おつ
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/29(水) 23:56:46.84 ID:f6DouRkDO


収集つくのかなぁ
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/30(木) 00:02:47.97 ID:MDWuSyB6o
>>700
手に入ったものを使えば一瞬でつく
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/30(木) 21:57:49.02 ID:ZIuqycRqO
楽しみ楽しみ
703 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:13:52.06 ID:b+Jr7rDy0
凛「....」ガシャ

凛「....」ガシャ

乃々「真夜中で視界が悪いっ、上にっ」ゼェゼェ

乃々「瓦礫だらけで歩きにくいのは、きついです....」ハァハァ

輝子「私は、警察に見つからないかも、心配だ....」ノソノソ

芳乃「仮に見つかっても、叱られるくらいでしょうー」スタスタ

凛「....あった」

乃々「....見事にポッカリと、空間が出来てますね」

輝子「どういうことなんだ....」

芳乃「穴の周りにあった瓦礫は、全て中に落ちてしまったのではー」

輝子「そういうことか」

凛「わかりやすくて助かるよ」
704 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:14:25.60 ID:b+Jr7rDy0
乃々「り、凛さん」

乃々「穴の傍に、何かが落ちています....」

凛「ん....?」ジー

凛「何これ」

芳乃「かなり大きいですー」

凛「1メートルくらい?」

乃々「....」コンコン

乃々「金属でしょうか....」

凛「形は....なんだろこれ」

凛「不格好なロケット?」

芳乃「お弁当に付いている、小さな醤油入れにも似ていますー」

輝子「....」ジー

輝子「!!!」
705 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:14:53.94 ID:b+Jr7rDy0
輝子「....み、みんな!」

輝子「それを、触らない方がいい!」

3人「?」

凛「これが何か知ってるの?」

輝子「....テレビで見たことがある」

輝子「これは....」

輝子「地球破壊爆弾だ!」

凛「地球破壊爆弾?」

凛「何それ」
706 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:15:34.05 ID:b+Jr7rDy0
凛「そんな名前で自己紹介してる爆弾なんてあるの?」

輝子「いや、私も実物は見たことないんだ....」

乃々「テレビで、と言っていましたね....」

輝子「これ、[たぬき]に出てくるひみつ道具なんだよ....」

凛「ひみつ道具?」

凛「ってことは、現実には存在してないんじゃないの?」

輝子「そのはず、なんだけど....」

芳乃「凛、この穴に関しては現実・虚実という分け方はあまり意味を成しませぬー」

凛「....確かに」
707 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:16:01.47 ID:b+Jr7rDy0
乃々「それで、その道具と似ているというのは確かなんですか....?」

輝子「似ているなんてレベルじゃない、瓜二つだ....」

凛「....」

凛「どうやってこれが生み出されたのかはわからないけど」

凛「もしものことを考えると、迂闊に触らない方がいいかもね....」

芳乃「しかし、本物ならば」

芳乃「爆発してしまうと....」

乃々「ち、地球が無くなってしまうんですか!?」
708 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:17:23.09 ID:b+Jr7rDy0
輝子「地球破壊爆弾といっても、作中で使われたことがないから」

輝子「本当の威力はわからないんだ....」

乃々「でもこんなもの、一体どうしたらいいんでしょう....」

乃々「本物かどうかは定かではないですけど」

乃々「そんなものかもしれないなら、本物として扱うしかないですよね....」

輝子「朝になったら、警察も本格的に動き出すだろうし」

輝子「その時に処理してもらうしか....」
709 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:17:49.36 ID:b+Jr7rDy0
乃々「でも、爆発させるわけにはいきませんし」

乃々「保管しておくのも危険すぎますよ....」

輝子「確かに....」

芳乃「....」

芳乃「....」チラ

凛「....」コクリ
710 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:18:19.45 ID:b+Jr7rDy0
芳乃「....」

芳乃「わたくしたちに」

凛「考えがある」

乃々「何を....」

芳乃「地球破壊爆弾でー」

凛「この穴を」

芳乃・凛「ぶっ壊す!(ぶっ壊しますー!)」

輝子「突然某公共放送から国民を守ろうとしてる人みたいなこと言いだしたぞ....」

乃々「契約者情報を不正に入手して書類送検されそう....」
711 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:18:57.92 ID:b+Jr7rDy0
凛「地球が破壊される可能性がある以上」

凛「この爆弾は、穴に放り込むべきだと思う」

輝子「警察は....」

凛「警察に見つかる方が、私は危ないと思うよ」

芳乃「もし警察が見つけてしまっても」

芳乃「先ほど言っていたような、月並みな処理しかできないでしょうー」

凛「だったら、良くも悪くもこの現実世界から隔絶されてる」

凛「穴の中で爆発させた方が安全じゃない?」

輝子「そ、そうなのか....?」

乃々「わかりません....」
712 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:19:54.88 ID:b+Jr7rDy0
凛「....そして私たちは」

芳乃「これを、あの子たち5人の問題の解決に繋げようと思っているのですー」

乃々「!?」

輝子「穴の中で大爆発を起こすことが、どうやってそれに繋がるんだ....?」

芳乃「....あの5人が、穴の中に連れてこられた手段の話をしましたねー?」

乃々「たしか、お母さんの胎内に穴の口が開いて」

乃々「そこから、という予想だったような....」
713 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:20:31.41 ID:b+Jr7rDy0
芳乃「一度穴が開いたならば」

芳乃「そこは他の部分と比べて脆くなっている....」

芳乃「はずなのですー!」

乃々「えぇ....」

輝子「博打が過ぎるぞ....」

凛「輝子の言う通り」

凛「これだけじゃどうなるかわからないから」

凛「もう一つ、穴の力を利用する」

乃々「力を....」

輝子「利用....?」
714 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:21:04.32 ID:b+Jr7rDy0
凛「何度も言っているように、この穴は」

凛「人の心、感情によって動いている節がある」

乃々「....それに散々苦しめられてきました」

凛「....でも、逆にこうも考えられない?」

凛「....穴は」

凛「『人の感情に逆らえない』」

乃々「?」

輝子「どういうことなんだ....?」
715 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:21:56.93 ID:b+Jr7rDy0
凛「あの5人と違って」

凛「なぜかりあむだけは、今の姿のまま穴に連れていかれたけど」

凛「その理由は」

凛「りあむだけ精神が赤ちゃんだったから」

凛「って私たちは結論付けたよね」

輝子「満場一致だったな....」

乃々「りあむさんは全身説得力の塊ですからね」
716 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:22:43.06 ID:b+Jr7rDy0
凛「つまり穴は、りあむの赤ちゃんメンタルに逆らうことはできず」

凛「そのままの姿で連れていった....」

凛「それを踏まえると」

凛「穴は、人の抱く心・感情で動いている反面」

凛「人の心・感情が、絶対的な価値観というのも動かせないんじゃないかって」

輝子「....!」

乃々「....」

凛「だから爆弾に」

芳乃「感情を込めるのですー」
717 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:23:26.43 ID:b+Jr7rDy0
乃々「....爆弾に感情を込めれば」

乃々「私たちの望み通りの穴」

乃々「あの子たちのお母さんの、胎内に」

乃々「穴の口が開くということですか....?」

凛「....開く、かどうかは何とも言えない」

凛「仮に、この考えが合っていたとしても」

芳乃「....わたくしたちの思惑通りに事が進む可能性は」

芳乃「極めて低いのでしょうー....」

輝子「そうだろうな....」
718 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:23:55.28 ID:b+Jr7rDy0
凛「でももう、これしかない」

凛「この穴のことが見つかって、世間に知れ渡ったら」

凛「こんなに気楽に近づくことはもうできないかもしれない」

輝子「全然気楽じゃないんだが....」

芳乃「穴が見つかったところで、わたくしたちが経験したこと」

芳乃「例えば、記憶や存在の消失のことなどは」

芳乃「信じてもらえないでしょうー」

輝子「....」

乃々「....」
719 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:25:23.26 ID:b+Jr7rDy0
凛「穴が見つかって、大勢の人が関わったら」

凛「向けられたたくさんの感情を得て」

凛「穴がどうなるかもわからない」

乃々「....」

凛「これが、私たちの手で解決できる最後のチャンスだと思うんだ」

凛「....乗るには不利すぎる賭けかもしれないけど」

凛「何もせずに流れに身を任せても、勝率は0」

芳乃「ならば、自らの手でつかみ取れるかもしれないこの時を」

芳乃「逃すべきではない、と思いませんかー?」

乃々「....」
720 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:28:29.18 ID:b+Jr7rDy0
乃々「....やるしか、ないんでしょうか」

輝子「....」

輝子「警察には頼れない、か....」

輝子「....ロックの核心は」

輝子「反体制、反権力」

輝子「....」

輝子「....私たちのロック、見せてやろうぜェェェェェェェッ!!!!!」ヒャッハー

乃々「!?」ビクッ

凛「うん、これで終わりにしよう」グッ

乃々「....」
721 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:28:57.52 ID:b+Jr7rDy0
乃々「....やりましょう」

凛「決まりだね」

乃々「....そういえば」

乃々「爆弾に感情を込めるって言ってましたけど....」

乃々「それって私たちがやるんですか....?」

凛「....いや」

凛「私たちよりも、もっと大きな力を発揮できそうな人たちがいるでしょ」

乃々「そんな人たちいましたっけ....?」
722 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:29:46.39 ID:b+Jr7rDy0
芳乃「親のことを最も想っているのは」

芳乃「子、なのですー」

乃々「あの5人にさせるんですか....?」

輝子「でも、今こっちにいるあの子たちは」

輝子「親に育てられてもいないし、親の顔すら知らないはずじゃ....」

芳乃「....たとえそうだとしても」

芳乃「わたくしは、彼女たちの持つ本能を信じていますー....」

輝子「....」
723 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:31:20.96 ID:b+Jr7rDy0
輝子「....私たちがするよりは、マシなのかな」

乃々「もう一緒に込めればいいんじゃないですか....」

凛「そうだね、減るもんじゃないしそうしよっか」

凛「さて、じゃああの5人を連れてこないと」

乃々「連れてこないと、と言っても、今どこにいるんですか....」

乃々「預けてた託児所は粉々ですけど....」

輝子「それに今夜中だぞ....」

どこにいる? >>724
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/30(木) 22:32:19.35 ID:8xCI4Ro8o
千夜がどこかに連れ去った
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/30(木) 22:33:34.56 ID:WKjMSjuBo
刑事ドラマのラストが似合う岸壁
726 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:46:17.59 ID:b+Jr7rDy0
凛「....聞いたところによると」

凛「千夜がどこかに連れていったみたいなんだよね」

乃々「千夜さんが....?」

芳乃「ふむー....」

輝子「でも、あの人数の子供をどこに連れていくんだ....?」

輝子「移動するだけでも一苦労だし、置いておくにもそれなりのスペースがいるような....」

乃々「....」

乃々「....まさか」

凛「乃々?」
727 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:47:13.46 ID:b+Jr7rDy0
乃々「....1つ、確かめたい場所があるんです」

凛「....心当たりがあるの?」

乃々「....これまでのことを考えると、有り得ない場所なんです」

乃々「でも....」

凛「....行こう」

乃々「....いいんですか」

凛「....」コクリ

凛「2人はここで待機しててくれる?」

輝子「え゛っ....」

凛「すぐ戻るから!」ダッ

乃々「凛さん!?」ダッ

輝子「....」

輝子「どうする....?」

芳乃「穴の中に糸を垂らして、サメ釣りでもしましょうー」

輝子「そうだな....」
728 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:47:44.19 ID:b+Jr7rDy0
凛「ここは....」

