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【安価】オルランドゥ大武術会12【コンマ】
- 714 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 08:10:48.88 ID:J2WhOT93O
- もう一度上げます。
- 715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 08:13:38.87 ID:2DQgrDQm0
- >>711
- 716 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 09:50:01.74 ID:J2WhOT93O
- #
「……ダメだ。これは相当に厳しい」
1時間ぐらいの解呪作業の末、アミールさんが遂に音を上げた。
「はあっ、はあっ……これどんな術法使ってるの?見たこともない『堅さ』……」
「……ええ、同感です。これを張ったのは……」
「『マスターC』、か……。こんなに魔術に長けてるなんてね。僕ら以上にこういうのに対応できそうなのは」
「何人かいることはいる、かな。ただネーロ院長はまだ完調じゃない。お師匠様も考えたけど、もうお歳だしこのいざこざに巻き込みたくない」
ラーナは悩んでいる。それともう一つ問題がある。もう「外」は結構時間が経ってそうなことだ。
時計はいつの間にか21時前になっている。誰かを呼んでくるには少し遅い。
「第二世界」の誰か……特にブレイズさんなら何とかしそうな気はする。ここは引き揚げて明日にかけるべきだろうか?
それはそれで、いない間にクリスが何か仕掛けてくる可能性が否定できないけど。
※95以上でイベント発生、未満で多数決
- 717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 10:00:05.19 ID:cCAsbbJDO
- はい
- 718 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 10:03:05.82 ID:J2WhOT93O
- ※多数決
1 ネーロ院長を呼んでくる
2 ヤーヤを呼んでくる
3 誰かを残して明日「第二世界」の誰かが来るのを待つ
4 ここは諦めて明日「第二世界」の誰かが来るのを待つ
5 その他自由安価(歓迎します)
※3票先取
- 719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 10:24:13.07 ID:FE6wPhAL0
- 5
1が出来なければ4という感じで両方は出来ませんかね
それとネーロだけじゃなくローマンも連れてくれば少しでも可能性上がるかな
誰か残すのは逆に危険だと思う
- 720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 10:32:30.31 ID:RD5wNuBi0
- >>719の案がありならそれで
ダメなら4、誰か残したら残した人クリスに洗脳されそう
- 721 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 10:49:59.45 ID:T9ukCYFNO
- >>719
1にしても2にしても無理なら3か4の流れになります。ただ、状況はやや不利に傾きます。
ローマンを連れてくるのは可能です。
- 722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 11:02:50.97 ID:p3lXlnmzO
- >>719案に1票
翌日はコンダクター討伐やる予定だしできれば今日中に片付けたい所だが…
- 723 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 11:43:27.67 ID:T9ukCYFNO
- #
「さてと……」
皆を残し、僕は単身アミールさんの私邸に来た。目的は、ネーロ院長を連れてくることだ。
多分ホテルに戻っているはずのローマンさんも合わせれば、何とかなる可能性が出てくると思ったのだ。
コンコン
「失礼します」
…………
……
※ネーロの反応
01〜40 私には無理だ
41〜85 微力だが、力を貸そう
86〜94 上+それと……(再判定)
95〜00 私よりいい人物を知っている
- 724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 11:45:57.17 ID:cCAsbbJDO
- はい
- 725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 11:47:14.37 ID:FE6wPhAL0
- ん
- 726 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 11:55:18.48 ID:T9ukCYFNO
- #
「……私には無理だ」
一通り現状を説明すると、ネーロ院長は首を振った。
「そんなっ!!」
「私は病み上がりだ。よしんば完調でも、ヘカーテを含めた3人がかりで解呪できないものを、私が加わったからといってどうかできるとも思えない」
……そう返されることは想定していた。しかし、そうなると……「第二世界」の誰かが来るのを待つしかない、か。
「……すみません、無理を言って」
「いや、妙だとは私も思っていた。やはり、解放は簡単ではなかったな。
ともあれ、私にできるのは祈ることだけだ。すまない」
#
※95以上でローマンから有力情報、未満で再度コンマ判定へ
- 727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 11:56:20.47 ID:y9lZp9Gv0
- さっきからコンマがクソすぎる
- 728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 11:57:25.13 ID:FE6wPhAL0
- ん
- 729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 11:59:05.11 ID:FE6wPhAL0
- キツいなぁ・・・
- 730 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 12:00:26.35 ID:T9ukCYFNO
- ※特になし
※帰還時状況
