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【とある】ノウリョクロンパ〜異能の学園と別条の相補性〜
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186 :
今回はここまで
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/13(木) 02:15:28.02 ID:5VzXziZ40
ゲコクマ「はい! よくぞみんな集まってくれました!」
一方通行「御託はいい……さっさと話せ」
ゲコクマ「もう…一方くんは冷たいなぁ……えー、今回はみなさんにプレゼントを持ってきました」
結標「プレゼント…?」
ゲコクマ「そう、プレゼントだよ」
「内容は…?」
ゲコクマ「うぷぷ……それはねぇ、なんと! ここの生徒達の秘密だよ!」
「秘密だと…?」
ゲコクマ「詳しくは部屋に帰ったらのお楽しみー! て、いっても未だ自分の秘密しかないから安心してね」
ゲコクマ「……ちなみに明後日の夜00:00になった瞬間、電子生徒手帳に全員分の秘密を乗せる予定です!」
ゲコクマ「ただね。中にはどうしても秘密を言われたくないって人もいると思うから、秘密公開時間までに殺人が起きたら、この秘密公開をやめます!」
「なんだと…」
絹旗「超ふざけないでください!」
浜面「本当だよ! 理不尽すぎんだろ!」
ゲコクマ「うるさいなぁー! 悪いのは君たちなんだよ! 早くコロシアイ起こして欲しいのに仲良くなっちゃってさぁー。そんなの許せないよね! ていうかコロシアイ起きないとボクの給料が出ないんです!」
雲川「…なんだその理由は」
結標「自己中ね…」
ゲコクマ「とにかく起きなかったら秘密はバラまくからね! では、さらばー!」
それだけ言うと、ゲコクマは勢い良くどこかに消えていった。
皆は沈黙している。
思い当たる自分の秘密、というものを考えているのだろうか。
急に不穏な空気があたりを包んだ。
吹寄「みんな……少し落ち着きましょう。ゲコクマの罠にはまってはいけないわ」
浜面「あ、ああ……そうだよな」
御坂「そ、そうよね……冷静になりましょ」
やはり何か各々後ろめたいところがあるようで、戸惑っている様子が伺える。
動じていなかったのは一方通行や雲川くらいだった。
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/13(木) 08:18:43.10 ID:IX/YqQQc0
乙
188 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/13(木) 17:25:32.18 ID:5VzXziZ40
食蜂「あのぉ……話を遮って悪いのだけど、私の能力、今日は誰に使えば良いかしらぁ?」
「そうだった……一日に一回使えるんだったな」
食蜂「ええ、さすがに私が勝手に使うよりは、皆さんに話し合ってもらった後のほうが良いでしょう?」
土御門「意外に考えてるんだにゃー」
海原「ですね」
食蜂「意外は余計よぉ!」
吹寄「どうしましょうか……皆、誰に能力使ったほうが良いとか何か案ある?」
青髪「うーん…」
「そうだな……」
心理定規「私はあまり顔を出さなそうな人が良いと思うわ。一方くんは、本人が朝の会議に顔を出さないかもしれない、って言ってるから……。食蜂さんの能力は近くにいないと発動できないし、そういう人、優先が良いんじゃない?」
一方通行「あ? オレを疑ってるのかァ? だったら、それはお門違いだぜ」
吹寄「私はランダムで良いんじゃないか、と思う。部屋順とかで、ね。…ていうのも、疑われたりするのは、この極限状態じゃストレスにもなると思うし」
海原「自分は逆に食蜂さんに全てお任せして良いんじゃないか、と思ってます。毎回毎回、朝の貴重な時間を取られるのは痛いですし、他に話し合うことはたくさんあるでしょう?」
「そうだな……」
誰に賛成するかor別の意見
↓2まででコンマの高いほう
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/13(木) 17:43:01.70 ID:yfXCKi3mO
心理定規
190 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/13(木) 18:13:55.57 ID:GzcSUIxH0
↑
191 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/13(木) 18:49:19.11 ID:5VzXziZ40
「心理定規に賛成だ…」
雲川「私もそれが良いと思う」
誉望「そうっすね」
雲川はペン回しをしながら、どこを見ているのか分からないが俺の意見に賛同した。
誉望もわざとらしいほど頷いて、賛同の意を見せた。
他のやつらもコクリと頷いている。
一方通行「クソが…」
吹寄「みんなの意見なら異論はないわ……海原くんは?」
海原「自分も問題ないですよ」
吹寄と海原はあっさり下がった。何か企みがあったわけではないことを、それは表している。
吹寄「じゃあ、一方くん……申し訳ないけど、食蜂さんの能力の対象になってもらうわよ」
一方通行「勝手にしろ……だがテメェら覚えとけ」
一方通行は歯ぎしりを立てながら言った。
浜面「こ、怖くなんかねぇからな!」
絹旗「超震えてますよ」
浜面はそう言うが、足がガタガタ震えていた。
土御門「初期微動継続時間だにゃー」
食蜂「じゃ、一方さんに使うわよぉ……えいっ」
一方通行「……」
皆が黙り、食蜂の結果を待つ。
一方通行は怪しいやつだ。コイツがいきなりクロマクだった。
そういうパターンは全然ありえる。
食蜂「……」
三十秒ほど経っても、食蜂は無言だった。
「おい、どうした…」
まさか、一方通行が本当にクロマクだったのか?
いきなりクロマクが出たから食蜂は唖然として、何も言えなくなってるとか?
そういった考えが頭に浮かんだが、次の言葉が俺たちに混乱を与えた。
食蜂「能力が……使えないわ……」
192 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/13(木) 23:26:47.98 ID:vcOUWL4o0
「は……?」
皆が驚いた顔をしていた。
それも当然だ。能力が使えないということが意味してるのは…
雲川「待て……食蜂以外は能力が使えるか? ゲコクマが禁止しているのかもしれない」
絹旗「超使えてますね…」
そういうと、絹旗はあたりのものを適当に持ち上げた。
手と物の間に不自然な空白が見える。
窒素の装甲が正常に機能している証拠だ。
上条「どういうことだ…?」
「食蜂だけが使えないところを見ると、あの箱が開けられたってことだろ…」
誉望「箱……それって…」
心理定規「そう、あの『パンドラの箱』とかいうやつの中には、『能力を無効化する装置』があった。それが使われたってことでしょうね」
上条「一体誰が……」
麦野「それはクロマクでしょう。それは誰か分からないけど、今現状から考えれば──」
そう言って、麦野は一人の人間に視線を向けた。
当然だ。
何せ、あの箱を開けることができるのは『二枚の学生証を持った人間』か『この男』だけなのだから。
麦野「一方通行、アンタがクロマクなのかしら?」
一方通行「……はっ」
一方通行は鼻で笑った。
一方通行「だったらどうするんだァ? オレがクロマクだからってテメェらには何もできねェだろ?」
浜面「やっぱりお前がクロマクか…!」
一方通行は否定も肯定もしなかった。
だが暗に自分がクロマクと言っているような、そんな振る舞いをした。
──コイツが本当にクロマクなのか?
(いや、待て……アイツの能力を使えば、一方通行がクロマクかどうか分かるんじゃないか?)