凛「洋館....?」

乃々「この世界では、廃墟になっているみたいですね....」

凛「....どういうこと」

乃々「世界が変わってしまう前に」

乃々「ちとせさんと千夜さんが、2人で住んでいた場所です」

凛「....」

凛「でも、千夜はもうちとせのことを覚えていないはず....」

乃々「....はい」
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/30(木) 22:47:49.21 ID:ZIuqycRqO
765プロ
730 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:48:44.79 ID:b+Jr7rDy0
乃々「それに、ここの様子を見る限り」

乃々「千夜さんが1人でここに住んでいるというわけでもなさそうです」

凛「....だったら」

乃々「でも」チラ

凛「....」チラ

凛「!」

凛「家の中で光が....!」

乃々「....今晩は、誰かいるみたいです」

凛「....」

凛「....行こう」

乃々「....はい」コクリ
731 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:52:27.13 ID:b+Jr7rDy0
ガチャ

凛「....開いてる」

乃々「....」ググッ

ギィー

乃々「....」チラ

乃々「あ....」

トテトテ

ちとせ「............」

凛「....当たり、か」
732 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:53:16.63 ID:b+Jr7rDy0
あかり「............」

あきら「............」

凪「............」

颯「............」

乃々「全員いるみたいですね....」ホッ

凛「....そして」

千夜「....」

千夜「....こんばんは」ペコ

乃々「....千夜さん」
733 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/30(木) 22:54:08.71 ID:b+Jr7rDy0
本日はここまでとさせていただきます
物語も佳境です
明日の夜に再開します
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/30(木) 22:54:19.15 ID:1aFL107Po
おつおつおつ
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/30(木) 22:58:25.44 ID:ZIuqycRqO
やみのま(おつかれさまです)
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/30(木) 22:58:40.24 ID:iNuHoB4c0
おつおつ
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/01(金) 00:39:03.37 ID:Lj/XUzCBo
おつ
そら両親死ぬとしたら抵抗するわな
738 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:17:05.86 ID:m79GlnpN0
凛「....」

凛「....千夜」

千夜「....」

凛「....どうして」

凛「....どうしてこんなことを」

千夜「....」

千夜「....事務所が崩壊する直前、私も皆さんと同じように避難をしました」

千夜「その時に、この子たちの」

千夜「....いや、この子の顔を見たら」チラ

ちとせ「............」

千夜「....」

千夜「....いてもたってもいられなくなり、連れてきてしまいました」

凛「....」
739 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:17:59.59 ID:m79GlnpN0
凛「....」

凛「....?」

凛「いや、私が聞きたいのはそういうことじゃなくて」

千夜「?」キョトン

凛「穴のことなんだけど」

千夜「....」

千夜「穴?」キョトン

凛「....」
740 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:18:40.96 ID:m79GlnpN0
凛「もしかして、黒幕じゃない....?」

千夜「黒幕....?」

千夜「何かを影で操った覚えはありませんが....」

乃々「り、凛さん....」

凛「....」

凛「....把握した」
741 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:19:17.58 ID:m79GlnpN0
乃々「....」

乃々「....あの」

乃々「千夜さんは、この子たちと会うのは初めてなんですよね」

千夜「....そのはず、なんですが」

乃々「....」

乃々「この洋館にはどうやって....?」

千夜「....すみません、それもよく分からないんです」

千夜「この建物を見たことも、もちろん見たこともないはずですが」

千夜「気が付いたら足がこちらに向かっていた、とでも言えばよいのでしょうか....」

凛「....」
742 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:20:15.69 ID:m79GlnpN0
凛「....」チラ

乃々「....」コクリ

千夜「何もかもハッキリとしない理由で、説明ができないんです」

千夜「....自分のことがこんなに分からないのは、初めてで」

乃々「....千夜さん」

乃々「今は、色々あってあまり詳しい説明ができないんですけど....」

乃々「1つだけ」

乃々「千夜さんが抱いている、胸の苦しさは」

乃々「必ず解決します」

千夜「....」
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/01(金) 23:20:50.98 ID:kHmlj1beo
代わりにあなたの両親は死にます
744 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:20:59.73 ID:m79GlnpN0
千夜「....なぜ、それをあなたが言うんですか」

乃々「....私が」

乃々「....」

乃々「....私たちが、解決するからです」

千夜「....」

凛「ごめんね、千夜」

凛「もうすぐ終わるから」

凛「全ての説明は、その後で」

千夜「....」
745 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:21:34.13 ID:m79GlnpN0
千夜「....必ず、お願いします」

凛「うん」

乃々「それでは私たちは急ぎますので....」

凛「あ、この子たち全員借りてくね」ダッ

千夜「えっ」

乃々「それでは」ギィッ

千夜「最後にっ!」

千夜「....1つだけいいですか」

凛「?」
746 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:22:05.44 ID:m79GlnpN0
千夜「....」ツカツカ

千夜「....」ギュッ

ちとせ「............」

千夜「また会いましょう」ニコ

ちとせ「............」

乃々「....」

乃々「....」ニコ

ガチャン

千夜「....」

千夜「....」ペコリ
747 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:23:04.32 ID:m79GlnpN0
凛「....どういうことなんだろ」

乃々「千夜さんのことですか....」

凛「私たちがここまでに経験して来たこととは」

凛「180度違う」

乃々「....でもあの言動、行動」

乃々「記憶が残っている、取り戻している、というわけではないと思いますが」

乃々「全くの0ではなさそうです....」

凛「だよね....」
748 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:23:39.68 ID:m79GlnpN0
乃々「千夜さんは真面目な方です」

乃々「理由もなく、初対面の幼児5人を連れ去ったり」

乃々「勝手に廃墟に忍び込むなんてことは絶対にしないと思います....」

凛「だからこそ、本人が一番困惑してたのかも」

凛「それに、記憶が0なら」

凛「存在すら知らないあの洋館に辿り着くわけないし」

乃々「....」

乃々「未だに、穴についてはわからないことだらけです」

乃々「でも、こういうことがあると、少し勇気を貰えます....」ニコニコ

凛「....うん」
749 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:24:12.20 ID:m79GlnpN0
乃々「そういえば、千夜さん黒幕路線はもういいんですか?」

凛「....」

凛「乃々」ジロリ

乃々「ダメですよ、あんなことしちゃ....」

凛「しょ、しょうがないでしょ!」

凛「同期の中で1人だけ穴の被害に合ってないし、被害者の幼女5人を連れ去るし」

乃々「まあ穴以外なら、一番怪しいかもしれませんね....」

凛「記憶が少しだけ戻ってる、なんて予想できないよ....」

乃々「....」
750 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:24:52.78 ID:m79GlnpN0
乃々「....それに千夜さんには」

乃々「....動機もありますから」

凛「動機?」

乃々「千夜さんの両親は、本来なら他界されています....」

乃々「でも、ちとせさんの存在が消えたことによって」

乃々「....この世界では、ご健在です」

凛「....」
751 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:25:34.33 ID:m79GlnpN0
乃々「....」

乃々「凛さん」

乃々「私たちが元の世界を取り戻せたら」

乃々「....千夜さんはまた、ご両親を失う、ことになるんでしょうか」

凛「....」

凛「....考えようによっては」

乃々「....」

乃々「そう、ですよね....」

凛「....」
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/01(金) 23:25:47.33 ID:HrJVWT28o
(これちとせ聞いてるんだよな?)
753 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:26:16.65 ID:m79GlnpN0
凛「....怖くなった?」

乃々「....はい」

乃々「....穴の影響は計り知れません」

乃々「きっと、私たちの目の届かないところでも」

乃々「たくさんの人の、人生が変わっているんです」

乃々「....私は、大切な人たちが消えてゆくのをみて」

乃々「元に戻さなきゃ、と思いました」

凛「....」
754 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:26:52.62 ID:m79GlnpN0
乃々「....でも千夜さんのように」

乃々「救われた人も、いるのかもしれない」

乃々「....そんなことを、考えてしまったんです」

凛「....」

乃々「私だけが」

乃々「世界が変わっても記憶を保ち続けられる」

乃々「私が鍵」

乃々「....そうなったのはただの偶然なんです」
755 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:27:52.69 ID:m79GlnpN0
乃々「なのに私は、まるで自分の力かのように受け取って」

乃々「....主人公になったつもりになっていたのかもしれません」

乃々「....」

乃々「私は....」

乃々「....もりくぼは、そんな人間ではないのに」

凛「....」

乃々「....これからしようとしていることは、正しいんでしょうか」

乃々「もう自信がありません....」

凛「....」
756 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:28:39.45 ID:m79GlnpN0
凛「....正しさなんてものは、見る場所や見る人、それぞれで変わるんだよ」

乃々「そ、それはわかってますけど....」

凛「....」

凛「....はぁ」ハァ

凛「あのさ」

凛「主人公がどうとか言ってたけど」

凛「誰を救うかを選べる立場で話してる時点で」

凛「主人公面してるように、私には見える」

乃々「.....」
757 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:29:25.80 ID:m79GlnpN0
凛「口では」

凛「自分はそんな人間じゃない」

凛「自信がない」

凛「そんなこと言ってる時点で、まだ酔ってるんじゃないの」

乃々「....そういうつもりは、ありません、けど」

凛「....乃々が言ったこと、確かに正しいのかもしれない」

凛「でもさ、人の生活、人の人生なんて」

凛「乃々が考えることなの?」

乃々「....もりくぼの」

乃々「考えること....」
758 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:30:12.16 ID:m79GlnpN0
凛「....さっき自分で言ってたこと、もう忘れちゃった?」

凛「乃々は主人公じゃない」

凛「もちろん神様でもない」

乃々「....」

凛「毎日一生懸命に生きてる、1人の女の子でしかないんだよ」

凛「他の人のことなんて考えてる余裕ある?」

乃々「....」
759 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:31:10.68 ID:m79GlnpN0
乃々「....それで、いいんですか?」

凛「....さあ」フッ

凛「私にもわかんないよ」

凛「....」

凛「たぶん、誰にもわかんないよ」

乃々「....」
760 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:31:46.80 ID:m79GlnpN0
凛「....千夜には急いでるって言っちゃったけど」

凛「ちょっとだけゆっくり歩いて帰ろっか」ニコ

乃々「....すみません」

凛「ううん、大事なことだよ」

凛「あっ」

凛「みんなもごめんね」チラ

あかり「............」

あきら「............」

凪「............」

颯「............」

ちとせ「............」

凛「....もうちょっとだけ」
761 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:32:12.51 ID:m79GlnpN0
凛「ただいまー」

輝子「おかえり....」

芳乃「遅いのでしてー」

凛「だって、私と乃々2人で幼児5人だよ?」

凛「1人でも歩けそうなちとせはまだいいけど」

凛「他の4人はほとんど私たちが抱っこしてたんだから」

芳乃「それはそれはー」

輝子「片手で1人ずつか、大変そうだ....」

凛「本当だよー」
762 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:32:42.61 ID:m79GlnpN0
ビチビチ

ビチビチビチ

凛「何これ!?」

輝子「芳乃さんの発案で、穴の中に糸を垂らして、釣りしてたんだ....」

凛「にしても釣りすぎでしょ!?どうするのこれ!」

芳乃「肝油の材料にしましょうー」

凛「事務所崩れちゃったから道具ないよ?」

芳乃「....」
763 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:34:10.12 ID:m79GlnpN0
芳乃「....」ポチポチ

芳乃「夜釣りの帰りにこちらへ寄ってくれるそうですー」

凛「七海か....」

凛「こんなに何匹も持って帰れるのかな....」

輝子「そういえばボノノちゃんは....?」

乃々「....」カチカチ

乃々「命綱よし!」ビシッ

輝子「もう準備してる!?」

芳乃「まだ爆弾の方の準備が終わっていませんよー」

乃々「あ、早く済ませておいた方が良いと思いまして....」

輝子「たぶんまだ、早いぞ....」

凛「....」
764 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:35:16.28 ID:m79GlnpN0
凛「....もういいの?」