01〜20 ???が来て戦闘中(1回のみファンブル扱い)
21〜30 下の階から来たΛと戦闘中(1回のみファンブル扱い)
31〜94 何もなし(4に移行)
95〜00 ????が来た
- 731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 12:07:22.82 ID:cCAsbbJDO
- はい
- 732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 12:07:23.92 ID:p3lXlnmzO
- 来い
- 733 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 12:14:56.26 ID:T9ukCYFNO
- #
「……そうか」
説明を受けたアミールさんは落胆の色を隠さなかった。
「今日は退いた方がいいと思います。明日、仕切り直しましょう」
「それしかない、か。では一度帰ろう。また明日、『第二世界』とやらからの助っ人が来たらやり直しだ」
【85日目】
今日もあまり眠れなかった。寝不足はオルランドゥの蒸し暑さだけじゃ、間違いなくない。
僕は電話を手に取る。連絡先は、もちろんサイファーさんだ。
※ブレイズは……
01〜25 極めてまずいことになった(1回のみファンブル扱い)
26〜35 ……こちらも切迫してる
36〜89 準備できている
90〜00 準備できている+α
- 734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 12:18:01.88 ID:p3lXlnmzO
- あ
- 735 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 12:23:30.08 ID:T9ukCYFNO
- ※クリティカル
少し中断。
- 736 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 14:05:02.59 ID:EhyblQz+O
- #
「お待たせしました」
金髪の男性がイーリス王宮前で待っていた。手には鞄を持っている。
「すみません、お手を煩わせて」
「いえいえ、こういうのはお互い様です。後々、こちらからも助けをお願いするかもしれませんし」
「助け?」
「ええ。例の結界の件です。一応昨日補強しましたけど、まだ何があるかは分かりませんからね」
そうか、向こうも少し事態が悪化しているのだった。早めに「実行委員会」とオルランドゥの件は解決したいけれど。
「ところで、その鞄は」
「フフフ。まあそれはおいおい。話によれば、フローラとデアドラがクリスの張った結界内に封じられているのでしたね。まずはそちらから参りましょうか」
…………
……
※40未満でいない(1回のみファンブル扱い)
- 737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 14:17:13.53 ID:cCAsbbJDO
- はい
- 738 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 19:23:59.31 ID:JHrod3WEO
- #
「……なるほど」
「実行委員会」の2人が眠る部屋に着くなり、ブレイズさんの表情が険しくなった。
「どうですか」
「確かにこれは容易ではないですね。多分、『鍵』をかけたのはクリスとドワーキン。とすると、生半可ではない。
更に言えば、かなり深く『眠らされている』。こちらは私以外では対応不可でしょう」
法衣を脱ぐと、ブレイズさんが結界に手をやる。
「魔素の薄いここでどれだけできるかは分かりませんが……やるだけやりましょうか」
※50以上で解呪、未満で追加イベント
- 739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 19:31:38.45 ID:QmafFhs80
- あ
- 740 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 19:36:02.02 ID:JHrod3WEO
- #
「……厳しいですね」
解呪に着手して10分ほど。ブレイズさんが険しい表情で呟いた。
「あなたをもってしても?」
「やはり魔素が薄すぎる。私1人だけでは足りません。……誰かの、それもかなりの力が要ります」
「……かなりの力?」
「ええ。あるいは、解呪の専門家か……心当たりは」
※80以上で?未満なら多数決へ
- 741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 19:38:24.11 ID:FE6wPhAL0
- ん
- 742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 19:39:53.82 ID:FE6wPhAL0
- すまん駄目だこれ呪われてる今日もうコンマ踏まんわ
- 743 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 19:40:33.43 ID:JHrod3WEO
- ※ファンブル回避権利残り4回、再判定
- 744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 19:44:34.80 ID:cCAsbbJDO
- はい
- 745 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 19:58:07.30 ID:JHrod3WEO
- 解呪の専門家?そんなのがいただろうか……
……ん?ひょっとしたら。
「ブレイズさん、一度戻りましょう。ひょっとしたらという人がいます」
「ほう。案内してもらいましょうか」
#
「……という訳なんです」
僕の申し出に看守長が額に皺を寄せた。
「本当にいいんですか、アミール様。確か、まだ沙汰は……」
「いや、それは何とかするさ。それにそもそも貸しがある。今回の協力を以て、司法取引とするというのはどうかな」
「それは私では判断しかねます。法相の許可が……あっ、ちょっと!!」
「まあ、事後承諾でいいだろ?それに、あくまで主犯はサンタクルス副院長。彼女は使われてただけだと思うけどね」
そう言うと、中央警察署の地下牢にアミールさんは入っていく。
「いいんですか?」
「まあ、大丈夫なんじゃないかな、多分。にしても、彼女の存在を忘れていたよ。確かに、可能性はある」