参考
>>184
>>185
人物指名↓1
193 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/13(木) 23:29:55.33 ID:GzcSUIxH0
心理定規
194 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/13(木) 23:47:37.83 ID:vcOUWL4o0
>>193
「いや、心理定規の能力を使えば分かるんじゃないか?」
誉望「え?」
「心理定規の能力は他の生徒の能力を見るだけじゃない。『回数制限のある能力の使用回数を見ることができる』ってのもあるらしいじゃねぇか」
青髪「うーん……つまりどういうことなん?」
雲川「もし一方通行が『箱』の解除に能力を使ったなら、心理定規には分かるということだ」
一方通行「チッ…」
浜面「じゃ、じゃあ……心理定規! 一方のやつは能力を使ったのか? 使ってないのか? どっちなんだ?」
心理定規「使ってないわね……一度も」
土御門「なんでにゃー!」
麦野「それは……どういうこと?」
心理定規「もしかしたらだけど、嘘をついたんじゃない? 理由は分からないけど…」
一方通行「……」
195 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/13(木) 23:54:11.03 ID:vcOUWL4o0
「何とか言ったら、どうだよ」
一方通行「はっ、うっせぇな……嘘ついちゃ悪いかァ?」
浜面「はぁ!?」
上条「お前! なんでそんなことを!」
一方通行「なんでって、そりゃテメェらが疑心暗鬼に陥るようにだよォ……オレはお前らみたいに仲良しこよしやるつもりはねェんだよ」
吹寄「……貴様!」
吹寄が勢い良く近づいた。
怒りたい気持ちも分かる。なにせ吹寄とは真逆の男なのだから。
一方通行「おっと、殴る気か? だが気をつけろよ。殴るってことはテメェの嫌いな殺人と何ら変わりねェ。それとも正義を掲げれば、正当化できるのかァ?」
吹寄「くっ……」
吹寄はギリギリのところで手を止めた。
結標「やめましょう、吹寄。構うだけコイツの思う壺よ」
滝壺「喧嘩はよくない…」
吹寄「……そうね。ごめんなさい」
二人に感情を抑えられたのか、吹寄は一方通行に背を向けた。
一方通行「あーあ、つまんねェの。良いところだったのによォ……」
そう言って、一方通行は中央エリアから立ち去った。
上条「何だったんだあいつ……」
浜面「顔と一緒でクソ野郎だな」
削板「一方通行は漢じゃないな!」
吹寄「色々言いたいところはあるかもしれないけど……とりあえず、能力を無効化するアイテムのあるエリア2に行きましょうか」
「ああ…」
196 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/14(金) 00:12:36.49 ID:Aieqjqrr0
皆がエリア2に集まったのは大分時間が経ってからだった。
やはり時計回りにしか進めないというのは弊害だ。
浜面だけは好きなところに行けるみたいだが、他の生徒は隣にそのエリアがあったとしても時計回りでなければ入れない。
吹寄「みんな、集まったわね…」
『パンドラの箱』の周りに、皆が集まる。
「よし、確認するぞ」
吹寄「ええ」
吹寄は蓋部分を触った。
すると、どうやら軽く触っただけでも上に蓋が動く余地があるようで、吹寄は顔をしかめた。
吹寄「……完全に開いてるわね」
そう言いながら、蓋を豪快に開く。
全員がまた一時間前と同じように、箱の中を覗きこんだ。
麦野「何か入ってるわ!」
だが箱もかなりの大きさがあるためかよく見えない。
「吹寄。危険なものかもしれないから、お前が手をいれるのはやめとけ。……そうだな、削板! お前、こんなかに手を突っ込んでみろ」
削板「根性!」
どうやら、それは了承、ということらしい。
削板は勢い良く、箱の中に手を突っ込んだ。
削板「ん?」
何かに触れたようで、削板はあっさりとそれを引き出し、蓋を閉じて、その上に置いた。
それは写真のようだった。
そこには黒髪の巫女服姿の女が写っている。
誉望「誰っすか、これ?」
誰もその人物について、知らないようだった。
吹寄「待って! 裏に何か書いてあるわ!」
皆の視線が一箇所に集まる。
そこには──
──『超高校級の空気 姫神秋沙』と赤いインクで書かれていた。
197 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/14(金) 00:59:11.47 ID:Aieqjqrr0
「超高校級の空気、だと?」
削板「姫神秋沙。……誰だ、こいつ?」
雲川「見たところ、学生のようだが」
吹寄「それよりも疑問なのは、なぜこれがこの中に入ってるか、ということよ」
浜面「それは……最初から入ってたんじゃないか?」
「それもありえるが……誰かが入れた可能性もある」
誉望「一体、誰がいれたっていうんすか?」
吹寄「……やめましょう。ただでさえ、秘密のことで疲弊してるのに、これ以上決着のつかなそうな話をしても意味ないわ。それについては今日各自で暖めておいて、また明日の朝、話しましょう?」
「そうだな……」
俺含めて一同は吹寄の意見に賛同した。
分からないことだらけだったが、少なくとも今はそれが賢明に思えた。
結標「あ、言い忘れてたけど……昼食も勝手に私達で用意するから、食べたかったら中央エリアに来てちょうだい」
削板「おお! それは最強だな!」
絹旗「超行きます!」
何だかんだ半数くらいが中央に向かい、残りの半数が自分の部屋に戻った。
俺は自分の部屋に戻って、少し休憩することにした。
198 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/14(金) 01:13:12.31 ID:1kpN7yuM0
部屋に帰ると、机の上には茶封筒があった。
──もしかして、これが『秘密』というやつだろうか?
俺はそれを手にとり、封筒の中から紙を取り出した。
「これは……」
そこに書かれていたことを見て、唖然とした。
紙にはこう書かれていた。
『厨二病で、セルフBGMをかけながら教室に入ってきた時期があった』
思わず顔を枕に埋める。
これはバレたら不味い。
──ああ、最悪の気分だ。
こんな恥ずかしい過去、人に言われたくない。
それを忘れるように、仮眠についた。
良い夢がせめて見れることを祈ろう。
199 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/14(金) 01:19:49.04 ID:1kpN7yuM0
それから目が覚めた後は、色々なことを考えた。
だが考えても、結局分からないことだらけだった。
まずどう開けたのかもわからないし、中身も分からない、姫神秋沙が誰なのかも分からない。
分からないことしかなかった。考えれば考えるほど、謎が生まれた。
時刻は十五時。気分転換に何処か行くとしよう。
200 :
自由行動
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/14(金) 01:25:59.97 ID:1kpN7yuM0
どこに行こうか?(キャラ指定で)
中央エリア(吹寄、麦野)
エリア1(雲川、滝壺、誉望)
エリア2(一方、御坂、海原)
エリア3(青髪、土御門)
エリア4(絹旗、上条、削板)
エリア5(心理、浜面)
エリア6(食蜂、結標)
↓2まででコンマの高いほう
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/14(金) 01:50:32.86 ID:dBZoIX+M0
絹旗
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/14(金) 02:30:51.53 ID:DQfNx7juO
滝壺
203 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/14(金) 09:12:02.36 ID:1kpN7yuM0
エリア4にやって来た。
ここには絹旗、上条、削板がいる。
なんとなくだが、絹旗に話しかけてみるか。
204 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/14(金) 09:27:44.92 ID:1kpN7yuM0
絹旗「売店には超色々なものがありますね…」
「…なぁ、超絹旗」
絹旗「あ、垣根さんも売店談義したいんですか?」
「ちげぇよ。ちょっと雑談したかっただけだ……売店はどうでもいい」
絹旗「なるほど…」
絹旗と共に時間を過ごした。
205 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/14(金) 10:02:25.48 ID:1kpN7yuM0
「そういや何でお前は長点上機にやってきたんだ?」
絹旗「何で……とか言われても、特に強烈なバックボーンとかあるわけじゃないんですよね」
「そうか……まぁ、普通はそうなんじゃねぇの?」
絹旗「普通ですか。…それは超嫌ですね」
「嫌?」
絹旗「ええ…だって普通ってつまらなくないですか?」
「つまらない…?」
絹旗「超つまらないんですよ、普通って……。どうせなら、ちょっと異端なくらいが超丁度良い……。そう思いませんか?」
「分からなくもねぇが……。だからって変人の方が良いのか?」
絹旗「もちろん。その変さが癖になる人続出です。垣根ももうちょっと変人になってください」
「はぁ…」
“理解できたような、できないような”
絹旗「本当に分かってるんですか?」
「も、もちろんだ」
絹旗「じゃあ、聞きますけど……ドラゴンボールからで……。悟空、クリリン、ベジータ……この三人の中だったら私は誰が1番好きでしょうか?」
(……普通に分からねぇぞ)
選択肢
1、悟空
2、クリリン
3、ベジータ
↓1
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/14(金) 10:10:42.43 ID:l1G4TWq/O
2
207 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/14(金) 14:34:51.98 ID:1kpN7yuM0
「クリリンか…?」
絹旗「ぶぶー! 超違います!」
「チッ……正解は?」
絹旗「孫悟空ですよ。あんな主人公だから忘れがちですけど、ナチュラルサイコパスです彼は」
「はぁ…」
絹旗「ベジータは王道過ぎますし、普通にしっかりしすぎてます。そして、クリリンは超普通で、ただの良い人ですよ」
「普通じゃねぇ、鼻がねぇだろ」
絹旗「…外面的特徴は超知らないです」
「よくわからねぇ…」
絹旗「ふふふ……私と仲良くなりたかったら超覚えておいてくださいね」
絹旗と仲良くなれたのだろうか……?
