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上杉風太郎「一花、お前はかわいいよ」中野一花「ッ……!」
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/03/03(火) 23:52:26.77 ID:elO9kpWFO
「ふうん? 珍しく素直じゃねーか」
「お、おかしい?」
「別に。ただ少し意外だと思っただけだ」
「誰だって……きっと嬉しいよ」
自分で要求したけど、こんなの反則だと思う。
「なるほどな。褒めて伸ばすのもありか」
「フ、フータローくん……?」
「お前がここまで従順になるなら、他の奴らもベタ褒めして飼い慣らすべきかも知れんな」
「そ、そんなのダメだよっ!?」
思わず叫んでしまった。
そのくらい、嫌だった。
それは紛れもなく嫉妬。
やっぱり、私は最低だ。
長女の癖に、心が狭い。
そんな自分が、嫌いだ。
「どうした、一花……?」
「フータロー、くん……」
「なんだよ」
「私は……私はね、君に嫌われたくないよ」
「いや、まったく話が見えないんだが」
察しが悪くて助かる。醜い自分が見えてない。
「よくわかんないけどよ」
それでも彼なりに想いを汲んでくれたらしく。
「誰にだって、嫌なところはあって、そんな自分が嫌で嫌でたまらなくて、だから嫌われるのが怖いってのは、まあ、なんとなくわかる」
「うん……」
「だけど、嫌なところも含めてお前はお前なんだからさ……その、あんまり気にすんなよ」
時折、彼は鈍感でなくなるから困ってしまう。
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