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【艦これ】提督「墓場島鎮守府?」不知火「その3です」

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798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/17(金) 14:10:26.78 ID:XWBbmTvP0
>>797 >>796だわ
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/17(金) 20:36:30.06 ID:N/aFB/QY0
エタったスレに連投してまでお気持ち表明とか痛すぎる
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/19(日) 17:17:12.17 ID:J3rxEWemO
まだ来ない予感
801 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/19(日) 21:37:37.80 ID:WmSDkBawo
下げた方が荒らしに巻き込まれづらいと言うのが
当時のセオリーだったと記憶していますが、今はどうなんでしょうね。

続きです。
802 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/19(日) 21:39:02.61 ID:WmSDkBawo

 * それからしばらくして *

 * 埠頭 *

利根「……と、いうわけでの」

提督「鳥海がおかしくなったってか」アタマカカエ

暁「た、確かにショックよね……鳥海さん、遠大佐を信じてたみたいだし」

利根「とりあえず鳥海には、明石に鎮静剤を打ってもらって眠らせておる」

利根「ほかにも朧も立ち直っておらんし、大和も泣きながら如月に連れられて部屋に行くところを見た」

暁「大和さんが?」

提督「なんでそっちにまで飛び火してんだよ……」

利根「すまんが、そちらの二人もおぬしからフォローしてもらえまいか」

提督「いやまあ行くけどよ……あいつら、どんだけこの鎮守府引っ掻き回してくれてんだよ、くそが」

暁「……そういえば……ねえ、司令官?」

暁「さっき巡視船に乗り込んでいった留提督たち、落ち込んでいたっていうか……反省してたみたいな感じだったけど、司令官がなにかしたの?」

提督「うん? いや、俺はあいつらには砂浜で文句言っただけだぞ? むしろ、もうちょっと反抗的な目を向けられると思ってたが」

利根「ああ、それは古鷹のせいらしいぞ?」

提督「古鷹? あいつ、あいつらと話したのか?」
803 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/19(日) 21:40:02.72 ID:WmSDkBawo

暁「どういうこと?」

利根「古鷹が朝餉を持って行って、優しい言葉をかけたそうだ。提督が砂浜で打ちのめした直後であろう? 効果覿面である」

提督「……ったく、あれほど念押ししたのに、結局なにか話したのかよ」

暁「いけなかったの?」

提督「今となっちゃあ、いいけどよ。これ以上俺たちがあいつらと接触することもねえだろうし、古鷹がなにか悪い影響受けてなきゃ、それでいい」

暁「ふーん……」

提督「古鷹にあいつらとの接触を控えろって指示してたのも、連中を下手にもてなして調子に乗らせないようにしたかったってのと……」

提督「あいつらが加古を轟沈させてるから、そもそも近づけさせたくなかったってのと」

提督「あとは、雷に関わってお人好しが悪化しないようにしたかった、って意図があったんだ」

暁「……その……ごめんなさい」

提督「そこは暁が謝るなよ。いくら姉妹艦だからって、今回来た雷とはほぼ関わってないだろ? 俺がいろいろ仕事を押し付けたせいでな」

暁「それって、私が雷を見てショックを受けないようにって気を使ってくれてたわけでしょ?」

提督「この鎮守府に古鷹が来たときのこと、覚えてるか? それこそやりすぎだったからな」

提督「あんまりな姿にショックを受けさせたくなくて接触を控えさせてたわけだが……」

暁「大丈夫だと思ってた最後の最後に、とんでもない爆弾を投げつけられた感じよね……」アタマオサエ
804 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/19(日) 21:40:47.76 ID:WmSDkBawo

利根「ふむ……欲望というのは単純であればあるほど強くなるからな。遠大佐は余程、母性に飢えていたんだろうよ」

提督「母性、ねえ……ん?」

利根「む? あれは……千歳たちか?」

提督「なんだあいつら、もう戻って来たのか?」

 (埠頭に寄港している巡視船から降りてくる千歳たち)

千歳「あら、准尉! わざわざ待っててくださったんですか?」

提督「ん……まあ、そんなところだ。事情聴取は終わったのか?」

千歳「ええ、思った以上にすんなり終わりましたよ。当時の状況はガンビアベイちゃんが理路整然と説明してくれましたし」

提督「理路……あの控えめな性格でか?」

ガンビアベイ「私の国は、訴訟大国ですから……」エヘヘ

提督「あー、なるほど。お国柄とはいえ、あんまり嬉しくねえ適性だな」

足柄「テレビ局の6人も、一部しぶしぶだけどやったことは認めてるし、遠大佐以外は早いうちに解放されてたわね」

暁「それで雷が帰ってきてないのね……」アタマカカエ

提督「……まあ、骨が折れるだろうな、あれは」
805 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/19(日) 21:41:33.52 ID:WmSDkBawo

鹿島「その、なんと申し上げたら良いか……私たちの提督が申し訳ありません」

提督「いや、それで鹿島が謝るのはおかしいだろ。お前たちだって被害者なんだぞ」

暁「そうよ! それより鹿島さん、早くそのお顔、治療しに行きましょ?」

利根「うむ、ここに来た呉の関係者に見せるためとはいえ、その青あざをそのままにしておくのは、この鎮守府に所属する者として申し訳が立たん」

利根「いくら時間がたてば消えると言っても、怪我は早期治療が肝要じゃぞ」

鹿島「で、ですが……」

提督「その怪我は俺が連中を焚きつけた結果だ、鹿島が委縮する要素はどこにもない。俺が言うのもおこがましいが、治療を受けて行ってくれ」

鹿島「……」

山風「鹿島さん……!」

ガンビアベイ「鹿島……!」

鹿島「……わかりました」コク

提督「よし、利根、修理ドックまで案内を頼む」

利根「うむ、任されよ」

山風「私も、鹿島さんについてく……」

ガンビアベイ「Yes, 同行します」

 ゾロゾロ…
806 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/19(日) 21:42:33.00 ID:WmSDkBawo

提督「早期治療か……利根が言うと説得力が違うな」

暁「司令官、利根さんって確か……」

提督「ああ、一緒に風呂に入りたがらない理由がそれだよ」

暁「そうなんだ……」ウツムキ

提督「さてと、雷だけここに戻ってきてないが、そもそも戻ってくるのか?」

足柄「どうかしら……遠大佐のあのはっちゃけぶりだと、雷と離したら発狂するんじゃないかしら」

暁「そんなにひどいの……?」

足柄「遠大佐がはっちゃけたせいで、留提督の企みもわかったのが良かったのか悪かったのかなんだけど……」

千歳「留提督の目的は、単純に芸能界での力を得ることだそうです。海軍に所属して艦娘を率いたとなれば、それだけで知名度は段違い」

千歳「親の七光りなんて言われたくなくて、自分独自の……と言っても親のコネを使ってるわけだけど、独自の地位を築きたかったみたい」

提督「軍人系アイドルってか。斬新だな」

千歳「誰かの二番煎じを避けたかった、という意図があったのなら、まあまあいいところに目を付けたとは思うけど……」

千歳「初手で鳥海と加古を沈めましたからね。スタート地点がマイナスじゃ格好がつかないから、なんとかサルベージしようって話になって」

千歳「彼らか墓場島のことを知ったのは、それからみたいですね」
807 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/19(日) 21:43:33.12 ID:WmSDkBawo

足柄「この島の話はあちこちで誇張されてるみたいなの」

足柄「やれ提督が艦娘を奴隷にしてるだの、囚われた艦娘が帰れなくて困ってるだの、どこまで本当かがわからないくらいよ?」

暁「もう……誰も見てもいないのに、どうしてそういう話になるのかしら」

提督「まあ、噂話なんてだいたいそんなもんだ」ハァ

千歳「それから、留提督は、轟沈した艦娘が深海棲艦になるかもしれないって話を知らなかったようです」

提督「本当かよ?」

千歳「意図的に情報が止められてたみたいで、ディレクターのクルー1さんしか知らなかったみたいですね」

足柄「6君と一緒に飲んでたときもその話になったけど、彼も知らなかったって言ってたわね」

足柄「連れて帰って何か起きたら誰が責任を取るんだ、って頭を抱えてたわ」

足柄「そういえば千歳も昨日言ってたわよね。あの人たち、やってしまえばこっちのもの的な考えがあるって」

提督「面倒が起きたら海軍に丸投げ、何も起きなきゃあいつの手柄、ってか?」

千歳「ええ。それに加えて、どさくさに紛れて准尉さんの功績も奪うつもりだったんじゃないかしら……」

提督「あいつらには手に余る話だと思うがな」

暁「……ねえ司令官? 私たちがこの島を出てもいいって判断するのは、本営の人たちになるの?」

提督「ん? ……多分、そうなるな。ぶっちゃけ俺は本営がそんなことはしないと思ってるが」
808 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/19(日) 21:44:32.61 ID:WmSDkBawo

暁「えっと……一番長くいるのは如月と不知火よね? 次が吹雪と朧?」

提督「だな。ただ、不知火は本営の中将麾下だから、ちょっと都合が違うな」

千歳「え、ちょっと待って。本営中将って……」

提督「今言った通りだぞ。不知火は俺の部下じゃなくて、本営中将の部下なんだ」

提督「この島には憲兵も特別警察もいないだろ? 不知火にはその代わりにお目付け役をしてもらってる」

提督「だから今回の騒ぎも不知火には中将に直接報告してもらうつもりだ」

足柄「ちょっとぉ、一番最初にその話をしなさいよ。話してたらこの島に乗り込まれずに済んだんじゃないの?」

提督「さあ、どうだろうな? あまり中将に頼りたくないってのもあるが、それを伝えても強引に押し切られる前提で考えてたからな」

提督「あいつらが言って素直に聞く連中とは思えないし、この島にメディアが来たらこうなるぜ、って見せしめを作りたかったってのもあるしな」

足柄「見せしめって……」ヒキッ

提督「だからこそもうちょっと念入りにすり潰しておきたかったんだが……しょうがねえ、あとは中佐けしかけて追い打ちかけとくか」

千歳「そ、そこまでやる必要あります?」

提督「何度も言ってるが、俺が外の人間と関わりたくないんでな。二度と起き上がれない程度にやりすぎるくらいで丁度いい」

暁「……司令官。そういうの、ほどほどにしたほうがいいわよ?」ジト

提督「やめとけってか? しゃあねえな」カタスクメ
809 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/19(日) 21:45:17.72 ID:WmSDkBawo