乃々「....色々考えたんですけど」

乃々「やっぱりわかりませんでした」ニコ

凛「....だよね」

乃々「....それでも良いのかな、って」

凛「いいんじゃない」ニコ
765 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:35:44.16 ID:m79GlnpN0
輝子「....」

ちとせ「............」

輝子「....あの、これに、親への想いを」

ちとせ「............」

輝子「込めて欲しいんだけど....」

ちとせ「............」

あかり「............」

あきら「............」

凪「............」

颯「............」

輝子「....ダメだっ、伝えられる気がしない!」
766 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:36:27.53 ID:m79GlnpN0
芳乃「言葉を知らないのですから、言葉で伝えようとしてもダメでしてー」

輝子「じゃあどうすればいいんだ?」

芳乃「こうやって」グッ

ちとせ「............」ピト

輝子「!?」

あかり「............」ピト

あきら「............」ピト

凪「............」ピト

颯「............」ピト

輝子「だ、大丈夫なのか、爆弾に抱き着かせたりして....」

芳乃「この子たちの心には、まだ見ぬ両親への想い....」

芳乃「愛が、きっとあるのですー....」

芳乃「愛を込めるには」

芳乃「これが一番なのですよー」ニッコリ

輝子「そういうものなのか....?」
767 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:37:14.39 ID:m79GlnpN0
輝子「あの子たちは、避難させたぞ....」

乃々「まあ避難させたところで、爆発の規模によっては....」

輝子「こ、怖いこと言うなよ、ボノノちゃん....」

凛「じゃあ2人も逃げて」

輝子「健闘を祈る....!」ダッ

芳乃「ご武運をー....!」トテトテ

凛「私たちも、これを投げ入れたら全力で逃げよう」

乃々「そうですね....」
768 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:38:12.33 ID:m79GlnpN0
凛「起爆装置の類はないから、投げ入れるだけだけど」

凛「穴の中に終わりがあれば、そこに当たった衝撃で爆発すると思う」

凛「もし中が無限に続いていても、それはそれで爆弾を処分できるし」

乃々「とにかく、外に被害さえ出なければどちらでも....」

凛「....」フー

凛「いい?」

乃々「....」コクリ

凛「いくよ」

乃々「....はい」

凛・乃々「せーの!」

ポイッ

凛「逃げろ!!!!」ダダダッ

乃々「ひぃ〜〜〜〜!!!」タタッ
769 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:38:57.03 ID:m79GlnpN0
凛「ハァ、ハァ....」

乃々「このくらいの距離でいいんですか....?」

凛「どうせこのまま走り続けても、巻き込まれるときは巻き込まれるよ」

乃々「たしかに....」

グラグラ

凛「!」

グラグラグラ

乃々「ゆ、揺れてます!」

凛「ただの地震か、それとも爆発の影響なのかな」

乃々「さぁ....」
770 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:39:32.51 ID:m79GlnpN0
凛「でもこのくらいの揺れで済むなら全然」

ドドドドドドドッ

凛「うっ、わ!?」

乃々「尋常じゃない揺れなんですけど!?」

凛「これ、ヤバいかも」

乃々「」ブクブク
771 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:40:07.74 ID:m79GlnpN0
乃々「....?」

乃々「や、やっと収まりました....」

凛「何分くらい揺れてたんだろ....」

乃々「どうします、穴を見に行きますか....?」

凛「....」

凛「爆発はもう済んだということにして....」

凛「行こう!」

乃々「済んでなかったら恐ろしいですね....」
772 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:40:41.88 ID:m79GlnpN0
凛「....」ジー

乃々「穴の口がでこぼこになってます....」

凛「これはさすがに爆発の痕跡でしょ....」

乃々「ですね....」

凛「....」

凛「あとは中の状態か....」カチカチ

凛「....」ガチャ

凛「よし!降下開始!」シュー

乃々「早すぎませんか!?」

凛「芳乃と輝子に連絡して、あの子たちを連れてきてもらって」

凛「確認だけだし、今回はすぐに引き上げてもらっていいから!」シューッ

乃々「は、はい....」
773 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:41:17.73 ID:m79GlnpN0
凛「....」

輝子「ど、どうだったんだ....?」

凛「....」

凛「開いてた」

輝子「!?」

芳乃「それは素晴らしいー」ニッコリ

凛「でも急いだ方がいいと思う」

凛「胎内に繋がる穴が開いてるってことは」

凛「その中にある羊水が、穴に漏れだしてる可能性が高い」

凛「見た感じ、穴自体はかなり小さかったけど」

凛「それでもゆっくりしてる暇はないはず」

乃々「急ぎましょう!」

凛「うん!」
774 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:42:26.01 ID:m79GlnpN0
凛「私と乃々が1人ずつ、1回の降下で幼児2人を下に降ろして」

凛「胎内に繋がる穴の前に着いたら、肝油で胎児に戻す」

凛「そして胎内からへその緒を引き出して」

凛「胎児側のへそに繋げて、隙間に肝油を塗れば繋がるはず」

輝子「最後は本当に上手くいくのか....?」

芳乃「穴の中ならどうにかなるでしょうー」

輝子「適当だな....」

乃々「まずあかりさんとあきらさんから行きましょう」

あかり「............」

あきら「............」
775 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:42:58.83 ID:m79GlnpN0
凛「....」

乃々「....」

凛「この辺りに、穴が開いてる」

乃々「本当です....」

乃々「あれ?でも、どの穴が誰のお母さんの胎内に繋がっているかってどうやって判断するんですか?」

凛「....」

凛「....」

凛「こ、この子たちならきっとわかるはず....」

乃々「考えていなかったんですね....」
776 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:43:24.60 ID:m79GlnpN0
あかり「............」トテ

あきら「............」トテ

乃々「2人とも別々の穴に向かっていきます!?」

凛「ほらね」

乃々「もし間違っていたら大変なことになりますよ....」

凛「その時はその時」

乃々「もー....」
777 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:44:04.63 ID:m79GlnpN0
凛「....よしよし」

あかり「............」

乃々「すぐに会えます」ニコ

あきら「............」
778 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:45:14.52 ID:m79GlnpN0
凛「とりあえず、2人を送り届けてきたよ」

輝子「り、凛さん....!」

凛「?」

輝子「あかりさんも、あきらさんも、いるんだ!」

輝子「この世界に!」

乃々「本当ですか!?」

芳乃「先ほどのことですー」

芳乃「突然わたくしたちの記憶が戻りましたー」

乃々「良かった....良かった....」
779 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:45:45.84 ID:m79GlnpN0
輝子「スマホで確認してみたけど、連絡先もある!」

凛「....そっか」ニコ

乃々「綱渡りでしたけど、成功なんですね....!」

凛「こんなことしてる場合じゃない!」

乃々「そうでした!あと3人も無事に送り届けないと!」

輝子「あとちょっとだ!」

芳乃「らすとすぱーとでしてー!」
780 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:46:37.30 ID:m79GlnpN0
凛「これで凪と颯も戻ってきた」

凛「あとはちとせだけ....」

凛「行こう」

乃々「....あの、凛さん」

凛「何?」

乃々「ちとせさんは、私が送り届けてきてもいいですか....?」

凛「....」

凛「1人で行くってこと?」

乃々「....はい」

凛「なんで?」

乃々「....」
781 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:47:22.02 ID:m79GlnpN0
乃々「穴の中はまだ謎が多くて、リスクもたくさん潜んでいるので」

乃々「ちとせさんだけなら、私たちが2人がかりで行く必要はないと思うんです」

凛「....まあ、それはそうだけど」

乃々「....でもこれは口実です」

乃々「元はといえば、これは私から始まったことでした」

乃々「最後は、私の手で終わらせたい」

乃々「そういうわがままなんです」ニコ

凛「....」
782 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:47:59.56 ID:m79GlnpN0
凛「....危ないよ」

乃々「....」

乃々「....凛さんに叱られてから、今この瞬間までずっと考えていました」

乃々「私はどうすればいいのか」

凛「....」

乃々「正しさなんて、関係ありません」

乃々「これは私が、私のためにやりたいことなんです」グッ

凛「....」
783 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:48:39.85 ID:m79GlnpN0
凛「....参ったな」

凛「そんなつもりで言ったわけじゃなかったんだけど....」

乃々「無理を言ってすみません....」

凛「....いいよ」

凛「もうやり方もわかってるだろうし、乃々だけでも十分出来ると思う」

乃々「....ありがとうございます」

凛「ほら、早くしないと」ポンッ

乃々「はいっ!」
784 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:49:06.09 ID:m79GlnpN0
乃々「それじゃあ、行ってきます」

ちとせ「............」

凛「うん、いってらっしゃい」

輝子「気を付けて....」

芳乃「日が昇るまでには帰ってくるのですよー」ニコニコ

乃々「お母さんですか....」フフッ

乃々「....行きましょうか」チラ

ちとせ「............」
785 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:49:33.69 ID:m79GlnpN0
シューッ

凛「....」

凛「....子供って、少し目を離すとすぐに成長しちゃうね」

輝子「な、なんで凛さんまでお母さん目線で話してるんだ....」

凛「え?だって乃々は私の娘であり恋人であり孫であり親であり宇宙だから」

輝子「....」

輝子「気持ち悪いと思う」

凛「褒め言葉だよ」

芳乃「相変わらずでしてー」
786 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:51:09.04 ID:m79GlnpN0
凛「....!」

凛「みんなっ!」

輝子「....ちとせさんも、戻ってきた!」

芳乃「これでようやく....」

凛「乃々....」ニッコリ

輝子「....」チラ

輝子「!?」
787 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:51:35.30 ID:m79GlnpN0
輝子「凛さん、芳乃さん....」

凛「?」

輝子「こ、この穴、小さくなってないか....?」

凛・芳乃「!!!」

輝子「気のせい、かな....」

凛「気のせいじゃない!!!」ダッ

凛「急いで乃々を引き上げないと!!!」グイグイッ

凛「早くっ!!!!!」グイグイグイ
788 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:52:12.08 ID:m79GlnpN0
輝子「なんで、いきなりっ!」グイグイッ

芳乃「もしやっ、爆発の衝撃でっ、穴自体が崩れかけているのかもっ....」グイッ

凛「でもっ、私が入ってる時は何もっ....」グググ

芳乃「今理由を考えている暇はっ、ありませんっ!」グイグイ

輝子「でもっ、全然っ、上がってこないぞっ」グッ

凛「知らないよそんなの!早く!乃々っ!!!」グググッ

輝子「なんで、さっきまで、すぐに、上がってきてたのにっ」グイ
789 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:52:43.67 ID:m79GlnpN0
凛「こうなったら私がっ!」ダッ

芳乃「凛、今行っては被害が広がるだけです!」ガシッ

凛「まだ乃々が中にいるんだよ!?」

芳乃「し、しかし!」

輝子「2人とも!穴が、どんどん小さくなってる!!!」

凛「乃々っ!!!」

凛「止まって!止まってよ!!!」
790 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:53:25.05 ID:m79GlnpN0
凛「なんで止まらないの!?」

凛「穴は感情に逆らえないんじゃなかったの!?」

凛「ねぇ!!!」

芳乃「崩れつつある穴にはもう、その力も残されていないのかも....」

輝子「ダ、ダメだ....止まらない....」

凛「やめてよ!!!」

凛「乃々っ........」

シン....
791 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:53:58.25 ID:m79GlnpN0
輝子「穴が....消えた....」

芳乃「....」

芳乃「本当にこれで、終わりなんでしょうかー....」

凛「....」

凛「....終わりかどうかはわからないけど」

凛「少なくとも、私たちを散々苦しめてきた穴は消えたよ」

輝子「ま、まあ、誰も欠けず、穴を消せたんだから」

輝子「私たちだけでやったにしては、上出来、じゃないか?」

芳乃「事務所は崩れてしまいましたがー」

凛「そうだね、でも事務所は直せるよ」

輝子「....」コクリ
792 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:54:27.80 ID:m79GlnpN0
芳乃「消えていた5人も戻りましてー」