そうだ。あの時見せた魔法を考えると……彼女しか残る希望はない。
奥から3番目の牢屋に、彼女はいた。蝋燭の光の下、何かを書いている。
「……元気かな、ジャボン・デイライト」
彼女がハッとなってこちらを見た。
- 746 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 20:07:14.71 ID:JHrod3WEO
- 「……!!?貴方は」
「やあ。その節は助かったよ。君のお蔭で『スマイル』を倒せた。何を書いているのかな」
「……懺悔と、私が知る術法の解説を遺書代わりに。処刑の覚悟はできております」
「その心配はないよ。……っと、来ましたね」
後ろからブレイズさんがやって来た。
「法相には、この女性を司法取引にて釈放するよう精神感応しておきました。じき、保釈の許可が下りるでしょう」
「え」
「君にはあることをしてもらおうと思っている。それと引き換えに、自由の身になるよう取引をした。危険は多分ない」
「……はい?」
そうだ。ジャボンならあるいは解呪できるかもしれない。
一瞬で「スマイル」が張ったあの霧を浄化するというのは、只事じゃないからだ。
「まあ嫌と言っても連れていくんだけどね。淑女に無理矢理……というのは僕の主義じゃない。
多分、君ならできる作業だ。そうですよね、ブレイズさん……でしたっけ」
※ブレイズの反応
01〜30 力不足な気はしますが……
31〜89 いいでしょう
90〜00 ……ほお
- 747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 20:11:53.11 ID:QmafFhs80
- あ
- 748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 20:12:53.93 ID:KSNOz8/3O
- あ
- 749 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 20:15:35.49 ID:JHrod3WEO
- ※ファンブル回避権残り3回、再判定
- 750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 20:15:58.71 ID:p3lXlnmzO
- コンマ神機嫌悪すぎぃ
- 751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 20:16:22.10 ID:KSNOz8/3O
- 頼む
- 752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 20:16:50.94 ID:KSNOz8/3O
- っぶねぇ
- 753 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 20:36:34.83 ID:JHrod3WEO
- 「いいでしょう。マナの総量は乏しいですが、効率の良いやり方を知っている。
『使わせて』貰えば何とかなるでしょう」
ブレイズさんが頷く。
「というわけで、少し付き合ってもらうよ」
アミールさんが「ゲート」を開いた。
※偶数で?
- 754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 20:38:01.30 ID:KSNOz8/3O
- あ
- 755 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 20:47:01.91 ID:JHrod3WEO
- 「あの……一つだけ、いいですか?」
「ん?」
ジャボンが顔を赤くしている。
「釈放されても、私に行き場所はありません。ですから……せめて雇って頂けませんか?」
「雇う?僕が?」
「はい。庶務の処理でも、家事のお手伝いでも、求められれば夜伽でも……お役に立ちたいんです!」
アミールさんが口をあんぐりと開けている。
「……そこまで慕われること、何かした?」
「私を身を呈して守ってくださいました。そして、あまつさえ自由の身に……その恩に応えたいのです!」
アミールさんの目が僕に助けを求めている。……この人も難儀だなあ……。
でも、僕にできることは特にない。というか、僕に助言する資格は多分ない。
8の倍数 実は……
4の倍数かつ8の倍数でない メイドぐらいなら
それ以外 あ、ああ。分かったよ
ゾロ目か90〜00 ……え???
- 756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 20:47:27.39 ID:pbz7Dso00
- はい
- 757 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 20:53:32.12 ID:JHrod3WEO
- 「……あ、ああ。分かったよ」
「ありがとうございます!!」
そう言うと、彼女はアミールさんに抱き付いた。これは後々大変そうだなあ……
#
「で、ここの結界を解いてほしいんだ」
僕らは場所を再びアヴァロン邸に移した。
「これ、ですか……」
「できそう?」
「……自信は、ないです……こんな複雑な術式、初めて見ましたから」
ジャボンがごくりと唾を飲む。
「まあとにかく始めましょうか」
※解呪判定
01〜30 まだ厳しいですか……
31〜60 厳しいですねえ……では、やむを得ませんか(再判定)
61〜89 これでいいでしょう
90〜00 ?????
- 758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 20:54:55.11 ID:cCAsbbJDO
- はい
- 759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 20:56:08.00 ID:FE6wPhAL0
- 一族関係のコンマなのに一体どうしちまったんだよコンマ神…
- 760 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 20:58:54.27 ID:JHrod3WEO
- ※ファンブル回避権残り2回、再判定
- 761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 20:59:29.84 ID:Gip+o9QkO
- はい
- 762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 20:59:40.50 ID:QmafFhs80
