メイプル「ここがインフィニット・デンドログラムかぁ」

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102 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/10(金) 20:16:30.01 ID:7leBO8pt0
メイプル「すごーーーい! あんなに強そうだったゴブリンウォリアーたちが紙みたいに吹っ飛んでくよ!」

ネメシス「だが流石に分が悪いな。やはり数が多すぎる。加速するだけの助走距離ももうない」

カスミ「当然、あとは私たちでやるぞッ!」バッ

バビロン「それが流儀ーーー!」バッ

メイプル「ネメシス!」

ネメシス『ああ! 存分に私を振るえ!』

メイプル「出撃ーーーッ!」バッ

イズ「……カナデちゃんも行っていいのよ?」

カナデ「いや。必要なさそう。多分このままだと二人で充分やれるよ」

カナデ「経験値を横からかっさらうのもアレだしね」

イズ「優しいわね」






カスミ「ふんっ!」ザァンッ

ゴブリンウォリアー「ごぼえっ」バキィィィィンッ

メイプル「……相変わらずの鋭い太刀筋だなぁ」

ネメシス『職業が奴隷商ということは、素の実力で刀を振るっているということだ。ある意味普通の剣士よりも恐ろしい』

メイプル「カスミー! こんなときに訊くのも何だけど、剣道とかやってたのー?」

カスミ「いや! 見よう見まねで覚えた! これでもやり込んでたからな!」

カスミ「SEKIROを!」ドーンッ

メイプル「ゲームだよそれッ!」ガビーンッ
103 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/11(土) 10:32:52.24 ID:LrwdMUIO0
ゴブリンウォリアー「ぐぎゃべっ」バキィィィンッ

カスミ「よし。ブラッドカウンターはそこそこ溜まったな。位置もいい。勝ったな」

バビロン「《ブラッドラスト》ステージ2! 《小淫魔の誘惑》!」ホワワンワンッ

ゴブリンウォリアーs「ぐがっ!?」ビクンッ

カスミ「ふむ。流石に何人かにはレジストされたか。まあ、関係はない」




ゴブリンウォリアー♂「ぐげぎゃーーーっ!(意訳:バビちゃん最高ーーー!)」

ゴブリンウォリアー♀「げげげげがーーーっ!(意訳:世界一可愛いよ!)」

ゴブリンウォリアー「げげげがっ!?」ガビーンッ


ボコスカボコスカッ



ネメシス『うおおおおおう!? 同士討ちを始めおった!』ガーンッ

メイプル「事前説明はされていたとは言え、かなり見た目がグロいなぁ」

カスミ「阿鼻叫喚。さて、使った分のブラッドカウンターを多少は元に戻さねばな。後は魅了されていないヤツを後ろから順番に」


ザァァァンッ バキィィィインッ


カスミ「辻斬りだ」チャキンッ

ネメシス『本当に敵でなくて良かったのう……』

バビロン「カスミー! ガンバ! ガンバ!」フレーフレー!

メイプル(血を貢げば貢ぐほど強くなる。捧げた分だけ見返りをくれる相棒が欲しいとか思ってたのかなぁ)

ネメシス『バビロンの名に恥じぬインモラルな能力だのう。カスミの恋愛観、絶対に重いぞ』

カスミ(なんか好き勝手言われている気がする!)ガーンッ
104 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/11(土) 20:45:04.62 ID:LrwdMUIO0
ザァァァンッ

カスミ「む。魅了がかかってないヤツは全員始末したか?」

カナデ「大丈夫だよー! こっちから見た限り、レジストしたときにもモンスターは僅かに身動ぎするんだ」

カナデ「身動ぎしたヤツらは全員カスミとメイプルが始末したから、後は魅了されたヤツだけ!」

カスミ「生殺与奪も思いのままか。生きてるだけでもう経験値同然だな。バビ」ポイッ

バビロン「いただきまーーーす!」キャッチ!

メイプル「え」

ネメシス『カスミの刀をバビが受け取って』

バビロン「はいはいそこに並んでー! よいしょーーー!」ザグウウウウッ

ゴブリンウォリアー「ぎゃあああああああああああ!?」

ネメシス『無抵抗のモンスターを一突きーーーッ!?』ガビーンッ

バビロン「おいしー! おいしー!」ザグザグザグザグ

ギャアアアアアア グエエエエエエエエ!

メイプル「なるほど。バビの経験値稼ぎのために刀を譲ったんだね。刀の腕が無くとも、無抵抗ならもう後はどうとでもなるから……」

メイプル「あれだね。ゼノブレイド2みたいな戦い方だね。私たちもやってみる? ネメシスもレベルアップしたいでしょ?」

ネメシス『それはいいが、あんな戦い方は御免だな! グロすぎる! いやグロが苦手なのではないが……』

ネメシス『できればこう……正義の味方みたいな戦い方をしたい!』

メイプル「あれも一応正義の味方だよ? 私たちの戦い方より数倍エグいのは否定できないけど」

ネメシス『過程にもこだわりたいのう』

バビロン「あー! おいしかった! ごちそうさまでした!」


ピロンッ


バビロン「あ! ねーねーカスミー! バビ第二段階になってるー!」

カスミ「おお、本当か! やったな! 大収穫だ!」ニコニコ

ネメシス『……唯一あの二人に見習えることがあるとしたら、あの仲の良さだな』

メイプル「私たちも負けてないよ」

ネメシス『……ふ、ふふふ』テレテレ
105 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/12(日) 21:48:55.41 ID:uxca9ViJ0
オリュンポスを一気にやった影響で物凄く精神がボロボロになった……
106 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/13(月) 22:03:59.53 ID:pJkdsjHQ0
ザワザワ ザワザワ