芳乃「変わっていた世界も、無事戻ってきたのでしょうー」

凛「....うん」

カッ

凛「あっ....」

凛「朝日....!」

輝子「結局、徹夜になっちゃったな....」

芳乃「わたくしたちの睡眠と引き換えに、世界を救えたのですー」

芳乃「良いではありませんかー」

輝子「たしかに、寝てるよりよっぽど貴重な体験だ....」
793 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:55:06.65 ID:m79GlnpN0
凛「朝ご飯でも食べて帰る?」

輝子「え、でもこんな時間じゃ、まだお店は開いてないんじゃないか....?」

芳乃「こんびに!こんびにがあるのですー!」

凛「この際それでいいや、お腹空いたし」

輝子「じゃあ私、キノコでも食べようかな....」

凛「コンビニにキノコ料理なんてあるの?」

芳乃「お弁当やサラダに入っているのを見たことがありますー」

凛「へー、そうなんだ」

輝子「コンビニご飯で祝勝会だ....!」

凛「世界を救ったのにそんなにショボくていいの?」

芳乃「良いではないですかー」

凛「ふふ、そっか」クスリ

凛「....」

凛「うん、そうだね」ニコ
794 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/01(金) 23:55:42.04 ID:m79GlnpN0
本日はここまでとさせていただきます
明日の夜に再開します
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/01(金) 23:56:16.06 ID:HrJVWT28o
おつ。コワイ
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/01(金) 23:59:24.95 ID:fY6Ff9tEO

森久保は一人最後の『戦い』に挑む(嘘)
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/02(土) 00:16:35.79 ID:klW6APFDO
乃々の記憶が……
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/02(土) 00:17:32.42 ID:Mk+9QMfl0
次辺り最終回かな?
799 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:16:37.53 ID:kGwWSVEh0
ダダダダダッ

バーン

りあむ「ちょっと凛ちゃん!!!」ドタドタ

凛「....何」

りあむ「大変だよ!!これ見て!?」

凛「?」

りあむ「江口洋介が!!!」

りあむ「大物俳優に戻ってるんだよ!!!」

凛「あー」

りあむ「これどういうこと!?」

凛「えーっと」
800 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:17:14.99 ID:kGwWSVEh0
ガチャリ

あかり「こんにちはー」

あきら「....どーも」

りあむ「」

あかり「あ、りあむさ

りあむ「あ゛か゛り゛ち゛ゃ゛〜〜〜〜〜ん゛!!!!!!!」ガバッ

りあむ「あ゛き゛ら゛ち゛ゃ゛〜〜〜〜〜ん゛!!!!!!!」ガバッ

あかり「り、りあむさん!?」

りあむ「い、いきなりなんデスか....」
801 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:17:40.18 ID:kGwWSVEh0
りあむ「あ゛っ、あ゛か゛り゛ち゛ゃ゛ん゛もっ!!!あ゛き゛ら゛ち゛ゃ゛ん゛もっ!!!」

りあむ「よっ、よっ、よっ....」

りあむ「うぇっ!!!おっ、おぇっ!!!!」

りあむ「こひゅっ、こひゅっ」

りあむ「....」

りあむ「....ぅぅぉおうぅぇっ」

あかり「りあむさん!?なんで号泣してるんご!?」

あきら「ヒドい顔....まずは落ち着いてくださいよ」

りあむ「うんっ....」グチャグチャ
802 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:18:10.31 ID:kGwWSVEh0
りあむ「よかったぁ....よかったよぉ....」ボロボロ

あかり「....向こうで休みましょう」

あきら「それがいいかも....」

凛「....」

凛「元に戻ったのは知ってたけど、実際に会うとそれを実感するね」

輝子「そうだな....」

芳乃「忘れていたこと、消えていたことが嘘のようですー」

凛「....うん」ニコ
803 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:18:44.36 ID:kGwWSVEh0
りあむ「ねぇねぇ、ぼくんちでさ、打ち上げしない?」

あかり・あきら「打ち上げ?」

あきら「打ち上げするようなこと、ありましたっけ」

りあむ「あ....」

りあむ「ちょ、タイム!」ドタドタ

りあむ「凛ちゃん凛ちゃん凛ちゃん!!!!」ユサユサ

凛「....」

凛「....今度は何」
804 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:19:13.91 ID:kGwWSVEh0
りあむ「穴のことって言いふらしていいの?」

凛「言いふらすって....」

凛「穴はもうなくなったし、言っちゃダメってことはないと思うけど」

りあむ「けど?」

凛「あれを他の人にわかりやすく説明できる?」

りあむ「できない!」

凛「でしょ?」

芳乃「話したところで、信じる人はいないのではー」

輝子「体験した私たちですら、嘘だったみたいに感じてるしな....」

りあむ「そっかー、わかった!」ドタドタ
805 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:19:40.25 ID:kGwWSVEh0
りあむ「おまたせ〜」

りあむ「ぼくんちでさ、同期の親睦会やろうよ!」

あかり「親睦会....?」

あきら「なんでいきなり」

りあむ「いやー、ぼくってぇ、あかりちゃんやあきらちゃんとは仲良しだけど」

りあむ「他の子たちとはイマイチ打ち解けられてないのかなーって」

りあむ「千夜ちゃんとか千夜ちゃんとか千夜ちゃんとか」

りあむ「だから、ぼくんちに集まってさ!餃子パーティーしようよ!」

あかり・あきら「....」
806 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:20:13.29 ID:kGwWSVEh0
あかり「りあむさんと....?」キョトン

あきら「打ち解けてる....?」キョトン

りあむ「ちょ、ちょっと!?」

あかり「冗談んご〜」エヘ

あきら「別にいいデスけど、りあむさん家ってそんなに入るんデスか?」

りあむ「....」
807 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:20:45.56 ID:kGwWSVEh0
りあむ「みんな立ち食いで....」

あきら「え〜」

あきら「#立ち呑み屋夢見 #開店」

りあむ「やめてよぉ〜、可愛いアイドル達にパワハラしたってネット民に叩かれたくないよ〜!」

???「話は聞かせて」

??「もらいました」

りあむ「!?」

あかり「あ、あなたたちは!?」

あきら「....」シラー
808 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:21:24.44 ID:kGwWSVEh0
千夜「親睦会の会場に、私たちの住んでいる屋敷を使ってもよいという」

千夜「お嬢様からの申出です」

ちとせ「私たち、せっかくの同期なんだし」

ちとせ「この機会にもっと仲良くなれたらなって♪」ニコ

りあむ「ちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちちとせちゃああああああああんんんん!!!!!」ガバァッ

ちとせ「わっ!?」

千夜「な、何を!?」
809 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:21:56.66 ID:kGwWSVEh0
りあむ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!」グジュグジュ

ちとせ「....」

ちとせ「よーしよし」

りあむ「うぇっ!!!!ぉっ!ぉっ!ぅぇっ....」ボロボロ

千夜「....」

千夜「お嬢様....」

ちとせ「....大丈夫」ナデナデ

千夜「....はい」
810 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:25:05.03 ID:kGwWSVEh0
りあむ「ふぐっ....」チーン

ちとせ「あ」

千夜「お、お嬢様の服で、鼻を....!?」プチン

千夜「調子に乗るのもいい加減に....」

あかり「....」

あかり「りあむさん、どうしちゃったんご?」

あきら「#情緒不安定 #ファッションメンヘラから本物に #精神科」

あきら「#デパス #ブロン #フルニトラゼパム」
811 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:26:00.79 ID:kGwWSVEh0
りあむ「ということになったから凛ちゃんたちもどう?」

凛「えぇ....?」

輝子「さっき、同期会って、言ってなかったか....?」

りあむ「それは建前!まあ穴の打ち上げも兼ねるってことで、ね?」

凛「うーん....」

凛「どうする?」
812 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:26:48.54 ID:kGwWSVEh0
芳乃「そうですねー、大掛かりな打ち上げをするようなことでもありませんがー」

輝子「あと、昨日一生分の餃子臭を嗅いだからな....」

りあむ「そう言わずにさぁ〜、一緒にやろうよぉ〜」

凛「....まあ、せっかくだし行ってみない?」

凛「....一応りあむも役には立ってくれたし」

りあむ「り、凛ちゃぁん!!!」ウルウル

凛「あんまり泣き過ぎると脱水症状起こすよ」

りあむ「顔が良くて優しい....最高か?」ポロポロ

輝子「結局泣くのか....」
813 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:29:56.61 ID:kGwWSVEh0
志希「うんうん〜、楽しそうなハナシしてるねー」ニッコリ

りあむ「ひっ」チョロ

志希「アタシも行きたいな〜、ね?」チラ

りあむ「あ、はい、どうぞ、来てください」チョロチョロ

志希「にゃはは、やった〜」

志希「あ、でもー、私その時予定があるんだったー」

りあむ「へ、へへ....それは、残念」チョロチョロチョロ

志希「代わりに、アタシの部屋に来ない?」ニッコリ

りあむ「や、ぼくは、ちょっと、遠慮をして....」チョロチョロチョロチョロ

志希「ん〜?」ジー

りあむ「行かせてくださいっ!」

志希「おっけ〜、じゃ、明日〜」ヒョコヒョコ
814 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:30:50.55 ID:kGwWSVEh0
ガチャリ

瞳子(JKの姿)「随分にぎやかね?」

りあむ「」ガクガク

りあむ「え?も、戻ってないよ!?」ブルブル

凛「....」

凛「あの、その恰好は....?」

瞳子(JKの姿)「あぁこれ?今日の仕事で使ったのよ」

瞳子(JKの姿)「まさかこの年齢になって着るなんてね....」クスクス

りあむ「なんだぁ〜!安心したよ!!!」

瞳子(JKの姿)「あ、安心?」
815 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:31:42.78 ID:kGwWSVEh0
りあむ「瞳子さんのセーラー服ってぼく、若干トラウマって言うかさ〜」アハハ

りあむ「さっき入って来たときなんて心臓止まりかけたよ〜!」

瞳子(JKの姿)「....」

りあむ「ね?凛ちゃん、芳乃ちゃん、輝子ちゃん!」

りあむ「こうやって見るとね?わかるでしょ?」

りあむ「あの時は分からなかったかもしれないけどさ!改めてみると

凛「り、りあむ....!」

輝子「(私たちを巻き込まないでくれ....!)」

芳乃「....」チラ

芳乃「(あー....)」

りあむ「え?なんでみんな黙るの?ぼく何か変なこと言った?」

トントン

りあむ「?」クル

瞳子(JKの姿)「....」ニッコリ
816 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/02(土) 23:32:10.90 ID:kGwWSVEh0
本日はここまでとさせていただきます
明日の夜に再開します
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/02(土) 23:35:42.36 ID:ZOE3RPWA0
乙乙

溜めが……
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/02(土) 23:40:16.92 ID:C6q82af1O

819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/02(土) 23:40:28.82 ID:kJ65L85So
おつおつ
よいまとめ
明日はりあむの火刑か……
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/02(土) 23:58:22.13 ID:Mk+9QMfl0