- あ
- 763 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 21:06:53.18 ID:JHrod3WEO
- #
「……これでいいでしょう」
1時間ほどの作業の末、解呪作業は終わった。ジャボンはその場にへたりこみ、ブレイズさんも疲労の色は隠せない。
「あ、ありがとうございます!!」
「礼なら彼女に。私が『乗っ取って』やることも考えましたけどね。それでは自我の損傷が起きる可能性があった。
無茶をやらずにホッとしてますよ。思いの外、彼女は優秀らしい」
アミールさんはジャボンの肩に手を当て、「頑張ったね」と声を掛けている。ジャボンは涙目で、「いえ、こちらこそ……」と感動しているみたいだ。
「……さて、と。今度は目覚めさせないといけませんが」
※75未満で退去を命じられる
- 764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 21:08:21.79 ID:SexUQB8Ko
- あ
- 765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 21:08:23.06 ID:QmafFhs80
- あ
- 766 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 21:24:38.45 ID:JHrod3WEO
- #
「……これで大丈夫です」
ブレイズさんが汗を拭った。2人はまだ寝ているように見える。
「いいんですか、これで」
「後はゆっくり目覚めます。まあ、『あれ』を使うことも視野に入れてたのですけどね。この分なら、自然に任せておけます」
「『あれ』って」
「私の切り札ですよ。『コンダクター』とやらを相手にすると聞きましてね。
精神波を弱めるなら、本気で相手した方が安全だと判断しました。それがこれです」
ブレイズさんは鞄を見た。何が入っているのだろう。
※75以上でvsコンダクター戦が可能、未満なら最低1回の自由行動を挟む
- 767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 21:25:43.23 ID:QmafFhs80
- あ
- 768 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 21:37:10.29 ID:JHrod3WEO
- ブレイズさんがふうと息をついた。
「……とはいえ、さすがに疲れました。少し、休ませてもらっても?」
「もちろんです」
アミールさんが「ゲート」を開く。
「休息なら僕の家で。しばらく時間を置きましょうか」
#
「……にしても、人多くない?」
ラーナがむくれた。無理もない。居間には僕とアミールさん、ラーナたち4人、ヘカーテにジャボンもいる。しめて8人だ。
さらに2階には、ネーロ院長と「実行委員会」の2人、そしてブレイズさんも休息中している。普通の家より大きいとはいえ、さすがに狭く感じる。
「お昼できましたよ!お口に合えばいいんですが」
ナディアが小麦粉の記事の上にトマトのソースとベーコン、チーズを乗せて焼いたのを持ってきた。「ピタ」という、ロックモールの郷土料理らしい。
「私は煮込みを作りました。いかがです?」
ジャボンが恥ずかしそうに鍋を運んでくる。
※5の倍数で……?
- 769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 21:39:33.13 ID:cCAsbbJDO
- はい
- 770 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 21:48:55.22 ID:JHrod3WEO
- 「……」
ジャボンをヘカーテが睨んでいる。うーん、やっぱり修羅場になるよねこれ。
(もう結婚しているって言ったんですか?)
(言ったけど聞かないんだ、仕方ないだろう)
アミールさんは困りきった様子だ。本当に難儀だなあ……
「で、これからどうするんだ?んぐっ、これ旨いぞ」
「ありがとうございます!」
ミラに褒められ、ナディアは嬉しそうだ。僕のとこみたいに仲がいいのは、なかなか珍しいのかもしれない。
「そうね。すぐに『コンダクター』討伐には動けないみたいだし……」
師匠が首をかしげる。さて。
(自由行動)
1 デアドラ、フローラの様子を見る(中確率で会話可能)
2 サンタクルスに尋問
3 ジャボンにコンダクター対策を訊く(中確率)
4 魔術学院に行く(ウィルかローマンと稽古可能)
5 ダーレン寺の様子を見る
6 モリブスに行く
7 その他自由安価
※2票先取
- 771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 21:51:52.37 ID:pbz7Dso00
- 3
- 772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 21:55:04.70 ID:Gip+o9QkO
- 3
- 773 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 22:03:49.53 ID:JHrod3WEO
- 中断します。
- 774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 22:06:31.40 ID:FE6wPhAL0
- にしてもここまでやってやっと>>703の31〜くらいになったか
まあそれ以降もいくつか判定はあったんだろうけど、時間が余分にかかったしなぁ
コンダクターと戦うってのにファンブル権少ないのも痛い
ブレイズがフルート?持って来てくれたのが不幸中の幸いか
そういえば敵のブレイズを倒したときに懐から転がり落ちたフルートらしきものはどうなったんだろう
マリーンが回収してるんだろうけど
- 775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 22:26:50.00 ID:Gip+o9QkO
- 神器は使用者本人に合うよう調整が要るという設定があるけど別世界の同一人物の場合はどうなるんだろう
敵ブレイズが落とした笛は誰が拾ったか明記されてないみたいだしクランたちが持ってるならブレイズに渡してみるのも一考かな
使えそうならともかく使えないならさっさと破棄したい、オルドかドワーキンなら一族全員の神器を使用できるとかありそうだし敵側に持っていかれる事態は避けたい
