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【モバマス】凛・藍子「1・2・3で飛び込め!」
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803 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:17:46.75 ID:aBbC9o4U0
>>801
わざわざありがとうごぜーます
>>802
しぶりんは初バトルの頃からセンス全開でしたからね〜
投下します
804 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:18:23.03 ID:aBbC9o4U0
ルミナスメイズの森
藍子(なんとなく森の入り口まで歩いてきちゃったけど……)
藍子(……うう、暗いなあ。でもキノコを頼りに進めば迷うことはない……はず)
ザッザッ
ボクレー「ボクー」フヨフヨ
バケッチャ「バケ?」ヒョコッ
藍子「……あ、あそこにキノコがある」
藍子「ちょっと座ってみよう」ポスッ
805 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:18:54.79 ID:aBbC9o4U0
藍子「……」
藍子「この森……好きだなあ。キノコの光が幻想的で落ち着くし、なんだかずっとここにいたくなっちゃう」
藍子「それにあの浮かんでいる光って……昼間に戦ったネマシュだよね」
ネマシュ「ネマ?」フヨフヨ
藍子「……キレイ……」
藍子「……そうだ」
パシャリ
806 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:19:41.91 ID:aBbC9o4U0
藍子「……そういえば写真を撮ったのも久しぶりな気がするなあ」
藍子「ふふっ。明日、都ちゃんや凛さんに見せてあげよっ」
藍子「……」
藍子「凛さん……そういえばもともとガラルにはポケモンの調査をしに来ていたんだっけ」
藍子「それなのに私の目的にばかり付き合わせて……ジムバトルも負けちゃって。私、本当は凛さんに迷惑ばかりかけているんじゃないかな」
藍子「……私は……」
807 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:20:19.29 ID:aBbC9o4U0
藍子「……ん?」クンクン
藍子「いい匂い。これは……カレー?」
藍子「……誰かがキャンプしてる?」
ザッザッ
パチパチパチ……
藍子(焚き火の音も聞こえてきた。キャンプはすぐそこだ……)
ザッザッザッザッ
808 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:21:04.65 ID:aBbC9o4U0
藍子「……あっ」
??「……んんっ?」
??「もしかして、トレーナー……?」
藍子「は、はい、そうです」
??「しかも女の子……? 女の子がこんな夜遅くに一人で出歩いてて大丈夫か? 危なくね?」
心「あ、はぁとも女の子だったわ。てへっ☆」
藍子「……? はぁと……?」
809 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:21:58.01 ID:aBbC9o4U0
心「そーだよ、はぁとはシュガシュガはぁとだぞ☆ 以後お見知り置きを☆」
心「おいそこ、心って表記やめろ☆ シュガシュガはぁとだっつってんだろ☆」
藍子「……?」
はぁと「あ、ごめんごめんこっちの話。で、こんな夜更けにどうしたのー?」
藍子「い、いえ……森を歩いていたら、カレーの匂いがしてきて、その匂いをたどっていたらここに着いたんです」
810 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:22:42.53 ID:aBbC9o4U0
はぁと「へー。まぁ今日は色々あってご飯遅くなっちゃったからなー」
はぁと「って匂いにつられてきたって……たまにそういうポケモンもいるけどさー。もしかしてお腹ペコペコ?」
藍子「い、いや――」
はぁと「なら一緒にカレー食べよ☆ ちょうど作りすぎたと思ってたんだよねー。ほらほら、遠慮せず味わえって☆」
藍子「あ、は、はい……」
811 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:23:29.87 ID:aBbC9o4U0
……………………………………
はぁと「ぷはー、満腹だわー。あー、ビール飲みてー」
はぁと「ってビール切らしてたんだった……まぁいっか、オレンジジュースで乾杯しようぜ☆」
藍子「は、はい」
カキーン
藍子「あの、ごちそうさまでした。すごくおいしかったです」
はぁと「んー? いいっていいってー! むしろ食べるの強制した側だし☆」
ピカチュウ「ピッカァ☆」
812 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:24:48.75 ID:aBbC9o4U0
藍子「そのピカチュウ、かわいいですね。リボンとスカートを着てるなんて」
はぁと「お、わかるー? はぁとのセンスが爆発してるっしょ☆ もっと褒めて褒めて☆」
はぁと「そーいえば藍子ちゃんだっけ、こんな時間まで一人で何してたの?」
藍子「いえ、今はアラベスクタウンで泊まっていたんですけど……眠れなくて 、森を散歩していたんです」
はぁと「あ、そうなんだー。てかそこに住んでるの? それともジムチャレンジ?」
藍子「ジムチャレンジです。今日もジムに挑んだんですけど、負けちゃって……」
はぁと「お、はぁとと同類じゃん☆ じゃあそこそこ強いトレーナーなんだ! うっし、じゃあ勝負しようぜ☆」ザッ
813 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:25:45.38 ID:aBbC9o4U0
藍子「え、ええっ?」
はぁと「ちょうど食後の運動したいと思ってたんだよねー。ねー、ピカチュウ☆」
ピカチュウ「ピッカァ☆」
藍子「い、いいですけど……」
はぁと「よっしゃ☆ じゃあ行ってこいピカチュウ! ぶちのめしてこーい☆」
ピカチュウ「ピッカァ☆」ダッ
藍子「えっと……」
814 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:26:18.61 ID:aBbC9o4U0
藍子「じゃあ……ドラメシヤ、お願い!」ポンッ
ドラメシヤ「ドラッ――」
ドラメシヤ「……!!」ビクッ
はぁと「ピカチュウ、エレキボールッ☆」
ピカチュウ「ピィッカ☆」ギュン
藍子「躱して!」
ドラメシヤ「ドラ……」
『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
815 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:26:51.88 ID:aBbC9o4U0
ドラメシヤ「!!」
ドンッ
藍子「!!」
ドラメシヤ「ドラッ……」
はぁと「よっし命中ー☆ ピカチュウやるぅー☆」
藍子「ドラメシヤ、相手の動きをよく見て!」
ドラメシヤ「ド……ドラ……」
816 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:27:20.32 ID:aBbC9o4U0
はぁと「可愛さ見せつけたれー! ドレインキッス!」
ピカチュウ「ピッカァ!」バッ
藍子(ピ、ピカチュウなのにドレインキッス……!?)
