このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください
【シンフォギア】少女「転生したから安価とコンマで月を破壊する」 女神「MDR」
- 538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/01(火) 02:58:04.75 ID:24I1OcdM0
- はい
- 539 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/01(火) 03:24:46.69 ID:Erk0b6UK0
- 響(タギツヒメ)「ふっ...さぁ、もっと我を高みに...うん?」
何だ、急に感覚が...
響(タギツヒメ)「何故だ、我を分断した時にも、あの鏡の光を浴びた時にも感じなかった...これほどの喪失感はッ」
馬鹿な
馬鹿な馬鹿な馬鹿なッ!
我が力を得ているのではない
我が我自身を奪われている、だと!?
響(タギツヒメ)「我を吸い付くそうというのかっ!荒魂、ノロ、穢れとしてすらでもなく!ただのエネルギーとしてッ!」
咄嗟に腕輪を外そうとする
が、外れない
なおも腕輪は我を変換し吸収し続けている
これでは本当に
響(タギツヒメ)「あり得ぬ!認めぬ!こんな、こんなっ!」
こんな...あぁ、だが、しかし
今が頃合であったのか
ならば、小烏の娘に討たれた時に、終わっておけばマシであった
響(タギツヒメ)「これで、幕引きか...」
☆☆☆
で〜れれ〜で〜でん!
☆☆☆
未来「響っ!!!」
翠「響さん!」
タギツヒメを追い先に元の世界に戻った私は、事情を知り飛び出した未来さんを追う形になりながらも腕輪が保管されている場所までやってきました
友奈(赤嶺)「結城ちゃん...じゃ、ないけど、これは...」
マリア「どうなったの!」
後から追いついてきたのは赤嶺ちゃんやマリアさん
私達が見たものは
コンマ下
奇数 倒れてる響さん
偶数 立ってる響さん
- 540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/01(火) 03:27:58.94 ID:ovJy+jTEO
- どうなる
- 541 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/01(火) 04:04:49.05 ID:Erk0b6UK0
- 未来「響...?」
響(???)「...遺憾である」
そこに立っているのは確かに響さん
ですが、髪はタギツヒメに乗っ取られていたさっきとは違い正常で、瞳はむしろ紅く染まり
響(???)「我が名はシェム・ハ...人が仰ぎ見るこの星の神が、我と覚えよ」
そしてその右腕には、金に輝く腕輪が嵌められていました
どう動く?安価下
(現段階では腕輪を外せさえすればまだシェム・ハさんを引っぺがせるものとします(友奈ちゃんボーナス))
- 542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/01(火) 04:11:08.23 ID:24I1OcdM0
- 赤嶺ちゃん、最悪の展開になったと呟く
「兎に角、腕輪を響さんから離さないと…まずは交渉とかどうかな?」
- 543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/01(火) 13:03:37.62 ID:CvSCGaIjO
- シェム・ハの気を感じ取ったフィーネが念話で今すぐ私に交代しろと語りかけてくる
一方、きりしら2号が司令室の部屋の隅に縮こまり、それを見たエルフナインが嫌な予感を覚えていた
- 544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/02(水) 00:38:57.39 ID:0fdpo5x0O
- 本編と違って別の物をエネルギーにしたり憑依したビッキーがバテてる影響で力を出せないみたいので今のうちに策を練る
- 545 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/03(木) 04:17:29.62 ID:E4lGhPNo0
- 友奈(赤嶺)「最悪の展開になった...」
そう呟き、赤嶺ちゃんは唇を噛みます
翠「それって...」
響さんは今、確かに自身を「シェム・ハ」と名乗りました
タギツヒメではなく
そして赤嶺ちゃんの言う最悪の展開...つまり、目の前に立っている響さんはやはり
翠「腕輪の中にいた、神様」
一難去ってまた一難
むしろもう四難か五難くらい続いてる気もしますが
☆☆☆
で〜れれ〜で〜でん!
☆☆☆
弦十郎「シェム・ハ...だとぉ!?」
モニターに映し出されたシェム・ハの腕輪の保管部屋での光景と音声に弦十郎さんが驚愕の声を上げました
かく言うボクも、響さんが次々と様子を変えていたのもありその目まぐるしい展開に状況を整理するのが大変です
エルフナイン「腕輪の起動、封印された神の目覚め...こんな時キャロルなら...!」
頼ってはいけない、ボクなりにどうするべきか考えなきゃ
そうわかっていても、つい弱音を吐いてしまいそうになります
ふと、視界の端に何か震えているものが映りました
エルフナイン「2号さん...?」
それは、司令室の隅で縮こまっている1匹の子猫
皆さんが切歌さんや調さんの名前の後に『2号』を付けて呼ぶ、決まった名前を持たない子猫です
しかし2号さんのあんな怯えるような姿、初めて見ました
エルフナイン「一体、これからどうなってしまうんでしょうか」
野生の勘、というものを聞いたことがあります
2号さんもまた動物特有の感覚で何かを感じ取っているのかも
とても、嫌な予感がしてしまいます
エルフナイン「...それでも、だとしても、ボクはボクに出来ることを!」
- 546 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/03(木) 04:40:39.72 ID:E4lGhPNo0
- ☆☆☆
で〜れれ〜で〜でん!
☆☆☆
友奈(赤嶺)「とにかく、腕輪を響さんから離さないと...まずは交渉とかどうかな?」
こっそりと話すように小声でそう提案してきた赤嶺ちゃんですが、神様相手の穏便な交渉なんてやったこと...女神様やネロさんや園子ちゃんを仲介役にした神樹様くらいしか...意外とある気がしてきました
翠「で、でも、響さんから出てくださいって言って聞いてくれますかね」
フィーネ 《翠、今すぐ私と代りなさい》
翠「っ!?」
その時、突然フィーネさんが念話を送ってきました
それもかなり真剣な声色で、どこか焦ったような感じで
フィーネ 《気を感じ取ったのよ、恐らくこれは彼女の...あのお方が命をかけて封じ込めてくださったのに、私があのお方を信じる事が出来なかったから...》
翠《フィーネさん?...もしかしなくても、シェム・ハさんと名乗ってる神様は知り合いなんですか?》
フィーネ《一応ね、ここは私に任せなさい》
安価下1
1 憑依形態(翠ちゃんの身体はそのままで中身フィーネさん(ギアが纏えます))
2 手甲装着形態(身体もフィーネさんに変化(ネフシュタンの鎧のみ纏えます))
どんな交渉や策?安価下2以降
(XDにある4.5のフィーネさんとあのお方のやり取りやXVもうすぐー!な某イラストを参考に、フィーネさんとシェム・ハさんもタメ口で話せる程度の距離感とします)
- 547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/03(木) 09:20:21.14 ID:rVcVN39+0
- 1
イミテーターでネフシュタンにもチェンジ出来るよね?
- 548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/03(木) 11:54:38.64 ID:pqcAzVKuO
- フィーネだと気付いたししょーが《交戦だけはするな》と通信で伝えてくる
まずは月が壊れている事、いまの自分はフィーネである事を話した後にユグドラシルシステムを使う必要はないと停戦を持ちかけよう
(可能ならフェイゾン汚染のようにエネルギーに変換した荒魂の影響でシェム・ハが苦しむ展開とか見てみたい)
- 549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/03(木) 23:29:28.14 ID:Fq2qSlw7O
- 赤嶺ちゃん「今の状況は造反神にも伝わってる筈だから何とか時間を稼がないと…封印の儀とコピーverのガングニールは本当の最後の手段として取っておいて?」
- 550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 00:39:13.99 ID:kX7z5/jJ0
- 安価間に合うなら
人にチャンスをあげてほしいと対話を試みる
- 551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 21:21:49.83 ID:kX7z5/jJ0
- このタイミングでキャロル(とその父イザーク)の助けが入る展開見てみたいけど難しいか
- 552 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/06(日) 01:51:45.52 ID:HeSVOMKa0
- シェム・ハさんについて何一つ知らない私より、一応と念押しはしても知り合いというフィーネさんの方が交渉には向いているはず
なら、ここは任せる事にしましょう
友奈(赤嶺)「今の状況は造反神にも伝わってるはずだから何とか時間を稼がないと...翠さん、封印の儀とコピーverのガングニールは本当の最後の手段として取っておいて?」
翠「わかってます、そしてちょっとここから交代するので、驚かないでくださいね」
友奈(赤嶺)「...へ?交代?」
未来さんとマリアさんには...まぁ察してもらえるでしょう
というか未来さんがそろそろ危なそう、暴走しないか心配です
フィーネ 《いざとなったら軽く眠らせるわよ》
翠《よろしくお願いします》
私は念話もそこそこに、降臨し憑依したフィーネさんと意識を交代しました
・・・
深層世界
若葉ちゃん達がいる方とは別の、翔子さん達がいた方...もっとも今は『翠』と別々の身体になり翔子さん達は『翠』の方に憑いている為無人となっていますが...に移った私は、そこから外の様子を見ていました
響(シェム・ハ)『ふむ、悪くない心地だ...』
未来『...から』
響(シェム・ハ)『うん?』
未来『響から...出てってぇッ!!!!』
いきなり最速で最短で真っ直ぐに一直線にビーム!穏便のおの字もない!
シェム・ハさんはその神獣鏡のビームを金色の光のバリアのようなもので防ぎ、同じ色の玉を弾にしてお返しとばかりに未来さんに放ってきました
翠(フィーネ)『ふっ...!』
『ASGARD』
幸いフィーネさんの十八番の防御シールド、桃色のハニカム構造によって出来たそれが未来さんを守り難を逃れましたが
翠「響さん、どうか早く戻ってきてください...!」
- 553 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/06(日) 01:52:36.31 ID:HeSVOMKa0
- ☆☆☆
で〜れれ〜で〜でん!