ところでスレタイの森久保乃々って誰だっけ?森久保祥太郎の親戚かなにか?
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/03(日) 07:07:45.71 ID:tMC9qYDBo
おつおつ
∀NSWER?あぁあの輝子と美玲のデュエットの…
822 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/03(日) 17:47:21.61 ID:5FspP/4P0
本日夜からの再開予定でしたが、体調を崩してしまいました
予定を変更し、明日夜の再開とさせていただきます
申し訳ありません
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/03(日) 17:55:40.83 ID:+KdfMbu1o
お大事に
時期が時期なのでお気をつけください
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/04(月) 19:53:39.20 ID:z2AFcDNDo
体調崩すと本調子なら感染しない微量のウイルスでも感染したり
既に感染していて免疫機構に抑え込まれていたウイルスが活発化したりする場合があるし
くれぐれも気をつけてくださいねー
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/04(月) 20:03:52.65 ID:es0Y9PJfo
コロナPと呼ぼうか
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/04(月) 20:23:22.41 ID:CnMiwEfS0
不謹慎が過ぎる
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/04(月) 21:57:14.08 ID:+g+L2/TBo
志村けんみたいにコロッと逝っちゃったか
828 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 21:59:20.08 ID:zVvLgkzO0
〜夜〜

りあむ「お疲れ様でした〜!!!」

あかり「(お疲れ?)」

あきら「(お疲れ?)」

ちとせ「かんぱ〜い♪」コン

千夜「かんぱい....!」コツ

りあむ「ほらほら〜たくさんあるからどんどん食べてね〜!」

あかり「す、すごい量ンゴ....」

あきら「りあむサン、加減って知ってます?」

りあむ「?」ポケー

あきら「あぁ、知らないんデスね....」
829 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 21:59:57.24 ID:zVvLgkzO0
ちとせ「いただきまーす」パク

ちとせ「ん〜美味しい♪」

りあむ「えへへ、でしょ〜」

りあむ「美味しい餃子づくりのポイントはぁ」

りあむ「肉を入れ過ぎないこと!大丈夫ってくらいキャベツをたくさん入れた方が美味しいからね!」

りあむ「あと〜、明日のことなんて考えず、ニンニクとニラを入れるのに躊躇しない!」

りあむ「ハッ!?」

ちとせ「?」
830 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:00:24.89 ID:zVvLgkzO0
りあむ「こ、これニンニク一杯入ってるんだけど、だ、大丈夫?」

ちとせ「え?うん」キョトン

りあむ「あ、そっかぁ....」ホッ

あかり「りあむさん〜もうなくなった〜」

りあむ「えもう!?」

千夜「りあむさん、次はまだでしょうか」バクバク

りあむ「あ、千夜ちゃんかぁ....」
831 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:00:53.85 ID:zVvLgkzO0
りあむ「ど、どう....?」

千夜「....?」

千夜「悪くない味ですが」

りあむ「!!!」

りあむ「そ、そっか〜!」

りあむ「うんうん、一緒に餃子を食べた仲!」

りあむ「これでぼくたちも仲良し同期だね〜」

千夜「仲....良し....?」キョトン

りあむ「も〜!それやめてよ!!!」バンバン

千夜「ふふ....」クスリ

ちとせ「....」ニコニコ
832 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:03:21.58 ID:zVvLgkzO0
凪「ふむ....」

颯「なー、どうしたの?」

凪「餃子、それ即ちアイドルの対極に位置する存在」

颯「対極?そもそも比べようがないような....」

凪「つまりこの物体たちは我々の天敵、宿敵、親の仇」

颯「いやいや」

凪「なのになぜか、吸い寄せられてしまう....」

凪「これが、サイキックですか」

颯「ただの匂いでしょ〜」パク

颯「うんうん、美味しい〜」

凪「なるほど....」

凪「本気を見せるときがきましたか」

凪「年に一度のレアイベです、括目して目に焼き付け凝視せよ」パクパク

颯「そこまでレアじゃないでしょ....」
833 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:03:47.32 ID:zVvLgkzO0
輝子「....」モグモグ

輝子「昨日の餃子と比べたら、随分常識的な匂いに収まってるな....」

芳乃「りあむもたまには、有益なものを生み出すのですねー」モグ

りあむ「ちょっと!?まるでぼくが常に非生産的な人間みたいな言い方やめてよ!?」

芳乃「紛れもない真実ではー?」
834 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:04:15.55 ID:zVvLgkzO0
凛「....」モグ

千夜「あの」

凛「?」

千夜「昨日のこと、色々とお尋ねしたいのですが」

凛「....あぁ」チラ

凛「....ちょっと場所変えようか」

千夜「....はい」
835 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:04:47.35 ID:zVvLgkzO0
千夜「....」

凛「かなり大まかにまとめるとこんな感じかな」

千夜「....」

千夜「きっといつもの私ならば、信じることはないでしょう」

千夜「しかし、この身をもって体験したことも含まれている以上」

千夜「....信じざるを得ません」

凛「....」

凛「やっぱり千夜は覚えてるんだね」

千夜「....はい」
836 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:05:55.54 ID:zVvLgkzO0
千夜「今朝、目を覚ました時」

千夜「自然とお嬢様のことを考えていました」

千夜「いつも通り支度をして、お嬢様のお顔を見て」

千夜「それまでの、お嬢様がいらっしゃらなかった時間を」

千夜「そして、それに何の疑問も抱かずのうのうと生活していたことに」

千夜「気が付きました」

凛「....説明した通り、それは千夜のせいじゃ

千夜「私の責任など関係ありませんから」

凛「....」
837 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:07:09.55 ID:zVvLgkzO0
千夜「....お嬢様を救っていただき、ありがとうございます」ペコ

千夜「私では、確実に不可能でした」

千夜「何とお礼を言おうにも、この恩を返すことはできません」

凛「....ううん、全然」

凛「....」

凛「....千夜はさ」

千夜「....?」

凛「....これでよかったと思う?」

千夜「....」

千夜「凛さん、その先に言葉は必要ありません」ニコ

凛「....」

凛「....そうだね、ごめん」

千夜「....いえ」
838 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:09:24.92 ID:zVvLgkzO0
凛「....」スタスタ

芳乃「....」

芳乃「いかがでしたかー?」

凛「....うん、後で話すよ」

芳乃「....」

芳乃「どうぞー」スッ

凛「?」

芳乃「食べましょうー」ニコ

凛「....ありがと」
839 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:10:06.38 ID:zVvLgkzO0
りあむ「りっんっちゃぁ〜ん!」ガバッ

凛「....何」

りあむ「どうどう?ぼくの餃子どう?」

凛「....」

凛「....そこそこ、かな」

りあむ「美味しいってこと!?」

凛「....まあ」

りあむ「」

りあむ「あっ、あっ、あっ、あざす!」

凛「....」
840 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:26:15.69 ID:zVvLgkzO0
凛「そういえば」

凛「柔道をしてる人の耳って潰れるけど」

凛「あれ、餃子耳って言われるよね」

りあむ「え?いきなり何の話?」

凛「いや、りあむって餃子好きだからさ」

凛「今度りあむに餃子じゃなくて耳を食べさせないと」

凛「って思ってたんだよね」

りあむ「え?あ、うん」

凛「食べてみない?」

りあむ「だ、誰の?」

凛「....誰だっけ?」

りあむ「いや知らないよ!?」

凛「....」
841 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:26:41.41 ID:zVvLgkzO0
凛「輝子ー」

輝子「?」

輝子「凛さん、どうした....?」

凛「ちょっとそこに寝転がってくれる?」

輝子「あ、あぁ....」

凛「....」ファサ

凛「これ、耳」

りあむ「知ってる」
842 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:27:11.93 ID:zVvLgkzO0
凛「餃子を食べるときのマナーって何かある?」

りあむ「マナー....?」

りあむ「一口で食べろってのはたまに言われるかなぁ?」

りあむ「でも餃子ってアツアツで食べるし、普通に二口で食べたほうがいいと思うけどね〜」

凛「なるほど」

凛「耳の食べ方に通じるものがあるね」

りあむ「???」
843 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:27:49.00 ID:zVvLgkzO0
輝子「あ、あの、凛さん、何を....?」

凛「....」

凛「よく見てて」

凛「あむ」パクリ

輝子「!?」ビクッ

輝子「凛さん!?」

凛「(まずは輝子の小さな耳を一口に頬張る)」

凛「(そして)」

凛「....」チロ

凛「....」スーッ

輝子「ん................////」ピク
844 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:28:26.31 ID:zVvLgkzO0
『ぁ................////』ピクピク

凛「!!!」ピタ

凛「....」

凛「(....何、今の)」

凛「....」

凛「(ダメだダメだ、目の前のフルコースに集中しないと)」

凛「....」
845 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:28:58.68 ID:zVvLgkzO0
凛「(耳と頭の境目を、上から下になぞるように舌を這わせる)」

凛「(これは食前酒のようなもの)」

凛「(ここから前菜に入っていく)」

凛「....」チロチロ

凛「(耳輪から耳垂へ)」

輝子「っ....////」ビクビク

『んっ....////』モジモジ

凛「....」
846 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:32:04.34 ID:zVvLgkzO0
凛「....」スゥッ

凛「(下まで行ったらさらに内側、舟状窩から上がって三角窩)」

凛「....」ペロ

輝子「やめてっ....凛さん....////」

凛「....」スッスッ

凛「(耳甲介艇を経由して耳甲介腔)」

輝子「おかしくなるっ........////」ハァハァ
847 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:33:55.90 ID:zVvLgkzO0
『ぁぁっ....んん....////』ハァハァ

凛「....」

凛「(....私の知らない誰かが)」

凛「(....耳を舐められて)」

凛「(....よがり声をあげている)」

凛「....」
848 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:34:25.17 ID:zVvLgkzO0
凛「....」

凛「(そして物語はメイン)」

凛「(外耳孔へ)」

凛「....」チュルチュル

凛「....」ニュル

凛「....」グポグポ

凛「(ん〜)」

凛「(最初舌に広がるのはほろ苦さ)」

凛「(でも味わうごとに、それにもいくつか種類があることを知る)」

凛「(そしてそれは、奥へ舌を向かわせるほどに深みを増していくんだ)」
849 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:40:21.88 ID:zVvLgkzO0
『んぃっ』ビクン

凛「....」ピタ

輝子「はぁ....はぁ....」

りあむ「いきなり輝子ちゃんの耳を舐め始めたかと思ったら」

りあむ「今度は突然止まって....」

りあむ「どうしたの?」

凛「....」

凛「(....もう少しで)」

凛「(何かが)」

凛「....」
850 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:40:52.15 ID:zVvLgkzO0
凛「....」ズブブ

凛「....」レロ

輝子「んっ....ふっ....ふっ....////」ジュワ

『んんんんぅぅ............////』ビクビク

凛「(もっと)」

凛「....」チュル

凛「....」チュルチュル

凛「....」チュルチュルチュル

輝子「あ゛っ!!!」ビクン

『き゛ぃ゛っ!!!』ガクガク

凛「(もっと!)」
851 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:41:22.27 ID:zVvLgkzO0
凛「....」カパッ

凛「ふぅ....」チラ

輝子「」ピクピク

りあむ「しょ、輝子ちゃん....?」

凛「....」

『』ピクピク

凛「....?」

凛「この、光景は」

乃々『』ピクピク

凛「....」

凛「....乃々」
852 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/04(月) 22:42:48.84 ID:zVvLgkzO0
本日はここまでとさせていただきます
ラストまで残り数回、もう休みませんのでどうかもう少しだけお付き合いください
明日の夜に再開します
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/04(月) 22:43:32.02 ID:WohW0J4A0
えぇ……
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/04(月) 22:43:44.24 ID:1qZnvI3Bo
おつおつ
耳舐めが伏線になった…だと…っ?
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/04(月) 22:49:42.34 ID:CnMiwEfS0
しょうもない変態行為がまさかの伏線で大草原
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/04(月) 23:05:18.24 ID:P6qddrpi0
こんなことで思い出すなw
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/04(月) 23:05:29.94 ID:OfTn9SSDO
ちなみに耳は性感帯の一部です

おっぱいよりよく効くそうですので、お試しあれ
858 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:11:45.59 ID:cXmDXIGH0
凛「輝子、芳乃」