- 776 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/16(月) 23:06:18.80 ID:hfxmIdAKO
- >>774
コンマ判定次第ですが、基本はその通りです。
フルート持参のためvsコンダクター戦はかなりやりやすくなっています。
>>775
上にある通りです。ただ、マリーンが捕まった場合は……可能性は小さいですが。
- 777 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/17(火) 08:35:55.41 ID:HyzQCOznO
- 「それで、『コンダクター』。何かもう少し詳しい情報はないですか?弱点とか、対策とか何か」
「弱点、ですか……以前話したように、弱点は特にありません。……」
01〜20 そもそもどうやって作られたのかすら知らない
21〜50 サンタクルスから伝聞で断片的情報あり
51〜70 素体の情報は知っている
71〜89 ある程度の対策は知っている
90〜00 有効な対策を知っている
- 778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 08:45:42.65 ID:fSP5nXyDO
- はい
- 779 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/17(火) 09:44:04.71 ID:HyzQCOznO
- 「ただ、誰が素体になったかは知っています。魔術学院のサイレスという者です」
「……それは確か」
アミールさんにヘカーテが頷く。
「音魔法の研究で知られた人物ですね。本人も素晴らしい音楽家でした。私も何回か演奏を聴かせて頂きましたが……」
「はい。私がオルランドゥに来てしばらくしてから、新たな生命の創成を行うとサンタクルス副院長に命じられました。
あの時の私は愚かでした。それが何を意味するかも知らずに……」
「……そこで身を捧げたのがサイレス氏だったわけだね。彼の名を聞かなくなったのは1年ほど前だから、当時は確か准教授か」
小さくジャボンが頷いた。
「私がズマのエリコグラード魔術学院から引き抜かれてすぐだったと思います。彼は教授になりたがっていた。
身の安全は確保された上での実験でした。しかし……」
「失敗したわけだ。そして、粛清が始まったと」
「……はい。私は従順なふりをするしかなかった。そのせいで……うぐっ、多くの人々をっ……!!」
嗚咽にむせぶジャボンを見て、アミールさんが溜め息をつく。
「君は罪を自覚してる分いい。粛清への恐怖が、未知の生命を生み出すことへの快楽にすり変わってしまったのも多いからね。しかし、サイレス氏か……」
アミールさんが腕を組んだ。
「何か心当たりが?」
※80以上である
- 780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 09:55:47.43 ID:TQp2Ecay0
- はい
- 781 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/17(火) 12:49:24.87 ID:HyzQCOznO
- 「いや、僕も知り合いって程度だからね。彼について詳しいとすれば……年が近かったはずのGGかサンタクルスか」
「サンタクルス副院長の処刑は」
「そろそろかもしれない。口を簡単には割らないだろうし、無駄足になるかもしれないけど」
1 サンタクルス副院長の所に行く
2 ガーネットの所に行く
3 その他自由安価
※3票先取
※情報の有益性は1>2、手に入れやすさは2>1です。
※ブレイズを連れていくのは手ですが、サンタクルスは処刑済みの可能性があります。
※ローマンに訊くの手ですが、情報の有益性ではガーネットに劣ります。
- 782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 12:57:09.81 ID:t7rDK9S0O
- 2
- 783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 13:14:51.71 ID:fSP5nXyDO
- 2
- 784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 15:58:30.32 ID:rHAoIzfh0
- 2
- 785 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/17(火) 18:22:31.55 ID:AHr1Ddq+O
- #
「……あ」
「やあ」
ガーネットさんの部屋をアミールさんと訪ねると、微妙な反応が返ってきた。
「まさかあんたが来るとは思ってなかったわ。何の用なの」
「……2人はお知り合いなんですか?」
「腐れ縁よ。ウィンドグレイス卿と並ぶ、ね」
僕らはソファーに座るよう促される。
「宝石の子、クラン君だったかしら?彼について?」
「いや、『コンダクター』の素体、サイレス准教授について。僕よりも君の方がずっと彼については知ってると思うけど」
01〜25 実はそんなに知らないのよ
26〜65 まあ、多少はね……
66〜89 ガーネットさんの表情があからさまに曇った
90〜00 彼を討つのね、その子と
- 786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 18:26:25.79 ID:pLUBcd7PO
- はい
- 787 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/17(火) 18:50:06.02 ID:AHr1Ddq+O
- ガーネットさんの表情があからさまに曇った。
「……それを訊くのね」
「やっぱり、色々知ってるわけか」
「彼とは……そこそこ親しい仲だったのよ。あなたよりもね。
彼がああなってしまったのは、私のせいかもしれない」
「どういうことだ?」
ガーネットさんは机の上にあったパイプを手に取った。そしてふうと、煙草みたいなものを吸う。
「……彼とは同期でね。一緒に競い合い、学び合った仲間だった。……仲間以上だったかもしれない。
ただ、私の方がたまたま出世が少しだけ早かった。それで、焦ってたのかもしれない」
「……君に並ぼうと、素体に立候補したと」
「ええ。そんなことをしなくても、彼は教授になれたはず。でも、彼は手を挙げてしまった」
「その結果か」
「……彼が何人も殺したと聞いたとき、これは報いだと思った。……絶対に、止めるべきだったのよ!