208 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/14(金) 14:42:25.18 ID:1kpN7yuM0
その後は、すぐ部屋に帰った。
一応、Gメールの掲示板を確認する。
pc16:ここでやり取りできるの便利ね。
pc17:クソリプしまくるでー
pc02:害悪よ
と、くだらないやり取りがされていた。
“見る必要もなかったな”
そう思いながら、布団に潜る。
モノクマが秘密をバラまくと言ったのは二日後。
いくら他人に言われたくない秘密があるからって、コロシアイが起きるわけないよな?
輪を乱そうとしているのは一方通行だけだ。あいつにさえ注意しておけば大事だと、今は信じるしかなかった。
209 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/14(金) 17:42:24.82 ID:ceZW8ChY0
他スレもそうですが、最近忙し目です。
悪しからず
210 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 01:25:14.54 ID:lcuc3nBs0
朝になった。この場所に来てから四日目の朝だ。
生活が変わったからか、少し肌が荒れている気がする。
気にしてるわけではないが、そういうのに 敏感なのだ。
だが今はそんなのどうでも良いと言わざるをえないが。
皆の待つ中央エリアに向かう。
211 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 01:49:14.98 ID:lcuc3nBs0
吹寄「一方通行以外は集まったわね……」
中央エリアにつくと、食欲をそそるような香ばしい匂いが鼻腔に絡みついた。
結標「今日は色々試してみたわ…」
土御門「美味しそうなんだにゃー!」
上条「おぉ!…ろくなもの食べてこなかった上条さんにとっては最高ですよ」
絹旗「超最高です!」
食事の時だけは、皆が生き生きしているように感じる。
吹寄「食事も良いけど……昨日のことについて話し合いましょうか。あんまり食事をしながらっていうのもよろしくないんだけど、今は仕方ないわ」
心理定規「じゃあ、まず話を少し整理しましょうか」
「頼む」
心理定規「まず昨日、食蜂さんに一方くんに対して能力の使用をお願いしたのよね」
青髪「そうやねー……一方くんは会議に出席しないから先にクロマクか見とこうってなあ」
心理定規「そうね。で、使おうとしたわけだけど、彼女は使えない、と言ったわけだわ」
食蜂「そうよぉ……使えなかったわぁ」
心理定規「で、食蜂さん以外は能力を使えて、彼女だけが使えなかった」
雲川「それはつまり、『パンドラの箱』が開けられた、ということを意味してる」
心理定規「ええ。何故かというとあの箱のひとつに、能力を無効化する装置が入っているものがあったからね」
吹寄「そして、私達はその箱を確認した」
心理定規「そしたら中から、姫神秋沙の写真が出てきた……。と、以上ね。みんな理解できたかしら?」
削板「おお! なんとなく根性で理解できた気がするぞ!」
(整理しても、結局分からない。……なら、ありえる可能性を模索するべきなのか?)
212 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 01:56:16.13 ID:lcuc3nBs0
吹寄「一つずつ、片付けていこう。まずあの箱を開けたのが誰かだ」
誉望「少なくとも俺らにはできないっすよね?」
(……誉望の言う通りで、可能性があるとするならば、それは……)
下1で自由記述
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 02:01:53.59 ID:ka6yYCpR0
19人目以上の存在。姫神の写真はそのヒント
214 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 02:22:15.61 ID:lcuc3nBs0
「姫神秋沙なんじゃないか…?」
御坂「え…!」
上条「ひ、姫神秋沙って、さっきの写真の人物だろ? なんでそいつが出てくるんだよ」
結標「いや、そこまでおかしい話じゃないと思うわ」
上条「結標まで……。どういうことだよ……」
雲川「……ならば聞こうか上条当麻。一体、誰が被験者は十八人と言ったのか。もちろんゲコクマはそんなこと言ってない」
そういって雲川は回していたペンを止め、上条にビシッと向けた。
上条「ま、まさか……」
雲川「そのまさか……十九人目だよ」
滝壺「もう一人…いるの?」
誉望「だとしたら、この施設の中にもう一人いるってことっすか!」
吹寄「そうなるわね…」
青髪「じゃあ、その十九人目は自分の写真を箱の中に突っ込んだん? 何のためにそんなことするんよ?」
麦野「分からないけど、自分という存在を知らしめるため、とか?」
吹寄「ありえなくはないわね……。次にいきましょうか、あのパンドラの箱はどうやって開けられたのかしら?」
御坂「一方通行の能力か……、学生証を二つ使わなきゃ開けられないのよね?」
(御坂の言うことは間違ってない。だからこそ……姫神秋沙が容疑者だとすれば、それは……)
自由記述(正解複数あり)
下1
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 03:15:10.98 ID:mZoepLO1O
姫神はミスリードかもしれない
二重の封も箱も複数人なら解除できる
共犯も視野に入れてまずは封印の仕掛けを解除できると思しき人物に話をきく
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 08:41:08.81 ID:ka6yYCpR0
姫神と18人の誰かとの共犯
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 08:44:07.33 ID:ka6yYCpR0
>>216
姫神とクロマクの共犯
218 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 15:17:17.68 ID:lcuc3nBs0
>>215
はこの後
>>217
「学生証を使って開けられた……のは間違いないだろ」
浜面「で…でも、二枚なきゃ使えないんだろ! 姫神だって一枚しかないはずだ」
「いや、クロマクと姫神が手を組んでたって考えるのはどうだ? あるいは逆の可能性もあるが」
浜面「クロマクと姫神…?」
海原「しかし、そうなると姫神さんがクロマクに協力する理由が分かりませんね」
雲川「それについては色々つけようがある……。脅されていた、とかな。……しかし、垣根、こういう考えもないか?」
「あ?」
雲川「『超高校級の空気』。この能力が使われている可能性もゼロではない」
「それは…」
雲川「この能力はどんなものだと思う?」
雲川「ここにいる十七人と一方通行の能力名はある共通点がある。……姫神秋沙の能力を考える上で、参考になる人間が一人いるだろう?」
土御門「そ、それは誰なんだにゃー!」
(超高校級の空気。名前からしてよく分からん能力だと思ったが……“共通点”があるとすれば)
下1で人物指名
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 15:59:12.63 ID:ka6yYCpR0
削板
???を除いて根性だけ〜者、〜使いじゃないから
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 16:00:31.48 ID:ka6yYCpR0
>>219
根性じゃなかった筋肉だ
221 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 16:38:50.94 ID:lcuc3nBs0
「そうか……“超高校級の筋肉”だ」
削板「俺を呼んだか垣根!!! 超高校級の筋肉とは、まさに俺のことだ!!!」ガタッ
麦野「声デカッ」
滝壺「座ろう削板…うるさいのはダメだよ」
削板「お、おう……そうだな、漢じゃなかった……すまん」
浜面「滝壺強いな」
雲川「本題に戻ろうか……。垣根の言う通り、削板だけ姫神秋沙との関連が見られる」
雲川「ここにいる能力者達は、〜能力者、〜者、〜使いの三通りがいる。能力の分からない私と垣根、……そして、削板を除いてな」