藍子「ドラメシヤ!」
ドラメシヤ「ドラ……!」
はぁと「……」
はぁと「ちょい待ったピカチュウ! ストーーップ!!」
817 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:28:05.25 ID:aBbC9o4U0
ピカチュウ「ピカ?」キキーッ
藍子「……えっ?」
はぁと「いや待て待て。何があったそのドラメシヤ? めちゃくちゃ怯えてますけど?」
ドラメシヤ「ドラ……」ブルブル
藍子「……!」
藍子(まさか……ドラメシヤ、前のジムバトルがトラウマになっていて……!?)
818 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:28:33.99 ID:aBbC9o4U0
はぁと「どうやって育てたらそんなことになる? あれか? もしかして藍子ちゃんの教育方針スパルタか?」
はぁと「……はあ。これじゃ勝負になんねーわ。中止中止っ」
藍子「……」
藍子(……私、ドラメシヤに何てことを……)
はぁと「……藍子ちゃん、これどういうこと――」
はぁと「……!」
819 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:29:18.72 ID:aBbC9o4U0
藍子「……うっ」
藍子「うっ……ううっ……!」
はぁと「あ……ごめん。泣かせるつもりじゃなかった。いやほんとごめん……」
はぁと「……藍子ちゃん、もしかしてはぁとの想像以上に壮絶な人生歩んできてるカンジ?」
藍子「……」グスン
はぁと「……ツライなら話さなくていいけど。はぁとおねーさんでよかったら話、聞いてやるぞ」
藍子「……はい……」
820 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:30:30.37 ID:aBbC9o4U0
……………………………………………………
藍子「私、内気な自分を変えたくて……今回のジムチャレンジに参加することにしたんです。でも最初は何となく自信がなくて……」
藍子「そんな時に、凛さんというトレーナーと出会ったんです。凛さん、すごくバトルが強くて。カッコいいなって思った私は、凛さんにコーチをしてほしいってお願いしたんです」
はぁと「ふんふん」
藍子「凛さんはもともとガラル地方のトレーナーではなくて、別の地方からポケモンの調査をしに来ていたんです。それでも私のお願いを受けてくれて、一緒に旅をすることになりました」
藍子「……凛さんはすごいトレーナーですし、私なんかのコーチをしてくれてることは奇跡みたいなことで。だから私、なんとか凛さんに見損なわれないように、今まで必死でジムチャレンジをクリアしてきました」
はぁと「ふんふん」
821 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:31:30.83 ID:aBbC9o4U0
藍子「……でも、今回のジムチャレンジは負けちゃったんです。それも手も足も出せずに」
藍子「負けて帰ってきた私を見て、凛さんはすごく落ち込んでいました。それで私……」
はぁと「ガッカリさせちゃったって思ったんだね」
藍子「……はい」
藍子「それで凛さんとは気まずくなってしまって、もう夕方からずっと話せていないんです。私に失望したかって聞くのも怖くて……」
藍子「……こんなことで悩んでいる自分も嫌いなんです。ポケモンを持って旅に出たら、もっと自分を変えられると思っていました」
藍子「でも結局、怖くて閉じこもって逃げてばかり……これじゃ昔の私と同じですよね」
822 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:32:26.95 ID:aBbC9o4U0
藍子「……ドラメシヤは、前のジム戦で色々あって……もしかしたら、トラウマを作っちゃったのかもしれません」
藍子「……いちばん近くにいる人とも向き合えない。手持ちのポケモンのケアもできない……。私、本当にダメダメですよね」
はぁと「……」
はぁと「はい、じゃあはぁとからしつもーん☆ どうしてポケモンを持って旅に出たら変われると思ったんですかー?」
藍子「……」
藍子「……どうして。考えたこともなかったです」
823 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:33:46.20 ID:aBbC9o4U0
藍子「ただぼんやりと、私もいつかポケモンと一緒に旅をすることになる、とは思っていたんですけど……」
藍子「……言われてみればそうですね。どうして変われると思ったんだろう……」
はぁと「まーでもさ、旅に出るのを決めた頃の藍子ちゃんは変われると思ってたわけでしょ?」
はぁと「じゃあ何かしら結びつけるものがあったんだよきっと。ポケモンを持つことと変われること――その二つを繋ぐ何かが。知らんけど☆」
藍子「……」
はぁと「……ま、それを今から考えようよ。そこが曖昧だとさ、そりゃ旅する目的も見失っちゃうよ」
824 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:34:23.43 ID:aBbC9o4U0
藍子「……はぁとさんは、どうしてピカチュウと一緒に旅をしているんですか?」
はぁと「はぁと? はぁとはね……楽しいから、かな!」
藍子「……!」
はぁと「バトルも楽しい。キャンプもカレーも楽しい。ピカチュウと一緒にオシャレするのも楽しい。そう、はぁとの人生は楽しいことだらけ!」
はぁと「どうだ、聞いてるだけで楽しそうだろ☆ まぁカレシとかいないけどな☆ ずっと独り身だわこのヤロウ☆」
藍子「……」
825 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:35:16.45 ID:aBbC9o4U0
はぁと「……でも、ピカチュウがいてくれたら辛いことなんかどっか行っちゃうの。負ける悔しさとか、野宿のツラさとか、旅してたら色々あるけどさ……それ以上に楽しいんだよね」
はぁと「……うん、それに尽きるわ。はぁとの人生はピカチュウのおかげでバラ色なの☆」
ピカチュウ「ピッカァ☆」
はぁと「藍子ちゃんにも、そんな瞬間はあったんじゃない? あ、今めちゃくちゃ楽しいわ☆ 人生バラ色☆ みたいな☆」
藍子「……」
藍子「わからないです。あったかもしれないですけど……今はちょっと思い出せない……」