メイプル「ん? 視線を感じる」

ネメシス『まああそこまで陰惨な戦い方をしたらのう。私たちもあんまり上品には戦えないのだし』

護衛「あ、あの……」オズオズ

メイプル「はい?」

護衛「旅のマスターの方とお見受けします。ありがとうございました。あなたたちが来てくれなかったら、もしかすると……」

メイプル「ああ、いや! あはははは! 私たちよりもまずあっちの奴隷商さんに感謝してくれると」テレテレ

カスミ「職業で私を呼ぶなッ!」ウガァ!

バビロン「何はともあれ、これで一件落着かなぁ? 追加報酬とか貰えるかも!」ワクワク

カナデ「……?」

イズ「どうかしたの? カナデちゃん」

カナデ「いや、何か視界の端に……」キョロキョロ

ネメシス『ふう。ちゃっかりしていることだ』

ビュオンッ

ネメシス『な――』


ドガァァァァァァンッ


メイプル「はっ……!?」

ネメシス『なんだ今の……激突音!? 爆発音!? そしてこの土煙!』

カナデ「メイプル! 今すぐそこから離れて!」

メイプル「えっ!?」

カナデ「急襲だ! 上から来た! そいつはヤバい!」

メイプル「そいつ?」





ガルドランダ「……」ズズズズズ……

メイプル「――!」
107 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/14(火) 19:35:36.88 ID:dBfPC8wa0
ガァンッ

メイプル「がぁっ……!?」ブオンッ

カスミ「メイプル!?」

バビロン「いけなーい! クリーンヒットだよ!」

カナデ(いや違う! 直前で盾を攻撃に挟むのが間に合ってた! 致命傷にはなってない!)

カナデ(かなり派手にふっ飛ばされてるのは、裏を返せばエネルギーが破壊ではなくバウンドに使われているということだ!)

カナデ(でも!)

カスミ「ちっ! 支援を……!」

カナデ「ダメだカスミ! ガルドランダに近付いちゃいけない!」

カスミ「!」

カスミ(……そうか! コイツ! どこかで見たと思ったら!)



ネメシス『マスター! 手配書があるぞ! 何千万単位の賞金首もいるぞ!』

メイプル『え!? 本当!? ねえねえ二人とも! 途中でこれ狩らない!? 大瘴鬼ガルドランダとか凄い金額だよ!』キラキラキラ

ネメシス『凄い金額だな!』キラキラキラ




カスミ(賞金首のUBM! 大瘴鬼ガルドランダ!)

カスミ(確かアイツの攻撃は……!)バッ

バビロン「はいはいりょうかーい! カモンカスミー!」ガバッ

カナデ「そうだ! それがベスト! ガルドランダに近付いたらアウトだ! 何故ならアイツの攻撃は!」






ガルドランダ「GoAAAAAAAAAAAAAAA!!」ブシュウウウウウッ

護衛「うっ……なんだこの煙は……ぎゃっ」バタリッ

カナデ「猛毒の煙……つまり瘴気だから!」
108 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/14(火) 19:50:17.12 ID:dBfPC8wa0
カスミ(……クソッ! まずい! 思っていたよりも範囲が広い! 空気より重いのか地を這うように瘴気が進むのはいいが!)

バビロン「んしょ。んしょ」パタパタ

カスミ(こうやってバビに抱き着いてもらえば間違っても瘴気はこちらに届かない。飛行できるから。それはいい。だが!)

マリリン「……」フラフラ

バビロン「あ! マリリンが!」

カスミ「だけじゃない。商人のキャラバンが半分程度侵されてる。解毒薬があれば話は早いが……すぐ逃げるのは無理だ」

カスミ「マリリンは送還(リコール)すれば私のジュエルに戻るが……私たちのパーティ内での一番の問題は!」






メイプル「ごほっ……!? うぐっ!」フラフラ

ネメシス『酩酊、猛毒、衰弱の三連コンボ。デバフのカクテルだのう!』

メイプル「嘘でしょ。あれ、受けた感じではデミドラグワームより攻撃力が強かったのに!?」

ネメシス『モンスターとしての格が違う、か!』

カスミ「イズ! 解毒剤の類はいくらだ!?」

イズ「モノによるわねー。即座に治すとなると、滅茶苦茶高いのしかないわよ。しかも一本しか」

イズ「率直に言って快癒万能霊薬(エリクシル)しかないわー」

カスミ「奢りだ! クーポンと全財産をはたく! メイプルに投げつけろ!」

イズ「御大じーんっ!」キランッ

カスミ「カナデ! ガルドランダをどうにかする! 手を貸せ!」

カナデ「……具体的にはどうするの?」

カスミ「それは――」

メイプル「……ッ!」ビクッ

メイプル「……倒そう」

カスミ「え?」

メイプル「みんな! 私、ガルドランダを倒したい! 手を貸して!」
109 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/16(木) 18:19:40.07 ID:OwFJR5Xa0
カスミ「メイプル……!?」