青髪「そっかー。削板くんだけ、そのパターンにあてはまってないんやね。超高校級の筋肉は漠然とした名詞がくっついてるだけ……姫神さんの空気と一緒ってわけかあ」
「つまり、削板から類推すれば大体の予想はつく……。つまり名詞そのものってことだろ? 削板を見りゃ分かる通り、The超高校級の筋肉って感じだろ?」
誉望「つまり空気そのものってことっすか?」
雲川「可能性としてはかなり高いだろう……。ここでの空気がairなのか、それともnot existなのか」
上条「悪い。何言ってるか分からない…」
麦野「周囲の空気っていう意味か、存在が目立たないとか、地味っていう空気か、ってことね」
上条「なるほど、わかったぜ。サンキュー」
「どちらにせよ……。言えるのは誉望みたいな能力ってことだろうな」
誉望「え、俺っすか? それって透明になるとか?」
心理定規「ええ。もしくは存在を消すことができるとか、ね。本当に姫神秋沙がいるとすればだけど……」
誉望「ていうと?」
「姫神じゃなくて、この中にいるやつらが二人手を組んで開けた可能性もあるって言いたいんだろう」
222 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 17:31:25.97 ID:lcuc3nBs0
心理定規「そうよ」
海原「でも、そうなると納得がいかない点があります。……なぜ食蜂さんの能力を無効化する必要があるのか、という点です」
吹寄「その場合でもクロマクが絡んでるんじゃない? もう一人を脅して」
(おそらく、ここが限界だろう……。これ以上先には情報がなさすぎて進めない)
「もうやめにしよう。現時点では、これが限界な気がする。色々煮詰めて、また明日話そう」
雲川「それが賢明だな…」
吹寄「そうね。これでもかなり進歩したほうでしょう……。じゃあ、この話については終わり。他何かある?」
浜面「あ、一ついいか?」
吹寄「何かしら?」
223 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 17:39:01.09 ID:lcuc3nBs0
浜面「えっと……各エリアにさ、なんか固定電話みたいな液晶パネルがあるだろ?」
「あぁ、あの動かないやつな」
思い出す。
あれは動作しない液晶パネルで、両脇に受話器がついていた。そこから伸びるコードは壁に伸びており、電源部分に繋がっていた。
浜面「あれなんだけど、もしかしたら直して使えるようにできるかもしれねぇ……御坂の協力があれば、だけど」
御坂「え、私…?」
浜面「そうだ……。あの機械はぶっ壊れてるのに加えて、電気が通ってない。電気室の電源とは別で独立してるみたいだ。だから、あれを直したあとに電気を通してもらう必要がある……。御坂ならできるよな?」
御坂「うん、多分だけどできると思う」
吹寄「じゃあ、二人には悪いけど……その機械の復旧お願いするわ」
浜面「ああ…」
吹寄「あとは…」
「そういや食蜂の能力は今使えるのか?」
食蜂「使えないわねぇ…」
結標「最初に食蜂が能力使ってからまだ二十四時間は経ってないわ、今はだいたい二十時間くらい」
雲川「なら今日だけは食蜂のタイミングで使えるときが来たら、適当に誰かに使ってもらう……で、どうだ?」
吹寄「それでいきましょうか……結果分かり次第パソコンにあげてもらう感じで」
吹寄「それと私からなんだけど……定期的に私が見回りするから、各々秘密を見たと思うけど変な気は起こさないように、ね?」
絹旗「吹寄さん、一人だと危ないですから、私が超ついてきますよ!」
吹寄「ありがとう、絹旗さん……。じゃあ、今日はここまでで解散しましょうか。あ、一方通行には私からメッセージ送っておくわ」
そこで各々は自分の行動に戻った。
224 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 17:41:53.83 ID:lcuc3nBs0
ちなみにゲコクマメダルは勝手に溜まります。売店に行った日から一日経つごとに三枚溜まります。(それ以外にも入手方法あるかも)
【現在】六枚
ゲコクマの売店に行きますか?
下1
1、はい
2、いいえ
225 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 18:04:17.72 ID:ka6yYCpR0
1
226 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 18:33:49.52 ID:dSpIrRN80
売店にやってきた。
ゲコクマ「いらっしゃいませー! ゲコゲコマシーンをやりにきたんだね、垣根クン」
「ああ…」
ゲコクマに適当に返事をし、奇妙なガチャガチャを回す。
227 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 18:34:20.22 ID:dSpIrRN80
封入率
1〜5 浜面
6〜10 結標
11〜15 吹寄
16〜20 土御門
21〜25 絹旗
26〜30 海原
31〜35 御坂
36〜40 誉望
41〜45 食蜂
46〜50 一方通行
51〜55 麦野
56〜60 削板
61〜65 滝壺
66〜70 上条
71〜75 心理定規
76〜80 青髪
81〜85 雲川
86〜95 レアアイテム
96〜00 特殊イベントアイテム
228 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 18:35:13.97 ID:dSpIrRN80
下6まで。いなさげなら連投あり
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 18:42:18.06 ID:MCxs/Bdw0
v
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 18:46:17.76 ID:WvFEdMAHO
まわす
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 18:54:04.47 ID:GkLOxzcHO
あ
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/02/15(土) 19:08:04.86 ID:VCgHoqhJO
あ
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 19:21:56.06 ID:ka6yYCpR0
だ
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 19:22:21.58 ID:ka6yYCpR0
べ
235 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 19:33:55.40 ID:dSpIrRN80
適当にアイテム作ります
上から順に
空間製図×1
関西弁図鑑×1
初心者マーク×1
漆黒の学ラン×1
脳筋プロテイン×1
236 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 19:34:50.88 ID:dSpIrRN80
レアアイテム表
浜面(高級スパナ)
結標(美少年の写真)
吹寄(正露丸)
土御門(月刊いもうとパラダイス)
絹旗(超サイヤ人伝説)
海原(怪人二十面相)
御坂(ゲコ太のぬいぐるみ)
誉望(金属探知機)
食蜂(洗脳装置)
一方通行(ウォーキング・デッド)
麦野(小顔ローラー)
削板(俺より強いやつに会いに行くTシャツ)
滝壺(遠隔感受アンテナ)
上条(幸運のお守り)
心理定規(アドラー心理学)
青髪(世界の美男・美女リスト)
雲川(すべてがFになる)
誰向けのものが出たか
↓2まででコンマの高いほう
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 20:17:58.13 ID:WvFEdMAHO
絹旗
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 20:24:01.96 ID:BTC2gH+NO
心理
239 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 20:32:35.69 ID:dSpIrRN80
(なんか色々変なの出てきたな…)
“こんなんあげて喜ぶやつらいるのか?”