輝子・芳乃「?」

凛「....ちょっといい」

輝子「ど、どうしたんだ....?」

凛「....私も今思いだしたんだけど」

凛「穴の中に、もう1人取り残されてる」

輝子・芳乃「!?」

輝子「う、嘘だろ....?」
859 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:12:16.24 ID:cXmDXIGH0
輝子「だって、消えてた人たちも元に戻って」

輝子「こうやってみんな、いるはずじゃ....」

芳乃「....」

芳乃「....思いだした、ということは」

凛「....うん」

凛「輝子も芳乃も、みんなも、忘れてる」

芳乃「....」

輝子「そんな....」

凛「....」
860 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:12:42.28 ID:cXmDXIGH0
凛「私は今から、その子を」

凛「....乃々を、助けに行く」

輝子「た、助けに行くって....」

輝子「凛さんも、目の前で見ただろ....?」

輝子「穴の入口は、もう消えてるんだ....」

凛「....うん」

芳乃「....それでも、彼女を助けに行く方法を探すのですねー?」

凛「....」コクリ
861 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:14:19.56 ID:cXmDXIGH0
凛「....今から、あの穴があった現場に行ってみようと思ってる」

凛「....2人にも協力してほしい」

芳乃「もちろんですー」ニコ

輝子「....私も、協力させてほしい」

凛「....ありがとう」

芳乃「大切な人を忘れている」

芳乃「それに気づかないならば、良いのですー」

輝子「でも、気づいてしまったなら」

輝子「取り戻さなきゃ、ダメだ....!」

凛「....」
862 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:15:02.12 ID:cXmDXIGH0
輝子「また夜に、瓦礫の上を進むことになるとはな....」

凛「....」スタスタ

芳乃「....穴が消えた時から閉じ込められているということは」

芳乃「既に10時間以上が経っているのですねー....」

凛「....うん」

輝子「それは、きついな....」
863 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:16:28.13 ID:cXmDXIGH0
凛「あの真っ暗闇の中、1人で過ごすだけでも辛いのに」

凛「乃々はきっと、水も食料も持ってない」

凛「しかも、爆発の影響で穴の中がどうなってるかもわからない」

凛「早くしないと」

輝子「そう、だな....」

芳乃「急ぎましょうー....」

凛「....」ピタ

凛「この辺りだよね」

輝子「穴はなくなったけど、瓦礫がほとんどないのは変わってなくてよかった....」

凛「穴があった場所の周りや、近くの瓦礫の中に何かないかを探そう」

芳乃「手掛かりになるものを見つけましょうー」

凛「うん....!」

手掛かり >>864
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/05(火) 18:17:10.41 ID:c4CyjIxKo
ちとせの匂い
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/05(火) 18:17:44.81 ID:c4CyjIxKo
あ、(まだ新しい)って入れようとしたら途中送信
866 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:36:22.44 ID:cXmDXIGH0
輝子「ハァ....ハァ....」ガシ

輝子「....」ポイ

芳乃「....」チラ

芳乃「ふむー....」

凛「....」スッ

凛「....」ポイッ

輝子「なかなか、見つからないな....」

芳乃「まだまだですー」

凛「....」
867 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:36:52.64 ID:cXmDXIGH0
フワッ

凛「....?」

凛「この匂い....」

輝子「どうしたんだ....?」

凛「何か、匂いがしない?」

芳乃「....」クンクン

芳乃「わたくしには何もー」

輝子「....」クンクン

輝子「私のもちょっと、わからないな....」
868 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:37:31.41 ID:cXmDXIGH0
凛「....美しくも、どこか儚げな匂いがする」

輝子「それは匂いの表現に適してるのか....?」

凛「....そして」

凛「ついさっきまで嗅いでたような気がする」

芳乃「....」

芳乃「美しくて儚く、先ほどまで嗅いでいたのなら」

芳乃「ちとせ、の匂いではないでしょうかー」

凛「それだ!」

輝子「いやなんでわかるんだ....」

芳乃「失せ物探しこそわたくしの真髄ですのでー」
869 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:38:12.56 ID:cXmDXIGH0
輝子「ちとせさんは、まだ穴が解決する前、この辺りを出入りしてたな....」

芳乃「その匂いが残っているのでしょうかー」

輝子「それにしては、時間が経ち過ぎてる気がする....」

凛「いや、この匂いは」

凛「まだ新しい」

輝子「あ、新しいって....」

輝子「ちとせさんが最後にここに来たのは、あの爆弾に想いを込める時じゃないか....?」

凛「....」

凛「とりあえず、この匂いを辿ってみる」

芳乃「それがよいでしょうー」
870 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:39:22.81 ID:cXmDXIGH0
凛「....」クンクン

凛「....」クンクン

輝子「....」

輝子「それにしても、凛さんの鼻、どうなってるんだ....?」

輝子「この瓦礫の山の中で、かなり前の匂いを感じられるなんて....」

芳乃「凛は、美しい女性のこととなると異常な力を発揮するのですー」

輝子「性の化け物じゃないか....」ドンビキ

凛「(集中しろ私....)」クンクン

凛「(土の匂いに混じった、微かな美少女臭を見つけろ....)」クンクン
871 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:39:48.65 ID:cXmDXIGH0
凛「2人とも!」

凛「....これ」

輝子「月明りで、何か光ってる....」

芳乃「瓦礫の下に挟まっているこれは、ちとせの髪の毛でしょうかー」

凛「そうだと思う」

凛「どうしてこれが、こんなところにあるのかはわからないけど」

凛「この瓦礫をどけて、下を確かめてみようと思う」

輝子「でもこれ、結構大きいな....」

凛「お願い」

芳乃「仕方ありませんー」

輝子「やるしかないな....!」
872 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:40:23.19 ID:cXmDXIGH0
凛「いくよ?」

凛「せーの!」

凛「っ....!」ググッ

芳乃「ふっ!」グ

輝子「んんっ!!!」グッ

凛「それっ!」

ゴトッ
873 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:41:26.70 ID:cXmDXIGH0
輝子「なんとか、動いたな....」

芳乃「難敵でしたー....」

凛「....」チラ

凛「!!!」

芳乃「どうしましてー?」

凛「....これ」

輝子「これ、あの時の....」

芳乃「なぜこのようなところにー....」

何があった? >>874
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/05(火) 18:43:14.67 ID:c6SRjOOWo
ナイフと穴と瓦礫に結びついたロープロープ(穴の方に続いてる)
875 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:57:28.38 ID:cXmDXIGH0
輝子「なんで、閉じたはずの穴がこんなところに....」

芳乃「ふむー....」サワサワ

芳乃「わたくしたちが穴に入る時に使っていたロープに間違いありませぬー」

輝子「ご丁寧に滑車までつけっぱなしになってるな....」

輝子「後はナイフ....?」

輝子「物は亜季さんのみたいだけど....」

芳乃「随分と血で汚れておりますねー」

凛「(....そっか)」
876 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:59:01.96 ID:cXmDXIGH0
凛「....」スッ

凛「....」

凛「穴が見つかったなら、やることは1つ」

凛「私がこの中に入る」

芳乃「....」

輝子「大丈夫なのか....?」

芳乃「わたくしも、危険に思えますー」

凛「でもやるしかない」

芳乃「....」
877 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 18:59:33.52 ID:cXmDXIGH0
芳乃「....この穴の動力源は、感情」

芳乃「わたくしたちの経験からして、間違いないでしょうー」

芳乃「....そして」

芳乃「消えたはずの穴が、凛を匂いで呼び寄せた先で」

芳乃「中へ入る準備を整えて待っているー....」

芳乃「凛の強い想いに反応し」

芳乃「待ち構えているのではないでしょうかー....」

凛「....」
878 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 19:00:19.37 ID:cXmDXIGH0
凛「....そんなの私だって」

凛「わかってる」ニコ

芳乃「....」

芳乃「行くのですねー....」

凛「....穴が待ち構えてる?」

凛「望むところだよ」

凛「だってその先で」

凛「乃々が待ってるんだから」ジッ

芳乃「....」
879 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 19:00:56.38 ID:cXmDXIGH0
輝子「だ、だったら私たちも!」

凛「ううん、大丈夫」

凛「もしものことがあった時、世界から消えるのは」

凛「私だけで十分」

輝子「....」

凛「2人はここで待っててほしい」

芳乃「....」コクリ
880 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 19:01:50.22 ID:cXmDXIGH0
凛「....1時間」

凛「私が1時間戻らなかったら、引き上げて」

輝子「....うん」

凛「....」

凛「....行ってくる」

輝子「....」

芳乃「....絶対に」

芳乃「戻ってきなさい!」

輝子「そ、そうだ!約束!」ウンウン

凛「....」

凛「当たり前じゃん」ニッ
881 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 19:03:05.58 ID:cXmDXIGH0
芳乃「....」

輝子「....芳乃さん」

輝子「私たち、これでよかったのかな」

芳乃「....よいはずはないのです」

芳乃「しかし」

芳乃「....辛いことですが」

芳乃「今は、凛を信じるしか」

芳乃「....」グッ

芳乃「....ないのです」

輝子「....」

輝子「凛さん....」
882 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 19:03:37.20 ID:cXmDXIGH0
数時間後に再開します
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/05(火) 19:12:48.43 ID:hgjgPC/A0


しぶわんと蒼クールが両立している…
884 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 20:42:15.18 ID:cXmDXIGH0
凛「....」ズル

凛「....」ズル

凛「(重力の方向が変わってる....)」

凛「(前までは穴の入り口が上で、奥が下だったのに)」

凛「(今は横になってるせいで、這って移動しなきゃいけないなんて....)」

凛「....」

凛「(しかも、穴の中もでこぼこになってるし)」

凛「(明らかに狭くなってる....)」

凛「(爆発の影響なのかな)」

凛「....」
885 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 20:42:40.58 ID:cXmDXIGH0
凛「(当てもなく入ってきちゃったけど、どうしよう)」

凛「(穴のどこに乃々がいるのか、全くわからない....)」

凛「(うーん....)」

凛「....」

凛「(そうだ!)」
886 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 20:43:37.98 ID:cXmDXIGH0
凛「スー....」スゥ

凛「ハー....」ハァ

凛「(研ぎ澄ませ....)」

凛「(全神経を....)」

凛「....」

凛「(私の鼻に集中させるんだ....)」

凛「....」スンスン

凛「(探せ....)」

凛「(ステップ&スキップ....)」

凛「(安心安全のステップ&スキップの香りを!!!)」カッ
887 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 20:44:07.22 ID:cXmDXIGH0
強い光は放てない テンション低め〜♪
今も戸惑い躊躇いを 隠せずにいてごめん〜♪

凛「(来た!)」

凛「(脳内でステップ&スキップが再生されたということは)」

凛「(乃々はこっちにいる!)」

凛「(焦らずに急げ!)」ズルズル

凛「....」スンスン
888 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 20:49:28.27 ID:cXmDXIGH0
でも 好きなものは〜♪
ずっと変わってなくて〜♪

凛「(脳内ステップ&スキップがBメロに移った....)」

凛「(さっきより香りが濃くなってるんだ....)」

凛「....」ズルズル
889 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 20:50:05.41 ID:cXmDXIGH0
ゴツン

凛「!?」

凛「(な、何これ....)」サワサワ

凛「(塞がってる....)」

凛「(曲は....)」

"好き" を貫く強さは〜♪
自信あるかも...〜♪

凛「(サビの直前!)」

凛「(乃々までもうすぐなんだ....!)」
890 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 20:50:44.90 ID:cXmDXIGH0
"好き" を貫く強さは〜♪
自信あるかも...〜♪