暁「やりすぎて余計な恨みを買わないほうがいいでしょ? もう」ヤレヤレ

足柄「な、なんかここの暁ちゃん、大人びすぎてない?」ヒソヒソ

千歳「そ、そうね……以前もこんな感じでびっくりしたけど」ヒソヒソ

暁「……それから、さっきの話の続きなんだけど。如月って、ここへ来て1年以上経ってるわよね?」

提督「ん? そうだな……1年半くらい経つか?」

暁「それまでずっと、司令官が様子を見てきたんでしょう? 普通の鎮守府に戻れる判断基準とか、決まってないの?」

提督「まったくないな。俺は俺でこのままでいいと思ってたし、向こうから働きかけてくることもなかった」

提督「とはいえ、放置し続けるのも問題か。俺たちが受け入れ続けるにも限界があるしなあ」

提督「持ち直した奴を戻してやるってのも、真面目に考えねえと駄目な時期にきたってことかねえ」

暁「司令官。そこで『面倒臭い』はなしよ?」

提督「なんでだよ。やることはやるから、そうぼやくくらいは許してくれよ。手続きにしろ調査にしろマジで面倒臭えんだからよぉ」ハァ…

提督「この島から送り出す先の相手を探すのも骨が折れるぞ? それなりに……いや、それなりじゃなく信頼できそうな安心できる相手を探さねえと」

足柄「心配しすぎじゃないの?」

提督「しすぎなもんかよ。送ってやった先が中佐や留提督みたいなくそ野郎だったりしたらどうすんだ」
810 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/19(日) 21:46:02.94 ID:WmSDkBawo

暁「……司令官って、お父さんみたい」

提督「あぁ?」

暁「だって、そうでしょ? 司令官のお父さんはそうじゃなかったんだろうけど」

暁「お父さんっていうのは自分の子供を心配して、それが娘だったら『お前のような男に娘はやらん』みたいなことを言うんでしょ?」

提督「どっから仕入れてんだよ、そういう俗な知識……」

足柄「でも、よくあるシチュエーションよね。『お義父さん、娘さんを僕に下さい!』『貴様にお義父さんと呼ばれる筋合いはない!』みたいな!」

提督「お前もそこで暁に変な知識吹き込むんじゃねえよ」

足柄「その反応がもう完璧に、娘を持つお父さんと同じじゃないの」

暁「ねー?」

提督「……」

千歳「お父さん、ねえ……」ウーン

千歳「ねえ、足柄? 留提督のお父さんって、どのくらい海軍に顔が利くのかしら」

足柄「へっ? どのくらい……って、民間人でしょ? そんなの、たかが知れてるんじゃないの?」

提督「いや、なんか、あいつの父親は有名人らしくて、海軍に金を出してるとか言ってやがったぞ?」

足柄「そうなの!?」

千歳「足柄……また聞いてなかったの?」ガックリ

足柄「えへへ……」
811 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/19(日) 21:46:48.01 ID:WmSDkBawo

暁「留提督のやってることがすごく行き当たりばったりな気がするのも、そのせい?」

提督「かもなあ。金があるから好きにさせろ、って頭はあるかもしれねえな」

暁「うーん……だからって、鹿島さんを殴るなんて、やっぱりおかしいわ! やっていいことと悪いことの区別もつかないのかしら!」プンスカ

提督「それこそ区別つかなかったんだろうよ。あいつらの生きてる世界はまた特殊で、注目を集められる人間こそが正義ってところがある」

提督「芸能界なんて、いるだけで特別扱いされる世界だし、それこそここでも特別扱いしてもらえるって目算もあったんだろ」

提督「ただ、芸能人なら体裁を気にすると俺は思ってたんだ。色恋沙汰のスキャンダルくらいならありふれてるが、暴力はそうはいかねえ」

提督「だから煽ったんだが、そういうラインを平気で越えてくる輩だと見抜けなかったのは、俺の落ち度でしかねえよ」

暁「そういうのがテレビの世界なの? 幻滅しちゃうわ……」

提督「俺個人の色眼鏡がかなり強く入ってるから、全部が全部そういうわけじゃないだろうがな」

提督「暁はどうなんだ? お前、自分がテレビに映ったりしたら嬉しいか?」

暁「うーん……それはわかんないけど、どうせ映るなら、もっと立派なレディーになってからにしたいわ。今だとまだ子供に見られそうだし」

足柄「もう十分に大人びてると思うんだけど……」

千歳「どんな育ち方をしたらこんなに大人びた子になるのかしら……」
812 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/19(日) 21:47:33.11 ID:WmSDkBawo

提督「そうだなあ、俺なんか目立ちたくも他人と関わりたくもないから撮影拒否してんだ。暁と比べたらくそガキもいいとこだぜ」ヘッ

暁「司令官はそうやって、自分を悪く言うのやめてよねって、みんな言ってるでしょ?」ジトッ

提督「へいへい、悪かったよ」

足柄「ちょっと准尉? 暁ちゃんの精神年齢、高すぎない?」

提督「それは別にいいだろ、暁はレディーになりたいって言ってんだから。俺たちが困るようなことあるか?」

提督「むしろ、そうありたいって望んでんのに、それを俺たちの感情で、見た目通り子供らしくしろって言うのこそ理不尽だろ」

足柄「そ、それもそうだけど……」

暁「大丈夫よ、暁はレディーなんだからそのくらい気にしてないわ。むしろ大人に見られて光栄だって思わなきゃ」

千歳「対応が大人過ぎるわ……」

暁「でしょ?」ニコ

千歳「笑顔が愛らしいだけにますますギャップが……ううん、こういう物言いこそ失礼な話ね。ごめんなさい」ペコリ

暁「ふふっ、いいのよ! 間違いは誰にだってあるんだから!」

提督「笑って済ませられる間違いならいいんだがなあ……なあ暁、応援を呼ぶからこの場を任せていいか?」

暁「?」

提督「そろそろ朧たちのフォローも入れてやらねえと、と思ってな」
813 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/19(日) 21:48:34.27 ID:WmSDkBawo
短いですが、今回はここまで。
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/19(日) 22:18:29.64 ID:geMy2V5wO
更新乙です
この文章力…見習わなければ
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/20(月) 19:16:23.98 ID:S+165CY/0
更新乙。一件落着だな?
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/21(火) 11:59:27.64 ID:YuhIkno/0
綺麗に片付いた感あるけど、こっから中佐来ちゃうんだよな......
817 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 19:50:08.43 ID:TSQ7cZ5Qo
まだまだいろいろ片付いてないんですよねえ、これが……。

続きです。
818 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 19:51:01.34 ID:TSQ7cZ5Qo

 * 鎮守府正面入り口 *

物陰から提督を見ている榛名「……」コソッ

提督「……? 榛名はさっきから何やってんだ」

榛名「はっ!? 榛名の気配に気付いたのですか!?」

提督「気付くも何も、あれで隠れてたつもりか? めっちゃ物陰から体を乗り出してただろ」

榛名「そ、そうでしたか……」

提督「どうかしたのか? 話しづらいことでもあんのか?」

榛名「は、はい! その……提督は、あの、大丈夫ですか?」

提督「……端折りすぎだろ。それじゃ何が大丈夫なのかわかんねえよ。なんとなく言いたいことの察しはつくが」

榛名「も、ももも、申し訳ありません!」オタオタ

提督「まあ確かに、神経すり減らされる出来事ばっかりで、疲れたってのは正直あるな……この二日間でいろいろありすぎだ」ハァ

榛名「そ、それでしたら提督!」パァッ

榛名「榛名をお母さんだと思って甘えてくださっても」リョウテヒロゲテ

提督「そういう冗談はよせ」アタマツカミ

榛名「はう!? も、申し訳ありまあああひぃいいいい!?」メキメキッ
819 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 19:51:46.29 ID:TSQ7cZ5Qo

提督「お前、俺を心配して来たっぽいのに、逆効果なことやってどうするよ?」ハァ

榛名「はうぅ……も、申し訳ありません。ですが、提督も、両親と呼べるご家族がいなかったのを思い出しまして……」

提督「……」

榛名「榛名は心配なんです。提督は、いつもご自身より艦娘のことを案じておられます。いつも私たちを支えようと、気を張っておいでです」

榛名「提督はいつお休みになられているのか、気の休まるときがあるのか……」

榛名「提督が身を預けて休めるような、心の支えと呼ぶべき人が、提督にはおられませんので、榛名がその代わりになれればと……」シュン

提督「そんな顔すんな。むしろ、俺はお前らのために働いてる時の方が、俺はしっかりしていられる気がするんだ」

提督「お前ならわかるだろ? 俺もこうやって普通に接してくれる相手が妖精しかいなかったからな。それだけでもありがたいと思ってる」

榛名「……!」

提督「心配してくれたのに、悪かったな」ナデ

榛名「提督……!」ウルッ

提督「ところで、鳥海のことで金剛に相談したいことがあるんだが……」

榛名「そ、そうでした! 鳥海さんが大変なんです!」

提督「ああ、そいつを利根から聞いてな。それでちょっと頼まれてほしいことがあるんだが、頼んでいいか?」
820 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 19:52:31.28 ID:TSQ7cZ5Qo

 * 鎮守府内 朧の部屋の前 *

提督「さてと……」

 コンコン

提督「……」

 扉<キィ…

潮「て、提督! 来てくれたんですね……!」

提督「おう。まだ朧は立ち直ってねえか」

潮「は、はい……」チャッ

提督「朧、入るぞ」

(ベッドの中の朧が枕に顔を突っ伏して布団をかぶりうずくまっている)

朧「」ズォォォ…

提督「……放ってる空気がくっそ重てえな。こんな朧は初めてだ」

潮「昨日からずっとこんな調子で……朧ちゃん、提督が来てくれたよ……!」

朧「……」ドヨーン

提督「なんつうか……朧も結構潔癖だったってことか?」

潮「そ、それは、わかりませんけど……」
821 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 19:53:16.20 ID:TSQ7cZ5Qo

提督「おい、朧」

朧「……」

提督「朧?」ツンツン

(ゆっくりとかぶっていた布団をまくって顔を出す朧)

朧「……」モソッ

提督「うお……お前、目の下のクマがすげえぞ。眠れてないのか?」

朧「……」ジトッ

提督「おい、おぼ……うお!?」ガシ グイッ

(朧が手を伸ばして提督の手を取り、そのまま提督を引き寄せる)

提督「お、おい、急に引っ張るな! 危ねえだろ……!」

朧「……」

提督「……本当にどうしたんだ?」

朧「……提督の……」

提督「?」

朧「提督の手は、どうしてこんなに安心するんですか……」ギュ

提督「朧……?」
822 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 19:54:01.19 ID:TSQ7cZ5Qo

朧「あの知らない人に触られたときは、すごく嫌な……気持ち悪い感じがしたのに……」

朧「提督に……提督の手に触れられてると落ち着くのは、なんでなんですか……」

提督「……」

朧「あのとき……提督に、頭をなでられたとき、すごく……嬉しくて」

朧「こうやって、提督の手を、頬にあてると……胸の奥が、ぽかぽかしてきて……」スリ

朧「離れたく、なくなる……」

提督「……」

提督(困ったな……潮はどこ行った?)キョロ

物陰に隠れた潮「……」ドキドキ

提督(いつの間にかいなくなりやがった……)タラリ

朧「提督」

提督「」ドキ

朧「もっと、こっちに来てください」ジッ

提督「あ、ああ」

朧「もっとです」グイ

(朧が座るベッドの端に、屈んだ提督の膝が付くくらいに近づける)

提督(……目が怖え)
823 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 19:54:46.23 ID:TSQ7cZ5Qo