☆☆☆
翠(フィーネ)「未来ちゃん、下がりなさい」
未来「えっ...」
危なかったわ...この子の響ちゃんを想う気持ちを考えれば不思議はないけれど、今回は相手が悪過ぎる
響(シェム・ハ)「ほう...その瞳」
今の攻撃の威力...依り代となっている響ちゃんが疲れ切っているというのもあるでしょうけど、恐らくそれだけじゃないわね
弦十郎『了子くん、か』
翠(フィーネ)「気付くのが早いわね、と言ってもヒントがあったし簡単だったかしら」
弦十郎『無くても気付いたさ...それよりも了子くん、くれぐれも交戦だけはするな』
翠(フィーネ)「難しいことを言ってくれるわね...まぁ私も出来ることなら避けたい相手よ」
弦十郎くんからの通信を適当に返しつつ、決して目の前の彼女から視線を外さないように注視し続けた
彼女...シェム・ハはこちらを観察、否、値踏みをするかのように頭の天辺から足の先まで見てくる
響(シェム・ハ)「貴様、誰かと思えばフィーネか」
翠(フィーネ)「久しいわね、シェム・ハ」
隠す事もない、というより、隠せるはずもない
私は素直に正体を明かす
私の返事を聞き彼女は僅かに笑った
響(シェム・ハ)「まさか今日まで生き永らえたのか?いや魂を変質させたか、何れにせよ善きかな、目覚めたところで道具風情ばかりで詰まらぬだろうと思っていたが...そうか貴様がいたか...」
翠(フィーネ)「あら、再開を喜んでもらえるなんて嬉しいわ」
響(シェム・ハ)「思い上がるでない、所詮貴様と言えど懐かしさに頬が緩む程度の事」
いつぶりだろうか、平然を装いつつもこんなに緊張し恐怖するのは
確かに知り合いではある、けれど当時の頃も神である彼女に対し私は単なる巫女...それこそあのお方のように人間にも優しく接してくれる神以外は皆、私達を道具としてしか見ていないだろう
道具、あるいは実験動物、あるいは観察対象、そんなところね
- 554 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/06(日) 01:53:21.42 ID:HeSVOMKa0
- マリア「フィーネ、これはどういうことなのかしら」
マリアちゃんが小声で話しかけてくる
けれど下手に動いてもらおうとすればシェム・ハの機嫌を損ねかねない
翠(フィーネ)「黙って見てなさい、いざとなったら未来ちゃんとそこの娘のこと頼むわよ」
響(シェム・ハ)「何をこそこそと話している」
翠(フィーネ)「何でもないわ」
響(シェム・ハ)「ふん...してフィーネ、貴様は如何なる理由を以ってして我の前に立つ」
翠(フィーネ)「...少なくとも交流する意思は持ち合わせていないわ」
響(シェム・ハ)「だが我との再会を憂う貴様ではあるまい?」
彼女の目がスッと細くなる
試されているのかしら
えぇ、元々の仲も特に良好というわけでもなければ、むしろ彼女の存在は私にとって仇のようなもの
もっとも仇であるという事実はあのお方から聞くまで...ついこの間まで知らなかったし、結果的にあのお方が勝っていたのだからその点で考えれば仇ですらないけれど
シェム・ハはそのことを知らない...私が彼女とあのお方の戦いのことを知っていると仮定すれば私が敵になることは容易に想像出来るでしょうし、事実それは正解
けれどそれを悟られれば私に勝ち目はほぼない
- 555 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/06(日) 01:53:52.67 ID:HeSVOMKa0
- 響(シェム・ハ)「答えられぬか、よもや貴様は我の気に触れるほどの鈍つくではないと思っていたが...いや、我に凶祓いの煌めきを向けた其奴を庇う時点で察して余りあるべきであったな」
翠(フィーネ)「ッ...!」
シェム・ハは逆転させた星と円を合わせたような陣を描きこちらに向けてきた
アレは不味い、あのお方が言っていたものは恐らくアレのことだもの!交戦はするなと言われたけれど不可抗力よっ!
咄嗟に再び『ASGARD』を使おうと構え
響(フィーネ)「うッ...くっ...」
しかしその陣は行使されることはなく、シェム・ハが苦しそうに顔を歪めるばかり
未来「響っ!」
マリア「貴女も落ち着きなさいッ!」
翠(フィーネ)「やはり...」
思った通り、今の彼女は完全には力を行使出来ていない
それは恐らく響ちゃんの体力の問題だけじゃないわ
友奈(赤嶺)「まさか、神殺しの力で?」
翠(フィーネ)「いいえ、あれはただ腹を下しただけよ、意思を持つ穢れなんてものを飲み込んだんだもの」
不調の原因は目覚め...あの腕輪の起動に荒魂とか呼ばれている穢れを利用したこと
目覚めた後の彼女ならどんなものでも自分にとって扱い易いエネルギーに変換出来てしまうでしょうが、自身の目覚めの為に使うとなれば話は別、対処にも少しは苦戦するはずよ
だから彼女をどうにかするチャンスは今しかないわ
- 556 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/06(日) 01:54:22.78 ID:HeSVOMKa0
- 響(シェム・ハ)「まぁ良い...あとは忌々しき月の、バラルの呪詛を...」
翠(フィーネ)「ッ!ま、待ちなさいシェム・ハ!」
彼女が天井を...その先にある月を見上げた時、私は咄嗟に呼び止めた
呼び止めたはいいけれどどうする...いいえ、ここは畳み掛けてこちらのペースに乗せるしかない
翠(フィーネ)「月の遺跡、バラルの呪詛を破壊し統一言語を取り戻す...その為にシェム・ハ、貴女は世界樹を使おうとしている...そうよね?」
遠い昔、まだ私がただの巫女だった頃、まだあのお方とも彼女とも交流があった時代の記憶を手繰り寄せ、彼女がやりそうなことを思い出す
他の面々は聞き覚えのない単語に訝しげな表情を浮かべるが説明は後にさせてほしいわね
響(シェム・ハ)「よく覚えているものだ...それで、だとしたらどうする?」
翠(フィーネ)「さっきも言ったはずよ、交戦する意思は持ち合わせていない...聞いてシェム・ハ、もうすでに月は砕け遺跡は崩れ落ちているの」
響(シェム・ハ)「!」
シェム・ハは目を見開いた
私の言ったことはそれほどまでに衝撃だったのだろう
翠(フィーネ)「だから世界樹を、ユグドラシルシステムを使う必要はない...争う必要もない...お願いシェム・ハ、ここは私達人間を信じてほしいの、人間にチャンスを...」
コンマ下
奇数 もう少し話す
偶数 もう話すことはない
- 557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 01:58:30.86 ID:8KqTD0AR0
- はい
- 558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 02:17:43.91 ID:8KqTD0AR0
- 奇数が恋しくなってきた
- 559 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/06(日) 03:40:02.33 ID:HeSVOMKa0
- 響(シェム・ハ)「ふっ...ふふふっ...」
翠(フィーネ)「っ!?」
ここに来て場にも柄にも合わぬ笑い...だと
シェム・ハは先史文明期にも見せた事もないような思わずと言った吹き出し笑いを繰り返した後、もはや歓喜を隠さぬ様子で仰々しく腕を広げた
響(シェム・ハ)「驚愕だ、だが万謝するぞ人間、いや...あるいはフィーネ、貴様に、か?」
翠(フィーネ)「!」
響(シェム・ハ)「我の居ぬ間に忌々しきは全て塵芥に...中々に気の利いた出迎えだ...あぁならばこそ!かつて見た夢を今一度ッ!!!」
シェム・ハの、夢...?
いえ、それより
翠(フィーネ)「貴女達!今尚異なる次元と繋がっているのだろう!跳ぶぞっ!」
シェム・ハという存在が最後に行き着いたもの、それが今発揮されようとしているのだとしたら
もはや口調を取り繕う余裕もなく、私はこの場にいる装者と勇者、そして通信を聞いているであろう弦十郎くん達に向けて叫び、シェム・ハから離れるようにマリアちゃん達の背を押した
マリア「ッ!?...フィーネ!翠の身体は任せたわよっ!」
友奈(赤嶺)「ここまでか、それでもきっと...逃げるよ、未来さんも!」
未来「嫌っ!だって響が!響!響ぃぃぃッ!!!!!!!」
- 560 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/06(日) 03:40:34.96 ID:HeSVOMKa0
- 未来ちゃんの悲鳴にも近い叫びが耳に痛い
私もこんな風に響ちゃんを犠牲にするような手は取りたくはなかったわ
けれどこのままじゃ...
走り出した際に落としたのか、ヘッドギアからシェム・ハの声が通信機越しに聞こえた
響(シェム・ハ)『ほう、この身に纏う衣、いやこの身体自体がそう在れと...ふっ、ならばもはや世界樹を使うまでもない』
あぁ、それに気付いてしまっては本格的に時間がない
フィーネ《備えろ蒼井翠!でなければ呑まれるぞッ!》
翠《フィーネさんそれってどういう》
フィーネ《いいから個を保てッ!私にもどこまで抗えるか測れんッ!》
なぜなら響ちゃんは誰とでも、何処までも
繋がれてしまう
響(シェム・ハ)『さぁ、還るのだ...5000年前のあるべき形へッ!』
コンマ下
奇数 セーフ
偶数 アウト
ゾロ目 セウト
- 561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 03:47:33.01 ID:RbHGFsWwO
- 頼む
- 562 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/06(日) 04:26:44.83 ID:HeSVOMKa0
- ☆☆☆
で〜れれ〜で〜でん!
☆☆☆
未来「あぅっ」
友奈(赤嶺)「よっと」
マリア「ふっ」
翠「うきゃっ」
痛つっ...はっ!
翠「フィーネさん!?」
フィーネさん視点の光景を見ていたら、丁度ここ...刀使の世界に跳んだところで意識が強制的に表に戻ってきてしまいました
フィーネ《ここよ、少し力を使い過ぎた...それより早く世界同士の繋がりを切りなさいッ!》
翠「あっはい!誰か早く装置!転移装置座標切ってください!早くっ!」
私達が慌てた様子で戻ってきたからか、刀剣類管理局の人達も唖然としていましたが、私の言葉を聞きすぐに動いてくれました
切歌「マリア!翠さん未来さん!」
調「と、誰?」
『翠』「翠!どうなったの!?響さんは!」
私達は駆け寄ってきた『翠』達に肩を借りつつ、ひとまず紫様のところに集まることに
他に逃げ延びられた人コンマ下1
奇数 司令室にいたメンバー
偶数 無し
ゾロ目 エルフナインちゃん+α
何かする?安価下2以降
(仮にシンフォギア世界に戻る場合は判定が入ります)
- 563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 04:34:05.49 ID:8KqTD0AR0
- 良い方向に動いてくれよ
- 564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 04:47:20.08 ID:RbHGFsWwO
- タギツヒメがシェム・ハに吸収された事も含めて一連の流れを紫様に話しておく
その後、野生の勘で司令室にいたルシエドや蛇達から予め全部集めておいた勇者の花を預かる
- 565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 11:02:42.85 ID:0wwaL1pMO
- 現状のシェム・ハについて折神紫から「そう時間が経たない内に荒魂に意識もコントロールも掌握される」と、シンフォギアの世界に関しては「造反神が何とかしてくれてる」と赤嶺友奈から聞いた後に急ぎの作戦会議
夢姫ちゃんと『凛音』ちゃん、ノーブルレッドも逃げ延びられてる…よね?