カスミ(と、驚くフリをしてみたが合理的に考えるならそれしかもう道はない)

カスミ(仮に! 仮にここでメイプルではなくマリリンにエリクシルを投げつけたとしよう。それで逃げられるのはせいぜい私たちだけだ)

カスミ(つまり私たちが逃げるということは、目の前でガルドランダに襲われる商人のキャラバンを見捨てることと同義)

カスミ(それはあまりにも最低すぎる!)

カナデ(……まあ、無理だよね。彼女たちに商人たちを見捨てろって言うの。でも)

イズ「妙ね。なんか彼女、怒ってるように見えるのだけれど」

カナデ「何でだろ……って、ああ。なるほどね」

イズ「?」

カナデ「人数が減ってる」

イズ「……あ」




グチャアッ



カスミ「……さっきまでメイプルに感謝してた護衛……か……?」

バビロン「んんー……? わかんないよー。あそこまでぺしゃんこになったら」

カスミ「落下地点にいたのか。なんて運の悪い」

メイプル「……」イライラムカムカ

カスミ「……ド怒りだな。メイプルにしては。いいだろう」

カナデ「覚悟、決めようか!」

イズ「エリクシルはいつ使うー?」

メイプル「今!」

イズ「りょーかーい!」ブンッ

ガシャンッ

メイプル「……ふうっ! 準備、完了! 行くよネメシス!」

ネメシス『おうさ!』
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/04/17(金) 10:10:06.06 ID:grWieKkr0
大地の章?
111 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/17(金) 23:33:59.71 ID:rpIBU+Kz0
カスミ「さて。初手はどうするか……ダメ元でやってみるか?」

バビロン「一回程度ならブラッドカウンターの消費も少ないし、やっちゃおうか?」

カスミ「……許可する! やれ!」

バビロン「《小淫魔の誘惑》!」ホワン

ガルドランダ「……?」キョトン

バビロン「やっぱりさっぱり通らないね! わかってたー!」

カナデ「?」

カナデ(通らなかったのか? というよりも、今のは……)

ネメシス『バビのテンプテーションも効かないとなれば』

メイプル「残る攻略法はやっぱりたった一つだね!」

ネメシス『攻撃を上げて物理で殴るぞ! マスター!』

メイプル「ラジャー! 本邦初披露! 《レックレスダイバー》!」ギュオンッ

ドガァァァァァンッ

ガルドランダ「GuGaAAAAAAAAAAAAAAAA!?」

カスミ「効いてる!? 何だ今の超速度は!」

カナデ「今の、《レックレスダイバー》だね。防御を捨てて敵に向かって高速移動しつつ攻撃力をブチ上げるスキル」

カナデ「生で見るのは初めてだ。あれ取得する人いたんだなぁ」

イズ「かなり無理目な習得方法だから、ほとんど誰も取れないんだけどね。初心者じゃないと何か間違ってってこともないし」

カスミ「今のはいいぞ! かなりダメージを与えている! これなら!」

カナデ「いや、まだ足りない! そもそも防御を犠牲にする《レックレスダイバー》は連発すれば必ず撃墜される!」

カナデ「UBMだってバカじゃないんだ! 二回目からは細心の注意を払って攻撃しないと……」

メイプル「もう一回! 《レックレスダイバー》!」ギュオンッ

カスミ「話を聞いてないぞ!?」ガビーンッ
112 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/18(土) 16:43:50.84 ID:BrUlK1qw0
ガルドランダ「GuGoOOOOOOOo!」ブオンッ

ガァンッ

カナデ「メイプルッ……?」

カスミ「……?」

バビロン「……無事だよー? 真正面から食らったはずなのに」

カナデ「へ? い、いや。そんなはずは……だってあれ防御力を犠牲にするスキルのはずで……?」

カナデ「第一、さっきはふっ飛ばされていたのに、今は何で踏ん張れてるんだ!?」

ガルドランダ「……!?」ググッ

メイプル「……よし。予想通り! ATtoVTタブの効果は《レックレスダイバー》のスキルを上書きする!」ガリッ

イズ「……なるほど! 私の商品の力ね、あれ!」

バビロン「どういうことー? 何が起こってるのー?」

カナデ「《レックレスダイバー》の防御力を攻撃力に変換する能力を、更にイズのATtoVTタブの効果で上書きしたんだ!」

カナデ「集約した攻撃力を、更に防御力に転化させれば《レックレスダイバー》は高速移動と防御のスキルに転身する!」

カスミ「呆れたな……新しいスキルを覚えたてで、手に入れたばかりの商品で、よくそんなことができたものだ」

カスミ「効果処理の上書きが成されなかったらどうするつもりだったんだ?」

メイプル(あードキドキした。上手く行ってよかったねネメシス)