朧「うふふ……えいっ」ダキツキ

提督「っ!? ……ったく、お前、本当に大丈夫かよ」

朧「駄目です」

提督「……」

朧「だから、もっと触ってください」

提督「触れって……こ、こうか?」ナデ

朧「ん……」ニヘラ

朧「アタシ、こっそりとですけど、いいなあ、って思ってたんです。金剛さんとか、大和さんとか」

朧「みんな、こうやって、提督にくっついて、なんの躊躇もなく、ぎゅって、できるじゃないですか」

朧「アタシはそういうタイプじゃないし……自分でも、違うなあ、って思ってたんです」

提督「……」

朧「でも、朧、気付いたんです。提督に頭をなでて貰えたの、嬉しくて」

朧「もっと、触って欲しいなあ、って」スリ

提督「……」
824 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 19:55:31.11 ID:TSQ7cZ5Qo

朧「だから、こっちも触ってください」グイ

提督「!? お、おい……!」

朧「知らない人に触られた場所も、触ってください……!」

提督「……俺にセクハラしろってか」

朧「アタシが望んでたら、ハラスメントとは言わないでしょ?」

提督「かもしれねえけどよ……」セキメン

朧「まだ、一回しか、触って貰えてないんだから、いいでしょう?」ジトッ

提督「一回? 俺の記憶なら、一回じゃねえな」

朧「……え?」

提督「お前が砂浜に流れてきたときも抱きかかえていったし……」

提督「N中佐だったか? あいつをお前が問い詰めた日の夜、お前が意識不明のまま出歩いて倒れてたの、覚えてねえだろ?」

提督「そのときもお前を背負って部屋に連れてったし……」

朧「……」

提督「まあ、そのときにも、もしかしたら尻を触ってたかもしれねえんだが……」

朧「……」
825 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 19:56:16.23 ID:TSQ7cZ5Qo

提督「……朧?」

朧「そう……ですか……」ニヘラ

朧「一回だけじゃ、ないんですね……」ギュ…

提督「……」

朧「……」

提督「おい……?」

朧「……」クテン

提督「! ……困ったな」キョロキョロ

潮「……?」チラッ

提督「ん? 潮、そんなとこにいたのか……!」テマネキ

潮「す、すいませ……」

提督「……」(←口元に人差し指を立てて静かに、と促す)

潮「? ど、どうしたんですか?」ヒソヒソ
826 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 19:57:01.15 ID:TSQ7cZ5Qo

提督「……」(←提督の懐にもたれかかった朧を指さし)

潮「朧ちゃん……?」コソッ

朧「……すー、すー……」

提督「寝ちまったんだ」ヒソッ

潮「……!」

提督「寝付いたばかりだからな。もう少ししたら横にして寝かせるよ」

潮「は、はい」

提督「……それにしても」

潮「はい?」

提督「その……なんだ。あいつらに触られたところを触ってほしいとか……わけわかんねえ。意味わかるか?」

潮「うーん……嫌な記憶を、いい記憶で上書きしてほしかった、とか……」

提督「俺が、いい記憶になるのか……? 逆効果だと思うんだが……」

潮「あはは……でも、提督が嫌いだったら、朧ちゃんもそんなふうに、提督にもたれかかって眠ったりしないと思います」

潮「ほら、朧ちゃんもなんだか安心したような顔をしてますし……!」

提督「……そんなもんかねえ」セキメン
827 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 19:57:46.25 ID:TSQ7cZ5Qo

潮「だと、思います。だから、あの……少しだけ、そのまま、動かないでくださいね?」

提督「ん?」

潮「わ、私も、提督にだったら、その……触っても、大丈夫、ですから」ウシロカラダキツキ

提督「潮!? お、お前……」

潮「あ、あの、ちょっとだけ、朧ちゃんが背負われてたの思い出して、ちょっと、いいなあって思ったので……」エヘヘ

提督「いきなりだからびっくりしたぞ。いいけどよ……」

潮「男の人の背中って、大きいんですね……」スリ

提督「……」

潮「こうしてると、提督って、お父さんみたい……」スリスリ

提督(また、お父さんみたい……か。そういうもんなのか?)

潮「……提督の心臓の音が聞こえる……」ギュ…

提督(あまり胸を押し付けないで欲しいんだがな……)タラリ

潮「……」

潮「……」

潮「……」ノシッ

提督「んん? ……まさか」
828 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 19:58:31.24 ID:TSQ7cZ5Qo

潮「……スヤァ……」

提督「マジかよ……」ガックリ

提督「そういや長門から、潮はすごく寝付きが良いとか言われたことがあったようななかったような……」

朧「……すー……」

潮「……くー……」

提督「……動けねえ……やべえ、しゃがんでるせいで足も痺れてきた」

提督「くそ……誰か、誰か来ねえか……!?」

提督「そ、そうだ! 妖精! 誰かいるか!? 潮か朧の装備妖精、いるんだろ!?」

潮の装備妖精「ふえっ!?」ビクッ

提督「お前まで寝かけてたのかよ……悪いが、誰か艦娘呼んできてくれ」

提督「このままじゃ俺も動けねえし、二人をちゃんと布団に寝かせてやらねえと。誰かの手を借りたいんだ」

潮妖精「わ、わかりましたー!」スクッ ピューーン

提督「誰か都合よく来てくれると助かるんだが……くっそ、榛名に一緒に来てもらった方が良かったか?」
829 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 19:59:16.98 ID:TSQ7cZ5Qo

 * 数分後 *

提督「……」プルプル

提督(前後から力いっぱいのしかかられて、筋トレ状態だぞ……)

提督(潮の装備妖精はまだか……? 朧の装備妖精も一緒になって寝てるし、俺の妖精はどっか行ってるし)

提督(っつーか、妖精には昨日働いてもらったから休んどけって言ったばっかりだったな、そういや……)ガックリ

提督(くそ、マジできついぞ……まだ数分しか経ってねえよな?)

 タッタッタッ…

提督「来たか……!?」

潮妖精「連れてきましたー!」シュタ!

大和「……提督……?」

提督「大和か……ちょっと手を貸してくれ。動けなくて困ってんだ」

大和「は、はい、今参ります……!」ササッ

提督「とりあえず背中の潮を引っぺがしてくれ。起こさないようにゆっくり頼む」

大和「わ、わかりまし……」
830 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2021/12/26(日) 20:00:01.51 ID:TSQ7cZ5Qo

潮「むにゃ……」グイッ

提督「うお……っ!?」ヨロッ(←よろめいて前に倒れて朧を押し倒す)

 ドサッ

大和「て、提督! 大丈夫ですか!?」

提督「……あ、あぶねえ……! もうちょっとで朧を押しつぶすとこだったぞ……!」

大和「提督、急に倒れ込んだように見えましたが……」

提督「ずっとあの体勢でいたから脚が痺れたんだよ。おかげで全然踏ん張れねえ」

提督「とにかく俺の背中から早く潮をどかしてくれ。身動き取れねえ……」

大和「は、はい! ……がっちり抱き着いてますね……提督、潮ちゃんの手をほどけますか?」

提督「ああ……つか、なんか首筋が冷てえんだが」

大和「潮ちゃんのよだれです……」

提督「……」
831 : ◆EyREdFoqVQ [saga]:2021/12/26(日) 20:02:41.84 ID:TSQ7cZ5Qo
短いですが今回はここまで。

今回の話と直接関係ありませんが、
祝・朧のクリスマスグラ&アーケードの潮改二実装!
タイミング的にはたまたまですよ?

おそらく次の更新は来年になりますので、皆様良いお年をお迎えください。
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/26(日) 21:29:05.82 ID:SFim7dw70

うしおぼサンドとはうらやまけしからん

良いお年を〜
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/12/27(月) 20:28:34.62 ID:7sIYlcqD0
提督め!なんて羨まゲホッゲホッ羨ましい!
よだれ垂らして寝てる潮ちゃん見てぇえ!
良いお年をー!
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/28(火) 12:26:19.44 ID:BCyK6s9TO
朧ちゃ゛ん゛は゛可愛い゛な゛あ゛
良いお年を〜
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/17(月) 08:06:42.39 ID:Fu6CA3VMO
保守
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/17(月) 08:07:24.48 ID:Fu6CA3VMO
保守
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/22(土) 04:52:07.58 ID:cYmH+UZm0
いつの間にかこんなに伸びてた件。
艦これ知識が改の序盤ぐらいだが楽しませてもらってるぜ。
続きを期待。
838 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:38:54.22 ID:xuaBtb3Vo
私の一月はどこへ消えたのか


続きです。
839 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:39:51.60 ID:xuaBtb3Vo

 * 朧の部屋の外 *

大和「提督、お疲れ様でした」

提督「ああ。ところで……そろそろおろしてくれ」(←お姫様抱っこ)

大和「まだ足の痺れが残っておられるのでは?」ツン

提督「ひうっ!?」ビクッ

大和(反応が可愛い……)

提督「くそ……ま、まあ、そうだけどよ……」プイ

大和「でしたら、もうしばらくこのままで」ニコー

提督「誰も来ないといいけどな……つうか、俺はこのあとお前のところにも行こうとしてたんだが」

大和「えっ!? そ、そうだったんですか!?」パァッ

提督「お前も泣いてたとか聞いたからだよ。昨日から立ち直れてなかった朧を優先してこっちに来てたんだ」

大和「そ、そうでしたか……ご心配おかけして申し訳ありません」

提督「遠大佐のあの言動で鳥海や加古がショックを受けるのはわかるが、なんでまたお前が泣き出したんだ?」

大和「それは、その……やはり、私が提督に甘えるのが、おかしいのか、と、思いまして……」

提督「……」
840 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:40:35.29 ID:xuaBtb3Vo

大和「音声を聞いた限りですが、遠大佐があの小さな駆逐艦に甘えていたのを聞いて、私も少なからず眩暈を覚えました」

大和「そう思うと、この大和が、提督に甘えようというのはやはり間違っているのではと……」ウルッ

提督「まだ悩んでたのかよお前。外聞が気になるんなら、露見しなきゃいいんじゃねえの?」

大和「……」

提督「恥ずかしいなら隠れてやりゃあいい。遠大佐も大っぴらにしたから俺たちからドン引きされたわけだろ?」

大和「提督……!」

提督「そもそも、お前の場合、今更恥ずかしがることもねえんじゃねえか? 昔っから俺にくっついてたわけだし」

提督「向こうで鳳翔に叱られるまでは、しょっちゅう俺にくっついてきてたろ」

大和「……あ、いえ、それは、その……」セキメン

提督「なおかつ、お前は俺に甘えたいって言ったし、俺はそれを聞いたからな。今更やめろなんて言わねえよ」

提督「周囲の目が気になるんなら、事情を説明して理解者を増やすか、二人だけの時だけそうするか……ってのが解決策だろうな」

大和「よ……よろしいん、ですか?」

提督「いいも悪いも、それがお前の望みなんだろ?」

大和「……は、はいっ!」

提督「ったく、どいつもこいつも、なんで俺にそういうのを求めんだよ。俺を過大評価しすぎなんじゃねえの?」アタマガリガリ

提督「朧と潮もあんな感じだし……俺としちゃあ、早いとこ親離れしてほしいんだがな」

大和「お、親……ですか?」

提督「ああ、俺が父親みたいだと。ここに来る前に足柄や暁にも言われたし、潮にも言われたぜ。そんな器じゃねえと思うんだがなあ」
841 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:41:19.47 ID:xuaBtb3Vo