ゲコクマ「また買いきてねー!」
よくわからないものをしまい、俺は売店から出た。
“この後は何処にいこう…?”
240 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 20:34:11.95 ID:dSpIrRN80
どこに行こうか?(キャラ指定で。浜面、御坂不可)
↓2まででコンマの高いほう
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/02/15(土) 20:42:32.16 ID:VCgHoqhJO
心理定規
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 20:43:29.27 ID:D9Au6rVy0
心理
243 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 20:50:47.25 ID:dSpIrRN80
何となく歩いていると、エリア3にいつの間にか来ていた。
ここには心理定規、削板、吹寄がいる。
「なぁ、心理定規」
心理定規「何?」
「今、暇か?」
心理定規「まぁ…」
「釈然としないな…」
244 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 21:01:59.14 ID:dSpIrRN80
心理定規「私と会話したいのね?」
「…なんとなくだよ」
心理定規「良いでしょう、付き合ってあげるわ」
「何で上から目線なんだよ…」
心理定規「そういうものよ、世の中」
「はぁ…」
心理定規「話は変わるけど、私ね、他人が何考えてるか考えるのが好きなのよ」
「へぇ……俺が考えてること分かるか?」
心理定規「あなたは……『ホットドッグ食べたい』、そう考えてるでしょう」
「え…」
実際、ホットドッグを今頭に浮かべてただけにびっくりした。
心理定規「ふふ……当たったみたいね」
「お前、その力使ってクロマク見つけろよ」
素直にそう思わざるをえなかった。
心理定規「残念だけど、そんな万能じゃないわ。有効な相手は限られてるし、さすがに何でも分かるわけないわ」
(じゃあ、俺って分かりやすいのか……?)
心理定規「分かりやすいというか…」
「!」
また考えてることが読まれた。
心理定規「ふふ、驚いたかしら」
「まさかお前…」
選択肢
1、超高校級の精神能力者だな
2、超高校級のクロマクだな
3、超高校級のエスパーだな
下1
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 21:15:48.32 ID:WvFEdMAHO
3
246 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 21:40:36.07 ID:dSpIrRN80
「超高校級のエスパーだな…」
心理定規「あら、バレちゃったかしら……。私はエスパーなのよ。精神能力者であることに加えてね」
「片方無能力者の俺に分けろよ」
心理定規「嫌よ」
「ケチだな」
心理定規「節制が上手といってちょうだい」
(よし、かなり楽しませられたようだ……)
プレゼントを渡しますか?(アドラー心理学所持)
下1
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/02/15(土) 21:44:58.59 ID:VCgHoqhJO
渡す
248 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 21:52:54.34 ID:dSpIrRN80
心理定規にアドラー心理学を渡した。
心理定規「!……へぇ、私の好きなものが分かってるのね。……やるじゃない」
(どうやら、かなり喜んでるようだ)
「まぁ、精神能力者だから、そういう本好きかなって……」
心理定規「安直ね。でも、嫌いじゃないわ。現に良いものを運んできてくれたし」
「その本の何が良いんだよ」
心理定規「嫌われる勇気よ……。あなたはそれを持ち合わせているかしら?」
「はぁ…」
なかなか掴めない心理定規と話しながら過ごした。
心理定規とかなり仲良くなった気がする。
249 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 21:53:43.55 ID:dSpIrRN80
書いてないけど、一緒に過ごすと無条件に希望の欠片がもらえます
250 :
自由行動
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 21:56:06.50 ID:dSpIrRN80
時刻は午後十五時。食事してるやつらも帰ってきたところだった。
(さて、次はどうするか……)
誰と過ごそう?(キャラ指定で)
下2まででコンマの高いほう
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/02/15(土) 21:59:31.41 ID:VCgHoqhJO
食蜂
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 22:09:02.71 ID:ka6yYCpR0
滝壺
253 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 22:29:11.15 ID:dSpIrRN80
そう考えてると、エリア3に滝壺がやって来た。
滝壺「何してるの…?」
「何もしてねぇ……ぼうっとしてただけだ」
滝壺「私と…いっしょ」
確かにこいつはいつもどこ見てるか分からないくらい、ぼうっとしてるが。
何か一緒にされるのは嫌だった。
「一緒にするな。俺は何も考えてないわけじゃない」
滝壺「私も考えてる…」
「何をだよ…」
滝壺「何だと思う…?」
「そうだな…」
選択肢
1、夕食のこととか?
2、コロシアイのこととか?
3、宇宙のこととか?
下1
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/15(土) 22:34:43.55 ID:ka6yYCpR0
3
255 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 22:53:24.76 ID:dSpIrRN80
「宇宙のこととか…?」
滝壺「!……かきねはエスパー?」
「実はそうなんだ…」
(とか、言っておこう……心理定規じゃねぇけど)
滝壺「それはすごい…」
「宇宙好きなのか…?」
滝壺「うん。だって不思議… この建物の外の外の外の外に行けば宇宙がある。つまり、私達は宇宙だよ」
「よく分かんねぇが、好きなのは伝わった……」
滝壺「宇宙に限らず、不思議なものは好き…他には…」
(どうやら、かなり喜んでるようだ)
色々よく分からないことを聞きながら、数時間過ごした。
滝壺と仲良くなった気がする。
滝壺の希望の欠片を手に入れた。
256 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 23:01:47.98 ID:dSpIrRN80
俺がエリアをぐるぐる回っていると、エリア6〜エリア1の通路で疲れきった御坂と浜面の姿を見つけた。
「仕事終わりか…」
浜面「…そうそう。御坂ほどじゃないが、俺もかなり疲れたぜ」
御坂「ほんとそれ。…私の能力って使うとかなり体力取られるからね……。皆のためだから頑張ったけど」