- 566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 14:32:34.92 ID:8KqTD0AR0
- 今いる世界を巻き込まずに元の世界へ向かう方法を考えよう
- 567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/07(月) 18:02:18.56 ID:EYQZgFAB0
- シンフォギアの世界やビッキーの心配をしていると元気が無くなってるどころか生き生きとしている山桜からゆーゆとビッキーの声が…
- 568 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/08(火) 04:55:37.74 ID:hyWijIaS0
- undefined
- 569 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/08(火) 04:56:20.42 ID:hyWijIaS0
- ・・・
友里「とにかく、4人共無事で良かったわ」
マリア「貴女達も間に合ったみたいでホッとしたわ」
私達が来る少し前、司令室にいたメンバー...ししょーや緒川さん、友里さんに藤尭さん、エルフナインちゃんはフィーネさんの言葉をしっかり理解し、この刀使の世界に逃げ延びていました
これがこれまでの他の平行世界のようにギャラルホルン経由でしか行けない世界であったら当然私達のみか、赤嶺ちゃんすらも逃げられなかったかもしれません
翠「それに、あなた達も...ありがとうございます、エルフナインちゃん」
エルフナイン「いえ!間に合って良かったです!」
逃げ延びられたのはししょー達だけではなく、もう数人...いえ、もう数匹
蛇達とルシエドです
どういうわけか、珍しく司令室にいたようで、エルフナインちゃんのファインプレーによって救われました
こんな時にだけ司令室に集まっていたなんて野生の勘なのでしょうか
エルフナイン「その前に見た時は2号さんもいた筈なんですけど、逃げる時にはいつの間にかいなくなってて...ずみ゛ま゛ぜん゛...」
切歌「きっとあの子なら大丈夫デスよ!」
調「うん、きっと、あの子は強く逞しく育ってる」
蛇達とルシエドとは逆にきりしらさん2号はどこかへ行ってしまっていたようです
果たしてどっちの野生の勘が正しかったのか...
- 570 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/08(火) 04:56:57.20 ID:hyWijIaS0
- マリア「必ず救いましょう、逃げ損ねたのは子猫1匹だけじゃない」
友里「そうね、逃げ遅れは友人や家族に留まらず」
弦十郎「恐らくは全人類、そして何より」
未来「響...」
久々にあまりの事件の規模の大きさに俯きたくなってしまいますが、それこそそんなことをしている場合ではないのは先のフィーネさんの様子から察せます
まさに私達だけが人類の生き残りになってしまうかどうかの瀬戸際のようですから
フィーネ《全人類、ね...彼女が完全に目覚めればそれだけでは済まないわよ》
翠《それって》
フィーネ《悪いけれどもうしばらく回復に専念させてもらうわ》
フィーネさんはまだ表に出てこれるほどは回復出来ていないようです
クリス「話がまるで見えねえんだが、そっちじゃどんなしっちゃかめっちゃかが起きてんだ」
翼「ただ事ではないようだが、タギツヒメが?」
紫「そちらの客人についても含め、説明願おう」
弦十郎「あぁ、すでに聞いていると思うが我々はS.O.N.G.の...」
- 571 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/08(火) 04:57:53.07 ID:hyWijIaS0
- ・・・
紫様に、そして刀使の皆さんや刀使の世界に残っていたメンバーに対して一連の流れを説明した私達
と言っても見てわかることや計測されたこと以外の、例えばシェム・ハさんがどんな存在なのか等はシェム・ハさんを前にした時のフィーネさんの言動やその時流れ込んできた思考を思い出しながら私がおおよその予測を説明したわけですが
姫和「タギツヒメが吸収された、だと」
翠「シェム・ハさんが枷となる腕輪の封印を解き甦るためのエネルギーに変換した、らしいです...穢れと認識される物質の塊だからか、荒魂という存在自体元々私達の世界に無かったからか、はたまたタギツヒメという自己意識が芽生えていたからか、完全な変換は為されずシェム・ハさんは不完全な復活の仕方をしたとか」
紫「ならば、恐らくそう時間がか経たないうちに荒魂に意識もコントロールも掌握される、荒魂としての存在が消えていないのなら奴は何度でも甦る筈だ」
確かに、刀使ノ巫女の原作でも姫和さんがタギツヒメを倒し吸収した後それを内側から食い破るかのように甦り吸収し返していました
なら、いくら神様といえどそこに勝機は
翠(フィーネ)「それは今回に限っては希望的観測にしかならないわね、それも絶望的に低い確率の」
翠《フィーネさん!?》
- 572 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/08(火) 04:58:45.99 ID:hyWijIaS0
- undefined
- 573 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/08(火) 04:59:27.69 ID:hyWijIaS0
- もはや一言もなく交代される始末...と思いましたが、よっぽどギリギリの回復率で出てきたのか私の意識は深層世界に飛ばされず
一歩後ろに下がらせられた程度といった感覚...目と口の動きだけ乗っ取られたような状態に
弦十郎「了子くん!もう大丈夫なのか!」
翠《そうですよ!結構無理してるんですよね!?》
翠(フィーネ)「無理を通してでも伝えておくべきだと思ったのよ、彼女の...シェム・ハの厄介さを」
それからフィーネさんは、思い出せる限りの、そして『あのお方』ことフィーネさんの彼氏さんから聞いたというシェム・ハさんのことを話し始めました
シェム・ハ...フルネームはシェム・ハ・メフォラシュ
自称していた通り神様、すなわちアヌンナキの一柱であり、その名前は『力ある言葉』を意味しそれはまさしく彼女の能力そのものを指す
シェム・ハさんの能力は『言葉によって構造式を書き換える力』
例えば、すでにあるプログラム、在り方にプログラム言語化させた自身の一部を滑り込ませ全く別の存在に改造するような不条理、それこそが彼女の十八番
地球生物の進化と滅亡に大きく関与した存在であり、その功績と手腕から先史文明期には『改造執刀医』とも称された
翠(フィーネ)「豊富なエネルギーに触れた時それを利用するよう予めプログラムしていたのか、それとも無意識か...いずれにせよ目覚めた彼女ならすぐにでも不調の原因である荒魂、タギツヒメという意識の残骸は残らず書き換えてしまうでしょうね」
エルフナイン「構造式の書き換え...埒外物理学...錬金術とはまるで異なる強引なやり方です...」
- 574 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/08(火) 05:00:24.28 ID:hyWijIaS0
- 翠(フィーネ)「おまけにプログラムに自身を滑り込ませるのにおいて響ちゃんの『繋ぐ力』は相性が良過ぎる、本当なら世界樹を創り出して地球を遊星神殿へと改造し、そこから地球上の全生命体を怪物へと作り改めるという筋書きでしょうが、直接繋がれてしまうのならもはやそんな手順を取る必要もない...だからこそ時間がないわ、今の彼女が完全に復活出来ていないのはその荒魂を書き換えること、そして恐らくは響ちゃんの身体に馴染むのに時間がかかっていること」
未来「!響と、馴染むのには時間がかかるんですか!?」
翠(フィーネ)「そればっかりは個人差ね、存在を保つ為の肉体なのだからおいそれと書き換えるなんてことはないでしょうけど、本来の持ち主の意識...響ちゃんの意識を捕まえる、掌握するのに時間がかかるかどうかは本人がどれほど抗うか、あるいはどれほど逃げるかによって変わるわ」
『翠』「逆に弱っていたり受け入れたりしてしまったら時間はかからない、か...」
フィーネさんが悪さをする存在なら響さんが手を伸ばすことはあっても自身を差し出すことは考え難い...と思います
ただ体力的な問題で弱ってはいる筈なのでなんとも言えません
薫(刀使)「結局そのシェム・ハってのは書き換える力とやらで何しようとしてんだ?全人類改造人間化計画でも企ててんのか?」
夏菜「人間は皆仮面ライd」
『翠』「今真面目な話してるから」
あとその台詞に出てくるライダーは改造人間のことじゃないですしね
ってそれはどうでもよくて
翠(フィーネ)「まずはそう、けれど彼女の真の目的は権力と力の掌握...その為に自身以外のアヌンナキを全て亡き者とすること...そうあのお方は言っていたわ」
全員「!!!」
なんて自分勝手で傲慢な
その為の戦争の道具に人類を改造しようというのでしょうか
- 575 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/08(火) 05:01:05.92 ID:hyWijIaS0
- マリア「私達は言葉通りの道具というわけね...」
翠(フィーネ)「自身を言語と置き換えることであらゆるシステムに潜伏するシェム・ハを覆滅させることは不可能...それ故にあのお方達は封印した」
翼「それがあの腕輪」
翠(フィーネ)「いいえ...」
そこで否定の言葉を口にするフィーネさんに、全員が首を傾げてしまいます
その流れで封印となれば腕輪ではないのでしょうか
翠(フィーネ)「データの断章となったシェム・ハは全人類の遺伝子情報内に記憶され保存され続けている、何度倒そうとデータ断章から再生を果たすシェム・ハは事実上の不死身」
そこでフィーネさんは言葉に詰まり、やがて重い口を開きました
翠(フィーネ)「故にあのお方はネットワークジャマー・バラル...バラルの呪詛によって統一言語で繋がれた人類を分断、封印に成功した...」
翠《あっ...》
『翠』「嘘...」
私が転生してまで成そうとし
『翠』が自己満の為に手伝い
フィーネさんが遂に成し遂げたバラルの呪詛からの解放
それは最凶最悪の神様を復活させない為の最後の砦だったようです
- 576 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/08(火) 05:02:44.01 ID:hyWijIaS0
- ・・・
クリス「フィーネ...お前それって」
翠(フィーネ)「そうよ笑えばいいわ、私が自分勝手で傲慢な理由で破壊した月の遺跡は、あのお方が命懸けで施した私達人類の守護だった...あのお方が私のことを見捨てるはずがない、そんな風に信じることが出来なかったばかりに私は...っ」
クリス「いや、まぁ」
翠(フィーネ)「月ごと破壊したと伝えたら物凄く怒られたわ」
クリス「うん、いや知らねえけど」
翠《タイムリープマシンありませんか...いやもうタイムマシンで過去の私を消すとかでもいいんで...》
『翠』《気持ちはわかるけど...いやもうドンピシャで一番やっちゃいけないとこだったよ月の破壊なんか》
フィーネさんが暗くなる中、私と『翠』もまた落ち込んでいました
というか私はちょっとふざける余裕がないほどにダメージが大き過ぎて...
だってまさか統一言語を取り戻したら詰む敵が出てくるなんて...
つまりこの事態が引き起こされたのって今回こそ完全に1から10まで私のせいってことじゃないですか
私が余計なことをしなければ二期で月の遺跡も再起動して何の問題もなくなりますし例え後々にシェム・ハさんが何らかの流れで復活したとしてもこんなことには...