大和「お言葉ですが提督? 提督は十分その器だと思いますよ? 提督は以前、私たちを家族だと言って下さったではありませんか」

提督「そりゃあ……まあ、言ったけどよ。大和から見たら、見た目の齢が近すぎて親子って感じでもねえだろ」

大和「ふふっ、それは仰る通りかもしれませんね」

大和(どうせなら、親子よりも、夫婦に見られたい……なんて)ポ

提督「くそ、なんか恥ずかしくなってきた……足の痺れも消えたな。大和、そろそろ降ろしてくれ」

大和「は、はい!」

 ストン

提督「ん、ありがとな。朧たちのことも、助かった」

大和「いいえ、お役に立てたようでなによりです」ニコ

提督「……」

大和「提督? 大和がどうかしましたか?」

提督「いや。さっき来た時は元気がなさそうに見えたんだが、今はそうでもねえかな、と思ったんだ」

提督「やっぱりお前はそうやって胸張って堂々としてたほうが、凛々しくていいな」

大和「そ、そうですか……?」ポ

提督「おう。背中丸めて縮こまってるよりかは、ずっといい。見てて晴れやかになる」

大和「……!」パァッ
842 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:42:19.38 ID:xuaBtb3Vo

提督「あ、言っておくが、あくまで俺の勝手な感想だからな。お前が嫌なら無理しなくていいからな?」

大和「っ……もう、わかっておられませんね提督は」プク

提督「ん?」

大和「私は大和ですよ? このくらい無理でも苦でもありません。むしろ戦艦艦娘として当然の立ち居振る舞いです」

大和「なによりあなたからお褒めの言葉を戴いたことは、この大和の誇りであり誉れなんですよ?」

大和「それを二言目に無理するなと言われてしまっては……まるで私が不甲斐ないように思われているようで心外ですっ」プイ

提督「……あー、ま、それもそうか。それは悪かった」

提督「悪い意味にとらないでくれ。無理が来たら言えって言いたいだけだ」

大和「はいっ!」ニコニコ

提督「さて、ほんじゃあ次は鳥海んとこに行くか」

大和「大和もご一緒させていただきますね!」

提督「ん? おう」



筑摩「……」コソッ

武蔵「……」コソッ

筑摩「大和さん、背筋が伸びましたね」

武蔵「ふむ……立ち直ったと見て良さそうだな。提督が大和と何を話したか知らんが、私が口を出す必要はなさそうだ」

武蔵「良し、行こうか。付き合わせて悪かったな」

筑摩「いえ……」

筑摩「……」
843 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:43:04.29 ID:xuaBtb3Vo

 * 入渠ドック内 医務室 *

鳥海「」ポケー

提督「目を覚ましてもこうだと、相当重症だな……」

大和「それでも明石さんが言うには、先刻より良い状態という話ですから……」

提督「鳥海もいい加減な真似ができねえタチなんだろうなあ。霧島が摩耶と相性いいのは、霧島が鳥海に似てるってのもあるのかもな」

大和(霧島さんが力技で押し込もうとする辺りは武蔵とも似てますけどね)

 扉<コンコン

金剛「テートク、榛名に聞きましたヨー。私に御用デスカ?」チャッ

提督「おう、呼び出して悪いな。ちょっと頼まれて欲しいことがあってなあ」ユビサシ

鳥海「」ポケー

金剛「鳥海……?」ヒキッ

提督「まあ、あれを聞かされちゃしょうがねえか……」

金剛「いったい何があったんデスカ?」

提督「? お前、あの遠大佐のやりとり、聞いてなかったのか」

大和「金剛さんはあのとき、霧島さんたちと一緒に埋葬を手伝っていましたから」
844 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:43:34.36 ID:xuaBtb3Vo

提督「ああ、なるほど、そういうことか。金剛、実はな……」

 * かくかくしかじか *

提督「で、その話をしてたところを聞かせたら、こうなったんだとよ」

金剛「Oh, my ...」

提督「でだ。金剛、この落ち込みすぎて壊れてる鳥海に『あれ』をやってくれ」

金剛「アレ?」クビカシゲ

提督「なんて言ったらいいんだあれは? お前が自分に甘えろとか言って俺や霞にやった、捕まえて頭を撫でてた『あれ』だ」

金剛「Oh, アレは確かに……ナデナデとでも呼んだらいいんデショウカ?」

提督「どんな呼び名がいいかはわからんが、それを鳥海にやってほしいんだ。頼めるか?」

金剛「Yes ! 私にお任せくだサーイ!」

大和「て、提督? 本当にそれで大丈夫なんですか?」

提督「まあ見てろ。金剛のあれは俺ですら落ちかけたからな……」

大和「お、落ちかけた!? どういう意味ですか!?」

提督「落ちかけたっつうか毒を抜かれかけたというか……ちょっとなんて表現したらいいかわかんねえな」
845 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:44:19.70 ID:xuaBtb3Vo

提督「とにかく、鳥海をまともに話ができる状態にしたいんだ。怪我してるんなら入渠させるし、寝てるんなら起こしてやるわけだが……」

提督「今回の鳥海は遠大佐の仕打ちというか、やったことに絶望しまくったわけだ。無理矢理叩き起こしても失意の底にまた沈んじまうだろう」

提督「沈んだ感情をサルベージしてやらねえことには、何を話しても破滅的な方向にしか進まなさそうだと思ってな」

提督「希望を持たせると言うか、気持ちを浮上させてやるっつうか……」

大和「金剛さんに癒してもらおう、ということですか」

提督「ああ、それだそれだ。今の鳥海に必要なのは、癒しなんだ。精神的、感情的にプッツンした糸を修復できるのはそれしかねえ」

金剛「鳥海〜、楽にするデース」ナデナデ

鳥海「……」

金剛「ンー……鳥海、大丈夫デス、安心してくだサイ……」ギュ ナデナデ

鳥海「……」ピク

金剛「Okey, 体の力を抜いて……」ナデナデ

鳥海「……」ピクンピクン

提督「見ろ、何やっても無反応だったっつう鳥海が、金剛に撫でられて反応してる。こうなりゃそのうち覚醒するはずだ」

提督「金剛、この場は任せていいか?」ヒソッ

金剛「……!」smile & thumbs up

提督「ありがとな。大和、俺たちは部屋から出るぞ」

大和「は、はい」
846 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:45:04.42 ID:xuaBtb3Vo

 * 医務室前廊下 *

大和「あの場に提督がいらっしゃらなくて良かったんですか?」

提督「鳥海がまともに話せるようになるまでは、まだ時間がかかんじゃねえかな。気持ちの整理もつけなきゃならねえしな」

提督「じきに摩耶も来るだろ。これからどうするかの答えを聞くのは、鳥海が金剛、摩耶とゆっくり話してからでも遅くはねえ」

大和「……提督もお優しくなりましたね」

提督「んん?」

大和「如月さんから聞きましたよ。以前のあなたなら、アイアンクローで無理矢理起こしていたのでは?」

提督「ああ、金剛がいなかったらそうしてたかもなあ」

 <ウワァァァン

提督「!」

大和「あれは……鳥海さんですね。感情が戻って来た、という感じでしょうか」コソッ

提督「みたいだな。あとは摩耶にフォローしてもらうか」

摩耶「提督!」タタタッ

提督「お、噂をすれば……って、多いな!?」

霧島「摩耶の姉妹艦の一大事ですので……!」
847 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:45:49.63 ID:xuaBtb3Vo

提督「霧島や榛名はともかく、なんで比叡までいるんだ?」

摩耶「金剛型総出で轟沈艦娘の埋葬を手伝ってもらったおかげで早く来れたんだよ」

榛名「榛名は、まだお手伝いできることがあればと思いまして……」

比叡「私は金剛お姉様がこちらに来ていると聞いて!」

提督「比叡は野次馬かよ……とりあえず摩耶は早く鳥海を安心させてやってくれ」

摩耶「おう!」タタッ

利根「なんじゃ、何やら人の気配がすると思えばおぬしたちか」

提督「よう、うるさくして悪いな。さっき連れてった鹿島の怪我はどうなった?」

利根「それならば何も問題ない、明石が綺麗にしてくれたぞ。しかし、まだどこかぎこちない感じではあるな」

利根「山風に限っては白露たち姉妹艦もいることで、いくらか緊張も解けたようだが……他の二人は誰と話をさせれば良いかと思ってな」

提督「ガンビアベイと鹿島の話相手なあ……アメリカの空母に練習巡洋艦だろ? 艦種で呼ぶなら雲龍か? 鹿島は……」

比叡「それじゃあ、私が鹿島さんとお話ししましょうか?」

提督「比叡がか?」

比叡「はい! 私、練習巡洋艦じゃないけど、練習戦艦になったこともありましたし!」

提督「なるほど……なら、いいかもしんねえな。鳥海がひと段落ついたら金剛も呼ぶか、英語繋がりで」

比叡「はい! お願いします!」
848 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:46:49.94 ID:xuaBtb3Vo

榛名「でしたら、私はお茶をご用意しますね!」

提督「……」

霧島「司令? どうなさいました?」

提督「ん、ブリテンとメリケンじゃあ水が合わねえかもしれねえな、と……とはいえ、ほかに候補もいないしな」

大和「ふふっ、大丈夫ですよ、金剛さんなら」

比叡「はい! 金剛お姉様がいれば百人力です!」

提督「まあ、大丈夫だとは思うけどな」

利根「……なるほど、鳥海の見舞いに摩耶が来ておるのか」

提督「? どうした、利根」

利根「いや、なんでもないぞ」

利根(……姉妹というのは、良いものだな)

利根(吾輩も……向き合わねばなるまい)

提督「んじゃ、ここは金剛立ちに任せるか。大和は長門と大淀を呼んで、埠頭の巡視船まで連れて行ってくれ」

提督「今、暁が千歳と足柄と一緒に報告待ちしてる」

提督「いくら暁が大人びてるとはいえ、この手の仕事は全部わかってる連中に任せないと負担になるからな」

大和「はい、提督はどちらに?」

提督「埋葬された奴らに手を合わせに行ってくる」

大和「! 承知しました、いってらっしゃいませ」ケイレイ
849 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:47:34.68 ID:xuaBtb3Vo

 * 幕間 その後…… *

金剛「朝は紅茶デース!」

ガンビアベイ「No ! Coffee is best one !! です!」

榛名「!?!?」オロオロ

明石「うっわ、面倒臭い英米戦争が。誰か提督呼んできてー!」

朝潮「明石さん! お二人のために鴛鴦茶を作ってまいりました!」ガチャバーン!