826 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:35:59.81 ID:aBbC9o4U0
藍子「……はぁとさん。どうやったら、ポケモンと過ごす時間が楽しくなりますか?」
はぁと「え、それ聞いちゃう? んー、そうだなぁ……」
はぁと「……知らねーよ☆」
藍子「……!」
はぁと「まあでも、どうやったら、とか考えてるうちは楽しくないだろーな。だって楽しいって理屈じゃないんだもん。わかる? わかれ☆」
藍子「……」
827 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:36:49.12 ID:aBbC9o4U0
はぁと「うん、とりあえず笑顔な、藍子ちゃん。さっきからずっとしかめっ面じゃんか。笑顔は女の武器だぞ☆ なんてなっ☆」
はぁと「というわけで……今夜は寝かさないぞっ☆」
藍子「……えっ? それってどういう――」
はぁと「よーし! はぁと、藍子ちゃんを笑顔にするまで徹夜するぞー! マジだからなー☆」
828 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:37:16.44 ID:aBbC9o4U0
翌朝
凛「……うーん……」
ムクッ
凛「……もう朝か」
都「すぴー……すぴー……」zzz
凛「都は……まだ熟睡してるみたいだね」
凛「そうだ、そろそろ藍子と朝練の時間だな」
凛「……」
829 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:37:46.35 ID:aBbC9o4U0
凛「藍子は……私をどう思っているのかな」
凛「昨日、何も言えなかった私に……失望してるのかな」
凛「……ん?」チラッ
凛「藍子、もう起きてるんだ……」
ガチャッ
凛「ロビーにいなかったってことは、もう外で待ってるのかな……」
ザッザッ
830 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:38:27.13 ID:aBbC9o4U0
藍子「……」
凛「……藍子、おはよう」
藍子「あ……おはようございます、凛さん」
凛「……」
藍子「……」
凛「……あの」
藍子「凛さんっ」
凛・藍子「あっ……」
831 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:38:55.34 ID:aBbC9o4U0
凛「……」
藍子「……」
凛「……藍子。昨日は本当にごめん」ペコッ
藍子「……!」
藍子「……どうして、凛さんが謝るんですか?」
凛「昨日、藍子が負けたのは藍子が弱かったからじゃない。私がもっとしっかりコーチの役割を果たしていれば……」
832 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:39:47.02 ID:aBbC9o4U0
凛「……それだけじゃない。今までコーチとして付き添ってきた時間が、藍子にとって正しかったのかどうか……ずっと引きずっていたんだ」
藍子「……」
凛「私は藍子のコーチにふさわしくなかったんじゃないか……って考えたりもした。だからあの時、何も言葉をかけてあげられなかった」
凛「……藍子、きっとガッカリしただろうね。情けないコーチで、ごめんね」
藍子「ガッカリしたなんて、そんなっ……」
藍子「……」グッ
833 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:41:22.48 ID:aBbC9o4U0
藍子「……凛さんは悪くないです。悪いのは……ひどい負け方をした私なんです」
凛「……!」
藍子「私も、昨日は凛さんをガッカリさせてしまったと思いました。ひょっとしたら、凛さんに愛想を尽かされてしまうんじゃないか――そう思って、昨日はよく眠れませんでした」
藍子「……それに、私は凛さんにとってお荷物なんじゃないか、とも思いはじめました」
藍子「もともとはポケモンの調査に来られたのに、勝手にコーチにして……凛さんの足を引っ張っているんじゃないかって」
834 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:41:51.49 ID:aBbC9o4U0
凛「……」
藍子「私なんか、凛さんの弟子としてふさわしくないんじゃないか……。そう考えたら、凛さんにどう接すればいいかわからなくなって…… 」
藍子「……こんなに情けないトレーナーで、ごめんなさい!」ペコッ
凛「……」
凛「……そっか。そうだったんだね」
835 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:43:09.65 ID:aBbC9o4U0
藍子「……!」
凛「……でもさ。お荷物なんて、弟子としてふさわしくないなんて……一回負けたぐらいでそんなこと思うわけないじゃんっ……!」ポロッ
藍子「り、凛さん……」
グスッ
藍子「わ、私だって……凛さんのこと、悪く言うわけないじゃないですかっ……! だって、だって、ここまで来れたのは、凛さんのおかげなのに……!」
藍子「うわあああんっっ」ガバッ
凛(……そうか。私たち、ずっとすれ違っていたんだな)
藍子(凛さんは私を、私は凛さんを想いすぎて……)
836 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:43:51.02 ID:aBbC9o4U0
凛・藍子(……私ったら、何を心配してたんだろ。馬鹿みたい)
はぁと「……」
はぁと「……友情って、いいなー。マリナルも、向こうで元気してっかな……」
はぁと(あ、やべ……泣いたらメイク落ちちゃう)
グッ
はぁと「藍子ちゃん……次はちゃんとスウィーティーなバトルしような☆ はぁとは相手が女の子だろうが容赦しねぇぞ☆」
837 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/08/28(金) 23:49:41.78 ID:aBbC9o4U0
お互いの気持ちを再確認し合い、蟠りを解消した藍子
心機一転、次回はかな子へリベンジだ
シュガシュガはぁと初登場。今後もどこかで出てきます
連れているのはORASで登場したおきがえピカチュウの一種、アイドルピカチュウです
あとマリナルはアローラでマンタインサーフ頑張ってるみたいですね
ドラメシヤのトラウマ疑惑はそのうちちゃんと補足します
今回は以上です。次回いよいよかな子リベンジ!