ネメシス『ぶっつけ本番で命を賭けたのか!?』ガビーンッ

メイプル「私たちにはピッタリのスキルとアイテム。それと《復讐するは我にあり》があれば、何とか勝機も見出せそう」

メイプル「勝つよ! みんな! あと二分三十秒くらいで!」

カスミ「ああ、わかった! 二分三十秒で……二分三十秒!?」ガーンッ

イズ「エリクシルの効果は三分しか持たないのよー。瘴気は晴れてないわけだから、このままだと再度毒に侵されるわね」

カスミ「それを早く言え!?」ガビーンッ

バビロン「カスミー。でもバビたちにできることあるー? ガルドランダを攻撃しようとしたら、カスミだって毒毒だよー?」

カスミ「……考えはある。おそらく大ダメージを与えられるはずだ。私たちも参戦するぞ!」


バサァッ


バビロン「やる気になってるのはいいんだけどさー」

カスミ「?」

バビロン「今の羽音はバビじゃないよ?」

カスミ「えっ?」

カスミ(……そういえばさっきのはバビの羽音より数倍デカかったような……!?)
113 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/18(土) 20:03:50.47 ID:BrUlK1qw0
ロックバード「KIIIIEEEEEEEEEEEEE!!!!」バサァッ

メイプル「え」

ネメシス『鳥っ……!?』


ガァンッ


メイプル「痛ぃぃったい!」

ネメシス『マスター、大丈夫か!?』

メイプル「タブの効果はまだ有効だから、なんとか……! ていうかアレ何!? 大きい鳥!?」

カナデ「……クリムゾン・ロックバード……騎獣、ガルドランダ……!」

カスミ「なるほど。今更ながら得心が行ったな。ヤツはこれから飛び降りたのだ!」

カスミ「どう大きく見積もっても、あそこまでの落下エネルギーを発生させるだけの跳躍力など無さそうだしな!」

メイプル「……!」

カナデ「いくら何でも、あと二分そこらでロックバードまで相手にしてられないよ」

ロックバード「KIEEEEEEEEEEE!」バサッバサッ

カスミ「……ふむ」

カスミ「仕方がない。ヤツは私が始末する」チャキンッ

バビロン「え? 本当?」

カナデ「いくら何でもカスミじゃ無理じゃない? ロックバードも強いよ?」

カスミ「いや。何とでもなるさ。奥の手も無くはないからな! 行けバビ!」

バビロン「りょーかーい!」パタパタパタパタ

メイプル「カスミ!」

カスミ「メイプル! 悪いがカナデと組んでガルドランダを始末してくれ! 手伝えなくてすまないが!」

カスミ「コイツは私の獲物だ!」

カナデ(……妙に張り切ってるな?)
114 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/19(日) 19:14:44.99 ID:zwxbbiiA0
メイプル「……カナデ! 遠距離からの攻撃は得意?」

カナデ「大得意だよ。魔法攻撃ならお手の物さ」

ネメシス『聞きそびれてしまったが、カナデは魔法使いとかそういう系統のマスターなのかのう』

メイプル「なら遠距離から挑発するようにやって! 常に私の陰に隠れられる位置で!」

カナデ「りょーかい!」ボンッ

ネメシス『本棚……?』

カナデ「アカシックレコード、起動! 《ファイアボール》!」ボォウッ!


ドカンッ


ガルドランダ「Gu!?」

ネメシス『おお! 強……くはないが弱くもないな! 行ける行ける!』

メイプル「あとは《レックレスダイバー》を併用しながらカナデへの攻撃をカットするように立ち回って、と……」

メイプル「ネメシス! ダメージカウンターが溜まりに溜まったらやるよ!」

ネメシス『ああ! 飛び切りのヴェンジェンスを浴びせかけてやろう!』

ガルドランダ「GuGoOOOOOOOOOO!!」ブオンッ


ガァンッ


メイプル「……利く、けど。状態異常さえ無ければ、レベルを上げた私たちの方が強いんだよ!」

カナデ「……」

カナデ(攻略の糸口は見えている。でもなんだ? 少し……簡単すぎる?)

カナデ(嫌な予感が消えない)
115 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/20(月) 18:15:25.14 ID:fWoN5UnQ0
ガァンッ ドガッ

メイプル「……ネメシス! まだ!?」

ネメシス『あと二撃程度だ! この調子ならギリギリ間に合う!』

ネメシス『上手いぞ、アイツ! 攻撃力こそ大して無いが、立ち回りが絶妙だ! 簡単にカットできる位置に回り込める!』

メイプル「……?」

メイプル(初心者の動きじゃなくない?)

ネメシス(私もちょっと疑問だけども。今は考えるのはよそう)

ガァンッ

メイプル「……あと一撃ッ! てか、腕重ッ!」

メイプル「《ファーストヒール》!」ポワンッ

ネメシス『いいぞ! この分なら余裕だ!』

ガルドランダ「GuMoOOOOOOOOO!!」ブウウンッ


ドガシャアアアッ


メイプル「ぎっ……!」

メイプル(今までで一番の一撃!)