明石「それは火に油を注ぐやつだからやめて!!」

鹿島「えんおうちゃ? ってなんですか?」

比叡「えーっと、紅茶とコーヒーのブレンドティーだったかな?」

鹿島「」
850 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:48:19.45 ID:xuaBtb3Vo

 * 丘の上 *

電「……」

電「……」

提督「また、増えちまったか」

電「! 司令官さん……!」

提督「気に病むな、とは言わねえが、これはお前が背負いこむことじゃねえぞ」

電「……そうは、いかないのです」ウツムキ

電「もとはと言えば、電があの人を諫められなかったのが悪かったので……」ガシッ

提督「……お前なあ」

電「す?」アタマツカマレ

提督「いい加減にしろ! いつまでも自分を追い詰めてんじゃねーぞ、しつけえんだよくそが!!」メキメキメキ

電「ぎ゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!? 痛゛い゛の゛で゛す゛う゛う゛う゛!?」ジタバタ

提督「ったく……大和といい鳥海といい、真面目が過ぎる奴が一番面倒臭え」パッ

電「は、はううう……頭に穴が開くかと思ったのです」

提督「そのまま死んだ方が楽だったか?」

電「そ、そんなことは……!!」
851 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:49:04.63 ID:xuaBtb3Vo

提督「ねえよなあ? もしそうなったら、由良や敷波がどんな顔するよ? 暁や長門だって黙っちゃいねえだろうさ」

電「……」ウツムキ

提督「今、お前が使命感に駆られたところで、できることなんざ何もねえよ。諦めろ、っつってんだ」

提督「しいて言うなら……そうだな、何をしてやったら喜ぶかな。雪風が無事だってことを伝えて安心させてやるくらいか?」

電「……」

提督「無念を晴らそうにも空母棲姫は撃沈済みだしなあ。B提督を断罪ってのも無理があるし……」

電「あの……司令官さん?」

提督「ん?」

電「電は、B提督の鎮守府に戻ろうと思うのです」

提督「……説得のためにか?」

電「はい。なので、私たち轟沈艦娘が、この島から出られる方法を検討してほしいのです」

提督「……」フー…

電「司令官さん……!」

提督「確かに……ずっとこの島でリハビリなんてのは、方便とはいえもともとの目的にそぐわねえ」

提督「様子を見ると言った以上は、結論をいつかは出さなきゃあなんねえな」

電「それじゃあ……」
852 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:49:49.32 ID:xuaBtb3Vo

提督「ただな。俺個人の見解として、お前がそいつのもとに行ったとしても、その説得に勝算はないと思ってる」

電「そ、そんな……!」

提督「むしろ、お前がそいつに始末されたりしないか心配だ」

電「い、いくらなんでもそんなことは……!」

提督「寝惚けんな。そこに並んだ艤装をちゃんと見ろってんだよ」

電「っ!」

提督「お前が初めてB提督に出会ったときのことは知らねえが、今のそいつは目的のために手段を選ばなくなってると俺は見てる」

提督「ここまでして中佐のやつに取り入られたかった奴が、お前の説得に応じると思うか?」

提督「聞く耳を持たないだけならまだいい。最悪、目障りに思われたら、無事に帰ってくることすら怪しいな」

電「……」ゾクリ

提督「そんなことになったら、それこそ由良たちが何を言ってくるか、だ。この話はあいつらにこそ相談が必要だろ」

提督「だからB提督のことなんざ忘れちまえ。お前はB提督に殺された。その時点で縁が切れたんだ」

電「そんなの、無理なのです」

電「司令官さんだって、司令官さんのお父さんやお母さんのことを、忘れられてないんじゃないですか……!?」

提督「んぐっ……! ったく、痛えとこ突いてくれるな、お前はよ……!」
853 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:50:34.51 ID:xuaBtb3Vo

提督「俺はいいんだよ。お前らと違って、ねじくれまくって矯正も後戻りもできねえ人間だ」

提督「吹雪にも言ったけどな。俺は俺があいつらと違うことを証明したいため、俺の自己満足のためにお前らを利用してるだけだ」

提督「そんな人間、もう救いようがねえんだから、汚れ仕事をおっかぶせるのに丁度いいじゃねえか」

提督「思う存分、俺を使え。俺も、くそみたいな人間を潰すのには躊躇しねえよ」

電「……」

提督「とはいえ、お前の復讐を果たすまでには、まだ俺たちの力は及ばねえ……」

提督「だから今は、忘れちまえ。封をして、眠らせろ」

電「司令官さん……」

提督「こっちは五月雨にも言ったんだけどな、恨み続けるってのは体力も気力もすげえ消耗するんだ」

提督「お前が自分を責め続けるのも同じだ。ただ気疲れするだけで、B提督のダメージになんかこれっぽっちもなりゃしねえ」

提督「そんなの、面白くねえだろ?」

電「……」コクン

提督「だから、お前の無念も、こいつらの無念も、俺に一旦預けとけ。な?」

電「……司令官さんは、ずるいのです」

提督「ん?」
854 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:51:19.54 ID:xuaBtb3Vo

電「そうやって、電たちから悪いものを取り除いたふりをして、自分が沈む準備をしているのですから……」

提督「それはいいっつったろ、俺みたいな人間が全部……」

電「司令官さんは!」

提督「!」

電「自分がされて嫌だったことを、電たちに味わわせないようにしてますよね……?」

電「電は、そんな人が、自沈するのを黙ってみているだけの方が耐えられないのです……!」

電「電は、沈んだ敵も助けたいと思っているのです。あなたも……司令官さんも、同じなのです!」ダキツキ

電「勝手に……電の知らないどこかに行くなんて、許さないのです……!!」ギュッ

提督「……」

電「ぐすっ……」

提督「……」



由良「電ちゃん、大丈夫かな……」オロオロ

敷波「初期艦だったからねー、いろいろ思うところがあってもしょうがないよ」

暁「……」

足柄「なんなのよもうっ、霞ちゃんといい、ぐずっ、あなたたちといい……!」

千歳「足柄、泣き過ぎよ……」

足柄「如月ちゃんだって提督だってそうだわ! ここのみんなは、いろいろあり過ぎよ……!!」グスグスッ
855 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:52:05.61 ID:xuaBtb3Vo

 * 鎮守府内 ロビー *

 ゾロゾロ…

長門「む、提督が戻って来たか」

大和「提督、おかえりなさいませ!」

大淀「提督、電さんはどうしたんですか?」

提督「電にも思うところがあってな。話聞いてやって泣き出して、そのまま寄りかかられて寝ちまったんで抱きかかえてきた」

敷波「自分が初期艦だってことにいろいろ思うところがあったみたいだしさー」

由良「しょうがないわよね、ね」

大和「足柄さんも目元が赤いですね……」

千歳「もらい泣きしたんです。足柄になにかあったわけじゃないから、大丈夫ですよ」

長門「そういえば先日、厨房で霞の境遇を聞いたときも大泣きしていたんだったな」

足柄「……はっ!? まさか、大淀や長門さんも……っ!?」

大淀「私はそんなに大したことはありませんよ」クス

提督(そうかねえ……)

足柄「あったことは事実なんでしょお!?」ブワッ

暁「足柄さんって、こんなに涙もろかったかしら」

千歳「ま、まあね……ちょっと、感情移入しやすいところはあるかもね」
856 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:52:49.65 ID:xuaBtb3Vo

大淀「それより提督、本営の船ですが、遠大佐と留提督の一味を連れて日本へ帰りました」

提督「ん、そうか。雷も一緒か?」

長門「ああ。遠大佐のその後がどうなるかは知らんが、雷がいないと話にならなさそうなんだと」

大淀「あのショッキングな告白がありましたからね……」アタマオサエ

提督「ま、あの様子じゃあそうもなるか」

大淀「それから、加古さんと鳥海さんの処遇についてですが、轟沈艦として処理されておりますので……」

提督「んじゃ、あとはあいつら次第だな」

大淀「そういうことになりますね」

千歳「? どういうこと?」

敷波「加古さんと鳥海さんが、この鎮守府でやっていく気があるかどうか、確認するんじゃない?」

千歳「ああ、なるほど……」

提督「加古はともかく、鳥海はあれだからな。ま、答えは急がなくてもいいだろ」

由良「すぐ訊かなくていいんですか」

提督「いい。ぶっちゃけ面倒臭え」

千歳「」

足柄「」

敷波「……」

長門「貴様は……」アタマオサエ
857 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:54:04.50 ID:xuaBtb3Vo

提督「別にいいだろ。昨日今日といろいろ立て続けに起こりすぎて疲れてんだからよ」

提督「それから大和、ちょっと電を抱えててくれるか? 上着脱ぎたいんだ」

大和「え?」

暁「電が司令官の上着をすごい力で掴んでるの」

提督「上着ごと引っぺがして電を部屋のベッドに寝かせてくるから、ちょっと支えててくれ」

大和「は、はい!」

長門「こ、ここで脱ぐのか!?」

提督「ずっと抱きかかえててそろそろ腕がつらいんだよ。お前ら戦艦と同じ体力腕力だと思うな」

大和「上着はどうなさるんです?」

提督「電が掴んだままでいいだろ。相当気に病んでたし、俺の身代わりで安心するんならそれでいい」

大和「……そ、そうですか」

大和(うらやましい……)シュン

由良(うらやましい……)ジトッ

大淀(由良さんの目が怖い……)
858 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/30(日) 21:54:49.55 ID:xuaBtb3Vo

 *

長門「提督、これは上を全部脱いだ方がいいな」

大和「制服の下に来ているTシャツまで掴んでますね……」

提督「マジか。ちょっとこのまま押さえててくれ、下着が脱げねえ」

暁「司令官、ここ、引っかかってるわ」

提督「悪い、暁もちょっと手伝ってくれ」

暁「っていうか、ここでやらなくてもいいんじゃない? 面倒がらずにお部屋に移動してからでもいいでしょ?」

千歳「ま、まあ、いろんな手間を省くつもりなんだろうし、提督の判断に任せましょ?」

暁「? 千歳さんがそう言うなら……」

千歳「うんうん」

由良「……」ギラギラ

大淀「……」チラッチラッ

足柄「……」ドキドキ

敷波(まあ、提督のこんなところ、見る機会はないけどさー……)ソワソワ

千歳「思った以上に耐性のない子が多くて不安なんだけど」ボソッ

敷波「そ、そうだね!?」ビクッ
859 : ◆EyREdFoqVQ [saga]:2022/01/30(日) 21:56:04.17 ID:xuaBtb3Vo
今回はここまで。
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/01/30(日) 23:20:03.97 ID:DwMwc5eJ0
更新乙。提督ってどんな体つきだったっけ?
861 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/31(月) 21:27:28.07 ID:y3ExNOm9o
>860
そういえば言及していませんでした。

追加で書き足しです。
862 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/31(月) 21:28:51.16 ID:y3ExNOm9o

 * 食堂 *

長門「……」

陸奥「長門、どうしたの? 考え事?」

長門「いや、ついさっき、初めて提督の裸を見たんだが」

陸奥「!?」

不知火「!?」ブボッ

如月「きゃあ!?」

不知火「げほ、げほっ! す、すみません……」フキフキ

陸奥「ちょ、ちょっと長門! どういうことなの!?」

長門「いや、それがな。かくかくしかじか……」

不知火「こほん……なるほど、電も思いつめていたと」フキフキ

長門「ああ。それで提督が上半身裸になる羽目になったんだが、軍人としてはどうも細いなと思ってな」

長門「肉がついていないわけではない。が、無駄がないと言えばいいのか、無駄がなさすぎるというか……」

長門「やせすぎとか貧相とまではいかないが、最低限の筋肉しかついていない。減量中のボクサーみたいな体つきだったな」

如月「そういえば司令官も、もうちょっと脂肪を付けたいとは言ってたわね。でもここは離島だし、食肉だけは補給に頼るしかないから……」
863 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/31(月) 21:30:47.98 ID:y3ExNOm9o