その前に大事な安価もあります
838 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/08/28(金) 23:51:17.12 ID:YPoupqqk0
乙 アイドルピカチュウか懐かしいそして流石心さん勝手にクララ枠と思っててすいませんでした
839 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/08/30(日) 11:47:52.55 ID:wm2pHc2R0
乙
アローラに居るキャラも増えてきたらそのうち番外編あるかな?
あとしゅがまりはおきがえピカチュウからホウエン出身?
840 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 21:26:20.69 ID:c80CQWaw0
>>839
アローラすっ飛ばしちゃったんでね…番外編作れたらいいですね(願望)
マリナルはたしかにホウエンにいそうです
安価あるところまで投下します
841 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 21:27:05.57 ID:c80CQWaw0
藍子「……あの、凛さん」
凛「ん?」
藍子「私、今までポケモンバトルを楽しいと思ったこと、あまりなかったんです。いつも勝たなきゃ、勝たなきゃって必死になっていて……きっと、負けることで凛さんに見放されるのが怖かったんだって、気づきました」
藍子「私、いつの間にかバトルを楽しむことを忘れていたのかもしれません。……でも今なら、思い出すことができるかもしれないです」
凛(……そっか。私にもそんな時期があったな)
藍子「バトルだけじゃない。私、ポケモンと過ごす時間が好きなんです。ポケモンと一緒に泣いたり、笑ったり、驚いたり――そんな時間が、とても楽しくて愛しいんです。だからこうして旅に出たんだと思います」
842 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 21:28:00.63 ID:c80CQWaw0
藍子「でも、そうやってポケモンと過ごす時間を脅かそうとしている人がガラル地方にいる。そんな事実をルミナスメイズの森で目の当たりにしました」
藍子「……だから私、もっと強くなりたい。強くなって、みんながポケモンと過ごす時間を守りたい」
藍子「かな子ちゃんには教えてもらえなかったけど、自分で答えを出せました。きっと今のジムチャレンジは、私達がガラルの危機に立ち向かうためにあるんだと」
凛「……」
藍子「……だから凛さん。私、今日からまた心機一転、頑張ります。これからもコーチ、よろしくお願いしますっ」ペコッ
凛「……わかった。その覚悟、ちゃんと受け止めたよ」
凛「私こそ、たくさん迷惑をかけるかもしれないけど……これからも、よろしくね」
843 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 21:29:27.34 ID:c80CQWaw0
藍子「はいっ!」
凛「……そうだ、藍子。これを藍子にあげようと思っていたんだ」
藍子「?」
凛「昨日、かな子に勝ったときにもらったんだけど……この道具、マホミルを進化させるために必要な道具らしいんだ」
藍子「! マホミルを……ですか!?」
凛「うん。私には必要ないから……マホミルに渡してあげて」
藍子は
>>844
を手にいれた!
安価
いちごアメざいく、ハートアメざいく、ベリーアメざいく、よつばアメざいく、おはなアメざいく、スターアメざいく、リボンアメざいくのいずれか
844 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/04(金) 21:55:40.73 ID:QpG719b70
おはなアメざいく
845 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 22:20:39.17 ID:c80CQWaw0
マホミルにおはなアメざいくをもたせた
マホミル「マホーッ♪」クルクル
藍子「……でも、どうやって進化させるんでしょう?」
凛「うーん……ポケモンによっては道具を与えたらすぐに進化するポケモンもいるけど」
マホミル「〜〜〜♪」クルクル
藍子「……変化なしですね。なにか条件があるのでしょうか」
凛「かもしれないね……」
マホミル「〜〜〜♪」クルクル
846 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 22:21:27.47 ID:c80CQWaw0
藍子「マホミル、さっきからずっとアメざいくを持ってくるくる回っていますね……」
藍子「……ふふっ、なんだか私も楽しくなってきちゃった♪」
藍子「〜〜♪」クルクル
マホミル「!」
マホミル「マホーッ♪」クルクル
凛(……マホミルと藍子がひたすら回っている)
凛(二人ともよく目を回さないな……それにしても)
凛(……平和だなあ……)フッ
847 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 22:22:12.71 ID:c80CQWaw0
マホミル「マホーッ」クルクル
マホミル「マホッ」クルクルクルクル
藍子「……?」ピタッ
マホミル「」ギュルルルル
藍子「マ、マホミル……?」
カッ
848 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 22:23:16.96 ID:c80CQWaw0
凛・藍子「!!」
ゴゴゴゴゴゴ
マホイップ「マホ〜」
藍子「……! 進化、した……!」
>>849
コンマ
0-10 ミルキィバニラ
11-21 ミルキィまっちゃ
22-32 ミルキィソルト
33-43 ミルキィレモン
44-54 ミルキィミント
55-65 ミルキィルビー
66-76 キャラメルミックス
77-87 ルビーミックス
88-99 トリプルミックス
849 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/04(金) 23:32:07.00 ID:QpG719b70
てい
850 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:35:38.95 ID:c80CQWaw0
マホイップ クリームポケモン フェアリータイプ
ミルキィバニラ おはなデコレーション
クリームを作る細胞が進化のときに揺らぎを受け、フレーバーが変化するポケモン
ホイップされたクリームの味はマホイップの幸せとともに美味しくなっていく
藍子「わあ……!」
藍子「マホイップ……これからよろしくね!」
マホイップ「マホ〜♪」
凛(……びっくりした。こんな形で進化するなんて)
凛(もしかして……回転することがカギだったの?)