メイプル「……ヒールしてなきゃ終わってた……!」

ネメシス『溜まったぞ!』

メイプル「目標! 頭! 盛大に!」ダンッ

カナデ(いい! 跳躍力は充分! タイミングもジャスト!)

ガルドランダ「!」





メイプル&ネメシス「《復讐するは我にあり》!」カッ
116 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/22(水) 19:03:23.96 ID:XA6gHOVm0
ドガァァァァァァンッ!

メイプル(……頭から胸にかけて吹っ飛んだ!)

ネメシス『ディ・モールト!』

メイプル(それあのゲームでは『グレート』とかと似たラインの意味で使われるけど用法間違ってないかなぁ!)

カナデ「……!」

カナデ「消滅、してない!」

ブンッ


メイプル「!」


ドガシャアアアアッ


メイプル「……ガード、成功……いやおかしいよね!? 何で首から上が吹っ飛んでて生きてるの!?」

ネメシス『あの位置なら心臓だって機能しているはずがない! 不可解な……!』







カスミ「……!? 様子が変だぞ! 頭は間違いなくふっ飛ばしたはずなのに、何故死んでない!?」

バビロン「カスミー! ロックバードの相手をしてるんだからよそ見しないでよー!」

バビロン「それに、死んでなくて当たり前でしょー?」

カスミ「は?」

バビロン「なんでお腹攻撃しなかったんだろうねー?」

カスミ「お腹? バビ、お前は何の話を――ああっ!?」
117 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/23(木) 16:40:11.17 ID:gILNYjOQ0
チェシャ『……ところで、本当にギデオンに行く気?』

カスミ『そのつもりだが、どうかしたか? 南のPKも確か撤退していたはずだろう? クロムとか言う超級のマスターに全滅させられていたはずだ』

チェシャ『うーん、あんまり詳しくは言えないんだけど』

チェシャ『鬼の心臓は腹の中』

カスミ『?』

チェシャ『このワードを覚えておいて損はないと思うよ。あと仲間を増やすのも賛成かな』




カスミ「ああーーーッ! あれそういう意味かーーーッ!」ガビーンッ

バビロン「あれ? 今思い出したの?」

カスミ「そうでなかったら別行動の前に言ってた!」

バビロン「あれ? 言ってなかったっけ?」

カスミ「ま、まずい! ここからでも声は届くか? 早くメイプルたちに知らせないと……」

バビロン「無理!」グイッ

カスミ「ぐえっ」ガクンッ

ロックバード「KIEEEEEEEEEEEEEEEE!」バサァッ

バビロン「今ここから逃げたら、ロックバードを乱戦に参加させることになっちゃうよー!」

カスミ「……近づくのすら危険か! クソッ!」

カスミ(だがどうする!? このヒントなしで心臓の位置を知ることはできるのか?)

カスミ「……自力で気付いてくれるのを期待するしか……!」
118 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/25(土) 08:03:21.51 ID:xPn7p68G0
メイプル「どうしよう。頭をふっ飛ばしても元気なら、極論全身を粉々にするしか……!」

ネメシス『やれと言われれば付き合うが、そればかりは無理だ!』

ビーッ

ネメシス『……時間切れだからな』

メイプル「……ごっほ!」

メイプル(デバフの三重奏が戻ってきた……!)フラッ

メイプル「何でもいいからいいニュースが聞きたいよ。心が折れそう」

カナデ「……うーん」

カナデ「ちょっと待っててね、メイプル」

メイプル「?」

カナデ「いいニュースは、これから作るよ」ブワッ

カナデ「《大炎上》」ゴオオオッ

ガルドランダ「……!?」ジュウウッ

メイプル「……全身を焼くタイプの魔法!?」

ネメシス『おお! そうか! これなら行けるやも……』

フッ

ガルドランダ「……?」キョトン

ネメシス『火が消えるの早ァ!? ちょっと過激な日焼けサロンではないか!』ガビーンッ

カナデ「大丈夫。完璧にビンゴだ」

ネメシス『はあ……?』

メイプル「……!」


ビキビキビキッ


メイプル「お腹周りの皮膚だけ凄い勢いで治ってく……!」

ネメシス『……これは!?』

カナデ「やっぱり。最初から変だとは思ったんだ。UBMにしては難易度が低すぎるから」
119 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/25(土) 08:15:35.77 ID:xPn7p68G0
カナデ「ヒントは見てるだけでも他に二つあった。一つはバビのテンプテーションを受けたとき」

