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とある幻想の蜂蜜聖夜
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/03/02(月) 03:22:46.54 ID:hKRs52pD0
話を戻そう。今回のヒロインは食蜂操祈なのだから。
「まぁ、簡単にいうとアレは俺の右手から分裂したみたいなやつでさ、だいたい外出るときはオティヌスは俺のポケットとかフードとかに入ってるから、アイツの方にオティヌスが入り込むことがないんだよね」
誤解をどうにかこうにか解いた後、もっともらしい説得力を持った説明ができたと上条当麻は自慢げ。オティヌスとしてはそんな事実がなくとも一瞬で見分けがつくといいたいところであったが渋々口を閉ざす。食蜂操祈としては新たにもたらされたいつでも一緒という事実が面白くないが、こんな人形サイズにかっさわれることはないだろうと落ち着く。裏を返すと人間サイズに戻れれば最もメインヒロインに近いということなのであるが、そこまで気がついたかは神のみぞ知る。すぐそこに魔神がいるが。閑話休題。
「さて、ともかくこれでデートとやらの口実は失われたな?」
「ぐぬぬ」
今現在、二人の間には火花が散っていた。このツンツン頭を好いているもの同士、譲れぬものがある。今の所優勢なのは妖精か。
しかし、
「…はぁ、おい人間。お前からはっきり言ってやれよ」
「あぁ、デートってのはちょっと上条さんにはレベルが高いと思うけど、頑張ってエスコートさせていただきますよ」
「…えっ?」
呆然とした顔を見せる食蜂操祈。それに対してわかっていたかのような呆れ顔をするオティヌス。
「まぁ、何で俺なんかとデートをしたがるのかはちょっとわかんないけどさ、そんな熱心に求められて断れる男はいねーよ」
「…っ!」
今まではどうせ記憶に残らないからと彼に対して大胆な態度をとってきて、現在進行形で好意を全く隠さない態度をとっていたが、今更になって恥ずかしくなってきた。一瞬にして顔を赤くし、言葉ももつれる。
「ぅぁ…ぇと、それは…その…」
「それに、前の俺のこと、教えてくれるんだろ? 記憶を失ったこと、今更後悔なんてしないけど、昔の俺のことを知ることが今の俺には必要だと思うんだ」
もうアイツに頼らないためにもな、とは内心でだけ思っておく。その内心すら、この妖精には筒抜けなのだが。
(こいつはデートそのものより、昔の自分について知れる機会が訪れたことに喜んでいる。 何というか、枯れているというか、まさしく女の敵だな)
しかしながら、確かに彼にはそのような機械が必要だとも思う。つまりはこれはしょうがないのだ。神にもどうにもできないことはある。
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