藍子「……よし! マホミルも進化したことだし……」
藍子「凛さん、改めて朝練、よろしくお願いします!」
凛「……うん、わかった」
851 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:36:36.78 ID:c80CQWaw0
アラベスクジム
かな子「……」ザッザッ
かな子「ようこそ、ジムチャレンジへ♪」
藍子「……かな子ちゃん」
かな子「藍子ちゃん。正直、こんなに早く再挑戦しに来てくれるとは思わなかったよ」
かな子「そんなに知りたかったんだね。私の言っていた言葉の意味を」
藍子「……いえ、それはもう教えてもらわなくて結構です」
かな子「?」
852 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:37:21.78 ID:c80CQWaw0
藍子「かな子ちゃんが言っていた言葉の意味も、私に足りなかったものも。私なりに、答えを出すことができました」
藍子「……こんなに早く気づけたのは、きっと私のすぐ近くに、私を支えてくれる人がいたから……」
藍子「だから私は、もっと強くなります。かな子ちゃんも倒して、もっと強くなります!」グッ
かな子「……!」
かな子「……いい笑顔だね、藍子ちゃん」チャキッ
かな子「ルールは昨日と同じ。3匹のうち2匹が倒れたらおしまいだよ。それと、ダイマックスバンドも使って大丈夫だからね」
かな子「それじゃあ……いくよ!」
ジムリーダーのかな子が勝負をしかけてきた!
853 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:37:51.55 ID:c80CQWaw0
都「藍子さん、ファイトー! です!」
凛「……」
凛(都ったら、今日も聞き込みするぞって意気込んでたのに、藍子の応援を優先してくれるなんて)
凛(……大丈夫、藍子。絶対、勝てるよ。自分を信じて)
ドローンロトム『バトル・スタート!!』
藍子「……いくよ、ゴリランダー!」ポンッ
かな子「ピクシー、よろしくお願いします♪」ポンッ
854 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:38:21.41 ID:c80CQWaw0
凛(まずはピクシー……ということは昨日と同じ戦法を使ってくるはず)
藍子(でも、対策はできている!)
藍子「ゴリランダー、ちょうはつ!」
ゴリランダー「ゴリィ〜??」クイックイッ
ピクシー「ピ、ピクーッ!」キーッ
かな子「あらら……」
かな子「これじゃまともに戦えないね……ピクシー、戻って!」
855 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:38:53.77 ID:c80CQWaw0
かな子「ペロリーム!」ポンッ
ペロリーム「ペロッ」
ゴゴゴ……
ペロリーム「!」
藍子「ドラムアタック!」
ゴリランダー「ゴリ!!」ドンドコドンッ
ペロリーム「ペロッ……!」バババ
856 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:39:21.52 ID:c80CQWaw0
藍子「よしっ……!」
藍子(……けどペロリームはほのお技を持っている。ゴリランダーじゃ危険だ)
かな子「ペロリーム、かえんほうしゃ!」
藍子「ゴリランダー、交代!」シュゥゥ
藍子「いくよ……マホイップ!」ポンッ
マホイップ「マホ〜」
857 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:40:05.64 ID:c80CQWaw0
ペロリーム「ペロッ!」ボォォ
マホイップ「!」ボォォ
マホイップ「……マホ〜」ケロッ
かな子「なるほど、かえんほうしゃを読んでの交代……いい立ち回りだね、藍子ちゃん!」
都「いい感じですね! 流れが藍子さんに傾いてます!」
凛「そうだね」
凛「でもここからが正念場……勝負のカギは、マホイップにかかってる」
都「……マホイップが、ですか?」
858 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:40:44.81 ID:c80CQWaw0
藍子「よし……マホイップ、いくよ!」
藍子「デコレーション!」
マホイップ「マホ〜」サッ
シュシュシュシュシュ
かな子「……!」
都「デ、デコレーション……? どういう技なんですか?」
凛「相手の攻撃力を上げる技だよ」
都「あ、相手の!? そんなの犯人をわざと逃がしちゃうようなものじゃないですか!?」
859 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:41:26.55 ID:c80CQWaw0
凛「……そう、本来はね」
都「本来は……?」
マホイップ「マホ」シャキーン
かな子「……なるほど。自分自身をデコレーションするとは……」
藍子「そうです。……これで準備は整いました」
860 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:41:59.62 ID:c80CQWaw0
藍子「マホイップ、マジカルシャイン!」
マホイップ「マホ〜」ピッカァ
かな子「! ペロリーム!」
ペロリーム「ペロ――」
ズバァン
かな子「……!」
ペロリーム「ペロッ……」ドサァ
861 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:42:28.34 ID:c80CQWaw0
『す、すげぇ……』
『なんちゅう威力や……!』
ワァァァァァ
かな子「……っ」
かな子「ペロリーム、サイコキネシス!」
ペロリーム「ペロッ!」ミョミョミョミョ
マホイップ「!」グワッ
862 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:42:57.19 ID:c80CQWaw0
かな子「マジカルシャインを叩き込んでください!」
ペロリーム「ペロッ!!」ピッカァ
ズバァン
マホイップ「マホッ……」ドサッ
かな子「まだまだ……エナジーボール!」
ペロリーム「ペロ!」ボッ
863 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:43:26.51 ID:c80CQWaw0
藍子「マホイップ!」
マホイップ「マホ」サッ
バシュゥ
都「ク、クリームで受け止めた!?」
凛「……いや、受け止めたっていうより、吸収した、って感じかな」
都「そ、そんなこともできるんですか!?」
藍子「トドメです! マジカルシャイン!」
マホイップ「マホ〜」ピッカァ
ズバァン
864 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:43:56.97 ID:c80CQWaw0
ペロリーム「ペロッ……!」
ドサッ
ドローンロトム『ペロリーム戦闘不能! ペロリーム戦闘不能!』
藍子「……! す、すごい……」
藍子「すごいよ、マホイップっ!」