「作業は終わったのか?」
浜面「もちろん! この優秀な俺にかかればお茶の子さいさいだ!」
「元気じゃねぇか…」
浜面「おっと、つい声がデカくなっちまった」
御坂「でも、さすがにエリア6個分はしんどかったわよ」
「そりゃお疲れ様だな。……で、あの機械は使い物になるのか?」
浜面「おうよ。まぁ、それについては明日の朝話すぜ」
「…まぁ、期待してるわ」
そこで浜面と御坂と分かれ、エリア1の方に向かった。
257 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 23:08:56.18 ID:dSpIrRN80
エリア2を見回していると、エリア1の方から吹寄と絹旗がやって来た。
どうやら見回りの最中らしい。
「見回りしてるみたいだな…」
吹寄「もちろん。物騒なことになって欲しくないからね」
「当のお前が巻き込まれないようにな」
絹旗「ふふ、その心配は超不要ですよ。私が超居ますからね!」
そう、絹旗は胸を張って言った。
その姿から、俺は不安しか覚えなかった。
(能力的には問題ないが、性格的に問題ある気が……)
吹寄と絹旗はすぐにエリア3の方に向かった。
258 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 23:14:46.37 ID:dSpIrRN80
エリア3に来ると、ここには結標と滝壺が居た。
何でも今日は人の行き来が多いから、ここでテレポートと人探しの手伝いをしているらしい。
俺は特に誰か探してるわけでもないし、ぐるぐる回っているだけなので、すぐに彼女らと別れた。
259 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 23:20:16.88 ID:dSpIrRN80
エリア3に来ると、さっきはなかった簡易的な休憩スペースみたいなのが増設されていた。
丸机と椅子が並んでいる。
いつ、誰が持ってきたのか考えていると、近くにいた食蜂が声をかけてきた。
食蜂「それは雲川さんが、削板さんに頼んで作らせたものよぉ」
何でも、各エリアには小部屋の中を別にして座るところがなかった。
そのため雲川の計らいで作られたものらしい。
二人は売店で材料を調達して、次々と他のエリアに休憩スペースを作成しているらしい。
食蜂曰く、『この先近くにいるのじゃないかしらぁ』だそうだ。
食蜂と別れ、エリア4に向かう。
260 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 23:36:15.60 ID:dSpIrRN80
エリア3〜4を繋ぐ通路に来ると、そこには上条と海原がいた。
こいつら二人も疲れているような気がした。
「何やってるんだ?」
上条「ちょっと仕事終わりで休んでたところだ」
「お前らは何やってたんだよ」
海原「自分達は今の今まで、雲川さんの頼みで色々材料運んでました」
どうやらこいつらも仕事に駆られたらしい。上条がぜぇぜぇ言ってるところを見ると大分こき使われたであろうことが分かる。海原も表情こそ変わってないが、汗が頬を伝っていることが分かる。
上条「そういえば、各エリアにエアコンあるらしいぜ。あたりに行こうぜ、海原」
海原「ですね…」
「エアコン…?」
上条「あぁ……。部屋広いから皆気づいてないらしいが、エリアの隅にエアコンの電源あるらしいぞ。…御坂が言ってた」
「へぇ、そりゃ快適だな……俺は知らなかったぜ」
そんな話をしながら、エリア4に三人で向かった。
261 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/15(土) 23:50:04.24 ID:dSpIrRN80
エリア4に来ると、そこには一方通行と心理定規がいた。
二人は無言で座り、何かをテーブルでやっている。
「何やってるんだ…?」
一方通行「ジェンガだ…」
ジェンガ…?
しかも、なぜこの二人が?
一方通行「そんなに不思議かァ?……オレはこういうゲームの類が好きだからやってるだけだっての。裏も表もねぇぞ」
心理定規「そうそう……。一方通行がゲームに自信あるって言ったから、興味があって勝負してるのよ。そしたら、ほんとうに強くて困っているとこだわ」
一方通行が無言でジェンガに興じているのは不思議な光景のように見えた。
そんな風に話していると、上条達はエアコンの電源を探していた。
上条「あれ? どこの端なんだっけ」
電源を探すのに苦労しているようだ。
一方通行「オイ、そこのウニ頭ァ…」
大きめの声で一方通行が声を荒げる。
上条「え……ウニ頭って、上条さんのことですかね?…何でしょう?」
一方通行「涼しさにあたりたいなら先に行け。……俺は寒いのも暑いのも苦手だ。ここではエアコンつけんな」
上条「あ、はい…」
そう説教されると、上条と海原は顔を合わす、とぼとぼとエリア5に向かっていった。
話を終え、俺もそれを追うように進む。
262 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/16(日) 00:29:04.14 ID:dYaQtEKi0
エリア5につくと、そこには誉望と麦野が居た。
二人とも休憩スペースに座って、アイスを食べていた。
だが、それよりも──
「──冷えすぎだろ」
どうやらここはエアコンがガンガンついてるらしい。
何でも仕事で疲れたもの達のエリアだそうだ。さきほどまで削板と雲川も居たらしい。
上条や海原は「生き返るなぁ」などと言っていたが、俺からしたら寒いくらいだ。
「寒くないのかよ、お前らは」
そう麦野達に尋ねる。
誉望「まぁ、俺らさっきまで働いてたっすからね」
麦野「そうね…」
どうやら、こいつらも雲川の作業に付き合わされていたらしい。
麦野「アンタも食べる…?」
そう言って、麦野はアイスを差し出してきた。
これは……
「Doleか。良いセンスだ……」
ありがたくちょうだいした。だが、アイスを口にいれると美味かったが余計に寒くなった。
麦野「暇だし、アンタ達も遊ばない?」
「遊び?」
「色々使えそうなもの売店で買ってきたのよ」
そう言って、麦野は色々床下の袋から取り出した。──計り、ストップウォッチ、割り箸。
「これで何ができるんだ?」
麦野「ちょうど100グラム乗せるゲーム、ちょうど5秒で止めるゲーム、女王様ゲーム…とかよ」
しれっと、最後恐ろしいものがあったような。
遊んでみたい気持ちはあったが、寒さに勝てず、別の部屋に行くことにした。
麦野が残念そうにしていたが、仕方あるまい。
そこで上条達とも別れ、一人でエリア6の方に向かう。
263 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/16(日) 00:38:44.12 ID:dYaQtEKi0
エリア5から6の通路には、青髪と土御門が居た。
二人はこちらに気づいておらず、何かをボソボソと話している。
何を話しているのか気になり、近づくと、さすがに気付いたようで、こちらに顔を向けた。
土御門「きょ、今日は良い天気だにゃー」
青髪「お、垣根くん。おはようやねぇ」
なんかよそよそしいし、怪しかった。しかも、今は朝じゃない、夕方だ。
「何か話してたろ…」
土御門「な…全然何も話してないぜよ!」
珍しく、というか初めて土御門が声を荒げた。
青髪「土御門くん、別の場所に行かん? 僕、散歩したいんよ」
土御門「そ、そうだにゃー。散歩するぜい」
そう言って、二人はエリア1の方に向かって行った。
(一体何なんだ…?)