ネーロ院長が狂い、サンタクルス副院長の独裁が始まる中、止めに入ったらどうなるか……薄々は見当がついてた。
でも、それでも私はサイレスを止めるべきだった!!」
アミールさんは首を振った。
「……サンタクルス以外、彼が怪物になるという結果は予期できなかっただろうさ。
君も、嫌な予感はしたかもしれないが、破滅的な結果までは考えもしなかったはずだ。君は自分を責めるべきじゃない」
「……相変わらず、妙な所で冷静なのね」
「引いて考えるのに慣れてしまっただけさ」
「……彼を討つの?」
「これからね。強力な助っ人もいる。心配は要らない」
※70以上でガーネットが提案
- 788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 18:51:40.16 ID:aC8QbKsQ0
- おりゃ
- 789 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/17(火) 20:56:28.99 ID:buu0byGtO
- 「……そう」
ガーネットさんが窓の外を見て、またパイプを吸った。
「……ちゃんと殺してあげて。私じゃ、何もできないから……」
「分かった」
アミールさんが腰を上げた。
「行こうか」
「えっ、いいんですか!?」
「十分だ。……じゃあね」
「ええ……因果なものね」
ドアを閉め、僕らは廊下を歩く。
「あの、お二人の関係って」
「『腐れ縁』さ。僕が君くらいの子供の頃、2つ上の彼女が『色々』教えてくれてね。
ただ、もう数年会ってなかった。お互い、進む道が違ったということだよ」
アミールさんが苦笑した。……僕は何となく察したけど、これ以上は追求しないことにした。
※60以上でローマン&ウィルと会う
- 790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 20:59:36.03 ID:9J9rE0HRO
- あ
- 791 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/17(火) 21:08:25.97 ID:buu0byGtO
- #
「……というわけだ」
「それが収穫、ですか」
ラーナが不満そうに言う。確かに、その気持ちは分かる。
アミールさんは目を閉じた。
「ああ。……GGを巻き込めば、『コンダクター』の征伐確率は上がるかもしれない」
「……え?」
師匠がアミールさんを見た。
「……『コンダクター』には知能がある。そして、僅かでも『生前』の記憶が残っていれば……ということですか?」
「……そうなるね。攻撃の手は弱まるだろう。そしてそこを突けば……」
「容易に鎮圧できる、ということですか」
階段を下りてきたブレイズさんが言う。
「もういいのですか」
「ええ。確かにその考えは合理的帰結です。確実、ではないですが」
「……ガーネットさんを、囮に??」
「囮とまでは言わない。だが、彼女を同行させれば……元恋人を、『コンダクター』は攻撃できない、かもしれない」
しん……と部屋が静まり返った。これは、ある意味非情な選択だ。
1 やりましょう、それ
2 それはやめましょう
※3票先取
- 792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 21:17:58.40 ID:9J9rE0HRO
- 1
きっちり別れさせてあげる方がGGとしては踏ん切りがつくのでは
操られたり利用されて怪物化しても最期の最期に理性を取り戻すケースも今作中いくつかあったし今回も可能性はある、と思いたい
- 793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 21:50:05.54 ID:9kFn9wf40
- 1
フルート持ちブレイズが居るからコンダクターの精神波も問題ないし、囮ではなくアミールに守られながら声かけ担当してもらうだけでも十分だろう
せめてその最期を看取ることぐらいはね
- 794 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/17(火) 22:44:39.76 ID:q5Kgci+zO
- 上げます。
- 795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 23:13:14.23 ID:3MvwDLODo
- 2
- 796 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/17(火) 23:27:36.48 ID:qej6CUB+O
- もう一度上げます。0000までに決まらない場合リセットです。
- 797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 23:30:43.91 ID:+y1hDGGK0
- 1
- 798 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/17(火) 23:44:46.42 ID:qej6CUB+O
- 「……やりましょう、それ」
「クランっ!?」
「ラーナ、分かってる。これは一種の賭けだって。でも、サイレスさんってガーネットさんの恋人だったんでしょ?
なら、その最期ぐらいは看取らせてあげたいんだ。どんな形であっても」
師匠が苦笑する。
「貴方らしいわね」
「そうかな……でも、ガーネットさんは極力守らないと」
「そうだね。僕の知る限り、彼女には奴と戦う力はない。そこは僕が責任を持つ」
「……了解です。じゃあ、行きましょう」
#
「来たね」
魔術学院では既にウィルさんとローマンさんが待っていた。
「『コンダクター』は」
「ここの地下にいる。ちょうど『スマイル』と戦った下の階、といっても随分下らしい」
ローマンさんは険しい表情だ。
「『魔道箱』で行くんだが、定員があってな。行ける人数は決まっている」
「『魔道箱』?」
「ほう」とブレイズさんが感嘆した。
「エレベーターですか。この世界にも一応あったのですね」
「……?それが何だかは存じませんが」
「まあいいでしょう。定員は?」
01〜30 4人
31〜70 5人
71〜89 6人
90〜00 再判定
- 799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 23:48:15.18 ID:+y1hDGGK0
- ん
- 800 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/17(火) 23:52:54.51 ID:qej6CUB+O
- 「定員は4人です」
「……となると、実質的に決まったようなものですか。私とクラン君、アミール君、そしてガーネットさん。まあ、私が何とかしましょう」
僕はアミールさんに向けて頷いた。
「じゃあ、ガーネットさんを呼びましょう」
※80以上で?