マホイップ「マホ〜♪」
865 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:44:26.75 ID:c80CQWaw0
かな子「……お疲れ様、ペロリーム」シュゥゥ
かな子「ふふっ。藍子ちゃん、楽しそうだね♪ 私もどんどん楽しくなってきたよ!」
藍子「はい……私、バトルがすごく楽しいです!」
かな子「ふふっ……そう、その気持ち。藍子ちゃん、前の試合ではずうっと眉をしかめていたでしょ?」
藍子「……はい。今までの私は、勝つことに集中しすぎて、バトルを楽しむことを忘れていました」
かな子「でも思い出せたんだよね? よかった!」
866 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:45:11.53 ID:c80CQWaw0
かな子「ねえ、藍子ちゃん。李衣菜ちゃんから聞いたよ。ガラルに怪しい集団がいるって話」
藍子「!」
かな子「しかも、その集団が各地のジムを狙っているかもしれないってことを。その話を聞いて、ジムリーダーの中でもチャレンジを中止にすべきじゃないかって意見が出た」
かな子「でも私は、続行するべきだって考えたんだ。チャレンジを通して強くなったトレーナーが、いつかガラルを守るために立ち上がって、戦ってくれるって信じているから」
かな子「……もちろん、藍子ちゃんもね」
藍子「やっぱり……そうだったんですね」
867 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:47:28.55 ID:c80CQWaw0
かな子「藍子ちゃんは変わってくれた。私はもう心配していないよ。……だから」
かな子「今はただ、私を越えて、もっと強くなってみせて!」ポンッ
かな子のマホイップ「マホ!」
マホイップ ミルキィルビー ハートアメざいく
手から生みだすクリームは、マホイップが幸せなほど甘酸っぱく、コクが深まる
藍子「! かな子ちゃんもマホイップを……!」
かな子「いくよ、藍子ちゃん!」シュゥゥ
都「! これは……ダイマックスが来ます!」
868 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:48:01.38 ID:c80CQWaw0
グンッ
かな子「マホイップ、キョダイマックス!」
ブウンッ
カッ
ズドォォォォォン
かな子のマホイップ「マァァァァーーーホッ」
869 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:48:33.29 ID:c80CQWaw0
ワァァァァァ
都「キョダイマックス……昨日も見ましたがものすごい迫力ですね……!」
凛「そうだね。私はドリュウズがいたから何とかなったけど、藍子にはフェアリータイプに弱点を突ける技がない」
都「……ええ。藍子さんの真の実力が試される場面ですね」
藍子「……あれが、キョダイマックスしたマホイップ……」
藍子「……」
870 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:49:03.43 ID:c80CQWaw0
藍子「いや、このまま戦います! マホイップ、マジカルシャイン!」
マホイップ「マホ!」ピッカァ
かな子のマホイップ「!」
バシィ
かな子「いい攻撃だね……でも!」
かな子「マホイップ、キョダイダンエン!」
かな子のマホイップ「マァァーーホ!」
グワッ
871 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:49:36.48 ID:c80CQWaw0
かな子のマホイップ「マァァァァーーーホッ!!」
ギュン
藍子(!? あれは……クリームの弾丸!?)
ドドドドドドドドドド
藍子「っ……マホイップ!」
マホイップ「マホ……」グラッ
藍子「マホイップ、大丈夫!?」
藍子「これは……ただダメージを受けただけじゃない……!」
872 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:50:15.96 ID:c80CQWaw0
かな子「そう。いくら甘くて美味しい食べ物でも、食べすぎたら頭が痛くなっちゃうよね? 藍子ちゃんのマホイップは今そういう状態、かな」
かな子「キョダイダンエンは高カロリーのクリームで相手を行動不能にする技だよ。そして同時に……」
ズズズ……
藍子(飛び散ったクリームが……マホイップの所に還っていく……?)
シュゥゥゥ
パァァ
藍子(……!)
かな子「エネルギーを還元して、体力を回復させる技でもあるんだ♪」
873 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:50:49.99 ID:c80CQWaw0
藍子(そんな……能力を上げたマホイップの攻撃が通じなかった……!)
マホイップ「マホ……」フラフラ
藍子「……っ」
藍子「マホイップ、交代!」シュゥゥ
藍子(あの技に対抗するには、どうしたらいい……? 身体がクリームでできたマホイップすらも耐えられないなら……)
藍子(……でもダイマックスは温存したい。ならどうすれば――)
874 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:51:33.03 ID:c80CQWaw0
かな子「藍子ちゃん、また顔が硬くなってるよ?」
藍子「……はっ」
かな子「ふふっ。……藍子ちゃんにはもうわかるはずだよ。どうしたら、キョダイマックスしたマホイップともっと楽しいバトルができるのか」
藍子「……!」
藍子「そう……ですね」
藍子(そうだ……ここで出し惜しみしているようじゃ、この先には進めない)
藍子(私は……かな子ちゃんを倒すんだ!)
875 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:52:02.72 ID:c80CQWaw0
藍子「ゴリランダー!」ポンッ
ゴリランダー「ゴリ!」
藍子「ゴリランダー……力を貸して!」シュゥゥ
グンッ
藍子「ダイ……マックス!!」
カッ
ズドォォォォォン
876 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:52:37.16 ID:c80CQWaw0
藍子「……!?」
藍子「……ゴ、ゴリランダー……なの……!?」
ゴリランダー「ゴォォォォォォォォン!!」
ドワァァァァァァ
都「あ、あれは……凛さん、もしかしてあの姿は……!?」
凛「……!」
凛「まさか、キョダイマックス……!?」
877 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:53:03.74 ID:c80CQWaw0
かな子「……やっぱり」
藍子「……!」
藍子(お、大きい……大きすぎて、ここからじゃドラムしか見えないけど)
ゴリランダー「……」キッ
藍子(……)コクッ
藍子(技の名前はわからないけど……やるしかない)
藍子(ゴリランダーなら……きっと大丈夫!)