友奈(赤嶺)「反省も後悔も後にするべきじゃないかな、少なくとも私の世界も今無関係じゃいられないから手伝わせてもらうよ...それに書き換える力を持つ存在ってのは私達にとっては馴染みもある」
- 577 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/08(火) 05:03:18.66 ID:hyWijIaS0
- その時、フィーネさんが暗くなっていたからかそれとも私が落ち込んでいるのに気付いたのか、赤嶺ちゃんが肩に手を乗せてそう声をかけてくれました
友奈(赤嶺)「とりあえず時間稼ぎなら何とかなるかもしれない、貴女達の世界...シンフォギアの世界は造反神が何とかしてくれるって」
『翠』「何とかって...」
友奈(赤嶺)「一時的に塗り替えて停止、効かなければ隔離...やりようはあるよ、何せこっちも神様だからね」
言われてみれば、造反神...神樹様も、天の神も、人の魂に干渉したり世界を書き換えたり
赤嶺ちゃんの言う通りゆゆゆの世界目線ではシェム・ハさんの能力も目新しいものではないのかも
だからといって私の受けたショックが和らぐことはありませんが、希望が失われたわけではないと気付けました
弦十郎「彼女の言う通りだ、まず我々が考えるべきことは響くんの奪還、そして」
刀使の世界を巻き込まずに元の世界に戻る方法安価下
(普通に戻ろうとすると戻った瞬間シェム・ハさんに乗っ取られたりシェム・ハさんのデータ断章が刀使世界に流れ込んだりします)
- 578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/08(火) 16:36:25.97 ID:KGstmMBv0
- これは…難しい問題だ…
真希さん達がシンフォギアの世界へ行く時に使ったワープポイントは他に無いかな?
シェム・ハの問題に関しては造反神が抑え込んでる所を狙うか、はたまた刀使の技術や神樹様の力に頼るしかない?
- 579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/08(火) 21:21:15.51 ID:aAW0kU7pO
- 乗っ取り対策…イミテーターでガングニールの持つ力を他の皆にもおすそ分け出来ないか
元の世界へ残り帰り方…隠世(隔世?)を介して刀使の世界に影響を与えずに行けないか
- 580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/08(火) 21:38:38.75 ID:+lzvyBGmO
- あんまりしたくない方法「ゆゆゆやif世界を中継地にして潜り込む」
- 581 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/10(木) 05:08:32.64 ID:NTh5A/xa0
- 刀使の世界の皆さんとここまで共に戦ってきたのはタギツヒメを倒すという共通の目的があったから
それがなくなった今、これ以上この刀使の世界に迷惑をかけることは出来ない
それがししょーの...否、私達シンフォギアの世界のメンバーの総意でした
可奈美「待ってよ!皆困ってるなら私達もまだ!」
薫(刀使)「乗り掛かった船だ、オレ達にも手伝わせろ」
エレン「薫が自分から働きを求めてるのデス...!」
で、まぁこうなるのは予想していましたが
翠(フィーネ)「迷惑が〜なんていう心情的なものはこのお人好しさん達に任せるとして、外部の協力を仰ぐのは私としてもあまりオススメしない、極力少数に留めるべきだと思っているわ」
紫「つまり、こちらの助けが状況に不利に働く可能性があるということか」
翠(フィーネ)「そういうことね...もっとも手遅れであるならむしろ...」
フィーネさんの言葉にどういうことなのか、と刀使の皆さんが説明を求めてきます
翠(フィーネ)「世界同士の繋がりを利用してシェム・ハがこの世界にまで渡ってくる可能性がある、ということよ...転移システムを経てこちらのネットワークに自らの断章を潜り込ませることも彼女には容易い、元々その種を植え付けられている私達だけでなく、貴女達にも新たに植え付けることすらも」
この世界に逃げ込む際にフィーネさんが急かした理由はコレです
現在は繋がりを切った状態なのである程度流入してくるのを防げているとは思いますが、あのままでは転移装置から...下手をすれば私達の誰かからシェム・ハさんの断章の感染が広がっていたかもしれないと
- 582 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/10(木) 05:09:23.35 ID:NTh5A/xa0
- 『翠』「それだけじゃないよ、もうこっちの世界には存在しないはずのノイズが自然発生し始めてる...つまりこの世界の過去に『ノイズを内包するバビロニアの宝物庫が存在していた』っていう事実が書き足されているかもしれないってことになる」
翠(フィーネ)「そう、干渉が長引き互いの世界の常識が浸透し続ければいずれ『刀使の世界のシェム・ハが存在していた』という改変が起こりかねない」
こっちの可能性は赤嶺ちゃんが知らせてくれたゆゆゆの世界の現状から推測出来るものです
世界同士の歴史が交わる...正確には現在のそれぞれの世界の時間空間が干渉し合うことで歪みが生じ、その歪みに理由、原因を付け歪みではなくさせる為に世界そのものが過去を現在から連続した過去に改変してしまうということ
翠(フィーネ)「そうなってしまった時そのシェム・ハ同士がどうなるかはわからない...互いに潰し合うなり対消滅するなりしてくれるなら万々歳だけれど、恐らくそうはならないわ、シェム・ハを2柱同時に相手なんてあり得ないしシェム・ハ同士が繋がってしまえば余計に厄介になる」
エレン「今度こそ2つの世界が1つになってしまうかも、ということデスね」
翠(フィーネ)「あのシェム・ハに平行世界なんて武器を持たせたら終わるわ」
姫和「隠世を翻弄してきていたとはいえ、タギツヒメの方がいくらかマシだったか...」
クリス「隠世...なぁ、その隠世って一応この世界とは別れてんだよな?タギツヒメと同じようにとりあえずそこ通って元の世界に戻れねえのか?ここに乗り込まれるリスクは減らせんだろ」
真希「あるいはネットワークを介さない方法であればボク達が使ったようなワープポイント...アレがまた使えれば」
刀使の世界の現世とは別の世界として存在する隠世...シンフォギアでいうところのバビロニアの宝物庫のような扱いのそれや、原理不明のワープポイント
- 583 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/10(木) 05:10:08.43 ID:NTh5A/xa0
- 翠(フィーネ)「シェム・ハが自身を潜らせられるのは存在し繋がれるもの...原理を解析されなければあるいは、といったところかしら」
確かに転移装置を使うよりは遥かにシェム・ハさんに断章を潜らせられる可能性は低い方法です
弦十郎「ちなみに、了子くんは他に案があるのか?」
翠(フィーネ)「そうね、利用する異世界への影響を最低限許容したとすれば...例えばすでに影響が出てしまっている世界、それに元々シェム・ハが存在している可能性の高い『元の世界に近い歴史を歩んだ平行世界』を選ぶかしら」
友奈(赤嶺)「それに当てはまるのは私の世界だね」
『翠』「それに一回翠が飛ばされた世界とか、ギャラルホルンの出口が浜辺に直結してる世界が後者に当たるかな...でもそれって、影響がもっと深刻になったり平行世界側のシェム・ハさんに余計な刺激与えたりは」
翠(フィーネ)「するでしょうね、それが最低限を許容すると言った理由よ」
最低限がでかい...
それほどまでの事態というのは理解出来ますが、あまりしたくはない手段ということがわかりました
翠(フィーネ)「だけどその隠世というものを使うにせよワープポイントを探すにせよ、元の世界に戻った瞬間にシェム・ハの支配が私達に広がればその時点で自我も奪われる可能性も大いにあるわ」
- 584 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/10(木) 05:10:45.69 ID:NTh5A/xa0
- 友奈(赤嶺)「書き換えの力...造反神が抑え込めるかもしれないけど、絶対でもないし」
夏菜「可能性があるとすれば神殺しですかね、シェム・ハさんとやらは文字通り神様なのでしょう?」
翠(フィーネ)「神を殺す、神の支配を打ち消す...切り札になり得るのは間違いないわ」
未来「でも、響は...っ」
調「翠達がイミテーターで響さんと同じ事をするのは可能だよね?その力を私達に付与することは出来ないの?」
イミテーターで模倣したものを皆さんに付与...そんな都合のいい方法なんて...
翠《あっマリアさん!》
翠(フィーネ)「ん?マリアちゃん?」
マリア「私!?...あ、まさか制御と再配置のコンビネーションアーツを哲学兵装に応用!?」
『翠』「それだ!!!」
響さんが束ねたフォニックゲインを再配置し仲間まで含めてエクスドライブにしてしまうマリアさんのアガートラームなら!
- 585 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/10(木) 05:11:17.91 ID:NTh5A/xa0
- エルフナイン「本来マリアさんのアガートラームの絶唱特性はエネルギーベクトル操作...フォニックゲインならいざ知らず哲学兵装の操作は...」
翠(フィーネ)「...いいえ、その銀の左腕ならばきっと...」
申し訳なさそうにエルフナインちゃんが出た案の甘い点を指摘しようとしましたが、フィーネさんはそれを否定しました
しかし多くを語ろうとはしません
フィーネさんがマリアさんのアガートラームなら出来るかもしれないと思ったのは何故なのか、根拠は明かされぬまま
マリア「...いいわ、やってみましょう、成功するまで何度でも試せばいいだけの話よ」
- 586 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/10(木) 05:12:11.96 ID:NTh5A/xa0
- ・・・
こうしていくつかの案が出揃い、これから確実なものとするためブラッシュアップが為されます
隠世を利用するのであれば隠世に行く方法やそのまま安全に通る方法、目的の場所に出る方法をタキリヒメやイチキシマヒメに尋ねたり
ワープポイントを探したり
造反神...神樹様の力を借りるなら神託を待ったり
後はマリアさんによる哲学兵装の制御と再配置実験...と思ったのですが
マリア「やってみましょうとは言ったけれど...神殺しの力が付与されていることをどう確かめればいいのかしら」
翠「試しに殺せる神様なんていませんしね...」
かなり最初のところでつまづいてしまいました
ですが皆さんのギアが神殺しになれない以上、他にいい手も思い付きませんし...
- 587 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/10(木) 05:13:17.07 ID:NTh5A/xa0
- フィーネ《『無かったことになるダメージ』とやらを無効化出来れば証明になるのでしょう?》
再び体力回復に専念するため私の中で休んでいるフィーネさんは、私と『翠』に念話でそう話しかけてきます
『翠』「そっか...この中で『無かったことになるダメージ』が使える人〜」
シーン...
翠「そりゃまぁアレは神の力ありきですし...仮に出来たことがあっても今は無理なんじゃ」
『翠』「知ってた」
友奈(赤嶺)「ある意味神樹様の加護もそれに近いんじゃない?でも足りないか」
加護程度の量では足りないでしょうね
とはいえ神樹様も限界が近い状態ですし流石に実験の為に沢山力をくださいとは頼めません
というかそれが許された場合どんな形で来るんでしょう...記念の花みたいに送られてくるとしたら花束とか?