長門「確かに動物性の脂質を摂るのは難しいな。魚ばかりというのもそれはそれで栄養が偏るか」

不知火「……私の方から本営に掛け合います」

長門「そうしてもらえると助かる。それから、提督も結構、体に傷が多いというか……とくに腕はひどいな? 無数の引っ掻き傷ができていた」

如月「あれって、学生時代にケンカでできた傷なんですって。ほら、司令官って殴る蹴るより、まず掴むじゃない?」

如月「そうすると、振りほどこうとして腕を掴まれてああいう傷が増えたんですって」

長門「掴んでいれば、その間は相手が腕一本分有利にはなるからな。反撃もそれなりにもらうわけか」

如月「そもそも司令官、殴るのを嫌ってるし、ね?」

陸奥「如月ちゃん、詳しいのね……やっぱり初期艦だからかしら」ジッ

長門「付き合いは長いだろうからな。私たちより提督のことを知ってて当然だろう」

如月「え、あの……はい。そうですね」ポ

如月(今の話を司令官と一緒に寝たときにしたって言ったらどう思われるかしら……)セキメン

不知火「……どうしましょう、不知火は司令の体については何も知らないのですが」

不知火「不知火も司令に裸体を見せていただくようお願いすべきでしょうか」カオマッカ

陸奥「そ、そこまでしなくていいと思うわよ……?」
864 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/01/31(月) 21:33:34.64 ID:y3ExNOm9o
追加ここまで。

177センチ、やや痩せ気味、というのがここの提督の体型です。
南の島にいるため、若干日焼け気味、というのも書き足したかったんですが、
できるだけ自然に文中に入れるのは、なかなか難しいですね。
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/01(火) 08:03:55.49 ID:KQgVQk10O
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/02/02(水) 17:49:08.97 ID:1DrWRJvo0
さあ、続きを待ってるぞ
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/02/02(水) 22:37:01.07 ID:7tdVfInX0
乙です。島にイノシシとかはいないの?
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/02(水) 22:49:08.24 ID:dc5tZu/D0
乙乙。わざわざ書き足してくれてありがとう。
結構ガッチリした体型だと思ってたけどなるほど痩せマッチョか確かに無人島生活ならそれでもおかしくないわ、
869 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:18:37.86 ID:O3CU2Q2io
>867
イタチのような小動物は見かけるが、猪のような中型の獣は見たことがない、と言う状態です。
もしかしたら毒蛇であったり、過去に住んでいた人間が仕掛けた罠であったり、
どんな危険が潜んでいるかがわからないため、提督たちは島の西側の林の中には立ち入っていません。
また、野生生物は寄生虫が心配と言うことから、釣った魚以外は食べないようにしています。
鮭も養殖物でなければ生食はできませんし。

それでは続きです。
870 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:19:32.82 ID:O3CU2Q2io

 * 翌日の朝 墓場島埠頭 *

提督「なんだ、お前かよ……身構えて損したぜ」

L大尉「なんだじゃないよ、ひどい挨拶だなあ。少しは歓迎してくれたっていいじゃないか」

提督「何言ってんだ、お前の秘書艦のせいで鹿島がああなってんだろが」ユビサシ

鹿島「うわああああん!」ナミダジョバー

香取「大変だったわね、鹿島」ダキヨセ

鹿島「香取姉えええええ!!」ヒシッ

L大尉「あれは僕のせいでも香取のせいでもないと思うぞ?」

ガンビアベイ「Oh...これが、緊張の糸が切れる、デスカ」

山風「鹿島さんも、無理してたんだね……」

千歳「相当気を張り詰めてたでしょ?」

足柄「反動もあるんじゃない?」

朝雲「さっきまで話してた時はすっごいしっかりしてたのに……」

山雲「山雲は〜、ちょっとだけ、気持ちがわかるかも〜」

白露「やっぱり姉妹艦だと気の持ち方とかいろいろ違うよね〜」

山風「うん……あっ」
871 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:20:17.81 ID:O3CU2Q2io

海風「良かった、千歳さんも足柄さんも無事だったんですね!」

白露「あっれぇ、海風じゃん!」

海風「海風姉……!」

海風「白露姉さん!? 山風も!?」

白露「なになに、海風ってば足柄さんたちの知り合い?」

海風「は、はい、私は波大尉の鎮守府の所属です! 白露姉さんも被害に遭ったんですか!?」

白露「私はこの鎮守府の所属だよ。被害に遭ったのは山風!」

海風「そ、そうだったんですか……!」

千歳「海風、どうしてあなたがここに?」

海風「はい! 千歳さんたちがこちらの鎮守府に向かったと聞いて、お迎えに上がったんです!」

足柄「波大尉はどうしたの? 海風に秘書艦を引き継いだのに……」

海風「……波大尉は、その……入院、しています」

足柄「え?」

千歳「もう、あの子ったら……あの程、お酒は控えてって言ったのに……!」

海風「ち、違います! その……お酒もあるかもしれないですけど、鬱、です。司令官は、うつ病になったんです」

千歳「うつ……!?」
872 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:21:02.78 ID:O3CU2Q2io

朝雲「ええっ!? ちょっと、あんなに明るい人が、いったいどうして!?」

足柄「うつ病って、なにがあったの……?」

海風「……こちらの鎮守府の用を済ませて、ブルネイまで医療船を届けた後、お二人と大喧嘩して艦隊から除名されましたよね」

L大尉「喧嘩? それで除名だなんて、いくらなんでも短絡的じゃないか」

足柄「それは……いろいろ仕方ないのよ。あのときだって、酔った勢いで売り言葉に買い言葉、ってやつだったんだから」

千歳「私も居合わせたけど、ひどかったの。波大尉の部屋の床に無数のお酒の空き缶が転がってて、そこで更に飲もうとしてるから」

千歳「飲むなって言っても聞かなくて、私も思わず感情的になっちゃって……お医者様からもお酒は控えたほうがいいって言われてたのに」

足柄「おまけに波大尉ってお酒が入ってネガりだすと止まらないの。それで、勢い任せに私たちの解任と除名の手続きを始めちゃって」

足柄「千歳でもどうにもならなくて……私が怒鳴ったのが決定的だったのよ。泣くわキレるわ怯えるわ、まともに話せなくなっちゃって」

L大尉「それはまた……」

提督「それでお前らが路頭に迷う羽目になったってか」

海風「そう……です。お二人が鎮守府を離れることになって、私が秘書艦を務めたんですが……波大尉がもう……」フルフル

海風「千歳さんたちを解任したことをものすごく後悔なさってて、それ以来ろくに執務が出来なくなって」

海風「自己嫌悪からくるやけ酒と不摂生から体を壊して……入院なさってからも、私が病室に行くたびに、ごめんなさい、ごめんなさいって」

海風「千歳さんと足柄さんの名前を出して、私に謝られるんです……!」ポロポロ…

千歳「……」

足柄「……」
873 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:21:47.96 ID:O3CU2Q2io

L大尉「そういうわけで、診断の結果を見て、本営は、波大尉にこれ以上の軍務を続けさせられないと判断したんだ」

千歳「……!」

足柄「それって……!!」

海風「……」グスッ

提督「退役して一般人に戻る、ってことか」

L大尉「……だね」コクン

L大尉「それで、波大尉の入院先が、彼女の地元に近い神戸に移ることになったんだ。徐々に艦娘や海軍から離れてもらうためにね」

L大尉「彼女が回復するまでは、海軍が責任を持って看病することも決まって、僕がそこに一枚かむことになった」

L大尉「僕も元民間だったから、その民間人の視点でどう彼女をリハビリさせた方がいいか、その相談役のひとりとして、ね」

提督「波大尉が海軍を辞めるんなら、後釜はどうなる」

L大尉「それがいなくてね。かといって艦娘たちも全員フリーにするわけにはいかないから、O中尉だったかな? 彼が身元を引き取るらしいんだ」

提督「O中尉……あいつか。まあ、預け先としちゃあ悪くねえかな?」

L大尉「知り合いかい?」

提督「中佐んところで善行積みすぎて目障りになって切られた奴だ」

L大尉「……と、とにかく信用できるんだね?」

提督「知らん」

L大尉「……」
874 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:22:32.77 ID:O3CU2Q2io

朝雲「知らない、って、あのN中佐の騒動のときに手伝ってもらったんじゃなかったの!?」

提督「過去に協力してもらったことはある。が、あいつが提督業についてからの働きぶりまでは俺は見聞きしちゃいねえ」

朝雲「あ、そっか……それじゃ知らないって答えて当然よね」

提督「で、千歳と足柄もそっちに異動するって話なのか?」

L大尉「そこは香取にも立ち会ってもらって、二人の希望を取りたかったんだよ。香取?」

香取「は、はい! 鹿島、ちょっと離れててくれる?」

鹿島「ぐすぐすっ……うえっ、ふぎゅっ」グジュグジュ

香取「こほん。この話をする前にひとつ、問題があるのですが……」

香取「今回、遠大佐ならびに留提督とともに行動した艦娘6隻については、呉へ戻ることはできないとお達しがありました」

山風「え……?」

提督「なんだそりゃ。戻ってくんなってか」

L大尉「平たく言えばね。呉の中将がまあ縁起を担ぐ人物というか……」

提督「んじゃあ、L大尉も呉は出入り禁止になんのか?」

L大尉「そうなるだろうね〜……」ハァ

千歳「……あら? 准尉、誰か呼んでるわよ?」ユビサシ
875 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:23:17.87 ID:O3CU2Q2io

黒潮「……はーん! しれえはーーん!」ブンブン

提督「ん? ありゃ黒潮か? 一緒にいるのは不知火と……誰だ?」

足柄「ちょっと!? なんで那智がいるの!?」

不知火「先程、砂浜で仰向けに倒れ込んでいたところを黒潮が見つけたんです」

那智(中破)「すまないな二人とも、案内してもらって」

提督「工廠じゃなくて直接こっちに来たのか?」

黒潮「司令はんと話したいことがあるんやて。死にそうってわけでもないし、連れてきたんやけど、あかんかった?」

提督「まあ、いいけどよ」

那智「このような姿で失礼する。私は那智、貴様がこの鎮守府の提督か」

提督「ああ。俺がこの島の鎮守府の提督だ。何の用だ」

那智「私を、この島の艦隊に加えていただきたい」

提督「……!」

黒潮「は?」

足柄「はぁ!?」

不知火「本気ですか……?」

那智「ああ。この島が墓場島だろう? 轟沈した艦娘が集まる島だと聞いているが、間違いないな?」
876 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:24:02.92 ID:O3CU2Q2io