カナデ「効かないって言っても種類はあるんだ。ゴブリン軍団との戦いを見ててそれはよくわかってる」

カナデ「つまり、無効(ノーエフェクト)と抵抗(レジスト)」

カナデ「さっきの反応はどう見ても無効の方だった」

メイプル「……え。つまりこのガルドランダって……」

カナデ「メスだ」

ネメシス『このゴツさでェ!?』ガビーンッ

カナデ「あともう一つ。これは今から考えると、の話なんだけどさ」

カナデ「……このUBM、ちょっとお腹が大きくない?」

メイプル「肥満じゃないの? 鬼ってこういうデザインだし」

カナデ「別に理由があるとしたら、何が思いつく?」

メイプル「……メスの鬼のお腹が大きいのなら……」

ネメシス『妊娠か!』ハッ

メイプル「え!? この鬼、妊婦さんだったの!?」ガーンッ

カナデ「その通り。大瘴鬼ガルドランダのデザインは『妊娠して気が立った獣』だったんだよ!」

カナデ「それならガルドランダが指名手配されるまでのUBMになった理由も説明が付く!」

ネメシス『栄養……モンスターの場合は経験値を欲していたのか! お腹の子のために!』

カナデ「頭をふっ飛ばしても平気なら、もう消去法だ。妊婦にとって自分の心臓の次に大事な器官なんて一つしかない」

メイプル「ネメシス!」

ネメシス『ああ! ここまで説明されればもうわかる! ヤツのコア部は腹だ!』
120 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/26(日) 21:10:10.98 ID:/wjjR8Vj0
メイプル「目標がわかったのなら難易度は駄々下がりだよね! 大丈夫! やれる!」

メイプル「ガルドランダが私とカナデのことを攻撃する限りは!」

ギョロリンッ

ネメシス『うおおお!? 変なところに目玉が生えてきた! 気持ち悪ッ!』ガーンッ

メイプル「流石に盲目状態の敵を一方的に……ってわけには行かなかったね」

メイプル「関係ないけどね! さあ来い!」シャキィィィィンッ

クルッ

メイプル「ん?」

ドスンドスンドスンドスンッ……

メイプル「……あれ? 逃げた?」

ネメシス『……違う! 違う違う違う! 最悪だ! あやつ!』

護衛「ひ、ひいいいい! こっちに来るなーーーッ! ぎゃぶっ」グチョオアッ

護衛2「ま、待て! 隊列を乱すな、落ち着いて対処をげびゃっ」グシャアアッ

メイプル「ッ!」

ネメシス『目標を変えただけだ。商人のキャラバンを襲い始めたぞ! 私たちをほっぽって!』

メイプル「えっ? いやっ? ええっ!? なんで!? 何で急に!?」ワタワタ

カナデ「まさかアイツ……いや、そうとしか考えられない! 間違いない!」

カナデ「今の一回で《復讐するは我にあり》の効果を見抜いたんだ! だからメイプルに攻撃するのをやめたんだ!」

カナデ「メイプルは放っておけば大した脅威じゃないから!」

メイプル「い、いや! でも私にはまだ《レックレスダイバー》が……!」

カナデ「それも離れて射程の外に出れば届かない! そもそも今のキミに、射程に入るだけの機動力もない!」

メイプル「……!」

カナデ(詰みか……? これは、もう、どうしようも……!)
121 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/28(火) 18:38:58.56 ID:dfZ/blDO0
メイプル「まだ負けてないよ!」

カナデ「!」

メイプル「機動力が足りないなら補えばいい! ほら! カナデ! カモンカモン!」

カナデ「え? 何を?」

メイプル「爆発の呪文とか、風の呪文とか何でもいいから!」

メイプル「私をアイツのところまでふっ飛ばして!」

カナデ「はあ!? ちょっと、それはいくら何でも……!」

メイプル「……」

カナデ(目がマジだ……!)

メイプル「……!」フンスフンス

カナデ「……もう! どうなっても知らないからね!」ボオウッ

カナデ「《エクスプロージョン》!」ドガァァァァァンッ



ヒュルルルルルルルッ……



メイプル「……いい角度!」

ネメシス『だが微妙にズレているぞ!』

メイプル「全然構わないよ! 射程にさえ入っちゃえば空中で《レックレスダイバー》を使うだけ!」

メイプル「敵の元へ慣性を無視して吹っ飛んでくスキルだから、これで平気!」

ネメシス『射程まで三……二……一!』

メイプル「《レックレスダイバー》!」ギュンッ

バガァァァァンッ!

ガルドランダ「!?!?」ガクーーンッ

メイプル「……追いついた!」
122 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/04/30(木) 08:29:27.56 ID:/fVCXHKl0
カナデ「……やれるか!? 《レックレスダイバー》だけでガルドランダを倒すのは、それはそれで難しいのに!」

カナデ「というか、僕がガルドランダなら彼女のことなんか相手せずに――」

ヒュルルルルルルルル

メイプル「あああああああああああっ!?」グシャアアアアンッ

カナデ「投げ返すよね。遠くに。大丈夫?」

メイプル「……あ、あと一歩で死ぬところだった……でもまだ死んでないから大丈夫!」エッヘン

カナデ「……へこたれないね。どうしてそこまで頑張れるの?」

メイプル「諦める理由がないから!」

メイプル「できないかも、とか無理かも、とか! そういうのは負けた後で考えればいいんだよ!」

メイプル「だって私たち、まだ負けてないから!」

ネメシス『マスター……』ピコーンッピコーンッ

メイプル「よし! もう一回! カナデ! 回復した後でもう一回吹き飛ばして――」

ネメシス『あの。マスター。さっきから気合入っているところ水を差すようで悪いが』ピコーンッピコーンッ

メイプル「ん?」

ネメシス『さっきから謎の通知が来ておるぞ』ピコーンッピコーンッ

メイプル「え? 通知? あ、本当だ。なんか音するね?」

カナデ「?」
123 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/05/02(土) 23:23:50.19 ID:8/aqy5lH0
メイプル「……んん? ところどころ文字化けしててよく見えないな……何コレ」