翠「そういえば響さんがあぁなってしまって何か変化が起きてしまうかと思っていましたが、そんなことはありませんでしたねこの山桜」
- 588 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/10(木) 05:13:46.67 ID:NTh5A/xa0
- ふと手に取ったのは響さんの...友奈ちゃんの力が込められていると思われる記念の山桜の花
響さんが、元の世界がシェム・ハさんに支配されている今、それこそその直前に記憶を取り戻した響さんにはこの花とも完全に繋がりが出来たはず
なので元気がなくなったり枯れたりなんかするかと思いましたが、普通に生き生きとしています
これが響さんの無事を意味するならこれほど力強く心強いものはないとも言えますね
翠「...ん?」
『翠』「どしたの」
翠「いえ、今何か...」
その時、ふと手元の花から声が聞こえたような...
安価下
1 友奈ちゃんのところ(深層世界)に行ってみる
2 耳をすませてみる
3 声が聞こえる怖い...放っておく
(沙耶香「そういえば、タギツヒメは増えても3体までだったから、乗り移っても3人までだった?」
寿々花「まさかシェム・ハと共にタギツヒメも無限増殖なんてことありませんわよね?」)
- 589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/10(木) 16:50:20.73 ID:tRfOR47lO
- 1
- 590 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/11(金) 02:13:46.52 ID:Z2xYkj650
- 翠「もしかして...」
例えば誰かに憑依されたとして、元の意識、人格、魂はその場合どうなるのか
普通なら深層世界...私でいえば翔子さん達がいたり、今はフィーネさんが休んでいるような、憑依した方も干渉出来る領域に追いやられます
そして翔子さんは以前(冗談半分とは言っていましたが)魂だけの状態であれば消すのも容易い、なんていう話もしていました
つまり深層世界は憑依する存在によっては決して安全とは言えずむしろ逃げ場のない袋小路ということになりますが...
そうではない、許された者のみが干渉出来る領域...もう一つの深層世界が私達には存在しています
翠「勇者ギアを纏えた響さんなら、もしかして...『翠』!夏菜さん!」
・・・
『翠』「理解は出来た...けどそれって」
夏菜「ある意味敵の懐に潜り込むようなものですよね...大丈夫なんですか?」
翠「あそこは深層世界に広げた樹海のようなもの...赤嶺ちゃんも言ってたじゃないですか、一時的に塗り替えて停止、効かなければ隔離って...つまり逆に樹海内を隔離した安全圏にするのも可能なはずです!」
夏菜「可能だとしても今そうなってるのかわかりませんよ?むしろそこすらシェム・ハの手に堕ちて私達がこちらに持ち帰ってしまう可能性も」
そこは...まぁ、賭けですが
とにかく響さんの無事が確かめられる方法があるのなら、試すべきです
翠「それにもしあの樹海の方の深層世界がダメだったらどっちにしろ私達がシェム・ハさんの支配圏内に入るのは時間の問題です、なら先にその可能性があるのかどうかを知っておくのも必要でしょう」
『翠』「知らなかったじゃ済まないか...わかったよ、響さんも心配だし」
夏菜「ちゃんと考えあってのことなら...私も助けられた身ですし、付き合いますよ」
- 591 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/11(金) 02:14:19.93 ID:Z2xYkj650
- こうしてどうにか2人の説得は済みました
翠「ありがとうございます...フィーネさん、私達が居ない間はよろしくお願いします」
2人は深層世界へ行く為眠るとして、私はフィーネさんに身体を預けます
フィーネ《わかったわ、力も大分戻ってきたし任せなさい》
翠《くれぐれも服は着ていてくださいよ...》
・・・
樹海のような景色の深層世界
園子ちゃんや若葉ちゃんといった私達が力を借りた、あるいは個人的な繋がりが出来たゆゆゆ世界の人達の魂の欠片のような存在がいる場所
そして、ここに関しては私や『翠』、夏菜さんそれぞれに別々の深層世界として独立しつつも、任意で接続することが可能です
翠「てことで来ました」
園子「いらっしゃ〜い」
若葉「よく来たな」
『翠』「皆いる?」
千景「いるわよ」
芽吹「話は聞いていたわ、友奈...結城の友奈のところまで行くのよね」
『夏菜』「響さんもそこにいるんですよね?」
夏菜「そうだと助かるんですが」
翠「いいえ、居るはずです...絶対に」
8人集合した私達は、挨拶もそこそこに響さんの(友奈ちゃんの)領域を探して歩き出しました
流石表の身体が世界を超えている為全然遠く感じますが...
翠「...!いました響さんっ!!友奈ちゃんっ!!」
しばらく進んだところで、見つけたのは2人の姿
間違いありません、響さんと友奈ちゃんです
響「...ぁ、翠ちゃん、皆」
友奈「わっ!園ちゃん達もいる!みーんなー!!」
しかしどうも様子が
友奈ちゃんは元気いっぱいですが、響さんは随分と落ち込んでいるような
何話す?安価下
- 592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/11(金) 02:37:32.36 ID:WjPPsfKY0
- 響の意識(魂?)を救出してくれた友奈にお礼を言った後、響に再開できたのにどうして落ち込んでるのか尋ねる
- 593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/11(金) 03:04:07.71 ID:zUrkel98O
- 「あれだけの事があったのに山桜の花が普通に元気なの凄いですね…」
- 594 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/12(土) 03:20:39.54 ID:raU8Sjtp0
- ・・・
翠「響さんのこと、助けてくれてありがとうございます、友奈ちゃん」
正直響さんがこの深層世界に避難させられていなかったら、本当にシェム・ハさんをどうにかするまで手も足も出ないところでした
友奈「ううん!勇者部の活動は皆の為になることを勇んでやることだから!」
千景「結城さんらしいわね」
友奈ちゃんはそう言いますが、仮に彼女が勇者部の部員でなくとも結果は変わらなかったでしょう
要は彼女もまた人を思いやり行動することが出来る良い子なのです
翠「それにしても、あれだけのことがあったのに山桜の花が普通に元気なのすごいですね...」
夏菜「タギツヒメとかシェム・ハとか、ソウルジェムだったら疲労と心労で真っ黒になるレベルですよね」
芽吹「ソウル...?」
友奈「あはは、確かに色々すっごいことが起きてたけど...勇者部五箇条一つ!なるべく諦めないっ!もう一つ!なせば大抵なんとかなるっ!」
ぐっと握り拳を作り、上に高く突き上げながらこれまた元気よく発言する友奈ちゃん
逆に言えばなんとかなると信じられなければ諦めてしまうようなことだったということになりますが、こういうところも友奈ちゃんの強さでしょう
若葉「あの花は私達それぞれの心理状態とも深く関係しているからな、結城が折れぬ限り山桜もまた力強く咲き続けるだろう」
園子「ゆーゆは今日も元気いっぱいだね〜」
友奈「うん!響さんに気付いてもらえたし!それに今は園ちゃん達にも会えてもっと元気が出てきたよ!」
園子「嬉しいこと言ってくれるZE〜!」
友奈「わーい園ちゃーん!」
もはや部室のノリでキャッキャ抱き合いくるくる回る園子ちゃんと友奈ちゃんはなんとも微笑ましい光景です
で、それはいいとして
- 595 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/12(土) 03:21:11.13 ID:raU8Sjtp0
- 『翠』「ここまでずっと会話に参加しない人がいるわけだけども」
『夏菜』「いやいや、あんなあからさまに落ち込んでる人には簡単に話しかけられませんよ...というか響さんがあんなになってるの初めて見るかもしれません」
やはり気になるのは響さんの様子です
勿論私は響さんが落ち込むのを見るのは初めてではありませんし、なのでいつもと違いすごく静かなことにそこまで驚きはしませんが
翠「...あの、響さん...再会出来たのにどうしてそんなに落ち込んでるんですか?」
『翠』「行ったー!いやむしろ言ったー!」
『夏菜』「ど直球とは大胆な」
外野がうるさいですね...
響「ぁっ、えっと、違うよ?再会出来たのはすごく嬉しいし、安心もした...なんだけど...」
コンマ下
01〜30 タギツヒメと分かり合えなかった
31〜60 上記+シェム・ハさんを止められなかった
61〜90 上記+向き合わず逃げてしまった
91〜00 上記+シェム・ハさんの真意を知ってしまった
- 596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 03:27:14.03 ID:+hJiDRAp0
- はい
- 597 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/12(土) 04:57:26.32 ID:raU8Sjtp0
- undefined
- 598 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/12(土) 04:58:27.46 ID:raU8Sjtp0
- 響さんは自分の手のひらをじっと見つめ
響「私は...結局、タギツヒメさんと分かり合えなかった...タギツヒメさんの手を掴むことは出来なかった」
翠「響さん...」
なるほど、それが響さんがこうなってしまっている理由ですか
確かにタギツヒメに伸ばした響さんの手は取ってもらえることはなく、むしろ裏切られたような形で響さんは乗っ取られ、そしてそんなやり取りが最後になってしまっていました
響「私の伸ばしたこの手は、偽善じゃないって信じたい...でも、言葉がタギツヒメには...」
夏菜「た、タギツヒメが本当に分かり合えない相手だったか、最期まで強情だったってことじゃ...響さんは悪くないですよ!ね?ね?」
『翠』「そ、そうだよ響さん!」
響「違うよ」
ピシャリ...と、響さんの否定の言葉で静まり返ってしまいます
響「タギツヒメは武器を持たない私の言葉じゃダメだって言っていた...タギツヒメにとっては言葉より剣だって...私のしたことはタギツヒメにとって偽善ですらなかった...言葉が通じるのに、言葉じゃないものじゃないと分かり合えないんだって、言葉じゃないものを心から望んでいたんだって、タギツヒメと一つになった時わかったんだ...」
タギツヒメは響さんの手を拒んだ時、言っていました
響(タギツヒメ)『であれば剣を取るべきであった、我が望むは元来剣を通じ語らうこと...他の者ならいざ知らず、武器を持たぬお前の言葉は我の心を動かすには盤石過ぎる、シンフォギアの娘』
タギツヒメにとっては言葉で歩み寄られる事よりも、立ち合いの中で歩み寄られる事の方が良かったと
- 599 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/12(土) 04:58:58.17 ID:raU8Sjtp0
- 思えば原作の、本来の流れでも、タギツヒメは立ち合いを楽しみ剣を通しての会話をしていると気付いた可奈美ちゃんによって、そしてそれを理解し共に剣を通して語らおうとした姫和さんによってタギツヒメは...