- 801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 23:54:08.87 ID:9J9rE0HRO
- ん
- 802 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/17(火) 23:56:59.63 ID:qej6CUB+O
- ※???を持参
今日はここまで。
- 803 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/18(水) 13:23:14.25 ID:LqMf9pCBO
- #
「……そう、分かった」
ガーネットさんはあっさり同行に了承した。
「意外だね、もっと抵抗するかと」
「現実主義のあなたの性格は知ってるから、そう来るだろうとは思ってた。
それに、彼を看取るのは私の役目だから」
「……すまないね」
「いいのよ。その代わり、彼の最期まで私を守って。それだけ」
アミールさんが何かに気付いた。
「その髪飾りは」
「……サイレスがくれたものよ。結局、指輪はくれなかったけど……ある意味の『形見』ね」
「……そうか。じゃあ、行こうか」
#
ズォンズォン……
重たい音と共に、鋼鉄の箱が降りていく。「過去の世界」の、マエザキさんの研究所にあったものに近いけど、こっちの方がずっとゆっくりで重々しい。
「どうやるんですか」
「まずは様子見、ですね。ただ、いつでも逃げられるように『ゲート』を入口に開いておきます」
「……え?」
「私が本気になったら、今着けている『ジャマー』は無意味です。だから、私が笛を抜いたら即逃げてください。
メドが立ったら、私の方から呼びます。精神波だけの相手なら、それで終わるでしょうが……」
ガーネットさんが頷く。
「サイレスが得意としていた音魔法は、音そのものを武器としていたわ。
『コンダクター』になってどう変わったかは知らないけど、多分そんなに簡単じゃない」
「僕の魔法障壁の出番、というわけか。打撃はクラン君に任せるしかないね」
緊張が高まる。そして、ガタンと音がして、扉がゆっくり開いた。
「……あれ、ですか」
15メド近く離れた場所に、鋼鉄の箱が見えた。……あの中?
そして、その周りには……白骨が幾つも見えた。
アミールさんが冷や汗を流す。
「そのまま封じてりゃいい……ってわけでもないんだっけね」
「ええ。あれの維持はかなり大変。サンタクルスは、数ヶ月に一度、数人がかりであの箱に掛かっている封印の術式をかけ直させてた。
でも、その度に……精神波による犠牲が」
「それがあれってわけか。で、術式の効果が切れたら……」
「あれは地上にやって来るわ。そうなったら、どうなるか見当も付かない」
「……なるほど。では、私が行きましょうか」
コツ、コツ、コツとブレイズさんが一人近付く。表情は険しい。既に攻撃は始まっているのかもしれない。
そして、鋼鉄の箱の前に立つと……右手で円を描いた。パカッ、と箱に穴が開く。
「……あれが……『コンダクター』」
その中にいたのは、異形の男だった。全身に音符が張り付き、服も色彩鮮やかな楽譜で埋め尽くされている。
「……会話は、できますか」
01〜70 すかさずブレイズさんがフルートを抜いた
71〜89 …………
90〜00 あ……う……
- 804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/18(水) 13:24:44.85 ID:vEi4+3OsO
- はい
- 805 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/18(水) 13:49:03.03 ID:08cA0e8Uo
- 「…………」
「コンダクター」に動きはない。どういうことだろう?
「音魔法を使ってる、とか?」
「いや、それはないな。音が聞こえるはずだし、第一ブレイズさんに張った対魔防壁が作動している」
01〜50 ブレイズさんがフルートを抜いた
51〜89 ブレイズさんがこちらを向いた
90〜00 ……頭の中に声が?
- 806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/18(水) 13:54:38.83 ID:ZKBBOgHuO
- ん
- 807 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/18(水) 16:17:21.76 ID:SRC1cL00O
- その時、ブレイズさんがこちらを向いた。
「……妙ですね。攻撃の意図がない」
「え?」
「こちらから接触してるのですが、何の反応もありません。ひょっとすると、貴女に用があるのかもしれない」
「……私?」
ガーネットさんにブレイズさんが頷く。僕らは「コンダクター」に近付いた。
「来たけど、どうすれば」
「私に触れてください。上手くすれば、会話ができるかもしれない」
ガーネットさんがブレイズさんの背中に手をやった。
…………
……
01〜20 返事がない
21〜50 コロ……シテ……
51〜75 ガーネット、今のうちに僕を殺してくれ
76〜89 ……ガーネットか
90〜00 上+?????