メイプル「蓄積経験値がどうのこうの……」

ネメシス『私にもまったく意味がわからんのう。なんかカウントされているが……あ、ゼロ秒になった』

メイプル「気付くの遅かったみたいだねー」

ネメシス『そうだな』カッ

ネメシス『えっ』ガシャンガシャンガシャーーーンッ

メイプル「うわぁ! ネメシスが変形した!」ガビーンッ

ネメシス『お……おお? おお! これは!』

メイプル「ネメシス! 一体どうしちゃったの!? 大剣からハルバードみたいになっちゃってるけど!」

ネメシス『マスター! マスター! なんとたった今、第二形態になったようだぞ!』

メイプル「今!?」ガビーンッ

ネメシス『新たなスキル《覚悟はそり立つ旗のように(れソリューションアズフラッグ)》を手に入れたぞ!』

メイプル「え!? 凄い! それどんなスキル!?」ワクワク

ネメシス『ターゲット固定だな』

メイプル「え」

ネメシス『端的に言うと誰を攻撃している途中だろうが、私たちに一度でも攻撃したどれか一匹はマスターの方を向くという行動をやめられない』




ガルドランダ「!?」グリンッ




メイプル「あ。本当だ。私たちの方を向いたね」

ネメシス『誰に何度攻撃されようと私たちの方を向くことしかできない。と、いうことは、私たち以外のすべての存在に背を向けることになる』

ネメシス『つまり』

メイプル「つまり?」

ネメシス『私たちがウザいから優先的にこっちを殺そうと迫ってくるであろうなぁ?』

ガルドランダ「……!」ドスンドスンドスンッ

メイプル「うわああああああああああああ!? 戻ってきたーーー!?」ガビーンッ
124 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/05/04(月) 19:50:40.87 ID:uMqbZmOm0
カナデ「……!」

カナデ(ひょっとして……勝算がないというのは僕の勘違いだったかもしれない)

カナデ(メイプルの根性論には正直つきあってられないけど、理屈の上でも僕たちにはまだできることがある!)





イズ(あら。カナデちゃんも気付いたみたいね。ガルドランダが一度攻撃を受けただけでヴェンジェンスの効果を見抜いたわけじゃないってことに)

イズ(あれはただ単に警戒していただけ。後回しにしていつでも殺せるけど、経験値を稼いで強くなってから止めを刺す方が確実だもの)

イズ(そう。メイプルちゃんは粘り強過ぎた。防御が固すぎる旨くない相手なら、後回しにするのは常道。誰でもそうする。私だってそうする)

イズ(にも関わらずカナデちゃんが『見抜かれた』と勘違いしたのは……これも簡単な理由なのだけども)

イズ(カナデちゃん。みんながあなたみたいに頭が良いわけじゃないのよ。一度だけで見抜けるなんてマネ、あなたにしかできないの)

イズ(バカの考えがさっぱりわからないし理解できないのがあなたの弱点)




カナデ「相手がヴェンジェンスの効果をまだ見抜いてないとしたら……まだ勝算はある!」

メイプル「最初から負けてないってば」

カナデ「……」

カナデ(やっぱり見てて飽きないかな。つきあってられないというのはもちろん本心だけど)

カナデ(現実に、僕たちにはまだ戦える余地がある。あった!)

カナデ「最終ラウンドだ。全力で援護する」

メイプル「オッケー!」

ネメシス『反撃開始だ!』
125 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/05/08(金) 20:11:44.30 ID:iPgeJDi60
メイプル「来る……来るよ来るよ来るよ来るよ!」

ネメシス『任せろ! 私がマスターへの攻撃を完璧に凌いで……あっ』

メイプル「あっ?」

ネメシス『そうだ。フォームシフトしたことで武器のステータスも変わってたんだった』

メイプル「つまり何?」

ネメシス『防御への補正値が若干下がるぞ、この形態だと』

メイプル「そ、それ早めに言っ――!」

ガルドランダ「!」ブオンッ

メイプル「でねぶべがっ!?」グシャアアアアアッ

カナデ「《ファーストヒール》!」ポワァッ

ネメシス『その代わり盾で防がなくてもダメージカウンターは溜まっていくがな。頑張れ』

メイプル「がっ……頑張る」ビクンビクンッ

カナデ(さて……メイプルへはステータス変化系の魔法や回復魔法のストックも全力で傾けないとな)

カナデ(どの程度やれるものか……!)

メイプル「っと!」タタッ

ガルドランダ「!?」グリンッ

メイプル「カナデの方を向いてもらうと困るから、こっち向いて!」

カナデ「メイプルー。あんまり気にしないでいいよ。僕の方が移動するからさー」

メイプル「わかっっっばっ!?」ゴシャアアアッ

ガルドランダ「……」

カナデ(さて。どのくらいやれば気付くか……いや流石に気付いたかな?)