凛「(....でも)」

"好き" を貫く強さは〜♪
自信あるかも...〜♪

凛「(ここを通らないと、乃々のところにはいけない....)」

"好き" を貫く強さは〜♪
自信あるかも...〜♪

"好き" を貫く強さは〜♪
自信あるかも...〜♪

"好き" を貫く強さは〜♪
自信あるかも...〜♪

"好き" を貫く強さは〜♪
自信あるかも...〜♪

凛「(曲もループしてるし....)」
891 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 20:53:38.78 ID:cXmDXIGH0
凛「....」

凛「(これが使えればいいんだけど....)」スッ

凛「....」

凛「(このナイフ)」

凛「(穴に通用するかもしれないと思って持ってきたけど)」

凛「(どうなるかなっ!)」ブン

ブシュッ

凛「(刃が....)」

凛「(通る....!)」

凛「....」

凛「待ってて乃々!!!」
892 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:03:18.12 ID:cXmDXIGH0
凛「....」ズル

凛「....」ズル

明日へステップ〜♪
さあ まずは歩こう〜♪

凛「....」ズル

凛「....」ズル

立ち止まったり〜♪
泣いたりして〜♪
893 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:03:49.05 ID:cXmDXIGH0
凛「....」ズル

凛「....乃々」ズル

君へスキップ〜♪
傍に寄り添うための〜♪

凛「乃々」ズル

凛「乃々っ!」ズル

ゴンッ
894 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:06:50.59 ID:cXmDXIGH0
凛「痛った........」

凛「何これ....」

凛「大きな、一枚の板....?」

凛「あ、降りられる」ピョン

凛「何なのこれ....」
895 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:17:34.18 ID:cXmDXIGH0
乃々「....」ボー

凛「....」

乃々「....」ボー

乃々「....」チラ

凛「....」

乃々「....」

乃々「....?」

凛「....乃々」ウルッ

乃々「........................」

乃々「り、凛さん!?」
896 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:18:09.39 ID:cXmDXIGH0
凛「乃々っ!!!」ダッ

凛「もう!やっと見つけた!!!」ギューッ

乃々「どうしてここに!?」

凛「話はあと!」

凛「まずは」スー

乃々「凛さん、くすぐったいです....////」

凛「....」スー

凛「....」スー

凛「....」スー

凛「....」スー

乃々「....」
897 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:18:36.40 ID:cXmDXIGH0
乃々「....あの、いつまでこれを」

凛「....」スー

凛「....」スー

凛「....」スー

凛「....」スー

凛「....」スー

凛「....」スー

凛「....」スー

凛「....」スー
898 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:19:15.84 ID:cXmDXIGH0
凛「やっと残り香じゃない生のステップ&スキップを嗅げたよ」

乃々「....」

乃々「あの、私、1日お風呂に入っていないので、その....」

凛「熟成されたおかげで深みが増してるよ」スー

乃々「....恥ずかしいです」ボソ
899 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:20:13.54 ID:cXmDXIGH0
凛「さて次は」

凛「あむあむ」パクリ

乃々「ちょっ!?」

凛「(耳耳、乃々耳こそ耳中の耳、耳界No.1耳だね耳)」モグモグ

乃々「りっ!凛さん!!!」ジタバタ

凛「....」チロ

凛「....」スーッ

乃々「ぁ................////」ピクピク

凛「(まずは耳と頭の境目を、上から下になぞるように舌を這わせる)」

凛「(これは食前酒のようなもの)」

凛「(ここから前菜に入っていく)」

(省略)
900 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:20:51.47 ID:cXmDXIGH0
乃々「」ビクンビクン

凛「....」

凛「....うっ」ウルッ

凛「やっとっ....乃々に会えたっ....!」ポロ

乃々「その涙は耳舐めの前じゃダメだったんですか....」

凛「耳を舐めたら急にっ....ひぅ....」

凛「実感がぁ....湧いてきちゃった....こ゛め゛ん゛....」グシャグシャ

乃々「....」
901 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:22:09.80 ID:cXmDXIGH0
乃々「....まあ」

乃々「今回は、凛さんも苦労して私の助けに来てくれましたし」

乃々「そのお礼、ということに

凛「そういうことなら二回戦を」グジュルジュルジュッポジュッポ

乃々「凛さんっ!!??!?」
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/05(火) 21:25:54.78 ID:cUK2Bm5DO
900越えてこれかよ!
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/05(火) 21:26:14.35 ID:8hDZA15Zo
変態とシンデレラガールの反復横飛びやめろ
904 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:37:52.66 ID:cXmDXIGH0
凛「私たちと別れた後、何があったの?」

乃々「散々私の耳を弄んでおいてよくその話に入れますね....」

凛「スッキリしたから」

乃々「そうですか....」

乃々「....あの後、ちとせさんを無事送り届けたところまではよかったんです」

乃々「帰ろうとしたら、穴全体が揺れ始めて」

乃々「徐々に崩れ始めました」

乃々「途中までは私も帰ろうと努力していたんですが」

乃々「出口まではとても間に合いそうもなくて....」

凛「....うん」
905 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:38:43.03 ID:cXmDXIGH0
乃々「真っ暗で周りは見えませんでしたけど、もう限界だってことはわかりました」

乃々「....とにかく怖かったんです」

乃々「何かに縋りたかった私は、夢中でリュックを抱きしめました」

乃々「大きな音と共に、周囲が崩れた感覚があったんですが、次第に静かになって」

乃々「目を開けると、私の上にこの天井のような何かが現れていて」

乃々「私を守ってくれていたんです....」

凛「....」

乃々「まだ私は、天に見放されていないんだと」

乃々「諦めちゃダメだと、思いました」

凛「....」
906 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:39:24.85 ID:cXmDXIGH0
凛「....リュックを抱きしめたって言ったよね」

乃々「はい....?」

凛「もしかしたら、あれが反応したのかも」

乃々「あれ?」

凛「2回目の穴突入の時に、ちひろさんの机の中に入ってた石持って行くって言ってたでしょ」

乃々「あぁ、凛さんが300個くら詰め込んでいたあれですか....」

凛「....」

凛「....実は乃々のリュックにも入れてたんだよね」

乃々「!?」
907 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:40:09.14 ID:cXmDXIGH0
乃々「自分で持つって約束したじゃないですか!!!」

凛「いや私も持ってたよ」

凛「ただ乃々のリュックにも300個入れてただけ」

乃々「不自然に重いと思ったらそういうことだったんですか....」

凛「でもさ、きっとあの300個の石が何らかの形で」

凛「この天井になってくれたんだよ」ニコ

乃々「....」

乃々「....そう、ですね」

乃々「....」

乃々「....物凄く結果論じゃないですか!」

凛「てへ」
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/05(火) 21:50:46.63 ID:zSEc6Cxd0
天井(物理)は流石に草
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/05(火) 21:55:47.59 ID:8hDZA15Zo
あ〜
あー!
そういうことかぁ!
910 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:58:02.46 ID:cXmDXIGH0
凛「というかさ」

凛「私、乃々はもっと弱ってると思ってたけど」

凛「思ったより元気そうだね」

乃々「あ、はい、食べ物も飲み物もあったのでなんとか....」

凛「そんなの持ってたの?」

乃々「いえ、手に入ったのは偶然なんですけど....」

乃々「穴の崩壊から身を守った後」

乃々「天井が光っているおかげで、この辺りは視界が通ることに気付いたので」

乃々「うろうろしていたら、これが落ちてまして....」スッ
911 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 21:59:44.18 ID:cXmDXIGH0
凛「....キノコ?」

乃々「おそらく....」

凛「結構大きいね」

凛「でも、そんなの食べて大丈夫なの?」

乃々「鉢植えに入っていたので、誰かが育てていた物なのかなと....」

凛「だからって安全とは限らないでしょ....」

凛「それに、ここって火ないよね?生食は心配だよ....」

乃々「お腹が空いてしまったので....」

凛「たまにアクティブだよね、乃々」
912 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 22:00:43.94 ID:cXmDXIGH0
乃々「水、というか水分なんですけど....」

乃々「そこの端の方に、液体が溜まっていまして....」

凛「....」

凛「の、飲んだの....?」

乃々「水分の不足は命にかかわりますから、やむを得なく....」

凛「....大丈夫なのそれ」

乃々「色は若干黄色でした、臭いは少し独特のものがありましたね....」

乃々「味はほとんどありませんでした....」

乃々「今のところ体調に問題はないので、きっと無害な液体だったんだと思います....」

凛「一体何飲んだの....」

乃々「さぁ....」
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/05(火) 22:00:58.26 ID:8fduUT/Io
ほとんどのキノコ(普通に販売されているものを含む)は生食ヤバイです。良い子は真似しないでね
914 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 22:06:29.59 ID:cXmDXIGH0
乃々「でも、一番私の支えになったのは」

乃々「....凛さんです」ニコ

凛「....そんな」

凛「私なんて、乃々のこと忘れてたんだよ?」

凛「きっかけがなかったら、忘れたままだったかもしれない」

乃々「それは、仕方ないですよ」

凛「....仕方なくなんかないよ!」

乃々「....凛さん」

凛「....」

凛「結局、こんなところに乃々を何時間も待たせて」

乃々「それでも凛さんは、約束を守ってくれました」

凛「....約束?」
915 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 22:07:43.26 ID:cXmDXIGH0
乃々「『何があっても私は、乃々を守るよ 』って」

乃々「あの言葉があったから、私は」

乃々「この暗闇の中で、足掻こうと思いました」ニコ

凛「....」

凛「....言ったっけそんなこと?」

乃々「ひ、酷い!」

凛「だって、私が乃々を守るなんて当たり前のことだし」

乃々「....そうやって誤魔化して、ズルいですよ」プイ

凛「ごめんごめん」アハハ
916 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 22:11:15.00 ID:cXmDXIGH0
凛「....そろそろ帰ろっか」

凛「上で輝子と芳乃が待ってる」

乃々「....そうですね」

乃々「ここも、いつまで持つかわかりませんし....」

乃々「....」

凛「どうかした?」

乃々「....いえ」
917 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 22:11:52.92 ID:cXmDXIGH0
乃々「あんなに心細かった穴の中も」

乃々「凛さんが来たら、むしろ楽しいくらいで....」ポロッ

乃々「っ....」ポロポロ

乃々「....凛さん」ギュッ

凛「....」

乃々「来てくれて」ポロポロ

乃々「私を思いだしてくれてっ....ありがとうございますっ....」クシャクシャ

凛「....」

凛「....」ギュッ
918 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 22:18:39.72 ID:cXmDXIGH0
乃々「....」ズル

凛「....」ズル

乃々「....」ズル

乃々「まさか、穴の重力の方向まで変わっているなんて....」

凛「本当、この穴のことは結局最後までわからなかったね」

乃々「あまりわかりたくもないですけど....」

凛「確かに」フフッ

乃々「....」
919 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 22:19:13.58 ID:cXmDXIGH0
乃々「....凛さん」

凛「何?」

乃々「もう1つの約束、覚えてますか....?」

凛「....」

凛「....?」キョトン

乃々「こっちも忘れているんですか!?」プンスカ

乃々「私ばっかり期待させられてます....」ボソ

凛「....」

凛「....その話は、無事帰り着いてからでも」

凛「遅くはないでしょ」

乃々「!」
920 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 22:20:19.54 ID:cXmDXIGH0
乃々「やっぱり覚えて

凛「見えてきた」

乃々「....光!」

凛「....よいしょ」

凛「はい」スッ

凛「つかまって」ニコ

乃々「....」

乃々「....」グイ

乃々「....」

凛「おかえり、乃々」
921 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/05(火) 22:22:04.57 ID:cXmDXIGH0
本日はここまでとさせていただきます
明日、少しだけエピローグを書いて終了になります
よろしくお願いします
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/05(火) 22:22:48.69 ID:iuK4Z8pro
ちとせの残り香があったのは未回収?
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/05(火) 22:25:22.27 ID:UXfuirVE0
おつ。回収されるかなぁ
(みんながちとせを忘れるENDだったりして)
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/05(火) 23:16:48.39 ID:8hDZA15Zo
おつおつ
925 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 21:59:51.45 ID:RD9Cj+ll0
乃々「....」