- 808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/18(水) 16:18:28.77 ID:DdW6qb7b0
- えい
- 809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/18(水) 16:19:51.22 ID:6cLi9JE20
- すげぇ
- 810 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/18(水) 16:29:58.04 ID:SRC1cL00O
- ※クリティカル
中断します。?????が介入します。
- 811 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/18(水) 23:10:23.04 ID:QkEuU7ImO
- しばらくして、ガーネットさんが叫んだ。
「サイレス!?」
『……ガーネット、やはり君だったか』
頭の中に低い男性の声が響いた。
「……え?」
『君以外にも、3人いるな。……君がいるなら、声を出してもいいだろう』
アミールさんもブレイズさんの背中に手を当てる。
「サイラスさん、アミール・スナイダです。分かりますか」
『……貴方ですか、上にいた『スマイル』――マイル・デイライトを殺したのは』
「僕とそこにいる少年だ。仕方がなかった」
『……サンタクルスの差し金ですか』
「いや、彼女は処刑予定だ。地上の状況までは知らなかったみたいだね。
ネーロ院長も正気に戻した。全ては元に戻りつつある」
『そして、僕も殺しに来たわけですね。僕はただの『怪物』でしかないですから』
「……率直に言えばその通りだ。君の存在は危険だ……と思っていた。
ただ、正直に言って、ちゃんと話ができる自我が残っているなんて思いもしなかったけど」
「ふふっ」という笑いが僕の頭に響いた。目の前の「コンダクター」は表情一つ変えていないのに。
『それは正しいですよ。ガーネットが来て、僕に対する気持ちが残っているのを知って正気を取り戻した。
多分、これはつかの間のものですけど。別れが終わったら、殺してください。貴方たちなら簡単でしょう』
「……分かった」
アミールさんがガーネットさんに向けて首を振った。
「……ごめんなさい。あなたを止められなくて」
『いや、いいんだ。これは僕が望んだことだ』
「……え?」
『君には叛意ありとサンタクルスは思っていた。そして、そうではないと僕は証明したかった。
もちろん、君があの女を嫌っていたのは知っている。だからこそ、君は実験体に選ばれる予定だった。
そこで僕は君の代わりに身を差し出した。……これが真実だ』
「そんなっ!!じゃあ、教授にしてやるとかそういうのは……」
『嘘だろうね。でも、僕は君に疑いが向けられないよう、それを信じたふりをした。
君にはつらい思いをさせたと思っている。許してくれ』
ガーネットさんの目から涙が一気に溢れた。
「ちょっと待ってよ!!ずるいわよそんなの!!何で……何で自分を犠牲にしたのよぉ……!!
一緒に逃げればよかったじゃないっ!!2人なら、きっと……」
『それができないのは、君も知ってたはずだ。闇ギルドの連中を向こうに回して、勝てるわけがない。……今は、連中は」
「もう壊滅状態だ。ここにいる彼、クラン・オーディナル君を中心に大体事は済んだ」
『……そうか。なら、思い残すことはない』
目の前にいる「コンダクター」の口が、僅かに上がったように見えた。
『ガーネット。君ならいい研究者になれる。とうは立ってしまったけど、いい男も見つかるだろう。幸せになってくれ』
「嫌よっ!!あなたを、私が……殺せるはずなんて」
『やるならすぐやれっ!!!僕の自我は、もうそんなにもたないっ!!!アミールさん、頼みます』
「分かった」
すっと剣が抜かれる。アミールさんは大きく振りかぶった。
「ありがとうございます、サイラスさん」
- 812 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/18(水) 23:13:53.26 ID:QkEuU7ImO
-
その時、僕の宝石が光った。
『その決断はまだ早い』
「え?」
「何っ??」
「……貴方はっ!!?」
『久しいな、ブレイズ。違う世界のブレイズだが、私の知るお前とはさほど違いはないようだ』
僕の口が勝手に喋る。これは……
「コーウィン兄様……!!?」
- 813 : ◆Try7rHwMFw [saga]:2020/03/18(水) 23:28:46.73 ID:QkEuU7ImO
- なぜ、この時に僕の身体を乗っ取った?疑問をよそに、コーウィンさんは話し始める。
『魔力を探らさせてもらった。確かに、その男はオルディニウムに深く汚染されて人外へと成り果てた。
ただ、かつて……『ニャルラ』がそうであったように、人としての心の欠片は残っている。
あの男にはそういう機会は与えられなかったが、あるいは元に引き戻すことができるかもしれん』
「……!!そんなことが、本当に?」
『できる方法を知っているだろう?500年前には、その可能性など思いもしなかったが』
「そういうことですか……!!それでも問題は」
『ああ。この男の無害化。そして、数日間の拘束の維持。両立せねばならん』
アミールさんたちは呆気に取られている。
「何を喋ってるんだクラン君!??」
『今の私はクラン・オーディナルではない。その行使者だ。
……ブレイズ、無害化できるか?』
「ロビントンのフルートを持ってきてますから、抵抗さえなければあるいは。
500年前、ブランドを正気に戻した手法を使えということですか」
『この世界では正気を取り戻すことはなかったが……そちらの世界ではそうだったようだな。
記憶消去と自我の忠実な改竄、そして数日間の機能停止。やれるか』
「……やりましょう」
ブレイズさんが、汗を流しながらニィと笑った。
#
※作業結果
01〜50 サイレス暴走、鎮圧のための戦闘へ
51〜89 サイレス沈黙、多数決へ
90〜00 サイレス沈黙(過去世界にクランが行く必要はなくなります)
350.50 KB Speed:0.5
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