カナデ(タゲ集中状態と言えど万能じゃない。要はメイプルの位置をガルドランダ自身が移動させればいいんだから)

カナデ(メイプルがあの大きな手にホールドされたらその時点で完全アウトだ。なんとかそうしないように攻撃も多少は混ぜて……っと)バシュッ

ドガァァンッ

ガルドランダ「……!」

カナデ(やっぱり掴みにかかった……危なー……)フウッ
126 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/05/12(火) 20:58:15.54 ID:EyXWiMUk0
カナデ(メイプルはタゲ集中状態な上に状態異常だからバキバキにボコられる)

カナデ(一瞬でも回復力がダメージに追い越されたらアウトだ)

カナデ(……不思議だな。要素を並べればできないとしか思えないのに)

メイプル「……あと少し!」

カナデ(どうしてキミは自分を疑ってないんだい?)

ネメシス『マスター! あと二撃ほど食らえば推定即死ダメージに届くぞ!』

メイプル「わかった! あと二撃、ィィィィィッ!?」メギイイイイイッ

ネメシス『すまない、計算をミスった! 今ので届いたぞ! 生きてるか!?』

メイプル「……右腕がひしゃげちゃった……」ブランッ

ネメシス『右半身の間違いだ! だが立て! 早く!』

メイプル「わかった!」シュタッ

ネメシス『よし、マスター止めを……!』ピタッ

メイプル「?」

ネメシス『……クララ……じゃなくてマスターが立ったー!』ハイジィィィィ

メイプル「思いつきをすぐ口に出す癖やめない!?」ガビーンッ

メイプル「ま、まあいいや! 行くよ! 《レックレス》」



ゴオオオオオッ


メイプル「だああああああああああああっ!?」ボオオオッ

カナデ「あ! 忘れてた! ガルドランダは瘴気の他に火炎も出すんだ!」

メイプル「そ、それ先に言ってよおおおおおお!」ブスブス

ネメシス『状態異常に火傷が追加だ! マスター!』
127 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/05/17(日) 14:54:49.74 ID:jqm2cEPl0
カナデ「……あと一歩、か。ここまで来たら意地でも勝ちたいよね」

カナデ「メイプル! タイミングを合わせて! レックレスダイバーで相手に近付けばそれでカタが付くようにするから!」

メイプル「わかった!」

カナデ(タイミングは一瞬! 賭けてやる! 僕の全部を!)

カナデ「五! 四! 三! 二! 一!」

メイプル「ゼロ! 《レックレスダイバー》!」

カナデ「《炎槍》!」ゴオオウッ

ガルドランダ「!」


ボオオオオウッ


メイプル(よし! タイミングはバッチリ! ガルドランダの炎をカナデの炎がいい具合に相殺してる! これで終わり――!)

ガルドランダ「……」メラッ

メイプル(あ、あれ? なんか変だな。撃った後はちょっとくらい硬直が入るはず……?)

カナデ「!」

カナデ(やば……撃ち分けされてる。さっきは一度に二発一気に撃つタイプの火炎放射だったけど)

カナデ(今は二発を時間差で撃つタイプの火炎放射……!)

カナデ(これはもう耐えきれない! 死――!)


ドシュンッ


爆弾生物「GuSyaaaaaaaaaaa!!!」ヒュンッ

ドカァァァァァンッ

ガルドランダ「!?」ヨロッ

メイプル「――!」

カナデ「!」

カナデ(今のはイズの……!)

メイプル「うおおおおおああああああああああああああっ!」ギュンッ






メイプル「《復讐するは我にあり》!」カッ
128 :爆死の人  ◆SxyAboWqdc [saga]:2020/05/25(月) 17:57:12.35 ID:EvVE0JF50
ガルドランダ「――」

バキィィィンッ

メイプル「……終わった?」

ネメシス『終わった……ようだな。今度は罠もないらしい』

メイプル「……はーあ……!」バタンッ



ピコンッ


メイプル「ああ……なんか通知来た。MVP……?」

ネメシス『おお! 一番活躍したのは私たちらしいぞ! 良かったな! UBM装備が貰えるぞ!』

メイプル「その前に死にそう」ビクンッ ビクンッ

ネメシス『しまった! マスターのステータスは相も変わらず最悪なままだった!』ガビーンッ

シュンッ

ネメシス「カナデ! カナデーーー! マスターを助けろーーー!」

カナデ「流石に全部を直すだけの備えは……」

イズ「あるわよ」ダバダバダバッ

メイプル「ごぼごぼ……」

ネメシス「おお、イズ!」

イズ「私お手製の粗悪版状態異常回復薬。安い代わりに治るのが遅いけど、まあ治ることには治るわ。戦闘以外では重宝するのよ」ダバダバ

メイプル「ごぼぼぼぼぼ……」

ネメシス「……いやかけすぎだ! 溺死寸前だぞ!」ガーンッ

カナデ「……」
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