響「言葉が通じれば...価値観は仕方ないけど、それでも話し合うことは出来ると思ってた...その為に私の手にアームドギアが無いんだって...でも、タギツヒメは分かり合う為に戦ってたんだ...」
目の前の響さんが剥き出しの魂、精神そのものだからか、隠す事もなく思っている事を全て話してくれていますが
それを聞いた私達は言葉に詰まってしまいます
『翠』「タギツヒメの在り方というか性格が思いっきり響さんと合わないって今気付いた...」
翠「響さんの取り柄であるはずのアームドギアを持たないということが、こんな形で響さんを追い詰めてしまうとは...」
これから先、それこそ戦う事でしか分かり合えないどころか、戦う事でしか分かり合いたくない、なんていう敵が現れないとも限りません
そういうのは何処ぞのすぐつまらない物を斬ろうとする石川さんにでも相手しておいてほしいばかりですが...
どうする?安価下
(千景「理解や認識じゃなく生き方やポリシーの問題は他人に左右出来るものではないし...適材適所で響さん以外が担当になればいいんじゃない?」
翠「それで響さんが妥協してくれるかどうか...」
『翠』「もう未来さん呼ぶ?」)
- 600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 11:44:58.92 ID:+hJiDRAp0
- 紫様から伝言
「タギツヒメと分かり合えたのならとうの昔に私や篝、美奈都が説得している。立花が気に病む必要は無い」
- 601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 16:57:59.60 ID:QQFJYymsO
- 千景が「刀使達は人類の脅威と分かり合う為に戦ってたんじゃない」と言った後に「過ぎた事を悔やむ暇があったら今やるべき事を考えなさい!」と説得をかける
- 602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 00:37:54.06 ID:x3xiY+i9O
- 夏菜「今考えてる事は後で折神さんに打ち上げましょう。きっと聞いてくれます」
友奈「今あの神様を止めればタギツヒメも救えるんじゃないかな?」
- 603 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/13(日) 23:47:05.36 ID:VYzBHWk70
- undefined
- 604 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/13(日) 23:47:36.32 ID:VYzBHWk70
- これはいわば、響さんのアイデンティティを揺るがす問題です
今までは(ノイズのように元々意思疎通が不可能な敵を除けば)なんやかんや結局話し合うことは出来ていたり、和解は出来ずとも会話が成り立っていたりする敵ばかりでした
それはどの相手も戦うことが目的ではなく、過程の中で戦うことを選んだ人達ばかりだったからです
元視聴者、現転生者としてのメタ視点では『統一言語の消失』を『話し合う』という形で補うことが出来るのが人類だということが描きたいことの一つになっているからかな、とも思いますが、それは置いておいて
ただただ戦いたい、そこに他者の理解や共感は関係なく、妥協も理由も存在しない
例えばそれは趣味であり、あるいは生きがいであり
それがたまたまスポーツの域を出て命のやり取りにまで及んでいた
そんなタギツヒメのことを理解するべきだ、共感するべきだとは私も、そもそもタギツヒメ自身も思っていないことでしょう
命のやり取り云々はともかく生きがいそのものには共感出来る可奈美ちゃんが少し特殊なだけです
しかし響さんはそれを共感は出来ずとも理解してしまった、そしてそのタギツヒメの生きがいを無条件で否定してしまう自分自身に苦悩することになってしまった...と、こんな感じでしょうか
翠「理解出来ないものは理解出来ないもの、共感出来ないものは共感出来ないもの...普通そんな風に割り切るものですが」
もしかしたら、その普通が中々出来ない響さんだからこそ手を繋ぐことを武器に出来たのかもしれませんし、逆にそのアームドギア故に他者の意見を理解しようという想いが強まってしまっているのかも
等とまた思考が逸れてしまいました
今は響さんに元気を取り戻す...もとい、現場に折り合いをつけてもらわないと
- 605 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/13(日) 23:48:19.54 ID:VYzBHWk70
- 千景「前提から間違っているのよ」
若葉「...千景?」
千景「刀使達は人類の脅威と分かり合う為に戦っていたんじゃない」
そこでばっさりと切り捨てたのは千景さんでした
千景さんの言う通り、刀使達は昔から荒魂を斬り祓い退けてきましたし、荒魂を利用する研究こそ行われていても少なくともタギツヒメに対し共存を望みながら戦っていた刀使はいません
千景「過ぎたことを悔やむ暇があったら今やるべき事を考えなさいッ!」
響「...」
千景さんの叱咤に、響さんは余計俯いてしまいます
千景さんの言葉は正論であり、千景さんなりの励ましも含まれていたのでしょうが、響さんにそれは伝わったのか...
夏菜「...と、とりあえず、今考えてることは後で折神さんに打ち明けましょう、きっと聞いてくれます」
翠「ですね」
ある意味今の響さんの状況はそれほどタギツヒメに対して真剣に向き合い考えていたということにもなりますし
それなら、紫様なら何か言ってくれるかも
そして夏菜さんの提案はまぁ響さんの悩みの先延ばしのようなものでもあります
今一番大切なのはシェム・ハさんを相手にどう動くか、そしてそれまでの間響さんには無事でいてもらうこと...
- 606 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/13(日) 23:49:30.77 ID:VYzBHWk70
- 友奈「あのー...」
その時、友奈ちゃんが挙手しました
友奈「今あの神様を止めれば、タギツヒメも救えるんじゃないかな?」
...えっ
響さんコンマ下
奇数 今度こそ助ける!
偶数 私はもう...
ゾロ目 でも、神様にも...シェム・ハさんにもやりたいことがあるんだよね...
(翠「響さんの誕生日は913の日!イメージカラーの黄色も同じですね!...あぁダメですその部屋は!まだ準備終わってな...げふんげふん、ナンデモナイデスヨ」
『翠』「緊急!ターゲットこっちに接近中!ケーキ班急いで隠して!...毎年やってるから流石に響さんも気付いてると思うんだけど、でも響さんだからね...どうかな...」)
(翠「特殊ボイス時空の私と『翠』がお誕生日おめでとうございますとは言いましたが...今本スレ内で微妙な空気ですね響さん」
女神「XDの新イベもアレな空気ですど、特にグレてる方...というか新OPといいすごいですね今回の!IF装者も増えそうですし!!!」)
- 607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/14(月) 01:12:56.52 ID:UkhszInt0
- ほい
- 608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/14(月) 01:14:50.05 ID:UkhszInt0
- どうして奇数は出ないんでしょうか…
- 609 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/16(水) 04:44:32.68 ID:SARo9aw40
- 若葉「どういうことだ?結城」
友奈「えっとね?ぶわぁ〜ってなってたのが、しゅ〜ってなって消えちゃったと思ってたんだけど、まだ何となく気配を感じるの...だから多分まだ大丈夫だよ!タギツヒメ!」
どうやら...タギツヒメが響さんの精神、深層世界を支配して...多分、その後タギツヒメはシェム・ハさんの腕輪に吸収されたかのように見えましたが...きっと、それは不完全だったが故にタギツヒメは消滅し切っておらず、今ならタギツヒメの魂を元に戻せるのでは、ということ...だと思います
前半抽象的な表現が多くて推測になりますが
『翠』「むしろ最後の最後だけ気配を感じるとか具体的なこと言ってくるのが怖いんだけど」
翠「そこだけ武術を習う者としての感覚なのでしょう...知りませんけど」
というかそんなことよりタギツヒメまだ健在なんですか!?
園子「シェム・ハと名乗る神様が体調を崩したということは荒魂としての特性が残ったままだろうし、ゆーゆの言ってる通りなら可能性は十分高いと思う...もっとも放っておけば霧散し変換までされた魂は二度と元には戻らないから、もし助けるのなら今が最後のチャンスってことになるんじゃないかな」
なんてしぶと...あぁいえ、強い生命力と言いますか
正直物凄く苦労させられたの上に別段和解出来る算段もないのでタギツヒメがまだ生きていると知ってもこう...こみ上げるようなものはありませんでした
これは私が薄情なのでしょうか
しかし、響さんにとっては朗報です
夏菜「立花さん!まだ終わってませんよ!タギツヒメはまだ生きているって!」
『翠』「今ならまだ手は届くかもしれない、なのに手を伸ばさなかったら一生後悔するよ、響さんっ!」
響さんの伸ばした手がお節介であったのなら、今度こそタギツヒメの想いに沿う形で最期を迎えさせてあげればいい
- 610 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/16(水) 04:45:08.06 ID:SARo9aw40
- 私達だけではこれほど苦労して追い詰め、全員ぼろぼろになりながらやっと倒すまで後一歩というところまで持って行けたタギツヒメ...そんな相手を今一度現世に呼び戻し再び倒すのは正直骨が折れるレベルではないでしょう
ですが、もし上手く行けば響さんも立ち直りシェム・ハさんは大きく力を失うというまさに一石二鳥状態...
そこまで考えていなくとも、響さんなら迷わずタギツヒメを助ける為に動くはず...
響「...やらない」
...えっ
思わず物凄く最近、正確にはついさっきと全く同じ反応をしてしまいます
響さんの方を見てみると、響さんは椅子の上で膝を抱えていました
響「私はもう...余計なことは出来ないよ、やりたくないよ...」
翠「響、さん...?」
この人は、誰なんでしょうか
本当にこの人は『あの』響さん...?
...いえ、勝手に理想を押し付けて、勝手に原作だのなんだのと言ってキャラに当て嵌めて、私は本当の彼女を見られていなかったのでしょうか
普段の笑顔の裏には、こんなに苦悩する1人の少女がいたということでしょうか
目の前の彼女は魂、精神を剥き出しにした状態...普段以上に自分を隠すことが下手になります
だから、これこそが本当の響さん...