乃々「....あの」

凛「?」

乃々「....なぜ私は、昨日の今日でドレスを着ているのでしょうか」

凛「ドレスじゃないよ、ウエディングドレス」

乃々「別にどちらでもいいんですけど....」

凛「よくないよ!ただのドレスとウエディングドレスは全く違うから!!!」バーン

乃々「は、はぁ....」
926 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:00:30.55 ID:RD9Cj+ll0
乃々「というか、急だったのにこんな立派なドレスどうやって....」

凛「何のためにアイドルやって来たと思ってるの?」

凛「こういう時のためだよ」ニコ

乃々「それに、こんなに大きな教会を貸し切って....」

凛「何のためにアイドルやって来たと思ってるの?」

凛「こういう時のためだよ」ニコ

乃々「それはもういいですから....」
927 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:01:03.70 ID:RD9Cj+ll0
乃々「そもそも、今これを着てもただのコスプレでは....」

凛「乃々が言ったんでしょ!」

凛「『凛さん....結婚したくてしたくて仕方ないので結婚してください....』」

乃々「全くもってこれっぽっちも言ってません....」

乃々「....私は、凛さんが言っていたことを思いだしたので」

乃々「ちょっとした冗談のつもりで....」

凛「乃々は私と結婚したくないの?」

乃々「....したくないというか、その」

乃々「日本でそれは無理じゃないですか....」

凛「知ってる」
928 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:01:42.31 ID:RD9Cj+ll0
凛「だから今は、これで我慢して欲しい」

乃々「....今は?」

凛「私が戸籍法を変える」

乃々「えぇ....」

凛「ついでに憲法も変える」

乃々「そんなことどうやって....」

凛「私たちは世界を救ったんだから、このくらい簡単だよ」グッ

乃々「....」

乃々「....そうかもしれません」フフッ

凛「さ、行こうか」スッ

乃々「....」ギュッ

乃々「....はい」ニコ
929 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:02:09.93 ID:RD9Cj+ll0
輝子「....」

芳乃「....」

輝子「どうして、私たちだけここにいるんだろう....」

輝子「結婚式をするなら、みんなも呼べばいいのに....」

芳乃「本番は後々行うので、今はわたくしたちだけでいいそうですよー」

輝子「そ、そうか....」

輝子「....」
930 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:02:45.88 ID:RD9Cj+ll0
輝子「いやそれなら今やる必要はあるのか...?」

輝子「ボノノちゃんと凛さんが帰ってきてから、まだ1日も経ってないんだぞ....」

芳乃「それだけ、2人の心を突き動かす何かがあったのでしょうかー」

輝子「主に凛さんだと思うけどな....」

輝子「そもそも凛さん、まともに寝てるのか....?」

芳乃「帰ってきた後から今までずっと、この式の準備に走り回っていましたねー」

輝子「昨日だって、そんなに寝てなかったはずなのにどうなってるんだ....」

芳乃「これが本気、というものなのでしょうー」

輝子「さすが一流アイドルだな....」
931 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:03:16.02 ID:RD9Cj+ll0
芳乃「....そういえば、輝子が神父役なのですねー?」

輝子「芳乃さんが拒否したからこうなったんだ....」

芳乃「わたくし、異国の文化には疎いのでしてー」

輝子「私だって、別に詳しくないんだが....」

芳乃「今回は形だけですから、問題ないのではー」

輝子「そういうものなのかな....」
932 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:03:44.06 ID:RD9Cj+ll0
ガチャリ

輝子「あ、来た来た....」

芳乃「新婦が新婦の手を引いて、共に出てくるのはなんとも不思議な姿ですねー」

輝子「普通は別々に出てくるんだけどな....」

凛「....」

乃々「....」

芳乃「お2人とも、とても綺麗ですー」

輝子「凛さん、一流のメイクさんとかスタイリストさんを連れてきてたからな....」

輝子「どうやったらあんなことが出来るんだ....」

芳乃「それが愛というものですー」ニコニコ
933 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:04:13.15 ID:RD9Cj+ll0
輝子「....」

輝子「....結局、あの穴はどうなったのかな」

芳乃「....」

芳乃「どうなったも何も、あの後すぐに消えてしまったではないですかー」

輝子「....うん」

芳乃「....」
934 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:06:56.78 ID:RD9Cj+ll0
芳乃「....一度消えた後に再度現れ、匂いによって凛にその存在を示し」

芳乃「穴への突入へと導いたのは」

芳乃「乃々だけではなく凛も、道連れにしようとしたのかもしれませんー....」

輝子「2人が戻ってきたのも間一髪だったしな....」

輝子「....」

輝子「穴は、残された最後の力を振り絞ってまで」

輝子「1人でも多くの人間を、食らおうとしたのかな....」

芳乃「....」
935 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:07:35.45 ID:RD9Cj+ll0
輝子「一体何がそこまで、あの穴にそこまでさせるんだろう....」

芳乃「....」

芳乃「....わたくしたちには、その謎を解くのはまだ早すぎるのかもしれませんー」

輝子「....いくら時間が経っても、解ける気はしないけどな」

芳乃「....」

凛「輝子ー!」

輝子「あ、呼ばれてる」

芳乃「神父役、頑張るのでしてー」フリフリ

輝子「不安だ....」
936 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:08:03.44 ID:RD9Cj+ll0
乃々「輝子ちゃんがやるんですね....」

輝子「ごめんな、私なんかで....」

乃々「いえ、むしろ本物の外国の方より緊張しないので安心です....」

輝子「そ、そうか....」

凛「じゃ、打ち合わせ通りに」

輝子「ああ....」

輝子「えーっと」
937 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:08:38.89 ID:RD9Cj+ll0
輝子「それでは、指輪の交換を」

乃々「いきなりですか!?」

乃々「もっとこう、色々あるじゃないですか!」

凛「いいのいいの、どうせ本番は後からやるんだし」

凛「今日は気分だけ、ね?」

乃々「その割には色々と本格的な部分も多くないですか....」

凛「はいこれ」スッ

乃々「....」

乃々「////」

凛「かわいい」

乃々「や、やめてください....////」
938 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:09:09.33 ID:RD9Cj+ll0
凛「次、乃々の番だよ」

乃々「はい....」

乃々「....」スッ

凛「....ありがと」ニコッ

乃々「いえ....////」

輝子「....」

輝子「あの、2人とも....」

乃々・凛「?」
939 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:09:53.71 ID:RD9Cj+ll0
輝子「凛さんの指輪に通した指、どこにいったんだ?」

凛「どこって、私指詰めてないんだからここに」スカッ

凛「....」

凛「....ない」

乃々「!?!!?!!??!?!?!?」

乃々「えっ!?凛さんの指がいつの間にか切断されてしまったんですか!?」

凛「いや別に痛くはないしなあ」スポッ

凛「ほら、指輪外したらちゃんとあるよ」

乃々「えぇ...?」

輝子「....」
940 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:10:30.23 ID:RD9Cj+ll0
輝子「....それもしかして、指輪の中にあの穴がまた現れ

凛「輝子、続けて?」

輝子「え」

乃々「続けるんですか!?」

輝子「いやでも、またあの穴が現れたなら早く

凛「続けて?」ニッコリ

芳乃「続けるのでしてー」

輝子「(野次を飛ばすな)」

輝子「....」
941 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:11:16.46 ID:RD9Cj+ll0
輝子「....誓いのキスを」

乃々「輝子ちゃん!?」

凛「穴のことはほんっっっのちょっぴりだけ気になるけど」

凛「神父さんもこう言ってることだし」

乃々「神父さんも何もこの人ただの輝子ちゃんじゃないですか!?」

凛「誓いのキスが嫌なら誓いの耳舐めにする?」

乃々「それは絶対に嫌です!」

凛「またまたー、乃々もちょっと癖になってきたんじゃないの?」

乃々「そんなことは....ない....と思いますけど....」
942 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:12:24.90 ID:RD9Cj+ll0
凛「はいはい」スッ

乃々「っ....////」

凛「やっとベール越しじゃない顔が見られた」クスッ

凛「うん、やっぱりかわいい」

乃々「////」

乃々「....」

乃々「....どうぞ」

凛「....」

凛「いただきます」

輝子「キスの前に言う言葉じゃないだろ....」
943 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:13:10.85 ID:RD9Cj+ll0
凛「さてと」ツヤツヤ

凛「満足した?」

乃々「凛さんには負けますけど....」

乃々「満足は、はい、とても....////」

凛「よしよし」

輝子「....」

輝子「私たちは一体何を見せられているんだ....?」

芳乃「それはー....」

芳乃「....」

芳乃「愛、でしてー」

輝子「どうせ見るなら、もっとちゃんとした愛を見たいような....」
944 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:13:40.99 ID:RD9Cj+ll0
凛「で、これなんだけど」スッ

芳乃「おー」

輝子「これは間違いなく....」

乃々「穴ですね....」

凛「指輪の中に開くなんて、器用だなー」

芳乃「どうするんでしてー?」

輝子「せっかく終わったと思ったのに....」

乃々「仕方ないですよ、穴ですから....」

凛「まあまあ」

凛「また消しちゃえばいいだけの話だし」

乃々「簡単に言いますね....」
945 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:14:27.28 ID:RD9Cj+ll0
凛「とりあえずこの指輪潰すか」

乃々「凛さん!?」

輝子「あ、これ結婚式に水差されて内心キレてるやつだな....」

芳乃「穏やかではありませんねー」ニコニコ

凛「穴....覚悟しておいて....」

凛「私と乃々の式を邪魔しておいて、タダでは帰さないよ....」

凛「ここからが本当の始まりだから....」

乃々「....」

乃々「もうこりごりなんですけど....」

【完】
946 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/05/06(水) 22:15:43.68 ID:RD9Cj+ll0
最後までお付き合いいただきありがとうございました

ただの一発ネタのはずがあわや1000レス、こんなに長くなってしまうとは驚きです
モバマスの安価スレは最近ほぼないと聞いていたので、心配していましたが
皆様のおかげで、非常に楽しい作品に仕上がったと思います
楽しかったので、近いうちにまた安価スレをやりたいです

20日間以上に渡ってほぼ毎日、このような酷い作品に参加してくださった皆様に心よりの感謝を申し上げます
本当にありがとうございました

このSSが読者の方の人生の糧に少しでもなれば幸いです
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/06(水) 22:19:03.25 ID:HK7lodtA0
乙乙

てっきりシュタゲみたいな展開をするのかと
結構あとのほうまで思ってた
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/06(水) 22:20:49.94 ID:SWThS0zF0
おつ、わかる
ちとせあたりが過去改変しそうに思ってた
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/06(水) 22:36:04.68 ID:yDbYPz9f0
あのとっちらかった安価をよくもまぁまとめたもんだよホントに
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/06(水) 22:59:40.96 ID:o2OnGmiiO

収拾つくか心配だったけど良く頑張ってまとめきった
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/06(水) 23:17:13.17 ID:o08rZSMVo
おつおつ
いやよくおまとめになられました…
楽しかったです!
ありがとう!
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/07(木) 00:05:15.38 ID:lnyFGpjU0

穴とはなんだったのか
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/07(木) 00:49:43.82 ID:35InFV8D0


あんなにとっ散らかってたのに1スレで纏め上げるとは・・・
最後に輝子の落としモノを乃々が腹に収めたのは笑った
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/11(月) 06:52:24.28 ID:qRtGSEPCo
無事完結してたのかおつおつ
実はちとせお嬢にも穴での体験の記憶残ってたりするのかな…
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