878 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:53:34.20 ID:c80CQWaw0
藍子「ゴリランダー!」
ゴリランダー「ゴォォォォォン!!」
ドンドコドンッ
ゴゴゴゴゴゴ
都「うわっ!? ス、スタジアムが揺れてますっ! じ、地震!?」
凛「……落ち着いて、都。これは……」
凛「ドラムアタックを繰り出したときの地響きによく似ている。ということは……」
グワッ
879 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:54:05.87 ID:c80CQWaw0
かな子のマホイップ「!?」
ズドォォォォン
藍子「……! 木の根が、マホイップを貫いた……」
藍子(これがゴリランダーの……キョダイマックス技……!)
かな子「……マホイップ!」
かな子のマホイップ「マホォォォォ」
グググ……
バチィッ!!
880 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:54:37.50 ID:c80CQWaw0
かな子「……なかなか効いたよ、今の技」
かな子「でもね、マホイップの身体は衝撃を受けるほど固くなっていくの! もう次は通用しないよ!」
かな子「反撃だよ、マホイップ! キョダイダンエン!」
かな子のマホイップ「マァァァァーーーホッ!!」
ギュン
881 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:55:04.27 ID:c80CQWaw0
藍子「ゴリランダー!」
ゴリランダー「ゴォォォォォン!!」
ドンドンドコドンッ
グワッ
藍子「攻撃を防いで!」
かな子「!!」
ズドォォォン
882 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:55:33.82 ID:c80CQWaw0
かな子「キョダイダンエンが防がれた……!」
かな子「木の根をダイウォールの要領で使われるなんて……」
ググッ
藍子「このまま攻撃するよ、ゴリランダー!」
藍子「これで……終わりです!!」
ゴリランダー「ゴォォォォォン!!」
ドンドコドンッ
883 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:56:03.83 ID:c80CQWaw0
かな子「……マホイップっ!」
かな子のマホイップ「マァァァァーーーホッ」
ズドンッ ズドンッ ズドンッ
かな子のマホイップ「マァホ……ッ」ズザァ
かな子「うっ……! 踏ん張って、マホイップ!」
かな子のマホイップ「……!!」
ズドンッ
884 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:56:46.25 ID:c80CQWaw0
藍子「……!!」
かな子のマホイップ「マァホォォォォォォ……!!」
ズドォォォォォン
ガクッ
かな子のマホイップ「マホ……」
ドローンロトム『マホイップ戦闘不能! マホイップ戦闘不能!』
ドローンロトム『勝者、チャレンジャー・藍子!!』
ワァァァァァァァ
885 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:57:18.50 ID:c80CQWaw0
藍子「……!」
藍子「やった……勝てた……勝てたよ、ゴリランダー!」
バシュゥッ
ゴリランダー「ゴリ」
かな子「……マホイップ、ゆっくり休んでね」
かな子「いい勝負だったよ、藍子ちゃん!」
886 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:57:55.47 ID:c80CQWaw0
藍子「かな子ちゃん……ありがとうございました」ペコリ
藍子「かな子ちゃんのおかげで……ジムチャレンジを続けようと思えました」
藍子「そして、かな子ちゃんに負けたからこそ……自分に足りなかったものを自覚することができました」
かな子「ううん、そんなに気にしないで。きっと藍子ちゃんなら、乗り越えてくれるって信じてたから♪」
藍子「そうだ……あの、さっき『やっぱり』って言ってたのは?」
かな子「ああ、あれはね……ゴリランダーのこと」
887 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:58:40.06 ID:c80CQWaw0
かな子「最初のバトルで、薄々気づいてたんだ。このゴリランダー、キョダイマックスの素質があるポケモンだって」
藍子「そ、そうなんですか? 私、全然そんなこと気づかなかったです……」
かな子「そうだったんだ。だから最初のバトルではダイマックス、使わなかったんだね」
かな子「私もあんまり詳しくないんだけど、特別な環境で育ったポケモンはキョダイマックスの素質を秘めているんだって。藍子ちゃんのゴリランダーも、もしかしたら特別なポケモンなのかも」
藍子「……私のポケモンが。そんなこと、考えたこともなかったな……」
かな子「ちなみにさっきの技はキョダイコランダ。ゴリランダーのキョダイマックス技だよ」
888 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:59:22.27 ID:c80CQWaw0
かな子「……藍子ちゃん。さっきのジムチャレンジを続行すべきか――って話の続きなんだけどね」
かな子「ジムチャレンジを中止すべきって意見を唱えていた人は、いつかチャレンジャーが変な情報を吹き込まれて、怪しい集団に取り込まれるしれないって危惧していた。でもね、私はこう思う」
かな子「バトルを楽しめたり、バトルを通して自分や相手の価値を高められるトレーナーなら、きっと悪い心には染まらないだろう……って」
藍子「……!」
かな子「……うん、藍子ちゃんなら大丈夫だよね♪ じゃあ……はい、これ!」
藍子はドルチェバッジを手に入れた!
藍子は技マシン「じゃれつく」を手に入れた!
889 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/04(金) 23:59:49.68 ID:c80CQWaw0
かな子「それと、これも」
藍子はしんせんクリームを手に入れた!