俺も後に続くようにエリア6に向かう。
264 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/16(日) 00:46:39.44 ID:dYaQtEKi0
エリア6につくと、ようやく雲川と削板に出会えた。別に探していたわけではないが、他の生徒には会ったため、そんな感じだ。
削板はせっせと机を組み立てていた。釘を素手で殴っている。
だが上手く刺さらないのか、今度は力強く殴るが、すると板が凹む。
雲川「またスランプか……。さっきまで上手くいっていたじゃないか」
削板「む、すまん……」
どうやら力の制御に苦戦しているらしい。
「何でトンカチとか使わないんだよ?」
雲川「売ってないんだよ……。恐らくだけど、凶器の類になりそうなものは除外されてる。売っていても、せいぜい、その釘くらいだ」
「なるほどな…」
二人は作業に勤しんでいたため邪魔だろう、と思い、自分の部屋に戻ることにした。
──色々整理して、早めに寝るのもありだ。
俺は、通路に向かった。
265 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/16(日) 00:52:58.72 ID:dYaQtEKi0
その後はわりとすぐに布団に入ったと思う。
色々と考えが錯綜したが、やはり望む答えは見つからない。
ゲコクマが秘密を暴露するのは明日の二十四時。
後一日秘密を言われることに耐えれば、また一歩平和に近づく。
そんな風に希望を抱き、目をつぶった。
266 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/16(日) 00:55:05.62 ID:dYaQtEKi0
4日目終了
〈アイテムリスト〉
正露丸×1
空間製図×1
関西弁図鑑×1
初心者マーク×1
道路標識シール×1
漆黒の学ラン×1
脳筋プロテイン×1
267 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/16(日) 02:12:35.99 ID:MJEp0WDF0
──目を覚ます。
昨日と変わらない朝だ。
とはいうが、朝なのか今一実感がない。それを知ることができるのは時計だけだ。
俺は顔を洗い、身支度を整えて、中央エリアに向かった。
268 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/16(日) 03:38:06.05 ID:MJEp0WDF0
吹寄「みんな揃ったわね? これから話し合いを始めるわ。何か議題あるかしら?」
やはり、というか何というか一方通行の姿はなかった。
浜面「あ、俺から良いか?」
吹寄「ええ」
浜面「昨日言った機械についてなんだが、苦闘の末、何とか使えるレベルになった」
絹旗「おお! それは超浜面です。でかしましたね!」
削板「浜面は漢だな!」
浜面「御坂も頑張ったから、褒めてやってくれ」
御坂「わ、私はいいわよ…」
削板「御坂も漢だったか!」
御坂「お、漢ではないわよ…」
結標「…で、あの液晶は何に使えるの?」
浜面「ふふふ……それはだな、なんと…電話ができます!」
「……」
雲川「……そうか」
浜面「いや、反応うすっ!」
食蜂「まぁ、何となく分かってたしねぇ…」
誉望「受話器ついてるっすからねぇ。まぁ、予測できるっすよ」
浜面「だが聞いて驚け、ビデオ通話も出来るんだぞ!」
上条「おお、それは凄いな!」
雲川「確かに」
浜面「ふふ…見直したみたいだな」
269 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/16(日) 03:53:44.60 ID:MJEp0WDF0
今日はこのへんで。どろん
270 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/16(日) 23:27:26.91 ID:/KmFpFGy0
「使い方は…?」
浜面「あぁ、それなら俺か御坂に聞いてくれ……俺は、今日一日、自室か電話機械の前に居ると思うからよ」
御坂「私も適当にぶらぶらしてると思うわ」
吹寄「それは助かるわ。じゃあ、次、食蜂さんの能力について話しましょうか……。昨日は結局能力使えるようになった?」
食蜂「いいえ、使えなかったわぁ……。そして、さっき一方さんにすれ違ったんだけど、その時も無理だったわぁ」
「マジかよ……」
麦野「だとしたら、二日くらい封じられてるってことよね?」
海原「自分の記憶が正しければ、一定時間封じる、と書かれていましたが……。だとしたら一定期間の方が正しいのでは?」
心理定規「わざとそう書いてるのかもね。私達の予想を裏切ってくるように…」
麦野「悪趣味なヤツね…」
ゲコクマ「むむ…誰が悪趣味なのさ! ボクは聖人クマだよ!」ヒョコ
「うおっ」
急にゲコクマがどこからか現れた。
浜面「カエルなのかクマなのか人なのかはっきりしろよ。……それで、そうムキになるってことは事実ってことか?」
ゲコクマ「そ、そんなわけないよー!」
御坂「下手くそね、コイツ」
ゲコクマ「むむ……まぁ、能力無効化装置は一日以上持つとだけは言っておくよ。……ていうか、そんなことはどうでもいいんだった」
そう言ってゲコクマはどこからか封筒を取り出した。
“あの封筒は…”
見覚えはもちろんある。一昨日、部屋に戻った時にあった秘密の入った封筒。
ああ、思い出すだけでも忌まわしい。
271 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/16(日) 23:42:55.83 ID:/KmFpFGy0
ゲコクマ「うぷぷ……。そんな身構えないでよ。ボクはねぇ、もう一度、警告しに来ただけなんだ」
ゲコクマは不敵に笑う。
ゲコクマ「平和なんてありえないよ。秘密がバレたら周りから幻滅されるよ? 絶望されるよ? だったら…、遅かれ早かれそれが訪れてしまうなら……、コロシテ一人だけ抜け出そうよ!」
吹寄「貴様ッ!…余計なことを言うな!」
吹寄が叫ぶ。
だがゲコクマはニタニタと不敵な笑みを浮かべた、それは、こちらを嘲るかのような顔だ。
ゲコクマ「うぷぷ……。ま、これだけは言ったから、じゃあねー」
そう言って、また何処かに消えた。
滝壺「気にするのはやめよう、ふきよせ……」
吹寄「ええ、分かってるわ。……みんな、他に何かある? なければ今日は朝食作ってないから、作り始めたいんだけど」
「特にないな…」
俺以外の人間も話し合うことはないようだった。謎の姫神秋沙についても進捗はないから、話してもあまり意味がない。
そうして会議は終わり、吹寄達が厨房に行った。
やっと落ち着いて食事が出来るか、と肩の力を抜くと、厨房から驚嘆の声が聞こえた。
結標「包丁がない…!」
272 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/16(日) 23:58:29.98 ID:/KmFpFGy0
まだ(非)日常編なのに300レス付近
273 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/18(火) 00:16:49.81 ID:9wAQH/dK0
「どうゆうことだ…?」
思わず、そう言わずにはいられなかった。
結標「昨日はあった包丁がなくなってるのよ」
海原「待ってください。自分の記憶が正しければ、削板さんが使っていたと思いますよ」
吹寄「それは本当?…削板くん」
削板「おう! ちょいと作業するのに借りたぞ!」
吹寄「借りたぞ、じゃないわ。……その後どうしたの?」
削板「あー…どうしたんだっけか」
結標「ダメね……。何処かに置き忘れた、とかなら良いんだけど。…削板、包丁を最後に使ったのは何処?」
削板「えっと…確か……」
雲川「…エリア4だろう」
結標「え?」
雲川「知ってると思うが、私は削板と一緒に居た。……だからそれくらいは覚えてる。もっともナイフを置き忘れてしまったことには気付かなかった。……うっかりしていたよ、すまない」
雲川はわざとらしく、そう言った。
削板「そうだ! エリア4で使っておきっぱなしだ!」
吹寄「分かったわ…。探してくる」
削板「忘れるとは漢じゃなかった! すまない!」
吹寄「もうやってしまったことは仕方ないわ……。次からは気を付ければ良いわよ」
そう言って、吹寄は中央エリアの外へと向かった。
吹寄「……結標さん、滝壺さん。料理は頼むわ」
滝壺「ふきよせは?」
吹寄「私は少し包丁探してくる……。料理は適当に食べててちょうだい」
滝壺「分かった…」
麦野「じゃ、代わりに私が手伝うわ」
浜面「お前料理出来るのか」
麦野「そりゃできるわよ。それとも何…? そんな出来なそうな見た目してるかしら?」ゴゴゴ
浜面「イヤソンナコトナイッス」
こうして波乱の朝は終わった。
274 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/18(火) 13:59:30.88 ID:3UerGCxz0
その後は部屋に戻った。
最近、早起きしていたから疲労がたまっていた。
五日しか経っていないのに、ここから出る進展は見られない。
ゲコクマが用意しているコロシという選択を使うのは、論外だ。
俺は殺人鬼じゃない、普通の人間だ。
そして、気がかりなのは未だに分からない自分の能力。
これはゲコクマの仕業なのか、はたまた別の理由なのか……。
そんなことを考えながら、この五日間に手に入れた情報を手当たり次第メモする。
記憶はないが、記憶力には自信がある。
(こんなもんか……。)
情報を記す作業が終わった時には、正午から三時間が過ぎていた。
達成感は全くない。
それよりも外の様子が気になる思いが勝った。
──吹寄や消えた包丁の行方はどうなったのだろうか?