- 611 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/16(水) 04:46:55.34 ID:SARo9aw40
- 『夏菜』「...翠さんが、皆が救われたその手を...余計だと言うんですか」
響「...」
『夏菜』「貴女のその繋ぐ手は!」
響「だとしてもッ!!」
響さんは勢いよく立ち上がり、『夏菜』さんの言葉を遮るようにして叫びます
響「だとしても...タギツヒメさんにとっては、余計なことでしかなかった...誰かと繋ぐための手だと信じて拳を握ってきたけれど...この手じゃ繋がれないものが確かにあった...タギツヒメさんはきっとあの時私がこの手を差し伸べなければ満足していた筈なんだ...」
安価下
1 とりあえず響さんは友奈ちゃんに任せて帰る
2 響さんのことはそっとしておいてもう少し深層世界を探索
3 その他(記述)
(響「私のこの手なんて、S2CAくらいにしか役に立たない!」
夏菜(それはそれで十分過ぎるのでは)
『翠』《ちょっと翠!翠の急に怒鳴る感じの感情の爆発のさせ方が響さんにまでうつっちゃってるじゃん!》
翠《知りませんけど!?》)
- 612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 08:27:41.27 ID:XpzxRvJJ0
- 3 翠が「響さんのことは任せてほしい、二人だけで話がしたい」と提案する
- 613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 18:46:33.84 ID:fWdEMdUg0
- 3 「立花さん、貴方にも大切な人がいる筈だ。改心する気の無かった悪役と大切な人、どっちが大事か考えてほしい」
- 614 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/17(木) 03:42:39.35 ID:8bDHADxn0
- 両手を強く握り締め、ぷるぷると震わせている響さん
その憤りは自身の行いの失敗に対するもの
こう言ってはなんですが、響さんが何かを成そうとして失敗してしまったのは何も今回が初めてではありません
では何故...それは、これまではその後悔をへいきへっちゃらと押し殺したり、それこそ未来さんに支えられてきたからでしょう
翠「...皆さん」
その代わりを私が努める、なんてことは勿論不可能ですが
翠「ここは...響さんのことは任せてほしいです...2人だけで、話をしたいんです」
それでも私は、何もせずに帰ることより、何かをすることを選びました
『翠』「任せてって、どう...ううん、いいや任せる、何かあったら呼びに来るから」
夏菜「翠さん...」
園子「流石にここは茶化せないんよ、行こうゆーゆ、わかちゃん達も」
若葉「あ、あぁ」
千景「せいぜい説得が成功するのを祈ってるわ」
私のことを信じて、1人、また1人とこの場を後にしていきます
そして
『夏菜』「...立花さん、貴女にも大切な人がいるはずです...改心する気のなかった悪役と大切な人、どっちが大事か考えてほしい」
『夏菜』さんも、最後にそう言い残して離れて行きました
・・・
さて、と
何話す?安価下
(芽吹「話すって、何を話すつもりなのかしら」
夏菜「『蒼井』さんはどう見ます?」
『翠』「アレだと思う、こう...拳で語り合う的な」
千景「クエストばかり間に挟んであって全然進まないイベントストーリーじゃないんだから...」)
- 615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/17(木) 04:11:40.80 ID:hgglvBH80
- 「初めて私が響さんと会った時のことを覚えてますか?」とまだ月を破壊する前の頃の話をする
- 616 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/20(日) 03:13:27.46 ID:h/Psk+SO0
- 樹海の様な内装を施されている深層世界
そこに置かれたとても場違い感のあるダイニングテーブルといくつかの椅子
昂った気持ちが落ち着いたのか再び着席していた響さんの正面の椅子に、私も腰を下ろしました
響「...」
翠「...響さん」
空気は重く暗い
悠長にしていられないというプレッシャーもあります
けれど、焦るべきではありません
今はタイムリミットを忘れて、ただただ響さんと向き合いましょう
翠「ねぇ、響さん...初めて私が響さんと会った時のこと、覚えてますか?」
響「...」
響さんの返事はなし
最初はそんなものでしょう
翠「あの日、私転校初日だったんですよ...教室で自己紹介して、物珍しさで集まってきたクラスメイトに囲まれて...でも上手く話せる気もしなくて読書しながら話しかけないで〜ってバリア張って」
響「...」
翠「次の日からは頑張ろうって先延ばしにしてその日の学校をやり過ごして、放課後はどうせ家に帰っても誰も居ないからって辺りのお店とかぶらぶらして...気付いたらすぐ近くにノイズがいたんです」
まさか、転生してその日のうちにノイズと出会すとは思いませんでした
いくら発生率が高い(フィーネさんの仕業)とはいえ
翠「怖いとか、死にたくないとか、そういうのより先にとにかく逃げなきゃってことだけで頭にいっぱいになってとにかく走ってました、走って走って、必死になって逃げて...その先で、響さん、貴女と出会ったんです」
響『あ、君も逃げて来たの!?なら早くこっち!!』
翠『は、はい!』
翠「今にして思えば、あの時すぐに私がギアをいれば、その後も逃げ続けなくて済んだのかもしれませんね...ごめんなさい、私もあの時はギア纏った事なくって、ギリギリになってしまいました」
- 617 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/20(日) 03:14:18.93 ID:h/Psk+SO0
- 逃げに逃げて、どこかの屋上で遂に限界が来て座り込んでしまうまで、それが一期一話なのだと気付けもしないほどでしたから、結構テンパっていたのだと今ならわかります
いえ、まぁその後もここで響さんの覚醒という原作に介入してしまっていいのかという葛藤があったのでギアを纏った事がなかったからという理由だけではなかったのですが
響「....初めて、だったの?」
翠「そうですよ、聖詠も初めて、戦うのも初めて...あの日あの時まで私はシンフォギア装者でもなければS.O.N.G....当時は二課でしたが...とも無関係な一般人、ちょっと普通の人は持ってないペンダントを持っているだけの中学2年生」
何故ペンダントを持っているのかは、女神様や『翠』の両親辺りの事情が絡んでくるので割愛
翠「もしあの場に私1人だったら...」
逃げてる途中で響さんに会わなかったら...ノイズを振り切れればそれで良し、振り切れなかったら...原作への影響を考えて
翠「ギアを纏うか迷っているうちにノイズに殺されていたかもしれませんね」
転生しておきながら、と女神様の様に第三者視点から見ている誰かが居たとすれば、そんな風に思われてしまうかもしれません
でも私も、積極的に介入してしまえと開き直ってしまえたのは最初にギアを纏ったその時からです
- 618 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/20(日) 03:14:53.87 ID:h/Psk+SO0
- 翠「力があるのだから、後ろにいる誰かのことを守らなくちゃ...そんな風にギアを纏ったのがきっかけでしたから...今こうして生きていられるのは響さんのお陰ですね」
なんて、少し大袈裟だったでしょうか
響「...逆だよ、あの日助けられたのは私の方」
確かに、あの場においてはそうでしょう
でも、そうじゃないんです
翠「貴女が手を差し伸べてくれたから、私達はあそこまで逃げられたんです...生きようと、戦おうと思えたんです」
- 619 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/20(日) 03:15:30.94 ID:h/Psk+SO0
- つい熱くなってしまいました
ふぅっと息を吐き、仕切り直します
翠「...私と会う前に、もう1人小さな女の子の事も助けようとしていましたよね?ノイズに追われ、ただでさえ逃げるのに身軽でいたいような状況で...おまけに私まで見つけて迷う事なく手を差し伸べて」
響「それは...絶対助けなきゃって、思って...」
そうです
響さんはいつだって、見ず知らずの誰かの命すらも天秤に掛ける事もなく即座に守るべきものだと判断出来る人です
翠「えぇ、あの日私もあの女の子も確かに貴女に救われました、響さんのその想いが、私達の運命をその先のミライに繋げたんです」
私は身を乗り出し、響さんに手を差し伸べました
翠「確かに誰も彼もが言葉で解決なんて出来ないかもしれない、争い戦うことでしか分かり合えない人もいるかもしれない...でも、だから貴女は手を繋ぐことをやめてしまうんですか?その手に刃を持ち、その人達の為に戦うんですか?」
響「それ、は...でも...」
翠「戦いを望むのなら、貴女の武器で答えればいい、武器を持たないその拳こそが、いつでも開けば争うことを止められるその拳こそが私の武器だと分らせてやればいいんです」
安価下
1 もう少し説得(記述)
2 立ち直り判定(後にコンマ)
3 その他(記述)
- 620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/20(日) 03:55:27.41 ID:89BWyP8y0
- 「私が月を砕いたあの時、未来さんと約束したことがあるんです。『もう二度と響さんを裏切らない、ずっと響さんの側にいる』と」
「あの時の約束は私なりの贖罪だったのかもしれません。それでも、あの日からずっと貴女と過ごした今の私は、心から貴女を支えたいと思っています」
「ですからどうか、私と繋いだその手を信じてあげてください。その手は皆と手を繋ぐことが出来る貴女だけの特別な手だと」
- 621 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/22(火) 05:03:10.49 ID:DOHotV6x0
- undefined
- 622 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/22(火) 05:03:56.71 ID:DOHotV6x0
- 仮にタギツヒメとまた戦うことになったとして、その時果たして彼女は響さんの拳を、剣以外の武器による対話を認めるかどうかという問題は当然あります
タギツヒメでなくとも似たようなことを言う人はいるかもしれない
ですがそんな、自分が認めた武器しか武器と認めないような相手は多分元々分かり合えないでしょう
ふとそんな事が脳裏を過ぎりましたが、そんなところまで響さんに言う事もないですよね
翠「響さん」
響「ぁ...ぅ...」
響さんは私の差し出した手に視線を向けながらも、そこに手を伸ばそうとしては引っ込めての繰り返し
簡単に握ってはくれません
もう一押し必要ですか...