香取「そこまで御存知なのでしたら、なおのこと忌避される方の方が多いと思うのですが……理由を聞かせていただいても?」

那智「私は、呉の中将……和中将の鎮守府に所属していた」

L大尉「呉の……!?」

提督「なんだ? さっきの話か?」

香取「は、はい。呉鎮守府の墓場島嫌いなのが、件の和中将閣下です」

那智「うむ。そこで私は、和中将の酒飲み相手をずっとさせられていた。海に出ることも、海を見ることもかなわず、耐え忍ぶことはや1年」

那智「和中将の話を聞きながらグラスを傾け酒をあおり、ただ首肯する。私は、ずっとその役目を背負わされてきた」

那智「しかしだ。私は本来、艦娘として、人類の敵たる深海棲艦を打倒するものとして、生まれてきたはず」

那智「何度か具申させていただいたがそれも受け入れられず……それで私はあの鎮守府を抜け出し、和中将が忌み嫌うこの島へ来たんだ」

那智「私がここに来たとあの男が知れば、それ以上私に関わろうとは思わないだろうからな……!」

足柄「那智……!」ウルッ

提督「やれやれ、わざわざ死にに来たのか?」

那智「いいや、私は生きて、艦娘としての生を全うするために、ここに来たんだ」

提督「ふーん……」
877 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:25:02.56 ID:O3CU2Q2io

黒潮「司令はん? 顔がわろてるけど?」

提督「いやあ、いい覚悟してんじゃねえかと思ってな」ニィッ

不知火「いつもの質問もする必要がないということですね」

足柄「ちょっと、准尉の笑顔がすっごい悪役っぽいんだけど」タラリ

提督「しょうがねえだろ、これが地の顔だ。ま、とにかくだ、和中将に確認なんかいらねえな、ドロップ艦扱いで申請しても良さそうだ」

那智「本当か!」パァッ

提督「ま、お前みたいにこの島に着任したくて流れ着く奴なんて初めてだからな。今更引き返すなんてできねえぞ、いいんだな?」

那智「艦娘として、海で働かせてもらえるのだろう? であれば二言はない」ニコニコ

提督「それがお前の望みなら、好きに出撃しな。あとで大淀に連絡しとくぞ、黒潮たちも入渠に付き合え」

黒潮「了解やー」

提督「それにしても、よくここまで来られたな」

那智「この船が呉を出港する時に、鎮守府を抜け出してこの船を追いかけたんだ」

那智「横須賀に向かったときは少し焦ったが、その後に外海に出て、この島へ向かう航路に向かってくれて安心していたところだ」

香取「そういえば、この島に向かう途中、深海勢力の駆逐艦が数隻、電探に反応していましたが、そのうち数隻分の反応が突然喪失していました」
878 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:25:48.17 ID:O3CU2Q2io

香取「これは、私たちの船を追いかけていた那智さんが、敵艦隊を撃沈していたからということでしょうか」

那智「ん、反応されていたか。確かに、数隻の敵駆逐艦と戦闘になったな」

足柄「それでそこまでボロボロになるの?」

那智「仕方ないだろう、さっきも言ったが私は海に出るのは初めてだぞ?」

香取「なるほど……それでは致し方ありませんね」

提督「ともかく、那智はここに新規着任でいいな。L大尉も香取も、こいつがその和中将だかの鎮守府から来たことは黙ってろよ」

L大尉「……ああ、わかった。それから、ここにいる艦娘たち以外に、遠大佐によって轟沈させられた艦娘もいるんだったね?」

提督「おう。鳥海と加古だな」

鹿島「加古さん……というと、古鷹型の2番艦ですね」

L大尉「古鷹型!? 古鷹の妹なのか!? 遠大佐はその子を轟沈させたのか!?」グワッ

提督「ま、やったのは遠大佐じゃなくて留とかいう芸能人だけどな」

L大尉「芸能人?」クビカシゲ

提督「ああ、よくあるだろ、一日警察署長とか。あれの提督版で……」

L大尉「うげっ!! も……もしかして、そいつのお父さんは映画俳優の留父さん?」

提督「知らん。父親が大物だとか言ってはいたが」

L大尉「いや、でもその名前はそうだ……嘘だろ……!? 僕は留父さんの主演映画、大好きなんだぞ……!?」
879 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:26:32.94 ID:O3CU2Q2io

L大尉「バラエティでもすっごいいい人で尊敬すら覚えたほどなのに! それが本当だとしたら超ショックだよ」ガックリ

提督「トンビが鷹を生むって言うだろ。逆があってもおかしくねえよ」

L大尉「そうかもしれないけど……あああ、なんでそんなことに! 幻滅だよもう……」

提督「ま、どうでもいいが……俺たちこそお前らが来るなんて聞いてねえぞ。お前ら、中佐の命令聞くようになったのか?」

香取「いえ、此度の任務は、本営の中将閣下から直々にご指示いただいたものです」

提督「中将が? なんでまた……さてはまた何か粗相して目を付けられたか」

香取「いえいえ、今のところは大きな失敗もなく」ニコ

香取「むしろ……贔屓目かもしれませんが、L大尉が気に入られたのかも、と思っています」

L大尉「なんで僕が懇意にされているのか、わかんないんだけどね……」

L大尉「中将閣下を訪ねてくる将官佐官は錚々たる顔ぶれだ。そこに民間から登用された僕が並んだんじゃ、場違いすぎてストレスフルなんだけど」

香取「根っからの軍人ではないからこそ、重用されているということもあるかもしれませんよ?」

香取「それをさておいても、今回の栄転はL大尉が評価されたからこそではありませんか」

L大尉「うーん……まあ、そう言われれば悪い気はしないんだけど」

朝雲「それって、さっきの神戸へ行くとか言う話ですか?」

香取「はい。神戸に、提督候補生を育成する学校が新設することになりまして。今後は艦隊を指揮しつつ、そちらへも顔を出すことになりました」
880 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:27:18.01 ID:O3CU2Q2io

香取「波大尉が神戸の病院に移されたのも、それを見越してというのがありますね」

L大尉「正直、僕らはそっちにつきっきりになりそうだけどね。だからおそらくこの島に来るのは今回が最後になりそうなんだ」

提督「良かったじゃねえか」

L大尉「少しは寂しがってくれないか?」

提督「こんな島に好き好んで関わってちゃ出世に響くぞ」

提督「それに、この島の事情をある程度分かってる奴が海軍の上にもいてくれねえと、俺も安心できねえよ」

L大尉「む……!」

香取「出世しろと言うことですね。責任重大ですよ、L大尉」クスクス

提督「で、L大尉がいく学校ってのはどんなとこなんだ?」

香取「民間出身の提督を数名集めて、成功例や失敗例をいくつかまとめ、それを今後入ってくる提督候補生に伝授しようというのが狙いです」

提督「あー、あの失敗はくそでけえだろ」

L大尉「それは言わないでくれ……」ズーン

L大尉「確かにあのやらかしがあったからこそ、中将に覚えていただいたし、香取を秘書艦に迎えることになったんだけど」

足柄「何やったの?」

提督「ああ、そりゃあな……」

L大尉「頼むから掘り起こさないでくれないか」
881 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:28:02.76 ID:O3CU2Q2io

提督「古鷹べったりで全部古鷹に任せてたのを朝雲に指摘されて、観艦式があるってのに見栄で古鷹をこの島に置いてったんだよ」

L大尉「ちょ」

提督「で、観艦式で使う資材の保管庫の鍵を古鷹に預けてたせいで、燃料やらが使えなくて大コケしたんだ」

足柄「うわあ」

千歳「うわあ」

白露「うわあ」

海風「うわあ」

山風「うわあ」

黒潮「うわあ」

山雲「うわあ〜」

ガンビアベイ「Unbeleavable...」

L大尉「掘り起こさないでくれないか!」ウワァァア!

香取「ご愁傷様です」

提督「まあ、こういうへまをしたから香取にしごかれて今はよっぽどマシっぽいんだが……香取、そういう認識でいいんだな?」

香取「ええ、結構です」

鹿島「うええええん香取姉ええぇぇえ」グズグズ

提督「こいつも香取が面倒見てやんねーと駄目っぽいな」

香取「そ、そうですね……香取、こんなに甘えん坊だったかしら」
882 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:29:02.79 ID:O3CU2Q2io

ガンビアベイ「それは多分、遠大佐の下では、気が抜けなかったせいだと、思います」

香取「そうなんですか?」

山風「遠大佐、私たちを甘やかしてたところはあったと思う……それに危機感を募らせてたのが、巡洋艦のひとたちで……」

山風「でも、加古さんは面倒なことに関わりたがらないし、鳥海さんは割と疑わずに素直に従っちゃうし」

山風「このままじゃ駄目だ、って、奮起したのが鹿島さんなの」

千歳「駄目な大人ばっかりだったってこと!? それじゃ鹿島も苦労性になるわ……」

香取「鹿島は頑張ったのね」ナデナデ

鹿島「がんばったのおおおお!」ナミダジョバー

白露「むしろ山風のほうがしっかりしてない?」ナデナデ

海風「そうね、山風は立派ね。白露姉さんの言う通りよ」ナデナデ

山風「う、うん……ありがと」ポ

ガンビアベイ「あの、駆逐艦たちへの指導がオロソカ? になったのは、遠大佐の他の理由もあります」

提督「というと?」

ガンビアベイ「遠大佐、駆逐艦たちをとても可愛がってました。ちょっと行き過ぎるくらいで……」

ガンビアベイ「私たちのような空母や、戦艦のみんなが駆逐艦に注意すると、遠大佐がすごく怒るんです」

ガンビアベイ「Because, 駆逐艦と私たち、会話が減っていったんです」シュン…
883 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:29:47.66 ID:O3CU2Q2io

山風「だから、誰に対しても明るい留って人が一日提督として来たときは、みんなちょっとだけ期待したの……」

提督「あー……第一印象でころっとやられたわけか。詐欺師は外面いいからな、そんな状況下じゃしょうがねえな」

L大尉「とにかく、遠大佐は今回の件で降格処分。呉から海外の泊地に左遷されることが決まったそうだ」

L大尉「そのせいで遠大佐の鎮守府にいる艦娘も所属変更の手続きが必要になっててね……」

提督「それで移動の確認を、ってか」

朝雲「さっきの話に戻る訳ね」

L大尉「そういうこと。鹿島たち3人については呉に戻るなと言われているから、どうせなら僕たちと一緒に神戸に来ないか、聞きたかったんだ」

鹿島「わたしは香取姉と一緒がいい……!」エグエグ

香取「ほら、もう泣かないの」ナデナデ

L大尉「山風、ガンビアベイ、君たちはどうする?」

山風「……私たちの鎮守府にいた、みんなはどうなるの?」

L大尉「遠大佐の艦娘たちは、呉に点在する各鎮守府への異動するそうだ。呉の外に出る艦娘もいるみたいだが、行先は全員バラバラらしくてね」

L大尉「誰がどこに行くという細かい情報も、僕たちは把握していない……というか、不祥事だから大っぴらには知らせないみたいなんだ」

山風「……そう」

ガンビアベイ「……私、L大尉のもとにお世話になろうと思います。山風も、一緒に来ませんか?」

山風「……うん。鹿島さんも、一緒だし……」

L大尉「よし、じゃあ3人は決まりだね」
884 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:30:32.89 ID:O3CU2Q2io