自室から通路に出る。
275 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/18(火) 15:15:33.49 ID:3UerGCxz0
何となく歩いてると、部屋の中を落ち着きな気なく、うろうろしている吹寄と絹旗に出会った。
その顔からは焦りのようなものが伺える。
「何してんだお前ら…?」
吹寄「不審な人物が居たのよ…」
不審な人物?
そのワードに胸がドキりとする。それはまさか姫神秋沙か?
絹旗「多分、あの超不審者が包丁盗んだ犯人ですよ! さっきは逃してしまいましたが、次こそは……」
「姫神なのか…?」
吹寄「真っ黒なローブ被ってたから分からない……。ただ言えるのは、よからぬことを考えているのは間違いない、ということね」
また探さないと。そう言って、絹旗と共に吹寄は次のエリアに向かおうとした。だが、その時、予想外の音に動きは止められた。
「この音は……」
電子音。
心地よいとも、不快とも言えない音が広大な部屋に響く。
それの発生源は液晶パネルからだ。
──これが浜面が言ってた電話か?
276 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/18(火) 15:44:59.09 ID:3UerGCxz0
undefined
277 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/18(火) 15:46:02.03 ID:3UerGCxz0
吹寄「……でてみましょう」
「そうだな…」
吹寄に言われるまま、俺は画面の前に立った。
操作はまだ教わっていないが、何となく分かる。何せ応答するだけだ。
それらしきボタンを押すと、ようやく着信音が収まる。
受話器を手に取ると、代わりに空気が擦れるようなノイズが聞こえた。
誉望『吹寄さんっすか…?』
「垣根だ……まぁ、吹寄もいるが」
誉望『なら良かったっす! 今すぐエリア5前の扉前に来てくれないっすか?』
『あ? どうしたんだよ?』
誉望『エリア5に入れないんですよ! 扉が開かなくて!』
「麦野が能力なにがしかの理由で使ったってことだろ? そんな焦ることか?」
誉望『いや、確かにそれだけなら焦ることじゃないっすよ! でも……血がたれてるんですよ! 扉の前に!』
278 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/18(火) 15:46:50.46 ID:3UerGCxz0
「何…だと…?」
唖然とした。
血から連想することなんて一つしかなかった。
“だが今はそれよりも……!”
「……クソッ! すぐ行くから待ってろ!!」
受話器を放り投げ、エリア5の方へ飛び出す。
吹寄も何となく状況を理解したらしく、俺の後ろに続く。
5日間の中で、最も早くエリアを走り抜けた。
幸い、そこまで離れてなかったのもあって、二分程で着いた。
誉望「垣根さん…!」
エリア4〜5の通路に着くと、そこには誉望、御坂、食蜂が居た。
後ろから、吹寄、絹旗、そして別の場所から駆けつけた上条、御坂の姿があった。
上条「悪い! 遅れた!」
誉望「俺が上条さんと御坂さんも電話で呼びました!」
「上条の能力を使えば、麦野の能力は無効化できるのか?」
上条「分からねぇけど、やってみるしかねぇよ!」
そう言って、上条は扉を殴りつけた。
その瞬間、奇妙な音が鳴る。
御坂「これは…能力が発動したの…?」
「多分な…」
すると吹寄は前に出て、皆に注意を促す。
吹寄「みんな身構えて…! 中に入るわよ! もしかしたら襲われるかもしれないから、絹旗さん戦闘態勢に移って!」
絹旗「超了解です!」
吹寄、絹旗に続くように俺も前に出る。
吹寄「じゃあ、ボタンを押すわよ…!」
心なしか吹寄の手が震えていた気がした。
それもそうか。
気が付けば、俺も心臓の鼓動が止まらなかった。
この時には、もうこの先の世界になにがあるのか分かった気がした。
そうして、俺達は地獄のエリア5への扉を開ける。
279 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/18(火) 16:03:26.78 ID:3UerGCxz0
そこには誉望、御坂、食蜂が居た。
→そこには誉望、食蜂がいた
280 :
◆GN1D/gFl9g
[!red_res saga]:2020/02/19(水) 16:12:00.87 ID:h+OWgFQe0
血を辿ると、その先には二人の人間が倒れていた。
傷口から垂れたであろう血は、時間が経ったためか固まりつつあったように見える。
手前の扉近くに結標淡希。
奥の扉近くに浜面仕上。
二人は向かい合うようにうつ伏せに倒れており、加えて、浜面仕上の脇腹からは、吹寄達が血眼になって探していた品──
──厨房の包丁が顔を覗かせていた。
281 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/19(水) 16:14:27.83 ID:h+OWgFQe0
Chapter1 機械仕掛けの研究施設 非日常編
282 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/19(水) 16:54:17.16 ID:h+OWgFQe0
「は……」
俺は言葉すら、口から出てこなかった。
恐怖しているのか、悲しんでいるのかすら分からない。
ただ目の前の光景が、俺には目を背けたい現実だったがために、俺はなんとも言えない感覚に襲われた。
放心のような状態だったが、非常なまでの悪魔の声が、皮肉にも俺を現実に引き戻した。
「死体が発見されました。一定時間後に学級裁判を行います」
御坂「う、嘘よ……」
なんとか一歩踏み出す。現実から目を背けるわけにはいかない。
俺は手前の結標の様子を見るため、片膝をついた。
吹寄は奥の浜面の方に無言で近付いた。
吹寄「……浜面くんはナイフで一刺し、みたい」
吹寄は浜面に近付き、淡々と述べた。誰よりもコロシアイに反対してきた女だから、俺には何となくお前の気持ちが分かる。
何か不平を言いたいのを、抑えてるんだろう、ということが。
283 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/19(水) 18:16:23.07 ID:h+OWgFQe0
結標の額を触ると、暖かさがあった。首には何かで締められたような傷があるが、もしかしたら……
「結標は生きてるかもしれない…」
誉望「そ、それは本当っすか!?」
慌てて誉望が駆け寄ってくる。
吹寄「待ってちょうだい!……それも大事だけど、血の跡が…このエリアの外の方にまで続いてるわ!」
「なに……」
そこで俺は立ち上がった。
「お前ら結標のこと頼む…! ただ、誰にもこの現場をいじらせるなよ」
“もしかしたら、まだ犠牲者がいるかもしれない”
悪い予想しか今の俺の頭にはなかった。
吹寄「絹旗さんも付いていってあげて!」
絹旗「あ……ちょ、超分かりました…!」
そこで五人と別れ、次のエリアの扉を開けた。
284 :
◆GN1D/gFl9g
[!red_res saga]:2020/02/19(水) 18:39:47.57 ID:h+OWgFQe0
エリア5〜6の通路に入ると、血の垂れた跡は一人の生徒の目の前で止まっていた。
また、人が倒れている。
同じようにうつ伏せになっている彼女は左肩の後ろ側から血を出していた。
何かで刺されたような跡があり、恐らくだが鋭利な刃物で刺されたのか服もその部分だけ大きく穴が空いている。
顔は見えなかったが、服装で分かった。
倒れている彼女は麦野沈利だ。
285 :
◆GN1D/gFl9g
[saga]:2020/02/19(水) 19:13:50.05 ID:h+OWgFQe0
操作パートはわりと早めに進むかも
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