翠「...それでも納得出来ない、切り替えられないというのなら...私の為に、前を向いてくれませんか」
響「...ぇ?」
響さんのお人好しなところに付け込むようで少しズルいかもしれませんが
こうなれば私も恥を捨てます
翠「月の遺跡、バラルの呪詛...その支配から逃れる為、私はかつてフィーネさんの策に乗り...月を穿ちました」
本来カ・ディンギルの一撃は月の表面を擦り、一部を欠けさせるのみに留まるはずの通称ルナアタック
私や『翠』がそこに介入したからこそ、と少々自惚のように聞こえてしまいますが、実際カ・ディンギルの一撃は月の中心を射抜き完全に破壊、その事件の名もルナブレイクと変わっていました
翠「私が月を砕いたあの時、未来さんと約束した事があるんです...『もう二度と響さんを裏切らない、ずっと響さんの側にいる』と」
響「未来と...そんな、約束を...?」
おっとちょくちょく裏切ってないかとか遠くに行ってないかとかそういう突っ込みはノーサンキューですよ、アレです、気持ち的には約束破ってない的な感じで通してますから
えぇ、平行世界に飛ばされるのは事故ですし結社にいた時のは洗脳されていたということにしてますからね、申し訳ないですが全部アダムさんのせいです
- 623 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/22(火) 05:04:31.77 ID:DOHotV6x0
- 翠「あの時の約束は私なりの贖罪だったのかもしれません...それでも、あの日からずっと貴女と過ごした今の私は、心から貴女を支えたいと思っています」
響「翠、ちゃん...」
行き場を彷徨わせている響さんの手を、私の方から取りに行きました
響「っ」
緊張からかビクッとしながら閉じてしまった響さんの両手をそれぞれ包み、合わせて響さんの目の前まで持っていきます
翠「ですからどうか、私と繋いだその手を信じてあげてください、その手は皆と手を繋ぐ事が出来る貴女だけの特別な手だと」
コンマ下(説得ボーナスにつき難易度やや低め)
01〜30 それでもやっぱり信じられない
31〜98 もう一度信じる
ゾロ目 シェム・ハ「間に挟まりてぇ〜」
- 624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 08:39:38.62 ID:fGNDCaIZ0
- あ
- 625 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/23(水) 04:45:11.09 ID:On3984hq0
- 響「私だけの、特別な手...」
響さんだってわかっているはずです
響さんがこれまで手を伸ばし、掴んできた手は、決して少なくないということを
何も戦闘時だけではありません、日常的に、誰に対しても人助けをしていた響さんですから
響「...次は、大丈夫かな」
翠「それは響さん次第です」
どうやるのかも、どこまでやるのかも
そして今度は大丈夫だと判断するのも
全て響さん、貴女の匙加減です
響「...うん、わかったよ...もう一度信じてみる...翠ちゃんが救われたと思ってくれたこの手を...特別だと言ってくれたこの手を」
そう言う響さんの言葉に、目に、もう迷いはありませんでした
安価下
1 とりあえず表に戻る
2 もう少し何か話す
3 その他(記述)
- 626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 13:42:02.54 ID:gkY3bWdu0
- 3 未来も他のみんなも心配してると伝えておく
- 627 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/24(木) 04:12:31.74 ID:6WeTw82c0
- 全て綺麗さっぱり吹っ切れたというわけではありませんが、大分持ち直した響さん
あるいはもしかすれば、再びタギツヒメと相対することになればまた状況は変わってくるかもしれませんが
今はそれより
翠「シェム・ハさんに此処のことがバレたら全ておじゃんですからね...もう当初の予定より随分長居してしまいましたし」
『翠』達と合流し次第、戻った方がいいかもです
此処には...響さんのところには友奈ちゃんも残ってくれますし、そこまでの心配はないでしょう
響「来てくれてありがとう翠ちゃん、皆にも伝えておいてね」
翠「どう致しまして...でも、そう思っているなら伝言じゃなく直接伝えたらどうですか?表で再開出来てから皆さんに」
席を立ち、帰り道の方角をちらりと見て
翠「此処に来た私達だけじゃありません、未来さんも他の皆さんも響さんのことを心配してます」
響「未来...皆...うん、絶対に戻るよ!」
響さんの笑顔に私も笑顔で返し、手を振りながらその場を後にしました
・・・
『翠』「長い!遅い!」
翠「まぁまぁ...あの調子なら、しばらくは...余程響さんの心を揺らす何かでも起きない限りは大丈夫だと思います」
私が戻るのを待ってくれていた『翠』達と合流し、私は無事響さんを説得出来たことを伝えます
反応は様々でしたが、最終的には全員が安堵のため息を付きました
千景「何にせよ本人の意識が改善されたのなら良かったわ、弱れば弱るほど精神は強い精神に飲み込まれやすい...憑依ものの定番だもの」
園子「異常な後ろ向きな思考、ネガティブな考え方になってること自体が他の精神からの影響を受けた結果とも考えられるから、それを弱められたのなら最悪の事態は避けられそうだね〜」
『夏菜』「世話が焼けます...」
夏菜「本当に、困ったものですね」
『翠』「それを君らが言うんかい」
千景「ブーメラン刺さってるわよ、『蒼井』さん『貴女』にも」
翠「全員なんだかんだ面倒くさい人達ということで」
芽吹「そうね貴女も含めてね」
友奈「あはは...とにかく私は響さんのところに行くね!またね〜!」
- 628 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/24(木) 04:13:21.88 ID:6WeTw82c0
- ・・・
翠《終わりました、フィーネさん身体のことありがとうございました》
フィーネ《そっちは無事会えたみたいね》
表での行動を交代してもらっていたフィーネさんにお礼を言い、私は表に戻ります
表の世界(刀使の世界やシンフォギアの世界等)で何か起きてる?安価下
(特になければ紫様等にここまでの経緯を説明したりします)
- 629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 11:03:04.05 ID:noJrPYOq0
- 刀使の世界は特に異変無し
シンフォギアの世界はまだ大丈夫、シェム・ハが荒魂の汚染と戦ってるとの事
- 630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 21:34:43.53 ID:bD/wfnfpO
- XDU、まさかのTOSコラボって本当ですか?
安価は…未来さんがビッキーの無事をひたすら祈ってたり装置の改良を試みてたり
- 631 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/26(土) 05:22:25.76 ID:muAZ6EUa0
- 翠「っとっと...」
表に戻ってきて周りを見渡し、一先ず目に見えて何か変化が起きているわけではないことはわかりました
まぁ何かあったら交代するタイミングでフィーネさんが一言二言何かしら言いますよね
翠「まずは『翠』と夏菜さんを起こしに行って...」
・・・
既に私と同様に表に戻ってきていた『翠』と夏菜さんと合流し、それぞれがきちんと共通の深層世界に訪れていたことを確認します
それが終われば今度は、響さんのことやタギツヒメのことを相談する為紫様に会いに行くことにしました
翠「一応は立ち直った様子の響さん、ですがそれが虚勢でないとも限りませんし、紫様からならもしかしたら別の角度からの意見が聞けるかもしれませんからね」
夏菜「そういえば司令達には?」
『翠』「勝手に響さんに会いに行ったとか怒られそうだし乗り気になれない...とりあえず紫様だけでいいんじゃない?」
翠「響さんの無事を知らせる方を取るか、知らせてしまって緊張が緩んでしまわないよう敢えて確実に助けられる方法が見つかるまで黙っておくか...皆さんの様子次第にしておきましょう」
知らせるべきだとは思いますが、もしこれで皆さんが響さんの無事を少しでも疑っているならまだしも、絶対に無事だ、そうでなくとも絶対に助けると意気込んでいるはず
ならむしろその意気込みを維持してもらっていた方が...いえ、戦闘に支障をきたすほどに心配していたりする場合はすぐにでも知らせて安心させるべきではありますが
しかし具体的に助ける方法はまだ分からず、ぬか喜びになる可能性も...
- 632 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/26(土) 05:23:09.92 ID:muAZ6EUa0
- ・・・
紫「夢を介しての接触、深層世界...隠世のようなものか」
翠「ですね」
今ちょっと説明面倒になって適当に返してしまいましたが、まぁ考えてみれば可奈美ちゃんの夢の中の世界に見せかけた隠世も似たようなものだと思うのであながち間違いではないでしょう
紫「危険な真似、というのは百も承知であろうし、戦闘に立たせている私にお前達の行動に対しどうこう言うことは出来ない、そういった小言はそちらの大人に任せるとして...そうか、立花響は無事だったか」
『翠』「それに、タギツヒメも...まだ助かる見込みがあるっていうレベルの話だけど」
紫様はふむと頷き
紫「タギツヒメが...タギツヒメを形成していた荒魂が消失もとい変換を拒み神シェム・ハの影響下から逃れようとしているのは間違いないだろう、それはこちらも観測したことだ」
翠「観測...?」
紫「あくまで世界同士を繋げることはせず外側からの計測を用いてそちらの世界の観察を試みた結果だ、お前の身体を借りたというフィーネはその結果を読み取り『世界中の活動が停止こそされてはいるが変化も無く、シェム・ハは依然として荒魂の汚染と戦っている、次の段階に進めずにいる今ならまだ世界を取り戻すことは可能』と結論付けていた」
フィーネさんそういうの交代するときにこっちにも共有しておいてくださいよ!!!
ですがつまりそれはシェム・ハは私達の世界の生物の精神を掌握しながらも荒魂が邪魔をして肉体の改造にまで手が回っていないということ
- 633 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/26(土) 05:23:47.79 ID:muAZ6EUa0
- 紫「それからその観測者としての立場を保ちながら等の方法を模索しつつ装置の改良を進めてはいる、元からそういった改良を目指す予定ではあったがこれは小日向の強い要望だったか」
夏菜「小日向さん...」
聞けばやはり一番取り乱しているのは未来さんだそうで
あれやこれやと意見を出しながら慣れない技術班の手伝いをしようとしたりしたと思えば、最終的にひたすら響さんの無事を祈るしか無くなっているそうです
翠「未来さんには...伝えた方がいいでしょうか」
『翠』「冷静じゃないところに情報ぶつけて平気かな...静止を振り切ってシェム・ハさんを殴りにでも行ったら大変だよ」
ですね...
気が重くなっていると、紫様がそういえばと言葉を紡ぎました
紫「立花に伝えてほしい、仮にタギツヒメと分かり合えたのならとうの昔に私や篝、美奈都が説得している...立花が気に病む必要は無い、と」
翠「...はい」
やはり、対話による和解は不可能...そう紫様はとうの昔から身をもって知っています
タキリヒメ、イチキシマヒメのような特殊なことになっていればあるいは...ですが、タギツヒメにはその可能性は低いということでした
安価下
1 誰かと話す(記述)
2 イベント判定
3 その他(記述)
(翠「節子、それシンフォギアやない、シンフォニアや...あれ?」
女神「世界は救われる...彼女を失えば...このやり取り既視感が」
『翠』「XDのコラボは迷走しまくってやっと安定してきたように思えるね、やると思ってたよ!」)
- 634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/26(土) 11:12:07.82 ID:VcYyETb30
- 1 未来さん
- 635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/26(土) 23:29:32.18 ID:xKoHBwK1O
- 3、シェム・ハとの戦い方について作戦を考える
- 636 : ◆BT63SEH4KsDo [saga]:2020/09/27(日) 02:15:41.85 ID:bYI5+kkA0
- 紫様からの伝言を貰い...と言ってもすぐにまた響さんに会いに深層世界に行くというのは今度こそシェム・ハさんに察知される危険性がある為出来ませんが...部屋を出て、次は何をするかを話し合いながら廊下を歩いていた私達
翠「響さん、それからタギツヒメには自力で抗ってもらうしかないとして...シェム・ハさんとどう戦うか...」
夏菜「腕輪が本体なら腕輪を外すなり壊すなりすれば良いんでしょうかね」
『翠』「確か赤嶺ちゃんも最悪破壊する予定だったんだっけ?」
翠「ですね...でもシェム・ハさんもそこは守りに来るでしょうし...」
それに腕輪...腕に付いているというのがネックです
そこを狙いに行ってこちらが掴まれれば、今度は響さんの『繋ぐ手』というアームドギアを利用してシェム・ハさんの支配を受けてしまうかもしれません
翠「どうしたものですかね...」
未来「戻ったんだね...翠ちゃん...」
翠「ひょわっ!?」
左肩に突然の気配、そこにあったのは超至近距離の未来さんの顔でした
思わず飛び退いて振り返ると、笑っている未来さんが立っています...いえ、目だけ笑ってませんね
『翠』《どうする翠、どう見ても未来さん限界だよ》
翠《だからこそ困るんですよ》
このままでも不味い気はしますが響さんの無事を知らせても不味い気がするという
コンマ下
奇数 バレる
偶数 バレない
- 637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 02:25:27.96 ID:z0Wdy7dm0
- はい
658.64 KB Speed:0.5
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
スポンサードリンク
Check
荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)