かな子「……藍子ちゃん。また必ず、バトルしようね!」
藍子「……はい! こちらこそ!」
グッ
890 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/05(土) 00:00:23.34 ID:dY7cDLqO0
凛「藍子、お疲れ様」
都「いいバトルでしたね! バッジゲット、おめでとうございます!」
藍子「二人ともありがとうございます! でもまさか、ゴリランダーがキョダイマックスするなんて……」
凛「私も驚いたよ。マホイップのように本体が大きくなった、というよりはドラムが大きくなったような感じだったけど」
都「ということは……藍子さんのマホイップもキョダイマックス、するんですかね!?」
藍子「うーん、それはどうなんでしょうか……」
藍子「かな子ちゃんは特別な環境で育ったポケモンがキョダイマックスできるって言っていたんです。特別な環境ってどういうことなのか……」
891 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/05(土) 00:00:56.13 ID:dY7cDLqO0
凛「特別な環境……」
凛「ということは、同じ種族のポケモンでも、キョダイマックスする個体としない個体がいるってこと、なのかな」
凛「うーん、キョダイマックス……まだまだ謎が多いね」
藍子「そうですね。……ところで、次はどの町に向かいましょうか?」
都「あ、そのことなんですけど」
892 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/05(土) 00:02:14.33 ID:dY7cDLqO0
都「実は先ほど、さくらさん――あ、私の助手を務めてくれているんですけど――から連絡がありまして」
都「さくらさんはキルクスタウンのジムリーダー、泉さんと親しいんですが、泉さんが事件の情報を提供してくれるみたいなんです」
都「それで、よければ都さんも来て話を聞かないか、と連絡を受けました」
都「泉さんは一番最初の暴走事件の時も現場にいました。もしかしたら重要な情報を知っているかも……」
893 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/05(土) 00:02:43.58 ID:dY7cDLqO0
凛「なるほど、キルクスタウンか。えっと……」
凛「いったんナックルシティに戻って、東へ進むんだね」
凛「それに今、ジムリーダーって言ったよね。じゃあ次に挑むジムもそこでいいんじゃないかな、藍子」
藍子「私も賛成です!」
都「わかりました! では今日はゆっくり休んで――明朝、キルクスタウンへ向けて出発しましょう!」
894 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/05(土) 00:09:37.54 ID:dY7cDLqO0
アラベスクタウン編 終幕
次回>>>キルクスタウン編
長かったアラベスクタウン編が終わりました。いやあ長かった…
そして遂にマホミルが進化しました。チート級のバフ技も獲得しました
さて、そろそろレスも残り少なくなってきたので、次回は本編の補足となる小話を挟んでキルクスタウン編は次のスレから始めることにします
まだバッジは5つ、先は果てしなく長いですがのんびり頑張っていきます
お疲れさまでした
895 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/05(土) 00:14:43.27 ID:RFTM9XRc0
乙 デコレーションで自己強化可能っていいな...まあゲーム以外だとできそうだよね
896 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/06(日) 11:55:12.81 ID:NxmgMlPk0
乙
キョダイマックスゴリランダーキタ━(゚∀゚)━!手持ちになる前ダイキノコ食ったりしたんかね?
てか藍子にサルノリ譲った親戚って誰だろう?
897 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/06(日) 16:33:31.87 ID:YQy1shPyO
というかまさかの伝説以外の出禁が出来るとはな
どんだけ暴れたんだか…
898 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/11(金) 21:02:56.33 ID:O+c1N9Zr0
投下します。今回は本編の補足回です
899 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/11(金) 21:04:45.06 ID:O+c1N9Zr0
『小レポート@ -ドラメシヤの精神状態と現状についての考察および対策-』
藍子「そうだ、凛さん。少し相談したいことが……」
凛「ん、どうしたの?」
藍子「あの、ドラメシヤのことなんですけど」
藍子「実は先日、夜に森を散歩していたらトレーナーとバトルになって、私はドラメシヤをくり出したんですが……」
藍子「ドラメシヤはずっと怯えた様子で……私の指示も聞こえていなかったみたいで、何もできなかったんです」
凛「……」
藍子「……やっぱり、前のジム戦のこと、まだ引きずっているんでしょうか」
900 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/11(金) 21:05:52.47 ID:O+c1N9Zr0
凛「……そうかもね」
凛「スタジアムでのバトルはただでさえプレッシャーが大きいから、もともと臆病なドラメシヤはさらに負担を感じただろうね」
凛「でも私と特訓している時は普通に動けていたよね?」
藍子「そうなんです。だから余計に驚いちゃって……」
藍子「凛さんや私のポケモン相手なら、きっといつも通りに振る舞えるんです。でもいざ実戦になると、そうもいかないみたいで」
藍子「こんな状態で他のトレーナーとバトルをさせるのは、やっぱり厳しいでしょうか」
901 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/11(金) 21:06:57.20 ID:O+c1N9Zr0
凛「そうだね。……荒療治って手段もあるけど、やっぱり少しずつ慣れさせていくのが一番いいと思う」
凛「まあ、特訓を通じて少しずつ様子を見ていくしかないね。その分他の手持ちよりレベルアップは遅れるだろうけど」
藍子「……」
凛「藍子、不安なのはわかるよ。バトルに出せないポケモンを連れていくのって、私もすごくモヤモヤするだろうし」
凛「でもせっかく仲間になったポケモンだもん。簡単には手放したくないよね」
藍子「……はい」
藍子「私、信じてみます。この子が、いつかラテラルジムの時みたいに 、笑ってバトルできる日が来ることを」
902 :
◆7P/ioTJZG.
[saga]:2020/09/11(金) 21:08:28.53 ID:O+c1N9Zr0
藍子「それに、ドラメシヤがこうなったのは私の責任です。だからちゃんとドラメシヤと向き合っていかないといけないですよね!」
凛「……」
藍子「……あれ、凛さん? どうかしました?」
凛「……あ、いや。藍子、頼もしくなったなあ、って思っただけ」
藍子「へ、へっ!? ど、どういうことですか……!?」
凛「ふふっ。責任とか、ちゃんと向き合うとか、前の藍子は言わなかった台詞だなって思って」
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