海風「千歳さんと足柄さんも、一緒に行きましょう! 私も神戸に行って、L大尉にお世話になります!」

千歳「そうなの……!?」

香取「先程も申し上げましたが、波大尉の艦隊はほぼ全員がO中尉の艦隊へ異動することになりました」

香取「今のところ、海風さんだけはL大尉の艦隊へ。千歳さんと足柄さんが、未決定ということになります」

那智「ん、なんだ? 足柄はここの鎮守府の所属じゃないのか」

不知火「はい。説明すると長くなりますが」コク

L大尉「どうだろう。波大尉も、君たちが近くにいるのなら少し安心するんじゃないかな」

足柄「うーん……そうねえ……」

千歳「……私は、そうは思わないわ」

足柄「千歳……?」

L大尉「どういうことかな?」

千歳「私が波大尉といつでも会えるような場所にいたら、彼女は人間社会に戻れないんじゃないか、って……」

千歳「自意識過剰なのかもしれないけど、頼りにされてた実感があるし。何より、一緒にいて楽しかった。友達というかいい同僚というか……」

千歳「今ここで、私があの子の顔を見に行ったりしたら、きっと楽しかったことを思い出すんじゃないかって思うのよ」

千歳「思い出って、どうしても楽しいこと優先で思い出しちゃうから……そうしたら、またあの子が無理を言い出すんじゃないかって」

千歳「提督であることを自分の使命だと思い込んで、無理するんじゃないか、って……」

足柄「千歳……」
885 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:31:17.91 ID:O3CU2Q2io

千歳「波大尉、喧嘩別れした時に言ってたのよね。『自分の幸せをみんなに分けて欲しい、そう言われて海軍に入った』って」

千歳「『でも、私の幸せは、私の理想は、みんなの願いじゃなかった……私、何のために頑張ってたんだろう』って」

提督「……」

千歳「そのことで提督准尉を責める気は全然ないわ。人によって幸せの形や理想が違うのは、当然よね」

千歳「人の未来がかかっていることなら、私にできることなら、やる、って……」

千歳「そういう強い意志を持って入ってくれた子が、あんな風になっちゃったんだもの」

千歳「余計なプレッシャーをかけさせないためにも、もう私たちは関わらないほうがいいんじゃないかしら」

足柄「で、でも……」ウルッ

千歳「それに、波大尉は結婚願望あるでしょ? 提督の才能があったとしても、彼女が人並みの幸せを望む以上は、邪魔したくないし」

千歳「人間社会に戻って、民間人として生活できてた方が、良かったんじゃないかとも思うのよね」

足柄「それは……そうかもしれないわね」

千歳「海風、あなたに全部任せてしまって申し訳ないんだけれど……私は、一緒に行かないわ。波大尉には、もう会わないことにする」

海風「千歳さん……!」

提督「なあ、あの女提督も民間出身だって言うんなら、妖精が見えたりしてるのか?」

L大尉「いいや? 輪郭がうっすらぼやけて見える程度らしいね」

足柄「何もないところに小人の輪郭がうっすら見えるから、それを目で追ってたらスカウトされたって聞いたわよ」

提督「ふーん……なるほど」
886 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:32:03.59 ID:O3CU2Q2io

香取「それはそうと、千歳さん? あなたはこれからどうなさるおつもりですか? このままでは無所属のままですが……」

千歳「それなんだけれど」クルッ

提督「?」

千歳「提督准尉、私もここの艦隊に加えてもらえないかしら?」

足柄「ええええ!?」

海風「ち、千歳さん!? 何をおっしゃるんですか!?」

千歳「うーん、興味がわいたっていうか。どうしてこの人が、海軍で人間の未来のために戦っているのか……」

提督「人間の未来のため? 俺はそんなつもりは毛頭ねえぞ」

足柄「ええぇぇぇえええ!?」

那智「お、おい! 貴様、どういうことだ!?」

提督「俺は人間の未来なんてどうでもいいっつったんだよ。俺が戦うのはこの鎮守府の艦娘のためだ」

提督「格好つけて言えば、艦娘の未来のため、だな。考えてもみろよ、艦娘ってのは現状、人間に利用されるだけの存在だ」

提督「沈んで生き延びた連中を助けてやりたいってのがきっかけだったが、その助けた後も人間に利用されるだけじゃあ救われねえだろ」

L大尉「……!」

提督「これから先、深海棲艦がいなくなったら艦娘たちはどうなる? こんな不思議な力を持った連中、良くも悪くも人間が放っておくと思うか?」

提督「最悪の事態に陥らないために、艦娘だけで生きられる手段を誰かが考えなきゃいけねえ。そう、思わねえか」

足柄「そ、それは……確かに、考えさせられるわね」
887 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:32:47.89 ID:O3CU2Q2io

提督「人間の平和はお前らが勝手に守っててくれ。俺は艦娘のこれからを考えるのに手一杯なんだ」

L大尉「……なんというか、すごいな、准尉は」

香取「はい……!」

提督「そういうことだから、俺のやることは人間のためじゃねえぞ。千歳、お前はそれでもいいのか?」

千歳「ふふっ、面白いじゃない。平和になったら用済みになるはずだった艦娘に、新しい生きる航路を見せてくれるんでしょう?」

足柄「……」

提督「足柄は乗り気じゃなさそうだな。L大尉んとこに入っても……」

足柄「ぐ……ああ、もう! わかったわよ! 付き合うわ!」

足柄「戦いと揚げ物作るの以外はそんなに得意じゃないけれど! 私が、この艦隊に勝利をもたらしてみせるわよ!!」

提督「……無理しなくていいんだぞ」

足柄「無理なんかしてないわよ!?」

提督「本当かよ……海風だったか、なんか悪いな? 本当ならお前ら全員でL大尉んところに行く手筈だったんだろ?」

海風「あ、いえ、大丈夫です。千歳さんが仰る通り、波大尉の担当医さんからも、徐々に私たちとは距離を取ったほうがいいと言われてましたし……」

海風「いつでもいいんで、また一緒にお仕事できるようになれば、私はそれで……」

提督「そうか。そん時ゃ、ついでにうちの白露型も面倒見てくれると助かる」

白露「ちょっ!? 提督、あたしたちのことが邪魔なの!?」

提督「俺がいなくなったら頼る相手として確保したいだけだ」
888 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:33:32.97 ID:O3CU2Q2io

朝雲「司令、そういうこと言うとまた誰かさんたちに睨まれますよ?」

提督「知らねえよ。俺と同道したいんなら、それ相応の覚悟しろって話なだけだ」

提督「……それでも付いてきそうな奴が多そうだから面倒臭えことこの上ねえんだけどな……」ハァァ…

山雲「朝雲姉も、司令さんに、ついて行くの〜?」

朝雲「うーん、あんまり変なこと言い出すときは考えるけど……言い方が悪いだけで方向性はまともなことが多いから、悩むわね……」

白露「私たちのやりたいことをやらせてくれるってところは最高だけどね」

千歳「ふーん……それじゃ、ある程度は我儘も聞いてくれるわけね」

黒潮「司令はんができる範囲でやけどね〜」

提督「そういうことだ。ま、食い物とかの自由はきかねえが、欲しいものがあるんなら遠慮なく言え。鎮守府の財布と相談すっからよ」

足柄「本当!?」キラッ!

海風「あ、あの、准尉さん! あまり迂闊なことは言わない方がいいですよ!?」

提督「なんでだ」

海風「このお二人も、その、酒豪なんです……」

提督「……飲むのか?」

海風「はい。際限なく」

提督「……」チラッ

足柄「」プイス

千歳「」プイス
889 : ◆EyREdFoqVQ [sage saga]:2022/02/13(日) 14:34:32.72 ID:O3CU2Q2io

提督「……食い物の恨みは恐ろしい、っつうしな。酔っ払い方にもよるが、悪酔いしない程度になら酒の手配もするさ」

足柄「本当……!?」パァッ

千歳「やったわ……!」パァッ

那智「私は飲まないぞ。今後は禁酒させてもらう」

提督「おう、それも自由にしろ。つか、俺も酒を強要されんのは大嫌いだ」

海風「それでですね、実は……お酒、準備してまして」

足柄「えっ、なにそれ!?」キラーン!

千歳「準備してるの!?」キラーン!

海風「お酒を暫く飲んでないだろうと思って、船に積み込んでるんです」

L大尉「もしかして、僕たちが横須賀でこの船に乗ったときに積んでいた荷物かい?」

海風「はい。本当なら神戸に着いたときに下ろそうと思っていたんですが、千歳さんたちがここに残ると言うのであれば……」

足柄「いやったああああ!」ガッツポーズ

千歳「嬉しい! 海風愛してる!!」ダキツキー

海風「きゃああ!」ダキツカレー

提督「……なんか、新しい頭痛の種が生まれた気がしねえか?」

朝雲「うーん……か、かもしれないわね」

千歳「おとといに久々に缶ビール飲んだんだけど、あれっぽっちじゃ全然物足りなくて!」

足柄「そうそう!! この船に積んであるんでしょ? 荷下ろし手伝うわよ!!」ガシッ

海風「」

L大尉「……」

香取「……」

山風「……大丈夫なのかな」

山雲「心配ね〜」
890 : ◆EyREdFoqVQ [saga]:2022/02/13(日) 14:36:54.79 ID:O3CU2Q2io

ねー。

というわけで、ここまでなんですが一箇所間違えた。

>871

誤:
海風「海風姉……!」

正:
山風「海風姉……!」

に脳内で修正をお願い致します。
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 10:56:13.68 ID:gs4+90SSO

こまけーこたぁ気にすんな!
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 19:29:29.26 ID:0tX4iaDp0
乙。さて、新人にはさっそくグロ耐性をつける訓練を強いることになるが頑張りたまへよ(ゲス顔)
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/02/17(木) 22:00:59.85 ID:tgT15HaD0
乙です。
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/18(金) 03:47:25.74 ID:fy/IAk9ZO
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/02/23(水) 01:26:16.97 ID:AMMAWhZY0
ひとつ気になったことがあるんですが、艦これの世界ではパラオ フィリピン等に泊地があるのですかね?
SSの途中でさんざん出てきているように未だ艦娘の存在自体が秘匿となってるわけなら、秘密基地なんか作ろうもんなら当然のこと現地政府の協力が
必要となると考えたんですが、やはり亜細亜諸国で協力関係を築いているのでしょうか?(それこそ協力機構のような国交組織だったり)
それとも、(ちょっとあり得ないけど)パラオやルンガなどの名前はただの秘匿名称だったりして…
いかんせん、SS本編の内容と全然かみ合ってないですけど、有識者の方がいましたら教えてくださると幸いです。
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/23(水) 02:35:52.41 ID:MT24QCVM0
ググレカス
上げてまで聞きたいことか?
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/02/25(金) 06:26:34.48 ID:h5YxuMS00
サゲキッズイライラで草
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